(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077248
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】カバー材付き貼付剤
(51)【国際特許分類】
A61K 9/70 20060101AFI20240531BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
A61K9/70
A61K47/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189215
(22)【出願日】2022-11-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】000160522
【氏名又は名称】久光製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗林 満
(72)【発明者】
【氏名】竹尾 将史
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮
【テーマコード(参考)】
4C076
【Fターム(参考)】
4C076AA73
4C076BB31
4C076EE03A
4C076EE04A
4C076FF70
(57)【要約】
【課題】貼付剤が皮膚と接触した状態を好適に維持し、カバー材が付着性に優れておりかつ不快なべたつきが抑制されているカバー材付き貼付剤を提供する。
【解決手段】支持体12と、支持体上に形成された薬物層11とを有する貼付剤部10と、カバー層31と、カバー層上に形成されたカバー粘着層32とを有するカバー部30と、を備え、貼付剤部を覆うようにカバー粘着層が支持体に接合されたカバー材付き貼付剤1において、カバー層は、不織布からなり、不織布の流れ方向および幅方向における伸び率がいずれも60%以上であり、かつ一方の伸び率が他方の伸び率の2倍以下であり、カバー粘着層は、ゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤を用いて構成され、かつ32℃、0.1Hzにおける損失正接(tanδ)が0.6~0.95である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、前記支持体上に形成された薬物層とを有する貼付剤部と、カバー層と、前記カバー層上に形成されたカバー粘着層とを有するカバー部と、を備え、前記貼付剤部を覆うように前記カバー粘着層が前記支持体に接合されたカバー材付き貼付剤であって、
前記カバー層は、不織布からなり、前記不織布の流れ方向および幅方向における伸び率がいずれも60%以上であり、かつ一方の伸び率が他方の伸び率の2倍以下であり、
前記カバー粘着層は、ゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤を用いて構成され、かつ32℃、0.1Hzにおける損失正接(tanδ)が0.6~0.95である、
カバー材付き貼付剤。
【請求項2】
前記ゴム系粘着基剤は、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソプレン、およびポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種を主成分とする、
請求項1に記載のカバー材付き貼付剤。
【請求項3】
前記ゴム系粘着基剤は、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソプレン、およびポリブタジエンからなる群から選択される1種以上からなる、
請求項1に記載のカバー材付き貼付剤。
【請求項4】
前記不織布は、流れ方向および幅方向における伸長回復率が90%以下である、
請求項1から3のいずれか一項に記載のカバー材付き貼付剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー材付き貼付剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、薬物を生体内に投与する製剤として経皮・経粘膜吸収製剤についての開発がなされている。中でも、取扱いが容易かつ薬物の有効血中濃度を長期間維持させ得る貼付剤が注目されている。
【0003】
貼付剤の投与中にその一部あるいは全部が皮膚から剥がれると、薬物の血中濃度が維持できなくなる。
これを防ぐため、貼付剤を覆うようにして皮膚に貼りつけることにより、貼付剤の剥がれを防止し、貼付剤が皮膚と接触した状態を維持するためのカバー材が知られている。例えば、特許文献1には、特定の粘着力と伸縮特性とを兼ね備えることにより、貼付製剤の皮膚接着力を補うと共に、皮膚面への密着性を確実にするためのカバーシート、およびその使用方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1を含む従来のカバー材においては、付着性が不十分であったり、貼付中の使用者の動作や振動等の使用者の意図しない外力により徐々に粘着剤が製剤の周囲にはみ出して不快なべたつきが生じたりすることが問題となっている。
発明者らは、カバー材の支持体と粘着剤に着目して種々検討した。その結果、特定の支持体と粘着剤を組み合わせることで、上記の課題をいずれも解決できるカバー材付き貼付剤が提供できることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
上述した事情を踏まえ、本発明は、貼付剤が皮膚と接触した状態を好適に維持し、カバー材が付着性に優れておりかつ不快なべたつきが抑制されているカバー材付き貼付剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、支持体と、支持体上に形成された薬物層とを有する貼付剤部と、カバー層と、カバー層上に形成されたカバー粘着層とを有するカバー部とを備え、貼付剤部を覆うようにカバー粘着層が支持体に接合されたカバー材付き貼付剤である。
カバー層は、不織布からなり、不織布の流れ方向および幅方向における伸び率がいずれも60%以上であり、かつ一方の伸び率が他方の伸び率の2倍以下である。
カバー粘着層は、ゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤を用いて構成され、かつ32℃、0.1Hzにおける損失正接(tanδ)が0.6~0.95である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、貼付剤が皮膚と接触した状態を好適に維持し、付着性に優れると同時に不快なべたつきが抑制されたカバー材付き貼付剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るカバー材付き貼付剤を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るカバー材付き貼付剤1の平面図であり、
図2は、
図1のI-I線における断面図である。
カバー材付き貼付剤1は、薬剤を含む貼付剤部10と、貼付剤部10に接合されたカバー部30とを備えている。
【0011】
図2に示すように、貼付剤部10は、薬物層11と、支持体12とを有する。薬物層11には、所望の薬物が含有され、皮膚と接触することにより、薬物が経皮的に使用者の体内に吸収される。
