(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077113
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】袋絞り機構を備えた包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 51/09 20060101AFI20240531BHJP
B65B 51/08 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B65B51/09 B
B65B51/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188962
(22)【出願日】2022-11-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1) 販売日;令和4年3月14日 2) 販売場所;株式会社ケーアイ・フレッシュアクセス(埼玉県熊谷市千代703―1ヤオコー熊谷物流センター内 株式会社ケーアイ・フレッシュアクセス) 3) 公開者;株式会社古川製作所 4) 販売した物の内容;袋絞り機構を備えた包装装置を販売
(71)【出願人】
【識別番号】000142850
【氏名又は名称】株式会社古川製作所
(72)【発明者】
【氏名】余頃 純一
(72)【発明者】
【氏名】三次 俊隆
【テーマコード(参考)】
3E094
【Fターム(参考)】
3E094AA12
3E094BA11
3E094CA33
3E094CA36
3E094DA05
3E094EA01
3E094FA05
3E094FA26
3E094HA08
3E094HA20
(57)【要約】
【課題】従来の袋口結束装置では、先端にクランプ用の挟持爪を設けた流体シリンダや挟持爪を開閉するロータリーバルブや挟持爪で吊り下げ状に支持した包装製品の袋口を細く絞る一組のクランプアーム等で構成されているため、袋口結束装置の部品点数が多くなり構造も複雑となる。また、前記各機構の動作のタイミングをあわせる必要があり、包装製品の受け渡しの際の受け渡しミスも発生しやすくなるというような課題もある。
【解決手段】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置1は、包装袋Pの両側部を挟持して順次包装作業のセクションに搬送する一組のクランプアーム4と、一組のクランプアーム4の先端を包装袋Pの幅方向に互いに近接するように移動して包装袋Pの袋口P1を絞るクランプアーム開閉機構2Aと、クランプアーム4による包装袋Pの搬送過程で包装袋Pが曲がったり開いたりしないように案内するとともに、包装袋の袋口P1を絞る際に包装袋を保持する袋案内保持機構2Bと、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋の両側部を挟持して順次包装作業のセクションに搬送する少なくとも一組のクランプアームと、一組のクランプアームの先端を包装袋の幅方向に互いに近接するように移動して包装袋の一部分を絞るクランプアーム開閉機構と、クランプアームによる包装袋の搬送過程で包装袋が曲がったり開いたりしないように案内するとともに、包装袋の一部分を絞る際に包装袋を保持する袋案内保持機構と、を備えていることを特徴とする袋絞り機構を備えた包装装置。
【請求項2】
クランプが、クランプアームの先端にそれぞれ設けられ、クランプで挟持して絞った包装袋の絞った部分が前方および後方に広がることを規制する前部規制爪と後部規制爪とがクランプにそれぞれ取り付けられ、一組の後部規制爪は、クランプの固定クランプに、同じ高さで設けられ、一組の前部規制爪は、クランプの可動クランプに、互いに異なる高さで設けられていることを特徴とする請求項1に記載の袋絞り機構を備えた包装装置。
【請求項3】
袋案内保持機構は、包装袋の外側の前後から近接して包装袋を案内するガイド板と、ガイド板の内側に設けられ、包装袋を部分的に係止して包装袋を保持する係止部と、ガイド板を前後に開閉するチャック部と、チャック部を昇降動する昇降シリンダと、を備え、包装袋の絞り動作を行う際に、前記係止部の厚み分だけ隙間をあけた状態でガイド板により挟むよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の袋絞り機構を備えた包装装置。
