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特開2024-77099未確定仕様予測装置及び未確定仕様予測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077099
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】未確定仕様予測装置及び未確定仕様予測方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20240531BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188943
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 光慶
(72)【発明者】
【氏名】辻部 晃久
(72)【発明者】
【氏名】井上 鉄平
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】膨大な仕様項目から次に確定する仕様項目の予測を容易に行うことができる未確定仕様予測装置及び未確定仕様予測方法を提供する。
【解決手段】未確定仕様予測装置は、入力部と、仕様項目予測部とを備える。入力部は、予測対象となる製品における既に確定している確定済み仕様項目及び確定済み仕様値を含む予測対象仕様確定情報と、過去の製品の複数の仕様項目が決定された順番を含む過去仕様確定履歴情報の入力を受け付ける。仕様項目予測部は、過去仕様確定履歴情報及び予測対象仕様確定情報に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予測対象となる製品における既に確定している確定済み仕様項目及び確定済み仕様値を含む予測対象仕様確定情報と、過去の前記製品の複数の仕様項目が決定された順番を含む過去仕様確定履歴情報の入力を受け付ける入力部と、
前記過去仕様確定履歴情報及び前記予測対象仕様確定情報に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する仕様項目予測部と、を備える
未確定仕様予測装置。
【請求項2】
前記過去仕様確定履歴情報は、過去の前記製品の前記複数の仕様項目の変更履歴を含み、
前記複数の仕様項目の変更履歴に基づいて、前記複数の仕様項目の変更確率である仕様変更確率を算出する仕様変更確率算出部を備え、
前記仕様項目予測部は、前記仕様変更確率に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する
請求項1に記載の未確定仕様予測装置。
【請求項3】
前記過去仕様確定履歴情報に基づいて、各仕様項目及びその仕様値が決定されてから次に確定された全ての仕様項目の確定確率を算出して高い順に並べた仕様確定順序情報を生成する仕様確定順序算出部を備え、
前記仕様項目予測部は、前記仕様確定順序情報に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する
請求項1に記載の未確定仕様予測装置。
【請求項4】
前記予測対象仕様確定情報と、前記仕様確定順序情報とに基づいて、次に確定される仕様項目の候補の確定確率である仕様確定確率を算出する仕様確定順確率算出部を備え、
前記仕様項目予測部は、前記仕様確定確率に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する
請求項3に記載の未確定仕様予測装置。
【請求項5】
前記過去仕様確定履歴情報は、過去の前記製品の前記複数の仕様項目の変更履歴を含み、
前記複数の仕様項目の変更履歴に基づいて、前記複数の仕様項目の変更確率である仕様変更確率を算出する仕様変更確率算出部を備え、
前記仕様項目予測部は、前記仕様変更確率及び前記仕様確定確率に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する
請求項4に記載の未確定仕様予測装置。
【請求項6】
前記過去仕様確定履歴情報及び前記予測対象仕様確定情報に基づいて、前記仕様項目予測部が決定した次に確定が予測される仕様項目の仕様値を決定する仕様値予測部を備える
請求項1に記載の未確定仕様予測装置。
【請求項7】
前記仕様項目予測部が決定した次に確定が予測される仕様項目と確定済の仕様項目との組合せ偏相関度を算出し、当該組合せ偏相関度が高い順に仕様項目を並べ替えた組合せ偏相関度情報を生成する組合せ偏相関度測定部を備え、
前記仕様値予測部は、前記組合せ偏相関度情報に基づいて、前記仕様項目予測部が決定した次に確定が予測される仕様項目の仕様値を決定する
請求項6に記載の未確定仕様予測装置。
【請求項8】
前記組合せ偏相関度情報から、前記組合せ偏相関度の高い順に仕様項目の組合せを設定し、予測精度が改善しなくなるまで繰り返し予測モデルを学習し、前記仕様項目予測部が決定した次に確定が予測される仕様項目の仕様値を予測するために必要となる仕様項目を選定して、仕様選定結果情報を生成する仕様選定部を備え、
前記仕様値予測部は、前記仕様選定結果情報に基づいて、前記仕様項目予測部が決定した次に確定が予測される仕様項目の仕様値を決定する
請求項7に記載の未確定仕様予測装置。
【請求項9】
前記仕様値予測部は、前記仕様選定結果情報と前記過去仕様確定履歴情報から、予測モデルを学習し、前記仕様項目予測部が決定した次に確定が予測される仕様項目の仕様値を決定する
請求項8に記載の未確定仕様予測装置。
【請求項10】
入力部が、予測対象となる製品における既に確定している確定済み仕様項目及び確定済み仕様値を含む予測対象仕様確定情報と、過去の前記製品の複数の仕様項目が決定された順番を含む過去仕様確定履歴情報の入力を受け付けて、
仕様項目予測部が、前記過去仕様確定履歴情報及び前記予測対象仕様確定情報に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する
未確定仕様予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未確定仕様予測装置及び未確定仕様予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昇降機事業のような受注後に生産を開始する受注生産品は、納期を遵守するために、長納期の部品を受注前に調達しておく必要がある。しかし、部品の型式は、製品の設計(受注)が完了するまで決まらないため、事前の調達が難しく欠品や過剰在庫が発生する。
【0003】
例えば、昇降機におけるかごの大きさや速度といった一部の仕様情報は、設計の詳細が確定する前に決まる。そのため、これらの仕様情報から長納期の部品の型式を予測して、事前に調達する方法が採られてきた。しかし、予測の手掛かりとなる仕様情報の中には予測時点の商談状況により未確定の仕様が存在する。そのため、部品の型式を高精度に予測するには、未確定の仕様を事前に予測する必要がある。
【0004】