カバー材付き貼付剤1は、主にカバー部30の粘着により薬物層11と皮膚との接触状態を維持するため、薬物層11は、粘着性を有しても有さなくてもよいが、薬物層11が粘着性を有していると、薬物層11と皮膚との接触状態が好適に維持され、薬物の継続投与がより確実になるため好ましい。
【0012】
薬物層11は、基剤と薬物とを含有する。基剤のうち、薬物層11に粘着性を付与するための粘着基剤は、例えば、ゴム系粘着基剤、アクリル系粘着基剤、シリコーン系粘着基剤等が挙げられる。粘着基剤は、ゴム系粘着基剤、アクリル系粘着基剤及びシリコーン系粘着基剤からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。粘着基剤は、ゴム系粘着基剤、アクリル系粘着基剤及びシリコーン系粘着基剤のいずれであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。 粘着基剤の総含有量は薬物層11の総質量を基準として、10質量%~95質量%とすることができ、20質量%~90質量%であってもよい。
薬物層11は、実質的に水を含有していないこと(非水系)が好ましい。本発明において、「実質的に水を含有していない」とは、製造工程中に薬物層に意図的に水を配合する工程がないことを意味し、製造工程中に含有された空気中等の水分や貼付剤の皮膚への適用中に汗等を吸収した水分までを除くものではない。
【0013】
ゴム系粘着基剤としては、特に限定はされないが、スチレン-イソプレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、天然ゴム、アルキルビニルエーテル(共)重合体、及びポリブタジエンなどが挙げられる。粘着性、展延性、凝集力の観点からは、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体及びポリイソブチレンが特に好ましい。
ゴム系粘着基剤のうち、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の具体例としては、Quintac(登録商標)3570C(商品名、日本ゼオン株式会社製)、SIS5002、SIS5229、SIS5505、SIS5505P(商品名、JSR株式会社製)、SIBSTAR(登録商標)T102(商品名、株式会社カネカ製)等が挙げられる。ポリイソブチレンには、いわゆるブチルゴム(イソブチレン-イソプレンゴム)も含まれる。ポリイソブチレンの具体例としては、Oppanol(登録商標)N50、N80、N100、N150、B11、B12、B50、B80、B100、B120、B150、B220(商品名、BASF社製)、JSR(登録商標)Butyl065、268、365(商品名、JSR株式会社製)、X_Butyl(登録商標)RB100、101-3、301、402(商品名、ARLANXEO社製)、Exxon(登録商標)Butyl065、065S、068、068S、268、268S、365、365S(商品名、Exxon Mobile社製)、Butyl065、268、365(商品名、日本ブチル株式会社製)等が挙げられる。
薬物層11がゴム系粘着基剤を含有する場合、ゴム系粘着基剤の含有量は、薬物層11の総質量を基準として、10質量%~95質量%とすることができ、20質量%~90質量%であってもよい。
【0014】
アクリル系粘着基剤としては、特に限定はされないが、例えば、1種または2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの(共)重合体である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシルなどが挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」との用語は、アクリル酸およびメタクリル酸のいずれか一方または両方を意味し、類似の表現についても同様に定義される。
【0015】
アクリル系粘着基剤としては、特に限定はされないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(主モノマー)とコモノマーから形成される共重合体であってもよい。主モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルなどが挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。コモノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合できる成分であればよい。コモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、エチレン、プロピレン、スチレン、酢酸ビニル、N-ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アミドなどが挙げられる。コモノマーは、上述した1種のみでもよいし、2種以上を用いてもよい。
このようなアクリル系粘着基剤としては、具体例としては、DURO-TAK(登録商標)387-2510、DURO-TAK(登録商標)87-2510、DURO-TAK(登録商標)387-2287、DURO-TAK(登録商標)87-2287、DURO-TAK(登録商標)87-4287、DURO-TAK(登録商標)387-2516、DURO-TAK(登録商標)87-2516、DURO-TAK(登録商標)87-2074、DURO-TAK(登録商標)87-900A、DURO-TAK(登録商標)87-901A、DURO-TAK(登録商標)87-9301、DURO-TAK(登録商標)87-4098等のDURO-TAKシリーズ(Henkel社製);GELVA(登録商標)GMS 788、GELVA(登録商標)GMS 3083、GELVA(登録商標)GMS 3253等のGELVAシリーズ(Henkel社製);MAS811(商品名)、MAS683(商品名)等のMASシリーズ(コスメディ製薬株式会社製);Eudragit(登録商標)シリーズ(エボニック社製)、ニカゾール(登録商標)シリーズ(日本カーバイド工業株式会社製)、ウルトラゾール(登録商標)シリーズ(アイカ工業株式会社製)が挙げられる。
薬物層11がアクリル系粘着基剤を含有する場合、アクリル系粘着基剤の含有量は、薬物層11の総質量を基準として、10質量%~95質量%とすることができ、20質量%~90質量%であってもよい。
【0016】
シリコーン系粘着基剤としては、特に限定はされないが、オルガノポリシロキサン骨格を有する化合物である。シリコーン系粘着基剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。
