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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077158
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】運搬台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/02 20060101AFI20240531BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B62B3/02 F
B62B3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189043
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】川元 勇樹
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050CC01
3D050DD03
3D050EE09
3D050GG01
(57)【要約】
【課題】天板部材の取外し及び取付け作業を容易とした運搬台車を提供する。
【解決手段】一対の第1フレームと一対の第2フレームにより矩形に枠組みされた基枠の内部空間に荷受面を形成する天板部材を設けた運搬台車であり、前記天板部材は、一対の第2フレームの間に嵌入固定される長尺天板材と、前記長尺天板材と第1フレームの間に嵌入固定される短尺天板材により構成されており、前記長尺天板材(30)と第2フレーム(22)の間において、長尺天板材の両端部に雌ネジ手段(31)を備えた取付金具(32)を設けると共に、基枠の外側から第2フレーム(22)に挿通させられる取付ボルト(33)を設け、第2フレームを挿通した取付ボルト(33)の挿出部の雄ネジ(34)を前記取付金具の雌ネジ手段(31)に螺着するように構成している。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に直交するX方向とY方向に関して、X方向に延びる一対の第1フレームとY方向に延びる一対の第2フレームにより矩形に枠組みされた内部空間を形成する基枠を備え、
前記基枠の下面に臨んでY方向に延びる底板部材をX方向に間隔をあけて固設し、前記底板部材の少なくとも内部空間の四隅近傍に臨む部位を支持部として該支持部にキャスター装置を垂設しており、
前記内部空間のうち前記支持部を除く部位に天板部材を設けることにより底板部材よりも上位となる荷受面を形成し、前記底板部材の支持部により前記荷受面から凹陥された凹部を形成して成る運搬台車であり、
前記天板部材(27)は、前記内部空間のY方向の中央に位置して一対の第2フレーム(22)の間に嵌入固定される長尺天板材(30)と、前記長尺天板材と第1フレーム(21)の間に嵌入固定される短尺天板材(38)により構成されており、
前記長尺天板材(30)と第2フレーム(22)の間において、長尺天板材の両端部に雌ネジ手段(31)を備えた取付金具(32)を設けると共に、基枠の外側から第2フレーム(22)に挿通させられる取付ボルト(33)を設け、
第2フレームを挿通した取付ボルト(33)の挿出部の雄ネジ(34)を前記取付金具の雌ネジ手段(31)に螺着するように構成されて成ることを特徴とする運搬台車。
【請求項2】
前記長尺天板材(30)は、X方向に延びる荷受面を形成する天板部(30a)の両側縁から下向きの両側壁(30b)を設けた型材により形成され、両端部を開口しており、
前記取付金具(32)は、金属板を折曲することにより、前記長尺天板材の開口に臨まされる本体部(32a)と、該本体部から屈折して前記長尺天板材の側壁の内面に重合した状態で固着される脚部(32b)を備え、前記本体部に雌ネジ手段(31)を設けており、
前記第2フレームに挿通された取付ボルトの挿出部の雄ネジ(34)を前記雌ネジ手段(31)に螺着するように構成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の運搬台車。
【請求項3】
前記第2フレーム(22)は、基枠の内部空間に臨む内壁(22b)と外部空間に臨む外壁(22a)を備えたパイプ材により形成されており、前記外壁(22a)を貫通する大径孔(35a)と前記内壁(22b)を貫通する小径孔(35b)に対して、前記取付ボルト(33)を挿通させるように構成しており、
