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特開2024-77234積層体チップの製造方法および積層体チップの製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077234
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】積層体チップの製造方法および積層体チップの製造装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/18 20060101AFI20240531BHJP
   B26F 1/00 20060101ALI20240531BHJP
   B26F 1/44 20060101ALI20240531BHJP
   B26D 3/08 20060101ALI20240531BHJP
   B26D 5/00 20060101ALI20240531BHJP
   B26D 11/00 20060101ALI20240531BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240531BHJP
   B32B 7/06 20190101ALI20240531BHJP
【FI】
B26D7/18 F
B26F1/00 G
B26F1/44 G
B26D3/08 Z
B26D5/00 A
B26D11/00
B32B27/00 M
B32B7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189195
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003845
【氏名又は名称】弁理士法人籾井特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】臼井 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大悟
(72)【発明者】
【氏名】道下 そら
(72)【発明者】
【氏名】森永 総司
【テーマコード(参考)】
3C021
3C060
4F100
【Fターム(参考)】
3C021FD05
3C060AA04
3C060AB01
3C060BA07
3C060BB05
3C060BD01
3C060BE07
3C060BG13
3C060BG16
3C060BG17
3C060BH01
4F100AK25
4F100AK25C
4F100AK41B
4F100AK41D
4F100AK42
4F100AK42A
4F100AR00A
4F100AT00B
4F100AT00D
4F100BA04
4F100BA07
4F100CB05
4F100CB05C
4F100EJ30
4F100EJ93
4F100EJ94
4F100JK07
4F100JK07C
4F100JL13
4F100JL13C
(57)【要約】
【課題】不要部分を円滑に除去でき、粘着剤層を含む積層体チップを安定して製造できる積層体チップの製造方法および積層体チップの製造装置を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による積層体チップの製造方法は、第1切断装置1を通過するように移動可能なキャリアシート3上に、第1フィルム45と粘着剤層46と第2フィルムとをこの順に備える積層体4を配置する工程と;第1切断装置1において、積層体4の少なくとも一部を積層方向にカットして、製品部分41と不要部分42とに切断する工程と;第1切断装置1を通過後にキャリアシート3をたるませることなく、不要部分42を製品部分41から引き離す工程と;不要部分42を引き離した後に、キャリアシート3をたるませる工程と;を含んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断装置を通過するように移動可能なキャリアシート上に、第1フィルムと粘着剤層と第2フィルムとをこの順に備える積層体を配置する工程と、
前記切断装置において、前記積層体の少なくとも一部を積層方向にカットして、製品部分と不要部分とに切断する工程と、
前記切断装置を通過後に前記キャリアシートをたるませることなく、前記不要部分を前記製品部分から引き離す工程と、
前記不要部分を引き離した後に、前記キャリアシートをたるませる工程と、を含む、積層体チップの製造方法。
【請求項2】
前記切断装置は、前記製品部分と前記不要部分との間に、前記キャリアシートの移動方向と交差する方向に延びる切断ラインを形成する、請求項1に記載の積層体チップの製造方法。
【請求項3】
前記キャリアシートは、前記切断装置と、前記切断装置から離れて位置する別の切断装置とを順に通過するように移動可能であり、
前記切断装置と、前記別の切断装置との間で、前記キャリアシートをたるませる、請求項1または2に記載の積層体チップの製造方法。
【請求項4】
