IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋インキSCホールディングス株式会社の特許一覧

特開2024-77286湿気硬化型ホットメルト接着剤、封止剤および接着シート
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077286
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】湿気硬化型ホットメルト接着剤、封止剤および接着シート
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/14 20060101AFI20240531BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20240531BHJP
   C09J 7/35 20180101ALI20240531BHJP
【FI】
C09J175/14
C09J11/08
C09J7/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189285
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 祐亮
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直樹
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA05
4J004AA14
4J004AB03
4J004BA02
4J004CC02
4J004FA08
4J040CA042
4J040CA082
4J040CA092
4J040DN032
4J040EF251
4J040EF281
4J040JA06
4J040JB01
4J040JB04
4J040KA26
4J040MA02
4J040MA10
4J040MB09
4J040NA16
4J040NA19
(57)【要約】
【課題】
耐熱接着力及び耐熱保持力に加えて、水蒸気バリア性に優れる湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供すること。
【解決手段】
イソシアネート基を有するポリウレタンと、液状ゴムとを含み、前記ポリウレタンが、ポリブタジエンに由来する構造単位及び/又は水素化ポリブタジエンに由来する構造単位を有する、湿気硬化型ホットメルト接着剤により解決される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基を有するポリウレタンと、液状ゴムとを含み、前記ポリウレタンが、ポリブタジエンに由来する構造単位及び/又は水素化ポリブタジエンに由来する構造単位を有する、湿気硬化型ホットメルト接着剤。
【請求項2】
湿気硬化型ホットメルト接着剤からなる厚さ50μmの硬化物の、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度が、200g/m・day以下である、
請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
【請求項3】
液状ゴムが、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリイソブチレン、および液状スチレン-ブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
【請求項4】
ポリウレタン100質量部に対して、液状ゴムの含有量が0.5質量部以上50質量部以下である、請求項1記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
【請求項5】
さらに粘着付与樹脂を含有する、請求項1記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
【請求項6】
粘着付与樹脂の軟化点が80℃以上、160℃以下である、請求項5記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
【請求項7】
粘着付与樹脂が石油樹脂を含む、請求項5に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
【請求項8】
請求項1~7いずれか一項記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物からなる封止材。
【請求項9】
基材と、請求項1~7いずれか一項記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤から形成されてなる硬化物層とを有する接着シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿気硬化型ホットメルト接着剤、封止剤および接着シートに関する。
【0002】
溶剤を使用しないホットメルト接着剤は、火災リスクが低く、製本、食品包装、衛生材料、繊維、建材、自動車分野等広く利用されている。加えて、乾燥オーブンが不要なことから省スペース、省エネルギー化に向けて活用の幅が広がっており、ホットメルト接着剤に求められる要求性能は日に日に増している。
例えば、自動車や電子部品の用途を想定し、高温環境でも高い接着力及び保持力を維持する性能(以下、耐熱接着力及び耐熱保持力と省略)が求められている。一方、高温高湿環境下において水分の浸透による被着体の劣化抑制や、電子部品を保護する目的のため水蒸気バリア性が要求される用途も増している。
【0003】
特許文献1には、ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位並びにポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖と、重合鎖の末端にイソシアネート基と、を有するウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ホットメルト接着剤が開示されている。
また、特許文献2には、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、ポリイソブチレンとを含む、湿気硬化型ホットメルト接着剤が開示されている。
しかし、従来のホットメルト接着剤では、近年要求されているレベルの耐熱接着力及び耐熱保持力は発現せず、水蒸気バリア性も大きく不足していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/138893号
