(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077143
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】バケットの折り畳み装置
(51)【国際特許分類】
B65B 61/00 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
B65B61/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189016
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】衣斐 伸幸
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056AA06
3E056DA01
3E056EA07
3E056FH20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンパクトなバケット折畳装置を提供する。
【解決手段】バケット12の折り畳み装置10では、第1バケット載置部52で折り畳み部56により第1短手側板18及び第2短手側板20を折り畳み、次に、第1バケット載置部52からバケット移動部58へとバケット12を移動させる過程で、第1長手側板24及び第2長手側板26を折り畳み、折り畳み済みバケットは、バケット移動部により第2バケット載置部54に移動される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の底板と、前記底板の一対の短辺にそれぞれ連結された第1短手側板及び第2短手側板と、前記底板の一対の長辺にそれぞれ連結された第1長手側板及び第2長手側板とを有し、前記第1短手側板、前記第2短手側板、前記第1長手側板及び前記第2長手側板が前記底板に向かって回動することで折り畳み可能なバケットの折り畳み装置であって、
折り畳まれる前の前記バケットである折り畳み前バケットが載置される第1バケット載置部と、
前記第1バケット載置部よりも低位置に配置され、折り畳み後の前記バケットである折り畳み済みバケットを受け入れて載置可能な第2バケット載置部と、
前記第1バケット載置部に載置された前記折り畳み前バケットの前記第1短手側板及び前記第2短手側板を前記底板に向かって折り畳む折り畳み部と、
前記第1バケット載置部の下方で前記第2バケット載置部に向かって傾斜して設けられ、前記折り畳み済みバケットを前記第2バケット載置部に移動させるバケット移動部と、
を備え、
前記第1バケット載置部で前記折り畳み部により前記第1短手側板及び前記第2短手側板を折り畳んだ後に、前記第1バケット載置部から前記バケット移動部へと前記バケットを移動させる過程で前記第1長手側板及び前記第2長手側板を折り畳み、前記折り畳み済みバケットを前記バケット移動部により前記第2バケット載置部に移動させる、バケットの折り畳み装置。
【請求項2】
請求項1記載のバケットの折り畳み装置において、
前記第1短手側板には、前記第1短手側板と前記第1長手側板及び前記第2長手側板とを係合するための第1係合爪が設けられ、
前記第2短手側板には、前記第2短手側板と前記第1長手側板及び前記第2長手側板とを係合するための第2係合爪が設けられ、
前記折り畳み部は、
前記第1係合爪による前記第1短手側板と前記第1長手側板及び前記第2長手側板との係合状態を解除するための第1解除部と、
前記第2係合爪による前記第2短手側板と前記第1長手側板及び前記第2長手側板との係合状態を解除するための第2解除部と、
を有する、バケットの折り畳み装置。
【請求項3】
請求項2記載のバケットの折り畳み装置において、
前記折り畳み部は、
前記第1長手側板及び前記第2長手側板との係合状態が解除された前記第1短手側板を前記第2短手側板に向かって押圧する第1押圧部と、
前記第1長手側板及び前記第2長手側板との係合状態が解除された前記第2短手側板を前記第1短手側板に向かって押圧する第2押圧部と、
を有する、バケットの折り畳み装置。
【請求項4】
請求項1記載のバケットの折り畳み装置において、
ユーザが操作するための折り畳み用操作部と、
前記折り畳み用操作部の動きを機械的に前記折り畳み部に伝達する動作力伝達部と、
をさらに備え、
前記折り畳み部は、前記ユーザによる前記折り畳み用操作部の操作に基づき、前記第1短手側板及び前記第2短手側板を前記底板に向かって折り畳む、バケットの折り畳み装置。
【請求項5】
請求項1記載のバケットの折り畳み装置において、
前記第1バケット載置部は、
前記底板の前記一対の長辺の一方である第1長辺を支持する第1支持部と、
前記底板の前記一対の長辺の他方である第2長辺を支持する第2支持部と、
を有し、
前記第1支持部は、前記折り畳み前バケットの前記第1長辺を支持する支持位置と、前記第1長辺に対する支持を解除する解除位置とに変位可能であり、
前記第1支持部が前記支持位置から前記解除位置へと変位することに伴い、前記第1長辺を前記バケット移動部に落下させるときに、前記第1支持部が前記第1長手側板に当接することで、前記第1長手側板を前記底板に向かって折り畳み、
前記第1長辺を前記バケット移動部に落下させることに伴って前記底板が水平方向に対して傾斜したときに、前記第1長手側板が前記底板に向かって折り畳まれる前に、前記第2長手側板の自重によって前記第2長手側板を前記底板に向かって折り畳む、バケットの折り畳み装置。
【請求項6】
請求項5記載のバケットの折り畳み装置において、
前記第1支持部を前記支持位置に拘束するロック部と、
ユーザが操作するためのロック解除用操作部と、
前記ロック解除用操作部の動きを機械的に前記ロック部に伝達する解除動作伝達部と、
をさらに備え、
前記ユーザによって前記ロック解除用操作部が操作されることに伴い、前記ロック部による前記第1支持部に対する拘束が解除され、前記第1支持部が前記解除位置へと変位可能となる、バケットの折り畳み装置。
【請求項7】
請求項6記載のバケットの折り畳み装置において、
前記ユーザが操作するための復帰操作部と、
前記復帰操作部の動きを機械的に前記第1支持部に伝達する復帰動作伝達部と、
をさらに備え、
前記ユーザによって前記復帰操作部が操作されることに伴い、前記第1支持部が前記支持位置へと復帰する、バケットの折り畳み装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のバケットの折り畳み装置において、
前記バケット移動部の下方に配置され、前記第2バケット載置部から前記折り畳み済みバケットを受け入れて、前記折り畳み済みバケットを載置可能な第3バケット載置部をさらに備え、
前記第2バケット載置部は、前記バケット移動部から前記折り畳み済みバケットを受け入れ可能な第1姿勢と、前記第3バケット載置部に向かって下方に傾斜する第2姿勢とに角度変更が可能である、バケットの折り畳み装置。
【請求項9】
請求項8記載のバケットの折り畳み装置において、
前記第2バケット載置部を前記第1姿勢と前記第2姿勢とに切り替える切替部をさらに備え、
