(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077191
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】成形材料管理システム
(51)【国際特許分類】
B29C 45/76 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
B29C45/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189107
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 総慈
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM19
4F206JA07
4F206JF01
4F206JL02
4F206JP11
4F206JP14
4F206JP27
4F206JP30
4F206JQ88
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】樹脂成形システムへの材料の誤投入を抑制可能な技術を提供する。
【解決手段】樹脂成形システムで使用される材料を管理する成形材料管理システムであって、材料ロット識別情報と、材料ロットを樹脂成形システムに投入可能か否かの情報を有する材料ロット状態情報と、を記憶する記憶部と、記憶部から材料ロット識別情報及び材料ロット状態情報を取得する取得部と、取得部が取得した材料ロット状態情報に基づいて、樹脂成形システムへの材料ロットの投入を制限するか否かを判定する判定部と、樹脂成形システムに材料ロットが投入される場合に操作される画面である操作画面を生成する画面生成部と、を備え、画面生成部は、判定部において、樹脂成形システムへの材料ロットの投入を制限すると判定された場合、一部の操作が制限された操作画面を生成する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成形システムで使用される材料を管理する成形材料管理システムであって、
前記材料のロットに関する情報である材料ロット識別情報と、前記材料の前記ロットである材料ロットを前記樹脂成形システムに投入可能か否かの情報を有する材料ロット状態情報と、を記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記材料ロット識別情報及び前記材料ロット状態情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記材料ロット状態情報に基づいて、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限するか否かを判定する判定部と、
前記樹脂成形システムに前記材料ロットが投入される場合に操作される画面である操作画面を生成する画面生成部と、を備え、
前記画面生成部は、
前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、一部の操作が制限された前記操作画面を生成する、
成形材料管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の成形材料管理システムであって、
前記画面生成部は、複数の前記材料ロット識別情報が表示された前記操作画面を生成する、
成形材料管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の成形材料管理システムであって、
前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、
前記画面生成部は、前記樹脂成形システムへの投入を制限すると判定された前記材料ロットを選択する操作が制限された前記操作画面を生成する、
成形材料管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の成形材料管理システムであって、
前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、
前記画面生成部は、前記樹脂成形システムへの投入を制限すると判定された前記材料ロットを前記樹脂成形システムに投入する操作が制限された前記操作画面を生成する、
成形材料管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の成形材料管理システムであって、
前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、
前記画面生成部は、前記樹脂成形システムへの投入を制限すると判定された前記材料ロットを廃棄する操作を可能とする前記操作画面を生成する、
成形材料管理システム。
【請求項6】
樹脂成形システムで使用される材料を管理する成形材料管理システムであって、
前記材料のロットに関する情報である材料ロット識別情報と、前記材料の前記ロットである材料ロットを前記樹脂成形システムに投入可能か否かの情報を有する材料ロット状態情報と、前記樹脂成形システムで成形された成形品の不良に関する数量情報である成形品不良情報と、を記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記材料ロット識別情報及び前記成形品不良情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記成形品不良情報に基づいて、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限するか否かを判定する判定部と、
前記樹脂成形システムに前記材料ロットが投入される場合に操作される画面である操作画面を生成する画面生成部と、を備え、
前記画面生成部は、
前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、一部の操作が制限された前記操作画面を生成する、
成形材料管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の成形材料管理システムであって、
前記取得部は、前記記憶部から前記材料ロット状態情報を取得し、
前記取得部が取得した前記成形品不良情報に基づいて、前記取得部が取得した前記材料ロット状態情報を変更する状態情報変更部を備え、
前記状態情報変更部は、
前記成形品不良情報が予め定められた範囲を逸脱している場合に、前記予め定められた範囲を逸脱している前記成形品不良情報を有する前記材料ロットの前記材料ロット状態情報を変更し、
前記画面生成部は、
前記状態情報変更部によって変更された前記材料ロット状態情報が表示された前記操作画面を生成する、
成形材料管理システム。
【請求項8】
樹脂成形システムで使用される材料を管理する成形材料管理システムであって、
前記材料のロットに関する情報である材料ロット識別情報と、前記材料の前記ロットである材料ロットを前記樹脂成形システムに投入可能か否かの情報を有する材料ロット状態情報と、前記材料ロットの不良に関する情報である材料ロット不良情報と、を記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記材料ロット識別情報及び前記材料ロット不良情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記材料ロット不良情報に基づいて、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限するか否かを判定する判定部と、
前記樹脂成形システムに前記材料ロットが投入される場合に操作される画面である操作画面を生成する画面生成部と、を備え、
前記画面生成部は、
前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、一部の操作が制限された前記操作画面を生成する、
成形材料管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の成形材料管理システムであって、
前記取得部は、前記記憶部から前記材料ロット状態情報を取得し、
前記取得部が取得した前記材料ロット不良情報に基づいて、前記取得部が取得した前記材料ロット状態情報を変更する状態情報変更部を備え、
前記状態情報変更部は、
前記材料ロット不良情報が不良である前記材料ロットが供給された日時を含む予め定められた期間に、前記材料ロット不良情報が不良である前記材料ロットの供給元から供給された前記材料ロットの、前記材料ロット状態情報を変更し、
前記画面生成部は、
前記状態情報変更部によって変更された前記材料ロット状態情報が表示された前記操作画面を生成する、
成形材料管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、成形材料管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、射出成形機の最適成形条件設定システムが開示されている。この最適成形条件設定システムでは、成形品に発生する不良現象に基づいて、その不良現象が発生する不良原因が推定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