【特許文献2】特開2019-182938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、耐熱接着力及び耐熱保持力に優れ、かつ、水蒸気バリア性に優れる湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の実施態様は、イソシアネート基を有するポリウレタンと、液状ゴムとを含み、前記ポリウレタンが、ポリブタジエンに由来する構造単位及び/又は水素化ポリブタジエンに由来する構造単位を有する、湿気硬化型ホットメルト接着剤である。
【0007】
また、本発明の実施態様は、湿気硬化型ホットメルト接着剤からなる厚さ50μmの硬化物の、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度が、200g/m・day以下である、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤である。
【0008】
また、本発明の実施態様は、液状ゴムが、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリイソブチレン、および液状スチレン-ブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤である。
【0009】
また、本発明の実施態様は、ポリウレタン100質量部に対して、液状ゴムの含有量が0.5質量部以上50質量部以下である、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤である。
【0010】
また、本発明の実施態様は、さらに粘着付与樹脂を含有する、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤である。
【0011】
また、本発明の実施態様は、粘着付与樹脂の軟化点が80℃以上、160℃以下である、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤である。
【0012】
また、本発明の実施態様は、粘着付与樹脂が石油樹脂を含む、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤である。
【0013】
また、本発明の実施態様は、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物からなる封止材である。
【0014】
また、本発明の実施態様は、基材と、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤から形成されてなる硬化物層とを有する接着シートである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤と比較して、耐熱接着力及び耐熱保持力に優れ、かつ、水蒸気バリア性に優れる湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供することができ、高温高湿環境下において水分の浸透による被着体の劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤について説明する。
【0017】
本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値の範囲として含むものとする。
本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
また重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量である。
【0018】
<湿気硬化型ホットメルト接着剤>
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、イソシアネート基を有するポリウレタンと、液状ゴムとを含み、前記ポリウレタンが、ポリブタジエンに由来する構造単位及び/又は水素化ポリブタジエンに由来する構造単位を有する、湿気硬化型ホットメルト接着剤である。
【0019】
<イソシアネート基を有するポリウレタン>
イソシアネート基を有するポリウレタンは、ポリブタジエンに由来する構造単位及び/又は水素化ポリブタジエンに由来する構造単位を有する。後述するポリブタジエンポリオール及び/又は水素化ポリブタジエンポリオールを含むポリオールと、ポリイソシアネートとをウレタン化反応させて得ることができる。
【0020】
イソシアネート基を有するポリウレタンの重量平均分子量(Mw) は、10,000~100,000が好ましく、20,000~80,000がより好ましく、2,0000~60,000がさらに好ましい。Mwを上記範囲に調整することで、塗工性と耐熱接着力を向上できる。
【0021】
<ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオール>
ポリブタジエンポリオールは、ブタジエンに由来する重合鎖とその重合鎖の両末端等に水酸基とを有する化合物であり、水素化ポリブタジエンポリオールは、ポリブタジエンポリオールの水素添加物である。ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールは、分子内に平均1.8~2.5程度の水酸基を有していることが好ましい。
前記ポリウレタンが、ポリブタジエンに由来する構造単位及び/又は水素化ポリブタジエンに由来する構造単位を有することによって、ポリウレタンに耐熱接着性と水蒸気バリア性を付与することが可能となる。前記ポリウレタンは、水素化ポリブタジエンポリオールに由来する構造単位を含むことがより好ましい。
【0022】
ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールは、ブタジエンに由来する重合鎖とその重合鎖の両末端等に水酸基とを有する化合物であれば特に限定されない。例えば、ポリブタジエンポリオールの市販品としては、日本曹達社のG-1000、G-2000、G-3000、出光興産社のPoly bd R-15HT、Poly bd R-45HT、クレイバレー社のKrasol LBH-P3000等が挙げられ、水素化ポリブタジエンポリオールの市販品としては、日本曹達社のGI-1000、GI-2000、GI-3000等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0023】
ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールの数平均分子量(Mn)は、好ましくは500~5000であり、より好ましくは1000~3000である。ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールの数平均分子量を500以上とすると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の耐熱接着力を向上できる。一方、数平均分子量を5000以下とすると、溶融粘度を下げることができ、塗工性が良好となる。
【0024】
ポリオール100質量%中、ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールの含有率は好ましくは30~100質量%であり、より好ましくは、50~100質量%である。
ポリオールは、ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールのみから構成されるものであってよい。ポリブタジエンジオール及び水素化ポリブタジエンジオールの含有量が多くなるほど、湿気硬化型ホットメルト接着剤の水蒸気バリア性をより向上できる。
【0025】
本発明におけるイソシアネート基を有するポリウレタンの調整においては、ポリブタジエンポリオール及び/又は水素化ポリブタジエンポリオールとともにポリイソシアネートと反応可能なその他ポリオールを併用しても良い。その他ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリカーボネーポリオール、ポリシロキサンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリオレフィンポリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸(DMBA)等が挙げられる。その他ポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0026】
<ポリイソシアネート>
ポリイソシアネートは、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物である。ポリイソシアネートは、1分子中に2つのイソシアネート基を有する2官能イソシアネート(ジイソシアネートともいう)であることが好ましい。
ポリイソシアネートは、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’-MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’-MDI)、p-フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5-オクチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加させたMDI(水添MDI)、水素添加させたXDI(水添XDI)、ポリメリックMDI等が挙げられる。
これらの中で、反応性の観点から芳香族ポリイソシアネートを用いることが好適である。中でも、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、およびポリメリックMDIが好ましく、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、およびポリメリックMDIがより好ましく、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、および2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートがさらに好ましい。
【0027】
<イソシアネート基を有するポリウレタンの製造方法>
イソシアネート基を有するポリウレタンの製造方法を説明する。ただし、本発明は以下の製造方法に限定されるものではない。
イソシアネート基を有するポリウレタンは、ポリブタジエンポリオール及び/又は水素化ポリブタジエンポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させることにより得られる。
このとき、必要に応じてその他ポリオールを併用してもよい。ポリイソシアネートのイソシアネート基と、ポリオール化合物の水酸基とのモル比(NCO/OH比)が1.0を超える範囲でポリイソシアネートを使用する。これにより、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンが得られる。このイソシアネート基が空気中や接着の対象物中に存在する水分と反応して架橋構造を形成し得るのである。イソシアネート基を有するポリウレタンは、単独または2種以上を併用できる。
【0028】
前記ポリウレタンを製造する際には、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基と前記ポリオール化合物が有する水酸基のモル比(NCO/OH比)は、塗工性の観点から、好ましくは1.1~3.0、より好ましくは、1.3~2.5である。
【0029】
得られたポリウレタンのイソシアネート基含有率(以下、「NCO%」と略記する。)は、加熱保管時あるいは塗工時の粘度上昇を抑えるという観点から、好ましくは0.5~3.5、より好ましくは、1.0~2.0である。なお、前記ポリウレタンのNCO%は、JISK1603-1に準拠し、電位差滴定法により測定し、以下の式1に基づき求めることができる。
NCO%=4.202×(V1-V2)×c/m・・・(式1)
V1:空試験に要した塩酸の使用量(mL)
V2:試料の滴定に要した測定した塩酸の使用量(mL)
c:塩酸の濃度(mol/L)
m:試料の質量(g)
4.202:NCO基の当量(42.02mg/ミリ当量)。
【0030】
<液状ゴム>
本発明に使用される液状ゴムは、常温(25℃)で液状のゴムである。液状ゴムの25℃における粘度は、通常0.01~10,000Pa・s、好ましくは0.05~1,000Pa・s、より好ましくは0.1~500Pa・sの範囲である。なお、液状ゴムの25℃における粘度は、動的粘弾性計測定装置RSA-G2(TA Instruments社製)を用いて測定した値を示す。
【0031】