前記切断装置と前記別の切断装置との間で前記キャリアシートをたるませた後に、前記製品部分に表面保護フィルムを貼り付ける工程をさらに含む、請求項3に記載の積層体チップの製造方法。
【請求項5】
前記別の切断装置において、前記製品部分の外形を加工する工程をさらに含む、請求項4に記載の積層体チップの製造方法。
【請求項6】
前記切断装置において、前記積層体を前記積層方向にハーフカットして、前記粘着剤層および前記第2フィルムを前記製品部分と前記不要部分とに切断し、
前記不要部分を前記製品部分から引き離す工程において、前記不要部分を前記第1フィルムからはく離する、請求項1または2に記載の積層体チップの製造方法。
【請求項7】
前記粘着剤層が、23℃における貯蔵弾性率が6.0×10(Pa)以下である粘着剤から構成されている、請求項1または2に記載の積層体チップの製造方法。
【請求項8】
切断装置と、
前記切断装置を通過するように、キャリアシートを移動させるキャリアシート搬送部と、
前記キャリアシートの移動方向において前記切断装置の上流側に位置し、前記キャリアシート上に、第1フィルムと粘着剤層と第2フィルムとをこの順に含む積層体を供給する積層体供給部と、
前記キャリアシートの移動方向において前記切断装置に対して前記積層体供給部の反対側に位置する分離部と、を備え、
前記切断装置は、前記積層体の少なくとも一部を積層方向にカットして、製品部分と不要部分とに切断可能であり、
前記分離部は、前記切断装置を通過した前記キャリアシートをたるませることなく、前記不要部分を前記製品部分から引き離し可能である、積層体チップの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体チップの製造方法および積層体チップの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種産業製品において、用途に応じた積層構造を有する積層体チップが幅広く利用されている。そのような積層体チップは、例えば、長尺状の積層体シートを、所望の外形形状を有する製品部分と、製品外の不要部分とに切断した後に、不要部分を除去することで製造される(特許文献1参照)。
近年、用途の多様化に応じて、積層体チップに要求される形状および構造が複雑化している。そこで、切断装置を用いて積層体シートを切断した後、さらに種々の工程を経て積層体チップを製造する場合がある。このような積層体チップの製造方法では、切断装置の動作と、切断装置よりも下流側での工程とを完全に同期させることは困難である。そのため、切断装置を通過した後にキャリアシートをたわませて、切断装置と切断装置よりも下流側の工程とのタクトタイム差を吸収して、積層体チップを連続的に製造することが検討されている。切断装置のシート送りは、一般的に間欠動作である。そのため、積層体シートの切断直後に不要部分を除去すると、積層体シートが意図しない箇所で停止する懸念があり、通常は、積層体シートの切断後、かつ、キャリアシートをたわませた後に、不要部分を連続的に除去している。
しかし、積層体シートが粘着剤層を含んでいる場合、キャリアシートをたるませると、製品部分に含まれる粘着剤層と、不要部分に含まれる粘着剤層とが再付着し、不要部分を除去するときに、糊引き(糸引き)が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-32739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主たる目的は、不要部分を円滑に除去でき、粘着剤層を含む積層体チップを安定して製造できる積層体チップの製造方法および積層体チップの製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の実施形態による積層体チップの製造方法は、切断装置を通過するように移動可能なキャリアシート上に、第1フィルムと粘着剤層と第2フィルムとをこの順に備える積層体を配置する工程と;該切断装置において、該積層体の少なくとも一部を積層方向にカットして、製品部分と不要部分とに切断する工程と;該切断装置を通過後に該キャリアシートをたるませることなく、該不要部分を該製品部分から引き離す工程と;該不要部分を引き離した後に、該キャリアシートをたるませる工程と;を含んでいる。
[2]上記[1]に記載の積層体チップの製造方法において、上記切断装置は、上記製品部分と上記不要部分との間に、上記キャリアシートの移動方向と交差する方向に延びる切断ラインを形成してもよい。
[3]上記[1]または[2]に記載の積層体チップの製造方法において、上記キャリアシートは、上記切断装置と、該切断装置から離れて位置する別の切断装置とを順に通過するように移動可能であってもよい。この場合、該切断装置と該別の切断装置との間で、上記キャリアシートをたるませてもよい。
[4]上記[3]に記載の積層体チップの製造方法は、上記切断装置と上記別の切断装置との間で上記キャリアシートをたるませた後に、上記製品部分に表面保護フィルムを貼り付ける工程をさらに含んでいてもよい。
