(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007710
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】表示システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108962
(22)【出願日】2022-07-06
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】蔦木 祥悟
(72)【発明者】
【氏名】北川 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】前田 昌宏
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142BA01
3E142BA07
3E142CA12
3E142CA17
3E142DA08
3E142EA23
3E142GA20
3E142HA01
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】電子棚札の表示内容を拡大表示する技術を提供する。
【解決手段】表示システムは、電子棚札10と、表示器20と、アクセスポイント30と、制御装置40と、を備える。電子棚札10及び表示器20は、アクセスポイント30を介して制御装置40に接続されている。電子棚札10は、対応する商品4の商品情報を表示する。表示器20は、デジタルサイネージ装置であり、近傍の商品棚に陳列されている商品4の販促情報を表示する。制御装置40は表示システム1を統括的に管理するコンピュータである。制御装置40は、電子棚札10からの入力情報に基づいた処理を実行し、表示器20に情報を送信する。表示器20は、受信した情報を表示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚に陳列された商品に対応する第1表示部を有する電子棚札と、
前記電子棚札とは別に設けられ、前記商品に関する表示を行う第2表示部を有する表示器と、
前記電子棚札と前記表示器に接続される制御装置と、
を備え、
所定の入力を受けたときに、前記制御装置は、前記第1表示部で表示されている表示内容を前記第2表示部に表示させる、
表示システム。
【請求項2】
前記第2表示部の面積は、前記第1表示部の面積より大きい、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記第2表示部の表示テキストの文字サイズは、前記第1表示部の表示テキストの文字サイズより大きい、
請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第1表示部で表示されている表示内容に加え、又は、前記第1表示部で表示されている表示内容に代えて、前記商品に関する詳細情報を前記第2表示部に表示する、
請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項5】
前記電子棚札は、1つの商品に対応する個別の電子棚札、若しくは、複数の商品に対応する複数の前記第1表示部を表示エリアとして有するディスプレイを持つ機器、である、
請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項6】
前記電子棚札は、外部からの入力を受け付ける入力部をさらに有し、
前記所定の入力は、前記入力部で受け付けた入力内容を含む、
請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項7】
前記電子棚札の前に居る人の映像を撮影するカメラをさらに備え、
前記カメラは前記制御装置と通信可能であり、
前記所定の入力は、前記カメラの映像解析に基づく内容を含む、
請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項8】
利用者が所持する利用者端末をさらに備え、
前記利用者端末は前記制御装置と通信可能であり、
前記利用者端末にインストールされるアプリケーションを介して、前記利用者端末は、前記商品、又は、前記電子棚札の所定箇所を読み取り可能であり、
前記所定の入力は、前記利用者端末で読み取った内容を含む、
