(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077259
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】山岳トンネルのロックボルト孔へのモルタル注入システム
(51)【国際特許分類】
E21D 20/00 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
E21D20/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189241
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003340
【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 賢吾
(57)【要約】
【課題】山岳トンネルのロックボルト孔へのモルタル注入量の記録管理をより正確かつ自動的に行なえるようにして、作業者の負担を軽減する。
【解決手段】モルタル注入ポンプ10でセメント5a及び水5wを混錬してモルタル5を生成しながら押し出す。モルタル注入ポンプ10から延びる注入管7を山岳トンネル1のロックボルト孔4へ挿し入れてモルタル5を注入する。流量計8でモルタルの吐出流量を計測する。流量計8と情報処理装置30を、第1信号変換部21を介して接続する。情報処理装置30の運転種類情報受付部35によってモルタル注入運転であるか否かの運転種類情報を受け付け、ポンプ操作入力受付部36によってモルタル注入ポンプ10の遠隔操作の指令入力を受け付ける。指令出力部37によって、指令入力に応じた遠隔操作指令を、第2信号変換部22を介してモルタル注入ポンプ10へ出力する。モルタル注入運転時における吐出流量の計測データを記憶部33に記憶する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モルタル注入ポンプによって、セメント及び水を混練して生成したモルタルを、注入管へ押し出して、山岳トンネルのロックボルト孔に注入するモルタル注入システムであって、
前記モルタル注入ポンプからのモルタルの吐出流量を計測する流量計と、
前記流量計と第1信号変換部を介して接続された情報処理装置と、
を備え、前記情報処理装置が、
前記ロックボルト孔へのモルタル注入運転であるか否かの運転種類情報を受け付ける運転種類情報受付部と、
前記モルタル注入ポンプの遠隔操作の指令入力を受け付けるポンプ操作入力受付部と、
前記指令入力に応じた遠隔操作指令を、第2信号変換部を介して前記モルタル注入ポンプへ出力する指令出力部と、
前記流量計の計測データのうち少なくとも前記モルタル注入運転時における計測データを記憶する記憶部を含むことを特徴とする山岳トンネルのロックボルト孔へのモルタル注入システム。
【請求項2】
前記運転種類情報受付部が、モルタルを前記注入管の先端まで行き渡らせるための準備運転の選択入力を受け付ける準備運転入力受付部と、前記モルタル注入運転の選択入力を受け付ける注入運転入力受付部と、前記モルタル注入ポンプの洗い運転の選択入力を受け付ける洗い運転入力受付部とを含む請求項1に記載のモルタル注入システム。
【請求項3】
前記ポンプ操作入力受付部が、正転運転開始の指令入力を受け付ける正転運転開始入力受付部と、正転運転停止の指令入力を受け付ける正転運転停止入力受付部と、逆転運転の指令入力を受け付ける逆転入力受付部と、振動運転の指令入力を受け付ける振動入力受付部とを含み、
前記指令出力部が、前記正転運転開始の指令入力を受け付けたときは正転運転開始指令を、前記正転運転停止の指令入力を受け付けたときは正転運転停止指令を、前記逆転運転の指令入力を受け付けたときは逆転運転指令を、前記振動運転の指令入力を受け付けたときは振動運転指令を、それぞれ第2信号変換部を介して前記モルタル注入ポンプへ出力し、
前記モルタル注入ポンプが、前記正転運転開始指令に応じて前記押し出す方向への正転運転を開始し、前記正転運転停止指令に応じて前記正転運転を停止し、前記逆転運転指令に応じて前記押し出す方向とは逆側への逆転運転を行ない、前記振動運転指令に応じて振動運転を行なう請求項2に記載のモルタル注入システム。
【請求項4】
前記情報処理装置が、注入するロックボルト孔を特定する孔情報を受け付ける孔情報受付部を含み、前記孔情報ごとの前記計測データが前記記憶部に記憶されることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のモルタル注入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NATMトンネル等の山岳トンネルの構築においてロックボルト孔へモルタルを注入するシステムに関し、特にセメント及び水を混練してモルタルを生成しながら押し出すモルタル注入ポンプによる注入システムに関する。
【背景技術】
【0002】