[5]上記[3]または[4]に記載の積層体チップの製造方法は、上記別の切断装置において、上記製品部分の外形を加工する工程をさらに含んでいてもよい。
[6]上記[1]から[5]のいずれかに記載の積層体チップの製造方法では、上記切断装置において、上記積層体を積層方向にハーフカットして、上記粘着剤層および上記第2フィルムを上記製品部分と上記不要部分とに切断してもよい。この場合、上記不要部分を上記製品部分から引き離す工程において、上記不要部分を上記第1フィルムからはく離してもよい。
[7]上記[1]から[6]のいずれかに記載の積層体チップの製造方法において、上記粘着剤層が、23℃における貯蔵弾性率が6.0×10(Pa)以下である粘着剤から構成されていてもよい。
[8]本発明の別の局面による積層体チップの製造装置は、切断装置と;該切断装置を通過するように、キャリアシートを移動させるキャリアシート搬送部と;該キャリアシートの移動方向において該第1切断装置の上流側に位置し、該キャリアシート上に、第1フィルムと粘着剤層と第2フィルムとをこの順に含む積層体を供給する積層体供給部と;該キャリアシートの移動方向において該第1切断装置に対して該積層体供給部の反対側に位置する分離部と;備えている。上記第1切断装置は、上記積層体の少なくとも一部を積層方向にカットして、製品部分と不要部分とに切断可能である。上記分離部は、上記第1切断装置を通過した上記キャリアシートをたるませることなく、上記不要部分を上記製品部分から引き離し可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、不要部分を円滑に除去でき、粘着剤層を含む積層体チップを安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の1つの実施形態による積層体チップの製造方法を説明するための概略図である。
図2図2は、図1に示す積層体およびキャリアシートの概略断面図である。
図3図3は、図2に示す積層体をハーフカットする工程を説明するための概略断面図である。
図4図4は、図3に示す不要部分をはく離ライナーからはく離する工程を説明するための概略斜視図である。
図5図5は、図3に示す不要部分をはく離ライナーからはく離する工程を説明するための概略断面図である。
図6図6は、図1に示す積層体チップの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0009】
A.積層体チップの製造方法の概要
図1は本発明の1つの実施形態による積層体チップの製造方法を説明するための概略図であり;図2図1に示す積層体およびキャリアシートの概略断面図である。
本発明の1つの実施形態による積層体チップの製造方法は、切断装置の一例としての第1切断装置1を通過するように移動可能なキャリアシート3上に、第1フィルム45と粘着剤層46と第2フィルム47とをこの順に備える積層体4を配置する工程(配置工程)と;第1切断装置1において積層体4の少なくとも一部を積層方向にカットして、製品部分41と不要部分42とに切断する工程(第1切断工程)と;第1切断装置1を通過後にキャリアシート3をたるませることなく、不要部分42を製品部分41から引き離す工程(分離工程)と;分離工程後に、キャリアシート3をたるませる工程(タクト差吸収工程)と;を、この順に含んでいる。
このような方法によれば、第1切断装置を通過後、かつ、キャリアシートをたるませる前に不要部分を製品部分から引き離すので、製品部分の粘着剤層と不要部分の粘着剤層とが付着することを抑制できる。そのため、不要部分を引き離す時に糊引き(糸引き)が発生することを抑制でき、不要部分を円滑に除去できる。また、不要部分を引き離した後に、キャリアシートをたるませるので、第1切断装置と、第1切断装置よりも後の工程とのタクトタイム差を吸収できる。その結果、粘着剤層を含む積層体チップを安定して製造することができる。
【0010】
第1切断工程では、積層体4の全体を積層方向にカットして、第1フィルム45、粘着剤層46および第2フィルム47を製品部分41と不要部分42とに切断してもよく、積層体4を積層方向にハーフカットして、粘着剤層46および第2フィルム47を製品部分41と不要部分42とに切断してもよい。図3から図5では、第1切断工程の一例として、積層体4をハーフカットする実施形態を図示している。第1切断工程において、積層体4をハーフカットした場合、分離工程では、不要部分42は、第1フィルム45からはく離されて、製品部分41から引き離される。
【0011】
図3および図4に示すように、1つの実施形態において、第1切断装置1は、製品部分41と不要部分42との間に、キャリアシート3の移動方向と交差する方向に延びる切断ライン43を形成する。図示例では、第1切断装置1は、製品部分41を、積層体4の積層方向から見て長方形状に切り出している。そのため、製品部分41は、キャリアシート3の移動方向と実質的に直交する方向に延びる切断ライン43と、キャリアシート3の移動方向に延びる切断ラインと、によって囲まれている。製品部分と不要部分との間に、キャリアシートの移動方向と交差する方向に延びる切断ラインが形成される場合、製品部分に含まれる粘着剤層と、不要部分に含まれる粘着剤層とが再付着しやすい。これに対して、本発明の1つの実施形態では、キャリアシートをたるませる前に、不要部分を製品部分から引き離すので、キャリアシートの移動方向と交差する方向に延びる切断ラインが形成されていても、製品部分に含まれる粘着剤層と、不要部分に含まれる粘着剤層との再付着を安定して抑制できる。