【請求項4】
袋絞りセクションの下流に、結束機移送セクションを設け、この結束機移送セクションに、一組の挟持爪からなる挟持移送機構を配置し、クランプアームにより絞り動作が完了した包装袋の絞られた部分を一組の挟持爪で挟持して結束機側へ移送することを特徴とする請求項1に記載の袋絞り機構を備えた包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋口を絞る袋絞り機構を備えた包装装置に関し、より具体的には、例えば、ロータリー包装装置のワンポジションに包装袋の袋口を絞る袋絞り機構を備えたことを特徴とする包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、包装装置外に袋口結束装置を配置し、この袋口結束装置で袋口を絞り、クリップなどの留め具で袋口を結束することが知られている。例えば、特許文献1には、ロータリー式の袋口結束装置が開示されている。この特許文献1のロータリー式の袋口結束装置は、主軸の上端の円板から複数本の流体シリンダを放射状に突き出し、この各流体シリンダの先端にクランプ用の挟持爪を設け、ロータリーバルブの制御でもって円板が停止すると同時に前記挟持爪が閉鎖し、各挟持爪で包装製品を吊り下げ状に支持して円軌道で運搬する途中で包装製品の袋口を一組のクランプアームで細く絞り、かつ結束機で結束している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記のような従来の袋口結束装置では、先端にクランプ用の挟持爪を設けた流体シリンダや挟持爪を開閉するロータリーバルブや挟持爪で吊り下げ状に支持した包装製品の袋口を細く絞る一組のクランプアーム等で構成されているため、袋口結束装置の部品点数が多くなり構造も複雑となる。また、前記各機構の動作のタイミングをあわせる必要があり、包装製品の受け渡しの際の受け渡しミスも発生しやすくなるというような課題もある。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、構造が比較的単純で部品点数も少なく、包装製品の受け渡しミスも発生しにくい袋絞り機構を備えた包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の袋絞り機構を備えた包装装置は、包装袋の両側部を挟持して順次包装作業のセクションに搬送する少なくとも一組のクランプアームと、一組のクランプアームの先端を包装袋の幅方向に互いに近接するように移動して包装袋の一部分を絞るクランプアーム開閉機構と、クランプアームによる包装袋の搬送過程で包装袋が広がったり開いたりしないように案内するとともに、包装袋の一部分を絞る際に包装袋を保持する袋案内保持機構と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、包装袋を挟持した一組のクランプアームの先端を近接させて包装袋を絞ることにより、包装袋を結束することができるので、構造がシンプルで、袋を絞るための持ち替えが不要で、従来のように包装袋の持ち替えの際の滑りミスも発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置の部分概略平面図
【
図2】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置の部分概略側面図
【
図3】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置の部分概略正面図
【
図4】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置の部分概略側面図
【
図5】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置の平面図
【
図7】本発明の包装装置に用いる袋案内保持機構の説明図
【
図8】本発明の包装装置に用いるクランプアームの平面図および正面図
【
図9】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置の使用状態図
【
図10】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置の使用状態図
