(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077132
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】手術用枕
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20240531BHJP
A61G 13/12 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
A47G9/10 V
A61G13/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188996
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】590002389
【氏名又は名称】静岡県
(71)【出願人】
【識別番号】398008099
【氏名又は名称】浜口ウレタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】泉 眞美
(72)【発明者】
【氏名】長田 貴文
(72)【発明者】
【氏名】大賀 久美
(72)【発明者】
【氏名】小松 剛
(72)【発明者】
【氏名】船井 孝
(72)【発明者】
【氏名】多々良 哲也
(72)【発明者】
【氏名】浜口 弘睦
【テーマコード(参考)】
3B102
4C341
【Fターム(参考)】
3B102AA09
3B102AB07
4C341MM04
4C341MN12
(57)【要約】
【課題】手術中における患者の頭部の動きを高精度に抑えることができる手術用枕を提供する。
【解決手段】手術用枕100は、ベース体101と側頭対向壁130,140とで構成されている。ベース体101は、平面視で方形状で上方に向かって隆起した台状に形成されている。側頭対向壁130,140は、ベース体101上に載置された患者Uの頭部HEの両側方に起立した柱状に形成されている。この側頭対向壁130,140は、ベース体101上に載置された患者Uの頭部HEに対して左右両側に形成されており、側頭対向壁140,130に面する内側面に耳上挟持部131,141、耳収容部132,142および顎対向部133,143がそれぞれ形成されている。耳上挟持部131,141は、頭部載置部102上に載置された患者Uの側頭部HEsにおける左右の両耳El,Erの上方の直上部分OPまで達する高さまで起立した壁状に形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術を行うために仰臥状態にある患者の頭部を載置する手術用枕であって、
前記頭部を載置するためのベース体と、
前記ベース体に載置された前記頭部に対して左右の両側方に起立して形成された左右一対の側頭対向壁とを備え、
前記側頭対向壁は、
前記ベース体に載置された前記頭部における左右の耳の各直上部分を左右方向から挟む左右一対の耳上挟持部を有しており、
前記手術用枕全体として前記ベース体に載置された前記頭部の左右の下顎部分に非接触の解放状態で前記頭部を支持することを特徴とする手術用枕。
【請求項2】
請求項1に記載した手術用枕において、
前記側頭対向壁は、
前記ベース体に載置された前記頭部の左右の耳を収容する耳収容部を有することを特徴とする手術用枕。
【請求項3】
請求項2に記載した手術用枕において、
前記耳収容部は、
上下方向に延びて前記側頭対向壁の上面に開口する凹状に形成されていることを特徴とする手術用枕。
【請求項4】
請求項1に記載した手術用枕において、さらに、
前記ベース体に載置された前記頭部の頭頂部が位置する部分の下方に前記ベース体から上方に向かうとともに前記頭部の頭頂点に至らない高さで起立する頭頂部側起立部を有することを特徴とする手術用枕。
【請求項5】
請求項1に記載した手術用枕において、
前記ベース体および前記側頭対向壁は、
前記ベース体および前記側頭対向壁の各表面を構成する膜状の表皮部と、
前記表皮部の内側に設けられて同表皮部によって覆われる芯材部とを有することを特徴とする手術用枕。
【請求項6】
請求項5に記載した手術用枕において、
前記側頭対向壁の表面を構成する前記表皮部は、
前記ベース体の表面を構成する前記表皮部の厚さよりも薄い膜厚で構成されていることを特徴とする手術用枕。
【請求項7】
請求項5に記載した手術用枕において、
前記表皮部は、
前記芯材部側の裏面に同芯材部に向かって張り出す突起部を有することを特徴とする手術用枕。
【請求項8】
請求項1に記載した手術用枕において、さらに、
前記患者が仰臥状態となる寝台に前記ベース体を固定するための寝台固定具を備えることを特徴とする手術用枕。
【請求項9】
請求項1に記載した手術用枕において、さらに、
前記ベース体が載置される板状のベース支持体を有しており、
前記ベース支持体は、
下面における平面視での中央部分がこの中央部分より外側の縁部分に対して凹状に窪んで形成されていることを特徴とする手術用枕。
【請求項10】
請求項1に記載した手術用枕において、さらに、