請求項1又は2に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品に関連づいた電子棚札を備える商品棚に関する技術が検討されている。例えば、特許文献1(特開2020-177519号公報)には、電子棚札の表示待受画面をドラッグすることより店員が棚割を変更することができる技術、及び、電子棚札に触れることにより顧客が商品を購入又は返品することができる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、電子棚札の表示面積は大きくないため、電子棚札に表示する内容は商品名や値段等、商品の基本情報に限られる。また、電子棚札に表示される文字のサイズが小さいため、判読しづらいことがある。
【0004】
本発明の課題は、電子棚札の表示内容を拡大表示する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の表示システムは、電子棚札と、表示器と、制御装置とを備えている。電子棚札は、棚に陳列された商品に対応する第1表示部を有する。表示器は、電子棚札とは別に設けられ、商品に関する表示を行う第2表示部を有する。制御装置は、電子棚札と表示器に接続される。所定の入力を受けたときに、制御装置は、第1表示部で表示されている表示内容を第2表示部に表示させる。
【0006】
この表示システムでは、興味のある商品の情報を利用者が自ら選択して第2表示部に表示することができる。そのため、商品の訴求力が高まる。
【0007】
第2観点の表示システムは、第1観点の表示システムであって、第2表示部の面積は、前記第1表示部の面積より大きい。
【0008】
この表示システムでは、第1表示部の表示内容を第2表示部に拡大表示することができる。そのため、表示内容が見やすくなる。
【0009】
第3観点の表示システムは、第1観点又は第2観点の表示システムであって、第2表示部の表示テキストの文字サイズは、第1表示部の表示テキストの文字サイズより大きい。
【0010】
この表示システムでは、第1表示部の表示テキストを第2表示部に拡大表示することができる。そのため、表示内容が見やすくなる。
【0011】
第4観点の表示システムは、第1観点又は第2観点の表示システムであって、制御装置は、第1表示部で表示されている表示内容に加え、又は、第1表示部で表示されている表示内容に代えて、商品に関する詳細情報を第2表示部に表示する。
【0012】
この表示システムでは、利用者が興味を持っている商品の詳細情報を第2表示部に表示することができる。そのため、販促効果が高まる。
【0013】
第5観点の表示システムは、第1観点又は第2観点の表示システムであって、電子棚札は、1つの商品に対応する個別の電子棚札、若しくは、複数の商品に対応する複数の第1表示部を表示エリアとして有するディスプレイを持つ機器、である。
【0014】
第6観点の表示システムは、第1観点又は第2観点の表示システムであって、電子棚札は、外部からの入力を受け付ける入力部をさらに有する。所定の入力は、入力部で受け付けた入力内容を含む。
【0015】
この表示システムでは、電子棚札の入力部を介して制御装置に所定の入力を送ることができる。
【0016】
第7観点の表示システムは、第1観点又は第2観点の表示システムであって、カメラをさらに備える。カメラは、電子棚札の前に居る人の映像を撮影する。カメラは、制御装置と通信可能である。所定の入力は、カメラの映像解析に基づく内容を含む。
【0017】
この表示システムでは、カメラを介して制御装置に所定の入力を送ることができる。
【0018】
第8観点の表示システムは、第1観点又は第2観点の表示システムであって、利用者が所持する利用者端末をさらに備える。利用者端末は制御装置と通信可能である。利用者端末にインストールされるアプリケーションを介して、利用者端末は、商品又は電子棚札の所定箇所を読み取り可能である。所定の入力は、利用者端末で読み取った内容を含む。
【0019】
この表示システムでは、利用者端末にインストールされるアプリケーションを介して制御装置に所定の入力を送ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る表示システムは、電子棚札の表示内容を拡大表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図9】電子棚札を介して入力を受け付けた場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【
