(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077281
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】公共空間管理システム、ベンチ、公共空間管理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240531BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189274
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】522281062
【氏名又は名称】株式会社HeartLanguage
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 瑞規
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】 公園などのパブリックスペースの利用実態をより正確に把握又は分析することを目的とする。
【解決手段】 公共空間管理システムは、公共空間に設置されたベンチと、前記公共空間の利用状況を管理する管理装置とを含む公共空間管理システムであって、前記ベンチは、ベンチ本体と、前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知する人検知手段と、前記人検知手段による検知結果に基づいて、前記公共空間の滞在者であるか、単なる通行人であるかを判別する判別手段とを有し、前記管理装置は、前記判別手段による判別結果を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判別結果に基づいて、前記公共空間の利用情報を示す指標を生成する指標生成手段とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共空間に設置されたベンチと、前記公共空間の利用状況を管理する管理装置とを含む公共空間管理システムであって、
前記ベンチは、
ベンチ本体と、
前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知する人検知手段と、
前記人検知手段による検知結果に基づいて、前記公共空間の滞在者であるか、単なる通行人であるかを判別する判別手段と
を有し、
前記管理装置は、
前記判別手段による判別結果を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された判別結果に基づいて、前記公共空間の利用状況を示す指標を生成する指標生成手段と
を有する
公共空間管理システム。
【請求項2】
前記判別手段は、前記人検知手段による検知結果に基づいて、前記ベンチ本体の近傍に存在する人の滞在時間を算出し、算出された滞在時間が基準値以上である場合に、前記公共空間の滞在者であると判定し、
前記判別手段により算出された滞在時間に応じて、前記滞在者に提供するコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、
前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツを前記滞在者に提示するコンテンツ提示手段と
をさらに有する
請求項1に記載の公共空間管理システム。
【請求項3】
前記ベンチは、
無線接続のアクセスポイントとして機能するアクセスポイント手段
をさらに有し、
前記人検知手段は、前記アクセスポイント手段による無線接続の利用状況に基づいて、前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知し、
前記判定手段は、前記アクセスポイント手段による無線接続の利用状況に基づいて、前記滞在時間を算出する
請求項2に記載の公共空間管理システム。
【請求項4】
前記ベンチは、
モバイル端末を充電するための給電ポイントとして機能する給電手段
をさらに有し、
前記人検知手段は、前記給電手段による給電ポイントの利用状況に基づいて、前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知し、
前記判定手段は、前記給電手段による給電ポイントの利用状況に基づいて、前記滞在時間を算出する
請求項2に記載の公共空間管理システム。
【請求項5】
前記ベンチは、
前記ベンチ本体の座面への着座を検知する検知手段
をさらに有し、
前記人検知手段は、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知し、
前記判定手段は、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記滞在時間を算出する
請求項2に記載の公共空間管理システム。
【請求項6】
ベンチ本体と、
充電池と、
前記充電池に蓄えられた電力を用いて、前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知する人検知手段と、
太陽光により発電し、発電した電力を前記充電池に供給する発電手段と
を有するベンチ。
【請求項7】