前記切替部は、
前記第2バケット載置部を前記第1姿勢に拘束する保持部と、
ユーザが操作するための切替操作部と、
前記切替操作部の動きを機械的に前記保持部に伝達する切替動作伝達部と、
を有し、
前記ユーザによって前記切替操作部が操作されることに伴い、前記保持部による前記第2バケット載置部に対する拘束が解除され、前記第2バケット載置部が前記第2姿勢へと変位可能となる、バケットの折り畳み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バケットの折り畳み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、バケットの折り畳み装置が開示されている。バケットは、矩形状の底板と、底板の各辺に連結される4つの側板とを有する。この折り畳み装置では、コンベア上でバケットを搬送させつつ、4つの側板の各々を折り畳む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-2465号公報
【特許文献2】特許第6168289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2の折り畳み装置では、コンベアを設置する必要があるため、装置が大型化する。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様は、矩形状の底板と、前記底板の一対の短辺にそれぞれ連結された第1短手側板及び第2短手側板と、前記底板の一対の長辺にそれぞれ連結された第1長手側板及び第2長手側板とを有し、前記第1短手側板、前記第2短手側板、前記第1長手側板及び前記第2長手側板が前記底板に向かって回動することで折り畳み可能なバケットの折り畳み装置であって、前記折り畳み装置は、折り畳まれる前の前記バケットである折り畳み前バケットが載置される第1バケット載置部と、前記第1バケット載置部よりも低位置に配置され、折り畳み後の前記バケットである折り畳み済みバケットを受け入れて載置可能な第2バケット載置部と、前記第1バケット載置部に載置された前記折り畳み前バケットの前記第1短手側板及び前記第2短手側板を前記底板に向かって折り畳む折り畳み部と、前記第1バケット載置部の下方で前記第2バケット載置部に向かって傾斜して設けられ、前記折り畳み済みバケットを前記第2バケット載置部に移動させるバケット移動部と、を備え、前記第1バケット載置部で前記折り畳み部により前記第1短手側板及び前記第2短手側板を折り畳んだ後に、前記第1バケット載置部から前記バケット移動部へと前記バケットを移動させる過程で前記第1長手側板及び前記第2長手側板を折り畳み、前記折り畳み済みバケットを前記バケット移動部により前記第2バケット載置部に移動させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バケットを容易且つ確実に折り畳むことができる。また、第1バケット載置部、第2バケット載置部、折り畳み部及びバケット移動部をコンパクトに配置することができる。これにより、省スペースでバケットの折り畳み作業を行うことができる。この結果、折り畳み装置の大型化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る折り畳み装置の正面図である。
【
図5】
図5Aは、折り畳み部の動作を示す図であり、
図5Bは、折り畳み部の他の動作を示す図である。
【
図6】
図6は、第1バケット載置部及びロック部を示す平面図である。
【
図7】
図7Aは、
図6のVIIA-VIIA線に沿った断面図であり、
図7Bは、
図6のVIIB-VIIB線に沿った断面図である。
【
図8】
図8A及び
図8Bは、第1バケット載置部、バケット移動部及び第2バケット載置部を示す図である。
【
図9】
図9A及び
図9Bは、第1バケット載置部、バケット移動部及び第2バケット載置部を示す図である。
【
図12】
図12は、第2バケット載置部及び第3バケット載置部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態に係るバケットの折り畳み装置10の正面図である。以下、バケットの折り畳み装置10を、折り畳み装置10と呼称する。また、以下の説明では、
図1において、折り畳み装置10を見た方向を後方として、前後、左右及び上下の方向を説明する。
【0010】
本実施形態に係る折り畳み装置10は、バケット12を機械的に折り畳むための装置である。折り畳み装置10の説明に先立ち、折り畳みの対象となるバケット12について、
図1及び
図2等を参照しながら説明する。
【0011】
バケット12は、矩形状の底板14を有する(
図8A参照)。底板14の一対の短辺16には、第1短手側板18及び第2短手側板20がそれぞれ連結されている(
図2参照)。底板14の一対の長辺22には、第1長手側板24及び第2長手側板26がそれぞれ連結されている。一対の長辺22の一方である第1長辺28には、第1長手側板24が連結されている。一対の長辺22の他方である第2長辺30には、第2長手側板26が連結されている。従って、第1短手側板18、第2短手側板20、第1長手側板24及び第2長手側板26は、底板14の各辺から上方に延びている。
【0012】
バケット12は、第1短手側板18、第2短手側板20、第1長手側板24及び第2長手側板26が底板14に向かって回動することで折り畳み可能である。
【0013】
具体的には、第1短手側板18の外側には、第1凹部32が形成されている。第1凹部32には、第1係合爪34が設けられている。第1係合爪34は、第1短手側板18と第1長手側板24及び第2長手側板26とを係合する。第1係合爪34は、底板14に向かって移動することで、第1短手側板18と第1長手側板24及び第2長手側板26との係合状態を解除する。
【0014】
第2短手側板20の外側には、第2凹部36が形成されている。第2凹部36には、第2係合爪38が設けられている。第2係合爪38は、第2短手側板20と第1長手側板24及び第2長手側板26とを係合する。第2係合爪38は、底板14に向かって移動することで、第2短手側板20と第1長手側板24及び第2長手側板26との係合状態を解除する。
【0015】
第1短手側板18と第1長手側板24及び第2長手側板26との係合状態が解除されたときに、第1短手側板18を第2短手側板20に向かって押圧すると、第1短手側板18は、底板14に向かって折り畳まれる。詳しくは、第1短手側板18は、該第1短手側板18に連結されている底板14の短辺16を支点として、底板14に向かって折り畳まれる。
【0016】
第2短手側板20と第1長手側板24及び第2長手側板26との係合状態が解除されたときに、第2短手側板20を第1短手側板18に向かって押圧すると、第2短手側板20は、底板14に向かって折り畳まれる。詳しくは、第2短手側板20は、該第2短手側板20に連結されている底板14の短辺16を支点として、底板14に向かって折り畳まれる。
【0017】