山岳トンネルの構築においては、掘削した周辺地山にロックボルト孔を穿孔し、該ロックボルト孔にモルタルを注入した後、そのロックボルト孔にロックボルトを挿入する(特許文献1等参照)。モルタル注入には、例えばMAIポンプ(国際登録番号1491408)と呼ばれるモルタル注入ポンプが用いられている。この種のモルタル注入ポンプは、セメント及び水を混練してモルタルを生成しながら押し出す。モルタル注入ポンプの制御盤には、運転開始ボタン、運転停止ボタン等が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種モルタル注入ポンプにおいては、通常、ロックボルト孔への注入運転に先立ち、モルタル注入ポンプから延びる注入管の先端までモルタルを行き渡らせる等の準備運転が必要である。注入運転作業の終了後は、水をモルタル注入ポンプに流して、モルタル注入ポンプ内部に残留するモルタルを洗い流す洗い運転が必要である。一方、準備運転においても洗い運転においても、モルタル注入ポンプの操作自体はモルタル注入運転とまったく同じであり、モルタル注入ポンプの動作もモルタル注入運転と違いが無い。すなわち、開始時にはモルタル注入運転と同じ運転開始ボタンを押すことで正転駆動を開始し、停止時にはモルタル注入運転と同じ運転停止ボタンを押すことで正転運転が停止されるようになっている。このため、モルタル注入ポンプの操作情報及び動作情報だけから各ロックボルト孔へのモルタル注入量を正確に把握するのは困難であった。正確に把握しようとすれば、モルタル注入運転の開始時刻及び停止時刻と、その時間中のモルタル注入量を記録する必要があり、作業者の手間が増える。しかも、モルタル注入量の把握は、例えば原料のセメントの空袋の数で行なわれており、それ自体が正確さに欠けていた。
本発明は、かかる事情に鑑み、山岳トンネルのロックボルト孔へのモルタル注入量の記録管理を正確かつ自動的に行なえるようにして、作業者の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、モルタル注入ポンプによって、セメント及び水を混練して生成したモルタルを、注入管へ押し出して、山岳トンネルのロックボルト孔に注入するモルタル注入システムであって、
前記モルタル注入ポンプからのモルタルの吐出流量を計測する流量計と、
前記流量計と第1信号変換部を介して接続された情報処理装置と、
を備え、前記情報処理装置が、
前記ロックボルト孔へのモルタル注入運転であるか否かの運転種類情報を受け付ける運転種類情報受付部と、
前記モルタル注入ポンプの遠隔操作の指令入力を受け付けるポンプ操作入力受付部と、
前記指令入力に応じた遠隔操作指令を、第2信号変換部を介して前記モルタル注入ポンプへ出力する指令出力部と、
前記流量計の計測データのうち少なくとも前記モルタル注入運転時における計測データを記憶する記憶部を含むことを特徴とする。
【0006】
当該モルタル注入システムによれば、運転種類情報受付部の受け付け情報によってモルタル注入運転か否かを判定して、ポンプ操作入力受付部の受け付け情報によってモルタル注入ポンプを遠隔操作運転する。したがって、情報処理装置は、前記遠隔操作運転がモルタル注入運転なのか否かを判定でき、モルタル注入ポンプの全運転期間の中からモルタル注入運転時における吐出流量の計測データを抽出して管理できる。モルタル注入運転以外の計測データが、モルタル注入運転時の計測データと区別なく集計されるのを回避でき、ロックボルト孔へのモルタル注入量管理の正確度が高まる。モルタル注入量の管理のために、作業者が、モルタル注入運転の開始時刻、停止時刻等を手作業で記録したり、セメントの空袋の数を数えたりする必要が無く、作業者の負担を軽減できる。
【0007】
モルタル注入運転以外の運転種類としては、準備運転、洗い運転がある。
好ましくは、前記運転種類情報受付部が、モルタルを前記注入管の先端まで行き渡らせるための準備運転の選択入力を受け付ける準備運転入力受付部と、前記モルタル注入運転の選択入力を受け付ける注入運転入力受付部と、前記モルタル注入ポンプの洗い運転の選択入力を受け付ける洗い運転入力受付部とを含む。
【0008】
好ましくは、前記ポンプ操作入力受付部が、正転運転開始の指令入力を受け付ける正転運転開始入力受付部と、正転運転停止の指令入力を受け付ける正転運転停止入力受付部と、逆転運転の指令入力を受け付ける逆転入力受付部と、振動運転の指令入力を受け付ける振動入力受付部とを含み、
前記指令出力部が、前記正転運転開始の指令入力を受け付けたときは正転運転開始指令を、前記正転運転停止の指令入力を受け付けたときは正転運転停止指令を、前記逆転運転の指令入力を受け付けたときは逆転運転指令を、前記振動運転の指令入力を受け付けたときは振動運転指令を、それぞれ第2信号変換部を介して前記モルタル注入ポンプへ出力し、
前記モルタル注入ポンプが、前記正転運転開始指令に応じて前記押し出す方向への正転運転を開始し、前記正転運転停止指令に応じて前記正転運転を停止し、前記逆転運転指令に応じて前記押し出す方向とは逆側への逆転運転を行ない、前記振動運転指令に応じて振動運転を行なう。