成形品の不良原因が成形に使用される材料であると推定される場合、ユーザーは、成形品の成形において、特定の期間に特定の供給元から供給された材料の使用を禁止する場合がある。このとき、例えば、使用を禁止するべき材料を決定するユーザーと、材料を樹脂成形システムに投入するユーザーが異なる場合、使用を禁止するべき材料が誤って樹脂成形システムに投入されてしまう可能性があった。そのため、樹脂成形システムへの材料の誤投入を抑制可能な技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、成形材料管理システムが提供される。この成形材料管理システムは、樹脂成形システムで使用される材料を管理する成形材料管理システムであって、前記材料のロットに関する情報である材料ロット識別情報と、前記材料の前記ロットである材料ロットを前記樹脂成形システムに投入可能か否かの情報を有する材料ロット状態情報と、を記憶する記憶部と、前記記憶部から前記材料ロット識別情報及び前記材料ロット状態情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記材料ロット状態情報に基づいて、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限するか否かを判定する判定部と、前記樹脂成形システムに前記材料ロットが投入される場合に操作される画面である操作画面を生成する画面生成部と、を備え、前記画面生成部は、前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、一部の操作が制限された前記操作画面を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】成形材料管理システムの概略構成を示す説明図。
【
図2】管理装置が実行する材料ロット状態情報変更処理の工程を説明する図。
【
図5】管理装置が実行する材料ロット投入処理の工程を示す図。
【
図10】第2実施形態で実行される成形準備処理の工程を説明する図。
【
図17】第3実施形態における成形準備処理の工程を説明する図。
【
図21】第4実施形態における材料ロット投入処理の工程を示す図。
【
図23】第5実施形態における成形材料管理システムの概略構成を示す説明図。
【
図24】第6実施形態における成形材料管理システムの概略構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
図1は、成形材料管理システム10の概略構成を示す説明図である。成形材料管理システム10は、樹脂成形システム100で使用される材料を管理する。成形材料管理システム10は、樹脂成形システム100と、端末装置200と、管理装置300と、を備える。本実施形態では、樹脂成形システム100は、射出成形機110と、材料乾燥機120と、検査装置130と、から構成される。管理装置300は、射出成形機110、材料乾燥機120、検査装置130、および、端末装置200と通信可能に接続されている。本実施形態では、管理装置300は、これらの装置とネットワークNTを介して相互に通信可能に構成されている。ネットワークNTは、例えば、LANであってもよいし、WANであってもよいし、インターネットであってもよい。なお、射出成形機110と材料乾燥機120と検査装置130とは、例えば同一の筐体あるいは連結された筐体に配置され、一体的に組み合わせられていてもよい。また、樹脂成形システム100は、射出成形機110と材料乾燥機120と検査装置130とを1台ずつ備えるのではなく、複数台ずつ備えてもよい。
【0008】
射出成形機110は、射出成形を行う装置である。射出成形機110は、第1制御部111と、それぞれ図示しない射出装置と型締装置を備えている。型締装置には、キャビティーを有する成形型が装着される。成形型は、金属製でもよいし、セラミック製でもよいし、樹脂製でもよい。金属製の成形型のことを金型と呼ぶ。第1制御部111は、1つまたは複数のプロセッサーと、記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備えるコンピューターによって構成されている。第1制御部111は、複数のコンピューターによって構成されてもよい。材料乾燥機120の第2制御部121、および、検査装置130の第3制御部131についても、第1制御部111と同様の構成である。
【0009】
第1制御部111は、射出成形機110の各部を制御して射出成形を行い、成形品を成形する。より具体的には、第1制御部111は、型締装置を制御して成形型を型締めし、射出装置を制御して材料を可塑化した造形材料を成形型に射出することによって、成形型に設けられたキャビティーの形状に応じた形状を有する成形品を成形する。成形された成形品は、図示していない取り出しロボット等の搬送装置によって検査装置130に搬送される。
【0010】
第1制御部111は、射出成形に関する物理量を表す稼動データを管理装置300に送信する。射出成形機110の稼動データには、射出成形機110に備えられた各種センサーによって計測された計測値と、射出成形に関する各種指令値とが含まれる。指令値は、例えば、射出充填時間や射出圧力、設定温度など、射出成形機110に設定される値であり、計測値は、これらの実際の値をセンサーによって計測した値である。
【0011】
材料乾燥機120は、射出成形機110に供給する材料を乾燥させる装置である。材料乾燥機120は、第2制御部121と、それぞれ図示していない加熱器と乾燥ホッパーとを備える。材料乾燥機120は、空気中の水分を吸湿剤によって除去し、その乾燥空気を加熱器によって加熱して乾燥ホッパーに送り込み、乾燥ホッパー内に貯留された材料を乾燥させる。第2制御部121は、加熱器による乾燥温度や、加熱ホッパーに送り込む乾燥空気の風量を制御する。第2制御部121は、材料の乾燥が完了した場合、その旨を管理装置300に送信する。材料乾燥機120と射出成形機110が一体的に組み合わせられている場合、乾燥された材料は、図示していない圧送ポンプによって射出成形機110に圧送される。材料乾燥機120と射出成形機110が一体的に組み合わせられていない場合、乾燥された材料は、ユーザーによって射出成形機110へ搬送される。
【0012】
検査装置130は、成形品の検査を行う装置である。検査装置130は、第3制御部131と図示しないカメラとによって構成される。第3制御部131は、カメラを制御して成形品を撮像し、撮像した成形品を画像解析することによって、成形品の寸法測定および外観検査を行う。第3制御部131は、成形品の寸法として、例えば、成形品の高さや、全長、全幅などを測定する。また、第3制御部131は、外観検査において、例えば、キズや反りといった、成形品の不良を検査する。第3制御部131は、成形品毎に寸法及び外観検査の結果に基づいて成形品が不良であるか否かを判定し、その判定結果である検査結果を管理装置300に送信する。なお、検査装置130は、成形品の寸法をカメラではなく、各種の変位センサーや測長センサーを用いて測定してもよい。
【0013】
端末装置200は、CPUと記憶装置と表示部250とを備えるコンピューターとして構成されている。端末装置200としては、例えば、タブレット端末やノート型パソコン、スマートフォン、ハンディターミナルを適用できる。表示部250には、管理装置300から出力された各種の画面が表示される。表示部250には、タッチパネル機能が備えられてもよい。表示部250は、管理装置300に備えられてもよい。
【0014】
管理装置300は、処理部301と、記憶部302と、通信制御部303と、を備えるコンピューターによって構成されている。処理部301は、1つ又は複数のプロセッサーおよび主記憶装置を備えている。記憶部302は、ハードディスクドライブなどの補助記憶装置により構成される。通信制御部303は、射出成形機110や材料乾燥機120、検査装置130、端末装置200などの他の装置との通信を制御するための通信回路を備えている。
【0015】
記憶部302には、材料種別識別情報と、材料ロット識別情報と、材料ロット状態情報と、が関連付けて記憶される。
【0016】
材料種別識別情報は、材料の品目に関する情報であり、それぞれの材料の品目に割り当てられた識別情報である。材料種別識別情報は、例えば、材料の品目名、それぞれの材料の品目に割り当てられたID番号等である。
【0017】
材料ロット識別情報は、材料のロットに関する情報である。以下では、材料のロットを材料ロットとも呼ぶ。材料ロット識別情報は、それぞれの材料ロットに割り当てられた識別情報である。材料ロット識別情報は、例えば、それぞれの材料ロットに割り当てられたID番号等である。
【0018】
材料ロット状態情報は、材料ロットを樹脂成形システム100に投入可能か否かの情報を有する。ここで、材料ロットを樹脂成形システム100に投入するとは、材料ロットを射出成形機110または材料乾燥機120に投入することを意味する。材料ロットを樹脂成形システム100に投入可能である場合、材料ロット状態情報は「使用可」である。材料ロットを樹脂成形システム100に投入できない場合、材料ロット状態情報は「停止中」である。
【0019】
さらに、記憶部302には、射出成形機110の稼動データと、検査装置130による成形品の検査結果が記憶される。成形品の検査結果が不良であった場合、記憶部302には、検査結果が不良であった成形品の成形に使用された材料の材料ロット識別情報と、検査結果とが関連付けられて記憶される。また、記憶部302には、成形品の成形に使用された材料の材料ロット識別情報と、成形された成形品の各ロットに割り当てられた識別情報が関連付けられて記憶される。また、記憶部302には、材料ロットの供給元と、材料ロットが供給元から供給された日付等が記憶される。
【0020】
処理部301は、取得部310と、判定部320と、画面生成部330と、状態情報変更部340と、を備える。取得部310と、判定部320と、画面生成部330と、状態情報変更部340は、処理部301が記憶部302に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらは回路によって実現されてもよい。
【0021】
取得部310は、記憶部302から、材料ロット識別情報及び材料ロット状態情報を含む情報を取得する。
【0022】
判定部320は、取得部310が取得した材料ロット状態情報に基づいて、樹脂成形システム100への材料ロットの投入を制限するか否かを判定する。
【0023】
画面生成部330は、ユーザーが材料を管理する場合に操作される画面を生成する。画面生成部330は、生成した画面を端末装置200に送信する。端末装置200は、画面生成部330によって生成された画面を取得し、その画面を表示部250に表示する。
