(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077260
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】土木工事用資材の受発注支援コンピューターシステム、受発注支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240531BHJP
G06Q 30/06 20230101ALN20240531BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189242
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003340
【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 賢吾
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB54
5L049BB54
(57)【要約】 (修正有)
【課題】山岳トンネル施工(土木工事)用受発注支援コンピューターシステム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】発注側端末と、受注納品側端末と山岳トンネル施工(土木工事用)用資材受発注支援コンピューターシステム20と、を含む受発注支援システムにおいて、土木工事用資材受発注支援コンピューターシステム20は、資材の受発注情報の作成、編集、保存を含む管理を行なう受発注情報管理部22、受発注情報に基づき受発注管理画面データを作成して発注側端末及び受注納品側端末に提供する管理画面作成部23、資材の発注情報を発注側端末から受け付けて受発注情報管理部22の管理に供する発注処理部24a、発注された資材の納品情報を受注納品側端末から受け付けて受発注情報管理部の管理に供する納品処理部24b及び納品された資材の納品確認情報を、発注側端末から受け付けて受発注情報管理部の管理に供する納品確認処理部24cを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発注側端末及び受注納品側端末と通信ネットワークを介して接続されて、土木工事用の資材の受発注を支援するコンピューターシステムであって、
前記資材の受発注情報の作成、編集、保存を含む管理を行なう受発注情報管理部と、
前記受発注情報に基づき受発注管理画面データを作成して前記発注側端末及び受注納品側端末に提供する管理画面作成部と、
前記資材の発注情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する発注処理部と、
発注された資材の納品情報を、前記受注納品側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する納品処理部と、
納品された資材の納品確認情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する納品確認処理部と、
納品書の発行指令を前記発注側端末から受け付けて、前記納品情報又は前記納品確認情報に基づき納品書データを作成し前記発注側端末へ提供する納品書発行処理部と、
を備えたことを特徴とする土木工事用資材の受発注支援コンピューターシステム。
【請求項2】
一定期間に納品された資材の一覧表の発行指令を前記発注側端末から受け付けて、前記一定期間の前記納品情報又は前記納品確認情報に基づき前記一覧表のデータを作成して前記発注側端末へ提供する納品一覧発行処理部を、更に備えた請求項1に記載の受発注支援コンピューターシステム。
【請求項3】
発注側端末及び受注納品側端末と通信ネットワークを介して接続されたコンピューターシステムによる、土木工事用の資材の受発注を支援する方法であって、
前記コンピューターシステムの受発注情報管理部によって、前記資材の受発注情報の作成、編集、保存を含む管理を行なう工程と、
前記コンピューターシステムの管理画面作成部によって、前記受発注情報に基づき受発注管理画面データを作成して前記発注側端末及び受注納品側端末に提供する工程と、
前記コンピューターシステムの発注処理部によって、前記資材の発注情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する工程と、
前記コンピューターシステムの納品処理部によって、発注された資材の納品情報を、前記受注納品側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する工程と、
前記コンピューターシステムの納品確認処理部によって、納品された資材の納品確認情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する工程と、
前記コンピューターシステムの納品書発行処理部によって、前記納品された資材の納品書の発行指令を前記発注側端末から受け付けて、前記納品情報又は前記納品確認情報に基づき納品書データを作成し前記発注側端末へ提供する工程と、
