(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077122
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】液晶表示ユニットの駆動回路
(51)【国際特許分類】
G02F 1/133 20060101AFI20240531BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240531BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20240531BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20240531BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240531BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240531BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240531BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20240531BHJP
H05B 45/40 20200101ALI20240531BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20240531BHJP
H05B 45/38 20200101ALI20240531BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240531BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240531BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240531BHJP
【FI】
G02F1/133 535
B60K35/00 Z
G09G3/36
G09G3/34 J
G09G3/20 611C
G09G3/20 612B
G09G3/20 612D
F21V23/00 140
F21S2/00 482
H05B45/345
H05B45/40
H05B45/325
H05B45/38
H05B45/10
G02F1/13357
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188978
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加藤 駿一
【テーマコード(参考)】
2H193
2H391
3D344
3K014
3K244
3K273
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZG03
2H193ZG14
2H193ZG56
2H193ZH21
2H193ZH56
2H193ZR06
2H391AA01
2H391AB04
2H391CA02
2H391CB24
2H391CB27
3D344AA22
3D344AA27
3D344AB01
3D344AD13
3K014AA01
3K244AA01
3K244BA23
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA19
3K244HA01
3K273AA02
3K273AA05
3K273BA25
3K273CA02
3K273CA12
3K273EA06
3K273EA25
3K273FA03
3K273FA14
3K273FA26
3K273FA27
3K273FA30
3K273GA06
3K273GA14
5C006AF69
5C006BC16
5C006BF42
5C006BF46
5C006EA01
5C006FA31
5C080AA10
5C080DD12
5C080DD16
5C080EE01
5C080EE17
5C080EE26
5C080FF03
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ06
5C080KK20
(57)【要約】
【課題】ノイズの発生を抑制した液晶表示ユニットの駆動回路を提供する。
