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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077336
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240531BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240531BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240531BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240531BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240531BHJP
   G02F 1/13 20060101ALN20240531BHJP
【FI】
G09F9/30 338
H01L29/78 618B
H01L29/78 612D
H01L29/78 612B
G02F1/1368
G09F9/00 338
G02F1/13 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189375
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 裕一
(72)【発明者】
【氏名】蜂谷 篤史
(72)【発明者】
【氏名】古川 博章
【テーマコード(参考)】
2H088
2H192
5C094
5F110
5G435
【Fターム(参考)】
2H088EA08
2H088EA10
2H192AA24
2H192BB12
2H192BC31
2H192CB08
2H192CB37
2H192EA15
2H192EA67
2H192HA43
2H192HA47
2H192HA63
2H192JA33
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA09
5C094DA13
5C094DA15
5C094FB14
5C094GB10
5F110AA16
5F110BB02
5F110CC01
5F110CC02
5F110DD02
5F110DD13
5F110DD14
5F110EE02
5F110EE07
5F110EE14
5F110EE25
5F110EE30
5F110FF02
5F110GG01
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG15
5F110GG26
5F110HL02
5F110HL14
5F110NN03
5F110NN04
5F110NN23
5F110NN24
5F110NN27
5F110NN46
5F110NN78
5F110PP03
5F110QQ08
5G435AA17
5G435BB12
5G435CC09
5G435HH13
5G435HH14
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】
【課題】タクトの短縮化を図る。
【解決手段】表示装置11は、第1半導体部15Dと、第1絶縁膜30と、第1電極15Aと、第2電極27Aと、第2絶縁膜31と、第2半導体部27Dと、第3絶縁膜34と、第3電極15B,15Cと、第4電極27Bと、を備え、第2絶縁膜31は、少なくとも第2半導体部27Dと重畳して配され、第1半導体部15Dと重畳する範囲には非形成とされ、第1絶縁膜30及び第3絶縁膜34には、第3電極15B,15Cを第1半導体部15Dに接続する第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられ、第3絶縁膜34には、第4電極27Bを第2半導体部27Dに接続する第2コンタクトホール27CH1が設けられる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体膜からなる第1半導体部と、
前記第1半導体膜の上層側に配される第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の上層側に配される第1導電膜からなり、前記第1半導体部の一部と重畳して配される第1電極と、
前記第1導電膜のうち、前記第1電極とは別の部分からなる第2電極と、
前記第1導電膜の上層側に配される第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜の上層側に配される第2半導体膜からなり、一部が前記第2電極と重畳して配される第2半導体部と、
前記第2半導体膜よりも上層側に配される第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜の上層側に配される第2導電膜からなり、前記第1半導体部と重畳して前記第1電極とは非重畳となる位置に配される第3電極と、
前記第2導電膜のうち、前記第3電極とは別の部分からなり、前記第2半導体部の一部と重畳して配される第4電極と、を備え、
前記第2絶縁膜は、少なくとも前記第2半導体部と重畳して配され、前記第1半導体部と重畳する範囲には非形成とされ、
