(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077207
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】シート供給装置およびシート供給方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189142
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 健
(72)【発明者】
【氏名】加藤 秀昭
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA33
5F131CA42
5F131EC32
5F131EC64
5F131EC66
(57)【要約】
【課題】剥離された接着シートを取り除く作業が発生することを防止することができるシート供給装置およびシート供給方法を提供する。
【解決手段】シート供給装置EAは、剥離シートRLの一方の面に接着シートASが仮着された原反RSを繰り出す繰出手段10と、繰出手段10で繰り出された原反RSの剥離シートRLを剥離縁21Aで折り返し、折り返された剥離シートRLの折返し部RL1で当該剥離シートRLから接着シートASを剥離して供給する剥離手段20とを備え、繰出手段10で原反RSを繰り出した際に、剥離手段20によって剥離シートRLから接着シートASが剥離されないように、当該原反RSを剥離縁21Aの周囲で弛ませる弛み形成手段30を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剥離シートの一方の面に接着シートが仮着された原反を繰り出す繰出手段と、
前記繰出手段で繰り出された前記原反の前記剥離シートを剥離縁で折り返し、折り返された前記剥離シートの折返し部で当該剥離シートから前記接着シートを剥離して供給する剥離手段とを備え、
前記繰出手段で前記原反を繰り出した際に、前記剥離手段によって前記剥離シートから前記接着シートが剥離されないように、当該原反を前記剥離縁の周囲で弛ませる弛み形成手段を備えていることを特徴とするシート供給装置。
【請求項2】
前記剥離シートに気体を吹き付けて当該剥離シートを前記剥離縁から離間させる吹付手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート供給装置。
【請求項3】
前記吹付手段で前記剥離シートに気体を吹き付ける際、前記剥離手段での前記原反の姿勢を安定させる姿勢安定化手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載のシート供給装置。
【請求項4】
剥離シートの一方の面に接着シートが仮着された原反を繰り出す繰出工程と、
前記繰出工程で繰り出された前記原反の前記剥離シートを剥離縁で折り返し、折り返された前記剥離シートの折返し部で当該剥離シートから前記接着シートを剥離して供給する剥離工程とを実施し、
前記繰出工程で前記原反を繰り出した際に、前記剥離工程によって前記剥離シートから前記接着シートが剥離されないように、当該原反を前記剥離縁の周囲で弛ませる弛み形成工程を実施することを特徴とするシート供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート供給装置およびシート供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
剥離シートに接着シートが仮着された原反を繰り出し、剥離シートから接着シートを剥離して供給するシート供給装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された両面粘着テープ貼付け装置(シート供給装置)では、長尺のキャリアテープct(剥離シート)に長尺の両面粘着テープt(接着シート)を貼合わせた原反テープT(原反)をセットした後、原反を繰り出して当該原反の蛇行調整や、接着シートの停止位置調整等の運転前調整が行われる。その際、ナイフエッジ14(剥離手段)の先端部(剥離縁)で剥離シートが折り返されたままの状態が維持されていると、接着シートが剥離シートから剥離されてしまうため、剥離された接着シートを取り除く作業が発生するという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、剥離された接着シートを取り除く作業が発生することを防止することができるシート供給装置およびシート供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、剥離手段によって剥離シートから接着シートが剥離されないように、原反を剥離縁の周囲で弛ませるため、剥離された接着シートを取り除く作業が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)は、本発明の一施形態に係るシート供給装置を備えたシート貼付装置の説明図。(B)、(C)は、シート貼付装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1(A)の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1(A)中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
シート供給装置EAは、剥離シートRLの一方の面に接着シートASが仮着された原反RSを繰り出す繰出工程を実施する繰出手段10と、繰出手段10で繰り出された原反RSの剥離シートRLを剥離縁21Aで折り返し、折り返された剥離シートRLの折返し部RL1で当該剥離シートRLから接着シートASを剥離して供給する剥離工程を実施する剥離手段20と、繰出手段10で原反RSを繰り出した際に、剥離手段20によって剥離シートRLから接着シートASが剥離されないように、当該原反RSを剥離縁21Aの周囲で弛ませる弛み形成工程を実施する弛み形成手段30と、剥離シートRLに大気やガス等の気体を吹き付けて当該剥離シートRLを剥離縁21Aから離間させる吹付工程を実施する吹付手段40と、吹付手段40で剥離シートRLに気体を吹き付ける際、剥離手段20での原反RSの姿勢を安定させる姿勢安定化工程を実施する姿勢安定化手段50とを備えている。
