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  • 特開-容器充填シール装置 図1
  • 特開-容器充填シール装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077264
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】容器充填シール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 7/28 20060101AFI20240531BHJP
   B65G 47/248 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B65B7/28 Z
B65G47/248 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189251
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 守
【テーマコード(参考)】
3E049
3F081
【Fターム(参考)】
3E049AA05
3E049AB02
3E049BA04
3E049CA01
3E049DB01
3E049EA01
3E049EA08
3E049EB01
3E049EB03
3E049EC03
3E049EC04
3F081AA47
3F081BD01
3F081BD20
3F081BD24
3F081BE03
3F081BE09
3F081BF06
3F081CA04
3F081CC02
3F081CC08
(57)【要約】
【課題】処理能力が異なる上流側の装置と下流側の装置をそれぞれ適正な処理能力で運用する。
【解決手段】第1搬送コンベヤ12で麺塊Nをm列で搬送する。麺塊Nに容器Cを被せて容器Cを反転させることにより麺塊Nを容器C内に収容する。第1搬送コンベヤ12の下流に、麺塊Nが収容された容器Cをn(<m)列で搬送する第2搬送コンベヤ16を設ける。第1搬送コンベヤ12と第2搬送コンベヤ16の間に、麺塊Nが収容された容器Cを、m個を単位に上流から受け取って、n個を単位に下流に受け渡すリニア搬送コンベヤ14を配置する。第2搬送コンベヤ16によって搬送される容器Cの口部をシール装置でシールする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品をm列で搬送する第1搬送手段と、
物品に容器を被せる容器供給手段と、
物品に容器を被せた状態で容器を反転させることにより物品を容器内に収容する容器反転手段と、
上記第1搬送手段の下流に設けられ、物品が収容された容器を前記m列よりも少ないn列(nは2以上の自然数)で搬送する第2搬送手段と、
上記第1搬送手段と第2搬送手段の間に設けられ、物品が収容された容器をm個を単位に上流から受け取って、n個を単位に下流に受け渡す受渡手段と、
上記第2搬送手段によって搬送される容器の口部をシールするシール手段とを備える
ことを特徴とする容器充填シール装置。
【請求項2】
上記受渡手段が、物品が収容された容器を上記第1搬送手段と第2搬送手段間で循環搬送するリニア搬送装置であることを特徴とする請求項1に記載の容器充填シール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多列で搬送される物品を処理能力の異なる複数の装置で処理する装置に関し、特に、麺機からの麺塊を容器に収容し、各種具材を充填後、容器口部をシールする容器充填シール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、即席麺を製造する即席麺製造装置は、上流側に麺機(原材料をこねて、伸ばして、切断して、まとめて、揚げる等の処理を行う機械)が、その下流に充填シール装置(容器への具材の充填、蓋のシール、検査等を行う)が配置される(特許文献1、2)。従来の即席麺製造装置では、上流側の麺機から下流側の容器充填シール装置まで、麺機の連数(列数)に合わせた搬送コンベヤが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4492970号公報