特許文献1には、入力された顧客の要求仕様に対して、その要求仕様を満たす設計ルールを設計実績から定めて製品仕様を決定する製品仕様設計装置が開示されている。この製品仕様設計装置は、要求仕様とその要求仕様に対する設計ルールとが、顧客情報または設置情報でカテゴリ化されて格納された記憶部を備える。そして、製品仕様設計装置は、入力された顧客の要求仕様に対して製品仕様を決定する際に、抽出条件とするカテゴリを入力し、当該カテゴリに属する設計実績のみを使用して製品仕様を決定する。また、カテゴリが複数ある場合には、予めカテゴリ同士の優先順位を定めておく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-207791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示された製品仕様設計装置は、製品仕様を決定する順序を人が予め設定する必要がある。このため、未確定の製品仕様を予測する場合には、商談の進捗状況に基づく仕様項目の確定順序を人手で判断する必要がある。しかし、昇降機のような受注生産品は、仕様項目が数万種類と膨大なため、人手では判断しきれない。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、膨大な仕様項目から次に確定する仕様項目の予測を容易に行うことができる未確定仕様予測装置及び未確定仕様予測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一態様である未確定仕様予測装置は、入力部と、仕様項目予測部とを備える。入力部は、予測対象となる製品における既に確定している確定済み仕様項目及び確定済み仕様値を含む予測対象仕様確定情報と、過去の製品の複数の仕様項目が決定された順番を含む過去仕様確定履歴情報の入力を受け付ける。仕様項目予測部は、過去仕様確定履歴情報及び予測対象仕様確定情報に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、膨大な仕様項目から次に確定する仕様項目の予測を容易に行うことができる。
なお、上述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る未確定仕様予測装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図2】一実施形態に係る型式予測仕様情報のデータ構造の一例を示す図である。
図3】一実施形態に係る過去仕様確定履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4】一実施形態に係る予測対象仕様確定情報のデータ構造の一例を示す図である。
図5】一実施形態に係る仕様変更確率情報のデータ構造の一例を示す図である。
図6】一実施形態に係る仕様確定順序情報のデータ構造の一例を示す図である。
図7】一実施形態に係る案件別仕様確定順確率情報のデータ構造の一例を示す図である。
図8】一実施形態に係る仕様項目予測情報のデータ構造の一例を示す図である。
図9】一実施形態に係る組合せ偏相関度情報のデータ構造の一例を示す図である。
図10】一実施形態に係る予測精度情報のデータ構造の一例を示す図である。
図11】一実施形態に係る仕様選定結果情報のデータ構造の一例を示す図である。
図12】一実施形態に係る仕様値予測情報のデータ構造の一例を示す図である。
図13】一実施形態に係る出力画面の一例を示す図である。
図14】一実施形態に係る未確定仕様予測装置による仕様及び部品型式予測処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施形態
以下、未確定仕様予測装置及び未確定仕様予測方法の実施形態について、図1図14を参照して説明する。なお、各図において共通の部分には、同一の符号を付している。
【0012】
本明細書において、案件とは顧客からの注文を意味し、その登録情報は、顧客名、納入先などから構成されているものとする。また、本実施例では、昇降機の仕様を予測する未確定仕様予測装置を例に挙げて説明する。しかし、本発明に係る未確定仕様予測装置は、昇降機の仕様を予測するものに限定されない。
【0013】
[未確定仕様予測装置の構成例]
まず、一実施形態に係る未確定仕様予測装置の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る未確定仕様予測装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、未確定仕様予測装置101は、ユーザが使用するユーザ端末103と、データが保存されたデータベース104に、ネットワーク102を介して接続されている。
【0015】
ユーザ端末103は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。ユーザは、ユーザ端末103を通して未確定仕様予測装置101に処理の実行指示を送る。また、ユーザ端末103は、未確定仕様予測装置101が出力する情報を、ユーザへ表示する表示装置を有する。
【0016】
データベース104は、例えばERP(Enterprise Resources Planning)等のシステム、またはそれに準じるデータを蓄積したデータベース、または記憶装置である。
【0017】
ネットワーク102は、ユーザ端末103と、データベース104と未確定仕様予測装置101を通信可能に接続する。ネットワーク102は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、VPN(Virtual Private Network)、インターネット等の一般公衆回線を一部または全部に用いた通信網のいずれかである。
【0018】
未確定仕様予測装置101は、PCまたはサーバーコンピュータ等の情報処理装置である。未確定仕様予測装置101は、記憶部110と、演算部130と、入力部140と、出力部150を備える。
【0019】
記憶部110は、型式予測仕様情報111と、過去仕様確定履歴情報112と、予測対象仕様確定情報113と、仕様変更確率情報114と、仕様確定順序情報115と、案件別仕様確定順確率情報116と、仕様項目予測情報117と、組合せ偏相関度情報118と、予測精度情報119と、仕様選定結果情報120と、仕様値予測情報121を記憶する。各情報については、後で説明する。
【0020】
演算部130は、情報取得部131と、仕様変更確率算出部132と、仕様確定順序算出部133と、案件別仕様確定順確率算出部134と、仕様項目予測部135と、組合せ偏相関度測定部136と、仕様選定部137と、仕様値予測部138と、部品型式予測部139を有する。各部については、後で説明する。
【0021】
入力部140は、ネットワーク102を介してユーザ端末103と、データベース104に接続されている。入力部140は、データベース104から型式予測仕様情報111と、過去仕様確定履歴情報112と、予測対象仕様確定情報113を受け取り、記憶部110へ格納する。入力部140は、ユーザ端末103から仕様予測に関する指令を受け取り、演算部130へ送る。
【0022】
出力部150は、記憶部110に格納された型式予測仕様情報111と、予測対象仕様確定情報113と、仕様値予測情報121を、ユーザ端末103へ送信する。なお、未確定仕様予測装置101は、ユーザ端末103へ送信した情報を表示する表示部を備えていてもよい。これにより、未確定仕様予測装置101の管理者は、ユーザがユーザ端末103に表示させている仕様の予測に関する情報を確認することができる。
【0023】
[型式予測仕様情報]
