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  • 特開-記録システム、記録装置、制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077171
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】記録システム、記録装置、制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240531BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B41J2/01 305
B41J29/38 301
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189068
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小松 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 裕樹
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EB13
2C056EB45
2C056EC26
2C056HA28
2C056HA33
2C056HA58
2C061AQ05
2C061HJ04
2C061HJ07
2C061HK11
(57)【要約】
【課題】記録品質の低下を抑制できる記録システム、記録装置、制御方法を提供する。
【解決手段】液体を吐出し、媒体18の記録面18fに記録を行う記録部30と、記録部30により記録された媒体18を排出する排出部であって、記録面18fを下向きにして媒体18を排出する第1排出部31と、記録部30により記録された媒体18を排出する排出部であって、記録面18fを上向きにして媒体18を排出する第2排出部32と、外部制御部13と、を備える記録システム11において、外部制御部13は、所定の媒体18が記録対象として設定される場合、所定の媒体18における記録面18fに触れないように警告するメッセージ20を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出し、媒体の記録面に記録を行う記録部と、
前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を下向きにして前記媒体を排出する第1排出部と、
前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を上向きにして前記媒体を排出する第2排出部と、
制御部と、
を備える記録システムにおいて、
前記制御部は、
所定の媒体が記録対象として設定される場合、前記所定の媒体における前記記録面に触れないように警告するメッセージを出力することを特徴とする記録システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記媒体の種類を選択させる設定画面を表示部に出力し、
前記設定画面において前記所定の媒体が選択される場合、前記メッセージを出力することを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記設定画面において、前記所定の媒体が選択される場合、かつ、前記所定の媒体を排出する排出部として前記第1排出部が設定される場合、前記メッセージを出力することを特徴とする請求項2に記載の記録システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記設定画面において、前記所定の媒体が選択される場合、前記所定の媒体を排出する排出部として前記第1排出部を設定することを特徴とする請求項2に記載の記録システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記設定画面において、前記所定の媒体が選択される場合、かつ、前記所定の媒体を排出する排出部として前記第2排出部が設定される場合、前記メッセージを出力しないことを特徴とする請求項2に記載の記録システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記メッセージを出力した後に、ユーザーが前記メッセージを確認したことを示す情報を受け付けるまで前記メッセージを報知させることを特徴とする請求項2に記載の記録システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記所定の媒体へ記録を開始する入力を受け付けた後に、前記メッセージを出力することを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1排出部により前記所定の媒体が排出された後に、前記メッセージを出力することを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項9】
前記所定の媒体は、写真用紙であることを特徴とする請求項1~請求項8のうち何れか一項に記載の記録システム。
【請求項10】
前記記録部と、前記第1排出部と、前記第2排出部と、前記制御部が出力する前記メッセージを報知する報知部と、を備える記録装置を備えることを特徴とする請求項1~請求項8のうち何れか一項に記載の記録システム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記メッセージを前記報知部に報知させる場合、前記メッセージを報知させた後に所定の時間が経過したら前記メッセージの報知を止めることを特徴とする請求項10に記載の記録システム。
【請求項12】
前記記録部と、前記第1排出部と、前記第2排出部と、を備える装置本体と、
原稿を読み取る読取部を備える読取本体と、
を備え、
前記読取本体は、鉛直方向において前記装置本体の上方に設けられ、
前記第1排出部は、前記鉛直方向において、前記装置本体と前記読取本体との間に設けられることを特徴とする請求項1~請求項8のうち何れか一項に記載の記録システム。