公共空間に設置されたベンチと、コンピュータとを用いた公共空間管理方法であって、
前記ベンチの近傍に存在する人を検知する人検知ステップと、
前記人検知ステップによる検知結果に基づいて、前記公共空間の滞在者であるか、単なる通行人であるかを判別する判別ステップと、
前記判別ステップによる判別結果に基づいて、前記公共空間の利用情報を示す指標を生成する指標生成ステップと
を有する公共空間管理方法。
【請求項8】
公共空間に設置されたベンチに備えられた人検知手段の検知結果を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された検知結果に基づいて、前記公共空間の滞在者であるか、単なる通行人であるかを判別する判別ステップと、
前記判別ステップによる判別結果に基づいて、前記公共空間の利用情報を示す指標を生成する指標生成ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共空間管理システム、ベンチ、公共空間管理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、公園や学校等の災害時に避難場所として指定されている施設に設置されるベンチにおいて座面または背もたれ部に太陽光発電パネルを配し、該太陽光発電パネルによって発電された電気を蓄えるための蓄電池がベンチ内部に格納されてことを特徴とするベンチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、公園などのパブリックスペースの利用実態をより正確に把握又は分析することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る公共空間管理システムは、公共空間に設置されたベンチと、前記公共空間の利用状況を管理する管理装置とを含む公共空間管理システムであって、前記ベンチは、ベンチ本体と、前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知する人検知手段と、前記人検知手段による検知結果に基づいて、前記公共空間の滞在者であるか、単なる通行人であるかを判別する判別手段とを有し、前記管理装置は、前記判別手段による判別結果を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判別結果に基づいて、前記公共空間の利用情報を示す指標を生成する指標生成手段とを有する。
【0006】
好適には、前記判別手段は、前記人検知手段による検知結果に基づいて、前記ベンチ本体の近傍に存在する人の滞在時間を算出し、算出された滞在時間が基準値以上である場合に、前記公共空間の滞在者であると判定し、前記判別手段により算出された滞在時間に応じて、前記滞在者に提供するコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツを前記滞在者に提示するコンテンツ提示手段とをさらに有する。
【0007】
好適には、前記ベンチは、無線接続のアクセスポイントとして機能するアクセスポイント手段をさらに有し、前記人検知手段は、前記アクセスポイント手段による無線接続の利用状況に基づいて、前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知し、前記判定手段は、前記アクセスポイント手段による無線接続の利用状況に基づいて、前記滞在時間を算出する。
【0008】
好適には、前記ベンチは、モバイル端末を充電するための給電ポイントとして機能する給電手段をさらに有し、前記人検知手段は、前記給電手段による給電ポイントの利用状況に基づいて、前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知し、前記判定手段は、前記給電手段による給電ポイントの利用状況に基づいて、前記滞在時間を算出する。
【0009】
好適には、前記ベンチは、前記ベンチ本体の座面への着座を検知する検知手段をさらに有し、前記人検知手段は、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知し、前記判定手段は、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記滞在時間を算出する。
【0010】
また、本発明に係るベンチは、ベンチ本体と、充電池と、前記充電池に蓄えられた電力を用いて、前記ベンチ本体の近傍に存在する人を検知する人検知手段と、太陽光により発電し、発電した電力を前記充電池に供給する発電手段とを有する。
【0011】
また、本発明に係る公共空間管理方法は、公共空間に設置されたベンチと、コンピュータとを用いた公共空間管理方法であって、前記ベンチの近傍に存在する人を検知する人検知ステップと、前記人検知ステップによる検知結果に基づいて、前記公共空間の滞在者であるか、単なる通行人であるかを判別する判別ステップと、前記判別ステップによる判別結果に基づいて、前記公共空間の利用情報を示す指標を生成する指標生成ステップとを有する。
【0012】