なお、本実施形態のシート供給装置EAは、被着体WKに接着シートASを押圧して貼付する押圧手段としての押圧ローラ60とでシート貼付装置EA1を構成し、被着体WKを支持する支持手段70の近傍に配置されている。
【0011】
繰出手段10は、当該繰出手段10を構成する構成物を直接的または間接的に支持するベースプレート11と、原反RSを支持する支持ローラ12と、原反RSを案内するガイドローラ13と、駆動機器としての回動モータ14Aの図示しない出力軸に支持され、剥離手段20よりも原反RSの繰出方向上流側にてピンチローラ14Bとで原反RSを挟み込む駆動ローラ14と、駆動機器としての回動モータ15Aの図示しない出力軸に支持され、剥離手段20よりも原反RSの繰出方向下流側にてピンチローラ15Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ15と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EA1の自動運転が行われている間、ピンチローラ15Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ16とを備えている。
【0012】
剥離手段20は、剥離縁21Aと、剥離縁21Aよりも原反繰出方向上流側で原反RSを案内する案内面21Bとを有する剥離板21を備えている。
【0013】
弛み形成手段30は、本実施形態では繰出手段10と兼用されており、駆動ローラ14と、回動モータ14Aと、ピンチローラ14Bとを備えている。
【0014】
吹付手段40は、剥離板21の案内面21Bに形成された気体噴出孔41に配管42Aを介して連通する加圧ポンプやタービン等の気体供給手段42を備えている。
【0015】
姿勢安定化手段50は、駆動機器としての直動モータ51と、直動モータ51の出力軸51Aに回転可能に支持され、原反RSを剥離板21の案内面21Bに押さえ付ける押え付けローラ52とを備えている。
【0016】
支持手段70は、駆動機器としてのリニアモータ71と、リニアモータ71のスライダ71Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面72Aを有するテーブル72とを備えている。
【0017】
以上のシート供給装置EAを備えたシート貼付装置EA1の動作を説明する。
先ず、
図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EA1に対し、当該シート貼付装置EA1の使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して原反RSの繰出確認開始の信号を入力する。すると、弛み形成手段30が回動モータ14Aを駆動し、原反RSを所定長さ繰り出して当該原反RSを剥離縁21Aの周囲で弛ませる。次いで、姿勢安定化手段50が直動モータ51を駆動し、
図1(A)中二点鎖線で示すように、押え付けローラ52を下降させて原反RSを剥離板21の案内面21Bに押さえ付ける。その後、吹付手段40が気体供給手段42を駆動し、気体噴出孔41から剥離シートRLへの気体吹付を開始して、当該剥離シートRLを剥離縁21Aから離間させる。
【0018】
次に、繰出手段10が回動モータ14A、15Aを駆動し、駆動ローラ14、15を同じ速度で回転させて、原反RSを弛ませたまま所定長さ繰り出す繰出確認動作を実施する。その結果、運転前調整として、原反RSの蛇行調整や接着シートASの停止位置調整等を行う必要がある場合には、使用者がガイドローラ13、駆動ローラ14、15およびピンチローラ14B、15B等の各ローラの取付角度や取付位置等を調整し、原反RSの蛇行がなくなるようにしたり、接着シートASを検知して原反RSの繰り出しを停止する図示しないセンサや停止タイミング等を調整し、適切な位置で接着シートASが停止するようにしたりする。この際、
図1(B)に示すように、剥離シートRLが弛んでいて剥離縁21Aで折り返されないので、接着シートASが剥離シートRLから剥離されることがない。そして、運転前調整が完了し、使用者が図示しない操作手段を介して原反RSの繰出確認終了の信号を入力すると、姿勢安定化手段50が直動モータ51を駆動し、押え付けローラ52を初期位置に復帰させた後、吹付手段40が気体供給手段42の駆動を停止し、気体噴出孔41から剥離シートRLへの気体の吹き付けを停止する。また、繰出手段10が回動モータ15Aを駆動し、剥離シートRLが剥離板21の剥離縁21Aで折り返されるように、原反RSの弛みをなくす。次いで、使用者が図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力すると、繰出手段10が回動モータ14A、15Aを駆動し、原反RSを繰り出して、
図1(C)に示すように、繰出確認後の先頭の接着シートASの繰出方向先端部が、剥離板21の剥離縁21Aで折り返された剥離シートRLの折返し部RL1で所定長さ剥離されると、回動モータ14A、15Aの駆動を停止する。
【0019】
その後、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、支持面72A上の所定位置に被着体WKを載置すると、支持手段70が図示しない減圧手段を駆動し、支持面72Aでの被着体WKの吸着保持を開始する。次に、支持手段70がリニアモータ71を駆動し、テーブル72を左方へ移動させ、当該テーブル72が所定の位置に到達すると、繰出手段10が回動モータ14A、15Aを駆動し、テーブル72の移動速度に合わせて原反RSを繰り出す。これにより、先頭の接着シートASが剥離シートRLの折返し部RL1で剥離シートRLから剥離され、当該剥離シートRLから剥離された接着シートASは、
図1(C)中二点鎖線で示すように、押圧ローラ60によって被着体WKに押圧されて貼付される。
【0020】
接着シートAS全体が被着体WKに貼付され、先頭の接着シートASに続く次の接着シートASの繰出方向先端部が剥離シートRLの折返し部RL1で所定長さ剥離されると、繰出手段10が回動モータ14A、15Aの駆動を停止する。そして、テーブル72が押圧ローラ60の左方所定位置に到達すると、支持手段70がリニアモータ71の駆動を停止した後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面72Aでの被着体WKの吸着保持を解除する。次いで、使用者または図示しない搬送手段が、接着シートASが貼付された被着体WKを次工程に搬送すると、支持手段70がリニアモータ71を駆動し、テーブル72を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0021】