を備えたことを特徴とする土木工事用の資材の受発注支援方法。
【請求項4】
発注側端末及び受注納品側端末と通信ネットワークを介して接続されて土木工事用の資材の受発注を支援するコンピューターシステムのためのプログラムであって、
前記資材の受発注情報の作成、編集、保存を含む管理を行なう処理と、
前記受発注情報に基づき受発注管理画面データを作成して前記発注側端末及び受注納品側端末に提供する処理と、
前記資材の発注情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する処理と、
発注された資材の納品情報を、前記受注納品側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する処理と、
納品された資材の納品確認情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する処理と、
納品書の発行指令を前記発注側端末から受け付けて、前記納品情報又は前記納品確認情報に基づき納品書データを作成し前記発注側端末へ提供する処理と、
を前記コンピューターシステムに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばNATM(New Austrian Tunneling Method)などの山岳トンネルの構築施工をはじめとする土木工事を支援するシステム及び方法等に関し、特に土木工事用の各種資材の受発注業務を支援するシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
土木工事として例えば山岳トンネルの構築施工においては、地山掘削、ロックボルトの打設、アーチ支保工の建て込み、一次覆工コンクリートの吹付け、防水シートの張設、二次覆工の構築等が行われる。各工程で種々の資材が必要となる。また、地山の状況によっては、AGF(All Ground Fasten)工法、フォアポーリング工法、鏡ボルト工法などの補助工法が行われる。補助工法ごとに種々の資材が必要となる(特許文献1、2など参照)。
【0003】
トンネルの施工中、工事の進捗に応じて頻繁に、工事現場の発注担当者から資材取扱い者(商社、製造者等)へ、所要の資材の発注が書面、電話、口頭等によって行われる。資材取扱い者は、発注に応じた資材を用意する。その資材を紙の納品書と共に、運送担当者が工事現場へ運搬して納品する。工事現場の納品受付担当者は、納品された資材を確認して納品書に確認印やサインをする。その納品書の控えを運送担当者が持ち帰って資材取扱い者に渡すことで、資材取扱い者が納品書控えを保存する。資材取扱い者から請求書が発行されたときは、工事現場の請求書受付担当者が、請求書と納品書とを照らし合わせて請求内容の適否を確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-002720号公報
【特許文献2】特開2021-161644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紙の納品書は、悪天候時には雨で濡れて記載内容が読めなくなることがあったり、手書きで読みにくかったり、紛失してしまったりすることがある。さらに、一日に複数種の資材が納入されることもあり、納品の管理業務が煩雑である。
本発明は、かかる事情に鑑み、山岳トンネルの構築施工などの土木工事に用いられる各種資材の発注、受注、納品書発行等の業務をコンピューターシステムにて支援することによって、業務の煩雑さを軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明に係るシステムは、発注側端末及び受注納品側端末と通信ネットワークを介して接続されて、土木工事用の資材の受発注を支援するコンピューターシステムであって、
前記資材の受発注情報の作成、編集、保存を含む管理を行なう受発注情報管理部と、
前記受発注情報に基づき受発注管理画面データを作成して前記発注側端末及び受注納品側端末に提供する管理画面作成部と、
前記資材の発注情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する発注処理部と、
発注された資材の納品情報を、前記受注納品側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する納品処理部と、
納品された資材の納品確認情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する納品確認処理部と、
納品書の発行指令を前記発注側端末から受け付けて、前記納品情報又は前記納品確認情報に基づき納品書データを作成し前記発注側端末へ提供する納品書発行処理部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
