(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077096
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】ねじ部材の回し工具
(51)【国際特許分類】
B25B 21/00 20060101AFI20240531BHJP
F16H 25/12 20060101ALI20240531BHJP
B25B 13/52 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B25B21/00 H
F16H25/12 A
B25B13/52 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188938
(22)【出願日】2022-11-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000142517
【氏名又は名称】株式会社空研
(71)【出願人】
【識別番号】516362702
【氏名又は名称】株式会社ノルトロックジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(72)【発明者】
【氏名】藤井 健太
(72)【発明者】
【氏名】竹中 正人
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AB32
3J062AC07
3J062BA11
3J062CC13
(57)【要約】
【課題】無端状ベルト12が駆動部14とねじ部材13の円状の外周面とに掛け渡される際に、工具本体11aの駆動部14又は位置決めローラ15の位置を調節することにより、無端状ベルト12の張力を一定に保持するねじ部材の回し工具1aを提供する。
【解決手段】ねじ部材の回し工具1aは、工具本体11aと無端状ベルト12とを備え、外周面が円状の丸ナットなどのねじ部材13の回し工具であり、工具本体11aに、外周面が円状の駆動部14と、駆動部14の往復動手段2と、工具本体11aの往復動方向の一方端部の位置決めローラ15とを備え、位置決めローラ15がねじ部材13の円状の外周面に当接した状態で、無端状ベルト12が駆動部14とねじ部材13の円状の外周面とに掛け渡されて、無端状ベルト12の張力を所定値に保持して、ねじ部材13の回し動作を可能としたものである。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナット、丸ボルトなどのねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記駆動部の往復動手段と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラとを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材の円状の外周面とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたことを特徴とするねじ部材の回し工具。
【請求項2】
工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナット、丸ボルトなどのねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラと、前記位置決めローラの往復動手段とを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたことを特徴とするねじ部材の回し工具。
【請求項3】
前記駆動部の往復動手段又は前記位置決めローラの往復動手段は、前記往復動手段に連結した送りねじと、送りねじ回転ハンドルとを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のねじ部材の回し工具。
【請求項4】
前記往復動手段には、前記無端状ベルトを前記ねじ部材の回し可能状態から取外し可能状態に緩める、ベルトリリース機構とリターンスプリングとを備えており、
前記ベルトリリース機構は、操作ノブと、前記操作ノブに形成された操作ピンと、前記送りねじに形成された前記操作ピンが嵌まり込むリリース溝とを備えており、
前記操作ノブの回動操作により、前記操作ピンが前記リリース溝を移動して、前記リターンスプリングにより前記無端状ベルトを取外し可能状態に緩めるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のねじ部材の回し工具。
【請求項5】
前記無端状ベルトの周長は600~1400mmであり、前記ねじ部材の外周面の外径は100~410mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のねじ部材の回し工具。
【請求項6】
前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材とに掛け渡された状態で、前記無端状ベルトの外側から前記無端状ベルトをガイドする一対のガイドプーリが前記工具本体に備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のねじ部材の回し工具。
【請求項7】
前記駆動部には、工具本体の上方部、下方部又は上下両方部に、動力工具の回転部又は手動ハンドルの回転部の連結部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のねじ部材の回し工具。
【請求項8】
前記駆動部の往復動手段は、前記駆動部に連結された送りねじと送りねじ回転ハンドルとにより、前記駆動部が往復動方向に形成された空間部を往復動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のねじ部材の回し工具。
【請求項9】
