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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007709
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/13 20060101AFI20240112BHJP
   A47J 36/18 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A47J27/13
A47J36/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108961
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】500367067
【氏名又は名称】株式会社カインズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姫井 健児
(72)【発明者】
【氏名】夏 本杰
(72)【発明者】
【氏名】箱守 大典
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA01
4B055BA38
4B055CA42
4B055CB03
4B055CC55
(57)【要約】
【課題】重畳させて使用しても調理がし易い調理器を提供する。
【解決手段】調理器1は、第1調理器本体11と、上方に突出する凸部12a1を備えて第1調理器本体11に接続する本体接続部12aと、凸部12a1に対応して本体接続部12aから下方に延在する把持部12bと、を備える第1調理器10と、第1調理器本体11に収納される第2調理器本体21と、第2調理器本体21に接続されて凸部12a1に係合可能な柄部22とを備える第2調理器20と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1調理器本体及び上方に突出する凸部を備えて前記第1調理器本体に接続する本体接続部、前記凸部に対応して前記本体接続部から下方に延在する把持部、を備える第1調理器と、
前記第1調理器本体に収納される第2調理器本体及び前記第2調理器本体に接続されて前記凸部に係合可能な柄部を備える第2調理器と、
を有する調理器。
【請求項2】
前記柄部は、枠状に形成される、請求項1に記載の調理器。
【請求項3】
外縁よりも径方向内側の裏面側に立設するリブ部を備える蓋を有し、
前記蓋の外縁と前記リブ部との間には、前記第2調理器本体の開口縁部に載置可能であって、前記第1調理器本体の開口縁部にも載置可能な部分を含む、
請求項1に記載の調理器。
【請求項4】
前記第2調理器本体の開口縁部は、前記第1調理器本体の開口縁部に載置可能な部分を含む、
請求項1に記載の調理器。
【請求項5】
前記把持部は、前記第1調理器本体部の径外方向に広がるように傾斜する、請求項1に記載の調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の調理器を重畳させて使用することができる調理器が開示されている。例えば、特許文献1には、片手鍋の上面を覆うことができる大きさの平板状の網の柄に、対向する円弧状部分の間に片手鍋の把持部分を挟み込むことができる止め具が設けられた調理具が開示されている。また、特許文献2には、棒状の把持部を備える鍋本体の開口縁部に切欠きが設けられ、該切欠きに係合可能な枠状の柄を備える中カゴと、中カゴの枠状の柄に嵌る柄が設けられた内カゴと、枠状の柄部を備えた蓋とを有する調理器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7-12042号公報
【特許文献2】実開平3-24044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の調理器では、弾発力を有する止め具を片手鍋の把持部分に嵌め込んだり外したりする作業にある程度の力を要するので、調理中に網の着脱を行うことが難しいことがある。また、特許文献2の調理器では、鍋本体の棒状の把持部に対応して切欠部が設けられるので、内カゴや中カゴと鍋本体を重ねて使用する際に、鍋本体の把持部で調理器を持つときに内カゴや中カゴの柄が邪魔になってしまうことがある。
【0005】
本発明は、重畳させて使用しても調理がし易い調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る調理器は、第1調理器本体及び上方に突出する凸部を備えて前記第1調理器本体に接続する本体接続部、前記凸部に対応して前記本体接続部から下方に延在する把持部、を備える第1調理器と、前記第1調理器本体に収納される第2調理器本体及び前記第2調理器本体に接続されて前記凸部に係合可能な柄部を備える第2調理器と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1調理器と第2調理器を重畳させて使用しても第1調理器本体に収納される第2調理器の安定性が高いため調理がし易い調理器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る調理器の斜視図である。
