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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077121
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】車両の表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20240101AFI20240531BHJP
   G01D 7/00 20060101ALI20240531BHJP
   G09G 3/00 20060101ALI20240531BHJP
   G09G 3/04 20060101ALI20240531BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240531BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20240531BHJP
   G09G 3/14 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
G01D7/00 K
G09G3/00 V
G09G3/04 Z
G09G3/20 660K
G09G3/20 660M
G09G3/36
G09G3/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188977
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 満
【テーマコード(参考)】
2F041
3D344
5C006
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
2F041EA01
2F041EA08
3D344AA19
3D344AA21
3D344AA26
3D344AA27
3D344AD01
3D344AD05
5C006EC09
5C006FA01
5C006FA51
5C080AA07
5C080AA10
5C080BB02
5C080BB05
5C080CC08
5C080DD20
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080JJ07
5C080KK20
5C380AA03
5C380AB02
5C380BA28
5C380DA21
(57)【要約】
【課題】第1の表示部による車速表示と第2の表示部による車速表示とを切り換える場合に、安価な構成により、途切れることなく車速を表示できるようにする。
【解決手段】操作スイッチ8の操作に応じ、表示制御部21aにより、切換制御開始から予め定められた所定の時間、LCD表示部22及び7セグ表示部23の両方が車速を表示するとともに、LCD表示部22による車速画像表示をフェードインやフェードアウトする演出を行い、所定の時間経過後に、LCD表示部22または7セグ表示部23のいずれか一方のみによる車速表示を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転情報を表示する車両の表示装置であって、
少なくとも車速を表示する第1の表示部と、
前記第1の表示部と異なる位置に設けられ少なくとも車速を表示する第2の表示部と、
前記第1の表示部による車速表示と前記第2の表示部による車速表示とを切り換え操作するための操作部と、
前記操作部の操作に応じて、前記第1の表示部及び前記第2の表示部の表示の切換制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、
切換制御開始から予め定められた所定の時間、前記第1の表示部及び前記第2の表示部の両方に車速を表示させるとともに、前記第1の表示部または前記第2の表示部のいずれか一方のみへの切り換わりを報知する演出を行い、
前記所定の時間経過後に、前記第1の表示部または前記第2の表示部のいずれか一方のみにより車速を表示させる
ことを特徴とする車両の表示装置。
【請求項2】
前記第1の表示部は液晶表示であり、前記第2の表示部はバックライト表示であることを特徴とする請求項1に記載の車両の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、運転情報を表示する車両の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転情報を表示する車両の表示装置として、従来のアナログメータによる表示に代えて、7セグメントLEDから成る表示部により車速をデジタル表示するものがあり、近年では、例えば特許文献1に記載のように、液晶ディスプレイなどの画像表示部を設け、画像として車速やエンジン回転数などのメータ表示のほか、各種の運転情報を示す表示を組み合わせた画像を表示画面に表示させることも行われている。