図10】電子棚札を介して入力を受け付けた場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態に係る表示システム1について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る表示システム1は、スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等の店舗で使用される。
【0023】
なお、以下の実施形態は例示に過ぎず、本発明に係る表示システムの内容を限定するものではない。以下の実施形態は、発明の趣旨と矛盾しない範囲で適宜変更可能である。
【0024】
(1)表示システムの全体構成
図1は、表示システム1の全体構成図である。表示システム1は、主として、複数の電子棚札10と、複数の表示器20と、複数のアクセスポイント30と、制御装置40と、を備える。制御装置40とアクセスポイント30は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2を介して接続されている。電子棚札10及び表示器20は、アクセスポイント30を介して制御装置40に接続されている。
【0025】
図2に示すように、電子棚札10は、店舗で取り扱われる商品4に対応して配置される表示装置であり、店舗内に設置される商品棚の各棚板の前端部に取り付けられている。電子棚札10は、店舗の売り場に陳列される複数の種類の商品4のうち、対応する商品4の近傍に配置され、対応する商品4に関する商品情報を表示する。表示される商品情報は、主に、商品4に関する基本情報であり、例えば、商品4の名称、価格、製造会社名、原産地等を含む。
【0026】
表示器20は、動画及び静止画のコンテンツを再生することができるデジタルサイネージ装置である。
図2に示すように、電子棚札10の取り付けられている商品棚の上部に配置されるが、この位置に限定されるものではない。表示器20は、例えば、近傍の商品棚に陳列されている商品4の販促情報を表示する。表示器20の第2表示部21の面積は、電子棚札10の第1表示部11の面積より大きい。
【0027】
アクセスポイント30は、電波の送受信機である。アクセスポイント30は、電子棚札10及び表示器20との間で、電波を用いて各種信号の授受を行う。アクセスポイント30は、例えば店舗内の天井に、一定の間隔を空けて取り付けられる。アクセスポイント30の設置場所や設置間隔等は、店舗内に設置された電子棚札10及び表示器20が、いずれかのアクセスポイント30と通信可能となるように決定される。アクセスポイント30は、ネットワーク2を介して制御装置40と接続されている。
【0028】
アクセスポイント30は、ネットワーク2を介して制御装置40からアクセスポイント30に送信される配信データを、電子棚札10及び表示器20に向けて電波により送信する。つまり、アクセスポイント30は、電波送信機の一例である。また、アクセスポイント30は、電子棚札10及び表示器20から送信される信号を受信し、受信した信号を、ネットワーク2を介して制御装置40に送信する。
【0029】
制御装置40は表示システム1を統括的に管理するコンピュータであり、クラウドコンピュータであってもよい。制御装置40の機能には、電子棚札10に表示される商品情報の管理、表示器20に表示される表示コンテンツの管理、電子棚札10及び表示器20の表示スケジュール管理、を含む。商品情報及び表示コンテンツ等は、後述するように、制御装置40の記憶部43に記憶されている。制御装置40は、アクセスポイント30を介して、電子棚札10に商品情報を含む配信データを送信する。なお、ここでは、制御装置40は、電子棚札10に対して、商品情報を画像データ(以下、「商品情報画像」と呼ぶ。)として送信するが、これに限定されるものではない。例えば、制御装置40は、電子棚札10に対し、価格等の商品情報を数値データ等として送信してもよい。
【0030】
(2)詳細構成
表示システム1の電子棚札10、表示器20、及び、制御装置40について以下に詳細に説明する。
【0031】
(2-1)電子棚札
本実施形態における電子棚札10は、
図2に示すように、複数商品に対応する複数の第1表示部11を表示エリアとして有するディスプレイを持つ機器であるが、商品毎に取り付けられる個別の電子棚札であってもよい。電子棚札10は、アクセスポイント30を介して、制御装置40から各種配信データを受信する。電子棚札10は、対応する商品4の近傍の棚板に配置され、対応する商品4に関する商品情報画像を表示する。
【0032】
電子棚札10における商品情報画像の表示位置は、後述する制御装置40の記憶部43に記憶されており、例えば電子棚札10のディスプレイの左上を起点とした座標の形で表される。