前記位置決めローラの往復動手段は、上下一対の矩形状の枠体から形成され、前記一対の枠体の往復動方向の一方端部に位置決めローラが立設され、他方端部に送りねじと送りねじ回転ハンドルとが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のねじ部材の回し工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周面が円状の丸ナット、丸ボルトなどのねじ部材の回し工具に係り、特に、工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラと、前記駆動部又は前記位置決めローラの往復動手段とを備え、無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材の円状の外周面とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたねじ部材の回し工具に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面が円状の丸ナット、丸ボルトなどの回し工具は、実用化されていない。
また、従来、駆動側回転体の外周とねじ軸に螺合された六角ナットの外側面に巻き掛けられた無端状ベルトに、弾性付勢体の弾性力で押し付けられ、無端状ベルトの動きに連動して回動する張力付与ローラが、装置本体に取り付けられて、六角ナットを回転させるようにしたナット操作装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来、六角ナット、六角ボルトなどのねじ締付け具として、回動手段により回動するベルト等の無端状の帯体と、帯体をケーシングから膨出させて形成した被締付け体の外周に掛ける掛け輪部及び帯体のテンション機構からなるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
前記帯体のテンション機構は、ケーシング内に固設した案内筒に進退杆を内設し、進退杆の前記帯体の掛輪部方向端をケーシング外に突出させて突当ローラを軸着し、他方端には掛輪部方向に付勢したスプリングを縮設したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-91014号公報(
図1参照)
【特許文献2】特開平7-96472号公報(
図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の従来のナット操作装置は、大きさの異なるナットの螺合操作に適用できるが、作業者はベルトの張力を一定にすることが必要で熟練した技能が要求されるという課題があった。
また、特許文献2に記載の従来のねじ締め付け具は、大きさの異なるナットの締付け、弛緩作業に対処できるが、作業者は帯体の張力の調整が難しいという課題があった。
【0006】
本発明は、従来のナット操作装置やねじ締め付け具における作業者がベルト、帯体の張力の調整が難しいという課題を解決しようとするものであり、無端状ベルトが駆動部とねじ部材の円状の外周面とに掛け渡される際に、工具本体の駆動部又は位置決めローラの位置を調節することにより、無端状ベルトの張力を一定に保持することができるようにしたねじ部材の回し工具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明のねじ部材の回し工具は、工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナット、丸ボルトなどのねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記駆動部の往復動手段と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラとを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材の円状の外周面とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたものである。
【0008】
請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具は、工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナット、丸ボルトなどのねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラと、前記位置決めローラの往復動手段とを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたものである。
【0009】
請求項3に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1又は請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の構成に加え、前記駆動部の往復動手段又は前記位置決めローラの往復動手段は、前記往復動手段に連結した送りねじと、送りねじ回転ハンドルとを備えたものである。
【0010】
請求項4に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項3に係る本発明のねじ部材の回し工具の構成に加え、前記往復動手段には、前記無端状ベルトを前記ねじ部材の回し可能状態と取外し可能状態とに切替える円筒溝カム機構を備えており、
前記円筒溝カム機構は、操作ノブと、前記操作ノブに形成された操作ピンと、円筒側面に前記操作ピン嵌合用のカム溝が形成されたカム軸とを備えており、
前記操作ノブの回動操作により、前記操作ピンが前記カム溝を移動して、前記送りねじ及び前記送りねじ回転ハンドルを往復動可能としたものである。
【0011】
請求項5に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1又は請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の構成に加え、前記無端状ベルトの周長は600~1400mmであり、前記ねじ部材の外周面の外径は100~410mmであるものである。