好ましくは、前記土木工事用資材受発注支援コンピューターシステムは、一定期間に納品された資材の一覧表の発行指令を前記発注側端末から受け付けて、前記一定期間の前記納品情報又は前記納品確認情報に基づき前記一覧表のデータを作成して前記発注側端末へ提供する納品一覧発行処理部を、更に備えている。
【0008】
本発明に係る方法は、発注側端末及び受注納品側端末と通信ネットワークを介して接続されたコンピューターシステムによる、土木工事用の資材の受発注を支援する方法であって、
前記コンピューターシステムの受発注情報管理部によって、前記資材の受発注情報の作成、編集、保存を含む管理を行なう工程と、
前記コンピューターシステムの管理画面作成部によって、前記受発注情報に基づき受発注管理画面データを作成して前記発注側端末及び受注納品側端末に提供する工程と、
前記コンピューターシステムの発注処理部によって、前記資材の発注情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する工程と、
前記コンピューターシステムの納品処理部によって、発注された資材の納品情報を、前記受注納品側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する工程と、
前記コンピューターシステムの納品確認処理部によって、納品された資材の納品確認情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する工程と、
前記コンピューターシステムの納品書発行処理部によって、前記納品された資材の納品書の発行指令を前記発注側端末から受け付けて、前記納品情報又は前記納品確認情報に基づき納品書データを作成し前記発注側端末へ提供する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るプログラムは、発注側端末及び受注納品側端末と通信ネットワークを介して接続されて土木工事用の資材の受発注を支援するコンピューターシステムのためのプログラムであって、
前記資材の受発注情報の作成、編集、保存を含む管理を行なう処理と、
前記受発注情報に基づき受発注管理画面データを作成して前記発注側端末及び受注納品側端末に提供する処理と、
前記資材の発注情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する処理と、
発注された資材の納品情報を、前記受注納品側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する処理と、
納品された資材の納品確認情報を、前記発注側端末から受け付けて前記受発注情報管理部の前記管理に供する処理と、
納品書の発行指令を前記発注側端末から受け付けて、前記納品情報又は前記納品確認情報に基づき納品書データを作成し前記発注側端末へ提供する処理と、
を前記コンピューターシステムに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、土木工事に用いられる各種資材の発注、受注、納品書発行等の業務を、発注者及び受注者が共にアクセス可能なコンピューターシステムによって支援することができ、業務の煩雑さを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る受発注支援システムコンピューターシステムを含む山岳トンネル施工(土木工事)用資材受発注支援システムの概要を示す概念図である。
【
図2】
図2は、前記受発注支援システムコンピューターシステムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3(a)は、前記受発注支援システムコンピューターシステムによって作成された受発注管理画面のうち、発注側端末に表示される受発注管理画面一例を示す図である。
図3(b)は、前記受発注支援システムコンピューターシステムによって作成された受発注管理画面のうち、受注納品側端末に表示される受発注管理画面一例を示す図である。
【
図4】
図4は、前記山岳トンネル施工用資材受発注支援システムの受発注の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図4に続く前記受発注の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、前記山岳トンネル施工用資材受発注支援システムの納品書発行の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、前記山岳トンネル施工用資材受発注支援システムの納品一覧表発行の処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、本実施形態の土木工事用資材受発注支援システム10は、土木工事として例えば山岳トンネル1の構築施工に用いられる各種資材2A,2B,2Cの発注、受注、納品等の業務を支援するシステムである。
図1においては資材2(2A,2B,2C)を模式的に示す。
【0013】