作業者は、モルタル注入ポンプの制御盤等でモルタル注入ポンプを直に操作するのと同様の感覚で、情報処理装置によってモルタル注入ポンプを遠隔操作できる。
【0009】
前記ポンプ操作入力受付部が、前記正転運転開始入力受付部を前記運転種類ごとに有していてもよい。つまり、前記ポンプ操作入力受付部が、準備運転の正転運転開始入力受付部と、モルタル注入運転の正転運転開始入力受付部と、洗い運転の正転運転開始入力受付部を有していてもよい。そうすることで、何れの正転運転開始入力受付部が選択されたかによって、情報処理装置が運転種類を判定できる。つまり、ポンプ操作入力受付部が運転種類情報受付部を兼ねることができる。
【0010】
好ましくは、前記情報処理装置が、注入するロックボルト孔を特定する孔情報を受け付ける孔情報受付部を含み、前記孔情報ごとの前記計測データが前記記憶部に記憶される。
これによって、ロックボルト孔ごとにモルタル注入流量を管理できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、山岳トンネルのロックボルト孔へのモルタル注入量の記録管理を正確かつ自動的に行なうことができ、作業者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、山岳トンネルのロックボルト孔へのモルタル注入システムの概要を示す解説図である。
【
図2】
図2は、前記モルタル注入システムの回路構成図である。
【
図3】
図3は、前記モルタル注入システムの情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、前記情報処理装置の表示部に表示されるロックボルト工管理画面の一例を示す正面図である。
【
図5】
図5は、前記情報処理装置の表示部に表示される作業管理表の一例を示す正面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施形態に係る情報処理装置の表示部に表示されるロックボルト工管理画面の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に示すように、NATMトンネル等の山岳トンネル1においては、トンネル軸方向(
図1の紙面と直交する方向)の1~数メートル置きの断面ごとに、周辺地山2内へ放射状に複数のロックボルト3が打ち込まれている。当該ロックボルト施工においては、まず地山掘削面2aから地山2内に削孔機Mによってロックボルト孔4を削孔形成する。該ロックボルト孔4に充填材としてモルタル5を注入して充填する。その後、ロックボルト3をロックボルト孔4に差し込む。前記断面ごとに複数のロックボルト3を1つずつ順次施工する。好ましくは施工管理のために、これらロックボルト3には互いを識別する識別番号が付されている。
【0014】
図1に示すように、モルタル5の注入システム6は、モルタル注入ポンプ10と、信号変換モジュール20と、情報処理装置30を備えている。モルタル注入ポンプ10は、セメント及び水を混練してモルタル5を生成しながら押し出す装置である。
なお、
図1において、モルタル注入ポンプ10は、作図の都合上、トンネルの外に配置されているが、実際の現場ではトンネル1の内部に配置される。
【0015】
モルタル注入ポンプ10は、ホッパー11(原料投入部)と、混練押出部12と、ポンプモータ13と、バイブレータ14と、制御盤15を含む。ホッパー11には、セメント5a及び水5wが投入される。ホッパー11の底部から混練押出部12が延びている。混練押出部12は、外筒12aと、該外筒12aに収容されたスクリュー12bとを含む。スクリュー12bの手元端部(
図1において右端部)には、ポンプモータ13が接続されている。ポンプモータ13の駆動によってスクリュー12bが回転され、モルタルが混練されながら混練押出部12の先端側(
図1において左側)へ押し出される。
【0016】
混練押出部12の手元端部ないしはホッパー11の底部には、バイブレータ14が設けられている。バイブレータ14の駆動によって、モルタル注入ポンプ10が振動され、モルタルの詰まりが解除される。
【0017】
モルタル注入ポンプ10の混練押出部12の先端の吐出端部12eから注入管7が延びている。注入管7の先端部が、注入対象のロックボルト孔4へ挿し込まれる。
【0018】
吐出端部12eと注入管7との間に流量計8が設けられている。流量計8は、モルタル注入ポンプ10からのモルタル吐出流量を計測する。具体的には、流量計8は、モルタルの瞬時吐出流量に応じた電気信号を出力するとともに、モルタルが所定の体積(例えば1L)だけ吐出されるごとに、積算吐出流量に相当するパルス信号を出力する。
【0019】
図2に示すように、モルタル注入ポンプ10の制御盤15には、例えば押しボタン式の手動スイッチ41,42,43,44及びスイッチリレーモジュール51,52,53等を含むスイッチ回路、並びに図示しない電源ボタン及びブレーカ等を含む電源回路が設けられている。スイッチ41はポンプモータ13の正転運転開始用であり、スイッチ42はポンプモータ13の正転運転停止用であり、スイッチ43はポンプモータ13の逆転運転用であり、スイッチ44はバイブレータ14の運転用である。例えば、スイッチ41は自己保持型、スイッチ42~44は自己復帰型であるが、本発明はこれに限られない。1つのスイッチが正転運転開始用と正転運転停止用に交互に切り替わるようにしてもよい。