前記取付ボルト(33)は、頭付きボルトから成り、頭部(33a)を前記外壁(22a)の外側面に当接し、ボルト軸部(33b)の前記小径孔(35b)から挿出された挿出部の雄ネジ(34)を前記取付金具の雌ネジ手段(31)に螺着した状態で、パイプ変形防止手段(37)を設けており、
前記パイプ変形防止手段(37)は、前記取付ボルトの頭部(33a)から大径孔(35a)を挿通してパイプ材の内部を延び、前記小径孔(35b)の周りで内壁(22b)に当接することにより前記内壁(22b)をパイプ材の内部から支持するように構成されて成ることを特徴とする請求項2に記載の運搬台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形に枠組みされた内部空間を形成する基枠に底板部材を介してキャスター装置を垂設し、底板部材よりも上位に荷受面を形成するための天板部材を設けた運搬台車に関する。
【背景技術】
【0002】
運搬用台車は、種々の形式とされたものが提供されているところ、保管時等において、複数の台車を上下に積層したとき、上層の台車のキャスター装置が下層の台車の荷受面から凹陥された凹部に嵌まり込むように構成したものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6581935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1ないし図4は、本出願人が本発明に先立ち開発した運搬台車(以下、「先行技術」という。)を示している。
【0005】
運搬台車は、相互に直交するX方向とY方向に関して、X方向に延びる一対の第1フレーム1、1とY方向に延びる一対の第2フレーム2、2により矩形に枠組みされた内部空間を形成する基枠3を備えており、前記基枠3の下面に臨んでY方向に延びる底板部材4をX方向に間隔をあけて固設し、底板部材4により形成された支持部5にキャスター装置6を垂設している。
【0006】
図2及び図3に示すように、前記底板部材4は、少なくとも、第2フレーム2、2の下面にオーバラップした状態で第1フレーム1、1に架設される前後位置の底板部材4a、4aを含んでおり、少なくとも内部空間の四隅近傍に臨む部位に支持部5を形成し、四隅近傍に臨んで4個のキャスター装置6が配設されている。図例の場合、X方向の中間部にも底板部材4bが設けられており、該底板部材4bの両側部(第1フレーム1の近傍部)に形成された支持部5にキャスター装置6を垂設することにより、合計6個のキャスター装置が配設されている。
【0007】
図1に示すように、基枠3で囲まれた内部空間のうち前記支持部5を除く部位に天板部材7を設けることにより、底板部材4よりも上位となる荷受面8を形成し、前記底板部材4の支持部5により前記荷受面8から凹陥された凹部9を形成している。
【0008】
これにより、複数の台車を上下に積層したとき、上層の台車のキャスター装置6が下層の台車の凹部8に嵌まり込むように構成されている。
【0009】
前記荷受面7は、基枠3(第1フレーム1及び第2フレーム2)の上面とほぼ面一となるように形成されている。
【0010】
前記荷受面7を形成するための天板部材7は、前記内部空間のY方向の中央に位置して一対の第2フレーム2、2の間に嵌入固定される長尺天板材10と、前記長尺天板材10と第1フレーム1の間に嵌入固定される短尺天板材11により構成されている。
【0011】
図4に示すように、長尺天板材10は、X方向に延びる荷受面を形成する天板部10aのY方向に臨む両側縁から下向きの両側壁10b、10bを設けた型材により形成されており、L形の第1取付金具12により、側壁10bを第2フレーム2の内側面に連結することにより固定される。
【0012】
短尺天板材11は、荷受面を形成する天板部11aのX方向に臨む両側縁から下向きの両側壁11b、11bを設けた型材により形成されており、側壁11bのY方向の両端部をそれぞれL形の第2取付金具13a、13bにより第1フレーム1の内側面と前記長尺天板材10の側壁10bに連結することにより固定される。
【0013】
ところで、運搬台車は、荷受面7に積み荷が積載される関係上、長尺天板材10の天板部10aや、短尺天板材11の天板部11aが破損しやすく、その場合、天板材10、11を取外して補修したり、新たな天板材10、11と交換したりすることができるように構成することが望ましい。
【0014】