【特許文献2】特許第7039920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2の構成では、麺機と充填シール装置において連数が同じである。そのため各装置における処理能力(搬送速度)が異なる場合、高い方の処理能力を低い方に合わせる必要がある。麺機における麺を揚げる油の温度と揚げ時間は決まっているため、麺機の処理能力はフライヤーの長さによって制限される。フライヤーの設置スペースにはコスト的な限界があるため麺機の1連当たりの処理能力(搬送速度)は、一般に充填シール装置の1連当たりの処理能力よりも低い。そのため容器充填シール装置の処理能力を麺機に合わせて抑制する必要があり、充填シール装置の能力が無駄となる。
【0005】
本発明は、処理能力が異なる上流側の装置と下流側の装置をそれぞれ適正な処理能力で運用することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である容器充填シール装置は、物品をm列で搬送する第1搬送手段と、物品に容器を被せる容器供給手段と、物品に容器を被せた状態で容器を反転させることにより物品を容器内に収容する容器反転手段と、上記第1搬送手段の下流に設けられ、物品が収容された容器を前記m列よりも少ないn列(nは2以上の自然数)で搬送する第2搬送手段と、上記第1搬送手段と第2搬送手段の間に設けられ、物品が収容された容器をm個を単位に上流から受け取って、n個を単位に下流に受け渡す受渡手段と、上記第2搬送手段によって搬送される容器の口部をシールするシール手段とを備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明である容器充填シール装置は、第1の発明において、上記受渡手段が、物品が収容された容器を上記第1搬送手段と第2搬送手段間で循環搬送するリニア搬送装置であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、処理能力が異なる上流側の装置と下流側の装置をそれぞれ適正な処理能力で運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態である容器充填シール装置の配置を模式的に示す側面図である。
図2】第1搬送コンベヤ、リニア搬送コンベヤ、第2搬送コンベヤの配置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である容器充填シール装置の配置を模式的に示す側面図である。
【0011】
本実施形態の容器充填シール装置10は、上流側に配置された図示しない麺機から第1搬送コンベヤ(第1搬送手段)12により12列で搬送される麺塊Nを容器Cに収容し、循環式のリニア搬送コンベヤ(受渡手段)14を介して、8列の第2搬送コンベヤ(第2搬送手段)16へと受け渡し、粉末スープや具材を容器C内に充填した後、容器Cの口部を蓋Lでシールする装置である。なお、麺機では所定重量(製品)ごとに纏められた生麺が12列で所定温度、所定時間フライヤーで揚げられ、12列の麺塊Nとして第1搬送コンベヤ12に移載される。また、第1搬送コンベヤ12により12列の麺塊Nが搬送され、第2搬送コンベヤ16により8列の麺塊Nが収容された容器Cが搬送されているが、これらの列数は一例であって、それぞれ変更することができる。
【0012】
第1搬送コンベヤ12の下流側には、第1搬送コンベヤ12の幅方向に沿って反転ブロック(容器反転手段)18が配置される。反転ブロック18は第1搬送コンベヤ12の横幅と略同じ長さを有する横長の正方形断面形状を有する直方体であり、長手方向の中心軸を中心に90度ずつ各面を垂直方向および水平方向に順次向けながら回転される。反転ブロック18の上方に向けられた面は、第1搬送コンベヤ12の搬送面と略同じ高さに配置され、第1搬送コンベヤ12の下流端と反転ブロック18の上面の間には、第1搬送コンベヤ12上の麺塊Nを反転ブロック18上へと受け渡すための受渡プレート20が配置される。
【0013】