前記ベース体が載置される板状のベース支持体を有しており、
前記ベース支持体は、
下面における平面視での中央部分がこの中央部分より外側の縁部分よりも厚さが薄く形成されていることを特徴とする手術用枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術を行うために仰臥状態にある患者の頭部を載置する手術用枕に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、手術を行うために仰臥状態にある患者の頭部を載置する手術用枕がある。例えば、下記特許文献1には、仰臥にある患者の後頭部における最も後方部分が載置される基体と、この基体の左右両側に傾斜して形成された後頭部における後方部分の左右両側部分が載置される左右一対の側枕とをそれぞれ有した眼科用枕が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載した眼科用枕においては、断面形状が略V字状に形成されているため、手術中における患者の頭部の固定力(特に、左右方向への固定力)が弱く手術中に頭部が不意に動いてしまうことがあるという問題がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、手術中における患者の頭部の動きを高精度に抑えることができる手術用枕を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、手術を行うために仰臥状態にある患者の頭部を載置する手術用枕であって、頭部を載置するためのベース体と、ベース体に載置された頭部に対して左右の両側方に起立して形成された左右一対の側頭対向壁とを備え、側頭対向壁は、ベース体に載置された頭部における左右の耳の各直上部分を左右方向から挟む左右一対の耳上挟持部を有しており、手術用枕全体としてベース体に載置された頭部の左右の下顎部分に非接触の解放状態で頭部を支持することにある。
【0007】
これによれば、手術用枕は、ベース体に載置された頭部における左右の耳の各直上部分を左右方向から挟む左右一対の耳上挟持部を有しているため、ベース体に載置された頭部の左右方向の動きを強く規制して手術中における患者の頭部の動きを効果的に抑えることができる。また、手術用枕は、手術用枕全体として頭部の左右の下顎部分に非接触の解放状態で頭部を支持しているため、ベース体上に頭部を載置した患者の恐怖感を抑えることができるとともに話し易さも確保することで安心感を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の他の特徴は、前記手術用枕において、側頭対向壁は、ベース体に載置された頭部の左右の耳を収容する耳収容部を有することにある。
【0009】
これによれば、手術用枕は、側頭対向壁に左右の耳を収容する耳収容部を有しているため、側頭対向壁を耳を覆う大きさで形成した場合であっても耳の窮屈感を抑えながら側頭対向壁の剛性を高めて頭部の保持力を向上させることができる。また、手術用枕は、側頭対向壁を耳を覆う大きさで形成できることで、ベース体上に載置されている頭部に対する他の物品の物理的接触を防止するガードとして機能させることができるとともに耳収容部内に耳を収容することで周囲の音または声が聞こえることを防止することができる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記手術用枕において、耳収容部は、上下方向に延びて側頭対向壁の上面に開口する凹状に形成されていることにある。
【0011】
これによれば、手術用枕は、耳収容部が上下方向に延びて側頭対向壁の上面に開口する凹状に形成されているため、ベース体に頭部を載置する際に耳を側頭対向壁の上面部分から耳収容部内に円滑に進入または離脱させることができる。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、前記手術用枕において、さらに、ベース体に載置された頭部の頭頂部が位置する部分の下方にベース体から上方に向かうとともに頭部の頭頂点に至らない高さで起立する頭頂部側起立部を有することにある。
【0013】
これによれば、手術用枕は、さらに、ベース体に載置された頭部の頭頂部が位置する部分の下方にベース体から上方に向かうとともに頭部の頭頂点に至らない高さで起立する頭頂部側起立部を有しているため、この頭頂部側起立部に親指を掛けて手術用枕全体を把持することで手術用枕を仰臥する患者の頭部の頭頂部側から挿し込み易くすることができる。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、前記手術用枕において、ベース体および側頭対向壁は、ベース体および側頭対向壁の各表面を構成する膜状の表皮部と、表皮部の内側に設けられて同表皮部によって覆われる芯材部とを有することにある。
【0015】