この点に関して、先行技術に係る運搬台車は、天板材10、11の取外しを想定していないため、多数の取付金具12、13a、13bが使用されており、これを固着するためのボルト・ナット等の固着具も多数が使用されている。
【0015】
ところで、天板材10、11を取外し可能とするためには、取付金具12、13a、13bをボルト・ナット等の着脱自在な固着具により構成すれば良い。しかしながら、先行技術の場合、構造上、短尺天板材11は、第2取付金具13a、13bが基枠3の下方から工具を挿入することによりボルト・ナット等の固着具を取付固定する構成とされている。このため、これを取外す場合は、運搬台車をキャスター装置6が下向きとされた常態姿勢から、キャスター装置6を上向きとするように裏返した反転姿勢としなければ、工具を使用することができない。
【0016】
また、長尺天板材11は、第1取付金具12については、常態姿勢とされた運搬台車の上方から工具を使用して取外すことが可能であるが、短尺天板材11との間で連結された第2取付金具13bを取外すためには、上述のように運搬台車を反転姿勢としなければ、工具を使用することができない。
【0017】
このように、先行技術の場合、天板材10、11を取外すためには、重い運搬台車を常態姿勢から反転姿勢となるように姿勢変更させる必要があり、補修や交換の後は、再度、常態姿勢に戻さなければならず、煩雑な作業と、重労働が強いられるという問題がある。
【0018】
本発明は、上記に鑑み、天板材の取外し作業や、補修後の天板材の再度の取付け作業又は交換する天板材の取付け作業等を容易に行うことができるようにした運搬台車を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
そこで、本発明が上記課題を解決するための手段として構成したところは、相互に直交するX方向とY方向に関して、X方向に延びる一対の第1フレームとY方向に延びる一対の第2フレームにより矩形に枠組みされた内部空間を形成する基枠を備え、前記基枠の下面に臨んでY方向に延びる底板部材をX方向に間隔をあけて固設し、前記底板部材の少なくとも内部空間の四隅近傍に臨む部位を支持部として該支持部にキャスター装置を垂設しており、前記内部空間のうち前記支持部を除く部位に天板部材を設けることにより底板部材よりも上位となる荷受面を形成し、前記底板部材の支持部により前記荷受面から凹陥された凹部を形成して成る運搬台車であり、前記天板部材は、前記内部空間のY方向の中央に位置して一対の第2フレームの間に嵌入固定される長尺天板材と、前記長尺天板材と第1フレームの間に嵌入固定される短尺天板材により構成されており、前記長尺天板材と第2フレームの間において、長尺天板材の両端部に雌ネジ手段を備えた取付金具を設けると共に、基枠の外側から第2フレームに挿通させられる取付ボルトを設け、第2フレームを挿通した取付ボルトの挿出部の雄ネジを前記取付金具の雌ネジ手段に螺着するように構成されて成る点にある。
【0020】
本発明の実施形態において、前記長尺天板材は、X方向に延びる荷受面を形成する天板部の両側縁から下向きの両側壁を設けた型材により形成され、両端部を開口しており、前記取付金具は、金属板を折曲することにより、前記長尺天板材の開口に臨まされる本体部と、該本体部から屈折して前記長尺天板材の側壁の内面に重合した状態で固着される脚部を備え、前記本体部に雌ネジ手段を設けており、前記第2フレームに挿通された取付ボルトの挿出部の雄ネジを前記雌ネジ手段に螺着するように構成されている。
【0021】
好ましくは、前記第2フレームは、基枠の内部空間に臨む内壁と外部空間に臨む外壁を備えたパイプ材により形成されており、前記外壁を貫通する大径孔と前記内壁を貫通する小径孔に対して、前記取付ボルトを挿通させるように構成しており、前記取付ボルトは、頭付きボルトから成り、頭部を前記外壁の外側面に当接し、ボルト軸部の前記小径孔から挿出された挿出部の雄ネジを前記取付金具の雌ネジ手段に螺着した状態で、パイプ変形防止手段を設けており、前記パイプ変形防止手段は、前記取付ボルトの頭部から大径孔を挿通してパイプ材の内部を延び、前記小径孔の周りで内壁に当接することにより前記内壁をパイプ材の内部から支持するように構成されている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、長尺天板材の取外し及び取付けのための作業は、運搬台車のキャスター装置を下向きとした常態姿勢のままで行うことができるので、先行技術に比して格段に容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】先行技術に係る運搬台車を示す斜視図である。