【
図11】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置の使用状態図
【
図12】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置の使用状態図
【
図13】本発明の袋絞り機構を備えた包装装置の使用状態図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の袋絞り機構を備えた包装装置について図面に基づき説明する。この実施の形態では、ロータリー式包装装置で説明するが、本発明はロータリー式包装装置に限定されるものではなく、楕円形包装装置、直線式包装装置等であってもよいことは言うまでもない。なお、以下において、袋絞り機構を備えた包装装置1を単に「包装装置」と省略して記載する場合がある。
【0010】
図1は、本発明の包装装置の部分概略平面図、
図2は包装装置の部分概略側面図である。本発明の包装装置の一つのセクション(袋絞りセクションS5)に、包装袋Pの一部分(この実施の形態では袋口P1であるが、袋底の場合もある。ただし、この実施の形態では、袋口P1で説明する。)を絞る袋絞り機構2が設けられている。袋絞りセクションS5の次のセクションS6には、袋絞り機構2により絞られた袋口P1をクリップなどの結束具で結束する結束機(図示せず)に向かって送り出す挟持移送機構3が設けられている(
図13参照)。なお、結束機は、既に公知のものであって、金属製や樹脂製のクリップやテープなどを用いて袋口などを結束する装置である。
【0011】
本発明の包装装置には、包装袋Pの側部を挟んで吊り下げるクランプアーム4が複数本、軸支されている。具体的には、ロータリー式包装装置において、2本を一組とする8組のクランプアーム4が、搬送装置としての円形ロータ5の周縁に軸支され、一組のクランプアーム4の先端間がハの字に開いたり、閉じたりできるよう構成されている。そして、各クランプアーム4の先端に、包装袋Pの両側縁部を前後から挟持するクランプ4Aが取付けられている。本発明の包装装置の基本的な構成は、従来から知られたロータリー式包装装置とほぼ同じであって、駆動搬送モータ(図示せず)を備えており、この駆動搬送モータの回転駆動力が円形ロータ5に伝達されることにより、円形ロータ5が8組のクランプアーム4の円周方向間隔に相当する45゜のピッチで時計まわり(回転方向R)又は反時計まわりに間欠回転して各セクションで包装作業を実施する。なお、本発明のクランプアーム4は、8組に限定されるものではない。
【0012】
本発明の実施の形態に係る袋絞り機構2は、前記クランプアーム4の先端間を包装袋Pの幅方向に互いに近接するように閉じ、包装袋Pの袋口P1を絞るクランプアーム開閉機構2Aと、袋口P1の絞る箇所が前後に曲がったり、袋口P1が広がったりしないように規制する袋案内保持機構2Bと、を備えている。以下において、先ず、クランプアーム開閉機構2Aについて説明する。
【0013】
この実施の形態では、クランプアーム開閉機構2Aは、
図3~
図6に示すように構成されている。即ち、各組のクランプアーム4は、端軸部4cが円形ロータ5の外周部裏面に軸支されている。各組のクランプアーム4の後方下面には、
図5に示すように、各組のクランプアーム4の内側に延びるように扇形歯部4dが設けられている。さらに、一方の扇形歯車41dには、三角形状の回動レバー41eが後方に向かって突設しており、この回動レバー41eを押し、引きすることにより、各組のクランプアーム4が端軸部4cを中心に回動するように構成されている。即ち、クランプアーム4の端軸部4cと扇形歯部4dは連結し、一方と他方の扇形歯車41d、42d同士は、互いに噛み合わされており、一方の扇形歯車41dの回動により、他方の扇形歯車42dが回動し、それに伴って、各組のクランプアーム4は同期して互いに接近離間することで先端が開閉する。クランプアーム4間には引張ばね4fが架け渡されてクランプアーム4同士が閉方向に付勢されている。
【0014】
図6に示すように、回動レバー41eの後端部は、連結リンク6aを介して、略L字形状のクランク6bの一端部と連結している。クランク6bは、円形ロータ5から下方に延びる取付部6cに取り付けられた枢支軸6dを介して、回動自在に軸支されている。さらに、クランク6bの他端部には当接ローラ6eが回動自在に取付けられ、この当接ローラ6eが平面視円弧状(中心が円形ロータ5と同軸心)で、一端部に傾斜部が形成された昇降カム6上を時計まわりに転動する。昇降カム6は昇降シリンダ6fにより昇降する昇降台6gに取り付けられている。前記昇降シリンダ6fは、