【解決手段】第1の入力端子11aと第1の出力端子11bとの間に複数の光源が直列に接続された第1の光源群11と、この第1の光源群11と別に設けられ、第2の入力端子12aと第2の出力端子12bとの間に複数の光源が直列に接続された第2の光源群12と、を設ける液晶表示ユニット1と、第1の入力端子11a側に第1の配線2aを介して接続し、第1の光源群11へ駆動電力を供給する定電流制御回路21と、を備え、第1の出力端子11bと第2の入力端子12aとを接続し、第2の光源群12へ駆動電力を供給する中継配線2cを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入力端子と第1の出力端子との間に複数の光源が直列に接続された第1の光源群と、
この第1の光源群と別に設けられ、第2の入力端子と第2の出力端子との間に複数の光源が直列に接続された第2の光源群と、
を設ける液晶表示ユニットと、
前記第1の入力端子側に第1の配線を介して接続し、前記第1の光源群へ駆動電力を供給する定電流制御回路と、を備え、
前記第1の出力端子と前記第2の入力端子とを接続し、前記第2の光源群へ駆動電力を供給する中継配線を有する
液晶表示ユニットの駆動回路。
【請求項2】
前記定電流制御回路は、前記第2の出力端子側と第2の配線を介して接続され、この第2の配線にパルス幅変調制御を行うことで、前記第1,第2の光源群の各光源に対して輝度調整する
請求項1に記載の液晶表示ユニットの駆動回路。
【請求項3】
前記定電流制御回路は、車載バッテリーから供給される電源に基づいて前記駆動電力を生成し、想定される前記電源の電圧範囲よりも高い電圧の前記駆動電力を生成する
請求項1または請求項2に記載の液晶表示ユニットの駆動回路。
【請求項4】
前記中継配線、及び前記第2の配線の電圧値を検出する検出回路と、
この検出回路に接続されて、各光源の作動状態を判別する制御部とを備える
請求項2に記載の液晶表示ユニットの駆動回路。
【請求項5】
前記中継配線、及び前記第1の配線のそれぞれに、前記定電流制御回路からの駆動電力を印加するか否かを選択的に切り替える電源切替回路部と、
前記中継配線、及び前記第2の配線のそれぞれに、前記制御部によるパルス幅変調制御を行うか否かを選択的に切り替える駆動切替回路部とを備える
請求項4に記載の液晶表示ユニットの駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明用の光源を有する液晶表示ユニットの駆動回路に関し、例えば、インストルメントパネルに搭載され、画像にて車両情報を表示する車両用計器に好適である。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示ユニットの駆動回路として、例えば、特許文献1に開示されるようなバックライトを備えたものがあった。この液晶表示ユニットにあっては、バックライトとして直列に接続された複数個の発光ダイオード(光源)群を複数用意し、それぞれ定電流制御部によって駆動される構成である。
【0003】
このため、液晶表示ユニットには、発光ダイオード群それぞれに接続される入出力端子を備え、外部回路として各端子を接続される定電流制御部によって、それぞれの発光ダイオード群が駆動制御される構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発光ダイオード群の数が増えるにつれて必要な電流量が大きくなり、ノイズの発生が増加してしまう課題があった。また、上述の液晶表示ユニットのバックライトに対してパルス幅変調制御による輝度調整を行う場合、それぞれの発光ダイオード群をパルス制御するため、より大きなノイズが発生してしまう虞もあった。
【0006】
そこで本発明の目的とするところは、上述課題に着目し、ノイズの発生を抑制した液晶表示ユニットの駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液晶表示ユニットの駆動回路は、
第1の入力端子と第1の出力端子との間に複数の光源が直列に接続された第1の光源群と、
この第1の光源群と別に設けられ、第2の入力端子と第2の出力端子との間に複数の光源が直列に接続された第2の光源群と、
を設ける液晶表示ユニットと、
前記第1の入力端子側に第1の配線を介して接続し、前記第1の光源群へ駆動電力を供給する定電流制御回路と、を備え、
前記第1の出力端子と前記第2の入力端子とを接続し、前記第2の光源群へ駆動電力を供給する中継配線を有する。
【0008】
また、前記定電流制御回路は、前記第2の出力端子側と第2の配線を介して接続され、この第2の配線にパルス幅変調制御を行うことで、前記第1,第2の光源群の各光源に対して輝度調整する。