【0012】
請求項6に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1又は請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の構成に加え、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材とに掛け渡された状態で、前記無端状ベルトの外側から前記無端状ベルトをガイドする一対のガイドプーリが前記工具本体に備えられているものである。
【0013】
請求項7に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1又は請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の構成に加え、前記駆動部には、工具本体の上方部、下方部又は上下両方部に、動力工具の回転部又は手動ハンドルの回転部の連結部を備えているものである。
【0014】
請求項8に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1に係る本発明のねじ部材の回し工具の構成に加え、前記駆動部の往復動手段は、前記駆動部に連結された送りねじと送りねじ回転ハンドルとにより、前記駆動部が往復動方向に形成された空間部を往復動するようにしたものである。
【0015】
請求項9に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の構成に加え、前記位置決めローラの往復動手段は、上下一対の矩形状の枠体から形成され、前記一対の枠体の往復動方向の一方端部に位置決めローラが立設され、他方端部に送りねじと送りねじ回転ハンドルとが設けられているものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る本発明のねじ部材の回し工具は、工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナット、丸ボルトなどのねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記駆動部の往復動手段と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラとを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材の円状の外周面とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたから、駆動部の位置を調節して無端状ベルトの張力を一定に保持することができるのである。
したがって、作業者は無端状ベルトの張力を一定とした状態で、ねじ部材の回し工具により、ねじ部材を回すことができるのである。
【0017】
請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具は、工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナット、丸ボルトなどのねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラと、前記位置決めローラの往復動手段とを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたから、位置決めローラの位置を調節して無端状ベルトの張力を一定に保持することができるのである。
したがって、作業者は無端状ベルトの張力を一定とした状態で、ねじ部材の回し工具により、ねじ部材を回すことができるのである。
【0018】
請求項3に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1又は請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の効果に加え、前記駆動部の往復動手段又は前記位置決めローラの往復動手段は、前記往復動手段に連結した送りねじと、送りねじ回転ハンドルとを備えたものであるから、往復動手段を簡単な構成部材により製作することができるのである。
【0019】
請求項4に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1又は請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の効果に加え、前記往復動手段には、前記無端状ベルトを前記ねじ部材の回し可能状態と取外し可能状態とに切替える円筒溝カム機構を備えており、
前記円筒溝カム機構は、操作ノブと、前記操作ノブに形成された操作ピンと、円筒側面に前記操作ピン嵌合用のカム溝が形成されたカム軸とを備えており、
前記操作ノブの回動操作により、前記操作ピンが前記カム溝を移動して、前記送りねじ及び前記送りねじ回転ハンドルを往復動可能としたから、操作ノブの回動操作を行うことにより、無端状ベルトを取外し可能状態に切替え、無端状ベルトの弛緩と、掛け渡し準備状態として、往復動手段を迅速に往復動させることができ、ねじ部材の回し作業を能率よく行うことができるのである。
【0020】
請求項5に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1又は請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の効果に加え、前記無端状ベルトの周長は600~1400mmであり、前記ねじ部材の外周面の外径は100~410mmであるから、大きさの異なる広範囲のねじ部材の回し作業に適用できるのである。
【0021】