図2に示すように、1つの電子棚札10に複数の商品情報画像を表示することができ、それぞれの表示エリアを第1表示部11と呼ぶ。
図3に示すように、電子棚札10は、主に第1表示部11、制御部12、入力部13、通信部14、記憶部15を有する。
【0033】
(2-1-1)第1表示部
第1表示部11は、記憶部15に記憶されている商品情報画像を、記憶部15に記憶されている表示座標に表示するための画像表示装置である。第1表示部11には、電子ペーパー、液晶ディスプレイ等が用いられる。制御部12は、第1表示部11の制御を行い、第1表示部11の表示を切り替える。
【0034】
(2-1-2)制御部
制御部12は、CPU等の演算処理装置である。制御部12は、記憶部15に記憶されたプログラムを実行することで、電子棚札10の各部を制御する。例えば、制御部12は、通信部14が制御装置40から受信した商品情報画像を記憶部15に記憶する。制御部12は、第1表示部11に、記憶部15に記憶された商品情報画像が表示されるように、第1表示部11の制御を行う。制御部12は、入力部13が受け付けた入力に応じた処理を実行するために、第1表示部11、記憶部15、通信部14の動作を制御する。
【0035】
(2-1-3)入力部
入力部13は、使用者からの入力を受け付ける受付部として機能する。入力部13は、第1表示部11に重ねて配置されるタッチパネルであり、利用者は、入力部13に接触することにより、情報を入力することができる。
【0036】
(2-1-4)記憶部
記憶部15は、EEPROM等の不揮発性メモリによって構成される記憶装置である。ただし、これに限定されるものではなく、記憶部15にRAM等の揮発性メモリが使用されてもよい。
【0037】
記憶部15には、制御部12が電子棚札10の各部の制御を行うためのプログラムの他、電子棚札10の固有の識別子である機器IDや、制御装置40から送信された商品情報画像及び表示座標等が記憶される。
【0038】
(2-1-5)通信部
通信部14は、アクセスポイント30を介して制御装置40と無線通信するためのネットワークインターフェイス機器である。通信部14は、第1表示部11に表示する商品情報画像及び表示座標等の配信データを制御装置40から受信する。
【0039】
(2-2)表示器
表示器20は、
図2に示すように、電子棚札10の取り付けられている商品棚の上部に配置される。表示器20は、アクセスポイント30を介して、制御装置40から各種配信データを受信する。
図4に示すように、表示器20は、主に第2表示部21、制御部22、通信部23、記憶部24を有する。
【0040】
(2-2-1)第2表示部
第2表示部21は、記憶部24に記憶されている動画及び静止画のコンテンツ(以下、「表示コンテンツ」と呼ぶ。)を表示するための、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の画像表示装置である。第2表示部21の面積は、第1表示部11の面積より大きい。そのため、第1表示部11と第2表示部21に同じ内容の商品情報を表示する場合は、第2表示部21の表示テキストの文字サイズは、第1表示部11の表示テキストの文字サイズより大きくなる。
【0041】
(2-2-2)制御部
制御部22は、CPU等の演算処理装置である。制御部22は、記憶部24に記憶されたプログラムを実行することで、表示器20の各部を制御する。例えば、制御部22は、通信部23が制御装置40から受信した表示コンテンツを記憶部24に記憶する。制御部22は、第2表示部21に、記憶部24に記憶された表示コンテンツが表示されるように、第2表示部21の制御を行う。
【0042】
(2-2-3)記憶部
記憶部24は、EEPROM等の不揮発性メモリによって構成される記憶装置である。ただし、これに限定されるものではなく、記憶部24にRAM等の揮発性メモリが使用されてもよい。
【0043】
記憶部24には、制御部22が表示器20の各部の制御を行うためのプログラムの他、表示器20の固有の識別子である機器IDや、制御装置40から送信された表示コンテンツ等が記憶される。
【0044】
(2-2-4)通信部
通信部23は、アクセスポイント30を介して制御装置40と無線通信するためのネットワークインターフェイス機器である。通信部23は、第2表示部21に表示する表示コンテンツに関する配信データを制御装置40から受信する。
【0045】
(2-3)制御装置