これによれば、手術用枕は、ベース体および側頭対向壁が各表面を構成する膜状の表皮部とこの表皮部の内側に設けられて同表皮部によって覆われる芯材部とで構成されているため、表皮部を芯材部とは異なる性質、例えば、肌触り、剛性、耐熱性、耐摩擦性、防汚性または耐水性で構成することができる。
【0016】
また、本発明の他の特徴は、前記手術用枕において、側頭対向壁の表面を構成する表皮部は、ベース体の表面を構成する表皮部の厚さよりも薄い膜厚で構成されていることにある。
【0017】
これによれば、手術用枕は、側頭対向壁の表面を構成する表皮部がベース体の表面を構成する表皮部の厚さよりも薄い膜厚で構成されているため、表皮部全体の剛性の低下を抑えつつ側頭対向壁の肌触りを良好にすることができるとともに肌が接触した際に弾性変形し易くしてフィット感を向上させることができる。
【0018】
また、本発明の他の特徴は、前記手術用枕において、表皮部は、芯材部側の裏面に同芯材部に向かって張り出す突起部を有することにある。
【0019】
これによれば、手術用枕は、表皮部における芯材部側の裏面に同芯材部に向かって張り出す突起部を有しているため、芯材部に対する摩擦抵抗を高めて位置ズレ、ヨレまたはシワの発生を抑えることができる。
【0020】
また、本発明の他の特徴は、前記手術用枕において、さらに、患者が仰臥状態となる寝台にベース体を固定するための寝台固定具を備えることにある。
【0021】
これによれば、手術用枕は、患者が仰臥状態となる寝台にベース体を固定するための寝台固定具を備えているため、患者の頭部の動きをより確実に抑えることができる。
【0022】
また、本発明の他の特徴は、前記手術用枕において、さらに、ベース体が載置される板状のベース支持体を有しており、ベース支持体は、下面における平面視での中央部分がこの中央部分より外側の縁部分に対して凹状に窪んで形成されていることにある。
【0023】
これによれば、手術用枕は、ベース体が載置される板状のベース支持体における下面の中央部分がこの中央部分より外側の縁部分に対して凹状に窪んで形成されているため、柔軟な寝台上に載置した際における安定性を向上させることができる。
【0024】
また、本発明の他の特徴は、前記手術用枕において、さらに、ベース体が載置される板状のベース支持体を有しており、ベース支持体は、下面における平面視での中央部分がこの中央部分より外側の縁部分よりも厚さが薄く形成されていることにある。
【0025】
これによれば、手術用枕は、ベース体が載置される板状のベース支持体の下面における中央部分がこの中央部分より外側の縁部分よりも厚さが薄く形成されているため、手術用枕の全体のねじり剛性を保ちながら重量を軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態に係る手術用枕の外観構成の概略を示す斜視図である。
【
図2】(A),(B)は
図1に示す手術用枕の外観構成の概略を示しており、(A)は手術用枕の平面図であり、(B)は患者の頭部を載置した状態における手術用枕の平面図である。
【
図3】
図1に示す手術用枕の外観構成の概略を示す背面図である。
【
図4】(A),(B)は
図2に示す4-4線から見た手術用枕の内部構成の概略を示しており、(A)は手術用枕の断面図であり、(B)は患者の頭部を載置した状態における手術用枕の断面図である。
【
図5】
図1に示す手術用枕における頭頂部側起立部を介して取扱者が手で把持した状態を
図2に示す4-4線から見た断面図である。
【
図6】本発明の変形例に係る手術用枕の外観構成の概略を示す背面図である。
【
図7】本発明の他の変形例に係る手術用枕の外観構成の概略を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る手術用枕の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る手術用枕100の外観構成の概略を示す斜視図である。また、
図2は、(A),(B)は
図1に示す手術用枕100の外観構成の概略を示しており、(A)は手術用枕100の平面図であり、(B)は患者Uの頭部HEを載置した状態における手術用枕100の平面図である。また、
図3は、
図1に示す手術用枕100の外観構成の概略を示す背面図である。また、
図4は、(A),(B)は
図2に示す4-4線から見た手術用枕100の内部構成の概略を示しており、(A)は手術用枕100の断面図であり、(B)は患者Uの頭部HEを載置した状態における手術用枕100の断面図である。なお、本明細書中で参照する各図においては、手術用枕100における曲面形状を分かり易くするために曲面部分を細線で表している。
【0028】
(手術用枕100の構成)
手術用枕100は、手術を行うために手術台などの寝台(図示せず)に仰臥状態にある患者Uの頭部HEを固定的に載置する器具である。この手術用枕100は、主として、ベース体101に一対の側頭対向壁130,140がそれぞれ一体的に形成されて構成されている。
【0029】