山岳トンネルの構築施工においては、地山掘削、ロックボルトの打設、アーチ支保工の建て込み、一次覆工コンクリートの吹付け、防水シートの張設、二次覆工の構築等の工程が順次行われる。各工程で必要となる資材2としては、地山掘削機の掘削歯等の消耗部品、ロックボルト、ロックボルト孔注入材、アーチ支保工、吹付けコンクリート材料、防水シート、二次覆工材料、型枠材等が挙げられる。
【0014】
また、地山の状況によっては、AGF工法、フォアポーリング工法、鏡ボルト工法などの補助工法が行われる。
図1に示すように、補助工法においては、例えば、長尺の鋼管3をトンネル1の切羽前方の地山1aへ打ち込み、さらにウレタン系発泡樹脂やモルタルなどの注入材4を鋼管3のまわりの地山1aに注入する。これによって、地山1aを安定化させたうえで、トンネル1が掘進される。補助工法に用いられる資材2としては、長尺鋼管3を構成する先端管、中間管、端末管、中空ボルト等に加えて、鋼管3を地山に打ち込むためのパイロットビット、ロストビット、カップリングスリーブ、先端ロッド、中間ロッド等が含まれる。更に、シリカレジン、セメント等の注入材4の原料や、注入のための注入ホース、ミキシング 管、弁、コーキング材、防護メガネ等が含まれる。
【0015】
トンネル施工者A(発注者)の発注に応じて、資材取扱者B(受注納品者)が、発注された資材2を用意して、工場、倉庫等の出荷施設5から出荷し、トラックなどの運送車両6でトンネル施工現場へ納品する。トンネル施工者Aは、トンネル工事現場の担当者、建設会社の担当職員を含む。資材取扱者Bは、資材の商社、製造者等を含む。
【0016】
山岳トンネル施工工法用(土木工事用)資材受発注支援システム10は、発注側端末11と、受注納品側端末12と、山岳トンネル施工用(土木工事用)資材受発注支援コンピューターシステム20によって構成されている。発注側端末11は、トンネル施工者A側のデスクトップパソコン、ノートパソコン、スマートフォンその他のコンピュータ(PC)である。受注納品側端末12は、資材取扱者B側のデスクトップパソコン、ノートパソコン、スマートフォンその他のコンピュータ(PC)である。
【0017】
前記トンネル施工者A及び資材取扱者B等のシステム参加者には、ID番号及びパスワード等の識別情報が付与されている。前記識別情報によって認証された任意のPCが、発注側端末11又は受注納品側端末12となり得る。すなわち、発注側端末11及び受注納品側端末12はそれぞれ特定の1台のPCとは限らない。
【0018】
発注側端末11及び受注納品側端末12は、それぞれ通信ネットワーク13を介して、山岳トンネル施工用資材受発注支援コンピューターシステム20と接続可能である。通信ネットワーク13は、インターネット等の公衆通信回線でもよく、VPNを含む専用回線でもよい。
【0019】
山岳トンネル施工用資材受発注支援コンピューターシステム20は、クラウドサーバにて構成されているが、物理サーバでもよい。
図1に示すように、コンピューターシステム20は、CPU20aと、記憶部20bと、入出力・通信部20cを有している。記憶部20bには、山岳トンネル施工用(土木工事用)資材受発注支援処理プログラム20pの他、資材情報データベース20dと、受発注情報蓄積部20eが設けられている。資材情報データベース20dには、資材ごとの品名、型番等の資材情報が蓄積されている。資材情報データベース20dには、各資材2の単位受発注数、製造業者情報等の付加情報が、資材情報と紐付けられて蓄積されていてもよい。
受発注情報蓄積部20eには、後記受発注情報20fが蓄積される。
【0020】
プログラム20pは、コンピューターシステム20に山岳トンネル施工用(土木工事用)資材受発注支援処理を実行させるプログラムである。
図2に示すように、プログラム20pを実行時のコンピューターシステム20のCPU等の構成要素20a~20cは、アクセス管理部21、受発注情報管理部22と、管理画面作成部23、受発注処理部24、発行処理部25等として機能する。
【0021】
アクセス管理部21は、識別情報保存部21aと、識別情報入力受付部21bと、アクセス許否部21cを含む。
識別情報保存部21aは、各システム参加者A,BのID番号及びパスワード等の識別情報の登録を受け付け、受け付けた識別番号を保存する。
識別情報入力受付部21bは、システム20へのアクセス要求者からの識別情報の入力を受け付ける。
アクセス許否部21cは、受け付けた識別情報と前記保存した識別情報とに基づいてアクセス許否を行なう。
【0022】
受発注情報管理部22は、受発注情報20fを管理する。受発注情報20fは、各資材2の発注数、納品日、納品確認の有無等の情報を含む。受発注情報20fの管理には、受発注情報20fの作成、編集(改訂、更新等)、受発注情報蓄積部20eへの保存等が含まれる。好ましくは、受発注情報蓄積部20eに保存される受発注情報20fは、現時点の受発注情報に限らず、過去の受発注情報の履歴が含まれる。
【0023】
管理画面作成部23は、受発注情報20fに基づき受発注管理画面データを作成して、作成した受発注管理画面データを発注側端末11及び受注納品側端末12に提供する。ここで言う提供は、受発注管理画面データの閲覧又はダウンロードの許可を含む。
【0024】