図2】先行技術に関して、反転姿勢した状態として、基枠と、底板部材と、キャスター装置を分解した状態を示す斜視図である。
図3】基枠に取付固定した底板部材にキャスター装置を装着した状態を示す斜視図である。
図4】先行技術に関して、常態姿勢とした状態で、基枠に対して、長尺天板材及び短尺天板材並びに取付金具を分解した状態を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る運搬台車を示す斜視図である。
図6】基枠に対して、長尺天板材及び短尺天板材並びに取付ボルトを分解した状態を示す斜視図である。
図7】長尺天板材と取付金具に関して、(A)は取付金具の1実施形態を示す斜視図、(B)は別の実施形態を示す斜視図である。
図8】長尺天板材に関して、(A)は長尺天板材に取付金具が取付けられた状態を示す斜視図、(B)は取付金具が取付けられた長尺天板材の端部を示す横断面図、(C)は第2フレームを挿通した取付ボルトにより前記取付金具が固着された状態を示す横断面図、(D)はパイプ変形防止手段の1例を示す横断面図、(E)はパイプ変形防止手段の他例を示す横断面図である。
図9】短尺天板材に関して、(A)は第1分割体と第2分割体を分離した状態を示す斜視図、(B)は両分割体を結合した状態を示す斜視図、(C)は両分割体を結合することにより構成された短尺天板材の端面図である。
図10】基枠の第1フレーム及び長尺天板材に対して、短尺天板材を分離した状態を示す斜視図である。
図11】基枠の第1フレーム及び長尺天板材に対して、短尺天板材を取付固定した状態を示す斜視図である。
図12】短尺天板材に関して、(A)は基枠の第1フレーム及び長尺天板材と短尺天板材の取付固定された構造部分を示す縦断面図、(B)はパイプ変形防止手段の1例を示す縦断面図、(C)はパイプ変形防止手段の他例を示す縦断面図である。
図13】常態姿勢とした運搬台車から短尺天板材を取外した状態を示す斜視図である。
図14】常態姿勢とした運搬台車から長尺天板材を取外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図5ないし図14は、本発明に係る運搬台車の好ましい実施形態を示している。
【0025】
運搬台車は、相互に直交するX方向とY方向に関して、X方向に延びる一対の第1フレーム21、21とY方向に延びる一対の第2フレーム22、22により矩形に枠組みされた内部空間を形成する基枠23を備えており、前記基枠23の下面に臨んでY方向に延びる底板部材24をX方向に間隔をあけて固設し、底板部材24により形成された支持部25にキャスター装置26を垂設している。
【0026】
図2及び図3に示した先行技術と同様に、前記底板部材24は、少なくとも、第2フレーム22、22の下面にオーバラップした状態で第1フレーム21、21に架設される前後位置の底板部材24a、24aを含んでおり、少なくとも内部空間の四隅近傍に臨む部位に支持部25を形成し、四隅近傍に臨んで4個のキャスター装置26が配設されている。図示実施の場合、X方向の中間部にも底板部材24bが設けられており、該底板部材24bの両側部(第1フレーム21の近傍部)に形成された支持部25にキャスター装置26を垂設することにより、合計6個のキャスター装置が配設されている。しかしながら、キャスター装置26の個数は、運搬台車の大小サイズに応じて増減することが可能であり、少なくとも四隅近傍に対応して4個以上が設けられていれば良い。
【0027】
図5及び図6に示すように、基枠23で囲まれた内部空間のうち前記支持部25を除く部位に天板部材27が設けられ、これにより、底板部材24よりも上位となる荷受面28が形成される。
【0028】
従って、前記底板部材24の支持部25は、前記荷受面28から凹陥された凹部29の底部を形成する。これにより、複数の台車を上下に積層したとき、上層の台車のキャスター装置26が下層の台車の凹部28に嵌まり込むように構成されている。
【0029】
前記荷受面27は、積み荷を積載するための平面を提供しており、基枠23(第1フレーム21及び第2フレーム22)の上面とほぼ面一となるように形成されている。
【0030】
以上の構成は、図1ないし図4に基づいて上述した先行技術における構成と同様であり、本発明は、主として天板部材27の構成、特に、その取付け及び取外しに関して構成されたものである。