具体的なシリコーン系粘着基剤としては、例えば、MD7-4502 Silicone Adhesive、MD7-4602 Silicone Adhesive等のMDシリーズ(デュポン・東レ・スペシャリティ・マテリアル株式会社製);BIO-PSA(登録商標) 7-4301 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4302 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4201 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4202 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4101 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4102 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4601 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4602 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4501 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4502 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4401 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4402 Silicone Adhesive等のBIO-PSAシリーズ(デュポン・東レ・スペシャリティ・マテリアル株式会社製)、Dow Corning(登録商標) 7-9800A、Dow Corning(登録商標) 7-9800B、Dow Corning(登録商標) 7-9700A、Dow Corning(登録商標) 7-9700Bが挙げられる。
薬物層11がシリコーン系粘着基剤を含有する場合、シリコーン系粘着基剤の含有量は、薬物層11の総質量を基準として、10質量%~95質量%とすることができ、20質量%~90質量%であってもよい。
【0017】
薬物としては、経皮的に吸収可能な程度の分子量を有し、たとえば1週間程度の長期投与可能な薬物であれば特に制限されない。
本発明を適用可能な薬物としては、薬効については特に制限はなく、例えば、催眠・鎮静剤(フルラゼパム、リルマザホン、フェノバルビタール、アモバルビタール、メデトミジン、デクスメデトシン等)、解熱消炎鎮痛剤(ブトルファノール、ペリソキサール、アセトアミノフェン、メフェナム酸、ジクロフェナックナトリウム、アスピリン、アルクロフェナク、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、ペンタゾシン、インドメタシン、フェルビナク、サリチル酸グリコール、アミノピリン、ロキソプロフェン、メロキシカム、ロルノキシカム等)、ステロイド系抗炎症剤(ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン等)、興奮・覚醒剤(メタンフェタミン、アンフェタミン、メチルフェニデート等)、精神神経用剤(イミプラミン、ジアゼパム、セルトラリン、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、フルオキセチン、アルプラゾラム、ハロペリドール、クロミプラミン、アミトリプチリン、デシプラミン、アモクサピン、マプロチリン、ミアンセリン、セチプチリン、トラゾリドン、ロフェプラミン、ミルナシプラン、デュロキセチン、ベンラフェキシン、クロルプロマジン、チオリダジン、ジアゼパム、メプロバメート、エチゾラム、リスペリドン、アセナピン等)、ホルモン剤(エストラジオール、エストリオール、プロゲステロン、ノルエチステロン、メテノロン、テストステロン等)、局所麻酔剤(リドカイン、プロカイン、テトラカイン、ジブカイン、プロピトカイン等)、泌尿器官用剤(オキシブチニン、タムスロシン、プロピベリン、イミダフェナシン、ソリフェナシン、トルテロジン等)、骨格筋弛緩剤(チザニジン、エペリゾン、プリジノール、スキサメトニウム等)、生殖器官用剤(リトドリン、メルアドリン)、抗てんかん剤(バルプロ酸ナトリウム、クロナゼパム、カルバマゼピン等)、自律神経用剤(カルプロニウム、ネオスチグミン、ベタネコール等)、抗パーキンソン病剤(ペルゴリド、ブロモクリプチン、トリヘキシフェニジル、アマンタジン、タリペキソール、カベルゴリン、ドロキシドパ、ビペリデン、セレギリン、ロピニロール等)、利尿剤(ヒドロフルメチアジド、フロセミド等)、呼吸促進剤(ロベリン、ジモルホラミン、ナロキソン等)、抗片頭痛剤(ジヒドロエルゴタミン、スマトリプタン、エルゴタミン、フルナリジン、サイプロヘプタジン等)、抗ヒスタミン剤(クレマスチン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン、プロメタジン等)、気管支拡張剤(ツロブテロール、プロカテロール、サルブタモール、クレンブテロール、フェノテロ-ル、テルブタリン、イソプレナリン、ホルモテロール等)、強心剤(イソプレナリン、ドパミン等)、冠血管拡張剤(ジルチアゼム、ベラパミル、イソソルビド、ニトログリセリン、ニコランジル等)、末梢血管拡張剤(ニカメタート、トラゾリン等)、禁煙補助薬(ニコチン、バレニクリン等)、循環器官用剤(フルナリジン、ニカルジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、フェロジピン、アムロジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、マニジピン、ベニジピン、エナラプリル、テモカプリル、アラセプリル、イミダプリル、シラザプリル、リシノプリル、カプトプリル、トランドラプリル、ペリンドプリルエルブミン、アテノロール、ビソプロロール、メトプロロール、ベタキソロール、アロチノロール、セリプロロール、カルベジロール、カルテオロール、ベバントロール、バルサルタン、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、クロニジン等)、不整脈用剤(プロプラノロール、アルプレノロール、プロカインアミド、メキシレチン、ナドロール、ジソピラミド等)、抗悪性潰瘍剤(シクロフォスファミド、フルオロウラシル、テガフール、プロカルバジン、ラニムスチン、イリノテカン、フルリジン等)、抗脂血症剤(プラバスタチン、シンバスタチン、ベザフィブレート、プロブコール等)、血糖降下剤(グリベンクラミド、クロルプロパミド、トルブタミド、グリミジンナトリウム、グリブゾール、ブホルミン等)、消化性潰瘍治療剤(プログルミド、セトラキサート、スピゾフロン、シメチジン、グリコピロニウム等)、利胆剤(ウルソデスオキシコール酸、オサルミド等)、消化管運動改善剤(ドンペリドン、シサプリド等)、肝臓疾患用剤(チオプロニン等)、抗アレルギー剤(ケトチフェン、アゼラスチン、エメダスチン等)、抗ウイルス剤(アシクロビル等)、鎮暈剤(ベタヒスチン、ジフェニドール等)、抗生剤(セファロリジン、セフジニル、セフポドキシムプロキセチル、セファクロル、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、メチルエリスロマイシン、カナマイシン、サイクロセリン、テトラサイクリン、ベンジルペニシリンカリウム、プロピシリンカリウム、クロキサシリンナトリウム、アンピシリンナトリウム、バカンピシリン、カルベニシリンナトリウム、クロラムフェニコール等)、習慣性中毒用剤(シアナミド等)、食欲抑制剤(マジンドール等)、化学療法剤(イソニアジド、エチオナミド、ピラジナミド等)、血液凝固促進剤(チクロピジン、ワルファリンカリウム等)、抗アルツハイマー剤(フィゾスチグミン、ドネペジル、タクリン、アレコリン、キサノメリン、ガランタミン、リバスチグミン等)、セロトニン受容体拮抗制吐剤(オンダンセトロン、グラニセトロン、ラモセトロン、アザセトロン等)、痛風治療剤(コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン等)、麻薬系の鎮痛剤(モルヒネ、コデイン、コカイン、ペチジン、フェンタニル等)、抗真菌薬(テルビナフィン、ブテナフィン、アモロルフィン、ネチコナゾール、ミコナゾール、ルリコナゾール、イトラコナゾール、リラナフタート等)が挙げられる。上述の1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