【0024】
状態情報変更部340は、取得部310が取得した材料ロット状態情報を変更する。
【0025】
図2は、管理装置300が実行する材料ロット状態情報変更処理の工程を説明する図である。材料ロット状態情報変更処理は、例えば、特定の材料ロットが成形品の不良の原因と推定される場合に、予め定められた操作が管理装置300に対して行われた場合に実行される。
【0026】
ステップS10において、画面生成部330は、材料ロット状態情報を変更する材料ロットをユーザーが検索するための材料ロット検索画面SC1を生成する。
【0027】
図3は、材料ロット検索画面SC1を示す図である。ステップS10において、ユーザーは、
図3に示す材料ロット検索画面SC1を用いて、材料ロット状態情報を変更する材料ロットを、管理装置300のシステム上で検索する。材料ロット検索画面SC1には、材料ロット検索領域RG1が設けられている。材料ロット検索領域RG1には、材料ロット識別情報として材料ロット番号が入力される入力欄BX1と、工場内での材料ロットの在庫位置が入力される入力欄BX2と、供給元での材料のロット番号であるベンダーロット番号が入力される入力欄BX3と、材料種別識別情報として材料品目名が入力される入力欄BX4と、成形品が成形された期間が入力される入力欄BX5およびBX6と、検索ボタンBT1と、が設けられている。ユーザーは、材料ロット状態情報を変更する材料ロットに関する情報を入力欄BX1からBX6の少なくとも一つに入力し、検索ボタンBT1をクリックする。
【0028】
図2のステップS20において、取得部310は、材料ロット検索画面SC1の入力欄BX1からBX6に入力された情報に一致する材料ロットの情報を記憶部302から取得する。
【0029】
ステップS30において、画面生成部330は、ステップS20で取得部310が取得した材料ロットの情報に基づいて、
図4に示す材料ロット一覧画面SC2を生成する。
【0030】
図4は、材料ロット一覧画面SC2を示す図である。材料ロット一覧画面SC2には、材料ロット検索領域RG1と、ロット停止ボタンBT2と、検索結果表示領域RG2と、が設けられている。検索結果表示領域RG2には、各材料ロットについて、材料種別識別情報である材料の品目名、材料ロット識別情報である材料ロット番号、材料ロットの在庫数、材料ロット状態情報、供給元から材料ロットが受け入れられた日時、及び、ベンダーロット番号が表示されている。材料ロット状態情報が「使用可」である場合、材料ロット状態情報は、例えば緑色で表示される。材料ロット状態情報が「停止中」である場合、材料ロット状態情報は、例えば灰色で表示される。また、検索結果表示領域RG2には、各材料ロットに対応づけられた、材料ロットを選択するためのチェックボックスC1が設けられている。
【0031】
図2のステップS40において、状態情報変更部340は、樹脂成形システム100に投入するべきでない材料ロット、すなわち、成形品の不良の原因であると推定される材料ロットの材料ロット状態情報を変更する。ここで、成形品の不良の原因であると推定される材料ロットとは、例えば、成形品の不良率が予め定められた値よりも大きい成形品の成形に使用された材料ロットや、前述した材料ロットと同時期に同じ供給元から供給された材料ロットである。ユーザーは、樹脂成形システム100に投入するべきでない材料ロットのうち、材料ロット状態情報が「使用可」である材料ロットのチェックボックスC1にチェックを入力し、ロット停止ボタンBT2をクリックする。上述した操作が実行された場合、状態情報変更部340は、選択された材料ロットの材料ロット状態情報を、「使用可」から「停止中」へ変更する。なお、状態情報変更部340は、材料ロット状態情報を変更する権限を有するユーザーが材料ロット一覧画面SC2を操作した場合に、材料ロット状態情報を「使用可」から「停止中」へ変更することが好ましい。
【0032】
図2のステップS50において、処理部301は、材料ロット識別情報と、ステップS40で変更された材料ロット状態情報を関連付けて記憶部302に記憶させる。また、処理部301は、材料ロット状態情報が変更された日時を記憶部302に記憶させる。以上のようにして、材料ロット状態情報変更処理が実行される。
【0033】
図5は、樹脂成形システム100に材料ロットが投入される場合、すなわち、材料乾燥機120または射出成形機110に材料ロットが投入される場合に管理装置300が実行する材料ロット投入処理の工程を示す図である。材料ロット投入処理が実行される前に、
図2に示す材料ロット状態情報変更処理が実行されている。
【0034】
ステップS110において、画面生成部330は、樹脂成形システム100に投入する材料ロットをユーザーが検索するための材料ロット投入準備画面SC3を生成する。
【0035】
図6は、材料ロット投入準備画面SC3を示す図である。ステップS110において、ユーザーは、材料ロット投入準備画面SC3を用いて、樹脂成形システム100に投入する材料ロットを管理装置300のシステム上で検索する。材料ロット投入準備画面SC3には、
図3に示す材料ロット検索画面SC1と同様に、入力欄BX1からBX6と、検索ボタンBT1と、が設けられている。ユーザーは、樹脂成形システム100に投入する材料の材料種別識別情報を入力欄BX4に入力し、検索ボタンBT1をクリックする。
【0036】
図5のステップS120において、取得部310は、材料ロット投入準備画面SC3の入力欄BX4に入力された材料種別識別情報の材料から構成される材料ロットの材料ロット識別情報と、その材料ロット識別情報に関連付けられている材料ロット状態情報を含む情報を、記憶部302から取得する。
【0037】
ステップS130において、画面生成部330は、材料ロット投入画面SC4を生成する。
【0038】
図7は、材料ロット投入画面SC4を示す図である。材料ロット投入画面SC4は、樹脂成形システム100に材料ロットが投入される場合に操作される画面である。ここで、樹脂成形システム100に材料ロットが投入される場合に操作される画面を、操作画面とも呼ぶ。材料ロット投入画面SC4には、材料ロット検索領域RG1と、検索結果表示領域RG12と、ロット停止ボタンBT12と、ロット廃棄ボタンBT13と、が設けられている。ロット廃棄ボタンBT13は、材料ロットを廃棄する場合に使用されるボタンである。本実施形態では、ロット廃棄ボタンBT13は、ユーザーがクリックできないように、操作が制限されている。
【0039】
検索結果表示領域RG12には、ステップS120で取得部310が情報を取得した各材料ロットについて、材料種別識別情報である材料の品目名、材料ロット識別情報である材料ロット番号、材料ロットの在庫数、材料ロット状態情報、供給元から材料ロットが受け入れられた日時、及び、ベンダーロット番号が表示されている。すなわち、検索結果表示領域RG12には、複数の材料ロット識別情報が表示されている。また、検索結果表示領域RG12には、材料投入ボタンBT14と、各材料ロットに対応づけられた、材料ロットを選択するためのチェックボックスC11とが設けられている。
【0040】
図5のステップS140において、処理部301は、樹脂成形システム100に投入する材料ロットの選択をユーザーから受け付ける。ユーザーは、
図7に示す材料ロット投入画面SC4の検索結果表示領域RG12に表示されている材料ロットのうち、樹脂成形システム100に投入する材料ロットに対応するチェックボックスC11にチェックを入力し、材料投入ボタンBT14をクリックする。
【0041】
図5のステップS150において、判定部320は、ステップS120で取得部310が取得した材料ロット状態情報に基づいて、樹脂成形システム100への材料ロットの投入を制限するか否かを判定する。判定部320は、ステップS140で選択された材料ロットの材料ロット状態情報が「使用可」である場合、その材料ロットの樹脂成形システム100への投入を制限しないと判定する。この場合、ステップS150の後にステップS160が実行される。また、判定部320は、ステップS140で選択された材料ロットの材料ロット状態情報が「停止中」である場合、その材料ロットの樹脂成形システム100への投入を制限すると判定する。この場合、ステップS150の後にステップS170が実行される。
【0042】
ステップS160において、画面生成部330は、ユーザーによる操作が制限されない操作画面である、材料ロット投入可能画面SC5を生成する。
【0043】
図8は、材料ロット投入可能画面SC5を示す図である。材料ロット投入可能画面SC5には、
図5のステップS140で選択された材料ロットの材料ロット識別情報である材料ロット番号が表示されている。材料ロット投入可能画面SC5には、樹脂成形システム100に投入される材料の重量が入力される入力欄BX11と、追加ボタンBT15と、が設けられている。入力欄BX11に情報が入力された状態で追加ボタンBT15がクリックされると、管理装置300は、システム上で、ステップS140で選択された材料ロットの樹脂成形システム100への投入処理を実行する。管理装置300は、例えば、樹脂成形システム100に材料ロットが投入された旨の通知を表示部250に表示させる。
【0044】
図5のステップS170において、画面生成部330は、ユーザーによる操作が一部制限された操作画面である、材料ロット投入停止画面SC6を生成する。
【0045】
図9は、材料ロット投入停止画面SC6を示す図である。材料ロット投入停止画面SC6には、ステップS140で選択された材料ロットの材料ロット識別情報である材料ロット番号と、「停止中の材料ロットです。」というメッセージが表示されている。材料ロット投入停止画面SC6には、入力欄BX11と、追加ボタンBT16と、が設けられている。追加ボタンBT16は、ユーザーがクリックできないように、操作が制限されている。そのため、ステップS170では、管理装置300は、ステップS140で選択された材料ロットの樹脂成形システム100へのシステム上での投入処理を実行しない。以上で説明したようにして、材料ロット投入処理が実行される。