ベース体101は、寝台上に仰臥している患者Uの頭部HEおよび側頭対向壁130,140をそれぞれ支持する部分であり、平面視で方形状で上方に向かって隆起した台状に形成されている。本実施形態においては、患者Uの頭部HEに対して左右方向の延びる平面視で長方形状に形成されている。このベース体101は、主として、頭部載置部102、首部載置部103および頭頂部側起立部104をそれぞれ備えている。
【0030】
頭部載置部102は、寝台上に仰臥している患者Uの頭部HEが載置される部分であり、ベース体101の上面に凹状に窪んで形成されている。この場合、頭部載置部102は、寝台上に仰臥している患者Uの頭部HEの後頭部HEkが同患者Uの肩の高さと略同じ高さで支持するように後頭部HEkの形状に対応する曲面形状に形成されている。
【0031】
首部載置部103は、頭部載置部102上に後頭部HEkを載置した患者Uの首部Nが載置される部分であり、ベース体101の側面にU字状に開口して形成されている。この場合、首部載置部103は、頭部載置部102の最深部よりも浅い深さで患者Uの首部Nの形状に対応する曲面形状に形成されている。
【0032】
頭頂部側起立部104は、寝台上に仰臥している患者Uの頭部HEを頭部載置部102上に案内して頭部載置部102内での動きを規制するとともに手術用枕100を把持し易くするための部分である。具体的には、頭頂部側起立部104は、ベース体101における前記首部載置部103に対向する側面に頭部載置部102から隆起する壁状に形成されている。
【0033】
この場合、頭頂部側起立部104は、頭部載置部102上に載置された患者Uの頭部HEの頭頂部HEtよりも低い高さで、かつ頭部載置部102および首部載置部103の各最深部よりも高い高さに形成されている。また、頭頂部側起立部104は、左右の側頭対向壁130,140間において、首部載置部103とは反対側の外側に凸状に張り出す円弧状に張り出す湾曲した稜線状に形成されている。この場合、頭頂部側起立部104は、上端部が丸みを帯びつつも上方に向かって尖った形状に形成されている。このベース体101は、芯材部110を表皮部111で覆うことで構成されている。
【0034】
芯材部110は、ベース体101および側頭対向壁130,140の各形状を形作るための部材であり、指で押すことで容易に弾性変形する程度の弾力性を有するゴム材または樹脂材などのエラストマ材で構成されている。この場合、エラストマ材は、熱硬化性エラストマ材(例えば、加硫ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなど)、熱可塑性エラストマ材(例えば、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系またはアミド系の各樹脂など)がある。本実施形態においては、ベース体101は、熱可塑性ポリウレタン樹脂で構成されている。
【0035】
表皮部111は、手術用枕100におけるベース体101および側頭対向壁130,140をそれぞれ構成する発泡性樹脂材を覆って外表面を構成する部品であり、樹脂材または布材を膜状に形成して構成されている。ここで、膜状とは、可撓性を有した厚さが数ミリ程度のシートほか、シートよりも薄いフィルム、フィルム状よりも薄い膜を含む概念である。本実施形態においては、表皮部111は、塩化ビニル製のシートで構成されている。
【0036】
この場合、表皮部111は、ベース体101を覆うベース表皮部111aの厚さよりも側頭対向壁130,140をそれぞれ覆う側頭表皮部111bの厚さが薄く形成されている。また、表皮部111は、ベース体101および側頭対向壁130,140にそれぞれ面する裏面の全面に無数の突起部112が形成されている。突起部112は、表皮部111の芯材部110に対する位置ズレを抑制するための部分であり、半球状の突起体で構成されている。なお、突起部112は、半球状以外の形状、例えば、錐状または長尺の凸状に形成することもできる。このベース体101は、ベース支持体120上に取り付けられている。
【0037】
ベース支持体120は、ベース体101の剛性を向上させるとともに手術用枕100の安定性を向上させるための部品であり、人手によって容易に曲げることができない程度の剛性を有した板状体で構成されている。本実施形態においては、ベース支持体120は、ケミカルウッド(化学合成樹脂木材)で構成されている。この場合、ベース支持体120は、平面視で中央部120aの厚さがこの中央部120aの外側の方形枠状の外縁部120bの厚さよりも薄い厚で形成されている。本実施形態においては、ベース支持体120は、中央部120aの厚さが4mm、外縁部120bの厚さが7mmに形成されている。また、ベース支持体120の底面には、滑り止め体121が貼り付けられている。
【0038】
滑り止め体121は、手術用枕100を寝台または保管棚などに載置した際における位置ズレを防止するための部品であり、樹脂材、ゴム材または布材をシート状または板状に形成して構成されている。本実施形態においては、滑り止め体121は、シート状に形成したゴム材をベース支持体120の底面に接着剤を用いて貼り付けて構成されている。この場合、滑り止め体121の表面には、4辺の外縁部の表面が凸凹形状からなる凹凸部121aが形成されている。この場合、凹凸部121aは、滑り止め体121の外縁部よりも内側の表面よりも粗い粗さの表面に形成されている。