液状ゴムは、例えば、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレン、液状スチレン-ブタジエンゴム、液状アクリロニトリル-ブタジエンゴム、液状ポリクロロプレン、液状ブチルゴム、液状シリコーンゴム、液状ポリスルフィドゴム、液状フッ素ゴム、液状天然ゴム等が挙げられ、これらの液状ゴムは反応性官能基を含有しても良い。反応性官能基としては、水酸基、カルボキシ基、無水マレイン酸残基、チオール基、アミノ基、およびエポキシ基等が挙げられる。これらの液状ゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中で水蒸気バリア性と耐熱接着力を向上できるという点から、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリイソブチレン、液状スチレン-ブタジエンゴム、液状ブチルゴム、液状シリコーンゴムが好ましく、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリイソブチレン、液状スチレン-ブタジエンゴムがより好ましい。
液状ゴムは一般的に使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、ENEOS社のテトラックスシリーズやクレイバレー社のRICONシリーズが挙げられる。
【0032】
液状ゴムは、その効果に限定されるものではないが、前記ポリウレタンと併用することにより湿気硬化型ホットメルト接着剤の水蒸気バリア性を向上できる。前記ポリウレタン100質量部に対して、液状ゴムの含有量は好ましくは0.5~50質量部、より好ましくは、1~30質量部、さらに好ましくは1~15質量部である。前記ポリウレタン100質量部に対して、液状ゴムを0.5質量部以上用いることにより水蒸気バリア性に優れ、50質量部以下とすることにより、耐熱保持力を維持できる。
【0033】
<粘着付与樹脂>
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、さらに粘着付与樹脂を含むことが好ましい。粘着付与樹脂は、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレンフェノール樹脂、キシレン樹脂、シクロペンタジエン-フェノール樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水素添加された脂肪族系石油樹脂、水素添加された脂環族系石油樹脂、及び水素添加された芳香族系石油樹脂、フェノール変性石油樹脂、水酸基価が20未満であるロジンエステル樹脂及び変性ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、水素添加されたテルペン樹脂などが挙げられる。これらは単独または2種以上併用できる。
これらの中で相溶性が良好で、耐熱接着力を向上できるという点から、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水素添加された脂肪族系石油樹脂、水素添加された脂環族系石油樹脂、及び水素添加された芳香族系石油樹脂、テルペン樹脂、水素添加されたテルペン樹脂が好ましく、水素添加された脂肪族系石油樹脂、水素添加された脂環族系石油樹脂、及び水素添加された芳香族系石油樹脂、がより好ましい。
粘着付与樹脂は一般的に使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、荒川化学社のアルコンシリーズや三井化学社のFTRシリーズが挙げられる。
【0034】
粘着付与樹脂の軟化点は、好ましくは80~160℃であり、より好ましくは100~150℃である。粘着付与樹脂の軟化点を80℃以上とすると、湿気硬化型ホットメルト粘着剤の耐熱接着力を向上できる。一方、粘着付与樹脂の軟化点を160℃以下とすると、前記ウレタンプレポリマーとの相溶性が良好で好適に使用できる。なお、本発明で軟化点は、環球法によるものであり、JIS K5601-2-2に準拠して測定した値を示す。
【0035】
粘着付与樹脂は、その効果に限定されるものではないが、前記ポリウレタンと併用することにより湿気硬化型ホットメルト接着剤の耐熱接着力を向上できる。前記ポリウレタン100質量部に対して、粘着付与樹脂の含有量は好ましくは5~200質量部、より好ましくは、10~100質量部である。前記ポリウレタン100質量部に対して、粘着付与樹脂を5質量部以上とすることにより室温接着力に優れ、粘着付与樹脂を200質量部以下とすることにより、耐熱保持力を維持できる。
【0036】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、その他添加剤を含んでも良い。その他添加剤としては、例えば、鎖延長剤、硬化触媒、水分除去剤、酸化防止剤、可塑剤、安定剤、充填材、染料、顔料、蛍光増白剤、シランカップリング剤、ワックス、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
【0037】
<湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法>
湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法を説明する。しかし、本発明は以下の製造方法に限定されるものではない。
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ポリブタジエンポリオール及び/又は水素化ポリブタジエンポリオールとポリイソシアネートとを反応させて、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンを得る工程を備える方法により製造することができる。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ポリブタジエンポリオール及び/又は水素化ポリブタジエンポリオール、ポリイソシアネート及び液状ゴムを混合して、ポリウレタンを合成しながら作製してもよい。また、ポリブタジエンポリオール及び/又は水素化ポリブタジエンポリオールとポリイソシアネートとを反応させて、ポリウレタンを得てから、液状ゴムと混合することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を作製してもよい。
【0038】
湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造工程を説明する。ただし、本発明は以下の製造工程に限定されるものではない。