【請求項13】
液体を吐出し、媒体の記録面に記録を行う記録部と、
前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を下向きにして前記媒体を排出する第1排出部と、
前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を上向きにして前記媒体を排出する第2排出部と、
報知部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
所定の媒体が前記第1排出部により排出される場合、前記所定の媒体における前記記録面に触れないように警告するメッセージを前記報知部に報知させることを特徴とする記録装置。
【請求項14】
液体を吐出し、媒体の記録面に記録を行う記録部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を下向きにして前記媒体を排出する第1排出部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を上向きにして前記媒体を排出する第2排出部と、を備える記録装置を制御する制御方法において、
所定の媒体が記録対象として設定される場合、前記所定の媒体における前記記録面に触れないように警告するメッセージを出力する工程を含むことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録システム、記録装置、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、記録ヘッドから液体の一例であるインクを吐出して、媒体の一例である用紙に記録する記録装置の一例である画像形成装置がある。画像形成装置は、開閉搬送部材を備える。画像形成装置は、用紙の腰の強さに応じて開閉搬送部材を開閉させることで、用紙を搬送する経路を切りかえる。
【0003】
開閉搬送部材が閉状態である場合、用紙は、記録面の一例である画像面を下にして排出トレイに排出される。開閉搬送部材が開状態である場合、用紙は、画像面を上にして反転排紙トレイに排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-35683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
媒体の中には、記録面の乾燥に時間を要するものがある。乾燥していない状態で記録面が触られた場合、未乾燥の液体が媒体に対してずれたり、剥がれたりして記録品質が低下してしまう虞がある。しかし、記録面を下にした状態で媒体が排出されると、ユーザーから記録面が見えないため、ユーザーは記録面に触れてしまう虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する記録システムは、液体を吐出し、媒体の記録面に記録を行う記録部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を下向きにして前記媒体を排出する第1排出部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を上向きにして前記媒体を排出する第2排出部と、制御部と、を備える記録システムにおいて、前記制御部は、所定の媒体が記録対象として設定される場合、前記所定の媒体における前記記録面に触れないように警告するメッセージを出力する。
【0007】
上記課題を解決する記録装置は、液体を吐出し、媒体の記録面に記録を行う記録部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を下向きにして前記媒体を排出する第1排出部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を上向きにして前記媒体を排出する第2排出部と、報知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、所定の媒体が前記第1排出部により排出される場合、前記所定の媒体における前記記録面に触れないように警告するメッセージを前記報知部に報知させる。
【0008】
上記課題を解決する制御方法は、液体を吐出し、媒体の記録面に記録を行う記録部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を下向きにして前記媒体を排出する第1排出部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を上向きにして前記媒体を排出する第2排出部と、を備える記録装置を制御する制御方法において、所定の媒体が記録対象として設定される場合、前記所定の媒体における前記記録面に触れないように警告するメッセージを出力する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】記録システムの一実施形態の模式図である。
図2】媒体選択ルーチンを示すフローチャートである。
図3】記録ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、記録システム、記録装置、制御方法の一実施形態を、図面を参照して説明する。記録装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して記録するインクジェット式のプリンターである。
【0011】
<記録システム>
図1に示すように、記録システム11は、記録装置12と、制御部の一例である外部制御部13と、を備えてもよい。記録システム11は、外部装置14を備えてもよい。外部装置14は、外部制御部13を有してもよい。
【0012】
図面では、記録装置12及び外部装置14が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、X軸に平行な方向を幅方向X、Y軸に平行な方向を奥行方向Y、Z軸に平行な方向を鉛直方向Zともいう。
【0013】