請求項6に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1又は請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の効果に加え、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材とに掛け渡された状態で、前記無端状ベルトの外側から前記無端状ベルトをガイドする一対のガイドプーリが前記工具本体に備えられているから、駆動部による無端状ベルトのスリップを防止することができ、ねじ部材の安定した回し作業を行えるのである。
【0022】
請求項7に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1又は請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の効果に加え、前記駆動部には、工具本体の上方部に、動力工具の回転部又は手動ハンドルの回転部の連結部を備えているから、汎用の電動ドライバや手動ハンドルでねじ部材の回し作業が行えるのである。
【0023】
請求項8に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項1に係る本発明のねじ部材の回し工具の効果に加え、前記駆動部の往復動手段は、前記駆動部に連結された送りねじと送りねじ回転ハンドルとにより、前記駆動部が往復動方向に形成された空間部を往復動するようにしたから、空間部を形成することにより、簡単な構成で駆動部を往復動させることができるのである。
【0024】
請求項9に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の効果に加え、前記位置決めローラの往復動手段は、上下一対の矩形状の枠体から形成され、前記一対の枠体の往復動方向の一方端部に位置決めローラが立設され、他方端部に送りねじと送りねじ回転ハンドルとが設けられているから、一対の矩形状の枠体を形成することにより、簡単な構成で位置決めローラを往復動させることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係るねじ部材の回し工具の使用状態を説明する斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係る無端状ベルトを省略した、ねじ部材の回し工具の縦断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態に係るスプリングを省略した円筒溝カム機構を説明する図面で、(a)は斜視説明図、(b)は無端状ベルトについて取外し可能状態を示す説明図及び(c)は無端状ベルトについてねじ部材の回し可能状態を示す説明図である。
【
図5】
図4の円筒溝カム機構の操作ノブによる操作を示す説明図で、(a)は
図4(b)に対応する説明図及び(b)は
図4(c)に対応する説明図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態に係るねじ部材の回し工具について無端状ベルトの説明図で、(a)は回動具、スプリングを省略した作業状態を示す平面説明図及び(b)は操作ノブを回動操作して無端状ベルトを弛緩した状態を示す平面説明図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態に係る構成部品を示す断面図で、(a)は位置決めローラの断面図及び(b)はガイドプーリを示す断面図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態に係るねじ部材の回し工具の使用状態の変形例を説明する斜視図である。
【
図9】本発明の第2の実施の形態に係る無端状ベルトを省略した、ねじ部材の回し工具の斜視図である。
【
図12】本発明の第2の実施の形態に係るねじ部材の回し工具について無端状ベルトの説明図で、(a)は回動具を省略した作業状態を示す平面説明図及び(b)は操作ノブを回動操作して無端状ベルトを弛緩した状態を示す平面説明図である。
【
図13】本発明の第2の実施の形態に係るねじ部材の回し工具について無端状ベルトを交換する場合の説明斜視図で、(a)は無端状ベルト及び回動具を省略した交換作業前の説明図、(b)は本体天板の取外しの説明図及び(c)矩形状の枠体の取外しの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を添付した図面により詳細に説明する。
図1~
図8は本発明の第1の実施の形態に係る図面であり、
図9~
図13は本発明の第2の実施の形態に係る図面である。
【0027】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を
図1~
図8により説明する。
図1はねじ部材の回し工具の使用状態を説明する斜視図、
図2は無端状ベルトを省略したねじ部材の回し工具の縦断面図、
図3は
図2の一部切欠平面図、
図4はスプリングを省略した円筒溝カム機構を説明する図面で、(a)は斜視説明図、(b)は無端状ベルトについて取外し可能状態を示す説明図及び(c)は無端状ベルトについてねじ部材の回し可能状態を示す説明図、
図5は
図4の円筒溝カム機構の操作ノブによる操作を示す説明図で、(a)は
図4(b)に対応する説明図及び(b)は
図4(c)に対応する説明図、
図6はねじ部材の回し工具について無端状ベルトの説明図で、(a)は回動具、スプリングを省略した作業状態を示す平面説明図及び(b)は操作ノブを回動操作して無端状ベルトを弛緩した状態を示す平面説明図、
図7は構成部品を示す断面図で、(a)は位置決めローラの断面図及び(b)はガイドプーリを示す断面図、及び
図8はねじ部材の回し工具の使用状態の変形例を説明する斜視図である。
【0028】
<ねじ部材の回し工具の基本的構成>
本発明の第1の実施の形態に係るねじ部材の回し工具1aの基本的構成を、
図1~
図3、
図6及び
図7に基づいて説明する。
ねじ部材の回し工具1aは、工具本体11aと無端状ベルト12とを備え、外周面が円状の丸ナットからなるねじ部材13の回し工具である。