【0031】
(天板部材)
前記天板部材27は、前記内部空間のY方向の中央に位置して一対の第2フレーム22、22の間に嵌入固定される長尺天板材30と、前記長尺天板材30と第1フレーム21の間に嵌入固定される短尺天板材38により構成されている。
【0032】
(長尺天板材)
図6ないし図8に示すように、長尺天板材30は、X方向に延びる荷受面28を形成する天板部30aのY方向に臨む両側縁から下向きの両側壁30b、30bを設けた型材により形成されており、型材を所定長さに裁断されることにより、両端部を開口している。
【0033】
長尺天板材30は、両端の開口部に雌ネジ手段31を設けた取付金具32が固着されており、第2フレーム22、22の間に嵌入された状態で、基枠23の外側から第2フレーム22、22に挿通された取付ボルト33の先端の雄ネジ34を前記雌ネジ手段31に螺着することにより、取付固定される。
【0034】
図示実施形態の場合、2本の長尺天板材30、30が近接した並設で設置されており、このため、第2フレーム22、22のそれぞれに2個のボルト挿通孔35が貫設され、それぞれ2本の取付ボルト33が挿通させられるように構成されている。ただし、長尺天板材30の本数は任意に選択可能であり、幅広に形成したものを1本だけ装着するように構成しても良い。
【0035】
(取付金具の実施形態)
図7(A)及び図8(A)に示す実施形態において、取付金具32は、金属板を折曲することにより、前記長尺天板材30の開口部を横断する本体部32aと、該本体部32aの両端から屈折することにより長尺天板材30の両側壁30bの内面に重合させられる脚部32bを備え、該脚部32bを側壁30bにリベット等の固着具36により固着されている。図示実施形態の場合、前記雌ネジ手段31は、本体部32aの中央部にバーリング加工を施すことにより一体に形成しているが、別体のナットを溶接等で固着することにより形成しても良い。
【0036】
(取付金具の別の実施形態)
図7(B)は、取付金具32の別の実施形態を示している。図示のように、取付金具32は、金属板をほぼL形に折曲することにより本体部32aと脚部32bを形成し、本体部32aを長尺天板材30の開口部に臨ませ、脚部32bを一方の側壁30bの内面に固着具で固着するように構成されており、本体部32aに雌ネジ手段31を設けている。
【0037】
前記取付ボルト33は、頭部33aと軸部33bを有する頭付きボルトにより構成されており、基枠23の外側から第2フレーム22のボルト挿通孔35に挿入され、挿出された軸部33bの先端の雄ネジ34を前記取付金具32の雌ネジ手段31に螺着される。
【0038】
この際、第2フレーム22は、基枠23の内部空間に臨む内壁22bと外部空間に臨む外壁22aを備えた角形のパイプ材により形成されており、前記外壁22aを貫通する大径孔35aと前記内壁22bを貫通する小径孔35bにより前記ボルト挿通孔35を構成している。
【0039】
そこで、取付ボルト33は、頭部33aを前記外壁22aの外側面に当接し、軸部33bを前記小径孔35bに挿通させ、挿出された先端の雄ネジ34を前記取付金具32の雌ネジ手段31に螺着されるように構成されており、その際、パイプ変形防止手段37が設けられている。
【0040】
図8(D)は、パイプ変形防止手段37の1例を示しており、この場合、取付ボルト33の軸部33bは、大径孔35aを挿通するが小径孔35bを挿通しない大径軸部37aと、該大径軸部の先端から延びて小径孔35bに挿通させられる雄ネジ34を設けた小径軸部を備えている。従って、前記大径軸部37aは、取付ボルト33の頭部33aから大径孔35aを挿通してパイプ材の内部を延び、前記小径孔35bの周りで内壁22bに当接する。これにより、取付ボルト33の頭部33aと前記内壁22bの間の距離が縮まらないように相互に支持されているので、取付ボルト33を強く締結したときでも、図示鎖線で示すような両壁22a、22bの凹曲変形等を生じることはなく、歪等の発生を防止することができる。
【0041】
図8(E)は、パイプ変形防止手段37の別の例を示しており、筒状のカラー37bにより構成されている。この場合、カラー37bは、大径孔35aを挿通してパイプ材の内部を延び、前記小径孔35bの周りで内壁22bに当接する。取付ボルト33は、頭部33aをカラー37bの端面に当接した状態で、軸部33bを該カラー37b及び小径孔35bに挿通させ、先端の雄ネジ34を前記取付金具32の雌ネジ手段31に螺着する。この例では、カラー37bにより、取付ボルト33の頭部33aと前記内壁22bの間の距離が縮まらないように相互に支持されているので、取付ボルト33を強く締結したときでも、図示鎖線で示すような両壁22a、22bの凹曲変形等を生じることはなく、歪等の発生を防止することができる。