次に、型式予測仕様情報111について、図2を参照して説明する。
図2は、型式予測仕様情報111のデータ構造の一例である。
【0024】
型式予測仕様情報111には、昇降機の各部品の型式を予測する際に手掛かりとなる仕様項目情報が格納されている。型式予測仕様情報111は、部品と、仕様項目から構成されている。部品は、「巻上機モータ」など部品を識別する部品名称を示す。仕様項目は、部品の型式を予測する際に手掛かりとなる仕様項目を示す。例えば、図2に示す「部品1」は、出入口数、ドア形式、出入口幅、開き方向によって部品型式を予測できる。
【0025】
[過去仕様確定履歴情報]
次に、過去仕様確定履歴情報112について、図3を参照して説明する。
図3は、過去仕様確定履歴情報112のデータ構造の一例である。
【0026】
過去仕様確定履歴情報112には、過去案件に関する情報が格納されている。過去仕様確定履歴情報112は、案件番号と、顧客名と、納期と、納入先と、階床と、昇降機の複数の仕様項目と、各仕様項目の仕様情報である仕様値、登録日、及び変更フラグから構成される。複数の仕様項目としては、例えば、積載重量、速度、定員、動力などを挙げることができる。
【0027】
案件番号は案件を識別する番号情報を示す。顧客名は、各案件の顧客名称を示す。納期は、顧客への製品引渡の期限を示す。納入先は、例えば、昇降機を納める建物名を示す。階床は、納入先に設置する昇降機の階数を示す。
【0028】
仕様値は、各仕様項目の入力値を示す。登録日は、仕様値を入力した日を示す。変更フラグは、仕様値の変更状況を示す。すなわち、変更フラグが「0」の場合は、商談中に仕様値が変更されなかったことを示す。また、変更フラグが「1」の場合は、商談中に仕様値が1回以上変更されたことを示す。
【0029】
積載重量は、顧客が希望する製品の重量を示す。例えば、図3に示す案件番号「1」は、顧客が9/2に500kgまで積載可能な製品を希望し、商談が進んでも仕様値が変更されなかったことを示す。速度は、顧客が希望する製品の昇降速度を示す。例えば、図3に示す案件番号「1」は、顧客が9/22に120m/minの昇降速度の製品を希望しており、商談が進んでも仕様値が変更されなかったことを示す。
【0030】
定員は、顧客が希望する製品の乗車人数の上限を示す。例えば、図3に示す案件番号「1」は、顧客が12/5に5人乗りまでの製品を希望しており、商談が進んでも仕様値が変更されなかったことを示している。動力は、顧客が希望する製品の動力電圧を示す。例えば、図3に示す案件番号「1」は、顧客が3/5に20Vの製品を希望しており、商談中に仕様値が1回以上変更されたことを示す。すなわち、製品の動力電圧が、その前に希望していた値から20Vに変更されたことを示す。
【0031】
[予測対象仕様確定情報]
次に、予測対象仕様確定情報113について、図4を参照して説明する。
図4は、予測対象仕様確定情報113のデータ構造の一例である。
【0032】
予測対象仕様確定情報113には、現在の受注案件の登録情報が格納されている。予測対象仕様確定情報113は、案件番号と、顧客名と、納期と、納入先と、階床と、昇降機の複数の仕様項目と、各仕様項目の仕様情報である仕様値、登録日、及び変更フラグから構成される。
【0033】
各仕様項目が有する仕様情報が未確定の場合は、「-」が格納されている。例えば、図4に示す案件番号「101」は、複数の仕様項目のうちの少なくとも「動力」の仕様情報が確定していない。また、図4に示す案件番号「102」は、複数の仕様項目のうちの少なくとも「昇降速度」と「動力」の仕様情報が確定していない。
【0034】
[仕様変更確率情報]
次に、仕様変更確率情報114について、図5を参照して説明する。
図5は、仕様変更確率情報114のデータ構造の一例である。
【0035】
仕様変更確率情報114には、過去仕様確定履歴情報112に登録された仕様項目の変更履歴から各仕様項目の変更確率を算出した結果が格納されている。仕様変更確率情報114は、仕様項目と、仕様変更確率から構成される。例えば、図5に示す複数の仕様項目のうちの「積載重量」における仕様値が変更される確率は、35%である。
【0036】
[仕様確定順序情報]
次に、仕様確定順序情報115について、図6を参照して説明する。
図6は、仕様確定順序情報115のデータ構造の一例である。
【0037】
仕様確定順序情報115には、過去仕様確定履歴情報112に登録された仕様項目の登録日の履歴から、仕様項目・仕様値ごとに、仕様項目が確定した順序の確率を算出した結果が格納されている。仕様確定順序情報115は、仕様項目と、仕様値と、次に確定する仕様項目と、確定確率から構成される。
【0038】
例えば、図6に示す仕様確定順序情報115の仕様項目が「積載重量」で仕様値が「500(kg)」の場合に、次に確定する仕様項目は、「74%」の確率で「速度」であり、「7%」の確率で「定員」、「3%」の確率で「かご大きさ」である。また、仕様項目が「速度」で仕様値が「30(m/min)」の場合に、次に確定する仕様項目は、「92%」の確率で「積載重量」であり、「1.3%」の確率で「ドア幅」、「0.9%」の確率で「定員」である。
【0039】
[案件別仕様確定順確率情報]
次に、案件別仕様確定順確率情報116について、図7を参照して説明する。
図7は、案件別仕様確定順確率情報116のデータ構造の一例である。
【0040】
案件別仕様確定順確率情報116には、予測対象仕様確定情報113の仕様項目のうち次に確定する仕様項目の確率(仕様確定確率)が、案件ごとに格納されている。仕様確定確率は、仕様確定順序情報115に登録された次に確定する仕様項目の確率、及び仕様変更確率情報114から算出される。
【0041】
案件別仕様確定順確率情報116は、案件番号と、次に確定する仕様項目と、仕様確定確率と、仕様値と、仕様変更確率から構成される。次に確定する仕様項目及び仕様確定確率は、現在仕様値が登録済の仕様項目及び仕様値の組合せから、前述の仕様確定順序情報115に基づき算出した案件ごとの次に確定する仕様項目及びその確率を示している。
【0042】
例えば、図7に示す案件番号「101」の場合に、次に確定する仕様項目として、「かご大きさ」、「ロープ直径」、「トルク」、「モータ容量」、「積載重量」、「定員」、「速度」が挙げられる。そして、「かご大きさ」が次に確定される確率(仕様確定確率)は、「56.4%」である。また、「ロープ直径」、「トルク」、「モータ容量」、「積載重量」、「定員」、「速度」の仕様確定確率は、それぞれ「23.3%」、「9.3%」、「8.7%」、「1.5%」、「0.1%」、「0.1%」である。
【0043】
仕様値は、予測対象仕様確定情報113から抽出した案件・仕様項目ごとの仕様値を示している。例えば、図7に示す案件番号「101」における仕様項目が「かご大きさ」の仕様値は、「100」である。これは、「かご大きさ」の仕様値が、「100」で登録済であることを示す。一方、案件番号「101」における仕様項目が「ロープ直径」の仕様値は、「NULL」である。これは、「ロープ直径」の仕様値がまだ登録されていないことを示す。
【0044】
仕様変更確率は、前述の確定済の仕様項目が変更される確率を、仕様変更確率情報114から抽出した結果を示している。例えば、図7に示す案件番号「101」の次に確定する仕様項目が「かご大きさ」の仕様変更確率は、「0.1%」である。これは、案件番号「101」において、「かご大きさ」の「100(L(リットル))」で登録済の仕様値が変更される確率は、「0.1%」であることを示す。