【0012】
1つの実施形態において、粘着剤層46は、23℃における貯蔵弾性率が8.0×10(Pa)以下である粘着剤から構成されている。粘着剤層46を構成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率は、好ましくは6.0×10(Pa)以下、より好ましくは5.0×10(Pa)以下である。なお、粘着剤の貯蔵弾性率は、ナノインデンターにより測定できる(以下同様)。粘着剤の貯蔵弾性率が上記上限以下であれば、製品折り曲げ時の粘着剤にかかる応力が吸収緩和できる。一方、粘着剤層がこのような粘着剤から構成されると、粘着剤の貯蔵弾性率が上記上限を超過する場合よりも、製品部分の粘着剤層と不要部分の粘着剤層とが付着しやすい。この点、1つの実施形態によれば、第1切断装置を通過後にキャリアシートをたるませることなく不要部分を製品部分から引き離すので、貯蔵弾性率が上記上限以下の粘着剤から粘着剤層が構成されていても、製品部分の粘着剤層と不要部分の粘着剤層とが付着することを抑制できる。なお、粘着剤層46を構成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率の下限は、代表的には2.0×10(Pa)以上である。
【0013】
図1に示すように、1つの実施形態において、キャリアシート3は、第1切断装置1と、第1切断装置1から離れて位置する第2切断装置2とを順に通過するように移動可能である。第2切断装置2は、別の切断装置の一例である。タクト差吸収工程では、第1切断装置1と第2切断装置2との間で、キャリアシート3をたるませる。
【0014】
1つの実施形態において、積層体チップの製造方法は、第1切断装置1と第2切断装置2との間でキャリアシート3をたるませた後に、製品部分41に表面保護フィルム5を貼り付ける工程(貼付工程)をさらに含んでいる。このような方法によれば、表面保護フィルムによって、製品部分(図示例では第2フィルムおよび粘着剤層)を保護することができる。
【0015】
1つの実施形態において、積層体チップの製造方法は、第2切断装置2において、製品部分41の外形を加工する工程(第2切断工程)をさらに含んでいる。このような方法によれば、優れた寸法精度で、所望の外形形状を有する積層体チップを製造できる。
第2切断工程では、製品部分41の外形加工とともに、第1フィルム45および/または表面保護フィルム5を切断してもよい。これによって、製品部分(図示例では第2フィルムおよび粘着剤層)と、第1フィルムおよび/または表面保護フィルムとを一括して、所望の外形形状に形成できる。
【0016】
B.積層体チップの製造方法の詳細
図示例の積層体チップの製造方法では、上記した配置工程、第1切断工程、分離工程、タクト差吸収工程、貼付工程、および、第2切断工程が、連続的に実施される。
【0017】
B-1.配置工程
配置工程では、上記のように、キャリアシート3上に積層体4が配置される。
図示例では、長尺状のキャリアシート3が、CS繰出ローラ71からCS巻取ローラ72に向かって移動可能である。キャリアシート3は、CS繰出ローラ71とCS巻取ローラ72との間において、第1切断装置1と第1切断装置1から離れて位置する第2切断装置2とを順に通過する。なお、図示しないが、キャリアシート3は、第1切断装置1および第2切断装置2に加えて、さらに別の装置を通過するように搬送されてもよい。別の装置は、キャリアシートの移動方向において、第2切断装置2よりも下流側に配置されていてもよく、第1切断装置1よりも上流側に配置されていてもよい。
【0018】
積層体4は、キャリアシートの移動方向における第1切断装置1の上流側で、キャリアシート3上に配置される。
図示例では、長尺状の積層体4が、積層体繰出ローラ91から繰り出されて、キャリアシート3に供給される。積層体繰出ローラ91では、上記した各工程が実施される前の積層体4がロール状に巻回されている。
積層体4を搬送するキャリアシート3は、必要に応じて、互いに対向するピンチローラ76の間を通過する。これによって、積層体4をキャリアシート3に密着させることができ、積層体4に対して各工程を安定して実施できる。
【0019】
1つの実施形態では、積層体4をキャリアシート3に配置した後、かつ、積層体4が第1切断装置1に到達する前において、キャリアシート3をたるませる。これによって、配置工程と第1切断工程とのタクトタイム差を吸収でき、積層体を第1切断装置に適切なタイミングで安定して供給できる。