【0039】
側頭対向壁130,140は、ベース体101上に載置された患者Uの頭部HEの動きを規制するための部分であり、ベース体101上に載置された患者Uの頭部HEに対して左右の両側方に起立した柱状に形成されている。この側頭対向壁130,140は、互いに対向した位置で対称に形成されているため、側頭対向壁130について説明して側頭対向壁140の説明を省略する。側頭対向壁130は、ベース体101上に載置された患者Uの頭部HEに対して左側に形成されており、側頭対向壁140に面する内側面に耳上挟持部131、耳収容部132および顎対向部133がそれぞれ形成されている。
【0040】
耳上挟持部131は、頭部載置部102上に載置された患者Uの頭部HEにおける左耳Elに対して上方側(頭頂部側)に隣接する部分(以下、「直上部分OP」という)を右耳Er側の耳上挟持部141とともに挟む部分であり、頭部載置部102から上方に向かって起立した壁状に形成されている。この耳上挟持部131は、頭部載置部102上に載置された患者Uの側頭部HEsにおける左耳Elの上方の直上部分OPまで達する高さに形成されている。
【0041】
この場合、耳上挟持部131の高さは、頭部載置部102上に載置された仰臥状態の患者Uの頭部HEにおける左耳Elの上端部と略同じ高さに形成されているが、同左耳Elの上端部よりも高い高さ、例えば、こめかみまたは額と同じ高さまで形成されていてもよい。また、この耳上挟持部131は、耳収容部132とは反対側の側面131aが凹状の曲面を介して頭頂部側起立部104に滑らかに繋がっており、頭部載置部102上に載置された頭部HEの側頭部HEsにおける頭頂部HEt側の部分を外部に露出させている。
【0042】
耳収容部132は、頭部載置部102上に載置された患者Uの左耳Elを収容する部分であり、側頭対向壁130の内側面に凹状に窪んで形成されている。この耳収容部132は、頭部載置部102側に底部を有するとともに頭部載置部102の上面上に開口する溝状に形成されている。また、耳収容部132は、耳上挟持部131と同じ高さまで延びて形成されている。
【0043】
顎対向部133は、耳収容部132に対して首部載置部103側に形成されている部分であり、頭部載置部102から上方に向かって起立した壁状に形成されている。この場合、顎対向部133は、耳収容部132と首部載置部103との間であって、かつ頭部載置部102上に載置された患者Uの左側の下顎Jから離隔して接触しない位置に形成されている。また、顎対向部133は、耳上挟持部131と同じ高さまで延びて形成されている。また、顎対向部133は、耳収容部132とは反対側の側面133aが傾斜面を介して首部載置部103に滑らかに繋がりながらベース体101の底部まで延びて形成されている。
【0044】
この側頭対向壁130は、4つの側面が上方に向かって側頭対向壁130の内部側に傾斜して形成されている。これにより、側頭対向壁130は、上方に向かって断面積が小さくなるように形成されている。また、側頭対向壁130は、指で押すことで容易に弾性変形する程度の弾力性を有するゴム材または樹脂材などのエラストマ材で構成されている。この場合、エラストマ材は、熱硬化性エラストマ材(例えば、加硫ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなど)、熱可塑性エラストマ材(例えば、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系またはアミド系の各樹脂など)がある。本実施形態においては、側頭対向壁130は、ベース体101と同じ材料で構成されている。
【0045】
一方、側頭対向壁140は、側頭対向壁130と同様に、耳上挟持部131、側面131a、耳収容部132、顎対向部133および側面133aにそれぞれ対応する耳上挟持部141、側面141a、耳収容部142、顎対向部143および側面143aをそれぞれ備えて構成されている。したがって、側頭対向壁130,140は、2つの外形の領域が上方に向かって小さく形成されるとともに、側頭対向壁130の内側面と側頭対向壁140の内側面との間の間隔が上方に向かって広くなるように形成されている。
【0046】
また、これらの側頭対向壁130,140は、前記ベース体101ととともに一体的に成形される。すなわち、ベース体101と側頭対向壁130,140とは、同一の材料(ポリウレタン発泡樹脂)によって同時に成形されて連続的に繋がって構成されている。この場合、ベース体101および側頭対向壁130,140は、表皮部111によって覆われている。
【0047】
(手術用枕100の製造)
ここで、手術用枕100の製造方法について簡単に説明しておく。作業者は、ベース体101および側頭対向壁130,140を一体成形するための金型を用意した後、この金型内に別途用意した表皮部111を敷く。この場合、表皮部111は、ベース体101の底部の外縁部を覆う大きさに形成されている。