外部制御部13は、外部装置14における各機構の駆動を統括的に制御し、外部装置14で実行される各種動作を制御してもよい。本実施形態の外部制御部13は、記録装置12と通信するためにインストールされたドライバーである。
【0014】
記録装置12と外部制御部13は、直接もしくはネットワークNTを介して接続される。接続とは、電気的な接続であって、有線の接続に限らず、無線の接続を含む。互いに接続された記録装置12及び外部装置14は、通信可能である。
【0015】
外部装置14は、例えばパーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレットなどにより構成してもよい。外部装置14は、表示部16を備えてもよい。表示部16は、例えばモニター、タッチパネルなどであってもよい。外部制御部13は、記録システム11、記録装置12、及び記録装置12で行う記録に関する情報を表示部16に表示させてもよい。
【0016】
外部制御部13は、媒体18の種類を選択させる設定画面19を表示部16に出力してもよい。ユーザーは、設定画面19において、記録に関する設定を行ってもよい。設定画面19では、記録装置12で記録を行う媒体18の選択が可能である。設定画面19では、記録した媒体18を排出する排出部の選択が可能であってもよい。外部制御部13は、設定された情報を記録装置12に出力する。
【0017】
外部制御部13は、所定の媒体18における記録面18fに触れないように警告するメッセージ20を表示部16に出力してもよい。外部制御部13は、設定画面19において所定の媒体18が選択される場合、メッセージ20を出力してもよい。所定の媒体18とは、例えば写真用紙である。所定の媒体18は、例えばコート紙、光沢紙のような液体が浸透しにくい媒体18であって、記録面18fの乾燥に時間を要する媒体18である。メッセージ20は、文字、画像などを含んでもよい。表示部16は、メッセージ20を表示することで、ユーザーに報知する。
【0018】
<記録装置>
図1に示すように、記録装置12は、報知部22と、読取本体23と、1以上の支柱24と、装置本体25と、を備えてもよい。
【0019】
報知部22は、モニター、タッチパネルなどを有し、表示部16と同様にメッセージ20を表示することでユーザーに報知してもよい。報知部22は、音を発することで報知を行うスピーカーを有してもよい。報知部22は、音声を流すことで報知を行ってもよいし、警告音などを発することで報知を行ってもよい。報知部22は、光を発することで報知を行うライトを有してもよい。報知部22は、光によって例えばメッセージ20を目立たせることで報知を行ってもよいし、光を点滅させることで報知を行ってもよい。
【0020】
読取本体23は、原稿を読み取る読取部27を備える。支柱24は、読取本体23を支持する。読取本体23は、鉛直方向Zにおいて装置本体25の上方に設けられてもよい。読取本体23は、鉛直方向Zにおいて装置本体25とは間隔をあけて設けられてもよい。
【0021】
記録装置12は、記録部30と、第1排出部31と、第2排出部32と、制御部の一例である付属制御部33と、を備える。記録部30、第1排出部31、及び第2排出部32は、装置本体25が備えてもよい。装置本体25は、排出カバー35と、切替機構36と、収容カセット37と、給送部38と、搬送部39と、支持部40と、スタッカー41と、を備えてもよい。
【0022】
図1では、媒体18が搬送される搬送経路43を一点鎖線で示す。搬送経路43は、収容カセット37と、第1排出部31もしくは第2排出部32と、を結ぶ経路である。搬送経路43は、第1排出部31に繋がる第1排出経路43fと、第2排出部32に繋がる第2排出経路43sと、に途中で分岐する。
【0023】
排出カバー35は、図示しない軸を中心として開閉してもよい。本実施形態の排出カバー35は、図1に実線で示す開位置と、図1に二点鎖線で示す閉位置と、に移動可能である。排出カバー35の回転軸は、収容カセット37に設けられてもよい。収容カセット37は、排出カバー35を引っ張ることにより、引き出し可能であってもよい。
【0024】
切替機構36は、例えばフラップによって媒体18を搬送する経路を切り替える。切替機構36は、排出カバー35の開閉に連動して経路の切り替えを行ってもよい。例えば、開位置に位置する排出カバー35が閉位置に移動した場合、切替機構36は、媒体18を搬送する経路を第2排出経路43sから第1排出経路43fに切り替えてもよい。すなわち、排出カバー35が閉位置に位置する場合、媒体18は第1排出部31により排出される。例えば、閉位置に位置する排出カバー35が開位置に移動した場合、切替機構36は、媒体18を搬送する経路を第1排出経路43fから第2排出経路43sに切り替えてもよい。排出カバー35が開位置に位置する場合、媒体18は第2排出部32により排出される。
【0025】
収容カセット37は、複数の媒体18を重ねた状態で収容可能であってもよい。
給送部38は、ピックアップローラー45と、分離ローラー46と、を備えてもよい。ピックアップローラー45は、収容カセット37に収容された媒体18に接触した状態で回転することにより、最も上に位置する媒体18を分離ローラー46に送る。分離ローラー46は、上から2枚目以降の媒体18を押し留めることで、媒体18を1枚ずつ分離する。給送部38は、収容カセット37に収容された媒体18を1枚ずつ搬送経路43に送り出す。
【0026】
搬送部39は、搬送経路43に沿って媒体18を搬送する。搬送部39は、搬送経路43に沿って設けられる複数の搬送ローラー48を備えてもよい。搬送ローラー48は、媒体18を挟んだ状態で回転することで、媒体18を搬送してもよい。
【0027】
支持部40は、搬送経路43を挟んで記録部30と対向する位置に設けられてもよい。支持部40は、媒体18のうち、少なくとも記録させる部分を支持してもよい。
記録部30は、液体を吐出する複数のノズル50を有してもよい。記録部30は、液体を吐出し、媒体18の記録面18fに記録を行う。記録面18fは、ノズル50に対向する面であって、支持部40に接触する裏面18bとは反対の面である。
【0028】