例えば、ポリブタジエンポリオール及び/又は水素化ポリブタジエンポリオールと液状ゴムを反応容器に入れる。このとき、その他ポリオール、粘着付与樹脂、その他添加剤を入れてもよい。ポリブタジエンポリオール及び/又は水素化ポリブタジエンポリオールと液状ゴムを加熱溶融し、均一な温度分布で制御し得る加熱器にて100~140℃に加熱しながら攪拌し、減圧脱水を十分に行う。次に、所定量のポリイソシアネートを添加し、反応容器内にドライ窒素を吹き込み、水分が入らないようにして90~140℃で反応を行うことによって製造される。本反応は溶剤を必要としないが溶剤を用いてもよい。この場合、反応温度はその溶剤の沸点以下で行う必要がある。
【0039】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤の120℃における溶融粘度は、塗工性の観点から好ましくは1000~25000mPa・s、より好ましくは、3000~15000mPa・sである。なお、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤の120℃における溶融粘度は、湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃で1時間加熱溶解した後、100mLをマヨネーズ瓶にサンプリングし、B型粘度計(ローター♯3、回転数12rpm)にて測定した値を示す。
【0040】
<封止材および接着シート>
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、半導体、電子部品、建造物、船舶、自動車、道路等の分野で、封止材または基材と被着体を貼り合わせる接着シートとして利用できる。本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、硬化して得られる硬化物の接着性および水蒸気バリア性に優れるため、上記各分野への利用が好ましく、半導体、電子部品分野への利用がより好ましい。
【0041】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤の使用形態の一例として、例えば、半導体や電子部品を接着するための接着剤あるいは、半導体や電子部品をほこりや水分から守るための封止材として用いることができる。
用いられる電子部品としては、画像表示装置(有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、量子ドットディスプレイ)、発光装置(有機EL照明、量子ドット照明)、各種電子部材(有機薄膜太陽電池、薄膜トランジスタ)、およびタッチパネルを含む入出力装置を構成する部材等が挙げられる。
【0042】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤の接着または封止方法の一例として、例えば、100~140℃、好ましくは110℃~130℃の温度で溶融された前記接着剤をジェット式ディスペンサーから吐出して、第1の被着体の接着部分に接着剤層を形成する工程と、接着剤層を介して第1の被着体を第2の被着体と接着する工程と、を有することができる。第1の被着体と第2の被着体を接触させた状態で、湿気硬化型ホットメルト接着剤を固化させた後、環境(空気)中の湿気によって湿気硬化型ホットメルト接着剤中のイソシアネート基を反応させ、第1の被着体と第2の被着体とを湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物で接着することによって接着または封止される。
【0043】
用いられる被着体としては、半導体、画像表示装置(有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、量子ドットディスプレイ)、発光装置(有機EL照明、量子ドット照明)、各種電子部材(有機薄膜太陽電池、薄膜トランジスタ)、およびタッチパネルを含む入出力装置を構成する部材等が挙げられる。
【0044】
前記湿気硬化型ホットメルト接着剤を被着体に塗工する方法としては、ディスペンサー法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ブレードコート法、スプレーコート法、エアナイフコート法、カーテンコート法、ダイコート法、コンマコート法等が挙げられる。
【0045】
第1の被着体と第2の被着体を接触させた状態で、湿気硬化型ホットメルト接着剤を固化させた後は、25℃、相対湿度50%(以下50%RH)で1日以上養生を行うことが好ましく、25℃、50%RHで7日以上養生を行うことがより好ましい。
【0046】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤の別の使用形態の一例として、基材と被着体を貼り合わせる接着シートの用途にも使用できる。本発明の接着シートは、基材と、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤から形成されてなる硬化物層とを有する。
【0047】
以下に、接着シートの製造方法について説明する。基材の貼り合せ面に100~140℃、好ましくは110℃~130℃の温度で溶融された本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤を塗工し、接着剤層を形成する。必要に応じて、前記接着剤層を保護するためのカバーフィルムを貼り合わせる。さらに25℃、相対湿度50%(以下50%RH)で1日以上、より好ましくは25℃、50%RHで7日以上養生を行うことより硬化接着剤層を形成する。
【0048】
前記接着シートの養生については、基材とカバーフィルムが貼り合わされた状態でもよいし、基材と被着体が貼り合わされた状態でもよいが、被着体への密着性を向上させる観点から、基材と被着体を接触させた状態で養生を行うことが好ましい。
【0049】
基材としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート)、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、環状オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、エチレン-酢酸
ビニル共重合体等のプラスチック製フィルム、ガラス板等の無機材料、不織布、紙等が挙
げられる。基材は、シリコーン等の離型剤で表面が剥離処理されていてもよいし、コロナ