【0048】
次に、作業者は、金型内にベース体101および側頭対向壁130,140の材料(熱可塑性ポリウレタン樹脂)を注入して発泡させてベース体101および側頭対向壁130,140を表皮部111とともに一体的に成形する。すなわち、ベース体101、側頭対向壁130,140および表皮部111は、表皮一体成形によって成形される。この場合、表皮部111は、ベース体101の底部の外縁部からスカートのように一部がはみ出した状態となる。
【0049】
次に、作業者は、金型内から取り出したベース体101、側頭対向壁130,140および表皮部111からなる一体物におけるベース体101の底面に別途用意したベース支持体120を接着剤を用いて貼り付ける。次に、作業者は、ベース体101の底面に貼り付けたベース支持体120の底面における外縁部にベース体101の底部の外縁部からはみ出して延びる表皮部111を折り返して接着剤を用いて貼り付ける。これにより、ベース支持体120の底面における外縁部には、折り返して貼り付けられた表皮部111のシワまたはヨレなどによって凹凸が形成される。
【0050】
次に、作業者は、表皮部111が貼り付けられたベース支持体120の底面に滑り止め体121を接着剤を用いて貼り付ける。この場合、滑り止め体121が貼り付けられたベース支持体120の底面における外縁部には、前記ベース支持体120の底面における外縁部に表皮部111によって形成された凹凸によって凹凸部121aが形成される。これにより、作業者は、手術用枕100を完成させることができる。
【0051】
(手術用枕100の作動)
次に、このように構成された手術用枕100の作動について説明する。手術用枕100を患者Uに提供する看護師または医師などの取扱者は、手術または各種医療的な処置を行う寝台上に仰臥する患者Uの頭部HEの下に手術用枕100を敷く。この場合、取扱者は、
図5に示すように、頭頂部側起立部104に親指を掛けた状態でその他の指で手術用枕100における底面を持ち上げて手術用枕100全体を手HAで把持することで寝台上に仰臥する患者Uの頭部HEの下に手術用枕100を簡単に敷くことができる。また、取扱者は、寝台上に予め載置した手術用枕100上に患者Uの頭部HEを後頭部HEk側から挿し込むこともできる。
【0052】
この場合、患者Uの頭部HEは、側頭対向壁130および側頭対向壁140が上方に向かって互いの間隔が拡がっていて上方に向かって開くように形成されているため、上方から挿し込まれてくる頭部HEを円滑に頭部載置部102に案内する。また、この場合、患者Uの頭部HEにおける左右の両耳El,Erは、側頭対向壁130,140の各上端面にそれぞれ開口する耳収容部132,142内に進入して耳収容部132,142内を下方に移動する。
【0053】
これにより、手術用枕100は、ベース体101および側頭対向壁130,140によって患者Uの頭部HEを固定的に支持する。具体的には、ベース体101は、患者Uの頭部HEにおける後頭部HEkが凹状の頭部載置部102内に嵌まり込むことによって頭部HEの身長方向および左右方向の位置ズレをそれぞれ規制する。また、ベース体101は、患者Uの首部Nが凹状の首部載置部103上に載置されることでこの首部Nを支持する。また、側頭対向壁130,140は、患者Uの頭部HEにおける左右の直上部分OPを左右一対の耳上挟持部131と耳上挟持部141とで挟むことによって頭部HEの左右方向への回動および上下方向の位置ズレを規制する。
【0054】
次に、手術用枕100に頭部HEが固定された患者Uに対して治療または処置が行われる。この場合、手術用枕100は、患者Uの頭部HEの身長方向、左右方向および上下方向の各位置ズレに加えて左右方向への回動を規制することができる。また、この手術用枕100は、寝台上の患者Uを別の寝台上に移す際にも使用される。具体的には、患者Uの移送を行う移送者は、患者Uの頭部HEを手術用枕100を介して持つことで別の寝台上に移すことができる。
【0055】
次に、患者Uに対する治療または処置が終了した場合には、取扱者は、患者Uの頭部HEから手術用枕100を撤去する。具体的には、取扱者は、手術用枕100における頭頂部側起立部104または側面131aに手HAを掛けて手術用枕100を下方に押さえた状態で患者Uの頭部HEを持ち上げることで頭部HEを頭部載置部102および側頭対向壁130,140から離脱させることができる。この場合、取扱者は、頭頂部側起立部104に親指を掛けた状態で手HAで手術用枕100における底面を持ち上げて手術用枕100全体を把持することで寝台上に仰臥する患者Uの頭部HEから手術用枕100を抜き去ることができる。そして、取扱者は、患者Uから撤去した手術用枕100を洗浄および殺菌した後、次回の使用時まで保管する。