【0009】
また、前記定電流制御回路は、車載バッテリーから供給される電源に基づいて前記駆動電力を生成し、想定される前記電源の電圧範囲よりも高い電圧の前記駆動電力を生成する。
【0010】
また、前記中継配線、及び前記第2の配線の電圧値を検出する検出回路と、
この検出回路に接続されて、各光源の作動状態を判別する制御部とを備える
。
【0011】
また、前記中継配線、及び前記第1の配線のそれぞれに、前記定電流制御回路からの駆動電力を印加するか否かを選択的に切り替える電源切替回路部と、
前記中継配線、及び前記第2の配線のそれぞれに、前記制御部によるパルス幅変調制御を行うか否かを選択的に切り替える駆動切替回路部とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ノイズの発生を抑制した液晶表示ユニットの駆動回路となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施の形態における車両用表示装置の車載状態を示す図。
【
図4】同上実施の形態をさらに応用した構成における要部のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態として、自動車に搭載される車両用表示装置に適用したものを例に挙げて、添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、車両用表示装置Aが、自動車(車両)Bに実装されたものを示す。車両用表示装置Aは、車両利用者が運転状態であっても表示を視認できるように、運転席に対向して設けられる。この場合、車両用表示装置Aは、車両の運転席に対向する位置でインストルメントパネルCに設けられ、運転席に着座した車両利用者は、ステアリングD越しに車両用表示装置Aが出力する表示を確認できる。また、車両用表示装置Aは、車両情報や経路案内、音響関連情報などの表示出力を行うことができる。また、車両利用者は、車両用表示装置Aによる表示内容に従って、ステアリングDに設けられるスイッチD1を操作することで、表示操作(画面切り換え)や各種設定を行うこともできる。
【0016】
図2は、車両用表示装置Aの筐体内に収容される本実施の形態に関する主要部品を示し、表示器(液晶表示ユニット)1と、回路基板2と、保持部材3と、第1のケース4と、第2のケース5とを備え、インストルメントパネルCの開口箇所に設けられる。
【0017】
表示器1は、走行速度や積算走行距離などの車両情報を数値や、文字などの表示像を形成し、第1のケース4の窓部41を介して表示出力できる。表示器1は、透明電極を有する一対のガラス基板間に液晶を封入し、前後側に設けられる偏光膜によって構成される液晶表示素子を設けており、該透明電極を介して駆動電力が供給されるようにしている。なお、表示器1は、夜間等の暗い環境においても利用者が視認できるように、後述するバックライトによって該液晶表示素子を透過照明できるようにしている。表示器1の隣には、表示灯6を備えている。
【0018】
回路基板2は、ガラスエポキシ樹脂などの板材に銅箔の配線パターンやレジストなど絶縁層パターンが形成されてなり、車両用表示装置A外からの信号を入力し、この信号に基づいて表示器1の液晶表示素子へのイメージデータの生成や定電流制御回路21を介して表示器1のバックライトを駆動制御する制御部22や、各種電子部品が実装されている。なお、回路基板2には、コネクタ23や通信用のケーブル24を介して、車載されるECU(電子制御ユニット)からの情報(車両情報)を通信信号として制御部22に伝送できるように構成されている。
【0019】
また、回路基板2は、警報などの注意喚起を行うためのブザーやスピーカなどの発音部25や表示灯6用の光源(発光ダイオード)26を実装している。発音部25や該光源は、制御部22からの制御信号に基づいて駆動し、例えば、方向指示器の作動状態やシートベルトの未装着状態、ドアの開放状態などを所定パターンの吹鳴音または音声、表示灯6の点灯や点滅にて車両利用者に知らせることができる。
【0020】
保持部材3は、合成樹脂材を用いて成形され、表示器1と回路基板2との間に介在し、表示器1と回路基板2とが所定間隔おいて保持するためのスペーサとして作用する。保持部材3は、図示しない突起やビス止め用の孔、フックなどによって、回路基板2に対して位置決め保持される。また、保持部材3は、表示灯6用の照明室が光源26を囲う壁部31によって区画形成されている。
【0021】