図4に示すように、円形ロータ5の下方で、周方向に往復移動可能に支持された可動板6hに支柱6iを介して支持された支持板6j上に載置されている。前記昇降カム6の周方向および上下動に連動して、クランプアーム4の先端が開閉するように構成されている。ただし、各組のクランプアーム4を開閉する開閉機構はこのような構成以外の構成で開閉してもよい。なお、
図3では、クランプアーム開閉機構2Aのクランク6bの動きが理解しやすいように、連結リンク6aや回動レバー41e、クランプアーム4などを省いて図示している。
【0015】
図3および
図5に示すように、昇降カム6に隣接して従動カム6Kが配置されている。前記昇降カム6は、クランプアーム4の先端間を開閉するために昇降するが、この従動カム6Kは、昇降することなく、昇降シリンダ6fにより昇降カム6が下降した後、当接ローラ6eが、そのまま水平に乗り移る。この時、クランプアーム4は、先端を閉じた状態で、袋絞りセクションS5から結束機移送セクションS6に移動する。なお、この従動カム6Kも周方向に往復移動し、昇降カム6の周方向の往復移動に合わせた動きをする。
【0016】
図2、
図5、
図8などに示すように、クランプアーム4の先端部には、クランプ4Aを構成する固定クランプ4aと可動クランプ4bとを備えている。固定クランプ4aは、クランプアーム4の先端部の後側に設けられている。クランプアーム4の先端部には、可動クランプ4bが支持ピン4gを介して回動自在に支持されている。可動クランプ4bの中途部は、駆動ピン4hを介して出退ロッド4iに連結されている。即ち、クランプアーム4の内部には、前記出退ロッド4i(
図2参照)が内装されており、この出退ロッド4iの先端部と可動クランプ4bとが駆動ピン4hにより連結されている。出退ロッド4iは、同じくクランプアーム4の内部に設けられている引張ばね(図示せず)により、クランプアーム4の基部側に引っ張られている。この出退ロッド4iには、クランプアーム4から下方に突設し、前後に出退自在なローラ4jが組付けられている。そして、ローラ4jが前方に押圧されることにより、出退ロッド4iも前方(突出方向)に移動し、これにより、例えば、
図1に示すように、袋絞りセクションS5の次の結束機移送セクションS6などにおいて、可動クランプ4bが開くよう構成されている。袋絞りセクションS5など、ローラ4jが外部から力を受けていない状態では、内装された引張ばねの付勢力により可動クランプ4bが閉じられた状態が保持される。なお、
図8に示すように、クランプ4Aの内側には弾性体4kが取り付けられており、包装袋Pを良好に挟持できる。
【0017】
図8に示すように、クランプ4Aには、クランプアーム4の先端を閉じて包装袋Pの袋口P1を絞る際(絞り動作が終了した際を含む)および次の工程(結束機移送セクションS6)に包装袋Pを搬送する際に、クランプ4Aで挟持した包装袋Pの袋口P1が前方および後方に広がることを規制する前部規制爪7Aと後部規制爪7Bが取付けられている。詳しくは、固定クランプ4aには、
図8(C)に示すように、後方に延びて、クランプアーム4の先端を閉じて包装袋Pを絞る際に、包装袋Pの袋口P1が後方に広がらないように規制するハの字形の後部規制爪7Bが取付けられている。
図8(D)に示すように、後部規制爪7B同士は、同じ高さとなるように取付けられる。前部規制爪7Aのうちの右上側の前部規制爪71Aは、右側の後部規制爪7Bと同じ高さとなるように取付けられている。このように、右側の後部規制爪7Bと右上側の前部規制爪71Aを同一高さに配置し、後述する挟持移送機構3の固定側の挟持爪3bを、これらの規制爪7B,71A側にくるように配置すれば、可動側の挟持爪3aが固定側の挟持爪3b側に移動して袋口P1を挟持すると、袋口P1は、同一高さの規制爪7B,71Aでも支持されるので、つかみ動作のつかみ損ねを防ぐことができる。
【0018】
また、可動クランプ4bには、前方に延びて、一組のクランプアーム4の先端を閉じて包装袋Pを絞る際に、袋口P1が前方に広がり難いように規制する前部規制爪7Aがハの字形に取付けられている。