反転ブロック18の上方には、カートリッジ22Aから容器Cの底面を吸着して1個ずつ抜き取り、反転ブロック18の上面に移載された麺塊Nの上に被せる容器供給装置(容器供給手段)22が配置される。反転ブロック18の上方に向けられた面には、第1搬送コンベヤ12から12列の麺塊Nの先頭1行分(12個)の麺塊Nが図示しない移載手段により略同時に移載される。容器Cが各麺塊Nに被せられると反転ブロック18の各側面に設けられた容器ロック機構18Aにより、容器Cが反転ブロック18に伏せられた状態で固定される。その後、反転ブロック18は、上面が受渡プレート20から離隔する方向に90°回転され、第1搬送コンベヤ12の次の先頭1行の麺塊Nが、次に上向きとされた反転ブロック18の側面に移載され、同様の処理が繰り返される。
【0014】
反転ブロック18の下方の受取位置には、リニア搬送コンベヤ14に多数設けられるリテーナ24を備えたキャリアの搬送経路が位置する。リテーナ24は、リニア搬送コンベヤ14の循環軌道上の一部から外側に延出する板部材であり、各リテーナ24には、麺塊Nを収容した容器Cを保持する穴が設けられる。反転ブロック18の下方に位置するリテーナ24の下には、リテーナ24の各穴に対応して昇降可能な第1の昇降装置26が配置される。また、第1の昇降装置26を挟んでリニア搬送コンベヤ14の反対側には、反転ブロック18の容器Cをリテーナ24に受け渡す第1の容器移載装置28が配置される。
【0015】
第1の昇降装置26は、12個の容器Cが載置される載置台と、この載置台を昇降させる駆動手段を備える。第1の容器移載装置28は、反転ブロック18の下側の面に容器ロック機構18Aにより保持される容器Cの開口部下を把持するグリッパ28Aを備える。グリッパ28Aは図示しない駆動手段により昇降可能かつリニア搬送コンベヤ14方向に向けて水平移動可能であり、容器ロック機構18A解除後にグリッパ28Aで把持した容器Cをリテーナ24の各穴の真上から下降させる。グリッパ28Aに把持される12個の容器Cは、下降されて上昇状態の第1の昇降装置26の載置台の上に移載される。12個の容器Cが第1の昇降装置26の載置台の上に移載されると、グリッパ28Aは、把持した容器Cを開放し、第1の昇降装置26が下降されて下降状態となると、12個の容器Cは12個のリテーナ24の各穴に完全に嵌装され保持される。12個の容器Cが12個のリテーナ24の各穴に保持されると、容器Cを保持した12個のキャリアが受取位置から受渡位置の上流側に向けて移動するとともに、受取位置の上流側で待機していたリテーナ24に容器Cを保持していないキャリアの内、12個のキャリアが受取位置に移動する。また、第1の昇降装置26の載置台が上昇して上昇状態となり、同様の処理が繰り返される。
【0016】
図2は、第1搬送コンベヤ12、リニア搬送コンベヤ14、第2搬送コンベヤ16の配置を示す平面図である。リニア搬送コンベヤ14の各キャリアは循環軌道上を独立して移動可能であり、反転ブロック18の下の受取位置には12個のリテーナ24を備えるキャリアが待機される。同状態において、反転ブロック18に保持され、麺塊Nを収容した12個(1行分)の容器Cが、第1の容器移載装置28と第1の昇降装置26により反転ブロック18下に待機する12個のキャリアに同時に移載される。
【0017】
図2に示されるように、リニア搬送コンベヤ14は、長円形の軌道を有し、一対の直線部と、一対の直線部の一方側の端部および他方側の端部との間を接続する一対の半円状の湾曲部とで循環搬送経路が形成される。長円の一方の直線部は反転ブロック18の長手方向(第1搬送コンベヤ12下流端幅方向)に沿って配置される。一方、他方の直線部は第2搬送コンベヤ16の上流端幅方向に沿って配置される。一方の直線部の受取位置において反転ブロック18から容器Cを受け取った12個のキャリアは、長円軌道上を他方の直線部の受渡位置へと搬送される。リニア搬送コンベヤ14には、循環搬送経路に沿って多数の電磁石が並んで埋設され、各キャリアには永久磁石が埋設される。各キャリアはそれぞれがリニアモータ駆動により移送され、図示しない制御手段によって搬送経路に埋設された電磁石に供給される電流が調整されて、この電流に応じて各キャリアの位置や移送速度が調整されるようになっている。
【0018】
他方の直線部の受渡位置において第2搬送コンベヤ16の上流端に隣接するリテーナ24の上方には、第2の容器移載装置30が配置される。第2の容器移載装置30は、リテーナ24に保持される容器Cの開口部下を把持するグリッパ30Aを備え、グリッパ30Aは昇降可能かつ第2搬送コンベヤ16側へ向けて水平移動可能である。また、第2搬送コンベヤ16の上流端に隣接する8個のリテーナ24の下方には、リテーナ24の各穴に対応して昇降可能な第2の昇降装置32が配置される。