薬物の含有量は、薬物層11の総質量を基準として、0.1質量%~30質量%とすることができ、1質量%~20質量%であってもよい。
【0018】
薬物層11は、基剤および薬物に加えて、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、粘着付与樹脂、可塑剤、吸収促進剤、溶解剤、安定化剤、充填剤、吸着剤、脱塩剤、pH調節剤、香料等を例示できる。添加剤は1種のみでもよいし、2種以上用いてもよい。
【0019】
粘着付与樹脂は、薬物層の粘着性を調整する成分である。粘着付与樹脂としては、例えば、石油系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂及びキシレン系樹脂等が挙げられる。石油系樹脂としては、例えば、脂環族系石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂等)、脂肪族系石油樹脂(脂肪族炭化水素樹脂等)、芳香族系石油樹脂等が挙げられる。より具体的には、アルコンP-70、アルコンP-85、アルコンP-90、アルコンP-100、アルコンP-115、アルコンP-125、アルコンM-70、アルコンM-85、アルコンM-90、アルコンM-100、アルコンM-115、アルコンM-125(以上、商品名、荒川化学工業株式会社製)、エスコレッツ8000(商品名、エッソ石油化学株式会社製)等が挙げられる。テルペン系樹脂としては、例えば、ピネン重合体(α-ピネン重合体、β-ピネン重合体等)、テルペン重合体、ジペンテン重合体、テルペン-フェノール重合体、芳香族変性テルペン重合体、ピネン-フェノール共重合体が挙げられ、より具体的には、YSレジン(YSレジンPXN(1150N、300N)、YSレジンPX1000、YSレジンTO125、YSレジンTO105等)、クリアロンP105、クリアロンM115、クリアロンK100(以上、商品名、ヤスハラケミカル株式会社製)、タマノル901(商品名、荒川化学工業株式会社製)が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、水素添加ロジングリセリンエステル、超淡色ロジン、超淡色ロジンエステル、酸変性超淡色ロジンが挙げられる。より具体的には、パインクリスタル(KE-311、PE-590、KE-359、KE-100等)(商品名、荒川化学工業株式会社製)等が挙げられる。粘着付与樹脂は、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。薬物層が粘着付与樹脂を含有する場合、粘着付与樹脂の含有量は、薬物層の総質量を基準として、15質量%~80質量%とすることができ、25質量%~65質量%であってもよい。
【0020】
可塑剤として、例えば、パラフィンオイル(流動パラフィン等)、スクワラン、スクワレン、植物油類(オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、トール油、ラッカセイ油、スペアミント油、ユーカリ油、ホホバ油、樟脳白油、ヒマワリ油、オレンジ油等)、油脂類(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、及び液状ゴム(液状ポリブテン、液状イソプレンゴム等)が挙げられる。好ましい可塑剤は、流動パラフィンである。可塑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。薬物層が可塑剤を含有する場合、可塑剤の含有量は、薬物層の総質量を基準として、例えば、3質量%~50質量%、5質量%~30質量%、または7質量%~20質量%である。
【0021】
経皮吸収促進剤としては、従来皮膚での経皮吸収促進作用が認められている化合物のいずれであってもよい。例えば有機酸類、炭素鎖数6~20の脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、アミド、エーテル類、芳香族系有機酸、芳香族系アルコール、芳香族系有機酸エステル及びエーテル(以上は飽和、不飽和のいずれでもよく、また、環状、直鎖状分枝状のいずれでもよい)、乳酸エステル類、酢酸エステル類、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物、エイゾン(Azone)、エイゾン(Azone)誘導体、ピロチオデカン、グリセリン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類(Span系)、ポリソルベート系(Tween系)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系(HCO系)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ショ糖脂肪酸エステル類及び植物油などが挙げられる。
【0022】
その他の経皮吸収促進剤としては例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、クレゾール、乳酸セチル、乳酸ラウリル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ゲラニオール、チモール、オイゲノール、テルピネオール、l-メントール、ボルネオロール、d-リモネン、イソオイゲノール、イソボルネオール、ネロール、dl-カンフル、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ショ糖モノラウレート、ポリソルベート20、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ピロチオデカン及びオリーブ油が例示できる。このような経皮吸収促進剤は2種以上混合して使用してもよい。経皮吸収促進剤の含有量は、薬物層の総質量を基準として、例えば、0.1~20質量%が好ましく、0.5~15質量%がより好ましい。
【0023】
溶解剤としては、溶解させる溶質の種類にも依存するが、例えば、脂肪酸(例:カプリン酸、オレイン酸、リノール酸等)、脂肪酸エステル類(例:ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等)、脂肪酸誘導体(例:モノラウリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸ジエタノールアミド等)、脂肪酸グリセリンエステル類(例:モノラウリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン等)、脂肪酸の多価アルコールエステル(例:モノラウリン酸ソルビタン等)、脂肪族アルコール(例:オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等)、多価アルコール類(例:プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、ピロリドン誘導体(例:N-メチル-2-ピロリドン等)、有機酸(例:酢酸、乳酸等)、有機酸塩(例:酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等)が挙げられる。溶解剤として、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶解剤の含有量は、薬物層の総質量を基準として、例えば、0~20質量%が好ましく、0.5~15質量%がより好ましい。