前記第1絶縁膜及び前記第3絶縁膜のうち、前記第1半導体部及び前記第3電極と重畳する位置には、前記第3電極を前記第1半導体部に接続する第1コンタクトホールが設けられ、
前記第3絶縁膜のうち、前記第2半導体部及び前記第4電極と重畳する位置には、前記第4電極を前記第2半導体部に接続する第2コンタクトホールが設けられる表示装置。
【請求項2】
前記第2半導体膜の上層側で前記第3絶縁膜よりも下層側に配される第4絶縁膜と、
前記第4絶縁膜の上層側で前記第3絶縁膜の下層側に配される第3導電膜からなり、前記第2半導体部の一部と重畳して配される第5電極と、を備え、
前記第5電極は、前記第2電極に接続されている請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第4絶縁膜は、少なくとも前記第1半導体部及び前記第2半導体部とそれぞれ重畳して配され、
前記第4絶縁膜には、前記第1コンタクトホールの一部と、前記第2コンタクトホールの一部と、が設けられる請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記第4絶縁膜は、前記第5電極または前記第2半導体部と重畳して配される請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
前記第4絶縁膜は、前記第5電極と重畳して配される請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記第4絶縁膜は、前記第2半導体部と重畳して配され、
前記第4絶縁膜のうち、前記第2半導体部と重畳する位置に前記第2コンタクトホールの一部が設けられる請求項4記載の表示装置。
【請求項7】
画素電極と、
前記画素電極が配されて画像が表示される表示領域と、
前記表示領域に配されて前記画素電極に接続される第6電極と、
前記表示領域に配される第1配線と、
前記表示領域に配される第2配線と、
前記第1配線及び前記第2配線の少なくとも一方に信号を供給する回路部と、を備え、
前記第1半導体膜は、ポリシリコン半導体材料からなり、
前記第2半導体膜は、酸化物半導体材料からなり、
前記第1半導体部、前記第1電極及び前記第3電極は、前記回路部に配され、
前記第2半導体部、前記第2電極及び前記第4電極は、前記表示領域に配され、
前記第2電極は、前記第1配線に接続され、
前記第4電極は、前記第2配線に接続され、
前記第6電極は、前記第2半導体部に接続される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
第1半導体膜からなる第1半導体部と、
前記第1半導体膜の上層側に配される第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の上層側に配される第1導電膜からなり、前記第1半導体部の一部と重畳して配される第1電極と、
前記第1導電膜の上層側に配される第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜の上層側に配される第2半導体膜からなる第2半導体部と、
前記第2半導体膜の上層側に配される第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜の上層側に配される第2導電膜からなり、前記第2半導体部の一部と重畳して配される第2電極と、
前記第2導電膜の上層側に配される第4絶縁膜と、
前記第4絶縁膜の上層側に配される第3導電膜からなり、前記第1半導体部と重畳して前記第1電極とは非重畳となる位置に配される第3電極と、
前記第3導電膜のうち、前記第3電極とは別の部分からなり、前記第2半導体部と重畳して前記第2電極とは非重畳となる位置に配される第4電極と、を備え、
前記第2絶縁膜は、少なくとも前記第2半導体部と重畳して配され、前記第1半導体部と重畳する範囲には非形成とされ、
前記第3絶縁膜は、少なくとも前記第2電極と重畳して配され、
前記第1絶縁膜及び前記第4絶縁膜のうち、前記第1半導体部及び前記第3電極と重畳する位置には、前記第3電極を前記第1半導体部に接続する第1コンタクトホールが設けられ
前記第4絶縁膜のうち、前記第2半導体部及び前記第4電極と重畳する位置には、前記第4電極を前記第2半導体部に接続する第2コンタクトホールが設けられる表示装置。
【請求項9】
第1半導体膜を成膜し、前記第1半導体膜をパターニングして第1半導体部を設け、
前記第1半導体膜の上層側に第1絶縁膜を成膜し、
前記第1絶縁膜の上層側に第1導電膜を成膜し、前記第1導電膜をパターニングして前記第1半導体部の一部と重畳して配される第1電極と、第2電極と、を設け、
前記第1導電膜の上層側に第2絶縁膜を成膜し、
前記第2絶縁膜の上層側に第2半導体膜を成膜し、前記第2半導体膜をパターニングして一部が前記第2電極と重畳して配される第2半導体部を設け、
前記第2絶縁膜をパターニングして、少なくとも前記第2半導体部と重畳させ、前記第1半導体部と重畳する範囲には非形成とし、
前記第2半導体膜よりも上層側に第3絶縁膜を成膜し、前記第3絶縁膜をパターニングして、前記第1半導体部の一部と重畳して前記第1電極とは非重畳となる位置に第1コンタクトホールの一部を設け、前記第2半導体部の一部と重畳する位置に第2コンタクトホールを設け、
前記第3絶縁膜に続いて前記第1絶縁膜をパターニングして、前記第1半導体部の一部と重畳して前記第1電極とは非重畳となる位置に前記第1コンタクトホールの一部を設け、