【0045】
[仕様項目予測情報]
次に、仕様項目予測情報117について、図8を参照して説明する。
図8は、仕様項目予測情報117のデータ構造の一例である。
【0046】
仕様項目予測情報117には、案件別仕様確定順確率情報116から、予測対象仕様確定情報113の仕様項目のうち次に確定する仕様項目を予測した結果が格納されている。仕様項目予測情報117は、案件番号と、積載重量、速度、かご大きさ、ドア幅、モータ容量などの仕様項目の仕様値及びその登録日と、次に確定する仕様項目から構成される。
【0047】
次に確定する仕様項目は、案件別仕様確定順確率情報116の次に確定する仕様の確定確率および仕様変更確率を基に、案件ごとに次に確定する仕様項目を予測した結果である。例えば、図8に示す案件番号が「101」は、確定済の仕様項目及び仕様値は、積載重量が「1000(kg)」、速度が「45(m/min)」、かご大きさが「100(L)」、ドア幅が「100(cm)」、モータ容量が「15(V)」である。そして、この場合の次に確定する仕様項目は、ロープ直径と予測されている。
【0048】
[組合せ偏相関度情報]
次に、組合せ偏相関度情報118について、図9を参照して説明する。
図9は、組合せ偏相関度情報118のデータ構造の一例である。
【0049】
組合せ偏相関度情報118には、過去仕様確定履歴情報112を用いて、仕様項目予測情報117で予測された次に確定する仕様項目と確定済の仕様項目との組合せ偏相関度を算出した結果が格納されている。組合せ偏相関度情報118は、案件番号と、予測対象の仕様項目と、仕様情報組合せと、偏相関度から構成される。
【0050】
予測対象の仕様項目は、仕様項目予測情報117に格納された次に確定する仕様項目を示す。例えば、図9に示す案件番号が「101」の予測対象の仕様項目は、「ロープ直径」である。仕様情報組合せは、予測対象仕様確定情報113で既に確定済の仕様項目の組合せを示す。
【0051】
偏相関度は、予測対象の仕様項目と仕様情報組合せとの偏相関度である。この偏相関度は、過去仕様確定履歴情報112を用いて算出される。例えば、図9に示す予測対象の仕様項目が「ロープ直径」であり、仕様情報組合せが「積載重量・速度」の場合は、予測対象の仕様項目と仕様情報組合せとの偏相関度は、0.97となる。
【0052】
[予測精度情報]
次に、予測精度情報119について、図10を参照して説明する。
図10は、予測精度情報119のデータ構造の一例である。
【0053】
予測精度情報119には、組合せ偏相関度情報118と、過去仕様確定履歴情報112から、予測対象の仕様項目ごとに組合せ偏相関度の高い仕様の組合せを基に、予測モデルを学習した際の予測精度が格納されている。予測精度情報119は、案件番号と、予測対象の仕様項目と、仕様組合せと、予測精度から構成される。
【0054】
予測対象の仕様項目は、仕様項目予測情報117に格納された次に確定する仕様項目を示す。仕様組合せは、組合せ偏相関度情報118から予測対象の仕様項目ごとに組合せ偏相関度の高い仕様情報を組合せた結果を示す。予測精度は、仕様組合せの仕様情報を基に過去仕様確定履歴情報112を用いて予測モデルを学習した際の予測精度を示す。予測精度の値は、大きいほど予測モデルの精度が高いことを示す。
【0055】
例えば、図10に示す案件番号「101」の予測対象の仕様項目が「ロープ直径」において、仕様組合せが「積載重量・速度」の場合の予測精度は、43%となる。また、仕様組合せが「積載重量・速度・モータ容量」の場合の予測精度は、88%となる。また、仕様組合せが「積載重量・速度・モータ容量・かご大きさ・ドア幅」の場合の予測精度は、64%となる。
【0056】
[仕様選定結果情報]
次に、仕様選定結果情報120について、図11を参照して説明する。
図11は、仕様選定結果情報120のデータ構造の一例である。
【0057】
仕様選定結果情報120には、予測精度情報119に格納された仕様組合せの中で、最も予測精度の高い仕様項目の組合せが、予測対象の仕様項目ごとに格納されている。仕様選定結果情報120は、案件番号と、予測対象の仕様項目と、予測で用いる仕様から構成される。
【0058】
予測対象の仕様項目は、仕様項目予測情報117に格納された次に確定する仕様項目を示す。予測で用いる仕様は、予測精度情報119に格納された仕様組合せの中で最も予測精度が高い仕様項目の組合せを示す。例えば、図11に示す案件番号「101」で予測対象の仕様項目が「ロープ直径」の場合に、予測で用いる仕様は、積載重量・速度・モータ容量となる。
【0059】
[仕様値予測情報]
次に、仕様値予測情報121について、図12を参照して説明する。
図12は、仕様値予測情報121のデータ構造の一例である。
【0060】
仕様値予測情報121には、仕様選定結果情報120と、過去仕様確定履歴情報112から、予測対象の仕様項目ごとに予測モデルを構築した後に、仕様項目予測情報117の次に確定する仕様項目の仕様値を予測した結果が格納されている。仕様値予測情報121は、案件番号と、積載重量、速度、かご大きさ、ドア幅、モータ容量などの仕様項目の仕様値及びその登録日と、ロープ直径などの予測対象の仕様項目から構成される。
【0061】
ロープ直径は、仕様選定結果情報120に格納された予測対象の仕様項目の仕様値を予測した結果を示す。例えば、図12に示す案件番号「101」において予測対象の仕様項目に決定されたロープ直径の仕様値は、「12(cm)」と予測されている。
【0062】
[演算部の機能構成]
次に、演算部130の機能構成について、図1を参照して説明する。
【0063】
演算部130の情報取得部131は、仕様変更確率算出部132と、仕様確定順序算出部133と、案件別仕様確定順確率算出部134と、仕様項目予測部135と、組合せ偏相関度測定部136と、仕様選定部137と、仕様値予測部138に必要な情報を記憶部110から取得する。
【0064】
仕様変更確率算出部132は、過去仕様確定履歴情報112から、全仕様項目の仕様変更確率を算出する。そして、仕様変更確率算出部132は、算出結果を仕様変更確率情報114に格納する。
【0065】
仕様確定順序算出部133は、過去仕様確定履歴情報112に基づき、仕様項目と仕様値の組合せごと次に確定する仕様項目及びその確定確率を算出する。そして、仕様確定順序算出部133は、算出結果を仕様確定順序情報115に格納する。
【0066】
案件別仕様確定順確率算出部134は、仕様確定順序情報115に基づき、予測対象仕様確定情報113に格納された確定済の仕様項目及び仕様値から、次に確定する仕様項目の確率を案件ごとに算出する。そして、案件別仕様確定順確率算出部134は、算出結果を案件別仕様確定順確率情報116に格納する。
【0067】
仕様項目予測部135は、仕様変更確率情報114及び案件別仕様確定順確率情報116から次に確定が予測される仕様項目を決定する。次に確定が予測される仕様項目の決定は、例えば、モンテカルロ法などの確率統計などを用いることができる。そして、仕様項目予測部135は、決定結果を仕様項目予測情報117に格納する。
【0068】