【0029】
丸ナットからなるねじ部材13は、この実施の形態では、発電設備に使用されるスチームタービンのケーシングのフランジ結合部に設けられた多数のボルトを締め付けるための外周面が円状の丸ナットで、ねじ部材13をねじ部材の回し工具1aにより回して、締め付けはボルトを加熱して伸ばした状態で常温に冷却することで締め付けるようにしたものである。
そして、多数のボルトにおける隣合うボルトの間隔が狭いために外周面が円状の丸ナットからなるねじ部材13を使用し、無端状ベルト12でねじ部材13を回すようにしているのである。
【0030】
工具本体11aに、外周面が円状の駆動部14と、駆動部14の往復動手段2と、工具本体11aの往復動方向の一方端部(
図2において左側)の位置決めローラ15とを備えている。
駆動部14には、
図2に示すように、工具本体11aの上方部及び下方部の上下両方部に、回動具4として電動ドライバなどからなる動力工具41の先端の回転部又は手動ハンドルの回転部が係合される連結部14aを備えている。
【0031】
そして、
図1に示すように、一対の位置決めローラ15がねじ部材13の円状の外周面に当接した状態で、無端状ベルト12が駆動部14とねじ部材13の円状の外周面とに掛け渡されて、電動ドライバなどからなる動力工具41を駆動部14の連結部14aに係合して、ねじ部材13の回し動作が行えるようにしているのである。
駆動部14は、
図6に示すように、外周面を歯車状14bとし、駆動部14に掛け渡される無端状ベルト12は合成ゴム製で内周面が、駆動部14の歯車状14bと噛み合う凹凸状12aに形成されて、無端状ベルト12の駆動部14でのスリップ防止を図っている。
【0032】
無端状ベルト12の周長は600~1400mmであり、ねじ部材13の外周面の外径は100~410mmである。
無端状ベルト12はねじ部材13の外周面の外径に応じて交換するのであり、交換は
図4に示す一対のローレットねじ17を取外して工具本体11aの上板11c及び駆動部フレーム14cを取外すことにより行うのである。
【0033】
駆動部14の往復動手段2は、往復動手段2に連結した送りねじ21と、送りねじ回転ハンドル22とを備えたものであり、往復動手段2を簡単な構成部材により製作することができるようにしているのである。
送りねじ回転ハンドル22を往回転操作することにより、無端状ベルト12が緩む方向に駆動部14が空間部23を移動し、送りねじ回転ハンドル22を復回転操作することにより、無端状ベルト12が張られる方向に駆動部14が空間部23を移動するようにしている。
【0034】
位置決めローラ15は、
図6に示すように、工具本体11aの一方端側に一対設けられ、
図7(a)に示すように、ローラシャフト15aと一対の軸受15bとローラ15cとを備えており、ローラシャフト15aは工具本体11aの上板11cと下板11dとで固定され、一対の軸受15bはローラシャフト15aの上下に設けられ、ローラ15cは一対の軸受15bにより回転可能に支持されている。
また、ガイドプーリ16は、
図6に示すように、無端状ベルト12が駆動部14とねじ部材13とに掛け渡された状態で、無端状ベルト12の外側から無端状ベルト12をガイドするように、工具本体11aに一対備えられており、駆動部14による無端状ベルト12のスリップを防止することができ、ねじ部材13の安定した回し作業を行えるようにしている。
【0035】
ガイドプーリ16は、
図7(b)に示すように、プーリシャフト16aと一対の軸受16bとプーリ16cとを備えており、プーリシャフト16aは工具本体11aの上板11cと下板11dとで固定され、一対の軸受16bはプーリシャフト16aの上下に設けられ、プーリ16cは一対の軸受16bにより回転可能に支持されている。
【0036】
そして、位置決めローラ15がねじ部材13の円状の外周面に当接した状態で、無端状ベルト12が駆動部14とねじ部材13の円状の外周面とに掛け渡されて、ねじ部材13の回し動作を可能としたから、駆動部14の位置を往復動手段2により調節して無端状ベルト12の張力を一定に保持することができるのである。
したがって、作業者は無端状ベルト12の張力を一定とした状態で、ねじ部材の回し工具1aにより、ねじ部材13を回すことができるのである。
【0037】
<円筒溝カム機構の構成>
つぎに、往復動手段2に備えられている円筒溝カム機構3について、
図4及び
図5に基づいて説明する。
円筒溝カム機構3は、無端状ベルト12をねじ部材13の回し可能状態と取外し可能状態とに切替える機能を有するものであり、往復動手段2を迅速に往復動させることができ、多数のねじ部材13の回し作業を能率よく行うことができるようにするものである。
【0038】
円筒溝カム機構3は、操作ノブ31と、操作ノブ31に形成された操作ピン32と、円筒側面33aに操作ピン嵌合用のカム溝33bが形成されたカム軸33とを備えている。
そして、操作ノブ31の回動操作により、操作ピン32がカム溝33bを移動することにより、
図5(a)の通常作動状態と、
図5(b)の送りねじ21及び送りねじ回転ハンドル22とを往復動可能として、迅速に駆動部14の往復動ができるようにしている。
【0039】
カム溝33bは、
図4(b)、(c)に示すように、カム軸33の円筒側面33aにらせん状部とほぼ円筒側面33aに略直交する交差状部とから形成されるとともに、無端状ベルト12の掛け渡し作動時に、交差状部の奥側が傾斜して操作ピン32が確実に固定される抜け止め防止形状に形成されている。
円筒溝カム機構3は、操作ノブ31のワンタッチ操作で、無端状ベルト12をねじ部材13の回し可能状態と取外し可能状態とに切替えることにより、無端状ベルト12を取外し可能状態に切替えて、無端状ベルト12の弛緩及び掛け渡し準備状態として、往復動手段2を迅速に往復動させることができ、多数のねじ部材13の回し作業を能率よく行うことができるのである。
【0040】
また、円筒溝カム機構3には、