【0042】
(短尺天板材)
図6並びに図9ないし図12に短尺天板材38を示している。図9に示すように、短尺天板材38は、荷受面28を形成する天板部38aと、天板部38aのX方向の一方の側縁から下向きに折曲された側壁38bと、該側縁38bの下縁から屈折された翼部38cと、天板部38aのX方向の他方の側縁の下側に形成された継手リブ39を備えた型材より形成された第1分割体38Aと第2分割体38Bにより構成されている。
【0043】
そして、第1分割体38Aと第2分割体38Bの継手リブ39を結合することにより、両分割体38A、38Bの天板部38aをX方向にほぼ面一となるように連設させ、これにより、1個の短尺天板材38が構成される。
【0044】
継手リブ39は、第1分割体38Aにおいては断面C形とされた小径リブ39aにより形成され、第2分割体38Bにおいては断面C形とされると共に前記小径リブ39aを内嵌可能とした大径リブ39bにより形成されている。そこで、図9(A)に示すように、大径リブ39bのスリットを介して、小径リブ39aを大径リブ39bに摺動させながら挿入することにより、両リブが結合され、小径リブ39aの筒孔を短尺天板材38のY方向に貫通して延設した筒状手段40が形成される。
【0045】
このため、図示実施形態の場合、短尺天板材38は、図10及び図11に示すように、第1分割体38Aと第2分割体38Bを結合することにより形成される。しかしながら、本発明において、短尺天板材38は、全体が一体成形されたものとすることが可能であり、その際、天板部38aに筒状手段40を一体に形成したものとすれば良い。
【0046】
このように筒状手段40を備えた短尺天板材38は、第1フレーム21と長尺天板材30の間に嵌入した状態で、基枠23の外側から第1フレーム21に挿通された取付ボルト41を更に前記筒状手段40に挿通させることにより、固定保持される。
【0047】
図示実施形態の場合、取付ボルト41は、筒状手段40から挿出された先端の雄ネジ42を長尺天板材30の側壁30bに設けられた雌ネジ手段43に螺着することにより、取付固定される。このため、長尺天板材30の側壁30bの所定位置には、雌ネジ手段43を構成するナット43aが予め設けられている。
【0048】
更に、図示実施形態の場合、短尺天板材38は、翼部38cが底板部材24に載置されるように構成されており、上方から着脱自在とされる固着具44により取付固定される。固着具44は、例えば、タッピングビス等のように、上方から回転工具を使用することにより、螺入自在かつ引抜き自在に構成されている。
【0049】
図12に示すように、前記取付ボルト41は、頭部41aから長く延びる軸部41bを有する頭付きボルトにより構成されており、基枠23の外側から第1フレーム21のボルト挿通孔45に挿入され、挿出された軸部41bの先端の雄ネジ42を前記雌ネジ手段43に螺着される。
【0050】
この際、第1フレーム21は、基枠23の内部空間に臨む内壁21bと外部空間に臨む外壁21aを備えた角形のパイプ材により形成されており、前記外壁21aを貫通する大径孔45aと前記内壁21bを貫通する小径孔45bにより前記ボルト挿通孔45を構成している。
【0051】
そこで、取付ボルト41は、頭部41aがワッシャーを介して前記外壁21aの外側面に当接され、軸部41bが前記小径孔45bに挿通され、短尺天板材38の筒状手段40を通じて挿出された先端の雄ネジ42を前記雌ネジ手段43に螺着するように構成されており、その際、パイプ変形防止手段46が設けられている。
【0052】
図12(B)は、パイプ変形防止手段46の1例を示しており、筒状のカラー46aにより構成されている。この場合、カラー46aは、大径孔45aを挿通してパイプ材の内部を延び、前記小径孔45bの周りで内壁21bに当接する。取付ボルト41は、頭部41aをカラー46aの端面に当接した状態で、軸部41bを該カラー46aに挿通させ、先端において雄ネジ42が前記雌ネジ手段43に螺着される。この状態で、カラー37bにより、取付ボルト41の頭部41aと前記内壁21bの間の距離が縮まらないように相互に支持されているので、取付ボルト41を強く締結したときでも、図示鎖線で示すような両壁21a、21bの凹曲変形等を生じることはなく、歪等の発生を防止することができる。
