(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077224
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】吊り治具、及び該吊り治具を用いた壁面部材の施工方法
(51)【国際特許分類】
E21D 5/12 20060101AFI20240531BHJP
E02D 17/08 20060101ALI20240531BHJP
E21D 5/06 20060101ALI20240531BHJP
E04G 21/16 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
E21D5/12
E02D17/08 A
E02D17/08 C
E21D5/06
E04G21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189176
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 翔悟
【テーマコード(参考)】
2D044
2E174
【Fターム(参考)】
2D044AA03
2D044AA20
2E174AA01
2E174BA01
2E174CA38
(57)【要約】
【課題】第1壁面部材を吊り上げるワイヤが斜めの状態であっても、第1壁面部材を第2壁面部材に連結させる作業の負担を軽減でき、施工性を向上させることができる、吊り治具、及び該吊り治具を用いた壁面部材の施工方法を提供する。
【解決手段】吊り治具は、第1連結孔に挿通されて第1壁面部材を吊り上げ、該第1連結孔に対応する第2壁面部材の第2連結孔に挿通させる挿通部を有する治具本体と、第1連結孔に挿通部を挿通して第1壁面部材を吊り上げた際に、第1連結孔が形成されている第1壁面部材の一部に当接して、挿通部の向きを第1連結孔の孔軸方向に向かうように矯正する傾き矯正部材と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1連結孔を有する第1壁面部材を吊り上げて、複数の第2連結孔を有する第2壁面部材に連結させる壁面部材の施工において使用される吊り治具であって、
前記第1連結孔に挿通されて前記第1壁面部材を吊り上げ、該第1連結孔に対応する前記第2壁面部材の前記第2連結孔に挿通させる挿通部を有する治具本体と、
前記第1連結孔に前記挿通部を挿通して前記第1壁面部材を吊り上げた際に、前記第1連結孔が形成されている前記第1壁面部材の一部に当接して、前記挿通部の向きを前記第1連結孔の孔軸方向に向かうように矯正する傾き矯正部材と、を備えている、吊り治具。
【請求項2】
前記治具本体に取り付けられ、前記傾き矯正部材を支持する補強部材を更に有している、請求項1に記載の吊り治具。
【請求項3】
前記補強部材は、少なくとも2つで構成されており、前記治具本体を間に挟んだ両側に配置されている、請求項2に記載の吊り治具。
【請求項4】
前記傾き矯正部材は、前記治具本体と前記補強部材とによって支持されている、請求項2又は3に記載の吊り治具。
【請求項5】
前記傾き矯正部材は、前記挿通部を間に挟んで少なくとも2つ並列させて設けられている、請求項1又は2に記載の吊り治具。
【請求項6】
前記挿通部には、前記第1連結孔に挿通された状態で前記第1連結孔から抜け出さないように保持する抜け留め防止部材が設けられている、請求項1又は2に記載の吊り治具。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか一項に記載の吊り治具を用いて、複数の第1連結孔を有する第1壁面部材を吊り上げ、該第1壁面部材を複数の第2連結孔を有する第2壁面部材に連結させる壁面部材の施工方法であって、
前記第1連結孔に前記挿通部を挿通して前記吊り治具を取り付け、前記第1壁面部材を吊り上げた状態で、既に設置された前記第2壁面部材の下方に配置する工程と、
前記第1連結孔に挿通した前記挿通部を、該第1連結孔に対応する前記第2壁面部材の前記第2連結孔に挿通させて、前記第1壁面部材と前記第2壁面部材とを位置決めする工程と、
前記第1壁面部材と前記第2壁面部材とを連結する工程と、を備えている、吊り治具を用いた壁面部材の施工方法。
【請求項8】
前記第1壁面部材は、
第1壁面部と、前記第1壁面部の対向する端縁に沿って設けられ、前記第1連結孔が形成された一対の第1フランジ部と、を有し、
前記第2壁面部材は、
第2壁面部と、前記第2壁面部の対向する端縁に沿って設けられ、前記第2連結孔が形成された一対の第2フランジ部と、を有しており、