また、本発明に係るプログラムは、公共空間に設置されたベンチに備えられた人検知手段の検知結果を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された検知結果に基づいて、前記公共空間の滞在者であるか、単なる通行人であるかを判別する判別ステップと、前記判別ステップによる判別結果に基づいて、前記公共空間の利用情報を示す指標を生成する指標生成ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、公園などのパブリックスペースの利用実態をより正確に把握又は分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】公園管理システム1の全体構成を例示する図である。
【
図2】管理装置2のハードウェア構成を例示する図である。
【
図4】ベンチ40のハードウェア構成を例示する図である。
【
図7】公園管理システム1における全体動作(S10)を説明するシーケンス図である。
【
図8】ベンチ4による判定処理(S20)を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、公園管理システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、公園管理システム1は、管理装置2と複数のベンチ4とを含み、インターネット7を介して互いに接続している。
管理装置2は、コンピュータ端末であり、公園等のパブリックスペース(公共空間)に設置されたベンチ4の利用状況を収集し、解析する。なお、管理装置2は、クラウドサーバであってもよい。
ベンチ4は、公園等のパブリックスペースに設置されたベンチであり、ベンチ本体と、ベンチ本体の近傍に存在する人を検知する人検知部510(後述)と、人検知部510による検知結果に基づいて、パブリックスペースの滞在者であるか、単なる通行人であるかを判別する判定部520(後述)と、管理装置2と通信するための通信部530(後述)とを有する。
【0016】
上記構成において、本例のベンチ4は、公園の利用者が所持するユーザ端末9に対して、WiFiのアクセスポイントとして機能し、WiFi接続を提供し、アクセスポイントとして機能している時間に基づいて、公園の利用者(ユーザ端末9の所持人)が公園の滞在者であるか単なる通行人であるかを判別し、その判別結果を管理装置2に送信する。
また、本例の管理装置2は、公園の滞在者の滞在時間に応じたコンテンツを選択し、選択されたコンテンツを、ベンチ4を介して滞在者のユーザ端末9に提供する。
【0017】
図2は、管理装置2のハードウェア構成を例示する図である。
図2に例示するように、管理装置2は、CPU200、メモリ202、HDD204、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF206)、表示装置208、及び入力装置210を有し、これらの構成はバス212を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
メモリ202は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD204は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラムやその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF206は、有線又は無線で通信するためのインタフェースである。
表示装置208は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置210は、例えば、キーボード及びマウスである。
【0018】
図3は、ベンチ4の外観を例示する図であり、
図4は、ベンチ40のハードウェア構成を例示する図である。
図3に例示するように、ベンチ4は、ベンチ本体40の外側に、ベンチカバー42を装着したものである。
ベンチ本体40は、
図4に例示するように、CPU400、メモリ402、不揮発性メモリ404、ネットワークインタフェース406(ネットワークIF406)、タッチパネル408、及びアクセスポイント410を有し、これらの構成はバス412を介して互いに接続している。
CPU400は、例えば、中央演算装置である。
メモリ402は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
不揮発性メモリ404は、例えば、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラムやその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF406は、無線で通信するためのインタフェースである。
タッチパネル408は、例えば、液晶ディスプレイとタッチスクリーンを組み合わせたものであり、公園の滞在者に対してコンテンツを表示する。
アクセスポイント410は、例えば、ユーザ端末9に対してWiFiのアクセスポイントとして機能する。
【0019】
ベンチ本体40は、さらに、太陽光発電装置414、蓄電池416、及び、給電装置418を有し、CPU400、メモリ402及び不揮発性メモリ404等の各構成に電力を供給する。