第1長手側板24と第1短手側板18及び第2短手側板20との係合状態が解除されたときに、第1長手側板24は、底板14に向かって折り畳むことが可能である(
図9A及び
図9B参照)。詳しくは、第1長手側板24は、該第1長手側板24に連結されている第1長辺28を支点として、底板14に向かって折り畳み可能である。
【0018】
第2長手側板26と第1短手側板18及び第2短手側板20との係合状態が解除されたときに、第2長手側板26は、底板14に向かって折り畳むことが可能である(
図8B及び
図9A参照)。詳しくは、第2長手側板26は、該第2長手側板26に連結されている第2長辺30を支点として、底板14に向かって折り畳み可能である。
【0019】
第1短手側板18の外側には、第1リブ40が上下方向に形成されている。第2短手側板20の外側には、第2リブ42が上下方向に形成されている。なお、
図2の側面視で、第1リブ40と第2リブ42とは、前後方向の位置が異なる。
【0020】
以下の説明では、折り畳まれる前のバケット12を折り畳み前バケット44と呼称する。また、折り畳み後のバケット12を折り畳み済みバケット46と呼称する。
【0021】
次に、本実施形態に係る折り畳み装置10の構成について説明する。
【0022】
図1及び
図2に示すように、折り畳み装置10は、フレーム部50と、第1バケット載置部52と、第2バケット載置部54と、折り畳み部56と、バケット移動部58と、折り畳み用操作部60と、第1動作力伝達部62と、第2動作力伝達部63と、ロック部64(
図6参照)と、ロック解除用操作部66と、解除動作伝達部68と、復帰操作部70と、復帰動作伝達部72と、第3バケット載置部74と、切替部76とを有する。
【0023】
フレーム部50は、折り畳み装置10の基台部分である。フレーム部50は、矩形状の金属製のフレーム80を有する。フレーム80は、水平方向に延びている。フレーム80の左右両側から前方には、フレーム部材82がそれぞれ延びている。左右のフレーム部材82は、金属製のパイプである。フレーム80の四隅と、左右のフレーム部材82の前端とには、キャスタ84がそれぞれ取り付けられている。フレーム部50は、複数のキャスタ84によって移動可能である。
【0024】
左右のフレーム部材82の前端には、上方に延びる前方支柱86がそれぞれ設けられている。フレーム80と左右のフレーム部材82との連結箇所には、上方に延びる中間支柱88がそれぞれ設けられている。フレーム80の後部の両端には、上方に延びる後方支柱90がそれぞれ設けられている。左右の前方支柱86と、左右の中間支柱88と、左右の後方支柱90とは、金属製のパイプである。左右の前方支柱86の上端及び左右の中間支柱88の上端は、左右の後方支柱90の上端よりも上方に位置する。
【0025】
左右の前方支柱86は、複数の連結部材92を介して連結されている。複数の連結部材92は、上下方向に間隔を隔てて、左右方向に延びている。複数の連結部材92は、金属製のパイプである。
図1では、4本の連結部材92が左右の前方支柱86を連結する場合を図示している。
【0026】
左側の前方支柱86と左側の中間支柱88とは、複数の連結部材94を介して連結されている。複数の連結部材94は、上下方向に間隔を隔てて、前後方向に延びている。複数の連結部材94は、金属製のパイプである。
図2では、5本の連結部材94が左側の前方支柱86と左側の中間支柱88とを連結する場合を図示している。
【0027】
右側の前方支柱86と右側の中間支柱88とは、複数の連結部材96を介して連結されている。複数の連結部材96は、上下方向に間隔を隔てて、前後方向に延びている。複数の連結部材96は、金属製のパイプである。なお、本実施形態では、5本の連結部材96が右側の前方支柱86と右側の中間支柱88とを連結している。右側の5本の連結部材96は、左側の5本の連結部材94と同じ高さに位置する。
【0028】
左右の中間支柱88は、複数の連結部材98を介して連結されている。複数の連結部材98は、上下方向に間隔を隔てて、左右方向に延びている。複数の連結部材98は、金属製のパイプである。本実施形態では、3本の連結部材98が左右の中間支柱88を連結している。
【0029】
左右の中間支柱88には、U字状のフレーム100が取り付けられている。
図6の平面視で、フレーム100は、左右の中間支柱88と1つの連結部材98とを囲むように、左右の中間支柱88に連結されている。
図2に示すように、U字状のフレーム100は、左右の後方支柱90よりも上方に位置する。
【0030】
左側の中間支柱88と左側の後方支柱90とは、連結部材102を介して連結されている。右側の中間支柱88と右側の後方支柱90とは、連結部材104を介して連結されている。左右の連結部材102、104は、前後方向に延びている。左右の連結部材102、104は、金属製のパイプである。
【0031】
左右の後方支柱90の上端は、連結部材106を介して連結されている。連結部材106は、金属製のパイプである。
【0032】
第1バケット載置部52は、折り畳み装置10の前部の上方に設けられる。第1バケット載置部52は、左右の前方支柱86と左右の中間支柱88と複数の連結部材92、94、96、98とで囲まれた空間の上部に位置する。第1バケット載置部52には、折り畳み前バケット44が載置される。
【0033】
第2バケット載置部54は、第1バケット載置部52よりも低位置に設けられる。第2バケット載置部54は、左右の中間支柱88と左右の後方支柱90と複数の連結部材98、102、104、106とで囲まれた空間の上部に位置する。
【0034】
折り畳み部56は、第1バケット載置部52に載置された折り畳み前バケット44の第1短手側板18及び第2短手側板20を底板14に向かって折り畳む。
【0035】
バケット移動部58は、第1バケット載置部52の下方で第2バケット載置部54に向かって傾斜して設けられている。バケット移動部58は、左右の前方支柱86と左右の中間支柱88と複数の連結部材92、94、96、98とで囲まれた空間において、第1バケット載置部52と第2バケット載置部54との間の高さ位置に設けられている。バケット移動部58は、折り畳み済みバケット46を第2バケット載置部54に移動させる。第2バケット載置部54には、バケット移動部58から折り畳み済みバケット46を受け入れて、折り畳み済みバケット46を載置可能である。
【0036】
第3バケット載置部74は、バケット移動部58の下方に配置されている。バケット移動部58は、左右の前方支柱86と左右の中間支柱88と複数の連結部材92、94、96、98とで囲まれた空間において、バケット移動部58及び第2バケット載置部54よりも低位置に設けられている。第3バケット載置部74は、第2バケット載置部54から折り畳み済みバケット46を受け入れて、折り畳み済みバケット46を載置可能である。
【0037】
具体的には、第1バケット載置部52は、第1支持部110と第2支持部112とを有する。
【0038】