対向する前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とを接合することで、前記第1壁面部材と前記第2壁面部材とを連結する、請求項7に記載の吊り治具を用いた壁面部材の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り治具、及び該吊り治具を用いた壁面部材の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、複数の貫通孔を有する第1壁面部材を吊り上げて、複数の貫通孔を有する第2壁面部材に連結させる壁面部材の施工において使用される吊り治具が開示されている。特許文献1に開示された吊り治具は、治具本体と、治具本体の一端側に設けられたフック部と、治具本体の他端側に設けられた掛止部と、を備えている。フック部の先端側には、第1壁面部材の貫通孔へ挿入させる挿通部が設けられている。掛止部には、バックホウ等の吊り上げ装置に接続されたワイヤ等が掛け止められる。この吊り治具を用いた壁面部材の施工方法は、貫通孔にフック部の挿通部を挿通して吊り治具を取り付け、第1壁面部材を吊り上げた状態で、既に設置された第2壁面部材の下方に配置する。そして、第1壁面部材の貫通孔に挿通している挿通部を、第2壁面部材の貫通孔に挿通させて、第1壁面部材と第2壁面部材との連結位置を調整した後、第1壁面部材と第2壁面部材とを連結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吊り治具は、第1壁面部材に間隔をあけて複数取り付けられる場合がある。各吊り治具の掛止部には、それぞれワイヤの一端部が掛け止められる。各ワイヤの他端部は、バックホウ等の吊り上げ装置の接続部に共通に接続される。この接続部は、複数の吊り治具の中間に位置して吊り支点となる。つまり、ワイヤは、鉛直方向に対してずれた位置となる掛止部と接続部に接続されているため、吊り上げ装置によって引っ張られると斜めの状態となる。このとき、吊り治具は、斜めの状態となったワイヤに引っ張られることで吊り支点側に向かって傾き、フック部の挿通部の向きも貫通孔の孔軸方向に対して傾いてしまう。挿通部の向きが貫通孔の孔軸方向に対して傾いていると、第2壁面部材の下方に第1壁面部材を配置した後、第1壁面部材の貫通孔に挿通している挿通部を、第2壁面部材の貫通孔に挿通させる作業に手間が掛かり、作業者にとって作業の負担となることがあった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、第1壁面部材を吊り上げるワイヤが斜めの状態であっても、第1壁面部材を第2壁面部材に連結させる作業の負担を軽減でき、施工性を向上させることができる、吊り治具、及び該吊り治具を用いた壁面部材の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る吊り治具は、複数の第1連結孔を有する第1壁面部材を吊り上げて、複数の第2連結孔を有する第2壁面部材に連結させる壁面部材の施工において使用される吊り治具であって、前記第1連結孔に挿通されて前記第1壁面部材を吊り上げ、該第1連結孔に対応する前記第2壁面部材の前記第2連結孔に挿通させる挿通部を有する治具本体と、前記第1連結孔に前記挿通部を挿通して前記第1壁面部材を吊り上げた際に、前記第1連結孔が形成されている前記第1壁面部材の一部に当接して、前記挿通部の向きを前記第1連結孔の孔軸方向に向かうように矯正する傾き矯正部材と、を備えているものである。
【0007】
本発明に係る吊り治具を用いた壁面部材の施工方法は、上記吊り治具を用いて、複数の第1連結孔を有する第1壁面部材を吊り上げ、該第1壁面部材を複数の第2連結孔を有する第2壁面部材に連結させる壁面部材の施工方法であって、前記第1連結孔に前記挿通部を挿通して前記吊り治具を取り付け、前記第1壁面部材を吊り上げた状態で、既に設置された前記第2壁面部材の下方に配置する工程と、前記第1連結孔に挿通した前記挿通部を、該第1連結孔に対応する前記第2壁面部材の前記第2連結孔に挿通させて、前記第1壁面部材と前記第2壁面部材とを位置決めする工程と、前記第1壁面部材と前記第2壁面部材とを連結する工程と、を備えているものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、第1壁面部材を吊り上げるワイヤが斜めの状態であっても、傾き矯正部材で挿通部の向きを第1連結孔の孔軸方向に向かうように矯正できるので、第1壁面部材の第1連結孔に挿通している挿通部を第2壁面部材の第2連結孔に挿通させやすくなり、作業者の作業の負担を軽減でき、施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る吊り治具と壁面部材との関係を示した説明図である。
【
図2】実施の形態に係る吊り治具と壁面部材との関係を示した説明図である。
【
図3】実施の形態における壁面部材の変形例を示した説明図である。
【
図5】実施の形態に係る吊り治具の治具本体の正面図である。
【
図6】実施の形態に係る吊り治具の補強部材の正面図である。
【
図9】実施の形態に係る吊り治具の作用を示した説明図である。
【
図10】吊り治具を用いて第1壁面部材を吊り上げた状態を模式的に示した説明図である。
【
図11】従来の吊り治具の課題を模式的に示した説明図である。
【
図12】実施の形態に係る吊り治具の変形例を示した説明図である。
【
図13】実施の形態に係る壁面部材の施工方法の施工手順を示した説明図である。
【
図14】実施の形態に係る壁面部材の施工方法の施工手順を示した説明図である。
【
図15】実施の形態に係る壁面部材の施工方法の施工手順を示した説明図である。
【
図16】実施の形態に係る壁面部材の施工方法の施工手順を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、上、下、左及び右等)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
【0011】
実施の形態.