図示例では、第1切断装置1に対してキャリアシートの移動方向の上流側に位置し、かつ、第1切断装置1に最も近いピンチローラ76と、第1切断装置1との間において、キャリアシート3がたるんでいる。当該ピンチローラ76と第1切断装置1との間に位置するキャリアシート3の長さは、水平方向における当該ピンチローラ76と第1切断装置1との間の直線距離よりも長い。
【0020】
図2に示すように、積層体4は、第1フィルム45と、粘着剤層46と、第2フィルム47とをこの順で備えている。積層体4がキャリアシート3上に配置された状態で、第1フィルム45と、粘着剤層46と、第2フィルム47とが、キャリアシート3側からこの順に配置されている。積層体4がキャリアシート3上に配置された状態で、第1フィルム45はキャリアシート3と直接接触している。
【0021】
1つの実施形態において、第1フィルム45は、はく離ライナー45aである。はく離ライナー45aは、代表的には、樹脂基材と、樹脂基材の表面に設けられる離型層と、を備えている。
【0022】
樹脂基材は、任意の適切な樹脂材料から構成され得る。樹脂材料として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、エチレン-プロピレン共重合体などのオレフィン系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン-フッ化ビニリデン共重合体などのフッ素系樹脂;ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)などのアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)系樹脂;酢酸ビニル系樹脂;ポリカーボネート(PC)系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS)系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)系樹脂;が挙げられる。これら樹脂材料は、単独でまたは組み合わせて使用できる。
【0023】
樹脂基材の厚みは、例えば1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは35μm以上であり、例えば300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下、とりわけ好ましくは80μm以下である。
【0024】
離型層は、任意の適切な離型剤から構成される。離型剤として、例えば、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキル系離型剤、脂肪酸アミド系離型剤が挙げられる。離型剤は、単独でまたは組み合わせて使用できる。離型剤のなかでは、好ましくはシリコーン系離型剤が挙げられる。
【0025】
離型層の厚みとして、例えば10nm以上であり、例えば2000nm以下、好ましくは1500nm以下、より好ましくは1000nm以下、さらに好ましくは500nm以下である。
【0026】
図示例では、粘着剤層46は、第1フィルム45(はく離ライナー45a)の表面に直接設けられている。より詳しくは、粘着剤層46は、はく離ライナー45aの離型層上に直接積層されている。
【0027】
粘着剤層46は、任意の適切な粘着剤から構成される。粘着剤層46を構成する粘着剤は、好ましくは、23℃における貯蔵弾性率が上記上限以下である。
粘着剤として、例えば、(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤およびシリコーン系粘着剤が挙げられ、好ましくは、(メタ)アクリル系粘着剤が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルを含む。
【0028】
粘着剤層46の厚みは、例えば15μm以上、好ましくは20μm以上、より好ましくは100μm以上、さらに好ましくは200μm以上である。粘着剤層46の厚みが上記下限以上であれば、衝撃吸収性および段差吸収性の向上を図ることができる。なお、粘着剤層46の厚みの上限は、例えば500μm以下、好ましくは300μm以下である。
【0029】
図示例では、第2フィルム47は、粘着剤層46に対して第1フィルム45の反対側に位置しており、粘着剤層46に直接積層されている。
【0030】
1つの実施形態において、第2フィルム47は、樹脂基材47aを含んでいる。
樹脂基材47aは、任意の適切な樹脂材料から構成される。樹脂基材47aの樹脂材料として、例えば、上記したはく離ライナー45aの樹脂基材と同様の樹脂材料が挙げられる。樹脂基材47aの樹脂材料は、単独でまたは組み合わせて使用できる。樹脂基材47aの樹脂材料のなかでは、好ましくはポリエステル系樹脂が挙げられ、より好ましくはPETが挙げられる。
【0031】
樹脂基材47aの厚みは、例えば10μm以上、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上であり、例えば500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下、とりわけ好ましくは80μm以下である。