第1支持部110は、左右の中間支柱88を連結する複数の連結部材98のうちの1つの連結部材98の一部分である。従って、第1支持部110は、左右方向に延びている。第1支持部110は、該連結部材98の軸回りに回転可能である。第1支持部110は、径方向外側に突出する第1支持板114を有する。第1支持部110が回転不能の状態にある場合、第1支持板114は、前方に向かって水平方向に延びている。
【0039】
第2支持部112は、左右の前方支柱86を連結する複数の連結部材92のうちの1つの連結部材92である。従って、第2支持部112は、回転不能に左右の前方支柱86に連結されている。第2支持部112を構成する連結部材92は、第1支持部110を有する連結部材98と同じ高さに位置する。第2支持部112には、後方に向かって径方向外側に突出する第2支持板116を有する。第2支持板116は、後方に向かって水平方向に延びている。第1支持部110が回転不能の状態にある場合、第1支持板114と第2支持板116とは、互いに向かい合っている。
【0040】
第1バケット載置部52において、バケット12は、
図1及び
図2に示す状態で載置される。すなわち、底板14を下に向けた状態で、第1短手側板18が左側、第2短手側板20が右側、第1長手側板24が後方、且つ、第2長手側板26が前方となるように、バケット12が第1バケット載置部52に載置される。
【0041】
具体的には、
図7Aに示すように、第1支持部110は、回転不能の状態において、水平方向に延びる第1支持板114によって底板14の第1長辺28を支持する。以下の説明では、
図7Aに示すように、第1支持板114が底板14の第1長辺28を支持するときの第1支持部110の角度位置を支持位置と呼称する。また、
図7Bに示すように、第1支持部110が回転可能な状態において、第1支持板114による第1長辺28の支持が解除されているときの第1支持部110の角度位置を解除位置と呼称する。従って、第1支持部110は、支持位置と解除位置とに変位可能である。なお、解除位置における第1支持板114の位置は、支持位置における第1支持板114の位置よりも下方になる。解除位置では、第1支持板114は、下方に延びている。
【0042】
第2支持部112は、第2支持板116によって底板14の第2長辺30を支持する。
【0043】
第1支持板114及び第2支持板116によって折り畳み前バケット44が下方から支持されたときに、第1支持部110は、底板14の第1長辺28に接触可能である。第2支持部112は、第2長辺30に接触可能である。これにより、折り畳み前バケット44は、前後方向への移動が規制される。また、左右の前方支柱86と左右の中間支柱88とを連結する複数の連結部材96、98によって、折り畳み前バケット44は、左右方向への移動が規制される。
【0044】
図2及び
図3Aに示すように、折り畳み部56は、第1解除部118と、第2解除部120と、第1押圧部122と、第2押圧部124とを有する。
【0045】
第1解除部118と第1押圧部122とは、第1短手側板18と向かい合うように配置されている。具体的には、左側の前方支柱86と左側の中間支柱88とを連結する複数の連結部材94のうちの1つの連結部材94の一部分が、第1回動部126として機能する。第1回動部126は、該連結部材94の軸回りに回転可能である。第1解除部118と第1押圧部122とは、第1回動部126に取り付けられている。第1解除部118は、第1係合爪34と向かい合う爪部である。第1押圧部122は、第1リブ40と向かい合う棒状部材である。第1押圧部122の先端(下端)は、緩衝用の弾性部材123を有する。なお、弾性部材123は、設けられなくてもよい。第1回動部126と、該第1回動部126の下方の連結部材94との間には、第1バネ部材128が介挿されている。
【0046】
第2解除部120と第2押圧部124とは、第2短手側板20と向かい合うように配置されている。具体的には、右側の前方支柱86と右側の中間支柱88とを連結する複数の連結部材96のうちの1つの連結部材96の一部分が、第2回動部130として機能する。第2回動部130は、該連結部材96の軸回りに回転可能である。第2解除部120と第2押圧部124とは、第2回動部130に取り付けられている。第2解除部120は、第2係合爪38と向かい合う爪部である。第2押圧部124は、第2リブ42と向かい合う棒状部材である。第2押圧部124の先端(下端)は、緩衝用の弾性部材125を有する。なお、弾性部材125は、設けられなくてもよい。第2回動部130と、該第2回動部130の下方の連結部材96との間には、第2バネ部材132が介挿されている。
【0047】
折り畳み用操作部60は、折り畳み装置10の前部に設けられている(
図1及び
図2参照)。具体的には、第2支持部112と、該第2支持部112の下方の連結部材92との間には、2本のレール134が連結されている。2本のレール134は、互いに平行に上下方向に延びている。2本のレール134の各々には、レール134に沿って上下方向に摺動するスライダ136が設けられている。折り畳み用操作部60は、左右方向に延びて、2つのスライダ136を連結する棒状部材である。折り畳み用操作部60は、ユーザが操作するためのレバーである。
【0048】
左側のスライダ136と第1押圧部122とは、第1動作力伝達部62を介して連結されている。第1動作力伝達部62は、紐状又はワイヤ状の部材である。第2支持部112と、左側の前方支柱86と、左側の連結部材94とには、プーリ138が回転可能に取り付けられている。第1動作力伝達部62は、各プーリ138に掛け渡されている。
【0049】
右側のスライダ136と第2押圧部124とは、第2動作力伝達部63を介して連結されている。第2動作力伝達部63は、紐状又はワイヤ状の部材である。第2支持部112と、右側の前方支柱86と、右側の連結部材94とには、プーリ140が回転可能に取り付けられている。第2動作力伝達部63は、各プーリ140に掛け渡されている。
【0050】
折り畳み用操作部60が
図1に示す初期位置にあるときに、ユーザが折り畳み用操作部60を押し下げると、2つのスライダ136が2本のレール134に沿って下方に摺動する。これにより、第1押圧部122(
図3A参照)は、第1動作力伝達部62を介して引っ張られる。この結果、
図3Bに示すように、第1回動部126は、第1バネ部材128のバネ力に抗して、第1解除部118が第1係合爪34に向かうように回動する。第1回動部126が回動することにより、第1解除部118は、第1凹部32に進入して第1係合爪34に接触し、第1係合爪34を押し下げる(
図4A参照)。第1係合爪34が押し下げられることで、第1短手側板18と第1長手側板24及び第2長手側板26との係合状態が解除される。
【0051】
また、ユーザが折り畳み用操作部60を押し下げたときには、第2押圧部124は、第2動作力伝達部63を介して引っ張られる。これにより、第2回動部130は、第2バネ部材132のバネ力に抗して、第2解除部120が第2係合爪38に向かうように回動する。第2回動部130が回動することにより、第2解除部120は、第2凹部36に進入して第2係合爪38に接触し、第2係合爪38を押し下げる。第2係合爪38が押し下げられることで、第2短手側板20と第1長手側板24及び第2長手側板26との係合状態が解除される。