前記第3絶縁膜の上層側に第2導電膜を成膜し、前記第2導電膜をパターニングして、前記第1コンタクトホールと重畳して配されて前記第1コンタクトホールを通して前記第1半導体部に接続される第3電極と、前記第2コンタクトホールと重畳して配されて前記第2コンタクトホールを通して前記第2半導体部に接続される第4電極と、を設ける表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2半導体膜のパターニングに際しては、前記第2半導体膜の上層側に第1フォトレジスト膜を成膜し、前記第1フォトレジスト膜を露光・現像してから、前記第1フォトレジスト膜をマスクとして前記第2半導体膜をエッチングして前記第2半導体部を設け、
前記第2絶縁膜のパターニングに際しては、前記第1フォトレジスト膜をマスクとして前記第2絶縁膜をエッチングする請求項9記載の表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2半導体膜のパターニングに際しては、前記第2半導体膜をウェットエッチングし、
前記第2絶縁膜のパターニングに際しては、前記第2絶縁膜をドライエッチングする請求項10記載の表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記第2絶縁膜のパターニングに際しては、前記第2絶縁膜のエッチングレートを、前記第1絶縁膜のエッチングレートよりも高くする請求項10または請求項11記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記第2絶縁膜を成膜するに際しては、前記第1導電膜の上層側に前記第1絶縁膜と同じ材料の下層膜を成膜し、前記下層膜の上層側に上層膜を成膜することで、積層構造の前記第2絶縁膜を設ける請求項10または請求項11記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記第3絶縁膜を成膜する前に、前記第2半導体膜の上層側に第4絶縁膜を成膜するとともに、前記第4絶縁膜の上層側に第3導電膜を成膜し、前記第3導電膜をパターニングして前記第2半導体部の一部と重畳して配される第5電極を設けており、
前記第3導電膜のパターニングに際しては、前記第3導電膜の上層側に第2フォトレジスト膜を成膜し、前記第2フォトレジスト膜を露光・現像してから、前記第2フォトレジスト膜をマスクとして前記第3導電膜をエッチングして前記第5電極を設け、
前記第4絶縁膜のパターニングに際しては、前記第2フォトレジスト膜をマスクとして前記第4絶縁膜をエッチングする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記第3絶縁膜を成膜する前に、前記第2半導体膜の上層側に第4絶縁膜を成膜するとともに、前記第4絶縁膜の上層側に第3導電膜を成膜し、前記第3導電膜をパターニングして前記第2半導体部の一部と重畳して配される第5電極を設けており、
前記第2半導体膜のパターニングに際しては、前記第2半導体膜の上層側に第1フォトレジスト膜を成膜し、前記第1フォトレジスト膜を、第1フォトマスクを介して露光してから、前記第1フォトレジスト膜を現像し、前記第1フォトレジスト膜をマスクとして前記第2半導体膜をエッチングして前記第2半導体部を設け、
前記第4絶縁膜のパターニングに際しては、前記第4絶縁膜の上層側に第3フォトレジスト膜を成膜し、前記第3フォトレジスト膜を、前記第1フォトマスクと同じパターンを有する第2フォトマスクを介して露光してから、前記第3フォトレジスト膜を現像し、前記第3フォトレジスト膜をマスクとして前記第4絶縁膜をエッチングする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、表示装置及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置の一例として下記特許文献1,2に記載された表示装置が知られている。特許文献1に記載の表示装置は、基板上に形成された薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタアレイ基板を備える。薄膜トランジスタアレイ基板は、基板上に形成されたゲート電極および前記ゲート電極に接続するゲート配線と、ゲート電極およびゲート配線を覆うゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成された半導体膜と、ゲート電極の上方において、半導体膜上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、半導体膜上に形成され、ソース電極に接続するソース配線と、ドレイン電極上に直接重ねて形成された画素電極と、ソース電極、ドレイン電極、ソース配線および画素電極を覆う層間絶縁膜と、層間絶縁膜を介して画素電極に対向配置された対向電極とを備え、半導体膜は、ソース電極とドレイン電極との間の領域を除いて、ソース電極、ドレイン電極およびソース配線と同様にパターニングされており、ゲート絶縁膜は、層間絶縁膜と接する領域に、他の部分よりも薄い薄膜部を有している。薄膜トランジスタアレイ基板の製造に際しては、第1の透明導電膜をパターニングして画素電極を形成するエッチング工程と、金属膜をエッチングしてソース電極およびドレイン電極を形成する共にTFTのチャネル領域となる半導体膜を露出させるエッチング工程とは別々に行われる。画素電極を形成するエッチング工程では、第1の透明導電膜の下から露出したパターン残部の金属膜、オーミックコンタクト膜、半導体膜を除去可能なドライエッチングも行われる。このとき露出していたゲート絶縁膜の部分は上面が削られ、薄膜部が形成される。