【0032】
図示しないが、第2フィルム47は、樹脂基材47aに加えて、機能層をさらに含んでいてもよい。機能層は、代表的には、粘着剤層46と樹脂基材47aとの間、および/または、樹脂基材47aの粘着剤層46と反対側の表面に配置される。機能層として、例えば、導電層、帯電防止層が挙げられる。
【0033】
B-2.第1切断工程
図1に示すように、キャリアシート3の移動により、積層体4が第1切断装置1に到達すると、第1切断装置1において、第1切断工程が実施される。
図3に示す第1切断工程では、第1切断装置1は、積層体4を積層方向にハーフカットして、第2フィルム47(樹脂基材47a)および粘着剤層46を、製品部分41と不要部分42とに切断される。このとき、第1フィルム45(はく離ライナー45a)は、切断されない。なお、第1フィルム45が完全に切断されなければ、切込みの先端が第1フィルム45に到達していてもよい。
【0034】
第1切断装置1は、代表的には、間欠動作可能であり、切断刃が積層体4の少なくとも一部をカット(図示例では第2フィルム47および粘着剤層46をハーフカット)する工程と、切断刃が積層体4から離れて停止する工程と、を繰り返す。そのため、積層体4がカットされた後、切断刃が積層体から離れて停止したときに、キャリアシート3が所定距離移動して、次に切断する積層体4の部分を切断刃と対向させる。その後、キャリアシート3は、次のカットが完了するまで停止する。すなわち、キャリアシート3は、第1切断装置1の間欠動作に対応して、移動と停止とを繰り返す。
【0035】
1つの実施形態において、第1切断装置1は、打抜装置である。図4に示すように、製品部分41は、代表的には、打ち抜きプレスにより形成される。この場合、不要部分42は、製品部分41の周囲を囲む周辺部分であり、積層体の長尺方向において連続している。
【0036】
製品部分41は、積層体4の積層方向から見て任意の適切な形状を有する。製品部分41の形状として、例えば、四角形などの多角形状、円形状、楕円形状が挙げられ、好ましくは四角形状が挙げられる。
図示例では、製品部分41は、積層体4の積層方向から見て、長方形状を有している。より詳しくは、製品部分41の長辺が、キャリアシート3の移動方向と直交する方向と略平行であり、製品部分41の短辺が、キャリアシート3の移動方向と略平行である。製品部分41の長辺の寸法は、例えば20mm以上450mm以下である。製品部分41の短辺の寸法は、例えば20mm以上250mm以下である。
【0037】
B-3.分離工程
図1に示すように、第1切断装置1において切断された不要部分42は、第1切断装置1を通過後にキャリアシート3をたるませることなく、製品部分41から引き離される。図示例では、不要部分42は、第1フィルム45からはく離される(図5参照)。代表的には、不要部分42は、キャリアシート3が移動して第1切断装置1から排出された直後に、第1フィルム45からはく離される。
図示例では、はく離された不要部分42は、第1巻取ローラ61によって巻き取られる。第1巻取ローラ61は、代表的には、キャリアシート3の移動に伴って不要部分42がはく離されたときに、その剥離分のみを巻き取り、キャリアシート3の停止時には巻き取りを停止している。そのため、第1巻取ローラのトルクが、不要部分のはく離に影響することを抑制でき、分離工程を安定して実施できる。
【0038】
1つの実施形態において、不要部分42は、分離手段の一例としての分離バー62によって、製品部分41から引き離される。図示例では、分離バー62は、はく離バー62である。不要部分42は、分離バー62によって第1フィルム45からはく離される。はく離バー62は、キャリアシート3とともに積層体4が移動したときに、不要部分42を第1フィルム45からはく離する。はく離バー62は、製品部分41の粘着剤層46と不要部分42の粘着剤層46との間に、糊引き(糸引き)が生じない任意の適切な位置に配置される(図5参照)。
【0039】
図4に示すように、キャリアシート3に対する不要部分42のはく離角度は、例えば30°以上、好ましくは45°以上であり、例えば90°以下、好ましくは80°以下である。
【0040】
B-4.タクト差吸収工程
図1に示すように、分離工程後、第1切断装置1と第2切断装置2との間において、キャリアシート3をたるませる。これによって、第1切断工程と第2切断工程とのタクトタイム差を吸収でき、第1切断工程および第2切断工程を安定して実施できる。
1つの実施形態では、製品部分41を含む積層体4を搬送するキャリアシート3が、たるんだのちに、互いに対向するピンチローラ76の間を通過する。分離工程では積層体が引っ張られて、積層体がキャリアシートから部分的に浮いてしまう場合がある。この点、上記実施形態では、分離工程後に、積層体およびキャリアシートが互いに対向するピンチローラの間を通過するので、積層体をキャリアシートに安定して密着させることができる。