【0020】
図2に示すように、スイッチリレーモジュール51,52,53は、例えばソリッドステートリレー等の半導体リレーによって構成されている。スイッチリレーモジュール51は、ポンプモータ13の正転運転開始・停止用であり、その入力回路51aに手動スイッチ41,42が接続され、出力回路51bにポンプモータ13が接続されている。スイッチリレーモジュール52は、ポンプモータ13の逆転運転用であり、その入力回路52aに手動スイッチ43が接続され、出力回路52bにポンプモータ13が接続されている。スイッチリレーモジュール53は、バイブレータ14の運転用であり、その入力回路53aに手動スイッチ44が接続され、出力回路53bにバイブレータ14が接続されている。
【0021】
図1に示すように、モルタル注入ポンプ10に信号変換モジュール20が接続されている。
図1においては、信号変換モジュール20は、モルタル注入ポンプ10とは別置きであるが、モルタル注入ポンプ10の制御盤15等に組み込まれていてもよい。
【0022】
図2に示すように、信号変換モジュール20は、第1信号変換部21と、第2信号変換部22を含む。第1信号変換部21は、流量計8と接続され、流量計8からのアナログの検知信号をデジタル変換する。第2信号変換部22は、情報処理装置30からのデジタルの各種制御指令を、モルタル注入ポンプ10のアナログの操作信号に変換する。
【0023】
図2に示すように、第2信号変換部22と制御盤15とが、複数のスイッチ信号線23,24,25,26によって接続されている。ポンプモータ13の正転運転開始用のスイッチ信号線23は、スイッチ41と並列をなすように、正転運転用のスイッチリレーモジュール51の入力回路51aと接続されている。正転運転停止用のスイッチ信号線24は、スイッチ42と並列をなすように、スイッチリレーモジュール51の入力回路51aと接続されている。
なお、各信号線は、プラス線とマイナス線の2本あるが、図では便宜上1本にして図示する。
【0024】
逆転運転用のスイッチ信号線25は、スイッチ43と並列をなすように、逆転運転用のスイッチリレーモジュール52の入力回路52aと接続されている。
振動運転用のスイッチ信号線26は、スイッチ44と並列をなすように、振動運転用のスイッチリレーモジュール53の入力回路53aと接続されている。
【0025】
図1に示すように、情報処理装置30は、スマートフォンによって構成されているが、これに限らず、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコンその他のコンピュータであってもよい。
図2に示すように、情報処理装置30は、CPU31(処理部)と、通信部32と、記憶部33(蓄積手段)と、表示部34(ディスプレイ)を含む。通信部32と信号変換モジュール20とが、有線又は無線のローカルエリアネットワーク9(LAN)を介してデータ通信可能に接続されている。ひいては、情報処理装置30が、第1信号変換部21を介して流量計8と接続され、かつ第2信号変換部22を介して制御盤15のスイッチリレーモジュール51,52,53と接続されている。
【0026】
図2に示すように、記憶部33には、ロックボルト工管理プログラム33pと、モルタル吐出流量の計測データを、好ましくはロックボルト孔4ごとに記憶する蓄積領域33dが設けられている。ロックボルト工管理プログラム33pにしたがって、情報処理装置30のCPU31等がロックボルト工法管理処理を実行する。
図3に示すように、ロックボルト工管理処理を実行時の情報処理装置30のCPU31をはじめとする構成要素が、互いに協働して、運転種類情報受付部35、ポンプ操作入力受付部36、指令出力部37、孔情報受付部38、作業管理表作成部39等として機能する。
【0027】
運転種類情報受付部35は、ロックボルト孔4へのモルタル注入運転であるか否かの運転種類情報を受け付ける。運転種類(運転モード)としては、前記モルタル注入運転の他、該モルタル注入運転前にモルタル5を注入管7の先端まで行き渡らせるための準備運転、注入作業後にモルタル注入ポンプ10内のモルタルを洗い流す洗い運転がある。運転種類情報受付部35は、準備運転入力受付部35aと、注入運転入力受付部35bと、洗い運転入力受付部35cとを含む。
【0028】
ポンプ操作入力受付部36は、モルタル注入ポンプ10の遠隔操作の指令入力を受け付ける。具体的に、ポンプ操作入力受付部36は、正転運転開始入力受付部36aと、正転運転停止入力受付部36bと、逆転入力受付部36cと、振動入力受付部36dとを含む。
【0029】
指令出力部37は、各指令入力に応じた遠隔操作指令を、第2信号変換部22を介してモルタル注入ポンプ10へ出力する。
【0030】