【0046】
以上で説明した第1実施形態における成形材料管理システム10によれば、材料ロット状態情報変更処理において、状態情報変更部340は、材料ロット一覧画面SC2でユーザーが選択した材料ロットの材料ロット状態情報を「使用可」から「停止中」に変更する。そのため、樹脂成形システム100に投入するべきでない材料をユーザーが決定することができる。
【0047】
また、本実施形態では、材料ロット投入処理において、判定部320が、材料ロット状態情報が「停止中」である材料ロットの樹脂成形システム100への投入を制限すると判定する。そして、樹脂成形システム100への材料ロットの投入を制限すると判定部320で判定された場合、画面生成部330は、一部の操作が制限された操作画面である材料ロット投入停止画面SC6を生成する。材料ロット投入停止画面SC6は、追加ボタンBT16をユーザーがクリックできないように操作が制限されている。そのため、管理装置300は、システム上での樹脂成形システム100への材料ロットの投入処理を実行しない。したがって、材料ロット状態情報が「停止中」である材料ロット、すなわち、樹脂成形システム100に投入するべきでない材料ロットを、樹脂成形システム100に誤って投入してしまうことを抑制できる。結果として、成形品の不良の原因であると推定される材料ロットを使用して成形品を生産することを抑制でき、不良品の生産を抑制できる。
【0048】
また、材料ロット投入処理を実行するユーザーが材料ロット状態情報変更処理を実行したユーザーと異なる場合、材料ロット投入処理を実行するユーザーは、材料ロット状態情報変更処理を実行したユーザーが材料ロット状態情報を「停止中」に変更した材料ロットを、樹脂成形システム100に投入することができない。そのため、材料ロット投入処理を実行するユーザーが、樹脂成形システム100に投入するべきでない材料を誤投入することを抑制できる。
【0049】
B.第2実施形態:
第1実施形態では、材料ロットが樹脂成形システム100に投入される前、すなわち、材料ロットが材料乾燥機120または射出成形機110に投入される前に、材料ロット状態情報変更処理が実行される。これに対して、第2実施形態では、材料ロットが材料乾燥機120に投入された後、かつ、材料乾燥機120に投入された材料ロットが射出成形機110に投入される前に、材料ロット状態情報変更処理が実行される。第2実施形態における材料ロット状態情報変更処理は、例えば、材料ロット状態情報が「使用可」である材料ロットが材料乾燥機120に投入された後に、その材料ロットが成形品の不良の原因であると推定されることが判明した場合に実行される。
【0050】
図10は、第2実施形態で実行される成形準備処理の工程を説明する図である。成形準備処理は、射出成形機110で成形品の成形が開始される前に実行される処理である。
【0051】
ステップS210において、成形品の成形に使用される材料ロットが材料乾燥機120で乾燥される。
【0052】
図11は、材料乾燥機120で材料が乾燥される場合に、画面生成部330が生成する材料乾燥開始画面SC7を示す図である。材料乾燥開始画面SC7には、材料ロット表示領域RG21と、追加ボタンBT21と、開始ボタンBT22と、が設けられている。
【0053】
図12は、乾燥情報入力画面SC8を示す図である。乾燥情報入力画面SC8は、材料乾燥開始画面SC7の追加ボタンBT21がクリックされた場合に、画面生成部330によって生成される。乾燥情報入力画面SC8には、材料ロット識別情報が入力される入力欄BX21と、乾燥させる材料の重量が入力される入力欄BX22と、追加ボタンBT23と、が設けられている。ユーザーは、材料乾燥機120で材料を乾燥させる場合、乾燥させる材料ロットの材料ロット識別情報である材料ロット番号を入力欄BX21に、乾燥させる材料ロットの重量を入力欄BX22に入力し、追加ボタンBT23をクリックする。
【0054】
入力欄BX21及び入力欄BX22に情報が入力された状態で追加ボタンBT23がクリックされた場合、画面生成部330は、乾燥情報入力画面SC8に入力された材料ロットの情報が材料ロット表示領域RG21に表示された材料乾燥開始画面SC7を生成する。ユーザーは、材料ロット表示領域RG21に表示されている材料ロットを材料乾燥機120に投入し、開始ボタンBT22をクリックする。材料ロット表示領域RG21に材料ロットの情報が表示された状態で開始ボタンBT22がクリックされた場合、管理装置300は、材料乾燥機120に指令を送信し、材料の乾燥を開始させる。
【0055】
図10のステップS220において、材料ロット状態情報変更処理が実行される。ステップS220で実行される材料ロット状態情報変更処理は、
図2に示した第1実施形態での材料ロット状態情報変更処理と同じである。ステップS220において、状態情報変更部340は、ステップS210で材料乾燥機120に投入された材料ロットの材料ロット状態情報を「使用可」から「停止中」に変更する。状態情報変更部340は、例えば、材料乾燥機120に投入された後に、成形品の不良の原因であると推定されることが判明した材料ロットの材料ロット状態情報を、「使用可」から「停止中」に変更する。
【0056】
ステップS230において、生産準備開始処理が実行される。生産準備開始処理は、射出成形機110で成形品の成形が開始される場合に管理装置300が実行する処理である。
【0057】
図13は、生産準備開始処理の工程を説明する図である。
【0058】
ステップS235において、画面生成部330は、成形品の成形に使用する射出成形機110と、射出成形機110が実行する成形品の成形ジョブと、をユーザーが選択する成形ジョブ選択画面SC9を生成する。
【0059】
図14は、成形ジョブ選択画面SC9を示す図である。成形ジョブ選択画面SC9には、成形機選択領域RG31と、ジョブ選択領域RG32と、選択ボタンBT31と、が設けられている。
【0060】
図13のステップS240において、処理部301は、成形品の成形に使用する射出成形機110と、射出成形機110が実行する成形品の成形ジョブと、の選択をユーザーから受け付ける。
図14に示す成形ジョブ選択画面SC9の成形機選択領域RG31には、樹脂成形システム100が有する射出成形機110の一覧が表示されている。ユーザーは、成形機選択領域RG31に表示されている射出成形機110の中から、成形品の成形に使用する射出成形機110を選択する。成形機選択領域RG31で射出成形機110が選択された場合、ジョブ選択領域RG32には、成形機選択領域RG31で選択された射出成形機110で実行可能な成形品の成形ジョブの一覧が表示される。ユーザーは、ジョブ選択領域RG32に表示される成形ジョブの中から、実行する成形ジョブを選択し、選択ボタンBT31をクリックする。なお、成形ジョブには、成形品の成形に使用される予定の材料ロットの、材料ロット識別情報が関連付けられている。
【0061】
図13のステップS245において、取得部310は、材料乾燥機120による乾燥が完了しており、かつ、ステップS240で選択された射出成形機110に投入される予定の材料ロットの、材料ロット識別情報及び材料ロット状態情報を、記憶部302から取得する。ここで、取得部310が材料ロット識別情報及び材料ロット状態情報を取得する材料ロットは、ステップS240で選択された成形ジョブで使用される予定の材料ロットである。
【0062】
ステップS250において、判定部320は、ステップS245で取得された材料ロットの材料ロット状態情報が「使用可」である場合、その材料ロットの射出成形機110への投入を制限しないと判定する。この場合、ステップS250の後にステップS255が実行される。また、判定部320は、ステップS245で取得された材料ロットの材料ロット状態情報が「停止中」である場合、その材料ロットの射出成形機110への投入を制限すると判定する。この場合、ステップS250の後にステップS265が実行される。
【0063】
ステップS255において、画面生成部330は、ユーザーによる操作が制限されない操作画面である、生産準備可能画面SC10を生成する。
【0064】
図15は、生産準備可能画面SC10を示す図である。生産準備可能画面SC10には、ユーザーの識別情報が入力される入力欄BX31と、生産開始ボタンBT32と、ジョブ情報表示領域RG33と、が設けられている。ユーザーの識別情報は、例えば、ユーザーのID番号である。ジョブ情報表示領域RG33には、例えば、成形品の品目名、成形で使用される金型、成形品の生産数、生産開始時刻、生産終了時刻等の情報が表示されている。
【0065】
図13のステップS260において、ユーザーは、射出成形機110による成形品の成形の準備を行う。ユーザーは、生産準備可能画面SC10の入力欄BX31にユーザーの識別情報を入力し、段取作業を実施する。ここで、段取作業とは、射出成形機110のホッパーに材料を投入する、射出成形機110に金型を取り付ける、射出成形機110の射出装置や金型を予熱する、等の作業である。ユーザーは、段取作業が完了した後で、生産開始ボタンBT32をクリックする。生産開始ボタンBT32がクリックされた場合、管理装置300は、射出成形機110に指令を送信し、成形品の成形を開始させる。
【0066】
ステップS265において、画面生成部330は、ユーザーによる操作の一部が制限される操作画面である、生産準備停止画面SC11を生成する。
【0067】
図16は、生産準備停止画面SC11を示す図である。生産準備停止画面SC11には、入力欄BX31と、生産開始ボタンBT33と、ジョブ情報表示領域RG33と、が設けられている。生産開始ボタンBT33は、ユーザーがクリックできないよう、操作が制限されている。そのため、ステップS265では、管理装置300は、射出成形機110に成形品の成形を開始させる指令を送信しない。以上で説明したようにして、生産準備開始処理が実行される。
【0068】