【0024】
安定化剤としては、トコフェロール及びトコフェロールのエステル誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリルエステル、ノルジヒドログアヤレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。安定化剤の含有量は、薬物層の総質量を基準として、例えば、0.1~5質量%が好ましい。
【0025】
充填剤としては、シリカ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、硝子、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、セラミックス等の無機化合物類;セルロース、シルク、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、等の有機化合物が挙げられる。充填剤として、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。充填剤の含有量は、薬物層の総質量を基準として、例えば、0.1~5質量%が好ましい。
【0026】
吸着剤としては、吸湿性を有する無機及び/又は有機の物質が挙げられ、より具体的には、タルク、カオリン、ベントナイト等の鉱物;フュームドシリカ(アエロジル(登録商標)等)、含水シリカ等のケイ素化合物;酸化亜鉛、乾燥水酸化アルミニウムゲル等の金属化合物;乳酸、酢酸等の弱酸;デキストリン等の糖;ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、クロスポビドン、カルボキシビニルポリマー及びブチルメタクリレートメチルメタクリレートコポリマー等の高分子ポリマーが挙げられる。吸着剤として、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。吸着剤の含有量は、薬物層の総質量を基準として、例えば、0.1~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
【0027】
脱塩剤及びpH調節剤としては、特に限定はされないが、酢酸ナトリウム(無水酢酸ナトリウムを含む)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等が挙げられる。脱塩剤及びpH調節剤として、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。脱塩剤及びpH調節剤の含有量は、薬物層の総質量を基準として、例えば、0.1~5質量%が好ましい。
【0028】
薬物層の膏体質量としては、特に限定はされないが、20~500g/m2であることが好ましく、50~300g/m2であることがより好ましい。
【0029】
支持体12は、薬物層11を支持することができれば特に制限はないが、薬物層11に含まれる薬物が透過しないあるいは透過しにくいものが好ましい。支持体12の材質としては、各種合成樹脂からなるフィルム等を例示できる。このような支持体の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリウレタン;エチレン-酢酸ビニル共重合体といった合成樹脂や、アルミニウム等の金属、紙等が挙げられる。また、このような材質からなる支持体の形態としては、例えば、フィルム;発泡シート、多孔シート、微多孔シート等のシート;織布、編布、不織布等の布帛;箔;及びこれらの積層体が挙げられる。支持体としては、薬物層からカバー粘着層への薬物の移行をより十分に抑制するという観点から、薬物を透過しないものであることが好ましく、中でも、柔軟性及び薬物非透過性に優れるという観点から、ポリエステル製のフィルムが好ましい。
【0030】
支持体12の厚さは特に制限されないが、通常2~600μm程度であることが好ましい。十分な強度を保ちつつ、カバー部30と十分に密着させることができ、より長期間の皮膚への貼付が可能になるという観点からは、5~100μmであることがより好ましい。
【0031】
カバー部30は、カバー層31とカバー粘着層32とを有し、支持体12側から貼付剤部10に接合されている。
図1に示すカバー材付き貼付剤1の平面視において、カバー部30は完全に貼付剤部10を覆っており、カバー粘着層32の一部が支持体12に接合されている。
【0032】
本実施形態に係るカバー層31は、不織布からなる。不織布を構成する繊維の材質には特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、などのポリオレフィン類;エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、PET、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、などのポリエステル類;ナイロンなどのポリアミド;ポリウレタン類;絹、獣毛(例えば羊毛)、木綿のようなセルロース類等の天然繊維等を例示でき、中でもPET等の合成樹脂が好適である。材質の異なる複数種類の繊維が混合されて不織布が構成されてもよいし、複数の不織布が積層されてカバー層31が構成されてもよい。
不織布の製法としては特に制限されず、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布等のいずれも本発明に適用できる。
不織布の目付は10~200g/m2程度が好ましく、30~150g/m2程度がより好ましく、50~100g/m2程度がさらに好ましい。
不織布の厚みは0.01~3mm程度が好ましく、0.1~2mm程度がより好ましく、0.3~1mm程度がさらに好ましく、0.33~0.86mm程度が特に好ましく、0.5~0.86mm程度が最も好ましい。
不織布の流れ方向と幅方向の伸び率はいずれも、20~500%であることが好ましく、20~300%であることがより好ましく、50~300%であることがさらに好ましく、68~269%であることが特に好ましい。不織布の流れ方向と幅方向の伸び率の平均は、20~500%であることが好ましく、20~300%であることがより好ましく、50~300%であることがさらに好ましく、100~250%であることが特に好ましく、102~207%であることが最も好ましい。
不織布の流れ方向と幅方向の伸長回復率はいずれも20~90%であることが好ましく、20~85%であることがより好ましく、20~70%であることがさらに好ましい。
なお、「流れ方向」とは、不織布が機械により連続製造される際に繰り出されるあるいは巻き取られる方向であり、「幅方向」は流れ方向に直交する方向である。流通している矩形の不織布の場合、通常ある一辺が流れ方向であり、この一辺に直交する方向が幅方向となる。本発明においては、伸び率の好適な数値範囲が流れ方向および幅方向において同一であるため、例えば、カバー層が円形等の非矩形形状である場合は、ある一方向とそれに直交する方向の両方における伸び率が好適な数値範囲内であればよい。