孔情報受付部38は、注入するロックボルト孔4を特定する孔情報を受け付ける。好ましくは、孔情報として前記識別番号が用いられる。孔情報の受け付け方法としては、例えば、情報処理装置30の画面にキーボードが表示され、該キーボードで前記識別番号等の孔情報を打ち込むようにしてもよく、画面にトンネル1の1の断面の複数のロックボルト孔4の図や識別番号が表示され、その中から該当するものを選択するようにしてもよい。
【0031】
山岳トンネル1の構築施工において、次のようにしてロックボルト孔4へのモルタル注入が行われる。
<プログラム起動~作業内容選択>
モルタル注入システム6の情報処理装置30のロックボルト工管理プログラム33pを起動すると、
図4に示すように、表示部34にロックボルト工管理画面60が表示される。ロックボルト工管理画面60は、ポンプ遠隔操作受付画面部分62と、孔情報受付画面部分63と、作業管理表作成ボタン64を含む。画面部分62,63は、それぞれ受付部36,38(
図3)の画面部分を構成する。
【0032】
ポンプ遠隔操作受付画面部分62は、正転運転開始ボタン62a(62a1,62a2,62a3)と、正転運転停止ボタン62bと、逆転ボタン62cと、振動ボタン62dを含む。ボタン62a,62b,62c,62dは、それぞれ入力受付部36a,36b,36c,36d(
図3)の入力ボタンを構成する。
【0033】
正転運転開始ボタン62aは、運転種類ごとに3つ設けられている。すなわち、正転運転開始ボタン62aは、準備運転の正転運転開始ボタン62a1と、注入運転の正転運転開始ボタン62a2と、洗い運転の正転運転開始ボタン62a3を含む。言い換えると、ポンプ操作入力受付部が、正転運転開始入力受付部を運転種類ごとに有している。情報処理装置30は、どの運転開始ボタン62a1,62a2,62a3がタッチされたかによって運転種類すなわちモルタル注入運転であるか否かを判定できる。したがって、運転開始ボタン62a1,62a2,62a3が、運転種類の選択ボタンを兼ねている。つまり、ポンプ操作入力受付部が、運転種類情報受付部を兼ねている。
【0034】
<準備運転>
作業者は、ロックボルト孔4への実際のモルタル注入作業に先立って、準備運転の正転運転開始ボタン62a1をタッチ(選択)する。これによって、準備運転入力受付部35aが準備運転の選択入力を受け付けるとともに、正転運転開始入力受付部36aが正転運転開始の指令入力を受け付ける。これに応じて、指令出力部37が正転運転開始指令を出力する。正転運転開始指令は、LAN9を介して第2信号変換部22によってアナログ信号に変換されたうえで、モルタル注入ポンプ10のスイッチリレーモジュール51に入力される。これによって、入力回路51aのスイッチがオンされることで、出力回路51bがオンされて、ポンプモータ13が正転駆動される。
【0035】
これによって、セメント5a及び水5wが混練押出部12によって混練されて、モルタル5が生成されるとともに吐出端部12eから注入管7へ導入される。やがて、モルタル5が、注入管7の先端から吐出される。これによって、モルタル5が注入管7の先端まで行き渡ったことが確認される。
【0036】
前記確認後の作業者は、ポンプ遠隔操作受付画面部分62の運転停止ボタン62bをタッチ(選択)する。これによって、正転運転停止入力受付部36bが正転運転停止の指令入力を受け付ける。これに応じて、指令出力部37が正転運転停止指令を出力する。正転運転停止指令は、LAN9を介して、第2信号変換部22によってアナログ信号に変換されたうえで、モルタル注入ポンプ10のスイッチリレーモジュール51に入力される。これによって、入力回路51aのスイッチがオフされることで、出力回路51bがオフされて、ポンプモータ13による正転運転が停止される。
【0037】
<孔選択>
作業者Aは、孔情報受付画面部分63をタッチ(選択)して、これからモルタル注入しようとするロックボルト孔4に振られた番号等の孔情報を入力する。これによって、孔情報受付部38によって孔情報が受け付けられる。
【0038】
<注入運転>
作業者は、注入管7の先端を注入対象のロックボルト孔4の奥まで差し入れた状態で、注入運転の正転運転開始ボタン62a2をタッチ(選択)する。これによって、注入運転入力受付部35bがモルタル注入運転の選択入力を受け付ける。
【0039】
さらに、正転運転開始入力受付部36aが正転運転開始の指令入力を受け付ける。これに応じて、指令出力部37が、前記準備運転時と同じ正転運転開始指令を出力する。正転運転開始指令は、LAN9を介して信号変換モジュール20に送信され、第2信号変換部22によってアナログ信号に変換されたうえで、モルタル注入ポンプ10のスイッチリレーモジュール51に入力される。該正転運転開始指令の入力によって、入力回路51aのスイッチがオンされる。つまり、正転運転開始用の手動スイッチ41が押されたのと同等の処理がなされる。入力回路51aの導通によって、出力回路51bがオンされてポンプモータ13へ電流が流れ、ポンプモータ13が正転駆動される。すなわち、モルタル注入ポンプ10が、正転運転開始指令に応じて正転運転を開始する。