第1のケース4は、表示器1の表示出力を透視して視認できるように、透明な窓部(光透過性部材)41を設け、この場合、平板状の窓部41と遮光性の合成樹脂とを一体成形されて設けられる。また、第1のケース4は、遮光箇所が第2のケース5に対して一部重なって、第2のケース5の外側から嵌め合わせできるような形状にて設けられる。
【0022】
窓部41の内面側の一部には、表示灯6用に、車両情報のシンボルマークの形状の遮光層を含む印刷41aが形成されており、光源26が消灯時には黒く、光源26が点灯時には光源26の発光色に基づく透過照明によって、シンボルマークが浮き出るように表示し、利用者に状態を知らせることができる。表示灯6は、印刷41aの形状によって、例えば、方向指示器の作動状態を示す矢印マークの表示や、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の状態表示など、各種警告やインジケータを示すものである。なお、光源26は、制御部22からの制御信号に基づいて、駆動制御される。
【0023】
第2のケース5は、遮光性の合成樹脂材からなり、
図2に示すように、回路基板2に接続されたケーブル24を挿通する穴部51が形成される。第1のケース4に対して図示しないビス止めによって嵌め合わせて保持することで、表示器1や回路基板2の収容空間を得ることができる。なお、ケーブル24は、複数本設けられ、それぞれECUなどからの車両情報を伝送する通信線や電源線として車両用表示装置A内外と接続する。
【0024】
また、第2のケース5には、発音部25に対向する箇所に、スリット52が形成されている。発音部25が発する音は、一部が第1,第2のケース4,5内から表示器1等を越してユーザー側へ届くとともに、音の大部分は、第2のケース5やスリット52を抜けて、車両用表示装置Aの裏側などインストルメントパネルC内を通ってユーザーに伝わる。
【0025】
次に、
図3を用いて、本実施の形態に関する車両用表示装置Aの各構成について説明する。
【0026】
車両用表示装置Aは、表示器1と、定電流制御回路21と、制御部22とを備え、回路基板2に実装(接続)されている。
【0027】
表示器1は、上述のように液晶表示素子を用いた画像表示デバイスを適用でき、制御部22の描画演算回路からの駆動信号に基づいて、画像を生成し表示出力する。また、表示器1は、液晶表示素子を透過照明するためのバックライトとして、複数の光源をアレイ状に備えている。この光源は、複数が直列に接続された光源群(第1乃至第3の光源群11,12,13)として分けて設けられる。第1乃至第3の光源群11,12,13は、それぞれに入力端子(11a,12a,13a)と出力端子(11b,12b,13b)とが表示器1外部と接続可能に有している。
【0028】
定電流制御回路21は、表示器1の光源(第1乃至第3の光源群11,12,13)を駆動するための駆動電力を生成するもので、この場合、車載バッテリーBATTから供給される電力に基づいて所定の電流の駆動電力を生成して表示器1へ出力する。この場合、定電流制御回路21は、第1の配線2a及び第1の光源群11の入力端子11aを介して表示器1と接続し、これらを介して該駆動電力を第1の光源群11へ供給できるように構成される。
【0029】
また、定電流制御回路21は、第2の配線2b及び第3の光源群13の出力端子13bを介して表示器1と接続している。定電流制御回路21は、制御部22によって生成されたパルス幅変調(PWM)制御されたパルス信号に基づいて、この第2の配線2bの接続/非接続を高速に切り換えることができる。これにより、表示器1の光源の点消灯して、出力輝度が調整される。
【0030】
なお、表示器1の外部には、表示器1の第1の光源群11の出力端子11bと第2の光源群12の入力端子12aとを接続する中継配線2cと、表示器1の第2の光源群12の出力端子12bと第3の光源群13の入力端子13aとを接続する中継配線2dと、を備えており、第1乃至第3の光源群11,12,13を直列に接続している。中継配線2c、2dは、第1の配線2a及び第2の配線2bとともに、回路基板2に実装されるコネクタ23と接続される可撓性配線にて構成され、この場合、フレキシブルプリント板が用いられる。なお、中継配線2c,2dの一部は、回路基板2のパターン配線で形成することもできる。
【0031】