第1排出部31は、記録部30により記録された媒体18を排出する排出部である。第1排出部31は、記録面18fを下向きにして媒体18を排出する。第1排出部31は、所謂フェイスダウンで媒体18を排出する。第1排出部31は、鉛直方向Zにおいて、装置本体25と読取本体23との間に設けられてもよい。
【0029】
スタッカー41は、装置本体25の上面に設けられてもよい。スタッカー41は、第1排出部31により排出される媒体18を受ける。第1排出部31及びスタッカー41は、奥行方向Yにおいて報知部22より後方に位置してもよい。換言すると、報知部22は、奥行方向Yにおいて記録装置12の前方のユーザーに対して、スタッカー41よりも目立つ位置に設けられてもよい。第1排出部31は、一例として、媒体18を排出する排出ローラー対を備える。
【0030】
第2排出部32は、記録部30により記録された媒体18を排出する排出部である。第2排出部32は、記録面18fを上向きにして媒体18を排出する。第2排出部32は、所謂フェイスアップで媒体18を排出する。第2排出部32は、奥行方向Yにおいて第1排出部31より前方に設けられてもよい。開位置に位置する排出カバー35は、第2排出部32により排出される媒体18を受けてもよい。第2排出部32は、一例として、媒体18を排出する排出ローラー対を備える。
【0031】
付属制御部33は、記録装置12における各機構の駆動を統括的に制御し、記録装置12で実行される各種動作を制御する。付属制御部33は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0032】
<制御方法>
図2図3に示すフローチャートを参照し、記録装置12を制御する制御方法について説明する。
【0033】
<媒体選択ルーチン>
本実施形態では、図2に示す媒体選択ルーチンを外部制御部13が実行する。外部制御部13は、設定画面19において媒体18が選択されたタイミングで媒体選択ルーチンを実行してもよい。
【0034】
図2に示すように、ステップS101において、外部制御部13は、記録を行う媒体18として、所定の媒体18が選択されたか否かを判断する。選択されたものが所定の媒体18ではない場合、ステップS101がNOになり、外部制御部13は、処理を終了する。所定の媒体18である場合、ステップS101がYESになり、外部制御部13は、処理をステップS102に移行する。
【0035】
ステップS102において、外部制御部13は、所定の媒体18を排出する排出部として第1排出部31が設定されたか否かを判断してもよい。排出部の設定は、ユーザーが行ってもよいし、設定された媒体18に合わせてプログラムが行ってもよい。外部制御部13は、設定画面19において、所定の媒体18が選択される場合、所定の媒体18を排出する排出部として第1排出部31を設定してもよい。排出カバー35の開閉を検知する検知部(不図示)を設け、検知部の検知結果に基づいて、所定の媒体18を排出する排出部として第1排出部31を設定してもよい。
【0036】
第2排出部32が設定された場合、ステップS102がNOになり、外部制御部13は、処理を終了する。したがって、外部制御部13は、設定画面19において、所定の媒体18が選択される場合、かつ、所定の媒体18を排出する排出部として第2排出部32が設定される場合、メッセージ20を出力しない。第1排出部31が設定された場合、ステップS102がYESになり、外部制御部13は、処理をステップS103に移行する。
【0037】
ステップS103において、外部制御部13は、第1フラグが1であるか否かを判断してもよい。第1フラグは、不揮発性の記憶部に記憶されている。使用を開始する前の新品の状態では、第1フラグは1に設定されている。第1フラグが0である場合、ステップS103がNOになり、外部制御部13は、処理を終了する。第1フラグが1である場合、ステップS103がYESになり、外部制御部13は、処理をステップS104に移行する。
【0038】
ステップS104において、外部制御部13は、メッセージ20を出力する。記録装置12の制御方法は、所定の媒体18が記録対象として設定される場合、メッセージ20を出力する工程を含む。具体的には、外部制御部13は、メッセージ20を表示部16に表示させる。外部制御部13は、メッセージ20の表示に合わせて、ユーザーにメッセージ20の確認を求めてもよいし、ユーザーに今後のメッセージ20の必要性を確認してもよい。
【0039】
ステップS105において、外部制御部13は、ユーザーがメッセージ20を確認したか否か判断する。メッセージ20を確認したことを示す情報を取得していない場合、ステップS105がNOになり、外部制御部13は、メッセージ20を確認したことを示す情報を取得するまで待機する。すなわち、外部制御部13は、メッセージ20を出力した後に、ユーザーがメッセージ20を確認したことを示す情報を受け付けるまでメッセージ20を報知させる。
【0040】
ユーザーは、例えば表示部16に表示される確認ボタンを選択することで、メッセージ20を確認したことを示してもよい。メッセージ20を確認したことを示す情報を取得すると、ステップS105がYESになり、外部制御部13は、処理をステップS106に移行する。
【0041】
ステップS106において、外部制御部13は、今後もメッセージ20を表示させるか否かを判断する。メッセージ20を不要とする情報を取得した場合、ステップS106がNOになり、外部制御部13は、処理をステップS107に移行する。ステップS107において、外部制御部13は、第1フラグを0に設定する。
【0042】
メッセージ20を不要とする情報を取得していない場合、ステップS106がYESになり、外部制御部13は、第1フラグを1に設定したまま処理をステップS108に移行する。ステップS108において、外部制御部13は、報知を終了させる。すなわち、外部制御部13は、表示部16に表示されたメッセージ20を消す。
【0043】
<記録ルーチン>