処理されていてもよい。
【0050】
カバーフィルムとしては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のプラスチック製フィルムが挙げられる。カバーフィルムは、シリコーン等の離型剤で表面が剥離処理されていてもよい。
【0051】
また、本願の湿気硬化型ホットメルト接着剤は接着剤層単層又は、接着剤層/基材/接着剤層の積層構成とし、両面接着フィルムとして使用することもできる。上記構成において接着剤層はあらかじめ養生し硬化接着剤層としてもよい。
【0052】
その他用途としては、例えば、自動車、建材、電気製品等に使用される緩衝材、遮音材、断熱材のポリオレフィン発泡体と各種基材との接着、自動車内装材用のドアパネルや天井材、ドアパネル、パーティション、家具、事務機器等の心材と表面材との接着、繊維、服飾用途に使用される不織布、布、革等の接着等が挙げられる。
【0053】
<水蒸気透過度>
湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化後の厚さが50μmとなるように塗工し、25℃、相対湿度50%で7日間養生して得られた硬化物の、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度は、200g/m・day以下であることが好ましい。
湿気硬化型ホットメルト接着剤からなる硬化物の水蒸気透過度は、その値が低いほど水蒸気が透過しないことから、より好ましくは100g/m・day以下、さらに好ましくは50g/m・day以下である。
水蒸気透過度は、JIS Z 0208:1976に準拠し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物の接着剤層が内側となるように、透湿カップを作製して測定される(条件B:温度40±0.5℃、相対湿度90±2%)。
【実施例0054】
以下、製造例および実施例を挙げてさらに具体的に説明する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。また、以下実施例中および表中に記載された原料(溶剤を除く)の配合量は不揮発分換算である。
【0055】
[分子量の測定]
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定した。測定条件は以下の通りである。なお、MwおよびMnはいずれも、ポリスチレン換算値である。
【0056】
測定装置:昭光サイエンス社製GPC装置 「SHODEX GPC-101」
カラム:KF-G 4A/KF-805/KF-803/KF-802
温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
検出器:RI(示差屈折計)
【0057】
(実施例1)
(湿気硬化型ホットメルト接着剤)
撹拌機、温度計、窒素導入管、減圧装置を備えた反応容器に、水素化ポリブタジエンポリオールとしてGI-3000(日本曹達社、数平均分子量3900)を89部、及び液状ゴムとしてTETRAX 3T(ENEOS社、液状ポリイソブチレン)を15部仕込み加熱溶融し、120℃で2時間減圧加熱した。反応容器内を110℃に冷却した後、窒素雰囲気下、70℃で加熱溶融した4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、4,4’-MDIという)を11部加え、110℃で4時間反応させることでイソシアネート基を有するポリウレタンと、液状ゴムとを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
【0058】
(実施例2~5、8、9)
表1に示すような組成で、実施例1と同様にして、湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
【0059】
(実施例6、7)
表1に示すような配合量で、水素化ポリブタジエンポリオールとしてGI-3000、その他ポリオールとしてサンニックスPP-4000(三洋化成社、ポリエーテルポリオール、数平均分子量4100)、及び液状ゴムとしてTETRAX 3Tを用い、実施例1と同様にして、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートと反応させることで、湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
【0060】
(実施例10)
表1に示すような配合量で、水素化ポリブタジエンポリオールとしてGI-3000、液状ゴムとしてTETRAX 3T、粘着付与樹脂としてアルコンM-135(荒川化学社、部分水添芳香族系石油樹脂、軟化点135℃)を用い、実施例1と同様にして、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートと反応させることで、湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
【0061】
(実施例11~25)
表1、2に示すような組成で、実施例10と同様にして、湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
【0062】
(比較例1)
表2に示すようにポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールを用いずに、その他ポリオールとしてサンニックスPP-4000(三洋化成社、ポリエーテルポリオール、数平均分子量4100)を用いてイソシアネート基を有するポリウレタンを得た以外は、実施例1と同様にして、湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
【0063】
(比較例2)
表2に示すように液状ゴムを用いずに、イソシアネート基を有するポリウレタンを得た以外は、実施例1と同様にして、湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
【0064】
<湿気硬化型ホットメルト接着剤の物性値及び評価>
得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤からなる硬化物の水蒸気透過度を測定し、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤の室温及び耐熱接着力、及び耐熱保持力を下記の方法により評価した。