図2】実施形態に係る調理器の第1調理器、第2調理器及び蓋を分離して示す斜視図である。
図3】実施形態に係る調理器の図1のIII-III断面図である。
図4】実施形態に係る調理器の第2調理器を省略して示す、図1のIII-III断面に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る調理器1は、第1調理器10と、第2調理器20と、蓋30とを有する。本実施形態においては、第1調理器10は片手鍋であり、第2調理器20は柄付のざるである。
【0010】
第1調理器10は、上部が開口される略有底円筒状の第1調理器本体11を有する。第1調理器本体11は、図3に示すように、底部11aと、底部11aから略円筒状に立設する外周部11bと、上部の開口部11cとを有する。外周部11bは、図3の垂直方向の断面(縦断面)視において、底部11a側が膨出し、膨出した底部11a側から開口部11c側に向かってやや窄まるように形成されている。開口部11cを形成する外周部11bの縁部11b1は、外側に折り返されて、切断部が開口部11cの外側に向くように形成されている。縁部11b1は、第1調理器10の第1調理器本体11における開口縁部とされている。
【0011】
外周部11bの縁部11b1には、注ぎ口11dが設けられている。注ぎ口11dに対向する外周部11bの上部には、略逆L字状の取手12が設けられている。取手12は、一端が第1調理器本体11に接続する本体接続部12aと、本体接続部12aの他端から下方に略棒状に延在する把持部12bとを有する。本体接続部12aの他端には、上方に突出する凸部12a1が設けられている。把持部12bは、凸部12a1に対応して下方に延在している。換言すれば、凸部12a1は、把持部12bの上方端の延長上に設けられている。
【0012】
本実施形態においては、取手12は、略円筒状の接続部材13と、長尺部14aと短尺部14bとを備える略逆L字状の把持部材14とを有する。長尺部14aは、中央よりやや下側部分が膨出した形状とされ、握り易く形成されている。把持部材14は、長尺部14aに設けられる孔部14a1から挿入されるねじ部材15が外周部11bに設けられるナット部11b2に螺合し、短尺部14bと外周部11bとの間で接続部材13を挟み込むようにしてねじ部材15が締められて固定される。ここで、短尺部14bの先端にはボス部14b1が設けられる。ボス部14b1は、接続部材13に挿入されている。また、孔部14a1には、蓋部材16が取り付けられている。
【0013】
本実施形態においては、本体接続部12aは、接続部材13と、把持部材14の短尺部14bとを含み、把持部12bは把持部材14の長尺部14aを含む。凸部12a1は、把持部材14の長尺部14aと短尺部14bとが接続する部分に設けられている。
【0014】
また、把持部材14の長尺部14aと短尺部14bは、略直交して設けられるが、接続部材13が斜め上方に向けて配置されるため、長尺部14a(把持部12b)は、第1調理器本体11の径外方向に広がるように傾斜して延在している。よって、長尺部14a(把持部12b)と外周部11bとの間に十分なスペースが確保されて、第1調理器10(調理器1)は、把持し易いものとなっている。
【0015】
図2に示すように、第2調理器20は、上部が開口される略有底円筒状の第2調理器本体21と、枠状の柄部22とを有する。第2調理器本体21は、第1調理器本体11に収納される。第2調理器本体21は、略有底円筒状の金網からなる網部21aと、第2調理器20の開口部21cを形成する金属製の円環状の縁部材21bとを有する。縁部材21bは、第2調理器20の第2調理器本体21の開口縁部とされている。図3に示すように、網部21aは、図3の垂直断面(縦断面)視において上方に拡開するように形成されている。縁部材21bは、カール曲げ加工され形成されている。
【0016】
第2調理器20の縁部材21bは、第1調理器10の縁部11b1に載置可能な部分を含む。従って、第2調理器20を第1調理器10にセットした(収納した)状態においては、第1調理器10の底部11aと第2調理器20の網部21aの底部を離間した状態とすることができる。そして、上方に拡開するように形成される網部21aと、下方が膨出部して上方に窄まるように形成される外周部11bを備える第1調理器本体11により、第2調理器20を第1調理器10に載置するように収納しつつ、網部21aと第1調理器本体11との干渉が無いように形成される。
【0017】
第2調理器20の柄部22は、金属線材により略U字状に形成され、縁部材21bに接続する柄接続部22aと、柄接続部22aから直線状で外側に延在する柄把持部22bとを有している。柄接続部22aは、柄部22の2本の端部側に設けられ、下方に凸側を向けた略円弧状に設けられている。柄接続部22aにより、柄把持部22bは縁部材21bよりも上方位置に配置される。なお、柄接続部22aは、側面から見て、縁部材21bと略平行とされている。
【0018】
第2調理器20を第1調理器10にセットした(収納した)状態においては、柄部22は、柄把持部22bの2本の線材の間に第1調理器10の凸部12a1を挿入して係合することができる。このように、柄部22が凸部12a1を挟むように係合することで、柄部22の水平方向の動きを規制することができ、第2調理器20は安定して第1調理器10内に収まることが可能である。