図示例では、第1切断装置1と第2切断装置2との間に位置し、かつ、分離バー62に最も近いピンチローラ76と、分離バー62との間において、キャリアシート3がたるんでいる。分離バー62とピンチローラ76との間に位置するキャリアシート3の長さは、水平方向における分離バー62とピンチローラ76との間の直線距離よりも長い。
【0041】
B-5.貼付工程
1つの実施形態において、タクト差吸収工程後に、第1切断装置1と第2切断装置2との間において、製品部分41に表面保護フィルム5が貼り付けられる。
図示例では、長尺状の表面保護フィルム5が、SPV繰出ローラ74から繰り出されて、製品部分41に供給される。SPV繰出ローラ74では、長尺状の表面保護フィルム5がロール状に巻回されている。
製品部分41に表面保護フィルム5が貼り付けられた後、表面保護フィルム5が貼り付けられた製品部分41を搬送するキャリアシート3は、必要に応じて、互いに対向するピンチローラ76の間を通過する。これによって、表面保護フィルムを製品部分に安定して密着させることができる。
【0042】
1つの実施形態では、製品部分41に表面保護フィルム5を貼り付けた後、積層体4が第2切断装置2に到達する前において、キャリアシート3をたるませている。これによって、貼付工程と第2切断工程とのタクトタイム差を吸収でき、積層体を第2切断装置に適切なタイミングで安定して供給することができる。
図示例では、第1切断装置1と第2切断装置2との間に位置し、かつ、第2切断装置2に最も近いピンチローラ76、第2切断装置2との間において、キャリアシート3がたるんでいる。当該ピンチローラ76と第2切断装置2との間に位置するキャリアシート3の長さは、水平方向における当該ピンチローラ76第2切断装置2との間の直線距離よりも長い。
【0043】
図6に示すように、表面保護フィルム5は、製品部分41の第2フィルム47に貼り付けられる。表面保護フィルム5は、一時的に仮着され、製品部分41の使用前に剥離されるもの(工程材として用いられるもの)であってもよく、製品部分41の表面に貼着したままの状態で使用されるもの(永久接着を目的としたもの)であってもよい。
【0044】
表面保護フィルム5は、代表的には、基材51と、粘着剤層52とを備えている。基材の材料としては、例えば、樹脂基材47aと同様の樹脂材料が挙げられ、好ましくはポリエステル系樹脂が挙げられ、より好ましくはPETが挙げられる。
【0045】
基材51の厚みは、例えば10μm以上、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上であり、例えば500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下、とりわけ好ましくは80μm以下である。
【0046】
表面保護フィルム5が製品部分41に貼り付けられた状態で、粘着剤層52は、基材51と第2フィルム47との間に位置する。粘着剤層52は、任意の適切な粘着剤から構成される。粘着剤層52を構成する粘着剤として、例えば、上記した粘着剤層46と同様に粘着剤が挙げられる。
【0047】
B-6.第2切断工程
図1に示すように、キャリアシート3の移動により、製品部分41を含む積層体4が第2切断装置2に到達すると、第2切断装置2において第2切断工程が実施される。
【0048】
第2切断装置2は、代表的には、第1切断装置1と同様に間欠動作可能であり、切断刃が製品部分の周端部を切断して外形加工する工程と、切断刃が製品部分から離れて停止する工程と、を繰り返す。そのため、製品部分を外形加工した後、切断刃が製品部分から離れて停止したときに、キャリアシート3が所定距離移動させて、次に外形加工する製品部分41を切断刃と対向させる。その後、キャリアシート3は、次の外形加工が完了するまで停止する。すなわち、キャリアシート3は、第2切断装置2の間欠動作に対応して移動と停止とを繰り返す。
【0049】
第2切断装置2は、上記のように、製品部分41の周端部を切断して、製品部分41の外形を加工する。また、第2切断装置2は、製品部分41の外形加工とともに、第1フィルム45を切断してもよい。さらに、製品部分41に表面保護フィルム5が貼り付けられている場合、第2切断装置2は、製品部分41の外形加工とともに、表面保護フィルム5を切断してもよい。これによって、製品部分(図示例では第2フィルムおよび粘着剤層)と、第1フィルムおよび/または表面保護フィルムとを一括して、所望の外形形状に形成できる。
これによって、積層体チップ8と、積層体チップ8外の部分(製品外カス)とが形成される。
【0050】
第2切断工程後、必要に応じて、第2切断装置2に対してキャリアシート3の移動方向の下流側で、キャリアシート3をたるませる。その後、図示例では、積層体チップ8と製品外カスとを搬送するキャリアシート3が、互いに対向するピンチローラ76の間を通過した後、製品外カスが第2巻取ローラ75によって巻き取られる。