太陽光発電装置414は、例えば、ペロブスカイト型太陽電池であり、太陽光により発電した電力を蓄電池416に出力する。
蓄電池416は、二次電池であり、太陽光発電装置414により発電された電力を蓄える。
給電装置418は、公園滞在者のユーザ端末9を充電するための給電ポイントとして機能する。本例の給電装置418は、蓄電池416に蓄電されている電力を用いて、滞在者のユーザ端末9に対して充電を行う。
【0020】
図5は、管理装置2の機能構成を例示する図である。
図5に例示するように、本例の管理装置2には、サーバプログラム3がインストールされ、管理情報データベース370(管理情報DB370)及びコンテンツデータベース372(コンテンツDB372)が構成されている。
サーバプログラム3は、ユーザ認証部300、取得部310、指標生成部320、コンテンツ選択部330、及び、コンテンツ提供部340を有する。
なお、サーバプログラム3の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよい。また、サーバプログラム3は、例えば、CD-ROMなどの記録媒体に格納されており、この記録媒体を介して管理装置2にインストールされる。
【0021】
サーバプログラム3において、ユーザ認証部300は、ベンチ4からの要求に応じて、WiFi接続を要求するユーザ端末9のユーザ認証を行い、認証結果をベンチ4に返す。
取得部310は、ベンチ4の判定部520による判別結果を取得する。
【0022】
指標生成部320は、取得部300により取得された判別結果に基づいて、公共空間の利用状況を示す指標を生成する。例えば、指標生成部320は、取得部300により取得された判別結果(滞在者のユーザID、ユーザの属性(性別、年齢層)、及び滞在時間)に基づいて、公園の各時間帯の利用者数、リピート率、利用者の年代構成及び性別を算出する。
【0023】
コンテンツ選択部330は、ベンチ4(判別部520)により算出された滞在者の滞在時間に応じて、この滞在者に提供するコンテンツを選択する。コンテンツは、例えば、他の公園を紹介する動画像や、移住を勧める静止画像、災害発生時に避難場所を示す情報などである。
コンテンツ提供部340は、コンテンツ選択部330により選択されたコンテンツを滞在者に提示する。例えば、コンテンツ提供部340は、コンテンツ選択部330により選択されたコンテンツを、ベンチ4を介してユーザ端末9に送信して表示させてもよいし、ベンチ4のタッチパネル408に表示して、公園の滞在者に提示してもよい。
【0024】
管理情報DB370には、ベンチ4でWiFi接続するユーザに関する情報(ユーザID、性別、年齢、このユーザの公園利用履歴等)が格納される。
コンテンツDB372には、公園の滞在時間に関連付けて、コンテンツのデータファイルが格納される。
【0025】
図6は、ベンチ4の機能構成を例示する図である。
図6に例示するように、本例のベンチ4には、ベンチ側プログラム5がインストールされている。
ベンチ側プログラム5は、AP提供部500、人検知部510、判定部520、及び、通信部530を有する。
なお、ベンチ側プログラム5の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよい。また、ベンチ側プログラム5は、例えば、CD-ROMなどの記録媒体に格納されており、この記録媒体を介してベンチ4にインストールされる。
【0026】
ベンチ側プログラム5において、AP提供部500は、アクセスポイント410を制御して、ユーザ端末9に対して無線接続を提供する。本例のAP提供部500は、ユーザ認証部300(
図5)による認証に成功した場合に、ユーザ端末9に対してWiFi無線接続を提供する。
【0027】
人検知部510は、ベンチ本体40の近傍に存在する人を検知する。例えば、人検知部510は、AP提供部500によりWiFi無線接続を提供しているユーザを、ベンチ本体40の近傍に存在する人として検知する。なお、人検知部510は、給電装置418による給電ポイント(充電サービス)の利用状況に基づいて、ベンチ本体40の近傍に存在する人を検知してもよいし、ベンチ4の座面に感圧センサなどを設けて、感圧センサによる検知結果に基づいて、ベンチ本体40の近傍に存在する人を検知してもよい。
【0028】
判定部520は、人検知部510による検知結果に基づいて、公園の滞在者であるか、単なる通行人であるかを判別する。例えば、判定部520は、人検知部510による検知結果に基づいて、ベンチ本体40の近傍に存在する人の滞在時間を算出し、算出された滞在時間が基準値以上である場合に、公園の滞在者であると判定し、算出された滞在時間が基準値未満である場合に、単なる通行人であると判定する。
通信部530は、インターネット7を介して管理装置2との通信を実現する。例えば、通信部530は、判定部520による判定結果を管理装置2に送信すると共に、管理装置2によるユーザ認証の結果やコンテンツデータを管理装置2から受信する。
【0029】
図7は、公園管理システム1における全体動作(S10)を説明するシーケンス図である。
図7に示すように、ベンチ4は、公園利用者のユーザ端末9から、WiFi接続の要求を受け付けると(S100)、管理装置2に対して、ユーザ認証を要求する(S102)。