【0053】
図12(C)は、パイプ変形防止手段46の別の例を示しており、この場合、取付ボルト41の軸部41bは、大径孔45aを挿通するが小径孔45bを挿通しない大径軸部46bと、該大径軸部の先端から延び小径孔45bに挿通させられる雄ネジ42を設けた小径軸部を備えている。従って、前記大径軸部46bは、取付ボルト41の頭部41aから大径孔45aを挿通してパイプ材の内部を延び、前記小径孔45bの周りで内壁21bに当接することにより、取付ボルト41の頭部41aと前記内壁21bの間の距離が縮まらないように相互に支持している。従って、取付ボルト41を強く締結したときでも、図示鎖線で示すような両壁21a、21bの凹曲変形等を生じることはなく、歪等の発生を防止することができる。
【0054】
(短尺天板材の取外し)
図13は、所望の短尺天板材38を取外した状態を示している。図示のように、運搬台車は、キャスター装置を下向きとした常態姿勢のままとされ、この状態で、第1フレーム21の外側から回転工具を使用し、取付ボルト41の雄ネジ42を雌ネジ手段43から離脱させ、短尺天板材38の筒状手段40から抜き取ることにより、短尺天板材38を簡単容易に取外すことができる。
【0055】
図示実施形態の場合、取付け状態の短尺天板材38は、固着具44により翼部38cを底板部材24に固定されているが、上述のように、固着具44を上方から着脱自在とされるタッピングビス等により構成しているので、常態姿勢とされた運搬台車の上方から容易に取外すことが可能である。
【0056】
尚、短尺天板材38を再び取付固定する場合も、運搬台車を常態姿勢としたままの状態で作業を行うことができる。
【0057】
(長尺天板材の取外し)
図14は、所望の長尺天板材30を取外した状態を示している。図示のように、運搬台車は、キャスター装置を下向きとした常態姿勢のままとされ、この状態で、第2フレーム22の外側から回転工具を使用し、取付ボルト33の雄ネジ34を取付金具32の雌ネジ手段31から離脱させることにより、長尺天板材30を簡単容易に取外すことができる。
【0058】
図示実施形態の場合、取付け状態の長尺天板材30は、側壁30bの雌ネジ手段43が短尺天板材38の筒状手段40を挿通した取付ボルト41に螺着されているが、上述のように、取付ボルト41は第1フレーム21の外側から回転させることにより、雌ネジ手段43から離脱させることができるので、運搬台車を常態姿勢としたままで作業を行うことが妨げられることはない。
【0059】
尚、長尺天板材30を再び取付固定する場合も、運搬台車を常態姿勢としたままの状態で作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0060】
(先行技術)
1 第1フレーム
2 第2フレーム
3 基枠
4、4a、4b 底板部材
5 支持部
6、6a、6b キャスター装置
7 天板部材
8 荷受面
9 凹部
10 長尺天板材
10a 天板部
10b 側壁
11 短尺天板材
11a 天板部
11b 側壁
12 第1取付金具
13a、13b 第2取付金具
(本発明の実施形態)
21 第1フレーム
21a 外壁
21b 内壁
22 第2フレーム
22a 外壁
22b 内壁
23 基枠
24、24a、24b 底板部材
25 支持部
26、26a、26b キャスター装置
27 天板部材
28 荷受面
29 凹部
30 長尺天板材
30a 天板部
30b 側壁
31 雌ネジ手段
32 取付金具
32a 本体部
32b 脚部
33 取付ボルト
33a 頭部
33b 軸部
34 雄ネジ
35 ボルト挿通孔
35a 大径孔
35b 小径孔
36 固着具
37 パイプ変形防止手段
37a 大径軸部
37b カラー
38 短尺天板材
38A 第1分割体
38B 第2分割体
38a 天板部
38b 側壁
38c 翼部
39 継手リブ
39a 小径リブ
39b 大径リブ
40 筒状手段
41 取付ボルト
41a 頭部
41b 軸部
42 雄ネジ
43 雌ネジ手段
43a ナット
44 固着具
45 挿通孔
45a 大径孔
45b 小径孔
46 パイプ変形防止手段
46a カラー
46b 大径軸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14