また、この場合、第1乃至第3の光源群11,12,13を直列に接続することによって、その駆動に必要な電圧が、発電装置等に接続された車載バッテリーBATTの変動電圧(8~16Vを想定)よりも十分に大きな値(例えば、20V)となる。このため、定電流制御回路21は、稼働時に昇圧モードのみを作動すればよく、例えば、車載バッテリーBATTの電圧が変化することで、昇圧モードと降圧モードとが切り換わる不安定な状態が無くなる。また、降圧に必要な回路構成を省くことも考えられる。また、例えば、定電流制御回路21から第1乃至第3の光源群11,12,13のそれぞれに駆動電力を印加させる場合に比べて、駆動電流が一列分に纏まるため、発熱や放射ノイズを低減する作用がある。
【0032】
制御部22は、図示しない電源回路を介して車載バッテリーBATTから供給される電力に基づいて駆動し、所定プログラムや各種データの格納、演算時の記憶領域などに用いるROMやRAM等のメモリと、前記所定プログラムに従って演算処理するためのCPUと、入出力インターフェース等を設けたマイクロコンピュータを適用できる。
【0033】
また、制御部22は、自動車Bに搭載される各種センサやECU(電子制御ユニット)からの車両情報を専用の通信ケーブル(多重通信ライン)を介して入力できるように接続し、これらの通信信号(車両情報)と所定プログラムを用いた演算によって発音部25,光源26、表示器1や定電流制御回路21を制御するための制御信号を生成し出力する。また、制御部22は、自動車B側からの起動信号に基づいて、車両用表示装置Aの起動を開始したり、ECUからの命令信号によって、省電力モードへの移行を行うことができる。
【0034】
また、制御部22は、描画演算回路を含み、予め記憶媒体に格納されたフォントやアイコン等の描画用データを用いて、車両情報に基づく選択、加工、合成などの処理を行って、表示器1の液晶表示素子を駆動するための駆動信号(画像データ)を生成して、表示器1を駆動する。
【0035】
また、制御部22は、表示器1のバックライトとなる第1乃至第3の光源群11,12,13を制御するべく制御信号を定電流制御回路21に制御信号を発する。制御部22は、照度センサ等からの情報や、車両利用者の設定値に基づいて、表示器1が所望の表示輝度を発するように、パルス幅変調制御されたパルス信号を生成し、定電流制御回路21を介して表示器1側へ発送する。これにより制御部22は、表示器1の点灯/消灯だけでなく、適した輝度で表示されるように表示器1のバックライトを調光して制御できる。
【0036】
斯かる車両用表示装置Aは、第1の入力端子11aと第1の出力端子11bとの間に複数の光源が直列に接続された第1の光源群11と、この第1の光源群11と別に設けられ、第2の入力端子12aと第2の出力端子12bとの間に複数の光源が直列に接続された第2の光源群12と、を設ける液晶表示ユニット1と、第1の入力端子11a側に第1の配線2aを介して接続し、第1の光源群11へ駆動電力を供給する定電流制御回路21と、を備え、第1の出力端子11bと第2の入力端子12aとを接続し、第2の光源群12へ駆動電力を供給する中継配線2cを有する。
【0037】
従って、表示器1内で各々が独立して設けられる第1の光源群11と第2の光源群12とを、外部の回路(中継配線2c)にて直列に接続できる。このため、定電流制御回路21の電源供給対象となる第1,第2の光源群11,12を一系統に纏めることができるため、この分の発熱やノイズ放射を抑制することが可能となる。
【0038】
また、定電流制御回路21は、第2の出力端子12b側(この場合、中継配線2dや第3の入力端子13aと第3の光源群13と第3の出力端子13bとを更に介する)と第2の配線2bを介して接続され、この第2の配線2bにパルス幅変調制御を行うことで、第1,第2の光源群11,12(この場合、第3の光源群13も更に含む)の各光源に対して輝度調整することで、定電流制御回路21の電源供給対象及びパルス幅変調制御を用いた駆動対象となる第1,第2の光源群11,12を一系統に纏めることができるため、この分の発熱やノイズ放射を抑制することが可能となる。
【0039】
また、定電流制御回路21は、車載バッテリーBATTから供給される電源に基づいて前記駆動電力を生成し、想定される前記電源の電圧範囲よりも高い電圧の前記駆動電力を生成することになり、定電流制御回路21がその内部の昇圧回路だけで稼働できるため、供給電力の生成が不安定化することがないため、この分のノイズ影響やその対策回路などを省くことが可能になる。
【0040】
また、制御部22は、定電流制御回路21を介して表示器1のバックライト間に印加されるパルス信号と、逆位相のパルス信号を発し、第1,第2の配線2a,2b、中継配線2c,2dに沿う配線、または絶縁層を介して別層のパターン配線に該パルス信号を印加させることで、第1,第2の配線2a,2b、中継配線2c,2dから発するノイズ影響を相殺することで低減させるも考えられる。