図3に示すように、発注側端末11及び受注納品側端末12のディスプレイには、受発注管理画面データが受発注管理画面30として表示される。受発注管理画面30は、汎用又は専用のWEBブラウザによって表示されるようになっていてもよい。受発注管理画面30には、例えば資材情報欄31、発注数欄32、納品日欄33、納品確認欄34等が設けられている。資材情報欄31には、資材情報データベース20dから読み込まれた各資材2の品名、型番などが表示されている。
【0025】
以下、発注側端末11の受発注管理画面30と受注納品側端末12の受発注管理画面30とを互いに区別するときは、それぞれ符号にA,Bを付す。
図3(a)に示すように、発注側端末11の受発注管理画面30Aには、更に納品書発行指示ボタン35と、納品一覧発行指示ボタン36が設けられている。
【0026】
発注側端末11及び受注納品側端末12は、それぞれ受発注管理画面30上で所定項目に入力操作できる。発注側端末11の受発注管理画面30Aでは、発注しようとする資材2の資材情報欄31ごとに発注数欄32、納品確認欄34等の欄に入力操作できる。更に納品書発行指示ボタン35及び納品一覧発行指示ボタン36を操作できる。
【0027】
図3(b)に示すように、受注納品側端末12の受発注管理画面30Bでは、納品日等の欄に入力操作できる。入力情報は、コンピューターシステム20へ送信されて、コンピューターシステム20の受発注管理画面30ひいては受発注情報20fに反映される。
【0028】
受発注管理画面30は、工事現場ごとに用意されていてもよく、トンネル施工の工程ごと、ないしは補助工法の工種ごとに用意されていてもよい。例えば、トンネル施工の工程ごと、ないしは補助工法の工種ごとに資材情報欄31に表記される資材2が一部又は全部異なっていてもよい。
受発注管理画面30が例えば納品日順にソート可能であってもよい。カレンダー表示画面から日付を選択すると、その日付を納品日とする資材情報等が一覧表示されるようにしてもよい。カレンダー表示画面における各資材2の納品日に該当する日付欄に資材名等を含む納品予定表示がなされるようにしてもよい。
【0029】
受発注処理部24は、発注処理部24aと、納品処理部24bと、納品確認処理部24cを含む。発注処理部24aは、資材2の発注情報を発注側端末11から受け付けて、受発注情報管理部22に提供する。資材2の発注情報は、発注対象の資材情報及び発注数の情報を含む。
【0030】
納品処理部24bは、発注に応じた資材2の納品情報を受注納品側端末12から受け付けて、受発注情報管理部22に提供する。納品情報としては、出荷予定日、納品予定日、実際の出荷日、実際の納品日が挙げられる。好ましくは、出荷予定日及び納品予定日は、資材の準備状況等に応じて上書き修正可能である。受発注管理画面30に納品済欄を設け、該納品済欄へのチェック入力を納品情報とみなしてもよい。
【0031】
納品確認処理部24cは、納品された資材2の納品確認情報を発注側端末11から受け付けて、受発注情報管理部22に提供する。納品確認情報としては、受発注管理画面30の納品確認欄へのチェック入力が挙げられる。カレンダー表示画面で日付を指定することで、その日付を納品日とする資材一覧が表示され、該資材一覧の資材情報ごとに納品確認欄が付いていてもよい。
【0032】
発行処理部25は、納品書発行処理部25aを含み、好ましくは一覧発行処理部25bを更に含む。納品書発行処理部25aは、納品された資材の納品書の発行指令を発注側端末11から受け付けて、受発注情報蓄積部20eから該当する納品情報又は納品確認情報を読み出し、その納品情報又は納品確認情報に基づき納品書データを作成し発行指令元の発注側端末11へ提供(送信、アップロード等)する。納品書データは、編集不能なデータ形式であることが好ましい。
【0033】
一覧発行処理部25bは、一定期間に納品された資材の一覧表の発行指令を発注側端末11から受け付けて、受発注情報蓄積部20eから該当する期間の納品情報又は納品確認情報を読み出し、その納品情報又は納品確認情報に基づき前記一覧表のデータを作成して発行指令元の発注側端末11へ提供(送信、アップロード)する。
【0034】
山岳トンネル施工用資材受発注支援システム10は、次のように使用及び作動される。
図4のフローチャートに例示するように、トンネル施工者Aは、発注側端末11に識別情報を入力してアクセス申請することよって(ステップ101)、受発注支援コンピューターシステム20の認証を受ける(ステップ102)。これによって、発注側端末11で受発注管理画面30Aを閲覧及び入力操作可能になる(ステップ103)。発注情報が無い初期の受発注管理画面30Aには、資材情報欄31に各資材2の品名及び型番のリストが表示され、その他の項目は空欄になっている。
【0035】
トンネル施工者Aは、発注側端末11のディスプレイに表示された受発注管理画面上で、所要の資材2の発注入力を行なう(ステップ110)。例えば、発注すべき資材2の資材情報欄31をクリックするかチェックを入れる。さらに、その資材情報欄31と対応する発注数欄32に発注数を入力する。