【0052】
ユーザが折り畳み用操作部60から手を離すと、折り畳み用操作部60は、第1バネ部材128及び第2バネ部材132の各バネ力によって、
図1に示す初期位置に戻る。また、第1回動部126は、第1バネ部材128のバネ力によって、
図3Aに示す初期位置に戻る。このときに、
図4Bに示すように、第1回動部126が連結部材94の軸回りに回動し、第1押圧部122の先端(下端)が第1短手側板18(具体的には、第1リブ40(
図2参照))を押圧する。
図5Aに示すように、第1短手側板18は、第1押圧部122からの押圧力によって、該第1短手側板18に連結された底板14の短辺16を支点として、底板14に向かって回動する。これにより、第1短手側板18が底板14に折り畳まれる。この場合、第1押圧部122の先端が弾性部材123であれば、第1押圧部122の先端から受ける衝撃によって第1短手側板18が破損することを回避することができる。
【0053】
また、第2回動部130は、第2バネ部材132のバネ力によって初期位置に戻る。このときに、第2回動部130が連結部材96の軸回りに回動し、第2押圧部124の先端(下端)が第2短手側板20(具体的には、第2リブ42(
図2参照))を押圧する。第2短手側板20は、第2押圧部124からの押圧力によって、該第2短手側板20に連結された底板14の短辺16を支点として、底板14に向かって回動する。これにより、第2短手側板20が底板14に折り畳まれる。この場合、第2押圧部124の先端が弾性部材125であれば、第2押圧部124の先端から受ける衝撃によって第2短手側板20が破損することを回避することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、
図5Bに示すように、第1解除部118が第1押圧部122の機能を兼ね備えると共に、第2解除部120が第2押圧部124の機能を兼ね備えてもよい。この場合、第1短手側板18と第1長手側板24及び第2長手側板26との係合状態が解除された後、第1回動部126がさらに回転すると、第1解除部118は、第1短手側板18を押圧する。第1短手側板18は、第1解除部118からの押圧力によって、該第1短手側板18に連結された底板14の短辺16を支点として、底板14に向かって回動する。これにより、第1短手側板18が底板14に折り畳まれる。同様に、第2回動部130がさらに回転すると、第2解除部120は、第2短手側板20を押圧する。第2短手側板20は、第2解除部120からの押圧力によって、該第2短手側板20に連結された底板14の短辺16を支点として、底板14に向かって回動する。これにより、第2短手側板20が底板14に折り畳まれる。この場合も、ユーザが折り畳み用操作部60から手を離すと、第1回動部126は、第1バネ部材128のバネ力によって、
図3Aに示す初期位置に戻る。また、第2回動部130は、第2バネ部材132のバネ力によって、初期位置に戻る。
【0055】
ロック部64は、第1支持部110を支持位置に拘束する。具体的には、
図6~
図7Bに示すように、ロック部64は、U字状のフレーム100に設けられている。ロック部64は、係合爪150を有する。第1支持部110は、
図7Aに示すように、径方向外側に突出する複数の突起152を有する。複数の突起152は、一定角度間隔で設けられている。本実施形態では、複数の突起152が90°間隔で第1支持部110に設けられている。第1支持部110は、第1支持板114が下方に向かうように、連結部材98の軸回りに回動する。そのため、係合爪150は、複数の突起152のうち、第1支持板114の反対側に形成された突起152に対して、上方から係合する。
【0056】
ロック解除用操作部66は、右側の前方支柱86に設けられている(
図1参照)。ロック解除用操作部66は、右側の前方支柱86に沿って摺動するスライダ154に連結されたレバーである。ロック解除用操作部66は、ユーザが操作するためのレバーである。
【0057】
ロック部64の係合爪150とロック解除用操作部66とは、解除動作伝達部68を介して連結されている。解除動作伝達部68は、紐状又はワイヤ状の部材である。連結部材92と、U字状のフレーム100とには、複数のプーリ156が回転可能に取り付けられている。解除動作伝達部68は、各プーリ156に掛け渡されている。
【0058】
ユーザがロック解除用操作部66を押し下げると、ロック部64の係合爪150は、解除動作伝達部68を介して引っ張られる(
図7B参照)。係合爪150は、バネ部材(不図示)のバネ力に抗して、左右方向に延びる軸部158を中心に、第1支持部110から離間するように回動する。これにより、係合爪150と突起152との係合状態が解除され、ロック部64による第1支持部110に対する拘束が解除される。この結果、第1支持部110は、連結部材98の軸回りに回動し、
図7Aに示す支持位置から、
図7Bに示す解除位置に変位する。
【0059】
復帰操作部70は、左側の前方支柱86に設けられている(
図1参照)。復帰操作部70は、左側の前方支柱86に沿って摺動するスライダ160に連結されたレバーである。復帰操作部70は、ユーザが操作するためのレバーである。復帰操作部70と左側の前方支柱86との間には、バネ部材162が介挿されている。
【0060】
第1支持部110と復帰操作部70とは、復帰動作伝達部72を介して連結されている。復帰動作伝達部72の一端は、スライダ160に連結されている。復帰動作伝達部72の他端は、第1支持部110に設けられた連結部164に連結されている(
図6参照)。連結部164は、第1支持部110における第1支持板114の反対側に設けられている。復帰動作伝達部72は、紐状又はワイヤ状の部材である。左側の前方支柱86とU字状のフレーム100とには、複数のプーリ166が回転可能に取り付けられている。復帰動作伝達部72は、各プーリ166に掛け渡されている。
【0061】
復帰操作部70が
図1に示す初期位置にあるときに、ユーザがバネ部材162のバネ力に抗して復帰操作部70を押し下げると、連結部164は、復帰動作伝達部72を介して引っ張られる。第1支持部110は、第1支持板114が第2支持部112と向かい合うように回動する。これにより、第1支持部110は、
図7Aに示す支持位置に復帰する。なお、ユーザが復帰操作部70から手を離すと、復帰操作部70は、バネ部材162のバネ力によって、初期位置に戻る。
【0062】
バケット移動部58は、2本の支柱170と、2本の支持部材172とを有する(
図1及び