本実施形態では、図3に示す記録ルーチンを付属制御部33が実行する。付属制御部33は、記録が開始されたタイミングで記録ルーチンを実行してもよい。付属制御部33は、記録された媒体18が排出されるタイミングで記録ルーチンを実行してもよい。付属制御部33は、外部制御部13から記録を開始する情報と共に、媒体18の種類、媒体18を排出する排出部などの記録に関する情報を取得してもよい。
【0044】
記録が開始されたタイミングで記録ルーチンを実行する場合、付属制御部33は、所定の媒体18へ記録を開始する入力を受け付けた後に、メッセージ20を出力する。記録された媒体18が排出されるタイミングで記録ルーチンを実行する場合、付属制御部33は、第1排出部31により所定の媒体18が排出された後に、メッセージ20を出力する。
【0045】
図3に示すように、ステップS201、ステップS202は、ステップS101、ステップS102と同様の処理であるため、説明を省略する。
ステップS203において、付属制御部33は、第2フラグが1であるか否かを判断してもよい。第2フラグは、不揮発性の記憶部に記憶されている。使用を開始する前の新品の状態では、第2フラグは1に設定されている。第2フラグが0である場合、ステップS203がNOになり、付属制御部33は、処理を終了する。第2フラグが1である場合、ステップS203がYESになり、付属制御部33は、処理をステップS204に移行する。
【0046】
ステップS204において、付属制御部33は、報知部22にメッセージ20を出力する。報知部22は、付属制御部33が出力するメッセージ20を報知する。付属制御部33は、メッセージ20の報知に合わせて、ユーザーにメッセージ20の確認を求めてもよいし、ユーザーに今後のメッセージ20の必要性を確認してもよい。
【0047】
ステップS205において、付属制御部33は、ユーザーがメッセージ20を確認したか否か判断する。メッセージ20を確認したことを示す情報を取得すると、ステップS205がYESになり、付属制御部33は、処理をステップS207に移行する。メッセージ20を確認したことを示す情報を取得していない場合、ステップS205がNOになり、付属制御部33は処理をステップS206に移行する。
【0048】
ステップS206において、付属制御部33は、メッセージ20の出力を行ってから所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間は、例えば数分であってもよい。所定時間は、記録が定着するのに要する時間、媒体18の表面が乾くのに要する時間などであってもよい。
【0049】
所定時間が経過していない場合、ステップS206がNOになり、付属制御部33は、処理をステップS205に移行する。付属制御部33は、メッセージ20を確認したことを示す情報を取得するか、所定時間が経過するまで待機する。所定時間が経過した場合、ステップS206がYESになり、付属制御部33は、処理をステップS207に移行する。
【0050】
ステップS207において、付属制御部33は、今後もメッセージ20を報知させるか否かを判断する。メッセージ20を不要とする情報を取得した場合、ステップS207がNOになり、付属制御部33は、処理をステップS208に移行する。ステップS208において、付属制御部33は、第2フラグを0に設定する。
【0051】
メッセージ20を不要とする情報を取得していない場合、ステップS207がYESになり、付属制御部33は、第2フラグを1にしたまま処理をステップS209に移行する。ステップS209において、付属制御部33は、報知を終了させる。
【0052】
<実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
外部制御部13と付属制御部33のうち少なくとも一方の制御部は、所定の媒体18が記録対象として設定される場合、所定の媒体18における記録面18fに触れないように警告するメッセージ20を出力する。すなわち、外部制御部13は、表示部16にメッセージ20を表示させてもよい。付属制御部33は、報知部22にメッセージ20を報知させてもよい。報知部22は、付属制御部33が出力するメッセージ20を報知してもよい。付属制御部33は、メッセージ20を報知部22に報知させる場合、メッセージ20を報知させた後に所定の時間が経過したらメッセージ20の報知を止めてもよい。
【0053】
外部制御部13は、設定画面19において所定の媒体18が選択される場合、かつ、所定の媒体18を排出する排出部として第1排出部31が設定される場合、メッセージ20を出力してもよい。すなわち、外部制御部13は、所定の媒体18が第1排出部31により排出される場合、メッセージ20を報知部22に報知させる。
【0054】
<実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)所定の媒体18が記録対象として設定される場合、記録された所定の媒体18の記録面18fに触れないように警告するメッセージ20を出力する。記録面18fの乾きやすさは、例えば、媒体18の種類によって異なる。そのため、乾きづらい媒体18が記録対象として設定される場合でも、ユーザーが記録面18fを触ってしまう虞を低減できる。したがって、記録品質の低下を抑制できる。
【0055】
(2)外部制御部13は、設定画面19において所定の媒体18が選択される場合に、記録面18fに触れないように警告するメッセージ20を出力する。したがって、選択された媒体18の取り扱いに注意が必要であることを、記録が開始される前に報知することができる。
【0056】
(3)外部制御部13は、所定の媒体18が選択され、かつ、所定の媒体18を排出する排出部として第1排出部31が設定される場合、記録面18fに触れないように警告するメッセージ20を出力する。したがって、媒体18の取り扱いに注意が必要な記録であることを、記録が開始される前に報知することができる。
【0057】
(4)外部制御部13は、所定の媒体18が選択された場合、所定の媒体18を排出する排出部として第1排出部31を設定する。したがって、ユーザーが排出部を設定する場合に比べてユーザーの手間を低減できる。
【0058】