図2に示すように、リターンスプリング34が設けられており、操作ノブ31のワンタッチ操作により、リターンスプリング34の弾力により駆動部14が移動し、無端状ベルト12のねじ部材13への脱着時間が一層短縮されるようにしたものである。
なお、
図1及び/又は
図2において、14dは駆動部後フレーム、14eは回転軸、14fは平行キー、14gは一対の軸受、18は把手、22aはスラスト軸受、51は一対の側板、52は後フレーム、53は支柱である。
【0041】
<第1の実施形態の変形例>
第1の実施の形態では、ねじ部材を外周面が円状の丸ナットとしたが、丸ナットに替えて外周面が円状の丸ボルトとしてもよい。
また、第1の実施の形態では、駆動部の往復動手段を送りねじと送りねじ回転ハンドルとにより構成したが、ガイドレールと引張り紐状具又はガイドレールと帯状巻取押出具などに替えてもよい。
【0042】
第1の実施の形態では、駆動部の回動を電動ドライバなどの動力工具で行ったが、動力工具に替えて手動ハンドルで行ってもよい。
そして、第1の実施の形態では、駆動部には、工具本体の上方部及び下方部の上下両方部に、動力工具の回転部の連結部を備えたが、工具本体の上方部又は下方部に連結部を備えてもよい。
【0043】
また、第1の実施の形態では、円筒溝カム機構を備えてねじ部材の回し作業を能率よくできるようにしたが、円筒溝カム機構を省略してもよい。
【0044】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態を
図9~
図13に基づいて説明する。
図9は第2の実施の形態に係る無端状ベルトを省略した、ねじ部材の回し工具の斜視図、
図10は
図9の縦断面図、
図11は
図9の平面断面図、
図12は第2の実施の形態に係るねじ部材の回し工具について無端状ベルトの説明図で、(a)は回動具を省略した作業状態を示す平面説明図及び(b)は操作ノブを回動操作して無端状ベルトを弛緩した状態を示す平面説明図及び
図13は第2の実施の形態に係るねじ部材の回し工具について無端状ベルトを交換する場合の説明斜視図で、(a)は無端状ベルト及び回動具を省略した交換作業前の説明図、(b)は本体天板の取外しの説明図及び(c)矩形状の枠体の取外しの説明図である。
【0045】
第1の実施の形態がねじ部材と駆動部とに無端状ベルトを掛け渡したときの張力を所定値にするために駆動部を往復動させていたのに対し、第2の実施の形態は、駆動部の往復動に替えて位置決めローラの往復動により、無端状ベルトの張力を所定値にするようにしたものである。
以下、第2の実施の形態について、第1の実施の形態と同様な構成については説明を省略ないし簡略にし、第1の実施の形態と異なる構成について主として説明をする。
【0046】
工具本体11bは、駆動部14が工具本体11bの上板11eと下板11fとに回動可能に固定され往復動しないために、工具本体11bの上板11eと下板11fの形状が第1の実施の形態と異なっている。
そして、第2の実施の形態では、一対の位置決めローラ15が往復動するのである。
【0047】
位置決めローラ15の往復動手段2は、上下一対の矩形状の枠体24から形成され、上側枠体24aと下側枠体24bとからなる一対の枠体24の往復動方向の一方端部に一対の位置決めローラ15が立設され、他方端部に送りねじ21と送りねじ回転ハンドル22とが設けられている。
上側枠体24aは上板11eの側部底面に形成されたガイド部により往復動可能としており、下側枠体24bは下板11fの側部上面に形成されたガイド部により往復動可能としている。
【0048】
このように、一対の矩形状の枠体24を形成することにより、簡単な構成で位置決めローラ15を往復動させることができるのである。
また、第2の実施の形態における無端状ベルト12の周長は、第1の実施の形態と同様に、600~1400mmであり、ねじ部材13の外周面の外径は100~410mmである。
【0049】
無端状ベルト12はねじ部材13の外周面の外径に応じて交換するのであり、交換は
図13に示すように、
図13(a)の状態から、
図13(b)に示すように3本の第1ビス24cを取外して工具本体11bの上板11eを取外し、次に、
図13(c)に示すように第1ビス側の2本の第2ビス24dと位置決めローラ15側の1本の第3ビス24eを取り外して上側枠体24aを工具本体11bから取り外すことにより行うのである。
第2の実施の形態では、位置決めローラ15の往復動手段2は、往復動手段2に連結した送りねじ21と、送りねじ回転ハンドル22とを備え、送りねじ回転ハンドル22を往回転操作することにより、無端状ベルト12が緩む方向に位置決めローラ15が枠体24により移動し(
図12(b)参照)、送りねじ回転ハンドル22を復回転操作することにより、無端状ベルト12が張られる方向に位置決めローラ15が枠体24により移動ようにしている(
図12(a)参照)。
【0050】
そして、位置決めローラ15がねじ部材13の円状の外周面に当接した状態で、無端状ベルト12が駆動部14とねじ部材13とに掛け渡されて、ねじ部材13の回し動作を可能としたから、位置決めローラ15の位置を調節して無端状ベルト12の張力を一定に保持することができるのである。
したがって、作業者は無端状ベルト12の張力を一定とした状態で、ねじ部材の回し工具1bにより、ねじ部材13を回すことができるのである。
【0051】
なお、位置決めローラ15、ガイドプーリ16、円筒溝カム機構3などの構成、機能は第1の実施の形態と同様であり、第1の実施の形態の変形例も第2の実施の形態にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1a、1b ねじ部材の回し工具
11a、11b 工具本体
12 無端状ベルト
13 ねじ部材
14 駆動部
14a 連結部
15 位置決めローラ
16 ガイドプーリ
2 往復動手段
21 送りねじ
22 送りねじ回転ハンドル
23 空間部
24 矩形状の枠体
3 円筒溝カム機構
31 操作ノブ
32 操作ピン
33 カム軸
33a 円筒側面