図2参照)。2本の支柱170は、第2支持部112と、該第2支持部112の下方の連結部材92との間に設けられている。2本の支柱170は、左右方向に間隔を隔てて、連結部材92から上方に延びている。2本の支持部材172は、上面が平板状の金属製のパイプである。左側の支持部材172の一端は、左側の支柱170の上端に連結されている。左側の支持部材172の他端は、第1支持部110の下方の連結部材98に連結されている。右側の支持部材172の一端は、右側の支柱170の上端に連結されている。右側の支持部材172の他端は、第1支持部110の下方の連結部材98に連結されている。従って、左右の支持部材172の一端は、第1支持部110よりも僅かに下方に位置する。左右の支持部材172の他端は、第2バケット載置部54の前端に連なる。すなわち、左右の支持部材172は、前方から後方に向かって、斜め下方に傾斜している。
【0063】
本実施形態では、第1バケット載置部52で折り畳み部56により第1短手側板18及び第2短手側板20を折り畳んだ後、第1バケット載置部52からバケット移動部58へとバケット12を移動させる過程で、第1長手側板24及び第2長手側板26を折り畳む。
【0064】
具体的には、ロック部64の係合爪150と第1支持部110の突起152との係合状態が解除されると、第1支持部110が回動して、
図7Aに示す支持位置から、
図7Bに示す解除位置に変化する。これにより、底板14の第1長辺28は、バケット移動部58に向かって落下する(
図8A及び
図8B参照)。第1長辺28がバケット移動部58に落下することに伴い、底板14が水平方向に対して傾斜する。これにより、第2長手側板26は、自重によって、第2長辺30を支点に、底板14に向かって折り畳まれる。この場合、第2長手側板26は、第1長手側板24が底板14に向かって折り畳まれる前に底板14に向かって折り畳まれる。
【0065】
また、底板14の第1長辺28がバケット移動部58に向かって落下するときに、第1支持部110が第1長手側板24に当接する(
図9A参照)。これにより、第1長手側板24が第2長手側板26に向かって押圧され、第1長手側板24が第1長辺28を支点に、底板14に向かって折り畳まれる。
【0066】
バケット移動部58は、折り畳み済みバケット46を第2バケット載置部54に移動させる。上記のように、2本の支持部材172が第1支持部110から第2バケット載置部54に向かって下方に傾斜しているので、折り畳み済みバケット46を第2バケット載置部54にスムーズに移動させることができる(
図9B参照)。
【0067】
第2バケット載置部54は、2本のローラコンベア180を有する。2本のローラコンベア180の一端は、左右の後方支柱90の上端を連結する連結部材106に連結されている(
図2参照)。2本のローラコンベア180は、左右方向に間隔を隔てて、連結部材106に連結されている。2本のローラコンベア180の一端は、該連結部材106よりも下方で連結されている。2本のローラコンベア180は、連結部材106に軸支されている。2本のローラコンベア180の他端は、左右方向に延びる連結棒182に連結されている。連結棒182は、バケット移動部58の後端に位置する。連結棒182の左端には、支持棒184が連結されている。支持棒184は、連結棒182の左端から前方に延びている。
【0068】
第2バケット載置部54は、2本のローラコンベア180が回動することで、
図8A~
図9Bに示す第1姿勢と、
図11A及び
図11Bに示す第2姿勢とに角度変更が可能である。第1姿勢は、バケット移動部58から折り畳み済みバケット46を受け入れ可能な姿勢である。第2姿勢は、第3バケット載置部74に向かって斜め下方に傾斜する姿勢である。切替部76は、第2バケット載置部54を第1姿勢と第2姿勢とに切り替える。
【0069】
具体的には、切替部76は、保持部186と、切替操作部188と、切替動作伝達部190とを有する(
図1及び
図2参照)。
【0070】
保持部186は、左側の連結部材94に設けられている。
図10A及び
図10Bに示すように、保持部186は、係合爪192を有する。
図10Aに示すように、正面視で、支持棒184は、径方向外側に突出する複数の突起194を有する。複数の突起194は、一定角度間隔で設けられている。本実施形態では、複数の突起194が90°間隔で支持棒184に設けられている。係合爪192は、複数の突起194のうち、連結部材94と向かい合っている1つの突起194を下方から支持する。保持部186の係合爪192が支持棒184の突起194を下方から支持することで、第2バケット載置部54は、第1姿勢に拘束される。
【0071】
図1に示すように、切替操作部188は、左側の支柱170に設けられている。切替操作部188は、左側の支柱170に沿って摺動するスライダ196に連結されたレバーである。切替操作部188は、ユーザが操作するためのレバーである。左側の支柱170と切替操作部188との間には、バネ部材198が介挿されている。
【0072】
保持部186の係合爪192(
図10A及び
図10B参照)と切替操作部188とは、切替動作伝達部190を介して連結されている。切替動作伝達部190は、紐状又はワイヤ状の部材である。
図1及び
図2に示すように、左側の支柱170と、左側の前方支柱86と、左側の連結部材94とには、複数のプーリ200が回転可能に取り付けられている。切替動作伝達部190は、各プーリ200に掛け渡されている。
【0073】
左右の前方支柱86には、上下方向に延びるレール202がそれぞれ連結されている。2つのレール202の両端は、第2バケット載置部54よりも低位置で、前方支柱86に固定されている。2つのレール202の各々には、ウェイト204が、レール202に沿って上下方向に摺動可能に設けられている。
【0074】
左右のウェイト204の各々は、動作伝達部206を介して、連結棒182(
図2参照)と連結されている。動作伝達部206は、紐状又はワイヤ状の部材である。左右の連結部材94、96と、U字状のフレーム100とには、複数のプーリ208が回転可能に取り付けられている。動作伝達部206は、各プーリ208に掛け渡されている。
【0075】
ユーザが切替操作部188を操作しない場合、切替操作部188は、バネ部材198のバネ力によって、
図1に示す初期位置に配置されている。また、第2バケット載置部54の連結棒182は、2つのウェイト204の荷重により、動作伝達部206を介して、上方に引っ張られる。これにより、第2バケット載置部54は、
図2及び
図8A~
図9Bに示す第1姿勢に保持される。さらに、保持部186の係合爪192が支持棒184の突起194を下方から支持することで、第2バケット載置部54は、第1姿勢に拘束されている。
【0076】
切替操作部188が初期位置に配置され、且つ、第2バケット載置部54に折り畳み済みバケット46が載置されている状態で、ユーザがバネ部材198のバネ力に抗して切替操作部188を押し下げると、保持部186の係合爪192(
図10A参照)は、切替動作伝達部190を介して引っ張られる。係合爪192は、軸部209を中心として、支持棒184から離間するように回動する。これにより、
図10Bに示すように、係合爪192と突起194との係合状態が解除され、保持部186による支持棒184に対する拘束が解除される。第2バケット載置部54は、折り畳み済みバケット46(
図9B参照)の荷重により、ウェイト204(
図1及び