【0003】
また、液晶ディスプレイから成る画像表示部に、7セグメントLEDから成る表示部を並設し、車速を画像表示またはデジタル表示により選択的に表示できるようにし、ハンドル等に設けられた切換スイッチの切り換え操作により、画像表示部による車速表示とLEDによる車速表示とを切り換えできるように構成し、ユーザの表示に関する様々なニーズに応えられるようにすることも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-83192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、数値及び単位を含む車速表示に関して、昼間、夜間に関係なく明瞭に読み取ることができるものでなければならないという国連法規や保安基準などの規則があり、一瞬でも車速表示が消えることがあると法規不適合となり、このような法規不適合の装置を車両に搭載することはできない。
【0006】
上記したセグメントLEDから成る表示部により車速をデジタル表示する場合、セグメントLEDやその制御手段が廉価でかつ構成が簡単で高輝度での表示が可能であり、しかも応答性がよいことから車速表示が途切れるおそれがない反面、表示位置やサイズ、書体、デザインなどを切り換えたり変更したりできず、ユーザの車速表示に関する多様な好み・ニーズに応えることが難しいという問題がある。
【0007】
他方、液晶ディスプレイから成る画像表示部により車速を画像で表示する場合、表示位置やサイズ、書体、デザインなどを容易に切り換え或いは変更できるため、ユーザの車速表示に関する多様な好み・ニーズに合わせ易いという利点はあるもの、液晶ディスプレイは高価である上、氷点下の低温環境において液晶ディスプレイの応答性が低下するため、画像表示部による車速表示に遅れが生じ、この遅れが原因で車速表示が一瞬途切れて法規不適合となるおそれがある。
【0008】
また、上記したように、画像表示部による車速表示とLEDによる車速表示とを切り換え可能にした装置の場合においても、例えばLEDによる車速表示から画像表示部による車速表示に切り換えたときに、液晶ディスプレイの応答性の低下に起因した表示遅れにより、一瞬、車速が表示されない事態が生じ得る。
【0009】
このような氷点下の低温環境における液晶ディスプレイの応答性の低下を防止するには、液晶ディスプレイを加熱するヒータ等の加熱手段や、表示遅れを防止する専用回路等を別途設けることが考えられるが、加熱手段を設ける分、コストの上昇を招くという新たな問題が生じる。
【0010】
本発明は、第1の表示部による車速表示と第2の表示部による車速表示とを切り換える場合に、安価な構成により、途切れることなく車速を表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した目的を達成するために、本発明の車両の表示装置は、運転情報を表示する車両の表示装置であって、少なくとも車速を表示する第1の表示部と、前記第1の表示部と異なる位置に設けられ少なくとも車速を表示する第2の表示部と、前記第1の表示部による車速表示と前記第2の表示部による車速表示とを切り換え操作するための操作部と、前記操作部の操作に応じて、前記第1の表示部及び前記第2の表示部の表示の切換制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、切換制御開始から予め定められた所定の時間、前記第1の表示部及び前記第2の表示部の両方に車速を表示させるとともに、前記第1の表示部または前記第2の表示部のいずれか一方のみへの切り換わりを報知する演出を行い、前記所定の時間経過後に、前記第1の表示部または前記第2の表示部のいずれか一方のみにより車速を表示させることを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、操作部の操作に応じ、制御部により、切換制御開始から予め定められた所定の時間、第1の表示部及び第2の表示部の両方が車速を表示するとともに、第1の表示部または第2の表示部のいずれか一方のみへの切り換わりを報知する演出を行い、所定の時間経過後に、第1の表示部または第2の表示部のいずれか一方のみによる車速表示を行うため、車速表示が途切れるのを防止することができ、しかもユーザは好みに応じて第1の表示部または第2の表示部のいずれかによる車速表示を選択することができる。ここで、第1の表示部または第2の表示部のいずれか一方のみへの切り換わりを報知する演出とは、車速の表示位置やサイズ、書体、デザインなどを切り換えたり変更したりすることである。