(5)第2排出部32に排出された媒体18は、ユーザーが記録面18fを目視することができる。そのため、記録面18fが意図せずに触られてしまう可能性が低い。その点、外部制御部13は、第2排出部32が設定される場合に記録面18fを触れないように警告するメッセージ20を出力しない。したがって、記録面18fが触れられてしまう可能性が高い第1排出部31が設定される場合に集中してメッセージ20を出力することができる。
【0059】
(6)外部制御部13は、記録面18fを触れないように警告するメッセージ20を、ユーザーがメッセージ20を確認したことを示す情報を受け付けるまで報知させる。したがって、ユーザーに対して、より注意を促すことができる。
【0060】
(7)付属制御部33は、記録面18fを触れないように警告するメッセージ20を、記録を開始する入力を受け付けた後に出力する。したがって、ユーザーに対して、記録開始後に注意を促すことができる。
【0061】
(8)付属制御部33は、記録面18fに触れないように警告するメッセージ20を、媒体18が排出された後に出力する。メッセージ20によりユーザーに注意を促してから、ユーザーが媒体18を手に取るまでの時間を短くすることができるため、より注意を促すことができる。
【0062】
(9)写真用紙は、他の媒体18と比較して記録面18fが乾きづらい。さらに、写真用紙は記録面18fが光沢加工されているため、記録面18fが擦れてしまうと擦り傷が目立ってしまう。その点、記録面18fに触れないように警告するメッセージ20により注意を促すことができるため、写真用紙に記録を行う場合でも品質の低下を抑制できる。
【0063】
(10)例えば、媒体18の設定を行うための外部装置14と、媒体18に記録を行う記録装置12と、が離れた場所にある場合、ユーザーは、媒体18の設定を行った後、記録装置12に移動して記録された媒体18を手にする。この場合、記録面18fに触れないように警告するメッセージ20を、媒体18の設定を行うための外部装置14に表示すると、ユーザーがメッセージ20に気付かない虞がある。その点、記録面18fに触れないように警告するメッセージ20は、記録装置12が備える報知部22によって報知されるため、ユーザーに注意を促すことができる。
【0064】
(11)付属制御部33は、記録面18fに触れないように警告するメッセージ20の報知を、所定の時間が経過した後に止める。そのため、例えば、複数のユーザーで記録装置12を共有する場合でも、先のユーザーへの注意が、次のユーザーが使用するときまで残る虞を低減できる。
【0065】
(12)第1排出部31の上方に読取本体23が位置する場合、第1排出部31に排出された媒体18を視認しづらい。そのため、ユーザーが不用意に記録面18fに触れてしまう虞がある。その点、記録面18fに触れないように警告するメッセージ20により注意を促すことができるため、第1排出部31の上方に読取本体23が位置する場合でも品質の低下を抑制できる。
【0066】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0067】
・所定の媒体18は、例えば樹脂製のフィルム、樹脂製シート、紙と樹脂の複合体フィルム、金属箔、金属板、金属フィルム、樹脂と金属の複合体フィルム、セラミックシートなどであってもよい。紙と樹脂の複合体フィルムは、例えば樹脂含浸紙、樹脂コート紙などである。樹脂と金属の複合体フィルムは、例えばラミネートフィルムである。
【0068】
・所定の媒体18は、記録部30から第1排出部31までの搬送経路43の長さ、媒体18の搬送速度、気温、湿度などに応じて設定してもよい。記録部30によって記録された媒体18は、搬送される間に乾燥すると共に液体が浸透する。そのため、第1排出部31までの搬送で、記録が十分に定着しない可能性がある媒体18を所定の媒体18としてもよい。
【0069】
・第1排出部31と第2排出部32の少なくとも一方は、記録装置12とは別の装置に設けられてもよい。例えば、記録システム11は、記録部30を備える記録装置12とは別に、第1排出部31と第2排出の少なくとも一方を備える排出装置を備えてもよい。記録装置12は、記録した媒体18を排出装置に渡してもよい。排出装置は、例えば複数の媒体18をステープルで綴じるステープラー処理、媒体18に穴を開けるパンチ処理などを行う処理部を備えてもよい。
【0070】
・外部制御部13と付属制御部33の少なくとも一方は、所定の媒体18が第2排出部32に排出される場合にも、メッセージ20を出力してもよい。
・外部制御部13と付属制御部33の少なくとも一方は、排出される媒体18の記録面18fの向きも出力してもよい。
【0071】
・媒体18の両面に記録が可能な記録装置12の場合、外部制御部13と付属制御部33の少なくとも一方は、記録が片面にされているか、両面にされているかの情報も出力してもよい。
【0072】
・記録装置12は、読取本体23と、支柱24とを備えない構成としてもよい。報知部22は、装置本体25に設けられてもよい。
・読取本体23と支柱24は、一体で構成されてもよい。
【0073】
・第1排出部31は、装置本体25の側面から媒体18を排出してもよい。
・媒体18が第1排出部31から排出されるタイミングは、記録を終了してからの時間もしくは搬送部39を駆動するモーターの回転数で設定してもよい。媒体18が排出されるタイミングは、搬送経路43に設けられる図示しないセンサーが媒体18の端を検出してからの時間もしくは搬送部39を駆動するモーターの回転数で設定してもよい。
【0074】
・第1フラグと第2フラグの少なくとも一方は、例えば記録システム11における設定が初期化された場合に、1に設定されてもよい。
・第1フラグと第2フラグは、共通にしてもよい。外部装置14においてメッセージ20が不要との情報が入力された場合、記録装置12でのメッセージ20の報知も取り止めてもよい。記録装置12においてメッセージ20が不要との情報が入力された場合、外部装置14でのメッセージ20の報知も取り止めてもよい。
【0075】
・外部制御部13と付属制御部33は、メッセージ20を出力した場合、ユーザーがメッセージ20を確認したことを示す情報に関係なく、例えば所定時間までメッセージ20の出力を行ってもよい。