以上で説明した第2実施形態における成形材料管理システム10によれば、成形準備処理において、材料乾燥機120による乾燥が完了しており、かつ、射出成形機110に投入されていない材料ロットの材料ロット状態情報が「使用可」から「停止中」に変更される。また、生産準備開始処理において、取得部310が取得した材料ロットの材料ロット状態情報が「停止中」である場合、判定部320は、その材料ロットの射出成形機110への投入を制限すると判定する。そして、樹脂成形システム100への材料ロットの投入を制限すると判定部320で判定された場合、画面生成部330は、一部の操作が制限された操作画面である生産準備停止画面SC11を生成する。このとき生成される生産準備停止画面SC11は、生産開始ボタンBT33をユーザーがクリックできないように操作が制限されている。そのため、材料乾燥機120に材料ロットを投入した後に、その材料ロットが成形品の不良の原因であると推定されることが判明した場合でも、材料乾燥機120に投入した材料ロットを射出成形機110に投入することを抑制できる。したがって、成形品の不良の原因と推定される材料ロットを使用して成形品を成形することを抑制でき、不良品の生産を抑制できる。
【0069】
C.第3実施形態:
第1実施形態では、材料ロットが樹脂成形システム100に投入される前、すなわち、材料ロットが材料乾燥機120または射出成形機110に投入される前に、材料ロット状態情報変更処理が実行される。これに対して、第3実施形態では、材料ロットが射出成形機110に投入された後、かつ、射出成形機110による成形品の成形が開始される前に、材料ロット状態情報変更処理が実行される。第3実施形態における材料ロット状態情報変更処理は、例えば、材料ロット状態情報が「使用可」である材料ロットが射出成形機110に投入された後に、その材料ロットが成形品の不良の原因であると推定されることが判明した場合に実行される。また、第3実施形態における材料ロット状態情報変更処理は、例えば、成形品の成形が完了した後に、その成形品の成形に使用された、既に射出成形機110に投入されている材料ロットを使用して別品目の成形品が成形される場合に、射出成形機110に投入されている材料ロットが成形品の不良の原因であると推定されることが判明した場合に実行される。
【0070】
図17は、第3実施形態における成形準備処理の工程を説明する図である。なお、
図10に示した第2実施形態における成形準備処理と同様の処理が実行される部分については、同一の符号を付記し、説明を省略する。
【0071】
ステップS215において、材料乾燥機120で乾燥された材料ロットが、射出成形機110に投入される。
【0072】
ステップS221において、材料ロット状態情報変更処理が実行される。ステップS221で実行される材料ロット状態情報変更処理は、
図2に示した第1実施形態での材料ロット状態情報変更処理と同じである。ステップS221において、状態情報変更部340は、ステップS215で射出成形機110に投入された材料ロットの材料ロット状態情報を「使用可」から「停止中」に変更する。状態情報変更部340は、例えば、射出成形機110に投入された後に、成形品の不良の原因であると推定されることが判明した材料ロットの材料ロット状態情報を、「使用可」から「停止中」に変更する。
【0073】
ステップS300において、生産開始処理が実行される。生産開始処理は、射出成形機110で成形品の成形が開始される場合に管理装置300が実行する処理である。
【0074】
図18は、生産開始処理の工程を説明する図である。なお、
図13に示した第2実施形態における生産準備開始処理と同様の処理が実行される部分については、同一の符号を付記し、説明を省略する。
【0075】
ステップS305において、取得部310は、ステップS240で選択された射出成形機110に投入されている材料ロットの、材料ロット識別情報及び材料ロット状態情報を、記憶部302から取得する。
【0076】
ステップS310において、判定部320は、射出成形機110に投入されている材料ロットを用いた成形品の成形を制限するか否かを判定する。判定部320は、ステップS305で取得された材料ロットの材料ロット状態情報が「使用可」である場合、その材料ロットを用いた成形品の成形を制限しないと判定する。この場合、ステップS310の後にステップS315が実行される。また、判定部320は、ステップS305で取得された材料ロットの材料ロット状態情報が「停止中」である場合、その材料ロットを用いた成形品の成形を制限すると判定する。この場合、ステップS310の後にステップS320が実行される。
【0077】
ステップS315において、画面生成部330は、ユーザーによる操作が制限されない画面である生産可能画面SC12を生成する。
【0078】
図19は、生産可能画面SC12を示す図である。生産可能画面SC12には、
図15に示す生産準備可能画面SC10と同様に、入力欄BX31と、ジョブ情報表示領域RG33と、生産開始ボタンBT32と、が設けられている。ユーザーは、入力欄BX31にユーザーの識別情報を入力し、生産開始ボタンBT32をクリックする。生産開始ボタンBT32がクリックされた場合、管理装置300は、射出成形機110に指令を送信し、成形品の成形を開始させる。
【0079】
ステップS320において、画面生成部330は、ユーザーによる操作の一部が制限される画面である生産停止画面SC13を生成する。
【0080】
図20は、生産停止画面SC13を示す図である。生産停止画面SC13には、
図16に示す生産準備停止画面SC11と同様に、入力欄BX31と、ジョブ情報表示領域RG33と、生産開始ボタンBT33と、が設けられている。生産開始ボタンBT33は、ユーザーがクリックできないよう、操作が制限されている。そのため、ステップS320では、管理装置300は、射出成形機110に成形品の成形を開始させる指令を送信しない。以上で説明したようにして、生産開始処理が実行される。
【0081】
以上で説明した第3実施形態における成形材料管理システム10によれば、成形準備処理において、射出成形機110に投入されている材料ロットの材料ロット状態情報が「使用可」から「停止中」に変更される。また、生産準備開始処理において、取得部310が取得した材料ロットの材料ロット状態情報が「停止中」である場合、判定部320は、その材料ロットを用いた成形品の成形を制限すると判定する。そして、射出成形機110に投入された材料ロットを用いた成形品の成形を制限すると判定部320で判定された場合、画面生成部330は、一部の操作が制限される生産準備停止画面SC11を生成する。このとき生成される生産準備停止画面SC11は、生産開始ボタンBT33をユーザーがクリックできないように操作が制限されている。そのため、射出成形機110に材料ロットを投入した後に、その材料ロットが成形品の不良の原因であると推定されることが判明した場合でも、その材料ロットを用いた成形品の成形を抑制することができる。したがって、成形品の不良の原因と推定される材料ロットを使用して成形品を成形することを抑制でき、不良品の生産を抑制できる。
【0082】
D.第4実施形態:
第1実施形態における材料ロット投入処理では、材料ロット投入準備画面SC3で選択された材料ロットの材料ロット状態情報が「停止中」である場合に、一部の操作が制限された操作画面である材料ロット投入停止画面SC6が生成される。これに対して、第4実施形態における材料ロット投入処理では、取得部310が取得した材料ロットの材料ロット状態情報が「停止中」である場合に、一部の操作が制限された操作画面が生成される。
【0083】
図21は、第4実施形態において管理装置300が実行する、材料ロット投入処理の工程を示す図である。なお、
図5に示した第1実施形態における材料ロット投入処理と同様の処理が実行される部分については、同一の符号を付記し、説明を省略する。
【0084】
ステップS151において、判定部320は、ステップS120で取得部310が取得した材料ロットの材料ロット状態情報が「使用可」である場合、その材料ロットの樹脂成形システム100への投入を制限しないと判定する。この場合、ステップS151の後にステップS161が実行される。また、判定部320は、ステップS120で取得部310が取得した材料ロットの材料ロット状態情報が「停止中」である場合、その材料ロットの樹脂成形システム100への投入を制限すると判定する。この場合、ステップS151の後にステップS171が実行される。
【0085】
ステップS161において、画面生成部330は、ユーザーによる操作が制限されない操作画面を生成する。ステップS161で生成される操作画面は、
図7に示した材料ロット投入画面SC4と同じ画面である。
【0086】
ステップS171において、画面生成部330は、ユーザーによる操作の一部が制限される操作画面である、第2材料ロット投入画面SC14を生成する。
【0087】
図22は、第2材料ロット投入画面SC14を示す図である。第2材料ロット投入画面SC14は、ステップS151で樹脂成形システム100への投入を制限すると判定された材料ロットを選択する操作が制限された画面である。第2材料ロット投入画面SC14は、チェックボックスC12を除いて、
図7に示す材料ロット投入画面SC4と同じ構成である。第2材料ロット投入画面SC14では、ステップS151で樹脂成形システム100への投入を制限すると判定された材料ロットに対応するチェックボックスC12をユーザーが選択できないように、操作が制限されている。
図22に示す例では、検索結果表示領域RG12の中で最下部に表示されている材料ロットのチェックボックスC12をユーザーが選択できないように、操作が制限されている。
【0088】
以上で説明した第4実施形態における成形材料管理システム10によれば、画面生成部330は、材料ロット投入処理において、樹脂成形システム100への投入を制限すると判定部320で判定された材料ロットを選択する操作が制限された第2材料ロット投入画面SC14を生成する。そのため、樹脂成形システム100に材料ロットを投入する際に、樹脂成形システム100に投入するべきでない材料ロットをユーザーが選択することを抑制できる。したがって、樹脂成形システム100への材料の誤投入を抑制できる。