【0040】
これによって、セメント5a及び水5wが混練押出部12によって混練されながらモルタル5となって押し出されて、吐出端部12eから注入管7を経て、注入管7の先端から注入対象のロックボルト孔4に注入される。
【0041】
<流量計測>
このとき、モルタル5の注入ポンプ10からの吐出流量が流量計8で計測される。計測信号が流量計8から信号変換モジュール20へ送られて第1信号変換部21によってデジタル変換されたうえで、LAN9を介して情報処理装置30に送信される。これによって、モルタル注入運転時におけるモルタル吐出流量の計測データが、前記孔情報と共に蓄積領域33dが記憶される。
なお、前記準備運転時においても、流量計測を行って、その計測データを蓄積領域33dに記憶してもよい。
【0042】
注入作業中、モルタルがモルタル注入ポンプ10内で詰まったときは、作業者は、ポンプ遠隔操作受付画面部分62の逆転ボタン62c又は振動ボタン62dをタッチ(選択)する。
<逆転運転>
逆転ボタン62cがタッチ(選択)された場合、逆転入力受付部36cによって逆転運転の指令入力が受け付けられる。これに応じて、指令出力部37が逆転運転指令を出力する。逆転運転指令は、LAN9を介して信号変換モジュール20に送信され、第2信号変換部22によってアナログ信号に変換されたうえで、モルタル注入ポンプ10のスイッチリレーモジュール52に入力される。これによって、入力回路52aのスイッチがオンされることで、出力回路52bがオンされる。つまり、逆転運転用の手動スイッチ43が押されたのと同等の処理がなされる。これによって、ポンプモータ13が正転駆動を停止して、逆転駆動される。このため、混練押出部12がモルタルを戻す側(押し出す方向とは逆側)へ逆転駆動される。すなわち、モルタル注入ポンプ10が逆転運転指令に応じて逆転運転を行なう。
【0043】
作業者が逆転ボタン62cをタッチしている期間中、指令出力部37から逆転運転指令が出力され続け、モルタル注入ポンプ10が逆転運転し続ける。これによって、モルタル注入ポンプ10におけるモルタルの詰まりを緩和ないしは解消できる。
作業者が逆転ボタン62cから手を離すと、指令出力部37からの逆転運転指令の出力が停止される。これによって、モルタル注入ポンプ10の逆転運転が停止されるとともに、正転運転に切り替わり、モルタル注入が再開される。
なお、前記準備運転及び後記洗い運転においても、同様の操作で逆転運転可能である。
【0044】
<振動運転>
振動ボタン62dがタッチ(選択)された場合、振動入力受付部36dによって振動運転の指令入力が受け付けられる。これに応じて、指令出力部37が振動運転指令を出力する。振動運転指令は、LAN9を介して信号変換モジュール20に送信され、第2信号変換部22によってアナログ信号に変換されたうえで、モルタル注入ポンプ10のスイッチリレーモジュール53に入力される。これによって、入力回路53aのスイッチがオンされることで、出力回路53bがオンされる。つまり、振動用の手動スイッチ44が押されたのと同等の処理がなされる。これによって、バイブレータ14が駆動されることで、モルタル注入ポンプ10が振動される。すなわち、モルタル注入ポンプ10が振動運転指令に応じて振動運転を行なう。これにより、モルタル注入ポンプ10におけるモルタルの詰まりを緩和ないしは解消できる。
【0045】
作業者が振動ボタン62dをタッチしている期間中、指令出力部37から振動運転指令が出力され続け、モルタル注入ポンプ10が振動され続ける。振動中も、ポンプモータ13の正転駆動によってモルタル注入が継続されてもよい。
作業者が振動ボタン62dから手を離すと、指令出力部37からの振動運転指令の出力が停止され、モルタル注入ポンプ10の振動が停止される。振動中はポンプモータ13が停止され、振動停止とともにポンプモータ13の正転駆動が再開されてもよい。
なお、前記準備運転及び後記洗い運転においても、同様の操作で振動運転可能である。
【0046】
作業者は、注入管7をロックボルト孔4の奥から手前へ引きながら注入する。
ロックボルト孔4にモルタル5が充填されたとき、当該ロックボルト孔4における地山掘削面2aへの開口からモルタルが溢れ出る、
【0047】
<注入作業停止>
前記溢れ出しの確認後、作業者は、ポンプ遠隔操作受付画面部分62の運転停止ボタン62bをタッチ(選択)する。これによって、正転運転停止入力受付部36bによって正転運転停止の指令入力が受け付けられる。これに応じて、指令出力部37が、正転運転停止指令を出力する。正転運転停止指令は、LAN9を介して信号変換モジュール20に送信され、第2信号変換部22によってアナログ信号に変換されたうえで、モルタル注入ポンプ10のスイッチリレーモジュール51に入力される。該正転運転停止指令の入力によって、入力回路51aのスイッチがオフされる。つまり、正転運転停止用の手動スイッチ42が押されたのと同等の処理がなされる。これによって、出力回路51bがオフされて、ポンプモータ13が停止される。すなわち、モルタル注入ポンプ10が正転運転停止指令に応じて正転運転を停止する。