【0041】
次に、上述した実施の形態に更に回路構成を付加した例を第2の実施の形態として、
図4を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同様の構成箇所については、同じ符号を付して詳細な説明を省く。
【0042】
まず、第2の実施の形態では、表示器1に接続された中継配線2c,2dと、第2の配線2bに、それぞれ検出回路となる分岐線(LEDVf1,LEDVf2,LEDVf3)を設けて、分岐先として制御部22のアナログ/デジタル変換用の入力ポートに接続している。この構成によって、制御部22は、各分岐線(LEDVf1,LEDVf2,LEDVf3)の電位に基づく信号を入力し、各電位(第1乃至第3の光源群11,12,13の電圧降下具合)が想定している範囲内であるか否かを比較し、短絡や断線などの不具合を生じた光源や配線の有無を、光源群11,12,13毎に判別できる。
【0043】
即ち車両用表示装置Aは、中継配線2c,2d及び第2の配線2bの電圧値(電位)を検出する検出回路(分岐線LEDVf1,LEDVf2,LEDVf3)と、この検出回路に接続されて、各光源の作動状態を判別する制御部22とを備えることによって、不具合状態を検出できる駆動回路となる。
【0044】
また、第2の実施の形態では、第1の配線2a、中継配線2c,2dに分岐して接続する電源切替回路部221を回路基板2に備える。電源切替回路部221は、制御部22からの制御信号(FS2_VOUTやFS3_VOUT)に基づいて、中継配線2c、2dのそれぞれに第1の配線2aの電位と同じ電力を、中継配線2c,2dに選択的に供給できるようにスイッチ回路を設けている。これにより、表示器1への電力供給用として第1の配線2aだけでなく、中継配線2cや中継配線3d経由で第2の光源群12や第3の光源群13へ電力を選択的に供給できる。
【0045】
また、中継配線2c,2dと、第2の配線2bとのそれぞれに分岐して接続し、制御部22との間に設けられる駆動切替回路部222を回路基板2に備える。この駆動切替回路部222は、第1乃至第3の光源群11.12.13のそれぞれにパルス幅変調制御されたパルス信号(FS1_PWM,FS2_PWM,FS3_PWM)を定電流制御回路21を介さずに制御部22から選択的に印加できる。
【0046】
これら電源切替回路部221と駆動切替回路部222を備えることにより、表示器1の光源やその配線に断線や短絡が生じた場合であっても、第1乃至第3の光源群11,12,13のうち該不具合の生じていない箇所を選択的に稼働させることができる。従って、表示器1のバックライト駆動に対して冗長性が高まり、一部の不具合が生じてた場合であっても、直ちに表示器1が視認不可能とならない程度に照明状態を維持できる可能性が高まる。
【0047】
即ち、車両用表示装置Aは、中継配線2c,2d及び第1の配線2aのそれぞれに、定電流制御回路21からの駆動電力を印加するか否かを選択的に切り替える電源切替回路部221と、中継配線2c,2d及び第2の配線2bのそれぞれに、制御部22によるパルス幅変調制御を行うか否かを選択的に切り替える駆動切替回路部222とを備えることによって、冗長性を高め、バックライトのフェールセーフ作用を得ることができる。
【0048】
以上、本実施形態について説明したが、本発明は上述実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用可能である。本発明は、インストルメントパネルCに搭載される表示装置の駆動回路として好適であり、例えば、
図1に示すインストルメントパネルCの上部位置に設けられるディスプレイEや、自動車Bの外を撮影した画像を表示するモニタや、後席の乗車者用のモニタに適用する構成であってもよく、上述実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
また、本発明は、例えば、自動車やオートバイ、あるいは農業機械や建設機械を備えた移動体に搭載される車両用表示装置として好適である。
【符号の説明】
【0050】
1 表示器(液晶表示ユニット)
11 第1の光源群
12 第2の光源群
13 第3の光源群
11a,12a,13a 入力端子
11b,12b,13b 出力端子
21 定電流制御回路
22 制御部
2a 第1の配線
2b 第2の配線
2c,2d 中継配線
221 電源切替回路部
222 駆動切替回路部
A 車両用表示装置
B 自動車(車両)