【0089】
E.第5実施形態:
図23は、第5実施形態における成形材料管理システム10の概略構成を示す説明図である。本実施形態では、材料種別識別情報、材料ロット識別情報、材料ロット状態情報に加えて、成形品不良情報が、記憶部302に記憶されている。成形品不良情報は、樹脂成形システム100で成形された成形品の不良に関する数量情報である。成形品不良情報は、成形品の不良率、不良数、良品率、良品数等を含む。
【0090】
取得部310は、記憶部302から、材料ロット識別情報、材料ロット状態情報、及び成形品不良情報を含む情報を取得する。
【0091】
判定部320は、取得部310が取得した成形品不良情報に基づいて、樹脂成形システム100への材料ロットの投入を制限するか否かを判定する。
【0092】
状態情報変更部340は、取得部310が取得した成形品不良情報に基づいて、取得部310が取得した材料ロット状態情報を変更する。
【0093】
以下では、第5実施形態において管理装置300が実行する材料ロット状態情報変更処理を、
図2を用いて説明する。なお、第1実施形態における材料ロット状態情報変更処理と同様の処理が実行される部分については、説明を省略する。
【0094】
ステップS20において、取得部310は、ステップS10で材料ロット検索画面SC1の入力欄BX1からBX6に入力された情報に一致する材料ロットの、材料種別識別情報、材料ロット識別情報、材料ロット状態情報、成形品不良情報を含む情報を記憶部302から取得する。
【0095】
ステップS40において、状態情報変更部340は、取得部310が取得した成形品不良情報が予め定められた範囲を逸脱している場合に、予め定められた範囲を逸脱している成形品不良情報を有する材料ロットの材料ロット状態情報を、「使用可」から「停止中」に変更する。状態情報変更部340は、例えば、成形品の不良率、不良数、良品率、良品数がそれぞれの予め定められた範囲を逸脱している成形品の成形に使用された材料ロットの材料ロット状態情報を、「使用可」から「停止中」に変更する。
【0096】
以下では、第5実施形態において管理装置300が実行する材料ロット投入処理を、
図5を用いて説明する。なお、第1実施形態における材料ロット投入処理と同様の処理が実行される部分については、説明を省略する。
【0097】
ステップS120において、取得部310は、材料ロット投入準備画面SC3の入力欄BX4に入力された材料種別識別情報の材料から構成される材料ロットの材料ロット識別情報と、その材料ロット識別情報に関連付けられている材料ロット状態情報及び成形品不良情報を含む情報を、記憶部302から取得する。
【0098】
ステップS130において、画面生成部330は、
図2に示す材料ロット状態情報変更処理のステップS40で状態情報変更部340によって変更された材料ロット状態情報が表示された材料ロット投入画面SC4を生成する。
【0099】
ステップS150において、判定部320は、ステップS120で取得部310が取得した成形品不良情報に基づいて、樹脂成形システム100への材料ロットの投入を制限するか否かを判定する。判定部320は、ステップS140で選択された材料ロットが、成形品の不良率、不良数、良品率、良品数のいずれかがそれぞれの予め定められた範囲を逸脱していない成形品の成形に使用された材料ロットである場合、ステップS140で選択された材料ロットの樹脂成形システム100への投入を制限しないと判定する。この場合、ステップS150の後にステップS160が実行される。また、判定部320は、ステップS140で選択された材料ロットが、成形品の不良率、不良数、良品率、良品数のいずれかがそれぞれの予め定められた範囲を逸脱している成形品の成形に使用された材料ロットである場合、ステップS140で選択された材料ロットの樹脂成形システム100への投入を制限すると判定する。この場合、ステップS150の後にステップS170が実行される。
【0100】
以上で説明した第5実施形態における成形材料管理システム10によれば、判定部320が、成形品の不良率、不良数、良品率、良品数のいずれかがそれぞれの予め定められた範囲を逸脱している成形品の成形に使用された材料ロットの、樹脂成形システム100への投入を制限すると判定する。そして、樹脂成形システム100への材料ロットの投入を制限すると判定部320で判定された場合、画面生成部330は、一部の操作が制限された操作画面である材料ロット投入停止画面SC6を生成する。そのため、成形品の不良率、不良数、良品率、良品数のいずれかがそれぞれの予め定められた範囲を逸脱している成形品の成形に使用された材料ロットを、ユーザーが樹脂成形システム100に投入することを抑制できる。したがって、樹脂成形システム100に投入するべきでない材料ロットをユーザーが樹脂成形システム100に投入することを抑制でき、不良品の生産を抑制できる。
【0101】
また、本実施形態では、画面生成部330は、状態情報変更部340によって変更された材料ロット状態情報が表示された材料ロット投入画面SC4を生成する。そのため、ユーザーが、材料ロットを樹脂成形システム100へ投入可能か否かを視覚的に認識できる。
【0102】
F.第6実施形態:
図24は、第6実施形態における成形材料管理システム10の概略構成を示す説明図である。本実施形態では、材料種別識別情報、材料ロット識別情報、材料ロット状態情報に加えて、材料ロット不良情報が、記憶部302に記憶されている。材料ロット不良情報は、材料ロットの不良に関する情報である。材料ロット不良情報は、材料ロットの材料が、例えば、ユーザーが材料を搬送する際に材料を落とす又は踏むことで著しく変形している、変色している、不純物が混入している場合、「不良」である。
【0103】
取得部310は、記憶部302から、材料ロット識別情報、材料ロット状態情報、及び材料ロット不良情報を含む情報を取得する。
【0104】
判定部320は、取得部310が取得した材料ロット不良情報に基づいて、樹脂成形システム100への材料ロットの投入を制限するか否かを判定する。
【0105】
状態情報変更部340は、取得部310が取得した材料ロット不良情報に基づいて、取得部310が取得した材料ロット状態情報を変更する。
【0106】
以下では、第6実施形態において管理装置300が実行する材料ロット状態情報変更処理を、
図2を用いて説明する。なお、第1実施形態における材料ロット状態情報変更処理と同様の処理が実行される部分については、説明を省略する。
【0107】
ステップS20において、取得部310は、ステップS10で材料ロット検索画面SC1の入力欄BX1からBX6に入力された情報に一致する材料ロットの、材料種別識別情報、材料ロット識別情報、材料ロット状態情報、材料ロット不良情報を含む情報を記憶部302から取得する。
【0108】
ステップS40において、状態情報変更部340は、材料ロット不良情報が不良である材料ロットが供給された日時を含む予め定められた期間に、材料ロット不良情報が不良である材料ロットの供給元から供給された材料ロットの、材料ロット状態情報を「使用可」から「停止中」に変更する。予め定められた期間は、例えば、材料ロット不良情報が不良である材料ロットが供給された日や、材料ロット不良情報が不良である材料ロットが供給された日を含む1週間などである。また、材料ロットの供給元は、例えば、成形材料管理システム10を備える工場に材料ロットを納品する卸売業者や、成形材料の製造業者などである。
【0109】
以下では、第6実施形態において管理装置300が実行する材料ロット投入処理を、図
5を用いて説明する。なお、第1実施形態における材料ロット投入処理と同様の処理が実行される部分については、説明を省略する。
【0110】
ステップS120において、取得部310は、材料ロット投入準備画面SC3の入力欄BX4に入力された材料種別識別情報の材料から構成される材料ロットの材料ロット識別情報、及び、その材料ロット識別情報に関連付けられている材料ロット状態情報及び材料ロット不良情報を含む情報を記憶部302から取得する。
【0111】
ステップS130において、画面生成部330は、
図2に示す材料ロット状態情報変更処理のステップS40で状態情報変更部340によって変更された材料ロット状態情報が表示された材料ロット投入画面SC4を生成する。
【0112】
ステップS150において、判定部320は、ステップS120で取得部310が取得した材料ロット不良情報に基づいて、樹脂成形システム100への材料ロットの投入を制限するか否かを判定する。判定部320は、ステップS140で選択された材料ロットの材料ロット不良情報が不良でない場合、ステップS140で選択された材料ロットの樹脂成形システム100への投入を制限しないと判定する。この場合、ステップS150の後にステップS160が実行される。また、判定部320は、ステップS140で選択された材料ロットの材料ロット不良情報が不良である場合、ステップS140で選択された材料ロットの樹脂成形システム100への投入を制限すると判定する。この場合、ステップS150の後にステップS170が実行される。
【0113】
以上で説明した第6実施形態における成形材料管理システム10によれば、判定部320が、材料ロット不良情報が不良である材料ロットの樹脂成形システム100への投入を制限すると判定する。そして、樹脂成形システム100への材料ロットの投入を制限すると判定部320で判定された場合、画面生成部330は、一部の操作が制限された操作画面である材料ロット投入停止画面SC6を生成する。そのため、材料ロット不良情報が不良である材料ロットをユーザーが樹脂成形システム100に投入することを抑制できる。したがって、樹脂成形システム100に投入するべきでない材料ロットをユーザーが樹脂成形システム100に投入することを抑制でき、不良品の生産を抑制できる。
【0114】
また、本実施形態では、画面生成部330が、状態情報変更部340によって変更された材料ロット状態情報が表示された材料ロット投入画面SC4を生成する。そのため、ユーザーが、材料ロットを樹脂成形システム100へ投入可能か否かを視覚的に認識できる。