制御装置40は表示システム1を統括的に管理するコンピュータである。制御装置40は、アクセスポイント30を介して、電子棚札10及び表示器20に各種配信データを送受信する。制御装置40から電子棚札10に送信する情報には、対象となる電子棚札10の機器ID及び商品情報画像を含む。制御装置40から表示器20に送信する情報には、対象となる表示器20の機器ID及び表示コンテンツを含む。
図5に示すように、制御装置40は、主に制御部41、通信部42、記憶部43を有する。
【0046】
(2-3-1)制御部
制御部41は、CPU等の演算処理装置である。制御部41は、後述する記憶部43に記憶されたプログラムを実行することで、制御装置40の各部を制御する。例えば、制御部41は、通信部42が、電子棚札10から送信された情報を受け付けると、受け付けた情報に基づいて記憶部43から必要なデータを読み出す。制御部41は、読み出したデータに応じた処理を実行するために、通信部42、記憶部43の動作を制御する。制御部41は、第2表示部21の縦方向の長さ及び横方向の長さに合わせて、第2表示部21に表示するための表示コンテンツを作成する。
【0047】
(2-3-2)通信部
通信部42は、制御装置40とアクセスポイント30との通信を可能にするための通信インターフェースである。また、通信部42は、表示システム1外の機器(例えば、
図11に示すPOSシステム6及び基幹システム7)とも通信可能に構成されている。通信部42からアクセスポイント30に送られた配信データは、さらにアクセスポイント30により電子棚札10及び表示器20へと電波により送信される。
【0048】
(2-3-3)記憶部
記憶部43は、ROM、RAM、及びハードディスク等により構成される。記憶部43には、制御部41により実行される各種プログラムが記憶される。また、記憶部43には、各種情報が記憶される。記憶部43に記憶される情報には、
図6に示す商品4に関する情報(商品データベース43a)、
図7に示す電子棚札10に関する情報(電子棚札データベース43b)、及び、
図8に示す表示器20に関する情報(表示器データベース43c)とが含まれる。
【0049】
(2-3-3-1)商品データベース
図6に、商品データベース43aの構成例を示す。商品データベース43aは、表示システム1で取り扱う商品4に関する情報を記憶する。商品4に関する情報とは、商品4に関する種々の情報であり、例えば、商品4の商品ID、商品名、価格、原材料、添加物、コンテンツ等を含む。商品データベース43aには、商品ID別に、商品4に関する情報が記憶される。
【0050】
商品データベース43aの内容は、通信部42が外部機器(例えば、
図11に示すPOSシステム6)から情報を受信することで、あるいは、制御装置40が情報の入力を受け付けることで更新される。
【0051】
(2-3-3-2)電子棚札データベース
図7に、電子棚札データベース43bの構成例を示す。電子棚札データベース43bには、電子棚札10を識別するための機器IDと、商品4の商品ID、表示座標、表示内容とが、関連付けて(リンク付けて)記憶されている。電子棚札10の機器IDと、商品4の商品IDとは、予めリンク作業を行うことで関連付けされる。表示座標とは、電子棚札10のディスプレイ上の表示位置を示す値である。表示内容とは、電子棚札10に表示する商品情報画像である。ここでは、表示内容として画像データを記憶するが、これに限定されるものではない。例えば、価格等の商品情報を数値データ等として記憶してもよい。
【0052】
電子棚札データベース43bの内容は、通信部42が外部機器(例えば、
図11に示す基幹システム7)から情報を受信することで、あるいは、制御装置40が情報の入力を受け付けることで更新される。
【0053】
(2-3-3-3)表示器データベース
図8に、表示器データベース43cの構成例を示す。表示器データベース43cには、表示器20を識別するための機器IDと、表示内容とが、関連付けて記憶されている。表示内容とは、表示器20に表示する表示コンテンツである。
【0054】
表示器データベース43cの内容は、通信部42が外部機器(例えば、
図11に示す基幹システム7)から情報を受信することで、あるいは、制御装置40が情報の入力を受け付けることで更新される。
【0055】
(3)表示システムの動作
次に、
図9を参照して、表示システム1の基本的な動作について説明する。
図9は、表示システム1の電子棚札10、表示器20、及び、制御装置40の動作について説明するためのフローチャートである。
【0056】