【0013】
また、前記第1の表示部は液晶表示であり、前記第2の表示部はバックライト表示であるとよい。このようにすると、応答性の低下により液晶表示の第1の表示部に表示遅れが生じ得る極低温下であっても、切り換え制御開始から予め定められた所定の時間、液晶表示である第1の表示部とLED等のバックライト表示である第2の表示部の両方による車速表示を行うことから、液晶ディスプレイを加熱するためのヒータ等の加熱手段を設ける必要もなく、車速表示の途切れを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、第1の表示部による車速表示と第2の表示部による車速表示とを切り換える場合に、安価な構成により、途切れることなく車速を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の車両の表示装置の一実施形態のブロック図である
図2図1の車両の表示装置における表示部の外観図である。
図3図2の動作説明用タイムチャートである。
図4図2の動作説用タイムチャートである。
図5図2の動作説明用フローチャートである。
図6図2の動作説明図である。
図7図2の動作説明図である。
図8】変形例の動作説明図である。
図9】変形例の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る車両の表示装置の一実施形態について、図1ないし図7を参照して詳述する。
【0017】
図1に示すように、車両1は、メータユニット2、車速センサ3、エンジンECU(Electric Control Unit)4、燃料残量センサ5、及びCVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)-ECU6を備える。車速センサ3は、車両1の車速を検出するセンサであり、車輪の回転に同期したパルス信号を生成し、メータユニット2に出力する一方、例えばメータユニット2のメータECU21が車速センサ3から入力されるパルス信号の周波数に基づいて車両1の車速を算出する。なお、車速センサ3のパルス信号は、メータECU21以外のECUに入力されてもよく、該ECUが算出した車速をメータECU21が取得するようにしてもよい。
【0018】
エンジンECU4は、エンジンの電子制御を司るCPU及びメモリを備えたマイクロコンピュータ構成であり、エンジンの始動、停止の制御を行うとともに、スロットバルブを調整することによりエンジン回転数センサ(図示省略)から入力されるエンジン回転数を目標回転数に制御し、エンジン回転数センサにより検出されたエンジン回転数をメータユニット2に出力する。
【0019】
燃料残量センサ5は、燃料の残量を検出するセンサであり、燃料タンク内の燃料の残量に対応した検出信号をメータユニット2に出力し、入力された検出信号に基づき、メータECU21により燃料の残量が算出される。なお、燃料残量センサ5の検出信号は、メータECU21以外のECUに入力されてもよく、該ECUが算出した燃料の残量を、メータECU21が取得するようにしてもよい。
【0020】
CVT-ECU6は、無段変速機を制御するための電子制御を行うCPU及びメモリを備えたマイクロコンピュータ構成であり、シフトポジションセンサにより検出されるシフトレバーの操作位置(シフトポジション)に応じてギア及び無段変速機の変速比を設定し、シフトポジションセンサにより検出されるシフトポジションをメータユニット2に出力する。
【0021】
なお、図1には示されていないが、メータユニット2は、その他の各種のセンサやECUから種々の車両情報が入力される。これらの車両情報として、例えばナビゲーション情報、積算走行距離、時刻、外気温、方向指示情報、パーキングブレーキ情報、ライトの点灯や状態を示す情報、シートベルトの着脱情報、冷却水の水温、故障診断に関する情報、セキュリティ情報などがある。なお、メータユニット2に入力される車両情報は、これらの情報に限定されるものではない。
【0022】
メータユニット2は、メータECU21のほか、液晶ディスプレイから成るLCD表示部(本発明における「第1の表示部」に相当)22、複数個の7セグメントIEDから成る7セグ表示部(本発明にける「第2の表示部」に相当)23、及び、ユーザが複数の表示モードの中から所望の表示モードを選択操作するための操作スイッチ24を備える。そして、メータユニット2は、運転席に対向するようにインストルメントパネルに配置され、各種のセンサ及びECUから入力される情報を、運転者が目視して把握できる状態に加工して表示する。