以上のような実施形態によれば、供給されない接着シートASが剥離シートRLから剥離しないように、当該剥離シートRLを剥離縁21Aの周囲で弛ませるため、剥離された接着シートASを取り除く作業が発生することを防止することができる。
【0022】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0023】
例えば、繰出手段10は、帯状の剥離シートRLに仮着された帯状の接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSを繰り出してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シート基材が仮着された帯状接着シート原反を採用し、当該帯状接着シート原反を繰り出す途中で、接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断手段としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSを繰り出してもよいし、巻回されることなく、例えばファンフォールド折りにされた原反RSから当該原反RSを繰り出してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、原反RSの繰出確認終了の信号が入力されると、原反RSを支持ローラ12方向に巻き取り、剥離シートRLから剥離されずに剥離縁21Aを過ぎて回収ローラ16方向に繰り出された接着シートASを、当該剥離縁21Aよりも原反繰出方向上流側へ移動させてもよい。
【0024】
弛み形成手段30は、駆動ローラ14、回動モータ14Aおよびピンチローラ14Bに代えてまたは併用して、駆動ローラ15と、回動モータ15Aと、ピンチローラ15Bをと備え、剥離シートRLを剥離板21側に送って当該剥離シートRLを剥離縁21Aの周囲で弛ませてもよい。
弛み形成手段30は、繰出手段10と兼用されなくてもよく、この場合、例えば、剥離板21を出力軸で支持する駆動機器としての直動モータを備え、当該直動モータを駆動して剥離板21を剥離シートRLから離間させることで、剥離シートRLを剥離縁21Aの周囲で弛ませてもよい。
【0025】
吹付手段40は、気体噴出孔41に代えてまたは併用して、案内面21Bから上方もしくは下方または案内面21Bと平行な方向に向かって剥離シートRLに気体を吹き付けてもよいし、剥離板21から独立した構成とされ、配管42Aを介して気体供給手段42と連通するノズルや吹付管等の気体吹付部材を備え、当該気体吹付部材から剥離シートRLに気体を吹き付けてもよい。
【0026】
姿勢安定化手段50は、直動モータ51および押え付けローラ52に代えてまたは併用して、ノズルや吹付管等の気体吹付部材で原反RSに気体を吹き付けて当該原反RSを剥離板21の案内面21Bに押し付けたり、剥離板21の案内面21Bに設けた吸引孔で原反RSを吸引したり、板状部材で原反RSを剥離板21の案内面21Bに押し付けたりすることで、原反RSの姿勢を安定させてもよい。
【0027】
押圧手段は、駆動機器としての直動モータと、直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な保持部材とを備え、当該保持部材で保持した接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する構成を採用してもよいし、シート供給装置EAとともに天地反転して配置したり横置きに配置したりして、被着体WKの下面や側面等に接着シートASを押圧して貼付するように構成してもよいし、押圧ローラ60を被着体WKに離間接近させる押圧部材接離手段としての駆動機器を採用し、被着体WKにストレスがかかったり損傷したりすることを防止するようにしてもよいし、本発明のシート供給装置EAやシート貼付装置EA1に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、備わっていない場合、他の装置で被着体WKに接着シートASを押圧して貼付ししてもよい。
【0028】
支持手段70は、支持面72Aで吸着保持ができないテーブル72が採用されてもよいし、本発明のシート供給装置EAやシート貼付装置EA1に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、備わっていない場合、他の装置で被着体WKを移動させてもよい。
【0029】
シート供給装置EAは、剥離シートRLから剥離した接着シートASを押圧手段以外に供給してもよく、例えば、接着シートASに印刷を施す印刷装置や、接着シートASの状態を検査する検査装置や、使用者に接着シートASを供給してもよいし、繰出確認動作を実施する際に、回動モータ15Aを駆動させずに回動モータ14Aのみを駆動し、所定長さの原反RSを繰り出して弛んだ原反RSを更に弛ませるようにしてもよい。
【0030】
接着シートASおよび被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASおよび被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0031】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、繰出手段は、剥離シートの一方の面に接着シートが仮着された原反を繰り出すものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0032】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
EA…シート供給装置
10…繰出手段
20…剥離手段
21A…剥離縁
30…弛み形成手段
40…吹付手段
50…姿勢安定化手段
AS…接着シート
RL…剥離シート
RS…原反
WK…被着体