組合せ偏相関度測定部136は、仕様項目予測情報117の予測対象の仕様項目ごとに、確定済の仕様項目と未確定の仕様項目との組合せ偏相関度が高い順に仕様項目の組合せを並替える。そして、組合せ偏相関度測定部136は、処理結果を組合せ偏相関度情報118に格納する。
【0069】
仕様選定部137は、組合せ偏相関度情報118から、予測対象の仕様項目ごとに組合せ偏相関度の高い順に仕様項目の組合せを抽出する。そして、仕様選定部137は、過去仕様確定履歴情報112から、予測モデルを学習し、学習したモデルの予測精度を予測精度情報119に格納する。また、仕様選定部137は、予測精度情報119から、予測対象の仕様項目ごとに最も予測精度の高い仕様項目の組合せを抽出し、仕様選定結果情報120に格納する。
【0070】
仕様値予測部138は、仕様選定結果情報120と過去仕様確定履歴情報112から、予測対象の仕様項目ごとに予測モデルを学習し、予測対象仕様確定情報113の予測対象の仕様項目ごとに仕様値を予測する。そして、仕様値予測部138は、予測結果を仕様値予測情報121に格納する。
【0071】
部品型式予測部139は、型式予測仕様情報111と過去仕様確定履歴情報112から、部品名ごとに予測モデルを学習し、予測対象の部品型式を予測する。そして、部品型式予測部139は、予測結果を記憶部110に格納する。
【0072】
[未確定仕様の予測結果表示]
次に、未確定仕様の予測結果の表示について、図13を参照して説明する。
図13は、一実施形態に係る出力画面の一例を示す図である。
【0073】
出力部150(図1参照)は、記憶部110に格納された型式予測仕様情報111と、予測対象仕様確定情報113と、仕様値予測情報121を、ユーザ端末103へ送信する。各情報を受信したユーザ端末103は、型式予測で用いる仕様の予測結果を表示部の表示画面1500に表示する。
【0074】
図13に示すように、表示画面1500には、案件欄1501と、部品名欄1502と、仕様項目欄1503と、予測前欄1504と、予測後欄1505が表示される。
【0075】
案件欄1501には、ユーザが指定した案件番号に関する情報が表示される。部品名欄1502には、型式を予測した部品名が表示される。仕様項目欄1503には、部品名欄1502に表示した部品名の部品型式を予測する際に手掛かりにした仕様項目の名称が表示される。
【0076】
予測前欄1504には、仕様項目欄1503に常時された仕様項目の未確定の仕様値を予測する前の仕様値が表示される。既に仕様値が確定している(登録されている)仕様項目に対応する予測前欄1504には、確定している仕様値が表示される。一方、仕様値がまだ確定していない(登録されていない)仕様項目に対応する予測前欄1504には、「NULL」が表示される。
【0077】
予測後欄1505には、まだ確定していない(登録されていない)仕様値の予測結果が表示される。すなわち、予測前欄1504に「NULL」が表示されている仕様値の予測結果が表示される。一方、既に仕様値が確定している(登録されている)仕様項目に対応する予測前欄1504には、「-」が表示される。
【0078】
[仕様及び部品予測処理]
次に、演算部130により行われる仕様及び部品型式予測処理について、図14を参照して説明する。
図14は、仕様及び部品型式予測処理の一例を示すフローチャートである。
【0079】
以下の一連の処理は、例えば、ユーザの操作によりユーザ端末103から未確定仕様予測装置101へ送信された開始コマンドに応じて開始される。また、以下の一連の処理は、データベース104に型式予測仕様情報111と、過去仕様確定履歴情報112と、予測対象仕様確定情報113が記録されていることを前提に行われる。
【0080】
まず、情報取得部131が、ネットワーク102を介して、データベース104から、過去仕様確定履歴情報112を取得して、記憶部110に格納する(S1)。
【0081】
次に、仕様変更確率算出部132が仕様変更確率を算出し、仕様確定順序算出部が仕様確定順序を算出する(S2)。例えば、図3に示す案件番号「3」は、速度、定員、動力の変更フラグが「1」となっている。仕様変更確率算出部132は、過去仕様確定履歴情報112から商談途中に仕様値の変更が発生した仕様項目の変更履歴情報を抽出し、仕様変更の頻度などから各仕様項目の変更確率(仕様変更確率)を算出する。そして、仕様変更確率算出部132は、算出した仕様変更確率を仕様変更確率情報114に格納する。
【0082】
図5に示すように、例えば、積載重量の仕様変更確率は「35%」となっている。これは、図3に示す過去仕様確定履歴情報112の仕様項目が「積載重量」において、式(1)の演算結果が「35%」であったことを示している。

(仕様フラグが「1」の案件数)÷(全案件数)…(1)
【0083】
仕様確定順序算出部は、過去仕様確定履歴情報112から、仕様項目の確定順序を分析し、各仕様項目と仕様値を確定した次に確定する仕様項目及びその確定確率を算出する。そして、算出結果を仕様確定順序情報115(図6参照)に格納する。例えば、図3に示す過去仕様確定履歴情報112の案件番号「1」は、積載重量、速度、定員、動力の順に仕様項目が登録されている。仕様確定順序算出部は、過去に仕様項目が登録された時系列をグラフ構造などでモデル化し、仕様項目の確定順序の確率を算出する。
【0084】
例えば、「積載重量」の仕様値として「500」が登録された次に確定する仕様項目及びその確定確率を算出する場合は、図3に示す案件番号「1」などの「積載重量」の仕様値が「500」に該当する全案件から、その次に確定された仕様項目とその件数を抽出する。そして、抽出した各仕様項目の件数を全案件数で割るなどして仕様項目の確定順序の確率を算出する。
【0085】
図6に示すように、本実施形態において、「積載重量」の仕様値として「500」が確定された後に、「速度」の仕様項目が確定される確率は、「74%」である。また、「定員」が確定される確率は、「7%」であり、「かご大きさ」が確定される確率は、「3%」である。
【0086】
次に、案件別仕様確定順確率算出部134が、予測対象仕様確定情報113の案件ごとの確定済の仕様を読込む(S3)。例えば、図4に示す案件番号「101」は、積載重量が「1000」、定員が「10」などが確定している。そのため、案件別仕様確定順確率算出部134は、案件番号「101」から、積載重量と定員などの確定済の仕様項目・仕様値を抽出する。
【0087】
次に、案件別仕様確定順確率算出部134及び仕様項目予測部135が、次に確定する仕様項目を予測する、すなわち、次に確定が予測される仕様項目を決定する(S4)。
【0088】
ステップS4では、まず、案件別仕様確定順確率算出部134が、仕様確定順序情報115に格納された次に確定する仕様項目の確定順序に基づき、ステップS3で抽出した確定している仕様項目を用いて、次に確定する仕様項目の確率を案件ごとに算出する。そして、案件別仕様確定順確率算出部134は、算出結果を、案件別仕様確定順確率情報116に格納する。
【0089】
例えば、図4に示す予測対象仕様確定情報113の案件番号「101」において、現在確定している仕様項目及び仕様値は、積載重量が「1000」、速度が「45」、定員が「10」などである。そして、図6に示す仕様確定順序情報115において、仕様項目が「積載重量」で仕様値が「1000」の次に確定する仕様項目とその確率は、「速度」が「68%」、「ロープ直径」が「21%」、「定員」が「6%」などである。また、図6に示す仕様確定順序情報115において、仕様項目が「速度」で仕様値が「45」の次に確定する仕様項目とその確率は、「積載重量」が「82%」、「定員」が「2.3%」、「かご大きさ」が「2.1%」などである。