電子棚札10の記憶部15には、予めリンク作業を行うことで関連付けられた、電子棚札データベース43bの表示内容(以下、「表示内容A」と呼ぶ。)が記憶されている。また、表示器20の記憶部24には、予めリンク作業を行うことで関連付けられた、表示器データベース43cの表示内容(以下、「表示内容B」と呼ぶ。)が記憶されている。
【0057】
初期状態では、電子棚札10の第1表示部11には、表示内容Aが表示されている。また、表示器20の第2表示部21には、表示内容Bが表示されている。
【0058】
利用者が、電子棚札10に表示されている表示内容Aに接触すると、入力部13が入力を受け付ける(ステップS1)。
【0059】
通信部14は、受け付けた入力情報を制御装置40に送信する(ステップS2)。入力情報とは、例えば、利用者が接触した電子棚札10の機器ID及びディスプレイ上の位置を示す座標である。
【0060】
通信部42は、通信部14が送信した入力情報を受信する(ステップS3)。
【0061】
制御部41は、受信した入力情報を基に、電子棚札データベース43bから利用者が接触した位置に表示されている表示内容Aに係る商品ID、表示内容、及び、対応機器IDを読み出す(ステップS4)。また、制御部41は、予め記憶部43に記憶されている表示指定時間を読み出す。読み出される表示内容は、利用者が接触した位置に表示されている電子棚札10の表示内容、つまり、表示内容Aと同じである。
【0062】
制御部41は、表示器データベース43cから読み出した第2表示部21の縦方向の長さ及び横方向の長さに合わせて、表示内容Aを拡大する(ステップS5)。拡大した表示内容Aを「拡大内容A2」と呼ぶ。拡大内容A2の縦横比は表示内容Aの縦横比と同等である。
【0063】
通信部42は、対応機器ID、拡大内容A2及び表示指定時間を表示器20に送信する(ステップS6)。
【0064】
通信部23は、通信部42が送信した対応機器ID、拡大内容A2及び表示指定時間を受信する(ステップS7)。
【0065】
制御部22は、対応機器IDと自己の機器IDが一致した場合は、受信した拡大内容A2及び表示指定時間を記憶部24に記憶する。制御部22は、記憶部24に記憶した拡大内容A2を、第2表示部21に表示する(ステップS8)。つまり、第1表示部11に表示されている表示内容Aが、第2表示部21の大きさに合わせて第2表示部21に拡大して表示される。
【0066】
制御部22は、記憶部24に記憶した表示指定時間を経過したか否かを判定する(ステップS9)。表示指定時間を経過していないと判定した場合、制御部22は処理を待機する。
【0067】
表示指定時間を経過したと判断した場合、制御部22は、記憶部24に記憶されている表示内容Bを第2表示部21に表示する(ステップS10)。ここで、表示器20の表示内容は、初期状態に戻る。
【0068】
(4)表示システムの特徴
本実施形態に係る表示システム1では、電子棚札10に表示される商品情報画像のうち、利用者が自ら選択して接触した商品4の商品情報画像を、表示面積の大きい表示器20に拡大表示をすることができる。表示器20は商品棚の上部に配置されているため、表示器20に表示される商品情報画像は、商品棚前の利用者のみならず、少し離れた位置からも視認することができる。そのことにより、利用者の利便性及び商品4の訴求力が高まる。
【0069】
(5)変形例
以下に本実施形態の変形例について説明する。なお、矛盾しない範囲で、複数の変形例が組み合わされてもよい。
【0070】
(5-1)変形例A
上記実施形態に係る表示システム1では、電子棚札10に表示される商品情報画像と同じ内容を、表示器20に拡大して表示をした後、表示器20の表示は初期状態に戻るが、これに限定されるものではない。
【0071】
図9のステップS6で通信部42が表示器20に拡大内容A2等を送信した後、制御部22だけではなく、制御部41においても表示指定時間の経過を判定してもよい。表示指定時間を経過していないと判定した場合、制御部41は処理を待機する。
【0072】
表示指定時間を経過したと判断した場合、制御部41はステップS4で電子棚札データベース43bから読み出した商品IDに基づいて、商品データベース43aからさらにコンテンツ(以下、「販促動画」と呼ぶ。)及びコンテンツ表示時間を読み出す。販促動画とは、商品IDに関連付けて(リンク付けて)記憶されている、商品4の販促用の動画コンテンツである。なお、ここではコンテンツとして動画を例に挙げて説明するが、これに限られず、静止画であってもよい。
【0073】
通信部42は、対応機器ID、販促動画及びコンテンツ表示時間を表示器20に送信する。通信部23は、通信部42が送信した対応機器ID、販促動画及びコンテンツ表示時間を受信する。