蓄積領域33dには、前記注入運転開始から停止までのロックボルト孔4へのトータルのモルタル注入流量が、そのロックボルト孔4の孔情報と共に蓄積される。
【0048】
引き続きモルタル注入すべき別のロックボルト孔4が在る場合、作業者は、孔情報受付画面部分63をタッチして、そのロックボルト孔4の孔情報を入力したうえで、前述した手順でモルタル注入を行なう。
作業者は、モルタル注入ポンプ10を制御盤15で直に操作するのと同様の感覚で、情報処理装置30によってモルタル注入ポンプ10を遠隔操作できる。
【0049】
<洗い運転>
施工すべき複数のロックボルト孔4へのモルタル注入作業が終了したり、一日のモルタル注入作業が終了したりすることで、その後、長時間モルタル注入ポンプ10を運転しないことが見込まれるときは、作業者は、洗い運転の正転運転開始ボタン62a2をタッチする。これによって、洗い運転入力受付部35cが洗い運転の選択入力を受け付けるとともに、正転運転開始入力受付部36aが正転運転開始の指令入力を受け付ける。これに応じて、指令出力部37から正転運転開始指令が第2信号変換部22を介してモルタル注入ポンプ10へ出力される。これによって、ポンプモータ13が正転駆動され、モルタル注入ポンプ10が洗い運転を行なう。
【0050】
洗い運転では、モルタル注入ポンプ10に水だけを供給し、モルタル注入ポンプ10内のモルタルを水で洗い流す。これによって、モルタル注入ポンプ10内でモルタルが固まってモルタル注入ポンプ10が動かなくなるのを防止できる。
洗い作業が終了したら、作業者Aは、ポンプ遠隔操作受付画面部分62の運転停止ボタン62bをタッチ(選択)する。これによって、正転運転停止入力受付部36bによって正転運転停止の指令入力が受け付けられ、これに応じて、指令出力部37から正転運転停止指令が第2信号変換部22を介してモルタル注入ポンプ10へ出力される。これによって、ポンプモータ13が停止され、モルタル注入ポンプ10が洗い運転を停止する。
【0051】
モルタル注入システム6によれば、3つ正転運転開始ボタン62aのうちどれが選択されたによって、ひいては運転種類情報受付部35の受け付け情報によってモルタル注入運転か否かを判定できる。さらにポンプ操作入力受付部36の受け付け情報によってモルタル注入ポンプ10を遠隔操作にて運転できる。さらには、モルタル注入ポンプ10の運転期間の中から、少なくともモルタル注入運転時における注入流量の計測データを記憶部33に記憶して管理できる。モルタル注入運転以外の準備運転や洗い運転時の計測データが、モルタル注入運転時の計測データと区別なく集計されるのを回避できる。
【0052】
<作業管理表作成>
作業者が、ロックボルト工管理画面(
図4)の作業管理表作成ボタン64を選択すると、作業管理表作成部39によって、表示すべき作業日64aやトンネル断面位置64b等の表示対象情報の入力が促される。これら表示対象情報の入力に応じて、その表示対象における孔情報ごとの計測データが記憶部33の蓄積領域33dから読み出される。
【0053】
そして、
図5に示すように、読み出したデータによって、作業管理表70が作成されて、表示部34に画面表示される。作業管理表70は、例えばロックボルト孔4に振られた識別番号(孔情報)ごとのトータルのモルタル注入量のグラフ71や表72に含む。好ましくは、モルタル注入運転の開始時刻、停止時刻等を併せて表示する。
【0054】
これによって、ロックボルト工におけるロックボルト孔4ごとのモルタル注入量の管理を正確かつ自動的に行なうことができる。この結果、作業者の記録管理の負担を軽減することができる。ロックボルト孔の口径及び長さから導出される設計注入量と実際のモルタル注入量とを比較したり、他のロックボルト孔4のモルタル注入量と比較したりすることで、施工の良否を判定したり、地山の状態を推定したりできる。
更に、記録されたモルタル注入量からセメント5aの使用量が推定されるため、セメント5aの在庫管理に資することができる。在庫管理においては、モルタル注入運転時だけでなく準備運転時のモルタル注入量をも加味することが好ましい。
【0055】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態(
図6)>
図6に示すように、第2実施形態に係るロックボルト工管理画面60Bは、運転種類情報受付画面部分61を含む。運転種類情報受付画面部分61は、運転種類情報受付部35(
図3参照)の画面部分を構成する。
【0056】
運転種類情報受付画面部分61は、準備運転選択ボタン61aと、注入運転選択ボタン61bと、洗い運転選択ボタン61cを含む。選択ボタン61a,61b,61cは、それぞれ運転種類情報受付部35a,35b,35c(
図3)の入力ボタンを構成する。
【0057】
ロックボルト工管理画面60Bのポンプ遠隔操作受付画面部分62には、正転運転開始ボタン62aが1つだけ設けられている。好ましくは、ポンプ遠隔操作受付画面部分62のボタン62a~62dの配列、色、形状等は、制御盤15の押しボタン式の手動スイッチ41,42,43,44と合わせられている。