図1及び
図2は、実施の形態に係る吊り治具と壁面部材との関係を示した説明図である。本実施の形態に係る吊り治具3は、複数の第1連結孔11aを有する第1壁面部材1を吊り上げて、複数の第2連結孔21aを有する第2壁面部材2に連結させる壁面部材の施工において使用されるものである。先ず、
図1~
図3を参照して、第1壁面部材1と第2壁面部材2の構成について説明する。
【0012】
(壁面部材の構成)
第1壁面部材1と第2壁面部材2は、例えば構造物の基礎や下水道等を構築するための立坑又は地中に構築される集水井等の構造物に用いられる土留パネルである。当該構造物は、例えば地面を掘削して形成された鉛直の掘削孔の周方向に複数枚の土留パネルを配置して形成した環状の構造体を、掘削孔の孔軸方向に沿って複数段に積み重ねて構築されるものである。
【0013】
第1壁面部材1と第2壁面部材2は、一例として同一の構成である。そのため、吊り治具3を用いて吊り上げられる第1壁面部材1を中心に説明し、第2壁面部材2については重複する説明を適宜省略する。
図1に示すように、第1壁面部材1は、平板状の第1壁面部10と、第1壁面部10の対向する一方の端縁に沿って設けられた一対の第1フランジ部11と、第1壁面部10の対向する他方の端縁に沿って設けられた一対の継手板12と、を備えている。第1壁面部10、第1フランジ部11及び継手板12は、いずれも平板状の鋼板で形成されている。第1壁面部材1は、第1壁面部10と第1フランジ部11と継手板12とで一方に開口面を有する凹状に形成されている。第1壁面部材1は、一例として長方形状である。一対の第1フランジ部11は、第1壁面部10の上端及び下端に設けられて上面及び下面を形成するものである。一対の継手板12は、第1壁面部10の左右の両端に設けられて左右の側面を形成するものである。第1フランジ部11及び継手板12は、それぞれ第1壁面部10に溶接で接合されている。
【0014】
同様に、第2壁面部材2は、平板状の第2壁面部20と、第2壁面部20の対向する一方の端縁に沿って設けられた一対の第2フランジ部21と、第2壁面部20の対向する他方の端縁に沿って設けられた一対の継手板22と、を備えている。
【0015】
第1フランジ部11には、第1壁面部材1と第2壁面部材2を連結するための第1連結孔11aが複数形成されている。第2フランジ部21にも、第1壁面部材1と第2壁面部材2を連結するための第2連結孔21aが複数形成されている。第1壁面部材1と第2壁面部材2は、対向する第1フランジ部11と第2フランジ部21とを突き合わせ、例えば第1連結孔11a及び第2連結孔21aに挿通したボルトの軸部をナットで締結することで連結される。なお、第1壁面部材1と第2壁面部材2を連結する手段は、ボルト及びナットに限定されず、例えばクリップ等の連結具を用いてもよい。また、図示した第1連結孔11a及び第2連結孔21aの個数は一例であって、これに限定されない。
【0016】
なお、継手板12(22)には、掘削孔の周方向に配置した左右に隣り合う壁面部材同士を連結するために利用する連結孔12a(22a)が複数形成されている。左右に隣り合う壁面部材同士は、連結孔12a(22a)を利用して、ボルト接合又はクリップ等の連結具を用いて連結される。
【0017】
また、
図2に示すように、第1壁面部材1は、上下の第1フランジ部11の間に設けられ、製造時、運搬時、及び施工時における第1壁面部材1の形状を保持する形状保持部材9を有していてもよい。形状保持部材9は、例えば
図2示した鋼板等から成る板状部材、又は鉄筋棒等から成る棒状部材(図示省略)で構成するとよい。なお、形状保持部材9の形状及び設置個数は、例えば第1壁面部材1の大きさ及び形状等を考慮して決定される。また、第2壁面部材2についても同様に、形状保持部材9を有していてもよい。
【0018】
図3は、実施の形態における壁面部材の変形例を示した説明図である。第1壁面部材1及び第2壁面部材2は、上記
図1に示した構成に限定されない。第1壁面部材1及び第2壁面部材2は、例えば
図3(A)及び(B)に示した波付け鋼板でもよい。
図3(A)に示した波付け鋼板は、第1壁面部10及び第2壁面部20として、波形断面が角波状となるように屈曲形成された構成である。