【0019】
図1図2に示すように、蓋30は、略円盤状の蓋本体31と、取手32とを有する。蓋本体31は、図3の垂直断面視において、取手32側(表面側)を凸とする略円弧状とされる蓋部31aを備えている。蓋部31aは、透明ガラス製とされている。蓋部31aは、貫通孔とされる蒸気孔31a1を有する。蓋部31aの外周には、環状の蓋枠部材31bが設けられている。蓋枠部材31bは、金属製であり、取手32が設けられている面と反対側の面(裏面側)において環状に立設するリブ部31b1が設けられている。換言すれば、リブ部31b1は、蓋本体31の径方向内側の裏面側に立設している。
【0020】
蓋本体31の外縁(すなわち、蓋枠部材31bの外縁)とリブ部31b1との間には、円環状に形成される平坦面部31b2が設けられている。平坦面部31b2は、第2調理器本体21の縁部材21bに載置可能に形成されている。平坦面部31b2が縁部材21bに載置されるとき、リブ部31b1は、縁部材21bの内側の近傍に位置している。更に、平坦面部31b2は、図4に示すように、第1調理器本体11の縁部11b1に載置可能に形成されている。平坦面部31b2が縁部11b1に載置されるとき、リブ部31b1は、縁部11b1の内側の近傍に位置している。
【0021】
このようにして、蓋30は、第2調理器20をセットした第1調理器10に対して使用できるだけでなく、第2調理器20をセットしていない第1調理器10に対しても使用することができる。そして、蓋30は、第2調理器20に載せても、第1調理器10に載せても、リブ部31b1が縁部材21b1又は縁部11b1である何れの開口縁部の内側の近傍に位置するため、水平方向のガタツキが低減されて、ズレ落ち難くされている。
【0022】
このように形成される調理器1は、食材を茹でる場合には、水を満たした第1調理器10に第2調理器20をセットし、第2調理器20に食材を入れる。茹で上がりには、使用者は、第2調理器20の柄部22を把持して第2調理器20を第1調理器10から取り外して水切りすることができる。又は、使用者は、第2調理器20がセットされた第1調理器10の把持部12bを把持してシンク等に移動させることができる。
【0023】
ここで、第2調理器20の柄部22は、2本の直線状部の間に凸部12a1が係合し配置される。従って、調理器1の移動中等であっても、第2調理器20が回動等して移動してしまうことが規制されるため、第2調理器20は安定して第1調理器10内に収まることが可能である。また、第2調理器20を第1調理器10にセットしたまま第1調理器10の把持部12bを把持しても、下方に向けて傾斜して延在する把持部12bは水平方向に延在する柄部22と離間しているので、柄部22が邪魔になることが無く、確実に把持部12bを把持することができる。更には、把持部12bが第1調理器本体11の径外方向に広がるように下方に向けて傾斜して延在していることで、第1調理器10に第2調理器20がセットされた状態で使用・移動する際に、使用者は片手の親指で凸部12a1近傍の柄部22を押さえ固定できることで水平方向のガタツキが低減でき、第2調理器20はより安定して第1調理器10内に収まることが可能である。このようにして、調理器1は、第1調理器10と第2調理器20を重畳させて使用しても安定性が高いため調理がし易い。
【0024】
また、第2調理器20の第1調理器10からの取り出しは、柄部22を把持して持ち上げるだけで良いので、容易に第2調理器20を取り出すことができる。
【0025】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態によって限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。例えば、柄部22は、樹脂材料等により平板状に形成し、凸部12a1に対して係合する凹部や孔部を備えるようにしても良い。しかしながら、本実施形態のように、柄部22を枠状に形成することで、簡易な形態で、容易に柄部22と凸部12a1を係合させることができる。そして、把持部12bから凸部12a1が延在するので、意匠性の高い調理器1とすることができる。また、第1調理器10、第2調理器20及び蓋30は、円形としたが、他の形状であっても本発明を実施することができる。その他、取手12の形状等も、本実施形態に限定されることはない。
【符号の説明】
【0026】
1 調理器 10 第1調理器
11 第1調理器本体 11a 底部
11b 外周部 11b1 縁部
11b2 ナット部 11c 開口部
11d 注ぎ口 12 取手
12a 本体接続部 12a1 凸部
12b 把持部 13 接続部材
14 把持部材 14a 長尺部
14a1 孔部 14b 短尺部
14b1 ボス部 15 ねじ部材
16 蓋部材 20 第2調理器
21 第2調理器本体 21a 網部
21b 縁部材 21b1 縁部材
21c 開口部 22 柄部
22a 柄接続部 22b 柄把持部
30 蓋 31 蓋本体
31a 蓋部 31a1 蒸気孔
31b 蓋枠部材 31b1 リブ部
31b2 平坦面部 32 取手
図1
図2
図3
図4