【0058】
<準備運転>
作業者は、ロックボルト孔4への実際のモルタル注入作業に先立って、準備運転選択ボタン61aをタッチ(選択)する。これによって、準備運転入力受付部35aが準備運転の選択入力を受け付ける。
【0059】
続いて、作業者が運転開始ボタン62aをタッチ(選択)することで、正転運転開始入力受付部36aによって正転運転開始の指令入力が受け付けられる。これに応じて、指令出力部37から正転運転開始指令が出力されて、モルタル注入ポンプ10による準備運転の駆動がなされる。
準備運転が完了したら、作業者は、ポンプ遠隔操作受付画面部分62の運転停止ボタン62bをタッチ(選択)する。
【0060】
<注入運転>
続いて、作業者は、注入運転選択ボタン61bをタッチ(選択)する。これによって、注入運転入力受付部35bがモルタル注入運転の選択入力を受け付ける。
さらに、作業者Aは、孔情報受付画面部分63をタッチ(選択)して孔情報を入力したうえで、運転開始ボタン62aをタッチ(選択)する。これによって、モルタル注入運転が行われる。
【0061】
引き続きモルタル注入すべき別のロックボルト孔4が在る場合、作業者は、孔情報受付画面部分63をタッチして、孔情報を入力する。
【0062】
<洗い運転>
モルタル注入作業が終了して洗い運転をするときは、作業者は、運転種類情報受付画面部分61の洗い運転選択ボタン61cをタッチする。これによって、洗い運転入力受付部35cが洗い運転の選択入力を受け付ける。続いて、作業者は、ポンプ遠隔操作受付画面部分62の運転開始ボタン62aをタッチする。これによって、モルタル注入ポンプ10が洗い運転を行なう。
第2実施形態によれば、運転種類情報受付画面部分61のどのボタン61a,61b,61cが選択されたかによって、モルタル注入運転か否かを判定でき、モルタル注入運転におけるモルタル注入量を的確に管理することができる。
【0063】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、ロックボルト工管理画面の運転開始ボタン62a及び運転停止ボタン62bに代えて、1つの正転運転ボタンを設け、正転運転ボタンのタッチ中は正転運転指令が出されてモルタル注入ポンプ10の正転運転が実行され、正転運転ボタンのタッチを止めると正転運転指令が停止されてモルタル注入ポンプ10が停止されるようにしてもよい。
ロックボルト工管理画面に逆転運転の開始ボタンと停止ボタンを設けてもよい。
ロックボルト工管理画面に洗い運転の開始ボタンと停止ボタンを設けてもよい。
孔情報受付部38を省略してもよい。孔情報からロックボルト孔を特定するのに代えて、モルタル注入運転のモードにおける運転開始ボタン62aの操作時又は正転運転開始の指令出力時から、運転停止ボタン62bの操作時又は正転運転停止の指令出力時までの1の運転期間を1のロックボルト孔への注入期間であると推定して、当該運転期間中におけるトータルのモルタル吐出流量を、当該1のロックボルト孔へのトータル注入量として管理してもよい。
ロックボルト工管理画面60,60Bにおける入力操作可能なボタンが、まず準備運転、次にモルタル注入運転、最後に洗い運転という作業の順番に合わせて選択的に切り替わり、順番に合わないボタンは感応しないようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、例えばNATMトンネル等の山岳トンネルの構築施工におけるロックボルト工に適用できる。
【符号の説明】
【0065】
1 山岳トンネル
3 ロックボルト
4 ロックボルト孔
5 モルタル
6 注入システム
7 注入管
8 流量計
10 モルタル注入ポンプ
11 ホッパー(原料投入部)
12 混練押出部
13 ポンプモータ
14 バイブレータ
15 制御盤
20 信号変換モジュール
21 第1信号変換部
22 第2信号変換部
30 情報処理装置
31 CPU(処理部)
32 通信部
33 記憶部(蓄積手段)
33d 蓄積領域
33p ロックボルト工管理プログラム
34 表示部(ディスプレイ)
35 運転種類情報受付部
35a 準備運転入力受付部
35b 注入運転入力受付部
35c 洗い運転入力受付部
36 ポンプ操作入力受付部
36a 正転運転開始入力受付部
36b 正転運転停止入力受付部
36c 逆転入力受付部
36d 振動入力受付部
37 指令出力部
38 孔情報受付部
39 作業管理表作成部
51 正転運転開始・停止用スイッチリレーモジュール
52 逆転運転用スイッチリレーモジュール
53 振動用スイッチリレーモジュール
60,60B ロックボルト工管理画面
61 運転種類情報受付画面部分
61a 準備運転選択ボタン
61b 注入運転選択ボタン
61c 洗い運転選択ボタン
62 ポンプ遠隔操作受付画面部分
62a 注入運転開始ボタン
62a1 準備運転の注入運転開始ボタン
62a2 注入運転の注入運転開始ボタン
62a3 洗い運転の注入運転開始ボタン
62b 注入運転停止ボタン
62c 逆転ボタン
62d 振動ボタン
63 孔情報受付画面部分