図3(B)に示した波付け鋼板は、第1壁面部10及び第2壁面部20として、波形断面がサインカーブ状に形成された構成である。波付け鋼板は、上端縁及び下端縁に沿って設けられた第1フランジ部11又は第2フランジ部21と、長手方向の両端縁に沿って設けられた継手板12又は22と、を有している。第1フランジ部11又は第2フランジ部21は、波付け鋼板の上端縁及び下端縁を曲げ加工されて形成されている。継手板12又は22は、波付け鋼板の長手方向の両端縁に溶接された鋼板によって形成されている。
【0019】
また、図示することは省略したが、第1壁面部材1と第2壁面部材2は、断面がH形状に形成された鋼材、断面が溝形状に形成された鋼材を用いて形成してもよいし、これらの鋼材を組み合わせて形成してもよく、その他の形状からなる鋼材を用いて形成してもよい。要するに、上記した第1壁面部材1と第2壁面部材2の構成は一例であって、土留パネル等として使用される壁面部材とした構成であれば、どのような形態でもよい。また、第1壁面部材1と第2壁面部材2は、同一の構成に限定されず、異なる構成でもよい。例えば、第1壁面部材1を
図1に示した平板状の第1壁面部10を有する構成とし、第2壁面部材2を
図3に示した波付け鋼板からなる第2壁面部20を有する構成としてもよいし、その逆の構成でもよい。
【0020】
(吊り治具3の構成)
次に、
図1を参照しつつ、
図4~
図12に基づいて吊り治具3の構成について説明する。
図4は、実施の形態に係る吊り治具の正面図である。
図5は、実施の形態に係る吊り治具の治具本体の正面図である。
図6は、実施の形態に係る吊り治具の補強部材の正面図である。
図7は、
図4に示したA-A線矢視断面図である。
図8は、
図4に示したB-B線矢視断面図である。
図9は、実施の形態に係る吊り治具の作用を示した説明図である。
図10は、吊り治具を用いて第1壁面部材を吊り上げた状態を模式的に示した説明図である。
図11は、従来の吊り治具の課題を模式的に示した説明図である。
【0021】
吊り治具3は、
図1に示すように、第1壁面部材1に取り付けられ、第1壁面部材1をバックホウ等の吊り上げ装置で吊り上げるために使用する。吊り治具3は、例えば、第1壁面部材1の上面側の第1フランジ部11に間隔をあけて2つ取り付けられる。吊り治具3は、
図1、
図4~
図8に示すように、治具本体30と、把持部31と、補強部材4と、傾き矯正部材5A及び5Bと、を有している。
【0022】
治具本体30は、断面円形状の丸鋼を曲げ加工して形成されている。治具本体30の径は、一例として16mm程度である。治具本体30は、
図5に示すように、一端側に形成された略L字状のフック部32と、他端側に形成されたリング状の掛止部33と、フック部32と掛止部33との間に形成された直線状に延伸する本体部34と、を有している。
【0023】
図5に示すように、フック部32は、支持部32aと挿通部32bと、を有している。支持部32aは、本体部34から屈曲して直線状に延伸させた部分である。支持部32aは、吊り治具3を使用して第1壁面部材1を吊り上げる際に、第1壁面部材1の第1フランジ部11が載置された状態で、第1壁面部材1を一定姿勢で支持する。挿通部32bは、支持部32aの端部から掛止部33側に向かって屈曲させて直線状に延伸させた部分である。挿通部32bは、支持部32aが延伸する方向に対して垂直方向に設けられている。挿通部32bは、吊り治具3を使用して第1壁面部材1を吊り上げる際に、第1フランジ部11に形成された第1連結孔11aに挿通される。挿通部32bは、第1連結孔11aに挿通され、第1壁面部材1を吊り上げた状態で、該第1連結孔11aに対応する第2壁面部材2の第2連結孔22aに挿通させるものである。挿通部32bは、
図1に示すように、第1連結孔11aに挿通した際に、第1連結孔11aから突き出す長さで形成されている。
【0024】
掛止部33は、バックホウ等の吊り上げ装置に接続されたワイヤ6等が掛け止められる部分である。掛止部33は、リング状に曲げ加工することにより形成されている。なお、掛止部33は、ワイヤ6等が掛け止めされる形状であればよく、図示したリング状に限定されず、例えば矩形、曲形など、その他の形状でもよい。また、掛止部33は、リング状に曲げ加工することに限定されず、例えば本体部34にリング状の部材を溶接等で取り付けてもよいし、その他の加工方法により形成してもよい。
【0025】