【0019】
第2の昇降装置32は、8個の容器Cが載置される載置台と、この載置台を昇降させる駆動手段を備える。第2の昇降装置32が上昇されると容器Cの底面が第2の昇降装置32の載置台により支持され、各容器Cはリテーナ24から持ち上げられる。この状態で、第2の容器移載装置30のグリッパ30Aが8個の容器Cの開口部下を把持し、第2搬送コンベヤ16の上方へと移動する。
【0020】
第2搬送コンベヤ16は、一対のチェーンに1行分(8個)の容器Cを保持するリテーナ34が複数架け渡されたコンベヤである。各リテーナ34には、容器Cを収容する8個の穴が設けられ、容器Cは8列で第2搬送コンベヤ16上を搬送される。
【0021】
第2搬送コンベヤ16の上流端に位置するリテーナ34の下方には、第3の昇降装置36が配置される。第3の昇降装置36は、上流端に位置するリテーナ34の下方に配置される載置台と、第2搬送コンベヤ16の側方に設けられ、載置台を昇降させる駆動手段を備える。第2の容器移載装置30のグリッパ30Aによりn個の容器Cが上流端に位置するリテーナ34の各穴の真上に移送された後に下降されると、各容器Cは上昇状態の第3の昇降装置36の載置台の上に載置される。その後、第3の昇降装置36の載置台は下降されて下降状態となり、8個の容器Cが上流端に位置するリテーナ34の各穴に同時に嵌装され、容器Cの第2搬送コンベヤ16への移載が完了する。8個の容器Cが第2の容器移載装置30のグリッパ30Aにより把持されてリテーナ24から移送されると、容器Cを受け渡した8個のキャリアが受渡位置から受取位置の上流側に向けて移動するとともに、第2の昇降装置32の載置台は下降されて下降状態となる。また、受渡位置の上流側で待機するリテーナ24に容器Cを保持したキャリアの内、8個のキャリアが受渡位置に移動し、同様の処理が繰り返される。
【0022】
なお、第2の容器移載装置30がリニア搬送コンベヤ14からn(8)個の容器Cを第2搬送コンベヤ16へ移載する速度は、制御手段により第1の容器移載装置28が反転ブロック18からm(12)個の容器Cをリニア搬送コンベヤ14へ移載する速度の略m/n倍に制御される。また、第2搬送コンベヤ16の搬送速度V2は、第1搬送コンベヤ12の搬送速度V1の略m/n(>1)倍に設定される(V2=m/n×V1)。この場合、受取位置の上流側には、第1の容器移載装置28の処理数(12個)以上のキャリアがアキュームされているのが望ましい。同様に、受渡位置の上流側には、第2の容器移載装置30の処理数(8個)以上のキャリアがアキュームされているのが望ましい。すなわち、受取位置において12個の容器Cが12個のキャリアのリテーナ24の各穴に保持されるまでの間に、受取位置の上流側にリテーナ24に容器Cを保持していない12個のキャリアが待機されるように制御されると、直ちに次の12個の容器Cの受け取りを行うことができる。同様にリニア搬送コンベヤ14の8個のキャリアから8個の容器が移載されるまでの間に、受渡位置の上流側に少なくとも8個のキャリアが待機されるように制御されると、直ちに次の8個の容器Cの受け渡しを行うことができる。
【0023】
第2搬送コンベヤ16は、麺塊Nが収容された容器Cを搬送しながらスープや具材を投入し、その後容器Cの開口部を蓋Lでシールし、シール状態の検査するコンベヤである。図1に示されるように、第2搬送コンベヤ16の上方には、上流側から粉末スープ充填装置38、具材充填装置40、蓋供給装置42、蓋シール装置(シール手段)44、検査装置46がこの順番でn台ずつ配置される。
【0024】
第2搬送コンベヤ16は間欠駆動され、上記各装置38、40、42、44、46の直下に容器Cが位置するタイミングで一定期間停止する。粉末スープ充填装置38、具材充填装置40の下では、1行分(8個)の容器に粉末スープおよび具材がそれぞれ充填される。蓋供給装置42は、積層された蓋Lを保持するカートリッジ42Aと、カートリッジ42Aと第2搬送コンベヤ16の間に設けられる回転アーム42Bとを備える。回転アーム42Bはその先端に吸着盤を備え、カートリッジ42Aに保持される蓋Lを1枚ずつ吸着して取り出し、180度回転後、各容器Cの開口部に蓋Lを載置する。