【0090】
案件別仕様確定順確率算出部134は、予測対象の案件及び確定している仕様項目と仕様値ごとに、次に確定する仕様項目とその確率を算出し、掛け算などを用いて次に確定する仕様項目の確率を算出する。
【0091】
ここで、予測対象仕様確定情報113(図4参照)の案件番号「101」において、次に確定する仕様項目が「定員」となる確率を算出する場合について具体的に説明する。仕様確定順序情報115(図6参照)において、仕様項目が「積載重量」で仕様値が「1000」のとき、次に確定する仕様項目が「定員」となる確率は「6%」である。また、仕様項目が「速度」で仕様値が「45」のとき、次に確定する仕様項目が「定員」となる確率は「2.3%」である。案件別仕様確定順確率算出部134は、例えば、これらの確率を掛合せた値を算出し、その算出結果を、案件別仕様確定順確率情報116(図7参照)に格納する。図7に示すように、案件別仕様確定順確率情報116における案件番号「101」の次に確定する仕様項目及びその確率は、「かご大きさ」が「56.4%」、「ロープ直径」が「23.3%」、「トルク」が「9.3%」、「モータ容量」が「8.7%」、「積載重量」が「1.5%」、「定員」が「0.1%」、「速度」が「0.1%」である。
【0092】
また、案件別仕様確定順確率算出部134は、予測対象仕様確定情報113と仕様変更確率情報114から、案件ごとの現在の仕様値とその仕様値の変更確率を抽出する。そして、案件別仕様確定順確率算出部134は、抽出した仕様値とその仕様値の変更確率を案件別仕様確定順確率情報116に格納する。図7に示すように、案件別仕様確定順確率情報116の案件番号「101」において、次に確定する仕様項目が「定員」の場合の仕様値は、予測対象仕様確定情報113(図4参照)から抽出された「10」である。また、次に確定する仕様項目が「定員」の場合の仕様変更確率は、仕様変更確率情報114(図5参照)か抽出された「21.5%」である。
【0093】
ステップS4では、次に、仕様項目予測部135が、案件別仕様確定順確率情報116(図7参照)を基に、モンテカルロ法などの確率統計などを用いて次に確定する仕様項目を予測する。そして、仕様項目予測部135は、予測結果を仕様項目予測情報117(図8参照)に格納する。
【0094】
例えば、図7に示す案件別仕様確定順確率情報116の案件番号「101」に対してモンテカルロ法などを用いた場合に、仕様確定確率が「56.4%」の「かご大きさ」が次に確定する仕様と選定されたと仮定する。しかし、図7に示すように、案件番号「101」の「かご大きさ」の仕様値は、「100」と確定済である。そのため、仕様項目予測部135は、確定済の仕様値を変更すべきか判断する処理を行う。
【0095】
図7に示すように、案件番号「101」において次に確定する仕様項目が「かご大きさ」の仕様変更確率は、「0.1%」である。この場合に、モンテカルロ法などを用いると仕様変更ありが選択される確率は、0.1%である。すなわち、確定済の仕様値は、ほぼ変更されない。
【0096】
確定済の仕様値を変更しないことを選択した場合に、仕様項目予測部135は、再び案件別仕様確定順確率情報116(図7参照)の仕様確定確率を基に、モンテカルロ法などを用いて次に確定する仕様項目を予測する。再び次に確定する仕様項目を予測した結果、例えば、仕様確定確率が「23.3%」の「ロープ直径」が選定されたと仮定する。図7に示すように、案件番号「101」の「ロープ直径」の仕様値は、「NULL」である。そのため、仕様項目予測部135は、案件番号「101」において、次に確定する仕様項目を「ロープ直径」に決定して、決定結果を仕様項目予測情報117(図8参照)に格納する。
【0097】
また、案件別仕様確定順確率情報116(図7参照)の案件番号「102」に対してモンテカルロ法などを用いて次に確定する仕様項目を予測した場合に、仕様確定確率が「21.2%」の「ドア幅」が選定されたと仮定する。図7に示すように、案件番号「102」の「ドア幅」の仕様値は「100」と確定済であり、仕様変更確率は「33.5%」である。
【0098】
このとき、仕様項目予測部135がモンテカルロ法などを用いて、「ドア幅」の仕様値を変更すべきか否かを判定した結果、仕様値を変更すべきと判定したと仮定する。その結果、仕様項目予測部135は、案件番号「102」において、次に確定する仕様項目を既に仕様値が確定済みの「ドア幅」に決定して、決定結果を仕様項目予測情報117(図8参照)に格納する。仕様値が確定済みの仕様項目であっても、商談段階で仕様変更となる場合も少なくない。そのため、本実施形態では、仕様値が確定済みの仕様項目も次に仕様値を確定する仕様項目の対象とする。
【0099】
次に、組合せ偏相関度測定部136が、過去仕様確定履歴情報112と仕様項目予測情報117に基づいて、次に確定する仕様との偏相関度が高い確定済の仕様項目の組合せを設定する(S5)。
【0100】
図8に示すように、仕様項目予測情報117において、案件番号「101」の次に確定する仕様項目は「ロープ直径」である。そして、確定済の仕様項目と仕様値は、「積載重量」が「1000」、「速度」が「45」、「ドア幅」が「100」、「モータ容量」が「15」などである。組合せ偏相関度測定部136は、過去仕様確定履歴情報112(図3参照)から、これらの仕様項目間の組合せ偏相関度をクラメールの連関係数などを用いて算出する。そして、組合せ偏相関度測定部136は、算出結果を組合せ偏相関度情報118(図9参照)に格納する。
【0101】
案件番号「101」の確定済の仕様項目が「積載重量」、「速度」、「ドア幅」、「モータ容量」の4つのみであると仮定する。このとき、確定済の仕様項目の組合せである仕様情報組合せは、図9に示すように、「積載重量・速度」、「積載重量・ドア幅」、「積載重量・モータ容量」、「速度・ドア幅」、「速度・モータ容量」、「ドア幅・モータ容量」の6通りとなる。
【0102】
組合せ偏相関度測定部136は、確定済の仕様項目の全組合せと、予測対象の仕様項目である「ロープ直径」との偏相関度を、過去仕様確定履歴情報112の過去案件を用いて測定する。そして、組合せ偏相関度測定部136は、測定結果を組合せ偏相関度情報118に格納する。図9に示すように、案件番号「101」において、予測対象の仕様項目(次に確定する仕様項目)が「ロープ直径」であり、仕様情報組合せが「積載重量・速度」である場合の偏相関度は、「0.97」である。
【0103】
次に、仕様選定部137が、仕様予測モデルを学習して、確定済みの仕様項目の組合せ候補から予測対象の仕様項目の仕様値を予測した際の予測精度を算出する(S6)。すなわち、仕様選定部137は、組合せ偏相関度情報118から予測に関わる仕様情報組合せの候補を抽出し、過去仕様確定履歴情報112を用いて予測精度を算出する。そして、仕様選定部137は、算出した予測精度を予測精度情報119に格納する。
【0104】
ステップS6では、まず、仕様選定部137が、組合せ偏相関度情報118から仕様情報組合せを組合せ偏相関度の高い順に組み合わせて、仕様組合せを設定する。そして、仕様選定部137は、設定した仕様組合せを予測精度情報119(図9参照)に格納する。例えば、図9に示すように、案件番号「101」において、組合せ偏相関度の高い順に仕様組合せを設定すると、「積載重量・速度」、「積載重量・速度・モータ容量」、「積載重量・速度・モータ容量・かご大きさ・ドア幅」となる。