【0036】
入力された発注情報が、コンピューターシステム20の発注処理部24aによって受け付けられる(ステップ111)。その発注情報が、受発注情報管理部22によって受発注情報蓄積部20eの受発注情報20fに加えられる(ステップ112)。すなわち、発注情報が受発注情報管理部22の管理に供される。
さらに、管理画面作成部23によって、最新の受発注情報20fに基づく受発注管理画面データが作成(更新)される(ステップ113)。具体的には、受発注管理画面データに新たな発注情報が加えられる。
【0037】
さらに好ましくは、コンピューターシステム20から資材取扱者Bの受注納品側端末12へ、発注情報に関する通知が電子メールにて送信される(ステップ114)。資材取扱者Bがこれを受信する(ステップ120)。
【0038】
資材取扱者Bは、受注納品側端末12に識別情報を入力してアクセス申請することよって(ステップ121)、受発注支援コンピューターシステム20の認証を受ける(ステップ122)。これによって、受注納品側端末12で受発注管理画面30Bを閲覧及び入力操作可能になる(ステップ123)。このとき、受注納品側端末12の受発注管理画面30Bには、前記トンネル施工者Aの入力による発注情報が表示される(ステップ124)。すなわち、管理画面作成部23から受注納品側端末12へ発注後の受発注管理画面データが提供される。
【0039】
図5のフローチャートに示すように、資材取扱者Bは、受注納品側端末12の受発注管理画面30B上で、発注された資材2についての納品日欄33に納品日(納品情報)を入力する(ステップ130)。未出荷の段階では、出荷又は納品の予定日を「納品日」として入力する。1回に発注された資材をまとめて1回で納品するように1つの納品日を設定したり、資材2ごとに納品日を設定したりでき、1つの発注に対して複数回に分けて納品するように複数の納品日を設定することもできる。
【0040】
入力された納品情報が、コンピューターシステム20の納品処理部24bによって受け付けられる(ステップ131)。該納品情報が、受発注情報管理部22によって受発注情報蓄積部20eの受発注情報20fに加えられる(ステップ132)。すなわち、納品情報が受発注情報管理部22の管理に供される。
さらに、管理画面作成部23によって、前記納品情報を含む受発注情報20fに基づく受発注管理画面データが作成(更新)される(ステップ133)。
【0041】
さらに好ましくは、コンピューターシステム20からトンネル施工者Aの発注側端末11へ、納品情報に関する通知が電子メールにて送信される(ステップ134)。発注側端末11がこれを受信する(ステップ135)。
【0042】
発注側端末11の受発注管理画面30Aには、前記受発注管理画面データの更新が反映される。具体的には、受発注管理画面30Aにおける発注済の資材情報欄31と対応する納品日欄33に納品日の表示がなされる(ステップ136)。これによって、トンネル施工者Aは、発注した資材2の予定の納品日を確認できる。すなわち、管理画面作成部23から発信側端末11へ納品情報入力後の受発注管理画面データが提供される。
【0043】
出荷又は納品の予定日に変更があったり、実際の出荷又は納品日が予定と違ったりしたときは、好ましくは、資材取扱者Bは、受注納品側端末12の受発注管理画面30B上で納品情報を上書き修正する(ステップ137)。修正内容は、受発注情報管理部22によって受発注情報20fに反映されるとともに、管理画面作成部23によって受発注管理画面データに反映される。
トンネル施工者Aは、発注側端末11の受発注管理画面30Aを閲覧することによって、変更後の納品日を確認できる。
【0044】
発注情報に応じた資材2が、資材取扱者Bの手配によって出荷施設5から出荷され、運送車両6でトンネル施工現場に納品される。納品時に、運送車両6の運転手等が紙の納品書をトンネル施工者Aへ手渡しする必要はなく、トンネル施工者Aの受領印付きの納品書控えを持ち帰る必要もない。したがって、トンネル施工者Aは紙の納品書を受け取って保管する必要が無く、資材取扱者Bは紙の納品書控えを保管する必要が無い。
【0045】
納品を受けたトンネル施工者Aは、発注側端末11の受発注管理画面30A上で、納品確認欄34にチェックを入れる(ステップ140)。該チェック入力が、納品確認情報として、コンピューターシステム20の納品確認処理部によって受け付けられる(ステップ141)。該納品確認情報が、受発注情報管理部22によって受発注情報蓄積部20eの受発注情報20fに加えられる(ステップ142)。すなわち、納品確認情報が受発注情報管理部22の管理に供される。
【0046】
さらに、管理画面作成部23によって、前記納品確認情報を含む受発注情報20fに基づく受発注管理画面データが作成(更新)される(ステップ143)。その受発注管理画面データが、受注納品側端末12の受発注管理画面30Bにも反映される。具体的には、受発注管理画面30Bにおける納品済の資材情報欄31と対応する納品確認欄34にチェック印が表示される(ステップ144)。これによって、資材取扱者Bは、トンネル施工者Aが納品確認済であることを確認できる。すなわち、管理画面作成部23から受注納品側端末12へ納品確認後の受発注管理画面データが提供される。