【0023】
メータECU21は、各種センサ及びECUから入力される車両情報を加工して表示させるための電子制御を行うCPU及びメモリを備えたマイクロコンピュータ構成であり。メータECU21は、LCD表示部22を制御して入力される車両情報を画像として表示させる。このとき、メータECU21は、操作スイッチ24から入力される操作信号に応じた表示モードで入力される車両情報の表示を行う。
【0024】
さらに、図1に示すように、メータECU21は、表示制御部21a、描画部21b、記憶部21cを備える。記憶部21cは、LCD表示部22及び7セグ表示部23を制御するためのプログラム、及び、LCD表示部22に車両情報を表わす画像を表示するための画像データ等を記憶する。
【0025】
この画像データには、車両情報ごとの表示パーツの画像データが含まれており、例えば車速を表示する速度メータ、エンジン回転数を表示するタコメータ、燃料タンク内の燃料残量を表示する燃料計、及びシフトポジションを表示するシフト表示などの表示パーツの画像データがある。また、画像データには、各表示パーツの画像データのうち表示すべき表示パーツの表示位置のデータや表示パーツの大きさを指定するデータ等も含まれる。
【0026】
表示制御部21aは、操作スイッチ24の操作により選択された表示モードに応じて記憶部21cから対応する画像データを読み出して、読み出した画像データを描画部21bに出力する。そして、表示制御部21aにより、例えば速度メータ、タコメータ、燃料計、及びシフト表示などの表示パーツの画像データと、選択された表示モードのレイアウト情報が読み出され、LCD表示部22の表示制御が行われる。
【0027】
描画部21bは、LCD表示部22に表示する画像を生成する機能を有し、例えば描画LSIなどによって構成されている。この描画部21bは、エンジンECU4から入力されるエンジン回転数などの情報と、表示制御部21aによって記憶部21cから読み出されて入力された情報とに基づき、選択された表示モードに応じたLCD表示部22の所定の表示位置に、入力された各情報を表示するための画像を生成する。そして、描画部21bにより生成された画像の画像データが、メータECU21によってLCD表示部22に出力されて表示される。
【0028】
具体的なメータユニット2の表示例として、図2に示すような形態による表示がなされ、メータユニット2の中央部に配置されたLCD表示部により車速(単位も含む)の画像が表示され、LCD表示部22の右側に配置された7セグ表示部23により車速がデジタル表示され、メータユニット2の左右の両側部の表示領域25L.25Rには、ヘッドライトのハイビーム・ロービームの画像、フォグランプの画像、エンジン水温の画像、シートベルト着用の有無の画像、左方向の指示器の画像、ハザードランプの画像、右方向の指示器の画像をはじめ、燃料の残量をバー表示によって表わす画像等が表示される。
【0029】
ところで、本発明の最大の特徴は、車速に関する情報の表示を、LCD表示部22による表示と、7セグ表示部23による表示とに切り換えできるようにしたことであり、表示制御部21aがその切り換え機能を有する。例えばハンドルに設けられた本発明における「操作部」に相当する切換スイッチ8の操作に応じ、表示制御部21aは、車速に関する情報の表示についてLCD表示部22による表示と、7セグ表示部23による表示とに切り換える制御を行う。この表示制御部21aによる切換制御の機能が、本発明における「制御部」に相当する。
【0030】
この表示制御部21aによる切換制御は、切換制御開始から予め定められた所定の時間、LCD表示部22及び7セグ表示部23の両方に車速を表示させるとともに、LCD表示部22による車速表示において、LCD表示部22または7セグ表示部23のいずれか一方のみへの切り換わりを報知する演出を行い、所定の時間経過後に、LCD表示部22または7セグ表示部23のいずれか一方のみにより車速を表示させる制御であり、例えば図3図4のタイムチャートに従って実行される。なお、この演出とは、例えば車速の表示位置やサイズ、書体、デザインなどを切り換えたり変更したりすることであり、係る演出により、ユーザは、LCD表示部22または7セグ表示部23のいずれか一方への切り換わりを認識することができる。
【0031】
いま、切換スイッチ8の操作により、図3に示すように、LCD表示部22の車速の画像による表示から7セグ表示部23による車速のデジタル表示に切り換えられた場合、切換スイッチ8が切換操作されたタイミングで、表示制御部21aにより7セグ表示部23が点灯制御されて車速がデジタル表示される一方、表示制御部21aにより、切換スイッチ8が切換操作されたタイミングで、LCD表示部22による車速の画像表示が予め設定された時間t1にわたる演出としてフェードアウトされ、t1時間経過後にはLCD表示部22の表示は停止されて7セグ表示部23のみによる表示となる。