把持部31は、作業者が吊り治具3を操作するために把持する部分である。把持部31は、断面円形状の丸鋼の一端部を治具本体30の本体部34に溶接して取り付けられたものである。把持部31は、フック部32とは反対側の向きに向けて略直線状に延びるように設けられている。作業者は、把持部31を握って操作することで、吊り治具3が取り付けられた第1壁面部材1を所望の位置に移動させたり、或いは第1壁面部材1を一定の姿勢に変更させたりすることができる。なお、把持部31は、略直線状に延びる構成に限定されず、例えばコの字状やL字状等、他の形状でもよい。要するに、把持部31は、作業者が吊り治具3を把持して操作することができれば、どのような形態でもよい。但し、把持部31は、フック部32の向きとは異なる向きに設けるものとする。
【0026】
補強部材4は、
図1及び
図4に示すように、治具本体30に取り付けられて傾き矯正部材5A及び5Bを支持するものである。補強部材4は、
図4及び
図6に示すように、断面円形状の丸鋼を曲げ加工して略L字状としたものである。補強部材4は、一例として治具本体30と同径(16mm程度)である。補強部材4は、
図1に示すように、2本で構成されており、治具本体30を間に挟んだ両側に配置され、該治具本体30に溶接されて取り付けられている。補強部材4は、本体部34に沿った直線状に延びる第1補強部40と、第1補強部40から屈曲して延伸させ、フック部32の支持部32aに沿って直線状に延びる第2補強部41と、を有している。第1補強部40は、掛止部33と干渉しないように、掛止部33に向かって突き出さない長さで形成されている。また、第2補強部41は、支持部32aよりも前方に突き出す長さで形成されており、突き出した先端部分で傾き矯正部材5Bを設置できる構成である。なお、第2補強部41は、先端部分で傾き矯正部材5Bを設置する必要がない場合には、支持部32aよりも前方に突き出す長さで形成する必要はなく、支持部32aと同程度の長さでもよい。
【0027】
なお、補強部材4は、図示した2つに限定されず、3つ以上設けてもよい。この場合、治具本体30に取り付けられた補強部材4に新たな補強部材4を並べて溶接等で取り付けることになる。また、補強部材4は、図示したL字状に限定されない。補強部材4は、例えば直線状でもよいし、その他の形状でもよい。補強部材4を直線状とした場合、フック部32の本体部34と支持部32aとそれぞれ配置してもよいし、支持部32aにのみ配置してもよい。また、補強部材4は、断面円形状の丸鋼に限定されず、断面矩形状の角鋼でもよいし、鋼板でもよい。要するに、補強部材4は、治具本体30に取り付けられ、傾き矯正部材5A及び5Bを支持できる構成であればよい。
【0028】
傾き矯正部材5A及び5Bは、
図9に示すように、第1連結孔11aにフック部32の挿通部32bを挿通して第1壁面部材1を吊り上げた際に、第1連結孔11aが形成されている第1フランジ部11に当接して、フック部32の挿通部32bの向きを第1連結孔11aの孔軸方向Pに向かうように矯正するものである。傾き矯正部材5A及び5Bは、断面が矩形状の角鋼で構成されている。傾き矯正部材5A及び5Bは、第1フランジ部11の長手方向に沿って長い形状である。傾き矯正部材5A及び5Bは、
図4に示すように、挿通部32bを間に挟んで2つ並列させて設けられている。一方の傾き矯正部材5Aは、
図7に示すように、フック部32の支持部32aと、2つの補強部材4及び4と、によって支持され、支持部32aが延伸する方向及び挿通部32bが延伸する方向と略直交するように配置されている。傾き矯正部材5Aは、支持部32aの上面と2つの補強部材4及び4の上面に溶接で接合されている。他方の傾き矯正部材5Bは、
図8に示すように、支持部32aよりも前方に突き出した補強部材4及び4の先端部分に支持され、第2補強部41が延伸する方向と略直交するように配置されている。傾き矯正部材5Bは、2つの補強部材4及び4の上面に溶接で接合されている。
【0029】
ところで、吊り治具3は、
図10に示すように、第1壁面部材1の上面側の第1フランジ部11に間隔をあけて複数(図示例の場合は2つ)取り付けられる場合がある。各吊り治具3の掛止部33には、それぞれワイヤ6の一端部が掛け止められる。各ワイヤ6の他端部は、バックホウ等の吊り上げ装置の接続部8に共通に接続される。この接続部8は、2つの吊り治具3の中間に位置して吊り支点となる。つまり、ワイヤ6は、鉛直方向に対してずれた位置となる掛止部33と接続部8に接続されているため、吊り上げ装置によって引っ張られると斜めの状態となる。このとき、従来の吊り治具3Aでは、