33b カム溝
4 回動具
41 動力工具
42 手動ハンドル
【手続補正書】
【提出日】2023-06-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナットおよび丸ボルトからなるねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記駆動部の往復動手段と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラとを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材の円状の外周面とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたことを特徴とするねじ部材の回し工具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナットおよび丸ボルトからなるねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラと、前記位置決めローラの往復動手段とを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたことを特徴とするねじ部材の回し工具。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項9】
前記位置決めローラの往復動手段は、上下一対の矩形状の枠体から形成され、前記一対の矩形状の枠体の往復動方向の一方端部に位置決めローラが立設され、他方端部に送りねじと送りねじ回転ハンドルとが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のねじ部材の回し工具。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
請求項1に係る本発明のねじ部材の回し工具は、工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナットおよび丸ボルトからなるねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記駆動部の往復動手段と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラとを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材の円状の外周面とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具は、工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナットおよび丸ボルトからなるねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラと、前記位置決めローラの往復動手段とを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
請求項9に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の構成に加え、前記位置決めローラの往復動手段は、上下一対の矩形状の枠体から形成され、前記一対の矩形状の枠体の往復動方向の一方端部に位置決めローラが立設され、他方端部に送りねじと送りねじ回転ハンドルとが設けられているものである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
請求項1に係る本発明のねじ部材の回し工具は、工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状のおよび丸ボルトからなるねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記駆動部の往復動手段と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラとを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材の円状の外周面とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたから、駆動部の位置を調節して無端状ベルトの張力を一定に保持することができるのである。
したがって、作業者は無端状ベルトの張力を一定とした状態で、ねじ部材の回し工具により、ねじ部材を回すことができるのである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具は、工具本体と無端状ベルトとを備え、外周面が円状の丸ナットおよび丸ボルトからなるねじ部材の回し工具であり、
前記工具本体に、外周面が円状の駆動部と、前記工具本体の往復動方向の一方端部の位置決めローラと、前記位置決めローラの往復動手段とを備え、
前記位置決めローラが前記ねじ部材の円状の外周面に当接した状態で、前記無端状ベルトが前記駆動部と前記ねじ部材とに掛け渡されて、前記ねじ部材の回し動作を可能としたから、位置決めローラの位置を調節して無端状ベルトの張力を一定に保持することができるのである。
したがって、作業者は無端状ベルトの張力を一定とした状態で、ねじ部材の回し工具により、ねじ部材を回すことができるのである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
請求項9に係る本発明のねじ部材の回し工具は、請求項2に係る本発明のねじ部材の回し工具の効果に加え、前記位置決めローラの往復動手段は、上下一対の矩形状の枠体から形成され、前記一対の矩形状の枠体の往復動方向の一方端部に位置決めローラが立設され、他方端部に送りねじと送りねじ回転ハンドルとが設けられているから、一対の矩形状の枠体を形成することにより、簡単な構成で位置決めローラを往復動させることができるのである。