図2参照)の荷重に抗して、2本のローラコンベア180の一端を支点に回動する。この結果、ウェイト204がレール202に沿って上方に摺動すると共に、第2バケット載置部54は、
図11Aに示す第2姿勢に変位する。これにより、
図11Bに示すように、折り畳み済みバケット46は、第2バケット載置部54から第3バケット載置部74に移動する。
【0077】
図12に示すように、第2バケット載置部54から第3バケット載置部74に折り畳み済みバケット46が移動すると、第2バケット載置部54は、2つのウェイト204の荷重によって、第1姿勢に戻る(
図2参照)。ユーザが切替操作部188から手を離すと、切替操作部188は、バネ部材198のバネ力によって、
図1の初期位置に戻る。これにより、保持部186の係合爪192は、支持棒184の突起194を下方から支持する(
図10A参照)。
【0078】
図2に示すように、第3バケット載置部74は、第2バケット載置部54と同様に、2本のローラコンベア210を有する。2本のローラコンベア210は、バケット移動部58の下方で、左右方向に間隔を隔てて、2本の連結部材92、98に連結されている。2本のローラコンベア210の一端は、第2姿勢における第2バケット載置部54の他端に連なる。2本のローラコンベア210の一端は、左右の中間支柱88を連結する連結部材98に連結されている。2本のローラコンベア210の他端は、左右の前方支柱86を連結する連結部材92に連結されている。2本のローラコンベア210は、一端から他端に向かって下方に傾斜している。
【0079】
次に、本実施形態に係る折り畳み装置10の動作について説明する。
【0080】
先ず、
図1及び
図2に示すように、ユーザは、第1バケット載置部52に折り畳み前バケット44を載置する。
【0081】
次に、ユーザは、折り畳み用操作部60を押し下げる。これにより、第1回動部126及び第2回動部130の各々は、第1バネ部材128及び第2バネ部材132のバネ力に抗して回動する(
図3B参照)。この結果、第1解除部118が第1係合爪34に接触し、該第1係合爪34を押し下げるので、第1短手側板18と第1長手側板24及び第2長手側板26との係合状態が解除される(
図4A参照)。また、第2解除部120が第2係合爪38に接触し、該第2係合爪38を押し下げるので、第2短手側板20と第1長手側板24及び第2長手側板26との係合状態が解除される。
【0082】
次に、ユーザが折り畳み用操作部60から手を離すと、第1回動部126及び第2回動部130の各々が第1バネ部材128及び第2バネ部材132のバネ力によって逆方向に回動する。これにより、第1押圧部122が第1短手側板18を押圧し(
図4B参照)、第1短手側板18は、底板14に向かって回動する(
図5A参照)。この結果、第1短手側板18が底板14に折り畳まれる。同様に、第2押圧部124が第2短手側板20を押圧し、第2短手側板20は、底板14に向かって回動する。この結果、第2短手側板20が底板14に折り畳まれる。
【0083】
次に、ユーザは、ロック解除用操作部66(
図1参照)を押し下げる。これにより、ロック部64の係合爪150が回動し、係合爪150と第1支持部110の突起152との係合状態が解除される(
図7B参照)。この結果、ロック部64による第1支持部110に対する拘束が解除され、第1支持部110は、支持位置から解除位置に変位する。
【0084】
第1支持部110が支持位置から解除位置に変化すると、底板14の第1長辺28は、第1支持部110による支持状態から解放されるので、バケット移動部58に向かって落下し始める(
図8B参照)。これにより、底板14が水平方向に対して傾斜し、第2長手側板26は、自重によって、底板14に向かって折り畳まれる。その後、底板14がバケット移動部58に落下すると、バケット12は、バケット移動部58に沿って、第2バケット載置部54に向かって、斜めに滑り始める。このときに、第1支持部110と底板14との相対変位に伴って、第1長手側板24が第1支持部110に押される。この結果、第1長手側板24が折り畳まれる(
図9A参照)。これにより、バケット12は、折り畳み済みバケット46となる。
【0085】
バケット移動部58は、折り畳み済みバケット46の自重により、折り畳み済みバケット46を第2バケット載置部54に移動させる(
図9B参照)。第2バケット載置部54は、第1姿勢で、バケット移動部58から移動した折り畳み済みバケット46を受け入れる。折り畳み済みバケット46は、2本のローラコンベア180に連結された連結部材106(
図2参照)によって、前後方向への移動が規制される。
【0086】
次に、ユーザは、切替操作部188(
図1参照)を押し下げる。これにより、保持部186の係合爪192が回動し、係合爪192と支持棒184の突起194との係合状態が解除される(
図10B参照)。この結果、第2バケット載置部54は、折り畳み済みバケット46の荷重により、ウェイト204の荷重に抗して、第1姿勢から第2姿勢に変化する(
図11A参照)。折り畳み済みバケット46は、自重により、第2姿勢に変化した第2バケット載置部54から第3バケット載置部74への移動を開始する(
図11B参照)。その後、折り畳み済みバケット46は、第3バケット載置部74に移動する(
図12参照)。
【0087】
折り畳み済みバケット46が第3バケット載置部74に移動すると、第2バケット載置部54は、折り畳み済みバケット46による押圧状態から解放される。これにより、第2バケット載置部54は、ウェイト204の荷重によって、第2姿勢から第1姿勢に戻る(
図2参照)。
【0088】
ユーザが切替操作部188から手を離すと、保持部186の係合爪192は、
図10Aに示す初期位置に復帰し、支持棒184を下方から支持する。これにより、第2バケット載置部54は、第1姿勢に維持される。
【0089】
次に、ユーザは、復帰操作部70(
図1参照)を押し下げる。これにより、第1支持部110は、
図7Aに示す支持位置に復帰する。この結果、第1支持部110の突起152は、ロック部64の係合爪150に係合される。従って、ユーザは、次の折り畳み前バケット44を第1バケット載置部52に載置することが可能となる。
【0090】
上記の実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
【0091】
本発明の態様は、矩形状の底板(14)と、前記底板の一対の短辺(16)にそれぞれ連結された第1短手側板(18)及び第2短手側板(20)と、前記底板の一対の長辺(22)にそれぞれ連結された第1長手側板(24)及び第2長手側板(26)とを有し、前記第1短手側板、前記第2短手側板、前記第1長手側板及び前記第2長手側板が前記底板に向かって回動することで折り畳み可能なバケット(12)の折り畳み装置(10)であって、前記折り畳み装置は、折り畳まれる前の前記バケットである折り畳み前バケット(44)が載置される第1バケット載置部(52)と、前記第1バケット載置部よりも低位置に配置され、折り畳み後の前記バケットである折り畳み済みバケット(46)を受け入れて載置可能な第2バケット載置部(54)と、前記第1バケット載置部に載置された前記折り畳み前バケットの前記第1短手側板及び前記第2短手側板を前記底板に向かって折り畳む折り畳み部(56)と、前記第1バケット載置部の下方で前記第2バケット載置部に向かって傾斜して設けられ、前記折り畳み済みバケットを前記第2バケット載置部に移動させるバケット移動部(58)と、を備え、前記第1バケット載置部で前記折り畳み部により前記第1短手側板及び前記第2短手側板を折り畳んだ後に、前記第1バケット載置部から前記バケット移動部へと前記バケットを移動させる過程で前記第1長手側板及び前記第2長手側板を折り畳み、前記折り畳み済みバケットを前記バケット移動部により前記第2バケット載置部に移動させる。