【0032】
また、切換スイッチ8の操作により、図4に示すように、7セグ表示部23による車速のデジタル表示からLCD表示部22の車速の画像による表示に切り換えられた場合、表示制御部21aにより、切換スイッチ8が切換操作されたタイミングで、LCD表示部22による車速の画像表示が予め設定された時間t2(>t1)にわたる演出としてフェードインされてt2時間経過後に所定の明るさでの表示に移行する一方、t2時間経過後には7セグ表示部23による表示が停止されてLCD表示部22のみによる表示となる。
【0033】
このように、切換スイッチ8の操作に応じてLCD表示部22の車速の画像による表示から7セグ表示部23による車速のデジタル表示に切り換えられる場合、t1時間の間は両表示部22,23による車速表示が行われ、切換スイッチ8の操作に応じて7セグ表示部23による車速のデジタル表示からLCD表示部22の車速の画像による表示に切り換えられる場合には、t1時間よりも長いt2時間、LCD表示部22及び7セグ表示部23の両方による車速表示が行われることになる。
【0034】
よって、極低温の環境下で、LCD表示部22の応答性が低下することがあっても、7セグ表示部23による車速のデジタル表示と、LCD表示部22の車速の画像による表示とに切り換わる際に、LCD表示部22及び7セグ表示部23の両表示部による車速表示が行われるため、車速表示が一瞬途切れて法規不適合となるのを防止することができる。とりわけ、7セグ表示部23による車速のデジタル表示からLCD表示部22の車速の画像による表示に切り換えられる場合には、t1時間よりも長いt2時間、LCD表示部22及び7セグ表示部23の両表示部による車速表示を行うようにしたため、極低温下におけるLCD表示部22の応答性の低下の影響を受けにくくすることができ、車速表示の途切れを確実に防止することができる。
【0035】
続いて、表示制御部21aによる車速表示の切換制御の低順について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
図5に示すように、ユーザによる切換スイッチ8の切換操作があるかどうかの判定がなされ(ステップS1)、7セグ表示部23による表示からLCD表示部22による車速表示に切り換えられたときには、ステップS2において、表示制御部21aにより、7セグ表示部23による車速のデジタル表示が継続されるとともに、切換スイッチ8が切換操作されたタイミングで、LCD表示部22による車速の画像表示がt2時間(図4参照)にわたりフェードインされる演出が行われ(ステップS2)、その後t2時間が経過したか否かの判定がなされ(ステップS3)、判定の結果t2時間が経過していなければステップS2の処理が繰り返し行われ、t2時間が経過していれば7セグ表示部23による車速表示が停止されるとともに、LCD表示部22による所定の明るさでの車速表示が継続されてLCD表示部22のみによる車速表示に移行し(ステップS4)、その後スタートに戻る。
【0037】
また、上記したステップS1において、LCD表示部22による表示から7セグ表示部23による車速表示に切り換えされたと判定されると、ステップS5おいて、表示制御部21aにより、LCD表示部22による車速の画像表示がt1時間(図3参照)にわたりフェードアウトされる演出が行われるとともに、切換スイッチ8が切換操作されたタイミングで、7セグ表示部23による車速のデジタル表示が開始され(ステップS5)、その後t1時間が経過したか否かの判定がなされ(ステップS6)、判定の結果t1時間が経過していなければステップS5の処理が繰り返し行われ、t1時間が経過していればLCD表示部22による車速表示が停止されるとともに、7セグ表示部23による車速表示が継続されて7セグ表示部23のみによる車速表示に移行し(ステップS7)、その後スタートに戻る。
【0038】
図6図7は車速の具体的な表示例を示す。
【0039】
図6(a)~(d)は7セグ表示部23からLCD表示部22への表示に切り換わる様子を示しており、切換スイッチ8が切換操作されたタイミングで、表示制御部21aにより、7セグ表示部23による車速のデジタル表示が継続されるとともに、LCD表示部22による車速の画像表示がt2時間にわたってフェードインされ、同図(a)の状態ではLCD表示部22による車速の画像の明るさが暗くて見えにくく、同図(b),(c)のように時間が経過するにつれてLCD表示部22による車速の画像の明るさが増していき、t2時間が経過すると同図(d)に示すように、LCD表示部22による車速の画像の明るさが最大となる一方、7セグ表示部23による車速表示が停止されて7セグ表示部23による表示が消え、LCD表示部22のみによる車速表示に切り換わる。