【0025】
開口部に蓋Lが載せられた容器Cは、第2搬送コンベヤ16により蓋シール装置44下まで搬送される。蓋シール装置44は、例えばヒートシーラや超音波シーラであり、蓋シール装置44のヘッド部は、蓋Lが被せられた容器Cの開口部に上方から押し当てられる。これにより蓋Lの外周は容器Cの開口部の縁に貼着される。蓋シール装置44により蓋Lが貼着された容器Cは、検査装置46の下方において蓋Lの貼着状態の良否が検査される。検査装置46は、例えばカメラ46Aとリング照明46Bとからなり、撮影画像から容器Cからの蓋Lの位置ずれ等を検出し、その良否を判断する。
【0026】
麺塊N、粉末スープ、具材等の充填、蓋Lによる密封、製品としての良否が検査された容器Cは、第2搬送コンベヤ16により更に下流側の処理装置に向けて搬送され、途中、不良と判断された容器Cは不図示の排出装置によりライン外へと排出される。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、上流側の第1搬送コンベヤによりm列で搬送される麺塊が収容されたm個の容器が、循環式のリニア搬送コンベヤを介して、n(<m)列で容器を搬送する下流側の第2搬送コンベヤへと受け渡すことができるため、第2搬送コンベヤの搬送速度V2を第1搬送コンベヤの搬送速度V1の略m/n(>1)倍に設定することができる(V2=m/n×V1)。これにより、上流側の処理能力が下流側よりも低い場合においても、上流側および下流側の列数の比を処理能力の比に合わせることで、上流側、下流側において適正な処理能力で各装置を運用することができる。
【0028】
例えば、本実施形態の容器充填シール装置の下流側(第2搬送コンベヤ)では、フライヤーなどの制約により下流側の処理装置よりも処理能力が低い上流側のラインの連数に対して、下流側のラインの搬送速度を上げ、連数を少なくすることで、具材充填装置、シール装置、検査装置の数を少なくすることができ、製造コストを抑えることができる。
【0029】
また、第2搬送コンベヤの機幅が狭くなるので、作業性・清掃性が向上する。更に、保管する予備部品も少なくて済むためメンテナンス性も向上する。また、リニア搬送装置を介在させることで、麺機で発生した麺カスが下流側に持ち込まれないので、清掃性が向上でき、ランニングコストも抑制できる。
【0030】
なお、循環搬送するリニア搬送コンベヤ(リニア搬送装置)の各キャリアが独立に走行可能なため、キャリアの一部が搬送経路上でアキュームされて、上流側で供給されるm個と下流側で排出されるn個の差は、搬送経路上において吸収される。
【0031】
なお、本実施形態では、リニア搬送コンベヤ14の各キャリアは、リテーナ24を備え、リテーナ24に形成された穴に容器Cを収容して搬送しているが、各キャリアが容器Cを把持する一対のグリッパを備え、このグリッパが容器Cを把持して搬送するものであってもよい。
【0032】
また、本実施形態では、リニア搬送コンベヤ14の各キャリアのリテーナ24には、容器Cを保持するための穴が1つ形成されて、1つのキャリアが1つの容器を保持して搬送しているが、リテーナ24に容器を保持する穴が複数形成されて、1つのキャリアが複数の容器を保持して搬送するものであってもよい。この場合、リテーナ24に形成される穴は、第1搬送手段と第2搬送手段の公約数であることが望ましい。
【0033】
また、本実施形態では、第1搬送手段と第2搬送手段の間に設けられ、物品が収容された容器をm個を単位に上流から受け取って、n個を単位に下流に受け渡す受渡手段としてリニア搬送コンベヤを用いているが、これに限定されるものではなく、例えば循環経路が構成されたテーブルを可動として、循環経路を循環させるとともにテーブルを往復移動させるサーボテーブルを用いたり、他の公知手段を用いたりしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 容器充填シール装置
12 第1搬送コンベヤ(第1搬送手段)
14 リニア搬送コンベヤ(受渡手段)
16 第2搬送コンベヤ(第2搬送手段)
18 反転ブロック(容器反転手段)
22 容器供給装置(容器供給手段)
44 蓋シール装置(シール手段)
図1
図2