図11に示すように、斜めの状態となったワイヤ6に引っ張られることで吊り支点側に向かって傾き、フック部32の挿通部32bの向きも第1連結孔11aの孔軸方向Pに対して傾いてしまう。挿通部32bの向きが第1連結孔11aの孔軸方向Pに対して傾いていると、第2壁面部材2の下方に第1壁面部材1を配置した後、第1壁面部材1の第1連結孔11aに挿通している挿通部32bを、第2壁面部材2の第2連結孔21aに挿通させる作業に手間が掛かり、作業者にとって作業の負担となることがあった。
【0030】
一方、本実施の形態に係る吊り治具3では、
図9に示すように、第1壁面部材1を吊り上げるワイヤ6が斜めの状態であっても、ワイヤ6に引っ張られることで、傾き矯正部材5A及び5Bが第1フランジ部11のフランジ面に追従して当接するので、傾き矯正部材5A及び5Bで挿通部32bの向きを第1連結孔11aの孔軸方向Pに向かうように矯正できる。よって、第1壁面部材1の第1連結孔11aに挿通しているフック部32の挿通部32bを第2壁面部材2の第2連結孔21aに挿通させやすくなり、作業者の作業の負担を軽減でき、施工性を向上させることができる。
【0031】
なお、傾き矯正部材5A及び5Bは、第1フランジ部11のフランジ面に確実に当接させるために、断面が矩形状の角鋼であることが望ましいが、当該形態に限定されない。傾き矯正部材5A及び5Bは、例えば鋼板でもよいし、丸鋼でもよいし、その他の形状でもよい。また、傾き矯正部材5A及び5Bは、図示した2つに限定されず、1つでもよいし、3以上並列させて設けてもよい。要するに、傾き矯正部材5A及び5Bは、第1連結孔11aにフック部32の挿通部32bを挿通して第1壁面部材1を吊り上げた際に、第1連結孔11aが形成されている第1壁面部材1の一部に当接して、フック部32の挿通部32bの向きを第1連結孔11aの孔軸方向Pに向かうように矯正することができれば、他の形態でもよい。この場合、第1壁面部材1の一部とは、第1フランジ部11に限定されず、第1連結孔11aが形成されている部分であればよい。
【0032】
図12は、実施の形態に係る吊り治具の変形例を示した説明図である。吊り治具3は、
図12に示すように、第1連結孔11aに挿通した挿通部32bが第1連結孔11aから抜け出さないように保持する抜け留め防止部材35を設けた構成としてもよい。
図12に示した吊り治具3は、挿通部32bの先端に貫通孔32cが形成されており、貫通孔32cに例えばスナップピンやシャフトロックピン等の抜け留め防止部材35が挿入された構成である。これにより、吊り治具3を第1壁面部材1にしっかりと固定させることができるので、安全に第1壁面部材1をワイヤ6で吊り上げて移送させることができる。抜け留め防止部材35は、第1連結孔11aに挿通した挿通部32bを、該第1連結孔11aに対応する第2壁面部材2の第2連結孔21aに挿通させる際に、取り外される。なお、抜け留め防止部材35を用いて第1連結孔11aに挿通した挿通部32bが第1連結孔11aから抜け出さないように保持する構成は、上記構成に限定されない。例えば挿通部32bの先端に凹部を形成して、凹部に前記抜け留め防止部材35を挿し込んでもよいし、その他の構成でもよい。
【0033】
なお、吊り治具3は、上記構成に限定されない。吊り治具3は、上記構成に加えて他の機能を含んでもよいし、例えば把持部31や抜け留め防止部材35を省略してもよい。
【0034】
(吊り治具3を用いた壁面部材の施工方法)
次に、
図1~
図12を参照しつつ、
図13~
図16に基づいて吊り治具3を用いた壁面部材の施工方法の手順について説明する。
図13~
図16は、実施の形態に係る壁面部材の施工方法の施工手順を示した説明図である。実施の形態に係る吊り治具3を用いた壁面部材の施工方法では、例えば立抗内に既に設置されている第2壁面部材2の下方に、吊り治具3を使用して吊り上げた第1壁面部材1を設置するものである。
【0035】
先ず、
図13に示すように、上面側の第1フランジ部11の第1連結孔11aの1つに挿通部32bを挿通して、吊り治具3を第1壁面部材1に取り付ける。このとき、
図12に示すように、第1連結孔11aに挿通した挿通部32bが第1連結孔11aから抜け出さないように抜け留め防止部材35を設けてもよい。
【0036】
吊り治具3は、