【0074】
制御部22は、対応機器IDと自己の機器IDが一致した場合は、受信した販促動画及びコンテンツ表示時間を記憶部24に記憶する。制御部22は、記憶部24に記憶した販促動画を、第2表示部21に表示する。
【0075】
制御部22は、記憶部24に記憶したコンテンツ表示時間を経過したか否かを判定する。コンテンツ表示時間を経過していないと判定した場合、制御部22は処理を待機する。
【0076】
コンテンツ表示時間を経過したと判断した場合、制御部22は、記憶部24に記憶されている表示内容Bを第2表示部21に表示する。ここで、表示器20の表示内容は、初期状態に戻る。
【0077】
本変形例では、利用者が自ら選択して接触した商品4の商品情報画像の拡大表示に続き、商品4の販促動画を表示することができる。そのことにより、商品4の訴求力が高まる。
【0078】
(5-2)変形例B
図9のステップS4において、制御部41は電子棚札データベース43bから表示内容を読み出す。表示内容は、商品4に関する基本情報であり、例えば、商品4の名称、価格、製造会社名、原産地等を含む。しかし、制御部41は電子棚札データベース43bから読み出した商品IDに基づいて、商品データベース43aからさらに情報を読み出してもよい。商品データベース43aから読み出した情報、例えば、含有アレルギー物質、原材料、添加物、及び、商品4を用いたレシピ等の商品4の詳細情報を、商品4の基本情報に付加して表示器20に送信することで、商品4の基本情報及び詳細情報を表示器20に表示することができる。そのことにより、利用者の利便性及び商品4の訴求力が高まる。
【0079】
(5-3)変形例C
また、例えば、利用者が接触した箇所に表示されている商品情報画像のうち、利用者が接触した箇所の近傍のみ拡大した画像を制御部41で作成し、表示器20に表示してもよい。電子棚札10に表示される商品情報画像の視認性が悪い場合に、利用者が自ら選択して商品情報画像を表示器20に拡大して表示をすることができる。そのことにより、利用者の利便性が高まる。
【0080】
(5-4)変形例D
上記実施形態に係る表示システム1では、主として、複数の電子棚札10と、複数の表示器20と、複数のアクセスポイント30と、制御装置40と、を備えるが、これに限定されるものではない。電子棚札10と、表示器20と、アクセスポイント30は単数であってもよいし、制御装置40は複数であってもよい。
【0081】
(5-5)変形例E
図2に示すように、表示システム1はカメラ3をさらに備えてもよい。カメラ3はAIカメラであり、商品棚前の利用者を検知し、属性(性別、年齢等)を判断する。カメラ3は、ネットワーク2を介して制御装置40に接続されている。
【0082】
カメラ3は、利用者を検知し、利用者の属性を判断し、判断した属性情報を制御装置40に送信する。制御装置40の通信部42は、カメラ3から属性情報を受信する。
【0083】
制御部41は、受信した属性情報に基づき、予め記憶部43に記憶された図示しないデータベースから、その属性に応じた表示コンテンツを決定する。通信部42は、決定した表示コンテンツを表示器20に送信する。
【0084】
表示器20の通信部23は表示コンテンツを受信し、制御部22は第2表示部21に表示コンテンツを表示する。
【0085】
本変形例では、商品棚の前に立つ利用者の属性に応じた表示コンテンツを表示器20に表示することができる。そのことにより、商品4の販促効果が高まる。
【0086】
(5-6)変形例F
図11に示すように、表示システム1は利用者が有する利用者端末5をさらに備えてもよい。利用者端末5は、スマートフォン等の携帯端末、及びタブレット端末等が含まれる。利用者端末5は、ネットワーク2を介して制御装置40に接続することができる。
【0087】
電子棚札10に表示される商品情報画像には、商品識別情報として、例えば、QRコード(登録商標)又はバーコード等のコードが表示される。利用者は、利用者端末5にインストールされるアプリケーションを利用して、利用者端末5の撮像部で商品識別情報を撮像する。利用者端末5の撮像部とは、例えば、タブレット端末の背面に搭載されたカメラである。なお、ここでは商品識別情報としてコードを例に挙げて説明したが、これに限られず、文字列等の情報であってもよい。また、商品に付されたバーコード等の商品識別情報を撮像してもよい。利用者端末5は撮像した画像を制御装置40に送信する。
【0088】