管理装置2は、ベンチ4からの要求に応じて、ユーザ認証を行い、認証結果をベンチ4に通知する(S104)。
ベンチ4は、ユーザ認証に成功すると、ユーザ端末9に対して、WiFi接続を提供する(S106)。
ベンチ4は、WiFi接続を提供している間、このユーザ端末9の所持人を、ベンチ4の近傍にいる公園利用者として検知する(S108)。
【0030】
ベンチ4は、公園利用者として検知されたユーザ端末9の所持人(滞在者)の滞在時間を定期的に計測し、計測された滞在時間を管理装置2に通知する(S110)。
管理装置2は、ベンチ4から通知された滞在時間に対応するコンテンツを選択し(S112)、選択されたコンテンツのデータファイルをベンチ4に送信し、このベンチ4を介して滞在者にコンテンツを提供する(S114)。
【0031】
ベンチ4は、ユーザ端末9によるWiFi接続の利用終了を検知すると(S116)、連続的にWiFi接続を利用していた時間に基づいて、公園の滞在者であるか単なる通行人であるかを判定する(S118)。
ベンチ4は、この判定結果(滞在者/通行人、及び、滞在者のユーザID)を管理装置2に通知すると(S120)、管理装置2は、通知された判定結果に基づいて、公園の利用状況を解析する(S122)。
【0032】
図8は、ベンチ4による判定処理(S20)を説明するフローチャートである。
図8に示すように、ステップ200(S200)において、人検知部510(
図6)は、ベンチ4の近傍に存在する人を検知する。本例の人検知部510は、AP提供部500によりユーザ端末9にWiFi接続が提供されると、このユーザ端末9の所持人を、ベンチ4の近傍に存在する人として検知する。ベンチ側プログラム5は、人検知部510によりベンチ4の近傍に存在する人が検知されるまで待機し(S200:No)、人検知部510によりベンチ4の近傍に存在する人が検知されると、S205の処理に移行する(S200:Yes)。
【0033】
ステップ205(S205)において、判定部520は、人検知部510により人が検知されている間、この人の滞在時間を計測する。
ステップ210(S210)において、判定部520は、計測している滞在時間が基準時間以上であるか否かを判定し、基準時間以上となった場合に、S215の処理に移行し、基準時間未満である場合に、S225の処理に移行する。
【0034】
ステップ215(S215)において、判定部520は、人検知部510により検知されている人を公園の滞在者であると判定する。
ステップ220(S220)において、判定部520は、滞在者の滞在時間を管理装置2(コンテンツ選択部330)に通知する。
通信部530は、管理装置2から、コンテンツ選択部330により選択されたコンテンツのデータファイルを受信し、受信したデータファイルをタッチパネル408に表示させる。
【0035】
ステップ225(S225)において、ベンチ側プログラム5は、ベンチ4の近傍から人が離脱したことを人検知部510が検知した場合に、S230の処理に移行し、人検知部510がベンチ4の近傍に存在する人を検知し続けている場合に、S205の処理に戻る。
ステップ230(S230)において、通信部530は、判定部520による判定結果を管理装置2に送信する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態における公園管理システム1によれば、公園などのパブリックスペースの利用実態をより正確に把握又は分析することができる。公園の利用実態等を正確に把握することにより、公園管理に要する予算の最適化が期待できる。
また、本例の公園管理システム1によれば、公園の滞在時間に応じたコンテンツを、公園の利用者に提供することができる。
また、本例の公園管理システム1によれば、太陽光発電により発電した電力を蓄電池に蓄積することにより、災害時等では、ユーザ端末9の充電ポート及び通信ポートとして機能させることができる。
【0037】
(変形例)
上記実施形態では、ベンチ4において、人の検知、及び、検知された人が滞在者であるか通行人であるかの判別を行っているが、これに限定されるものではなく、例えば、検知された人が滞在者であるか通行人であるかの判別を管理装置2で行ってもよい。
また、ベンチ4の近傍を撮影するAIカメラを設置し、公園管理システム1に組み込んでもよい。例えば、ベンチ4の周辺で突然人が倒れた等の異常事態が発生した際に、AIカメラがこれを検知し、管理装置2が異常状態を管理者に通知したり、AIカメラがベンチ周辺にいる人の属性(性別や年代)を識別して管理装置2に通知し、管理装置2が属性に応じて最適化された広告を配信する。
また、情報の出力はディスプレイ表示に限定されるものではなく、例えば、スピーカーから音声として出力してもよいし、LEDライトを発光させたり、ベンチ4以外の外部のシステムや機器に情報を送信してもよい。
さらには、上記実施形態では、滞在者の有無のみを検知しているが、温度センサ、騒音センサ、二酸化炭素濃度センサなどをベンチ4に搭載して、人以外の環境のセンシングデータを収集し、管理装置2に蓄積してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 公園管理システム
2 管理装置
4 ベンチ