【0115】
G.第7実施形態:
本実施形態では、射出成形機110で成形品の成形が完了した後に、検査装置130による成形品の検査と、システム上での出荷処理が実行される。本実施形態における成形材料管理システム10の構成は、第1実施形態、第5実施形態、または、第6実施形態のいずれかの構成と同様である。
【0116】
図25は、検査装置130で成形品の検査が行われる場合に、画面生成部330によって生成される検査ロット一覧画面SC15を示す図である。検査ロット一覧画面SC15には、射出成形機110で成形された成形品のロットである製造ロットの一覧が表示されている。また、検査ロット一覧画面SC15には、検査開始ボタンBT41と、各製造ロットに対応づけられた、製造ロットを選択するためのチェックボックスC41と、が設けられている。
【0117】
画面生成部330は、検査ロット一覧画面SC15を生成する際に、材料ロット状態情報変更処理が実行された材料ロット、すなわち、材料ロット状態情報が「停止中」である材料ロットを使用して成形された成形品から構成される製造ロットを、ユーザーが選択できないように操作を制限した画面として生成する。具体的には、画面生成部330は、上述した製造ロットに対応するチェックボックスC41にユーザーがチェックを入力できないように操作を制限した検査ロット一覧画面SC15を生成する。
図25に示す例では、検査ロット一覧画面SC15の最下部に表示されている製造ロットをユーザーが選択できないように、操作が制限されている。画面生成部330は、上述した製造ロットを、材料ロット状態情報が「使用可」である材料ロットを使用して成形された成形品から構成される製造ロットとは異なる色で表示させた検査ロット一覧画面SC15を生成してもよい。
【0118】
製造ロットが選択された状態で検査開始ボタンBT41がクリックされた場合、管理装置300は、検査装置130に指令を送信し、選択された製造ロットの検査を開始させる。
【0119】
図26は、成形品が出荷される場合に、画面生成部330によって生成される出荷ロット一覧画面SC16を示す図である。出荷ロット一覧画面SC16には、成形及び検査が完了した製造ロットの一覧が表示されている。また、出荷ロット一覧画面SC16には、出荷準備ボタンBT51と、各製造ロットに対応づけられた、製造ロットを選択するためのチェックボックスC51と、が設けられている。
【0120】
画面生成部330は、出荷ロット一覧画面SC16を生成する際に、材料ロット状態情報変更処理が実行された材料ロット、すなわち、材料ロット状態情報が「停止中」である材料ロットを使用して成形された成形品から構成される製造ロットを、ユーザーが選択できないように操作を制限した画面として生成する。具体的には、画面生成部330は、上述した製造ロットに対応するチェックボックスC51にユーザーがチェックを入力できないように操作を制限した出荷ロット一覧画面SC16を生成する。
図26に示す例では、出荷ロット一覧画面SC16の最下部に表示されている製造ロットをユーザーが選択できないように、操作が制限されている。画面生成部330は、上述した製造ロットを、材料ロット状態情報が「使用可」である材料ロットを使用して成形された成形品から構成される製造ロットとは異なる色で表示させた出荷ロット一覧画面SC16を生成してもよい。
【0121】
製造ロットが選択された状態で出荷準備ボタンBT51がクリックされた場合、管理装置300は、システム上で、選択された製造ロットを出荷工程に進ませる。ここで、出荷工程とは、例えば、製造ロットの出荷先が決定される工程である。
【0122】
以上で説明した第7実施形態における成形材料管理システム10によれば、画面生成部330は、検査装置130で成形品の検査が行われる場合に、材料ロット状態情報変更処理が実行された材料ロット、すなわち、材料ロット状態情報が「停止中」である材料ロットを使用して成形された成形品から構成される製造ロットを、ユーザーが選択できないように操作を制限した検査ロット一覧画面SC15を生成する。そのため、不良品が含まれる可能性が高い製造ロットを検査装置130が検査することを抑制でき、検査にかかる時間を短縮できる。
【0123】
また、本実施形態では、画面生成部330は、成形品が出荷される場合に、材料ロット状態情報変更処理が実行された材料ロット、すなわち、材料ロット状態情報が「停止中」である材料ロットを使用して成形された成形品から構成される製造ロットを、ユーザーが選択できないように操作を制限した出荷ロット一覧画面SC16を生成する。そのため、不良品が含まれる可能性が高い製造ロットを出荷することを抑制できる。
【0124】
H.他の実施形態:
(H-1)上記形態では、画面生成部330は、複数の材料ロット識別情報が表示された操作画面を生成する。複数の材料ロット識別情報が表示された操作画面は、例えば、
図7に示す材料ロット投入画面SC4や、
図22に示す第2材料ロット投入画面SC14である。これに対して、画面生成部330は、材料ロット毎に操作画面を生成してもよい。すなわち、画面生成部330は、材料ロット毎に材料ロット投入画面SC4や第2材料ロット投入画面SC14を生成してもよい。
【0125】
(H-2)上記形態では、画面生成部330は、材料ロットを廃棄する操作が不可能である操作画面を生成する。材料ロットを廃棄する操作が不可能である操作画面は、例えば、材料ロット投入画面SC4や第2材料ロット投入画面SC14である。材料ロット投入画面SC4及び第2材料ロット投入画面SC14には、ユーザーがクリックすることのできないロット廃棄ボタンBT13が設けられている。
【0126】
これに対して、画面生成部330は、樹脂成形システム100への投入を制限すると判定部320で判定された材料ロットを廃棄する操作を可能とする操作画面を生成してもよい。具体的には、画面生成部330は、樹脂成形システム100への投入を制限すると判定部320で判定された材料ロットが選択されている場合、ユーザーがロット廃棄ボタンBT13をクリックできる材料ロット投入画面SC4または第2材料ロット投入画面SC14を生成してもよい。この場合、材料ロット投入画面SC4または第2材料ロット投入画面SC14において、樹脂成形システム100への投入を制限すると判定部320で判定された材料ロットが選択された状態でロット廃棄ボタンBT13がクリックされると、管理装置300は、選択された材料ロットの廃棄処理をシステム上で実行する。管理装置300は、例えば、選択された材料ロットが廃棄された旨の通知を表示部250に表示する。
【0127】
この場合、材料ロット投入画面SC4または第2材料ロット投入画面SC14において、樹脂成形システム100への投入を制限しないと判定部320で判定された材料ロットを廃棄する操作をユーザーが実行することは不可能であるため、樹脂成形システム100に投入するべきでない材料ロット以外の材料ロットを誤って廃棄することを抑制できる。
【0128】
(H-3)第4実施形態では、画面生成部330は、樹脂成形システム100への投入を制限すると判定された材料ロットを選択する操作が制限された操作画面である、第2材料ロット投入画面SC14を生成する。これに対して、画面生成部330は、樹脂成形システム100への投入を制限すると判定された材料ロットを樹脂成形システム100に投入する操作が制限された操作画面を生成してもよい。具体的には、画面生成部330は、
図21のステップS171において、ステップS151で樹脂成形システム100への投入を制限すると判定された材料ロットが選択された場合に、材料投入ボタンBT14をクリックできないように操作を制限した第2材料ロット投入画面SC14を生成してもよい。
【0129】
(H-4)第5実施形態では、
図2に示す材料ロット状態情報変更処理のステップS40において、状態情報変更部340は、取得部310が取得した成形品不良情報が予め定められた範囲を逸脱している場合に、予め定められた範囲を逸脱している成形品不良情報を有する材料ロットの材料ロット状態情報を、「使用可」から「停止中」に変更する。これに対して、第1実施形態と同様に、ユーザーが予め定められた範囲を逸脱している成形品不良情報を有する材料ロットを材料ロット一覧画面SC2で選択した場合に、状態情報変更部340が、選択された材料ロットの材料ロット状態情報を「使用可」から「停止中」へ変更してもよい。
【0130】
(H-5)第5実施形態では、処理部301は、状態情報変更部340を備える。これに対して、処理部301は、状態情報変更部340を備えなくてもよい。この場合、材料ロット状態情報変更処理は実行されなくてもよい。
【0131】
(H-6)第6実施形態では、
図2に示す材料ロット状態情報変更処理のステップS40において、状態情報変更部340は、取得部310が取得した材料ロット不良情報が不良である材料ロットが供給された日時を含む予め定められた期間に、材料ロット不良情報が不良である材料ロットの供給元から供給された材料ロットの、材料ロット状態情報を「使用可」から「停止中」に変更する。これに対して、第1実施形態と同様に、材料ロット不良情報が不良である材料ロットが供給された日時を含む予め定められた期間に、材料ロット不良情報が不良である材料ロットの供給元から供給された材料ロットをユーザーが材料ロット一覧画面SC2で選択した場合に、状態情報変更部340が、選択された材料ロットの材料ロット状態情報を「使用可」から「停止中」へ変更してもよい。
【0132】
(H-7)第6実施形態では、処理部301は、状態情報変更部340を備える。これに対して、処理部301は、状態情報変更部340を備えなくてもよい。この場合、材料ロット状態情報変更処理は実行されなくてもよい。
【0133】