図8(D)に示すように、前部規制爪7A同士は、上下に異なる高さとし、先端は僅かに隙間を開けて配置されて取付けられている。前部規制爪7Aのこのような構成により、包装袋Pの絞った部分が前方に広がり難いように規制しながら、後述するように、次の結束機移送セクションS6において、挟持移送機構(
図8(D)、
図13を参照)の可動側、固定側の挟持爪3a,3bにより絞られた袋口を挟持した後、可動クランプ4bを開くと、包装袋Pを開放するとともに、ハの字形の左右の前部規制爪7Aの先端も開き、挟持爪3a,3bにより挟持された包装袋Pが左右の前部規制爪7A間を通り抜けて、結束機(図示せず)に向けて支障なく前方に移送できる。
【0019】
次に、前記袋案内保持機構2Bについて説明する。袋案内保持機構2Bは、クランプ4Aで挟持された包装袋Pを袋絞りセクションS5に搬送する際に、包装袋Pの袋口P1が曲がらないように案内し、袋口を絞る際に、袋口P1が下がるのを防止し、袋口P1が前後に広がらないように規制する働きがある。袋案内保持機構2Bは、
図7に示すように、包装袋Pの袋口P1を前後から挟むように案内するガイド板8Aと、このガイド板8Aを開閉するエアチャック部8Bと、エアチャック部8Bを昇降する昇降シリンダ8Cと、昇降シリンダ8Cを吊り下げて固定する支柱8Dと、を備えている。
【0020】
ガイド板8Aは、
図7(B)に示すように、一対の長方形状の2枚の板材からなり、エアチャック部8Bによりガイド板8Aが前後に開いたり、閉じたりすることができる。このガイド板8Aは、包装袋P(袋口P1)とほぼ同様の横幅を有し、
図7(B)の平面視のように、両端部が外側に開いた形状に形成されているが、開いていない形状のものであってもよい。ガイド板8Aは、取付金具8Eを介してエアチャック部8Bのフィンガー部8bに取付けられ、このフィンガー部8bの開閉により、ガイド板8Aも前後に開閉する。
【0021】
図2に示すように、取付金具8Eは、かぎ型の金具を用いており、上端部はフィンガー部8bの外側部にネジで取付けられている。
図7(B)に示すように、取付金具8Eの下端部は、ガイド板8Aの板材の中央、内側にネジにより取付けられている。取付金具8Eの下端部をこのように内側に取付けることにより、ガイド板8Aを閉じたときに、取付金具8Eの下端部が当接して板材間には、僅かばかりの隙間が空くことになる。エアチャック部8Bでガイド板8Aを閉じると、包装袋P(袋口P1)の上部中央を取付金具8Eの下端部で挟み付け、袋口P1を絞ることは許容しながら、包装袋Pが前後には広がらないように規制し、包装袋Pの中央部を良好に挟持して、包装袋Pが落ちないよう保持する。なお、取付金具8Eの下端部で包装袋Pの中央部を挟持しているが、挟持の手段はかかる取付金具8Eに限定されるものではなく、ガイド板8Aの中央、内側に突起状のものを設けたものであってもよい。
【0022】
次に、前記包装装置の作用について説明する。
図9、
図10に示すように、円形ロータ5が回転して袋絞りセクションS5に包装袋Pが搬送されて来ると、
図6に示すように、昇降シリンダ6fにより昇降カム6は上方に押し上げられている。このためクランク6bは、枢支軸6dを中心に反時計回りに回転して、連結リンク6a、回動レバー41e、扇形歯部4dを介して、
図5の実線で示すように、一組のクランプアーム4がハの字形に開く。一組のクランプアーム4がハの字形に開き、包装袋Pの左右両端部がクランプ4Aで挟持され、包装袋Pが左右に引っ張られた状態で吊るされる。また、袋絞りセクションS5に包装袋Pが搬送される前では、ガイド板8Aは、包装袋Pの袋口P1の上端とほぼ同じ位置に退避するとともに、前後に開かれており、包装袋Pの搬送時にガイド板8Aに干渉しないよう図られている。袋絞りセクションS5に包装袋Pが搬送されてくると、ガイド板8Aが下降するとともに、袋口P1が開かないように案内する。
図10に示すように、包装袋Pが袋絞りセクションS5に間欠停止すると、エアチャック部8Bのフィンガー部8bが閉じるとともに、ガイド板8Aも閉じる。但し、包装袋Pは、ガイド板8Aの取付金具8Eの下端部(以下、係止部8eと称す。)以外の箇所は、前後に少しの隙間を空けた状態とされ、これにより、袋口P1の中央上部は、係止部8eにより係止されるが、中央上部以外は移動が規制されていない。これにより、袋口P1の中央部以外の部分は、中央部に集められて絞られながら、包装袋Pの袋口P1を形よく良好に絞ることができる。