以上によって、積層体チップ8と製品外カスとが分離されて、積層体チップ8が得られる。図6に示すように、積層体チップ8は、少なくとも製品部分41(図示例では第2フィルム47および粘着剤層46)を含んでいる。1つの実施形態において、積層体チップ8は、第1フィルム45と、粘着剤層46と、第2フィルム47と、表面保護フィルム5とをこの順に備えている。
【0051】
図示例の積層体チップの製造方法では、積層体チップ8がキャリアシート3からはく離されて回収される。そのため、積層体チップの製造方法は、キャリアシート3に対する積層体チップ8のはく離不良(積層体チップがキャリアシートからはく離されずに、CS巻取ローラまで到達してしまうこと)を抑制するために、連続的に実施されることが好ましい。
【0052】
このような積層体チップ8は、各種用途に適用でき、特に光学用途に好適に適用され得る。より詳しくは、第1フィルム45(はく離ライナー45a)を粘着剤層46から剥離した後、その積層体チップを粘着剤層46によって光学部材に貼り付けて、光学用途に適用する。光学部材として、例えば、液晶表示パネル、有機EL表示パネルが挙げられ、好ましくは有機EL表示パネルが挙げられる。このような光学部材は、フォルダブル部材やローラブル部材であってもよい。
【0053】
C.積層体チップの製造装置
次に、図1を参照して、積層体チップの製造装置について説明する。
積層体チップの製造装置100は、上記した積層体チップの製造方法を連続的に実施可能である。積層体チップの製造装置100は、上記した第1切断装置1と、上記した第2切断装置2と、キャリアシート搬送部7と、積層体供給部9と、分離部6とを備えている。
【0054】
キャリアシート搬送部7は、第1切断装置1と第2切断装置2とを順に通過するように、キャリアシート3を移動させる。図示例では、キャリアシート搬送部7は、上記したCS繰出ローラ71と、CS巻取ローラ72とを備えている。
【0055】
積層体供給部9は、キャリアシートの移動方向において第1切断装置1の上流側に位置している。図示例では、積層体供給部9は、キャリアシートの移動方向において第1切断装置1に対して第2切断装置2と反対側に位置している。積層体供給部9は、キャリアシート3上に上記した積層体4を供給可能である。図示例では、積層体供給部9は、上記した積層体繰出ローラ91である。
【0056】
分離部6は、キャリアシートの移動方向において第1切断装置1に対して積層体供給部9の反対側に位置している。図示例では、分離部6は、第1切断装置1と第2切断装置2との間に配置されている。分離部6は、第1切断装置1を通過したキャリアシート3をたるませることなく、不要部分42を製品部分41から引き離し可能である。図示例では、分離部6は、はく離部6であって、不要部分42を第1フィルム45からはく離可能である。図示例では、分離部6は、上記した第1巻取ローラ61と、上記した分離バー62(はく離バー62)とを備えている。
【0057】
1つの実施形態において、積層体チップの製造装置100は、上記したSPV繰出ローラ74および上記した第2巻取ローラ75をさらに備えている。また、積層体チップの製造装置100では、ピンチローラ76が任意の適切な位置に設けられていてもよい。
このような積層体チップの製造装置100によれば、上記した積層体チップの製造方法を安定して実施でき、積層体チップ8を効率よく製造できる。
【0058】
D.変形例
上記した実施形態では、第1切断装置1が、請求項における切断装置の一例であって、分離工程が第1切断装置1を通過した後に実施され、タクト差吸収工程が、分離工程後に第1切断装置1と第2切断装置2との間で実施されているが、本発明はこれに限定されない。
本発明の1つの実施形態は、第2切断装置2が、請求項における切断装置の一例である場合も包含する。この場合、分離工程が第2切断装置2を通過した後に実施され、タクト差吸収工程が、分離工程後に第2切断装置2とCS巻取ローラ72との間で実施され得る。
第2切断装置2は、製品部分41と不要部分42との間に、キャリアシート3の移動方向と交差する方向に延びる切断ライン43を形成するように、積層体4をカットする。その後、第2切断装置2を通過後に、キャリアシート3をたるませることなく、不要部分42を製品部分41から引き離し、その後、キャリアシート3をたるませる。図示しないが、本実施形態では、上記した分離部6は、キャリアシートの移動方向において第2切断装置2に対して第1切断装置1の反対側に位置する。
これによっても、製品部分の粘着剤層と不要部分の粘着剤層とが付着することを抑制でき、粘着剤層を含む積層体チップを安定して製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の実施形態による積層体チップの製造方法および製造装置は、各種産業製品に適用される積層体チップの製造に好適に用いられ得る。
【符号の説明】
【0060】
1 第1切断装置
2 第2切断装置
3 キャリアシート
4 積層体
5 表面保護フィルム
6 分離部
7 キャリアシート搬送部
8 積層体チップ
9 積層体供給部
100 積層体チップ製造装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6