【0056】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、手術用枕100は、ベース体101に載置された頭部HEにおける左右の両耳El,Erの各直上部分を左右方向から挟む左右一対の耳上挟持部131,141を有しているため、ベース体101に載置された頭部HEの左右方向の動きを強く規制して手術中における患者Uの頭部HEの動きを効果的に抑えることができる。また、手術用枕100は、手術用枕100全体として頭部HEの左右の下顎J部分に非接触の解放状態で頭部HEを支持しているため、ベース体101上に頭部HEを載置した患者Uの恐怖感を抑えることができるとともに話し易さも確保することで安心感を向上させることができる。
【0057】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、変形例の説明においては、新たに符号を付さない上記実施形態と同様の部分については同じ符号を付している。
【0058】
例えば、上記実施形態においては、側頭対向壁130,140は、耳収容部132,142および顎対向部133,143をそれぞれ備えて構成した。これにより、側頭対向壁130,140は、寝台上に仰臥する患者Uの両耳El,Erおよび下顎Jを周囲に対して覆うことで保護することができる。しかし、側頭対向壁130,140は、少なくとも耳上挟持部131,141を備えていればよいため、耳収容部132,142および顎対向部133,143のうちの少なくとも一方を省略して構成することもできる。
【0059】
また、上記実施形態においては、側頭対向壁130,140は、各4つの側面が上方に向かって側頭対向壁130,140の内部側に傾斜して形成されて上方に向かって断面積が小さくなるように形成されている。これにより、側頭対向壁130,140は、上部側ほど剛性を低下させて弾性変形し易くして頭部HEの挿入または離脱をさせ易くことができる。また、側頭対向壁130,140は、周囲の人または物などの物体が接触または衝突することを避けることができる。
【0060】
しかし、側頭対向壁130,140は、各4つの側面のうちの少なくとも1つが上方に向かって側頭対向壁130,140の内部側に傾斜して形成することができる。例えば、側頭対向壁130,140は、各耳上挟持部131,141のみを上方に向かって側頭対向壁130,140の内部側に傾斜して形成することで頭部HEの挿入または離脱をさせ易くことができる。また、側頭対向壁130,140は、各4つの側面が上方に向かって垂直方向に起立して上方に向かって断面積が変化しないように形成することもできる。
【0061】
また、上記実施形態においては、耳収容部132,142は、側頭対向壁130,140の各上面および各内側面に開口する凹状に溝状に形成した。これにより、手術用枕100は、両耳El,Erを側頭対向壁130,140の各上面部分から耳収容部132,142内にそれぞれ円滑に進入または離脱させることができる。しかし、耳収容部132,142は、側頭対向壁130,140における少なくとも各内側面に開口する凹状に形成されていればよい。
【0062】
また、上記実施形態においては、ベース体101は、頭頂部側起立部104を有して構成した。これにより、ベース体101は、手術用枕100を把持し易くすることができる。しかし、ベース体101は、頭頂部側起立部104を省略して構成することができる。また、ベース体101は、頭頂部側起立部104よりも高い高さの起立部を設けて頭部HEに頭頂部HEt周辺を覆うように形成することもできる。
【0063】
また、上記実施形態においては、芯材部110は、エラストマからなる弾性体で構成した。この場合、芯材部110は、軟質ウレタン発泡体または半硬質ウレタン発泡体で構成することができる。しかし、芯材部110は、複数の剛体または弾性体からなる粒状体の集合で構成することができる。また、芯材部110は、1つの剛体で構成することもできる。この場合、芯材部110は、金属材、木材材、樹脂材のほか、硬質ウレタン発泡体で構成することができる。
【0064】
また、上記実施形態においては、ベース支持体120は、平面視で中央部120aの厚さを外縁部120bの厚さよりも薄い厚で形成して、中央部120aが外縁部120bに対して凹状に窪んで形成した。これにより、手術用枕100は、柔軟な寝台上に載置した際における安定性を向上させることができる。また、手術用枕100は、手術用枕100の全体のねじり剛性を保ちながら重量を軽量化することができる。しかし、ベース支持体120は、全面に亘って厚さを均一に形成することもできる。また、ベース支持体120は、中央部120aを省略して空間に形成した平面視で枠状に形成することもできる。
【0065】
また、上記実施形態においては、ベース体101は、底面にベース支持体120を設けて構成した。しかし、ベース体101は、ベース支持体120を省略して構成することもできる。
【0066】
また、上記実施形態においては、手術用枕100は、ベース体101および側頭対向壁130,140の各外表面を表皮部111で構成した。これにより、手術用枕100は、ベース体101および側頭対向壁130,140における肌触りおよび防汚性を向上させることができる。また、手術用枕100は、表皮部111を芯材部110とは異なる性質、例えば、肌触り、剛性、耐熱性、耐摩擦性、防汚性または耐水性で構成することができる。しかし、ベース体101および側頭対向壁130,140は、各外表面を表皮部111で覆うことなくベース体101および側頭対向壁130,140を直接構成する芯材部110の表面を外表面として露出させて構成することもできる。