【0076】
・外部制御部13は、所定の媒体18へ記録を開始する入力を受け付けた後と、第1排出部31により所定の媒体18が排出された後の少なくとも一方のタイミングで、媒体選択ルーチンもしくは記録ルーチンを実行してもよい。
【0077】
・記録装置12は、媒体18の種類を選択させる設定画面19を表示する表示部16を備えてもよい。付属制御部33は、設定画面19において媒体18が選択された場合に、媒体選択ルーチンもしくは記録ルーチンを実行してもよい。記録装置12において媒体18の選択を可能にする場合、記録装置12は外部装置14を備えない構成としてもよい。
【0078】
・外部制御部13がメッセージ20を出力する出力先は、表示部16であってもよいし、記録装置12であってもよい。
・付属制御部33がメッセージ20を出力する出力先は、報知部22であってもよいし、外部装置14であってもよい。
【0079】
・外部制御部13は、表示部16にメッセージ20を表示させてから所定時間が経過したら、メッセージ20の報知をやめさせてもよい。
・付属制御部33は、所定時間が経過した後も、ユーザーが確認するまで報知を続けさせてもよい。
【0080】
・外部制御部13は、設定画面19において所定の媒体18が選択される場合、メッセージ20を出力してもよい。外部制御部13は、媒体18を排出する排出部が設定されるのを待たずにメッセージ20を出力してもよい。
【0081】
・付属制御部33は、設定画面19において所定の媒体18が選択される場合、メッセージ20を出力してもよい。付属制御部33は、媒体18を排出する排出部が設定されるのを待たずにメッセージ20を出力してもよい。
【0082】
・外部装置14は、報知部22を備えてもよい。外部装置14は、メッセージ20を、音、音声、光などによりメッセージ20の報知を行ってもよい。外部制御部13は、外部装置14が備える報知部22にメッセージ20を出力してもよい。
【0083】
・記録装置12は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりして記録を行う液体噴射装置であってもよい。液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する装置がある。液体噴射装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体噴射装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する装置であってもよい。液体噴射装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する装置であってもよい。
【0084】
[定義]
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0085】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0086】
(A)記録システムは、液体を吐出し、媒体の記録面に記録を行う記録部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を下向きにして前記媒体を排出する第1排出部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を上向きにして前記媒体を排出する第2排出部と、制御部と、を備える記録システムにおいて、前記制御部は、所定の媒体が記録対象として設定される場合、前記所定の媒体における前記記録面に触れないように警告するメッセージを出力する。
【0087】
この構成によれば、所定の媒体が記録対象として設定される場合、記録された所定の媒体の記録面に触れないように警告するメッセージを出力する。記録面の乾きやすさは、例えば、媒体の種類によって異なる。そのため、乾きづらい媒体が記録対象として設定される場合でも、ユーザーが記録面を触ってしまう虞を低減できる。したがって、記録品質の低下を抑制できる。
【0088】
(B)記録システムにおいて、前記制御部は、前記媒体の種類を選択させる設定画面を表示部に出力し、前記設定画面において前記所定の媒体が選択される場合、前記メッセージを出力してもよい。
【0089】
この構成によれば、制御部は、設定画面において所定の媒体が選択される場合に、記録面に触れないように警告するメッセージを出力する。したがって、選択された媒体の取り扱いに注意が必要であることを、記録が開始される前に報知することができる。
【0090】
(C)記録システムにおいて、前記制御部は、前記設定画面において、前記所定の媒体が選択される場合、かつ、前記所定の媒体を排出する排出部として前記第1排出部が設定される場合、前記メッセージを出力してもよい。
【0091】
この構成によれば、制御部は、所定の媒体が選択され、かつ、所定の媒体を排出する排出部として第1排出部が設定される場合、記録面に触れないように警告するメッセージを出力する。したがって、媒体の取り扱いに注意が必要な記録であることを、記録が開始される前に報知することができる。
【0092】
(D)記録システムにおいて、前記制御部は、前記設定画面において、前記所定の媒体が選択される場合、前記所定の媒体を排出する排出部として前記第1排出部を設定してもよい。
【0093】
この構成によれば、制御部は、所定の媒体が選択された場合、所定の媒体を排出する排出部として第1排出部を設定する。したがって、ユーザーが排出部を設定する場合に比べてユーザーの手間を低減できる。
【0094】
(E)記録システムにおいて、前記制御部は、前記設定画面において、前記所定の媒体が選択される場合、かつ、前記所定の媒体を排出する排出部として前記第2排出部が設定される場合、前記メッセージを出力しなくてもよい。
【0095】
第2排出部に排出された媒体は、ユーザーが記録面を目視することができる。そのため、記録面が意図せずに触られてしまう可能性が低い。その点、この構成によれば、制御部は、第2排出部が設定される場合に記録面を触れないように警告するメッセージを出力しない。したがって、記録面が触れられてしまう可能性が高い第1排出部が設定される場合に集中してメッセージを出力することができる。