【0047】
図6のフローチャートに示すように、トンネル施工者Aは、発注側端末11によって、納品済の資材2についての納品書の発行指令を出すことができる(ステップ201)。具体的には、受発注管理画面30Aの納品書発行指示ボタン35をクリックし、納品書の発行を求める納品日、資材情報等を指定する。
【0048】
これによって、納品書発行指令が、発注側端末11からコンピューターシステム20へ送信され、納品書発行処理部25aがその納品書発行指令を受け付ける(ステップ202)。更に納品書発行処理部25aは、受発注情報蓄積部20eの受発注情報20fにおける、指定の納品日と対応する納品情報又は納品確認情報に基づき、納品書データを作成する(ステップ203)。
【0049】
作成された納品書データが、好ましくは修正不能なファイル形式で発注側端末11へ提供される。トンネル施工者Aは、提供された納品書データを発注側端末11によってダウンロードすることによって、所望の納品書を取得することができる(ステップ204)。
紙の納品書とは異なり、紛失、汚損、手書き文字の読みにくさ等の問題が生じることは無い。
【0050】
図7のフローチャートに示すように、さらに、トンネル施工者Aは、発注側端末11によって、一定期間に納品された資材2の一覧表の発行指令を出すことができる(ステップ211)。具体的には、受発注管理画面30Aの納品一覧発行指示ボタン36をクリックし、例えば資材取扱者Bからの請求書の請求期間と対応する期間を指定する(ステップ211)。
【0051】
これによって、納品一覧発行指令が、発注側端末11からコンピューターシステム20へ送信され、納品一覧発行処理部25bが、その納品一覧発行指令を受け付ける(ステップ212)。更に納品一覧発行処理部25bは、受発注情報蓄積部20eの受発注情報20fにおける納品情報又は納品確認情報等に基づき、指定の期間に納品された資材2の一覧表データを作成する(ステップ213)。
【0052】
作成された一覧表データが、好ましくは修正不能なファイル形式で発注側端末11へ提供される。トンネル施工者Aは、提供された一覧表データを発注側端末11によってダウンロードすることによって、所望の一覧表を取得することができる(ステップ214)。一覧表は、例えば月ごとの請求書の明細確認に利用できる。
【0053】
このように、本発明によれば、山岳トンネルの構築施工に用いられる資材2の発注、受注、納品書発行等の業務をコンピューターシステム20によって支援することができる。これによって、トンネル施工者A及び資材取扱者Bの双方が業務の煩雑さを軽減することができる。
【0054】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
たとえば、受発注管理画面30(
図3)には、トンネル施工者A側の発注日欄、納品希望日の入力欄が設けられていてもよい。納品日欄33が、納品予定日欄と、実際に納品された実納品日欄を含んでいてもよい。トンネル施工の工程ないしは補助工法の工種の選択欄が設けられていてもよい。
資材情報データベース20dに、資材ごとの発注から納品までの標準納期が設けられていてもよい。発注時には、前記標準納期を用いて納品日が自動算出されるようになっていてもよい。
資材受発注支援システム10は、山岳トンネルの構築施工に限らず、立坑の構築施工や、橋梁、道路などの明かり工事その他の土木工事に用いられる各種作業機械等の管理支援に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、例えば山岳トンネルの構築施工で用いる資材の受発注管理システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
A 発注者、トンネル施工者(システム参加者)
B 受注納品者、資材取扱者(システム参加者)
1 山岳トンネル
2(2A,2B,2C) 資材
3 鋼管(資材)
4 注入材(資材)
5 出荷施設
6 運送車両
10 山岳トンネル施工用(土木工事用)資材受発注支援システム
11 発注側端末
12 受注納品側端末
13 通信ネットワーク
20 山岳トンネル施工用(土木工事用)資材受発注支援コンピューターシステム
20p 山岳トンネル施工用(土木工事用)資材受発注支援処理プログラム
20d 資材情報データベース
20e 受発注情報蓄積部
21 アクセス管理部
21a 識別情報保存部
21b 識別情報入力受付部
21c アクセス許否部
22 受発注情報管理部
23 管理画面作成部
24 受発注処理部
24a 発注処理部
24b 納品処理部
24c 納品確認処理部
25 発行処理部
25a 納品書発行処理部
25b 一覧発行処理部
30 受発注管理画面
30A 発注側端末の受発注管理画面
30B 受注納品側端末の受発注管理画面
31 資材情報欄
32 発注数欄
33 納品日欄
34 納品確認欄
35 納品書発行指示ボタン
36 納品一覧発行指示ボタン