【0033】
本実施形態に係るカバー粘着層32は、ゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤を用いて構成されている。ここで、「ゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とする」とは、カバー粘着層32の粘着基剤の総質量を基準として、ゴム系粘着基剤の割合が最も多いことを示す。本発明においては、カバー粘着層32にゴム系粘着基剤以外の粘着基剤を含まないことが好ましいが、含んでいてもよい。ゴム系粘着基剤以外の粘着基剤としては、薬物層11の粘着基剤として例示したアクリル系粘着基剤やシリコーン系粘着基剤が挙げられる。
【0034】
カバー粘着層32におけるゴム系粘着基剤の材質としては、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、アルキルビニルエーテル(共)重合体、および天然ゴム等を例示でき、これらを単独または2種以上組み合わせて使用できる。
薬物層11に含まれる薬物や添加剤がカバー粘着層32に移行しにくいという観点からは、上述のうち、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソプレン、及びポリブタジエンを主成分とすることが好ましく、ポリイソブチレンを主成分とすることがより好ましい。
ゴム系粘着基剤のうち、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の具体例としては、Quintac(登録商標)3570C(商品名、日本ゼオン株式会社製)、SIS5002、SIS5229、SIS5505(商品名、JSR株式会社製)、SIBSTAR(登録商標)T102(商品名、株式会社カネカ製)等が挙げられる。ポリイソブチレンには、いわゆるブチルゴム(イソブチレン-イソプレンゴム)も含まれる。ポリイソブチレンの具体例としては、Oppanol(登録商標)N50、N80、N100、N150、B11、B12、B50、B80、B100、B120、B150、B220(商品名、BASF社製)、JSR(登録商標)Butyl065、268、365(商品名、JSR株式会社製)、X_Butyl(登録商標)RB100、101-3、301、402(商品名、ARLANXEO社製)、Exxon(登録商標)Butyl065、065S、068、068S、268、268S、365、365S(商品名、Exxon Mobile社製)、Butyl065、268、365(商品名、日本ブチル株式会社製)等が挙げられる。
カバー粘着層32は、ゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤からなるため、ゴム系粘着基剤の含有量は、カバー粘着層32の粘着基剤の総質量を基準として、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。
さらに、ゴム系粘着基剤のうち、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソプレン、及びポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種の含有量は、カバー粘着層32のゴム系粘着基剤の総質量を基準として、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。
【0035】
カバー粘着層32は、ゴム系粘着基剤以外の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、粘着付与樹脂、可塑剤等を例示でき、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0036】
カバー粘着層32の質量は、5~300g/m2程度が好ましく、30~200g/m2程度がより好ましく、50~150g/m2がさらに好ましい。カバー粘着層の質量が前記下限未満であると粘着性が低下する傾向にあり、前記上限を超えると、十分な厚みや形状を保つことが困難となる傾向にある。
【0037】
薬物層11および貼付剤部10の周囲にはみ出したカバー粘着層32は、使用時まで剥離ライナー2に覆われて保護される。
カバー材付き貼付剤1の使用時は、剥離ライナー2を剥がし、露出した薬物層11およびカバー粘着層32を、使用者の皮膚に接触させて貼り付ける。
剥離ライナー2の材質は特に限定されず、公知の各種ライナーを用いることができる。材質としては、例えば、紙;PET、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、アルミニウム等を例示でき、PET製のフィルムが特に好ましい。剥離ライナー2は、上質紙とポリオレフィンとのラミネートフィルム等のように、複数の材料で構成されてもよい。薬物層11やカバー粘着層32と接する剥離ライナーの面は、シリコーン又はフッ素化ポリオレフィン等により離型処理されていることが好ましい。
【0038】
カバー材付き貼付剤においては、当業者においていくつかの課題が認識されている。
一つは、貼付剤の薬物層に含まれる薬物がカバー材の粘着層に移行することである。薬物が粘着層に過剰に移行すると、使用者の体内で薬物が狙った血中濃度に到達しなかったり、血中濃度を狙った期間持続できなくなったりする可能性がある。
他の一つは、カバー材の粘着層のはみ出しによるべたつきの発生である。これは、最初にカバー材付き貼付剤を貼った領域の外側にカバー材の粘着層が付着する現象であり、「舌出し」とも称される。投薬期間終了後にカバー材付き貼付剤をはがした後に残る舌出しは、「糊残り」と称される。糊残りが生じると、使用者に不快感を生じる。
【0039】
発明者らは、これらを改善するために種々検討を行った。その結果、例えば貼付期間が比較的短い場合や、貼付中の使用者の動作や振動等による外力があまり加わらない部位に貼付される場合等においては、以下のような構成とすることで、上記課題を解決できることを見出した。
・カバー層を不織布で構成し、流れ方向および幅方向における伸び率をいずれも60%以上とし、かつ一方の伸び率を他方の伸び率の2倍以下とする。
・ゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤を用いてカバー粘着層を構成し、32℃、0.1Hzにおける損失正接を0.6~0.95とする。
【0040】
まず、カバー材の粘着層への薬物の移行については、従来多用されているアクリル系粘着剤に対し、ゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤の方がはるかに少ないことを見出した。
次に、糊残りについては、カバー材付き貼付剤の使用者の体動等による貼り付け面の変位に対する、カバー層とカバー粘着層との追従性の違いが重要な役割を担っているとの仮説に基づき、以下に示す各種検討の結果、カバー層の最適な構成に到達した。
さらに、カバー粘着層の損失正接については、小さすぎると粘着性が低下して貼付中に剥がれやすくなる傾向にあり、大きすぎると、貼付中の舌出しにより剥離後に糊残りしやすい傾向にあることを見出した。損失正接の範囲は、0.7~0.95がより好ましく、0.75~0.90がさらに好ましく、0.80~0.90が最も好ましい。