図10に示すように、第1壁面部材1の上面側の第1フランジ部11に間隔をあけて2つ取り付けられる。使用する2つの吊り治具3は、同じ構成であるため、左右の配置に関係なく使用できる。各吊り治具3の掛止部33には、それぞれワイヤ6の一端部が掛け止められる。各ワイヤ6の他端部は、バックホウ等の吊り上げ装置の接続部8に共通に接続されている。この接続部8は、2つの吊り治具3の中間に位置して吊り支点となる。つまり、ワイヤ6は、鉛直方向に対してずれた位置となる掛止部33と接続部8に接続されているため、吊り上げ装置によって引っ張られると斜めの状態となる。しかし、吊り治具3は、
図9に示すように、第1壁面部材1を吊り上げるワイヤ6が斜めの状態であっても、ワイヤ6に引っ張られることで、傾き矯正部材5A及び5Bが第1フランジ部11のフランジ面に追従して当接するので、傾き矯正部材5A及び5Bで挿通部32bの向きを第1連結孔11aの孔軸方向Pに向かうように矯正される。この状態で、第1壁面部材1は、2つの吊り治具3にそれぞれ取り付けられたワイヤ6を介してバックホウ等の吊り上げ装置で持ち上げられて移送される。
【0037】
そして、
図14に示すように、第1連結孔11aに吊り治具3の挿通部32bを挿通して第1壁面部材1を吊り上げた状態で、第1壁面部材1を第2壁面部材2の下方まで移送させて配置し、挿通部32bを第2壁面部材2の第2連結孔21aの位置に合わせる。このとき、挿通部32bの先端の一部を、第2壁面部材2の第2連結孔21aに挿入させるとよい。この位置合わせ作業は、作業者が把持部31を握り、第1壁面部材1を所望の位置に移動させることで行うことができる。なお、吊り治具3の挿通部32bに抜け留め防止部材35を取り付けている場合には、抜け留め防止部材35を挿通部32bから取り外してから、挿通部32bの先端の一部を、第2壁面部材2の第2連結孔21aに挿入させる。
【0038】
次に、
図15に示すように、第1壁面部材1の第1フランジ部11がほぼ水平姿勢となるように、第1壁面部材1の傾き調整し、第1壁面部材1の第1フランジ部11と、第2壁面部材2の第2フランジ部21とを突き合わせる。そして、第1連結孔11aに挿通した吊り治具3の挿通部32bを、該第1連結孔11aに対応する第2壁面部材2の第2連結孔21aに挿通させて、第1壁面部材1と第2壁面部材2とを位置決めする。
【0039】
最後に、
図16に示すように、突き合わせた第1壁面部材1と第2壁面部材2とを連結する。具体的には、先ず、フック部32の挿通部32bが挿通されていない他の第1フランジ部11の第1連結孔11aと、第2フランジ部21の第2連結孔21aにボルト7aの軸部を挿通し、該軸部をナット7bで締結する。そして、すべての連結孔又は数ヵ所の連結孔において締結した後、吊り治具3を第1壁面部材1から取り外し、フック部32の挿通部32bが挿通されていた第1連結孔11aと第2連結孔21aにボルト7aの軸部を挿通し、該軸部をナット7bで締結する。なお、第1壁面部材1と第2壁面部材2とを連結する手段は、ボルト7a及びナット7bによるボルト接合に限定されず、例えばクリップ等の連結具を用いてもよい。
【0040】
以上のように、本実施の形態に係る吊り治具3は、第1連結孔11aに挿通されて第1壁面部材1を吊り上げ、該第1連結孔11aに対応する第2壁面部材2の第2連結孔21aに挿通させるフック部32を有する治具本体30と、第1連結孔11aにフック部32の挿通部32bを挿通して第1壁面部材1を吊り上げた際に、第1連結孔11aが形成されている第1壁面部材1の一部に当接して、フック部32の挿通部32bの向きを第1連結孔11aの孔軸方向Pに向かうように矯正する傾き矯正部材5A及び5Bと、を備えている。よって、第1壁面部材1を吊り上げるワイヤ6が斜めの状態であっても、傾き矯正部材5A及び5Bでフック部32の挿通部32bの向きを第1連結孔11aの孔軸方向Pに向かうように矯正できるので、第1壁面部材1の第1連結孔11aに挿通している挿通部32bを第2壁面部材2の第2連結孔21aに挿通させやすくなり、作業者の作業の負担を軽減でき、施工性を向上させることができる。
【0041】