【0023】
この後、昇降シリンダ8Cにより昇降カム6を下降させると、クランク6bは、時計回りに回転して、連結リンク6a、回動レバー41e、扇形歯部4dを介して、
図5の仮想線で示すように、一組のクランプアーム4の先端が中央部に移動して閉じられる。そうすると、
図11に示すように、袋口P1の左右両側部をクランプ4Aで挟持した状態のままで、クランプアーム4の先端が中央に移動する。この結果、袋口P1の両サイドは中央部に集められて絞られる。このようにして、包装袋Pの左右両端部を挟持するクランプ4Aの先端をクランプアーム開閉機構2Aにより互いに近接し、包装袋Pを良好に絞ることができるので、従来のような挟持アームを省くことができる。しかも、従来のように挟持アームにより包装袋Pを持ち替えなくても済み、一組のクランプアーム4を移動させるので、従来行っていたようなクランプと挟持アームとの位置調整が不要となるとともに、持ち替える際に包装袋Pのつかみミスを無くすことができ、信頼性が向上する。
【0024】
また、クランプ4Aには、絞った包装袋Pの袋口P1が前方および後方に広がることを規制する前部規制爪7Aと後部規制爪7Bとが取り付けられているので、袋口P1の絞った状態を良好に保持することができる。この後、
図11に示すように、ガイド板8Aが開かれて上方に退避し、クランプ4Aで袋口P1を挟持して絞った状態のままで、円形ロータ5が間欠回転して包装袋Pを次の結束機移送セクションS6まで搬送する。9は、包装袋Pの前後に配置されたガイドレール(
図11,
図12では前方のガイドのみ図示)であって、円形ロータ5が回転し、クランプアーム4に吊り下げられた包装袋Pを搬送する際に、遠心力で包装袋Pが外側に振れないようガイドする。
【0025】
包装袋Pが結束機移送セクションS6に搬送されて間欠停止すると、結束機移送セクションS6の前側に設けられる結束機に移動する動作に移る。即ち、
図13に示すように、袋口P1を絞った状態の包装袋Pが結束機移送セクションS6に間欠停止すると、
図8(D)に示すように、挟持移送機構3の可動側の挟持爪3aを開いた状態で、可動側と固定側の挟持爪3a,3bを前方に移動させ、絞った袋口P1をつかみに行く。可動側と固定側の挟持爪3a,3bが袋口P1の位置まで来ると、可動側の挟持爪3aが閉じて袋口P1は可動側と固定側の挟持爪3a,3bにより挟持される。袋口P1が前記挟持爪3a,3bによって挟持された後、クランプ4Aの可動クランプ4bを開き、包装袋Pを開放すると、前記挟持爪3a,3bが結束機側に移動する。前記のように、前部規制爪7A同士は、4b 可動クランプが開いて袋口P1を開放すると、左右の前部規制爪7Aも開くので、絞られた袋口P1は、左右の前部規制爪7Aを通り抜けて、結束機(図示せず)に向けて支障なく移動できる。結束機で、袋絞り機構2により絞られた袋口P1をクリップなどの結束具で結束する。その間、円形ロータが回転して包装袋Pを開放したクランプアーム4は次のセクションに移動する。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の包装装置は、被包装物を袋詰めした包装袋の袋口を絞ってクリップなどの結束具で結束する包装装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 袋絞り機構を備えた包装装置
2 袋絞り機構
2A クランプアーム開閉機構
2B 袋案内保持機構
3 挟持移送機構
3a 可動側の挟持爪
3b 固定側の挟持爪
4 クランプアーム
4A クランプ
4a 固定クランプ
4b 可動クランプ
4c 端軸部
4d 扇形歯部
41d 一方の扇形歯車
41e 回動レバー
42d 他方の扇形歯車
4f 引張ばね
4g 支持ピン
4h 駆動ピン
4i 出退ロッド
4j ローラ
4k 弾性体
5 円形ロータ
6 昇降カム
6a 連結リンク
6b クランク
6c 取付部
6d 枢支軸
6e 当接ローラ
6f 昇降シリンダ
6g 昇降台
6h 可動板
6i 支柱
6j 支持板
6K 従動カム
7 規制爪
7A 前部規制爪
7B 後部規制爪
8A ガイド板
8B エアチャック部
8C 昇降シリンダ
8D 支柱
8E 取付金具
8e 係止部
8b フィンガー部
9 ガイドレール
P 包装袋
P1 袋口