以下、本実施形態に係るカバー材付き貼付剤の各種構成の根拠となる検討の結果について示す。
【0041】
(実験1)
実験1では、カバー粘着層の組成と薬物層中の成分の移行について検討した。
下記に示す量の成分を適量の溶媒中で十分に混合し、実験用薬物層となる組成物を調製した。この組成物を剥離ライナー(離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート製フィルム。以下同様)上に均一に展延し、溶媒を乾燥除去することにより、単位面積あたりの膏体質量が80g/m2の実験用薬物層1を形成した。得られた実験用薬物層の剥離ライナーと反対側の面にPETフィルムからなる支持体を取り付け、2.5cm2の大きさに裁断して、実験用貼付剤部を作製した。
(実験用薬物層1)
ゴム系粘着基剤 23.38質量部
(スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体およびポリイソブチレンを質量比1:1で含有)
シリコーン系粘着基剤(デュポン・東レ・スペシャリティ・マテリアル株式会社製 BIO-PSA(登録商標)AC7-4201 Silicone Adhesive) 7.19質量部
テルペン系樹脂 26.97質量部
流動パラフィン 14.38質量部
ブトルファノール酒石酸塩 6質量部
オレイルアルコール 10質量部
その他成分(吸着剤及び脱塩剤) 12.08質量部
【0042】
次に、表1に記載されたカバー粘着層の各成分を適量の溶媒中で十分に混合し、カバー粘着層となる組成物を調製した。この組成物を剥離ライナー上に均一に展延し、溶媒を乾燥除去することにより、単位面積あたりの質量が75g/m2のカバー粘着層を形成した。得られたカバー粘着層の剥離ライナーと反対側の面にPETフィルムからなるカバー層を取り付け、その後5cm2に裁断して、各サンプルに係る実験用カバー部を作製した。
表1に記載された材料の詳細について、以下に示す。
ゴム系粘着剤1:
スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体/ポリイソブチレン/脂環族飽和炭化水素樹脂/流動パラフィンを、質量比16.3:7:51.1:18.6で含有するもの。なお、脂環族飽和炭化水素樹脂および流動パラフィンは添加物であるため、ゴム系粘着剤1は、粘着基剤としてゴム系粘着基剤のみを含有している。
アクリル系粘着剤1:MAS811B(コスメディ製薬株式会社製)
アクリル系粘着剤2:DURO-TAK(登録商標)87-2051(Henkel社製)
アクリル系粘着剤3:DURO-TAK(登録商標)87-2194(Henkel社製)
アクリル系粘着剤4:DURO-TAK(登録商標)87-2516(Henkel社製)
【0043】
実験用カバー部の剥離ライナーを剥離し、平面視において実験用貼付剤部を完全に覆うように実験用貼付剤部の支持体側に貼り合わせることで、各サンプルに係るカバー材付き貼付剤を得た。
【0044】
【0045】
各サンプルにおいて、カバー粘着層への成分移行を下記の手順で評価した。
各サンプルに係るカバー材付き貼付剤を包装袋に封入し60℃で2週間保管した。その後、包装袋から取り出して剥離ライナーを剥離し、実験用カバー部から実験用貼付剤部を切り離した。実験用カバー部のカバー粘着層に含まれるブトルファノールおよびオレイルアルコールの量を測定し、実験用薬物層からの移行率を算出した。
【0046】
表1に示されるように、ゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤でカバー粘着層が形成されたサンプル1および2では、アクリル系粘着基剤を主な粘着基剤とするアクリル系粘着剤を用いたサンプル3~6に比して、カバー粘着層へのブトルファノール移行が抑制されていた。特に、カバー粘着層がポリイソブチレンからなるサンプル1では、オレイルアルコールの移行率も低く抑えられていた。
以上より、カバー粘着層においてゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤を用いることの優位性が確認された。
【0047】
(実験2)
実験2では、カバー粘着層によるべたつきの原因となる糊残りについて検討した。
下記に示す量の成分を適量の溶媒中で十分に混合し、実験用薬物層となる組成物を調製した。この組成物を剥離ライナー上に均一に展延し、溶媒を乾燥除去することにより、単位面積あたりの膏体質量が60g/m2の実験用薬物層2を形成した。得られた実験用薬物層の剥離ライナーと反対側の面にPETフィルムからなる支持体を取り付け、30cm2の大きさに裁断して、実験用貼付剤部を作製した。
(実験用薬物層2)
ゴム系粘着基剤(スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体およびポリイソブチレンを質量比1:1で含有) 24.88質量部
シリコーン系粘着基剤(BIO-PSA(登録商標)AC7-4201 Silicone Adhesive) 7.65質量部
テルペン系樹脂 28.70質量部
流動パラフィン 15.31質量部
酒石酸 1.89質量部
オレイルアルコール 10質量部
その他成分(吸着剤及びpH調節剤) 11.57質量部
【0048】
次に、表2から5に記載されたカバー粘着層の組成に従って材料を適量の溶媒中で十分に混合し、カバー粘着層となる組成物を調製した。この組成物を剥離ライナー上に均一に展延し、溶媒を乾燥除去することにより、単位面積あたりの質量が75g/m2のカバー粘着層を形成した。得られたカバー粘着層の剥離ライナーと反対側の面に表2から5に記載された構成のカバー層を取り付け、その後47.6cm2に裁断して、各サンプルに係る実験用カバー部を作製した。なお、各表に記載された不織布および編布に関して、同じ表記のものは、同一の不織布または編布であることを意味する。
実験用カバー部の剥離ライナーを剥離し、平面視において実験用貼付剤部を完全に覆うように実験用貼付剤部の支持体側に貼り合わせることで、各サンプルに係るカバー材付き貼付剤を得た。
【0049】
各サンプルにおいて、以下の評価を行った。
(損失正接の算出)
各サンプルにおいて、カバー粘着層をカバー層から剥離し、レオメータ「HAAKE MARS」(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用いて以下の測定条件下で動的粘弾性測定を行った。損失弾性率および貯蔵弾性率の測定値を用いて、下記式により、各サンプルに係るカバー粘着層の損失正接を算出した。
損失正接(tanδ)=損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)
[測定条件]
・試料部:直径8mmの平板
・ギャップ間隔:1mm
・試料量:0.1~0.5g
・温度:32℃
・周波数:0.1Hz
・歪:1%
【0050】
(付着性評価)
各サンプルに係るカバー材付き貼付剤を、それぞれ20名の被験者の上腕部に貼付し、通常と同様に行動して24時間経過した後のカバー部の付着性を、以下の基準に基づいてスコア化し、サンプルごとの平均スコアを取得した。下記基準における剥離の程度は、カバー粘着層のうち、貼付剤部と接合されていない部位(すなわち、被験者の皮膚と接触している部位)の面積を100とした比率である。
剥離なし:100
1/10程度(1/8未満)剥離:80
1/5程度(1/8以上1/4未満)剥離:60
1/3程度(1/4以上1/2未満)剥離:40
1/2以上剥離:20
脱落:0