【0105】
ステップS6では、次に、仕様選定部137が、予測精度情報119に格納された仕様組合せの上から順に、予測対象の仕様項目に対する予測モデルを学習し、予測モデルの予測精度を算出する。そして、仕様選定部137は、算出した予測精度を予測精度情報119に格納する。
【0106】
具体的には、仕様選定部137は、予測精度情報119のそれぞれの仕様組合せに対し、仕様情報組合せを説明変数、予測対象の仕様項目を目的変数とし、重回帰分析などを用いて過去仕様確定履歴情報112から予測モデルを学習する。その後、仕様選定部137は、予測値と実績値の二乗和誤差などから算出した予測モデルの予測精度を予測精度情報119(図10参照)に格納する。図10に示すように、予測精度情報119の案件番号「101」において、予測対象の仕様項目が「ロープ直径」であって、仕様組合せが「積載重量・速度」の場合の予測精度は、「43%」である。
【0107】
仕様選定部137は、予測対象の仕様項目ごとに、仕様組合せの予測精度が改善しなくなるまで、ステップS5とステップS6(ループ(3))を繰返す。例えば、図10に示すように、案件番号「101」であり、予測対象の仕様項目が「ロープ直径」において、仕様組合せを増やしていくと、仕様組合せが「積載重量・速度・モータ容量」のときに、予測精度が「88%」で最大となる。また、仕様組合せが「積載重量・速度・モータ容量・かご大きさ・ドア幅」のときに、予測精度が「64%」に下がる(予測精度が改善しなくなる)。したがって、仕様組合せが「積載重量・速度・モータ容量・かご大きさ・ドア幅」の予測精度(66%)を算出すると、仕様選定部137は、ループ(3)の繰返しを終了する。
【0108】
次に、仕様選定部137は、予測精度情報119から、予測対象の仕様項目ごとに最も予測精度の高い仕様組合せを抽出し、仕様選定結果情報120(図11参照)に格納する。例えば、図10に示すように、案件番号「101」であり、予測対象の仕様項目が「ロープ直径」の場合に、予測精度が最も高い仕様組合せは「積載重量・速度・モータ容量」である。このため、仕様選定部137は、予測で用いる仕様項目として「積載重量・速度・モータ容量」を仕様選定結果情報120に格納する。
【0109】
次に、仕様値予測部138は、確定済みの仕様組合せ(予測で用いる仕様項目)から未確定の仕様値を予測する(S7)。ステップS7において、情報取得部131は、ネットワーク102を介して、データベース104から予測対象仕様確定情報113を取得する。そして、情報取得部131は、予測対象仕様確定情報113を記憶部110に格納する。その後、仕様値予測部138は、予測対象仕様確定情報113と、過去仕様確定履歴情報112と、仕様選定結果情報120から、予測対象の仕様項目ごとに未確定の仕様の予測モデルを学習し、予測対象の各案件における未確定の仕様値を予測する。そして、仕様値予測部138は、予測した仕様値を仕様値予測情報121に格納する。
【0110】
例えば、図11に示すように、案件番号「101」の予測対象の仕様項目が「ロープ直径」の場合に、予測で用いる仕様項目は「積載重量・速度・モータ容量」である。仕様値予測部138は、過去仕様確定履歴情報112(図3参照)から過去案件を抽出し、重回帰分析などを用いて予測で用いる仕様項目「積載重量・速度・モータ容量」と予測対象の仕様「ロープ直径」との関係性を学習する。
【0111】
その後、仕様値予測部138は、案件別に予測した仕様値を、仕様値予測情報121(図12参照)に格納する。図12に示すように、案件番号「101」において、「ロープ直径」の仕様値を予測する手掛かりとなる仕様項目と仕様値は、積載重量が「1000」、速度が「45」、モータ容量が「15」などとなる。これらの仕様項目と仕様値を説明変数として、重回帰分析などを用いて目的変数であるロープ直径の仕様値を予測する。本実施形態では、案件番号「101」の「ロープ直径」の仕様値は、「12」と予測されている。
【0112】
演算部130は、予測対象仕様確定情報113の案件ごとに型式予測仕様情報111の未確定の仕様項目及び仕様値が全て予測されるまで、上述したステップS3~ステップS7(ループ(2))を繰返す。また、演算部130は、予測対象の案件が無くなるまで、上述したステップS3~ステップS7(ループ(1))を繰返す。
【0113】
次に、出力部150が、仕様項目及び仕様値の予測結果をユーザ端末103に送信する(S8)すなわち、出力部150は、型式予測仕様情報111と、予測対象仕様確定情報113と、仕様値予測情報121を記憶部110から取得し、ユーザ端末103へ送信する。
【0114】
各情報を受信したユーザ端末103は、仕様項目及び仕様値の予測結果と、部品名(部品の型式)の予測結果を表示画面1500(図13参照)に表示する。例えば、予測対象仕様確定情報(図4参照)の案件番号「101」において、図2に示す型式予測仕様情報111の「部品1」の型式を予測する場合は、表示画面1500の案件欄1501に「101」が表示され、部品名欄1502に「部品1」が表示される。
【0115】
このとき、「部品1」の型式予測の手掛かりとなる仕様項目及び仕様値は、出入口数が「2」、ドア形式が「未確定」、出入口幅が「100」、開き方向が「未確定」となる。そして、これらの仕様項目及び仕様値の情報は、図13に示す仕様項目欄1503及び予測前欄1504に表示される。また、ユーザ端末103は、予測前欄1504において未確定の仕様値を予測した結果を、仕様値予測情報121から取得して、予測後欄1505に表示する。
【0116】
次に、部品型式予測部139が、型式予測仕様情報111と、予測対象仕様確定情報113と、仕様値予測情報121から、案件ごとに未確定の部品の型式を予測する(S9)。図13に示すように、案件番号「101」において、部品名が「部品1」の型式を予測する場合に、予測の手掛かりとなる仕様項目と仕様値は、「出入口数」が「2」、ドア形式が「D03型」、出入口幅が「100」、「開き方向」が「左側」である。部品型式予測部139は、予測の手掛かりとなる仕様項目と仕様値を基に、型式予測モデルを学習し、予測対象の各案件で使用される部品型式を予測する。ステップS9の処理後、演算部130は、仕様及び部品型式予測処理を終了する。
【0117】
2.まとめ
(1)上述した実施形態に係る未確定仕様予測装置101は、入力部140と、仕様項目予測部135とを備える。入力部140は、予測対象となる製品における既に確定している確定済み仕様項目及び確定済み仕様値を含む予測対象仕様確定情報113と、過去の製品の複数の仕様項目が決定された順番を含む過去仕様確定履歴情報112の入力を受け付ける。仕様項目予測部135は、過去仕様確定履歴情報112及び予測対象仕様確定情報113に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する。
これにより、仕様項目が膨大にあっても、過去の製品の複数の仕様項目が決定された順番に基づいて、次に確定する仕様項目の予測を容易に行うことができる。また、過去の製品の複数の仕様項目が決定された順番を用いることにより、次に確定が予測される仕様項目の予測精度を高めることができる。さらに、確定済み仕様値に基づく仕様項目の順序関係を考慮することができ、次に確定が予測される仕様項目の予測精度を高めることができる。