【0065】
(水蒸気透過度)
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃で加熱溶融し、アプリケーターを使用して厚さ50μmの離形処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化後の厚さが50μmとなるように塗工した。25℃、50%RHで7日間養生し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物を有するPETフィルムを得た。
次いで前記湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物を有するPETフィルムの水蒸気透過度JT(g/m・day)を下記測定条件により測定した。

測定装置:No.318 透湿カップ(安田精機製作所製)
温度:40℃
湿度:90%RH
測定面積28cm(円形)
【0066】
(水蒸気バリア性)
次いで(式2)により硬化接着剤層単層の水蒸気透過度J1(g/m・day)を算出し、水蒸気バリア性を評価した。
1/JT = 1/J1 + 1/J2 ・・・(式2)
JT:湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物を有するPETフィルムの水蒸気透過度(g/m・day)
J1:硬化接着剤層単層の水蒸気透過度(g/m・day)
J2:PETフィルムの水蒸気透過度(g/m・day)
[評価基準]
〇(優良) :J1=50g/m・day未満
〇△(良) :J1=50g/m・day以上、J1=100g/m・day未満
△(実用可) :J1=100g/m・day以上、J1=200g/m・day未満
×(実用不可):J1=200g/m・day以上
【0067】
(室温接着力)
水蒸気透過度の評価と同様の方法で湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物を有するPETフィルムを作製した。次いで幅25mm、長さ80mmに断裁し、被着体としてステンレス(SUS)板に、100℃、1kgf、5秒の条件で25mm×25mmの幅をヒートシールすることで試験片を得た。試験片を23℃の恒温室中で1時間静置した後、23℃の雰囲気中で、試験片の180度角剥離強度(剥離速度:300mm/分)を測定し耐熱接着力とした。
[評価基準]
〇(優良) :40N/25mm以上
〇△(良) :10N/25mm以上、40N/25mm未満
△(実用可) :5N/25mm以上、10N/25mm未満
×(実用不可) :5N/25mm未満
【0068】
(耐熱接着力)
室温接着力の評価と同様の方法で試験片を得た。次いで、試験片を80℃の恒温室中で1時間静置した後、80℃の雰囲気中で、試験片の180度角剥離強度(剥離速度:300mm/分)を測定し耐熱接着力とした。
[評価基準]
〇(優良) :20N/25mm以上
〇△(良) :10N/25mm以上、20N/25mm未満
△(実用可) :5N/25mm以上、10N/25mm未満
×(実用不可):5N/25mm未満
【0069】
(耐熱保持力)
室温接着力の評価と同様の方法で試験片を得た。次いで、試験片を23℃の恒温室中で1時間静置した後、80℃のオーブン中で、1kgの荷重を接着剤層面に対して平行方向にかけ、荷重負荷開始から24時間後にもとの位置からのずれ長さ(mm)を測定し耐熱保持力を評価した。
[評価基準]
〇(優良) :0mm(ずれなし)
〇△(良) :0mmを超えて3mm未満
△(実用可) :3mm以上、25mm未満
×(実用不可) :25mm以上
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
表1、2における材料の詳細は以下の通りである。
【0073】
(水素化ポリブタジエンポリオール)
・GI-3000;「NISSO-PB GI-3000」(日本曹達社、数平均分子量3900)
・GI-2000;「NISSO-PB GI-2000」(日本曹達社、数平均分子量2300)
・GI-1000;「NISSO-PB GI-1000」(日本曹達社、数平均分子量1600)
(ポリブタジエンポリオール)
・G-3000;「NISSO-PB G-3000」(日本曹達社、数平均分子量3900)
(その他ポリオール)
・PP-4000;「サンニックス PP-4000」(三洋化成社、ポリエーテルポリオール、数平均分子量4100)
(ポリイソシアネート)
・4,4’-MDI;4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
(液状ゴム)
・TETRAX 3T;ENEOS社、液状ポリイソブチレン
・LIR-290;「クラプレン LIR-290」(クラレ社、水添液状ポリイソプレン)
・RICON130;クレイバレー社、液状ポリブタジエン
・RICON181;クレイバレー社、液状スチレン-ブタジエンゴム
・Nipol 1312;ZEON社、液状アクリロニトリル-ブタジエンゴム
(粘着付与樹脂)
・M-135;「アルコンM-135」(荒川化学社、部分水添芳香族系石油樹脂、軟化点135℃)
・M-100;「アルコンM-100」(荒川化学社、部分水添芳香族系石油樹脂、軟化点100℃)
・FTR0150;三井化学社、芳香族系石油樹脂、軟化点145℃
・KE-100;「パインクリスタルKE-100」(荒川化学社、ロジンエステル、軟化点100℃)
・エステルガムAT:荒川化学社、液状ロジンエステル
【0074】
表1、2の実施例1~25に示す本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、耐熱接着力及び耐熱保持力に加えて、水蒸気バリア性に優れていた。
【0075】
一方、表2の比較例1に示す湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ポリブタジエンに由来する構造単位及び/又は水素化ポリブタジエンに由来する構造単位を含まない様態であり、水蒸気バリア性が実用不可であった。
【0076】
また、表2の比較例2に示す湿気硬化型ホットメルト接着剤は、前記液状ゴムを含まない様態であり、耐熱接着力が実用不可であった。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、耐熱接着力及び耐熱保持力に優れ、かつ、水蒸気バリア性に優れるため、半導体や電子部品用途以外に、繊維、自動車、建材用途や不織布、布、革の貼り合わせにも好適に使用できる。