さらに、平均スコアを以下の通りランク付けし、Aのみ合格とした。
A:平均スコア75以上
B:平均スコア60以上75未満
C:平均スコア60未満
【0051】
(糊残り評価)
付着性評価後にカバー材付き貼付剤を剥離した。剥離後の糊残りを、以下の基準に基づいてスコア化し、サンプルごとの平均スコアを取得した。
糊残りを認めない:100
カバー部の周囲1/10程度(1/8未満)に糊残りを認める:80
カバー部の周囲1/4程度(1/8以上3/8未満)に糊残りを認める:60
カバー部の周囲1/2程度(3/8以上5/8未満)に糊残りを認める:40
カバー部の周囲3/4程度(5/8以上)に糊残りを認める:20
カバー部の周囲全体に糊残りを認める:0
さらに、平均スコアを以下の通りランク付けし、Aのみ合格とした。
A:平均スコア75以上
B:平均スコア60以上75未満
C:平均スコア60未満
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
表2に示すサンプルの結果より、カバー層としては不織布が適していることが示された。
損失正接は、物質の弾性と粘性のバランスを示す指標である。表3に示す各サンプルは、損失正接の異なる複数種類のポリイソブチレンを用いて作製した。表3に示すサンプルの結果より、カバー粘着層の損失正接としては、0.6~0.95程度が好ましいことが示された。
【0057】
表4に示すサンプルの結果より、カバー粘着層の損失正接が上記好適範囲内であっても、カバー層が編布(繊維が編まれた布)であると、糊残り抑制効果が十分でない、すなわち、上記好適範囲内の損失正接を有するカバー粘着層は、不織布からなるカバー層と組み合わせることで初めて良好な糊残り抑制効果を示すことが確認できた。
表5に示すサンプルの結果より、ポリイソブチレン以外のゴム系粘着基剤としてスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を混合したカバー粘着層であっても、損失正接が上記好適範囲内であり、かつ不織布からなるカバー層と組み合わせることで良好な糊残り抑制効果を示すことが確認できた。なお、サンプル21および22のカバー粘着層におけるポリイソブチレンとスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の比率は、9:1であり、ポリイソブチレンを主成分としている。
【0058】
(実験3)
実験3では、カバー層として不織布が好適であることを踏まえ、不織布の好適な物性について検討した。
実験2で用いたサンプル11に対して、カバー層となる不織布のみ変更したサンプル31~35を準備した。
【0059】
サンプル11、および31~35のカバー層として用いた不織布に対し、以下の測定を行った。
(伸び率の測定)
JIS L 1096:2010に記載の8.14.1Aに準拠して行った。
各サンプルに用いた不織布を流れ方向、幅方向に沿って、それぞれ幅25mm、長さ110mmの大きさになるように採取し、試験片とした。長さ方向につかみ間隔が60mmとなるように試験片を引張試験機でつかみ、500mm/minの引張速度で引っ張り、切断時の長さ(L1)と原長(L0)から以下の式により、伸び率(%)を測定した。各不織布につき、流れ方向、幅方向にそれぞれ3回ずつ測定し、平均したものを伸び率の値とした。
伸び率(%)=(L1-L0)×100/L0
【0060】
(伸長回復率の測定)
JIS L 1096:2010に記載の8.15.1Aに準拠して行った。
各サンプルに用いた不織布について、伸び率測定と同様の試験片を準備した。長さ方向につかみ間隔が60mmとなるように試験片を引張試験機でつかみ、500mm/minの引張速度で原長(L0)の150%の長さ(L1)まで引き伸ばし、同じ速度で荷重を取り除いた。応力が0になった時点での長さをL2として、以下の式から伸長回復率(%)を算出した。各不織布につき、それぞれ3回ずつ測定を行い、平均したものを伸長回復率の値とした。
伸長回復率(%)=(L1-L2)×100/(L1-L0)
【0061】
サンプル31~35については、実験2で行った付着性評価および糊残り評価も行った。
すべての結果を表6に示す。サンプル35の不織布材質は、ポリウレタンである。
なお、サンプル31の不織布は、原長の150%の長さまで伸びずに断裂したため、伸長回復率を測定することができなかった。
【0062】
【0063】
表6の結果より、以下の知見が得られた。
・カバー層として用いる不織布の流れ方向および幅方向における伸び率がいずれも60%以上であり、かつ一方の伸び率が他方の伸び率の2倍以下であると、上述した損失正接を有するカバー粘着層との組み合わせにより、糊残りを好適に抑制できる。
・カバー層として用いる不織布の流れ方向および幅方向の伸長回復率が20%~90%の範囲内にあると、上述した損失正接を有するカバー粘着層との組み合わせにより、糊残りを好適に抑制できる。
【0064】
上記各実験から得られた知見に基づいて各部の具体的構成が設定された本実施形態のカバー材付き貼付剤1は、カバー部30の付着性が良好であることにより薬物層11が皮膚と接触した状態を好適に維持し、カバー部30の糊残りを抑制することにより使用中における不快なべたつきが抑制される。さらに、カバー粘着層がゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤を用いて構成されることにより、薬物層11に含まれる薬物がカバー粘着層に移行することも抑制され、製剤設計がしやすいという利点も備えている。
【0065】
以上、本発明の一実施形態について、サンプルを用いた実験とともに説明したが、具体的な構成は実施形態および各サンプルの具体的内容に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0066】
本発明は、以下に示す技術思想を含む。
(項1)
支持体と、前記支持体上に形成された薬物層とを有する貼付剤部と、カバー層と、前記カバー層上に形成されたカバー粘着層とを有するカバー部と、を備え、前記貼付剤部を覆うように前記カバー粘着層が前記支持体に接合されたカバー材付き貼付剤であって、
前記カバー層は、不織布からなり、前記不織布の流れ方向および幅方向における伸び率がいずれも60%以上であり、かつ一方の伸び率が他方の伸び率の2倍以下であり、
前記カバー粘着層は、ゴム系粘着基剤を主な粘着基剤とするゴム系粘着剤を用いて構成され、かつ32℃、0.1Hzにおける損失正接(tanδ)が0.6~0.95である、
カバー材付き貼付剤。
(項2)
前記ゴム系粘着基剤は、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソプレン、およびポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種を主成分とする、
項1に記載のカバー材付き貼付剤。
(項3)
前記ゴム系粘着基剤は、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソプレン、およびポリブタジエンからなる群から選択される1種以上からなる、
項1または2に記載のカバー材付き貼付剤。
(項4)
前記不織布は、流れ方向および幅方向における伸長回復率が90%以下である、
項1~3のいずれか一項に記載のカバー材付き貼付剤。
【符号の説明】
【0067】
1 カバー材付き貼付剤
10 貼付剤部
11 薬物層
12 支持体
30 カバー部
31 カバー層
32 カバー粘着層