【0040】
図7(a)~(d)はLCD表示部22から7セグ表示部23への表示に切り換わる様子を示しており、切換スイッチ8が切換操作されたタイミングで、表示制御部21aにより、7セグ表示部23の点灯による車速のデジタル表示が開始されるとともに、LCD表示部22による車速の画像表示がt1(<t2)時間にわたるフェードアウトが開始され、同図(a),(b),(c)のように時間が経過するにつれてLCD表示部22による車速の画像の明るさが暗くなっていき、t1時間が経過すると、同図(d)に示すように、LCD表示部22による車速の画像の明るさが暗くなってLCD表示部22による車速の画像表示が完全に消える一方、7セグ表示部23による車速表示は継続されて7セグ表示部23のみによる車速表示に切り換わる。
【0041】
したがって、上記した実施形態によれば、切換スイッチ8の操作に応じ、表示制御部21aにより、切換制御開始から予め定められた所定の時間、LCD表示部22及び7セグ表示部23の両方が車速を表示するため、極低温の環境下におけるLCD表示部22の応答性が低下することがあっても、LCD表示部22が安定して表示可能な状態になるまでの間、LCD表示部22と7セグ表示部23の両方により車速表示を行うことで、ヒータなどの加熱手段や表示遅れを防止する専用回路等を設けることなくコストの上昇を抑えつつ、車速表示が途切れて法規不適合になることを未然に防止することができ、しかもユーザは好みに応じてLCD表示部22または7セグ表示部23いずれかによる車速表示を選択することが可能になる。
【0042】
また、LCD表示部22による車速画像表示をフェードインやフェードアウトする演出を行い、所定の時間経過後に、LCD表示部22または7セグ表示部23のいずれか一方のみによる車速表示を行うため、LCD表示部22によるフェードインやフェードアウトの表示演出を見ることにより、ユーザは、LCD表示部22または7セグ表示部23のいずれか一方のみへの切り換わりを容易に認識することができる。
【0043】
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上記したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。
【0044】
また、上記した実施形態では、第1の表示部または第2の表示部のいずれか一方のみへの切り換わりを報知する演出として、LCD表示部22による車速画像表示をフェードインやフェードアウトする演出を行う場合について説明したが、係る演出はフェードインやフェードアウトに限るものではない。
【0045】
例えばLCD表示部22による車窓画像の大きさを変えてもよく、具体的には、図8(a)~(c)に示すように、7セグ表示部23からLCD表示部22への表示に切り換える場合に、切換スイッチ8が切換操作されたタイミングで、表示制御部21aにより、7セグ表示部23による車速のデジタル表示を継続する一方、LCD表示部22による車速の画像の大きさをt2時間にわたって順次大きくし、図9(a)~(c)に示すように、LCD表示部22から7セグ表示部23への表示に切り換える場合に、切換スイッチ8が切換操作されたタイミングで、表示制御部21aにより、7セグ表示部23による車速のデジタル表示を開始する一方、LCD表示部22による車速の画像の大きさをt1時間にわたって順次小さくする演出を行ってもよい。
【0046】
さらに、そのほかの演出として、LCD表示部22による車速画像の表示位置や、書体、デザインを時間経過に連れて変更するようにしてよい。
【0047】
また、上記した実施形態では、第2の表示部を7セグメントLEDから成る7セグ表示部23とした場合について説明したが、第2の表示部は7セグメントLEDに限らず、エレクトロルミネセンス(EL)表示やプラズマ表示等のバックライト表示であってもよい。
【0048】
そして、本発明は、運転情報を表示する車両の表示装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 …車両
2 …メータユニット
3 …車速センサ
4 …エンジンECU
5 …燃料残量センサ
6 …CVT-ECU
8 …切換スイッチ(操作部)
21a…表示制御部(制御部)
22 …LCD表示部(第1の表示部)
23 …7セグ表示部(第2の表示部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9