【0067】
また、上記実施形態においては、表皮部111は、ベース体101を覆うベース表皮部111aの厚さよりも側頭対向壁130,140をそれぞれ覆う側頭表皮部111bの厚さを薄く形成した。これによれば、手術用枕100は、表皮部111全体の剛性の低下を抑えつつ側頭対向壁130,140の肌触りを良好にすることができるとともに肌が接触した際に弾性変形し易くしてフィット感を向上させることができる。また、患者Uを別の寝台上に移す際においてはベース表皮部111aの厚さが厚く形成されていることでベース体101を把持した際における弾性変形を抑えて持ち易くすることができる。
【0068】
しかし、表皮部111は、ベース体101を覆う表皮部111の厚さと側頭対向壁130,140をそれぞれ覆う表皮部111の厚さとを同一に形成することもできる。また、表皮部111は、耳収容部132,142を覆う表皮部111の厚さをその他の部分を覆う表皮部111の厚さよりも薄く形成することで両耳El,Erの接触負担を抑えることができる。
【0069】
また、上記実施形態においては、表皮部111は、芯材部110側の裏面に同芯材部110に向かって張り出す突起部112を有して構成した。これにより、手術用枕100は、突起部112によって芯材部110に対する摩擦抵抗を高めて位置ズレ、ヨレまたはシワの発生を抑えることができる。しかし、表皮部111は、突起部112を省略して芯材部110側の裏面を滑らかな平滑面に構成することもできる。
【0070】
また、上記実施形態においては、頭部載置部102および首部載置部103は、患者Uの後頭部HEkおよび首部Nの形状に沿う曲面形状にそれぞれ形成した。しかし、頭部載置部102および首部載置部103は、平坦面で構成することもできる。
【0071】
また、上記実施形態においては、ベース体101は、底面に滑り止め体121を備えて構成した。これにより、手術用枕100は、寝台上に載置された際または保管時における位置ズレを防止することができる。しかし、ベース体101は、滑り止め体121を省略して構成することもできる。また、ベース体101は、底面に直接凹凸を設けて滑り止め体121とすることもできる。
【0072】
また、上記実施形態においては、滑り止め体121は、4辺の外縁部の表面が凸凹形状からなる凹凸部121aが形成されている。これにより、手術用枕100は、寝台上に載置された際または保管時における位置ズレをより効果的に防止することができる。しかし、滑り止め体121は、凹凸部121aを省略して構成することもできる。
【0073】
また、上記実施形態においては、手術用枕100は、ベース体101と側頭対向壁130,140とを一体的に形成した。しかし、手術用枕100は、ベース体101と側頭対向壁130,140と互いに別体で構成して接続するように構成することもできる。
【0074】
また、上記実施形態においては、手術用枕100は、寝台上に単に載置して使用した。しかし、手術用枕100は、
図6に示すように、寝台に対して縛り付けるための寝台固定具150を備えて構成することもできる。この場合、寝台固定具150は、ベース体101の底部における左右の幅方向両端部からそれぞれ延びるバンド151とこれらのバンド151を任意の長さで連結または分離することができるバックル152とで構成することもできる。これによれば、手術用枕100は、寝台に対して寝台固定具150を縛ることで手術用枕100を寝台上に着脱自在に固定することができる。
【0075】
また、この寝台固定具150は、
図7に示すように、バンド151を側頭対向壁130,140の上面上に掛けてバックル152で縛ることで頭部載置部102上に載置された患者Uの頭部HEを頭部載置部102上に縛り付けて固定することもできる。すなわち、寝台固定具150は、寝台固定具としての使用の有無を問わず頭部固定具としても用いることができる。
【符号の説明】
【0076】
U…患者、
HE…頭部、HEk…後頭部、HEt…頭頂部、HEs…側頭部、OP…直上部分、
N…首部、J…下顎、El…左耳、Er…右耳、
HA…取扱者の手、
100…手術用枕、101…ベース体、102…頭部載置部、103…首部載置部、104…頭頂部側起立部、
110…芯材部、111…表皮部、111a…ベース表皮部、111b…側頭表皮部、112…突起部、
120…ベース支持体、120a…中央部、120b…外縁部、121…滑り止め体、121a…凹凸部、
130…側頭対向壁、131…耳上挟持部、131a…側面、132…耳収容部、133…顎対向部、133a…側面、
140…側頭対向壁、141…耳上挟持部、141a…側面、142…耳収容部、143…顎対向部、143a…側面、
150…寝台固定具、151…バンド、152…バックル。