【0096】
(F)記録システムにおいて、前記制御部は、前記メッセージを出力した後に、ユーザーが前記メッセージを確認したことを示す情報を受け付けるまで前記メッセージを報知させてもよい。
【0097】
この構成によれば、制御部は、記録面を触れないように警告するメッセージを、ユーザーがメッセージを確認したことを示す情報を受け付けるまで報知させる。したがって、ユーザーに対して、より注意を促すことができる。
【0098】
(G)記録システムにおいて、前記制御部は、前記所定の媒体へ記録を開始する入力を受け付けた後に、前記メッセージを出力してもよい。
この構成によれば、制御部は、記録面を触れないように警告するメッセージを、記録を開始する入力を受け付けた後に出力する。したがって、ユーザーに対して、記録開始後に注意を促すことができる。
【0099】
(H)記録システムにおいて、前記制御部は、前記第1排出部により前記所定の媒体が排出された後に、前記メッセージを出力してもよい。
この構成によれば、制御部は、記録面に触れないように警告するメッセージを、媒体が排出された後に出力する。メッセージによりユーザーに注意を促してから、ユーザーが媒体を手に取るまでの時間を短くすることができるため、より注意を促すことができる。
【0100】
(I)記録システムにおいて、前記所定の媒体は、写真用紙であってもよい。
写真用紙は、他の媒体と比較して記録面が乾きづらい。さらに、写真用紙は記録面が光沢加工されているため、記録面が擦れてしまうと擦り傷が目立ってしまう。その点、この構成によれば、記録面に触れないように警告するメッセージにより注意を促すことができるため、写真用紙に記録を行う場合でも品質の低下を抑制できる。
【0101】
(J)記録システムは、前記記録部と、前記第1排出部と、前記第2排出部と、前記制御部が出力する前記メッセージを報知する報知部と、を備える記録装置を備えてもよい。
例えば、媒体の設定を行うための装置と、媒体に記録を行う記録装置と、が離れた場所にある場合、ユーザーは、媒体の設定を行った後、記録装置に移動して記録された媒体を手にする。この場合、記録面に触れないように警告するメッセージを、媒体の設定を行うための装置に表示すると、ユーザーがメッセージに気付かない虞がある。その点、この構成によれば、記録面に触れないように警告するメッセージは、記録装置が備える報知部によって報知されるため、ユーザーに注意を促すことができる。
【0102】
(K)記録システムにおいて、前記制御部は、前記メッセージを前記報知部に報知させる場合、前記メッセージを報知させた後に所定の時間が経過したら前記メッセージの報知を止めてもよい。
【0103】
この構成によれば、制御部は、記録面に触れないように警告するメッセージの報知を、所定の時間が経過した後に止める。そのため、例えば、複数のユーザーで記録装置を共有する場合でも、先のユーザーへの注意が、次のユーザーが使用するときまで残る虞を低減できる。
【0104】
(L)記録システムは、前記記録部と、前記第1排出部と、前記第2排出部と、を備える装置本体と、原稿を読み取る読取部を備える読取本体と、を備え、前記読取本体は、鉛直方向において前記装置本体の上方に設けられ、前記第1排出部は、前記鉛直方向において、前記装置本体と前記読取本体との間に設けられてもよい。
【0105】
第1排出部の上方に読取本体が位置する場合、第1排出部に排出された媒体を視認しづらい。そのため、ユーザーが不用意に記録面に触れてしまう虞がある。その点、この構成によれば、記録面に触れないように警告するメッセージにより注意を促すことができるため、第1排出部の上方に読取本体が位置する場合でも品質の低下を抑制できる。
【0106】
(M)記録装置は、液体を吐出し、媒体の記録面に記録を行う記録部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を下向きにして前記媒体を排出する第1排出部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を上向きにして前記媒体を排出する第2排出部と、報知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、所定の媒体が前記第1排出部により排出される場合、前記所定の媒体における前記記録面に触れないように警告するメッセージを前記報知部に報知させる。この構成によれば、上記記録システムと同様の効果を奏することができる。
【0107】
(N)制御方法は、液体を吐出し、媒体の記録面に記録を行う記録部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を下向きにして前記媒体を排出する第1排出部と、前記記録部により記録された前記媒体を排出する排出部であって、前記記録面を上向きにして前記媒体を排出する第2排出部と、を備える記録装置を制御する制御方法において、所定の媒体が記録対象として設定される場合、前記所定の媒体における前記記録面に触れないように警告するメッセージを出力する工程を含む。この方法によれば、上記記録システムと同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0108】
11…記録システム、12…記録装置、13…外部制御部、14…外部装置、16…表示部、18…媒体、18b…裏面、18f…記録面、19…設定画面、20…メッセージ、22…報知部、23…読取本体、24…支柱、25…装置本体、27…読取部、30…記録部、31…第1排出部、32…第2排出部、33…付属制御部、35…排出カバー、36…切替機構、37…収容カセット、38…給送部、39…搬送部、40…支持部、41…スタッカー、43…搬送経路、43f…第1排出経路、43s…第2排出経路、45…ピックアップローラー、46…分離ローラー、48…搬送ローラー、50…ノズル、NT…ネットワーク、X…幅方向、Y…奥行方向、Z…鉛直方向。
図1
図2
図3