制御装置40の通信部42で、画像を受信する。制御部41は、受信した画像に基づいて商品IDを読み出し、その商品IDに応じた表示コンテンツを決定する。通信部42は、決定した表示コンテンツを表示器20に送信する。
【0089】
表示器20の通信部23は表示コンテンツを受信し、制御部22は第2表示部21に表示コンテンツを表示する。
【0090】
本変形例では、利用者が有する利用者端末5を用いて制御装置40に情報を入力することができる。そのことにより、利用者の利便性が高まる。
【0091】
(5-7)変形例G
上記実施形態に係る表示システム1では、電子棚札10の表示は初期状態のままであるが、これに限定されるものではない。
【0092】
図10は、表示システム1の電子棚札10及び制御装置40の動作について説明するためのフローチャートである。
【0093】
ステップS21からステップS23については、
図9のステップS1からS3と同様であるため、説明は省略する。
【0094】
制御部41は、受信した入力情報を基に、電子棚札データベース43bから利用者が接触した位置に表示されている表示内容Aに係る商品IDを読み出す。さらに、制御部41は、商品IDに基づいて、商品データベース43aから電子棚札用のコンテンツ(以下、「表示内容C」と呼ぶ。)及び電子棚札用のコンテンツ表示時間を読み出す(ステップS24)。表示内容Cとは、商品IDに関連付けて(リンク付けて)記憶されている、商品4の販促用の動画コンテンツである。なお、ここではコンテンツとして動画を例に挙げて説明するが、これに限られず、静止画であってもよい。
【0095】
通信部42は、機器ID、表示内容C及びコンテンツ表示時間を電子棚札10に送信する(ステップS25)。
【0096】
通信部14は、通信部42が送信した機器ID、表示内容C及びコンテンツ表示時間を受信する(ステップS26)。
【0097】
制御部12は、受信した機器IDと自己の機器IDが一致した場合は、受信した表示内容C及びコンテンツ表示時間を記憶部15に記憶する。制御部12は、記憶部15に記憶した表示内容Cを、第1表示部11に表示する(ステップS27)。
【0098】
制御部12は、記憶部15に記憶したコンテンツ表示時間を経過したか否かを判定する(ステップS28)。コンテンツ表示時間を経過していないと判定した場合、制御部12は処理を待機する。
【0099】
表示指定時間を経過したと判断した場合、制御部12は、記憶部15に記憶されている表示内容Aを第1表示部11に表示する(ステップS29)。ここで、電子棚札10の表示内容は、初期状態に戻る。
【0100】
本変形例においては、利用者が自ら選択して接触した位置に表示されている商品情報画像に係る商品4の販促動画を、電子棚札10に表示することができる。そのことにより、商品4の販促効果が高まる。
【0101】
(5-8)変形例H
上記実施形態に係る表示システム1では、電子棚札10に表示される商品情報画像のうち、利用者が接触した箇所に表示されている商品情報画像を表示器20に拡大して表示をするが、これに限定されるものではない。
【0102】
電子棚札10は、複数商品に対応する複数の第1表示部11を表示エリアとして有するディスプレイを持つ機器であるため、1つの電子棚札10に複数の商品情報画像が表示される場合がある。なお、複数の商品情報画像は、背景の上に表示される。背景は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。この場合、
図9のステップS4において、利用者が接触した位置に表示されている表示内容Aに係る商品ID等を読み出した後、電子棚札データベース43bの表示座標に基づいて、表示内容Aに係る商品4の隣に陳列されている商品の表示内容(以下、「表示内容D」と呼ぶ。)を読み出してもよい。
【0103】
制御部41は、表示内容A及び表示内容Dを第2表示部21の縦方向の長さ及び横方向の長さに合わせて拡大する。拡大した表示内容A及び表示内容Dを表示器20に送信することで、2つの商品に関する商品情報画像を表示器20に拡大して表示することができる。そのことにより、商品4及びその隣に陳列されている商品の訴求力が高まる。
【符号の説明】
【0104】
1 表示システム
3 カメラ
5 利用者端末
10 電子棚札
11 第1表示部
12 制御部
13 入力部
14 通信部
15 記憶部
20 表示器
21 第2表示部
22 制御部
23 通信部
24 記憶部
30 アクセスポイント
40 制御装置
41 制御部
42 通信部
43 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0105】