以上に、吊り治具3、及び該吊り治具3を用いた壁面部材の施工方法を実施の形態に基づいて説明したが、上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した吊り治具3、及び該吊り治具3を用いた壁面部材の施工方法の構成は、一例であって、構成要素の一部を省略してもよいし、他の構成要素を含んでもよい。また、第1壁面部材1及び第2壁面部材2は、集水井等の構造物に用いられる土留パネル以外の目的で使用される壁面部材であってもよい。また、第1壁面部材1に取り付けられる吊り治具3は、2つに限定されず、3つ以上でもよい。また、実施の形態で示した傾き矯正部材5A及び5Bを省略し、補強部材4を傾き矯正部材として利用することもできる。この場合、傾き矯正部材とした補強部材4は、例えば第2補強部41において第1フランジ部11の長手方向に沿った幅寸法を大きくするとよい。要するに、壁面部材の施工方法、及び該施工方法で使用される傾き調整治具は、技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【0042】
上記に説明した壁面部材の施工方法、及び該施工方法で使用される傾き調整治具は、以下の付記1~8に示す各特徴の組み合わせも含み得るものである。その組み合わせについて下記に示す。
【0043】
(付記1)
複数の第1連結孔を有する第1壁面部材を吊り上げて、複数の第2連結孔を有する第2壁面部材に連結させる壁面部材の施工において使用される吊り治具であって、
前記第1連結孔に挿通されて前記第1壁面部材を吊り上げ、該第1連結孔に対応する前記第2壁面部材の前記第2連結孔に挿通させる挿通部を有する治具本体と、
前記第1連結孔に前記挿通部を挿通して前記第1壁面部材を吊り上げた際に、前記第1連結孔が形成されている前記第1壁面部材の一部に当接して、前記挿通部の向きを前記第1連結孔の孔軸方向に向かうように矯正する傾き矯正部材と、を備えている、吊り治具。
【0044】
(付記2)
前記治具本体に取り付けられ、前記傾き矯正部材を支持する補強部材を更に有している、付記1に記載の吊り治具。
【0045】
(付記3)
前記補強部材は、少なくとも2つで構成されており、前記治具本体を間に挟んだ両側に配置されている、付記2に記載の吊り治具。
【0046】
(付記4)
前記傾き矯正部材は、前記治具本体と前記補強部材とによって支持されている、付記2又は3に記載の吊り治具。
【0047】
(付記5)
前記傾き矯正部材は、前記挿通部を間に挟んで少なくとも2つ並列させて設けられている、付記1~4のいずれか一つに記載の吊り治具。
【0048】
(付記6)
前記挿通部には、前記第1連結孔に挿通された状態で前記第1連結孔から抜け出さないように保持する抜け留め防止部材が設けられている、付記1~5のいずれか一つに記載の吊り治具。
【0049】
(付記7)
付記1~6のいずれか一つに記載の吊り治具を用いて、複数の第1連結孔を有する第1壁面部材を吊り上げ、該第1壁面部材を複数の第2連結孔を有する第2壁面部材に連結させる壁面部材の施工方法であって、
前記第1連結孔に前記挿通部を挿通して前記吊り治具を取り付け、前記第1壁面部材を吊り上げた状態で、既に設置された前記第2壁面部材の下方に配置する工程と、
前記第1連結孔に挿通した前記挿通部を、該第1連結孔に対応する前記第2壁面部材の前記第2連結孔に挿通させて、前記第1壁面部材と前記第2壁面部材とを位置決めする工程と、
前記第1壁面部材と前記第2壁面部材とを連結する工程と、を備えている、吊り治具を用いた壁面部材の施工方法。
【0050】
(付記8)
前記第1壁面部材は、
第1壁面部と、前記第1壁面部の対向する端縁に沿って設けられ、前記第1連結孔が形成された一対の第1フランジ部と、を有し、
前記第2壁面部材は、
第2壁面部と、前記第2壁面部の対向する端縁に沿って設けられ、前記第2連結孔が形成された一対の第2フランジ部と、を有しており、
対向する前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とを接合することで、前記第1壁面部材と前記第2壁面部材とを連結する、付記7に記載の吊り治具を用いた壁面部材の施工方法。
【符号の説明】
【0051】
1 第1壁面部材、2 第2壁面部材、3、3A 吊り治具、4、補強部材、5A、5B 傾き調整治具、6 ワイヤ、7a ボルト、7b ナット、8 接続部、9 形状保持部材、10 第1壁面部、11 第1フランジ部、11a 第1連結孔、12 継手板、12a 連結孔、20 第2壁面部、21 第2フランジ部、21a 第2連結孔、22 継手板、22a 連結孔、30 治具本体、31 把持部、32 フック部、32a 支持部、32b 挿通部、32c 貫通孔、33 掛止部、34 本体部、35 抜け留め防止部材、40 第1補強部、41 第2補強部、P 孔軸方向。