(H-8)上記実施形態では、樹脂成形システム100は、射出成形機110と、材料乾燥機120と、検査装置130と、から構成される。これに対して、樹脂成形システム100は、射出成形機110の代わりに、例えば、押出成形機や、ブロー成形機を備えてもよい。樹脂成形システム100が押出成形機を備える場合、材料ロットを樹脂成形システム100に投入するとは、材料ロットを押出成形機または材料乾燥機120に投入することを意味する。また、樹脂成形システム100がブロー成形機を備える場合、材料ロットを樹脂成形システム100に投入するとは、材料ロットをブロー成形機または材料乾燥機120に投入することを意味する。なお、樹脂成形システム100は、射出成形機110および押出成形機を備えてもよいし、射出成形機110およびブロー成形機を備えてもよいし、射出成形機110、押出成形機、および、ブロー成形機を備えてもよい。
【0134】
I.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0135】
(1)本開示の一形態によれば、成形材料管理システムが提供される。この成形材料管理システムは、樹脂成形システムで使用される材料を管理する成形材料管理システムであって、前記材料のロットに関する情報である材料ロット識別情報と、前記材料の前記ロットである材料ロットを前記樹脂成形システムに投入可能か否かの情報を有する材料ロット状態情報と、を記憶する記憶部と、前記記憶部から前記材料ロット識別情報及び前記材料ロット状態情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記材料ロット状態情報に基づいて、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限するか否かを判定する判定部と、前記樹脂成形システムに前記材料ロットが投入される場合に操作される画面である操作画面を生成する画面生成部と、を備え、前記画面生成部は、前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、一部の操作が制限された前記操作画面を生成する。
このような形態によれば、樹脂成形システムに投入するべきでない材料ロットを、ユーザーが誤って投入してしまうことを抑制できる。したがって、樹脂成形システムへの材料の誤投入を抑制できる。
【0136】
(2)上記形態において、前記画面生成部は、複数の前記材料ロット識別情報が表示された前記操作画面を生成してもよい。
このような形態によれば、材料ロット毎に材料ロット投入画面が生成される場合と異なり、材料ロット投入画面を一つずつ確認せずに済むため、ユーザーの作業効率を高めることができる。
【0137】
(3)上記形態において、前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、前記画面生成部は、前記樹脂成形システムへの投入を制限すると判定された前記材料ロットを選択する操作が制限された前記操作画面を生成してもよい。
このような形態によれば、ユーザーが樹脂成形システムに材料ロットを投入する場合に、樹脂成形システムに投入するべきでない材料ロットを選択することを抑制できる。
【0138】
(4)上記形態において、前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、前記画面生成部は、前記樹脂成形システムへの投入を制限すると判定された前記材料ロットを前記樹脂成形システムに投入する操作が制限された前記操作画面を生成してもよい。
このような形態によれば、ユーザーが樹脂成形システムに材料ロットを投入する場合に、樹脂成形システムに投入するべきでない材料ロットを選択したとしても、選択された材料ロットを樹脂成形システムに投入することを抑制できる。
【0139】
(5)上記形態において、前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、前記画面生成部は、前記樹脂成形システムへの投入を制限すると判定された前記材料ロットを廃棄する操作を可能とする前記操作画面を生成してもよい。
このような形態によれば、樹脂成形システムに材料ロットを投入する段階で、樹脂成形システムに投入するべきでない材料ロットを廃棄することができる。
【0140】
(6)本開示の一形態によれば、成形材料管理システムが提供される。この成形材料管理システムは、樹脂成形システムで使用される材料を管理する成形材料管理システムであって、前記材料のロットに関する情報である材料ロット識別情報と、前記材料の前記ロットである材料ロットを前記樹脂成形システムに投入可能か否かの情報を有する材料ロット状態情報と、前記樹脂成形システムで成形された成形品の不良に関する数量情報である成形品不良情報と、を記憶する記憶部と、前記記憶部から前記材料ロット識別情報及び前記成形品不良情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記成形品不良情報に基づいて、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限するか否かを判定する判定部と、前記樹脂成形システムに前記材料ロットが投入される場合に操作される画面である操作画面を生成する画面生成部と、を備え、前記画面生成部は、前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、一部の操作が制限された前記操作画面を生成する。
このような形態によれば、樹脂成形システムに投入するべきでない材料ロットを、ユーザーが誤って投入してしまうことを抑制できる。したがって、樹脂成形システムへの材料の誤投入を抑制できる。
【0141】
(7)上記形態において、前記取得部は、前記記憶部から前記材料ロット状態情報を取得し、前記取得部が取得した前記成形品不良情報に基づいて、前記取得部が取得した前記材料ロット状態情報を変更する状態情報変更部を備え、前記状態情報変更部は、前記成形品不良情報が予め定められた範囲を逸脱している場合に、前記予め定められた範囲を逸脱している前記成形品不良情報を有する前記材料ロットの前記材料ロット状態情報を変更し、前記画面生成部は、前記状態情報変更部によって変更された前記材料ロット状態情報が表示された前記操作画面を生成してもよい。
このような形態によれば、材料ロットを樹脂成形システムへ投入可能か否かをユーザーが視覚的に認識できる。
【0142】
(8)本開示の一形態によれば、成形材料管理システムが提供される。この成形材料管理システムは、樹脂成形システムで使用される材料を管理する成形材料管理システムであって、前記材料のロットに関する情報である材料ロット識別情報と、前記材料の前記ロットである材料ロットを前記樹脂成形システムに投入可能か否かの情報を有する材料ロット状態情報と、前記材料ロットの不良に関する情報である材料ロット不良情報と、を記憶する記憶部と、前記記憶部から前記材料ロット識別情報及び前記材料ロット不良情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記材料ロット不良情報に基づいて、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限するか否かを判定する判定部と、前記樹脂成形システムに前記材料ロットが投入される場合に操作される画面である操作画面を生成する画面生成部と、を備え、前記画面生成部は、前記判定部において、前記樹脂成形システムへの前記材料ロットの投入を制限すると判定された場合、一部の操作が制限された前記操作画面を生成する。
このような形態によれば、樹脂成形システムに投入するべきでない材料ロットを、ユーザーが誤って投入してしまうことを抑制できる。したがって、樹脂成形システムへの材料の誤投入を抑制できる。
【0143】
(9)上記形態において、前記取得部は、前記記憶部から前記材料ロット状態情報を取得し、前記取得部が取得した前記材料ロット不良情報に基づいて、前記取得部が取得した前記材料ロット状態情報を変更する状態情報変更部を備え、前記状態情報変更部は、前記材料ロット不良情報が不良である前記材料ロットが供給された日時を含む予め定められた期間に、前記材料ロット不良情報が不良である前記材料ロットの供給元から供給された前記材料ロットの、前記材料ロット状態情報を変更し、前記画面生成部は、前記状態情報変更部によって変更された前記材料ロット状態情報が表示された前記操作画面を生成してもよい。
このような形態によれば、材料ロットを樹脂成形システムへ投入可能か否かをユーザーが視覚的に認識できる。
【符号の説明】
【0144】
10…成形材料管理システム、100…樹脂成形システム、110…射出成形機、111…第1制御部、120…材料乾燥機、121…第2制御部、130…検査装置、131…第3制御部、200…端末装置、250…表示部、300…管理装置、301…処理部、302…記憶部、303…通信制御部、310…取得部、320…判定部、330…画面生成部、340…状態情報変更部、BT1…検索ボタン、BT12…ロット停止ボタン、BT13…ロット廃棄ボタン、BT14…材料投入ボタン、BT15…追加ボタン、BT16…追加ボタン、BT2…ロット停止ボタン、BT21…追加ボタン、BT22…開始ボタン、BT23…追加ボタン、BT31…選択ボタン、BT32…生産開始ボタン、BT33…生産開始ボタン、BT41…検査開始ボタン、BT51…出荷準備ボタン、BX1,BX11,BX2,BX21,BX22,BX3,BX31,BX4,BX5,BX6…入力欄、C1,C11,C12,C41,C51…チェックボックス、NT…ネットワーク、RG1…材料ロット検索領域、RG12…検索結果表示領域、RG2…検索結果表示領域、RG21…材料ロット表示領域、RG31…成形機選択領域、RG32…ジョブ選択領域、RG33…ジョブ情報表示領域、SC1…材料ロット検索画面、SC10…生産準備可能画面、SC11…生産準備停止画面、SC12…生産可能画面、SC13…生産停止画面、SC14…第2材料ロット投入画面、SC15…検査ロット一覧画面、SC16…出荷ロット一覧画面、SC2…材料ロット一覧画面、SC3…材料ロット投入準備画面、SC4…材料ロット投入画面、SC5…材料ロット投入可能画面、SC6…材料ロット投入停止画面、SC7…材料乾燥開始画面、SC8…乾燥情報入力画面、SC9…成形ジョブ選択画面