【0118】
(2)また、上述した実施形態に係る過去仕様確定履歴情報112は、過去の製品の複数の仕様項目の変更履歴を含む。さらに、未確定仕様予測装置101は、複数の仕様項目の変更履歴に基づいて、複数の仕様項目の変更確率である仕様変更確率を算出する仕様変更確率算出部132を備える。そして、仕様項目予測部135は、仕様変更確率に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する。
これにより、一度確定した仕様項目の仕様値が変更されることを考慮して、次に確定が予測される仕様項目を決定することができる。その結果、既に仕様値が決定された仕様項目であっても、次に確定が予測される仕様項目として決定することができる。したがって、次に確定が予測される仕様項目の予測精度を高めることができる。
【0119】
(3)また、上述した実施形態に係る未確定仕様予測装置101は、過去仕様確定履歴情報112に基づいて、各仕様項目及びその仕様値が決定されてから次に確定された全ての仕様項目の確定確率を算出して高い順に並べた仕様確定順序情報115を生成する仕様確定順序算出部133を備える。そして、仕様項目予測部135は、仕様確定順序情報115に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する。
これにより、信頼性の高い情報を用いて、次に確定が予測される仕様項目を決定することができる。
【0120】
(4)また、上述した実施形態に係る未確定仕様予測装置101は、予測対象仕様確定情報113と仕様確定順序情報115とに基づいて、次に確定される仕様項目の候補の確定確率である仕様確定確率を算出する案件別仕様確定順確率算出部134(仕様確定順確率算出部)を備える。そして、仕様項目予測部135は、仕様確定確率に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する。
これにより、次に確定が予測される仕様項目の予測精度を高めることができる。
【0121】
(5)また、上述した実施形態に係る過去仕様確定履歴情報112は、過去の製品の複数の仕様項目の変更履歴を含む。さらに、未確定仕様予測装置101は、複数の仕様項目の変更履歴に基づいて、複数の仕様項目の変更確率である仕様変更確率を算出する仕様変更確率算出部132を備える。そして、仕様項目予測部135は、仕様変更確率及び仕様確定確率に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する。
これにより、一度確定した仕様項目の仕様値が変更されることを考慮して、次に確定が予測される仕様項目を決定することができる。その結果、次に確定が予測される仕様項目の予測精度を高めることができる。
【0122】
(6)また、上述した実施形態に係る未確定仕様予測装置101は、過去仕様確定履歴情報112及び予測対象仕様確定情報113に基づいて、仕様項目予測部135が決定した次に確定が予測される仕様項目の仕様値を決定する仕様値予測部138を備える。
これにより、次に確定が予測される仕様項目の仕様値の予測を容易に行うことができる。
【0123】
(7)また、上述した実施形態に係る未確定仕様予測装置101は、仕様項目予測部135が決定した次に確定が予測される仕様項目と確定済の仕様項目との組合せ偏相関度を算出し、当該組合せ偏相関度が高い順に仕様項目を並べ替えて組合せ偏相関度情報118を生成する組合せ偏相関度測定部136を備える。そして、仕様値予測部138は、組合せ偏相関度情報118に基づいて、仕様項目予測部135が決定した次に確定が予測される仕様項目の仕様値を決定する。
これにより、信頼性の高い情報を用いて、次に確定が予測される仕様項目の仕様値を決定することができる。
【0124】
(8)また、上述した実施形態に係る未確定仕様予測装置101は、仕様選定部137を備える。仕様選定部137は、組合せ偏相関度情報から、組合せ偏相関度の高い順に仕様項目の組合せを設定する。そして、仕様項目の組合せに対して予測精度が改善しなくなるまで予測モデルを学習し、仕様項目予測部が決定した次に確定が予測される仕様項目の仕様値を予測するために必要となる仕様項目を選定して、仕様選定結果情報120を生成する。仕様値予測部138は、仕様選定結果情報120に基づいて、仕様項目予測部135が決定した次に確定が予測される仕様項目の仕様値を決定する。
これにより、信頼性の高い情報を用いて、次に確定が予測される仕様項目の仕様値を決定することができる。
【0125】
(9)また、上述した実施形態に係る仕様値予測部138は、仕様選定結果情報120と過去仕様確定履歴情報112から、予測モデルを学習し、仕様項目予測部135が決定した次に確定が予測される仕様項目の仕様値を決定する
これにより、次に確定が予測される仕様項目の仕様値の精度を高めることができる。
【0126】
(10)また、上述した実施形態に係る未確定仕様予測方法は、入力部が、予測対象となる製品における既に確定している確定済み仕様項目及び確定済み仕様値を含む予測対象仕様確定情報と、過去の製品の複数の仕様項目が決定された順番を含む過去仕様確定履歴情報の入力を受け付ける。次に、仕様項目予測部が、過去仕様確定履歴情報及び予測対象仕様確定情報に基づいて、次に確定が予測される仕様項目を決定する。
これにより、仕様項目が膨大にあっても、過去の製品の複数の仕様項目が決定された順番に基づいて、次に確定する仕様項目の予測を容易に行うことができる。また、過去の製品の複数の仕様項目が決定された順番を用いることにより、次に確定が予測される仕様項目の予測精度を高めることができる。さらに、確定済み仕様値に基づく仕様項目の順序関係を考慮することができ、次に確定が予測される仕様項目の予測精度を高めることができる。
【0127】
本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0128】
また、上述した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0129】
101…未確定仕様予測装置、 102…ネットワーク、 103…ユーザ端末、 104…データベース、 110…記憶部、 111…型式予測仕様情報、 112…過去仕様確定履歴情報、 113…予測対象仕様確定情報、 114…仕様変更確率情報、 115…仕様確定順序情報、 116…案件別仕様確定順確率情報、 117…仕様項目予測情報、 118…偏相関度情報、 119…予測精度情報、 120…仕様選定結果情報、 121…仕様値予測情報、 130…演算部、 131…情報取得部、 132…仕様変更確率算出部、 133…仕様確定順序算出部、 134…案件別仕様確定順確率算出部、 135…仕様項目予測部、 136…偏相関度測定部、 137…仕様選定部、 138…仕様値予測部、 139…部品型式予測部、 140…入力部、 150…出力部、 1500…表示画面、 1501…案件欄、 1502…部品名欄、 1503…仕様項目欄、 1504…予測前欄、 1505…予測後欄
図1
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