【0092】
本発明によれば、バケットを容易且つ確実に折り畳むことができる。また、第1バケット載置部、第2バケット載置部、折り畳み部及びバケット移動部をコンパクトに配置することができる。これにより、省スペースでバケットの折り畳み作業を行うことができる。この結果、折り畳み装置の大型化を回避することができる。
【0093】
本発明の態様において、前記第1短手側板には、前記第1短手側板と前記第1長手側板及び前記第2長手側板とを係合するための第1係合爪(34)が設けられ、前記第2短手側板には、前記第2短手側板と前記第1長手側板及び前記第2長手側板とを係合するための第2係合爪(38)が設けられ、前記折り畳み部は、前記第1係合爪による前記第1短手側板と前記第1長手側板及び前記第2長手側板との係合状態を解除するための第1解除部(118)と、前記第2係合爪による前記第2短手側板と前記第1長手側板及び前記第2長手側板との係合状態を解除するための第2解除部(120)と、を有してもよい。
【0094】
これにより、第1短手側板及び第2短手側板を底板に向かって容易に折り畳むことができる。
【0095】
本発明の態様において、前記折り畳み部は、前記第1長手側板及び前記第2長手側板との係合状態が解除された前記第1短手側板を前記第2短手側板に向かって押圧する第1押圧部(122)と、前記第1長手側板及び前記第2長手側板との係合状態が解除された前記第2短手側板を前記第1短手側板に向かって押圧する第2押圧部(124)と、を有してもよい。
【0096】
これにより、第1短手側板及び第2短手側板を底板に向かって確実に折り畳むことができる。
【0097】
本発明の態様において、前記折り畳み装置は、ユーザが操作するための折り畳み用操作部(60)と、前記折り畳み用操作部の動きを機械的に前記折り畳み部に伝達する動作力伝達部(62、63)と、をさらに備え、前記折り畳み部は、前記ユーザによる前記折り畳み用操作部の操作に基づき、前記第1短手側板及び前記第2短手側板を前記底板に向かって折り畳んでもよい。
【0098】
これにより、ユーザが折り畳み用操作部を操作するだけで、第1短手側板及び第2短手側板を簡単且つ確実に折り畳むことができる。
【0099】
本発明の態様において、前記第1バケット載置部は、前記底板の前記一対の長辺の一方である第1長辺(28)を支持する第1支持部(110)と、前記底板の前記一対の長辺の他方である第2長辺(30)を支持する第2支持部(112)と、を有し、前記第1支持部は、前記折り畳み前バケットの前記第1長辺を支持する支持位置と、前記第1長辺に対する支持を解除する解除位置とに変位可能であり、前記第1支持部が前記支持位置から前記解除位置へと変位することに伴い、前記第1長辺を前記バケット移動部に落下させるときに、前記第1支持部が前記第1長手側板に当接することで、前記第1長手側板を前記底板に向かって折り畳み、前記第1長辺を前記バケット移動部に落下させることに伴って前記底板が水平方向に対して傾斜したときに、前記第1長手側板が前記底板に向かって折り畳まれる前に、前記第2長手側板の自重によって前記第2長手側板を前記底板に向かって折り畳んでもよい。
【0100】
これにより、第1長手側板と第2長手側板との順に折り畳むことができる。
【0101】
本発明の態様において、前記折り畳み装置は、前記第1支持部を前記支持位置に拘束するロック部(64)と、ユーザが操作するためのロック解除用操作部(66)と、前記ロック解除用操作部の動きを機械的に前記ロック部に伝達する解除動作伝達部(68)と、をさらに備え、前記ユーザによって前記ロック解除用操作部が操作されることに伴い、前記ロック部による前記第1支持部に対する拘束が解除され、前記第1支持部が前記解除位置へと変位可能であればよい。
【0102】
これにより、ユーザがロック解除用操作部を操作するだけで、第1バケット載置部からバケット移動部へとバケットを簡単且つ確実に移動させることができる。
【0103】
本発明の態様において、前記折り畳み装置は、前記ユーザが操作するための復帰操作部(70)と、前記復帰操作部の動きを機械的に前記第1支持部に伝達する復帰動作伝達部(72)と、をさらに備え、前記ユーザによって前記復帰操作部が操作されることに伴い、前記第1支持部が前記支持位置へと復帰すればよい。
【0104】
これにより、ユーザが復帰操作部を操作するだけで、第1支持部を支持位置に簡単且つ確実に復帰させることができる。従って、次のバケットを第1バケット載置部にスムーズに載置することができる。
【0105】
本発明の態様において、前記折り畳み装置は、前記バケット移動部の下方に配置され、前記第2バケット載置部から前記折り畳み済みバケットを受け入れて、前記折り畳み済みバケットを載置可能な第3バケット載置部(74)をさらに備え、前記第2バケット載置部は、前記バケット移動部から前記折り畳み済みバケットを受け入れ可能な第1姿勢と、前記第3バケット載置部に向かって下方に傾斜する第2姿勢とに角度変更が可能であればよい。
【0106】
これにより、ユーザは、折り畳み済みバケットを取り出しやすくなる。
【0107】
本発明の態様において、前記折り畳み装置は、前記第2バケット載置部を前記第1姿勢と前記第2姿勢とに切り替える切替部(76)をさらに備え、前記切替部は、前記第2バケット載置部を前記第1姿勢に拘束する保持部(186)と、ユーザが操作するための切替操作部(188)と、前記切替操作部の動きを機械的に前記保持部に伝達する切替動作伝達部(190)と、を有し、前記ユーザによって前記切替操作部が操作されることに伴い、前記保持部による前記第2バケット載置部に対する拘束が解除され、前記第2バケット載置部が前記第2姿勢へと変位可能であればよい。
【0108】
これにより、ユーザが切替操作部を操作するだけで、第2バケット載置部から第3バケット載置部へと折り畳み済みバケットを簡単且つ確実に移動させることができる。
【0109】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0110】
10…折り畳み装置 12…バケット
14…底板 16…短辺
18…第1短手側板 20…第2短手側板
22…長辺 24…第1長手側板
26…第2長手側板 44…折り畳み前バケット
46…折り畳み済みバケット 52…第1バケット載置部
54…第2バケット載置部 56…折り畳み部
58…バケット移動部