【0003】
特許文献2に記載の表示装置は、第1ゲートを含む第1金属層と、第1ソース、第1ドレイン及び第2ゲートを含む第2金属層と、両端が第1ソース及び第1ドレインにそれぞれ電気的に接続されるポリシリコン半導体層と、第2ソース及び第2ドレインを含む第3金属層と、両端が第2ソース及び第2ドレインにそれぞれ電気的に接続される金属酸化物半導体層と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-149410号公報
【0005】
【特許文献2】特表2022-522556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献2に記載の表示装置では、ポリシリコン半導体層に接続される第1ソース及び第1ドレインが第2金属層からなり、金属酸化物半導体層に接続される第2ソース及び第2ドレインが第3金属層からなる。このため、ポリシリコン半導体層と第2金属層との間に位置する第1絶縁層及びゲート絶縁層に第1コンタクトホールを形成する工程と、金属酸化物半導体層と第3金属層との間に位置する第2絶縁層及び第3絶縁層に第2コンタクトホールを形成する工程と、がそれぞれ必要となっている。このため、タクトが長くなる問題があった。また、第1絶縁層及びゲート絶縁層をパターニングするためのフォトマスクと、第2絶縁層及び第3絶縁層をパターニングするためのフォトマスクと、を用意する必要があった。これらの問題は、特許文献1に記載された技術を特許文献2に適用しても解決することが困難であった。
【0007】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、タクトの短縮化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、第1半導体膜からなる第1半導体部と、前記第1半導体膜の上層側に配される第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上層側に配される第1導電膜からなり、前記第1半導体部の一部と重畳して配される第1電極と、前記第1導電膜のうち、前記第1電極とは別の部分からなる第2電極と、前記第1導電膜の上層側に配される第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜の上層側に配される第2半導体膜からなり、一部が前記第2電極と重畳して配される第2半導体部と、前記第2半導体膜よりも上層側に配される第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜の上層側に配される第2導電膜からなり、前記第1半導体部と重畳して前記第1電極とは非重畳となる位置に配される第3電極と、前記第2導電膜のうち、前記第3電極とは別の部分からなり、前記第2半導体部の一部と重畳して配される第4電極と、を備え、前記第2絶縁膜は、少なくとも前記第2半導体部と重畳して配され、前記第1半導体部と重畳する範囲には非形成とされ、前記第1絶縁膜及び前記第3絶縁膜のうち、前記第1半導体部及び前記第3電極と重畳する位置には、前記第3電極を前記第1半導体部に接続する第1コンタクトホールが設けられ、前記第3絶縁膜のうち、前記第2半導体部及び前記第4電極と重畳する位置には、前記第4電極を前記第2半導体部に接続する第2コンタクトホールが設けられる。
【0009】
(2)また、上記表示装置は、上記(1)に加え、前記第2半導体膜の上層側で前記第3絶縁膜よりも下層側に配される第4絶縁膜と、前記第4絶縁膜の上層側で前記第3絶縁膜の下層側に配される第3導電膜からなり、前記第2半導体部の一部と重畳して配される第5電極と、を備え、前記第5電極は、前記第2電極に接続されてもよい。
【0010】
(3)また、上記表示装置は、上記(2)に加え、前記第4絶縁膜は、少なくとも前記第1半導体部及び前記第2半導体部とそれぞれ重畳して配され、前記第4絶縁膜には、前記第1コンタクトホールの一部と、前記第2コンタクトホールの一部と、が設けられてもよい。
【0011】
(4)また、上記表示装置は、上記(2)に加え、前記第4絶縁膜は、前記第5電極または前記第2半導体部と重畳して配されてもよい。
【0012】
(5)また、上記表示装置は、上記(4)に加え、前記第4絶縁膜は、前記第5電極と重畳して配されてもよい。
【0013】
(6)また、上記表示装置は、上記(4)に加え、前記第4絶縁膜は、前記第2半導体部と重畳して配され、前記第4絶縁膜のうち、前記第2半導体部と重畳する位置に前記第2コンタクトホールの一部が設けられてもよい。
【0014】
(7)また、上記表示装置は、上記(1)から上記(6)のいずれかに加え、画素電極と、前記画素電極が配されて画像が表示される表示領域と、前記表示領域に配されて前記画素電極に接続される第6電極と、前記表示領域に配される第1配線と、前記表示領域に配される第2配線と、前記第1配線及び前記第2配線の少なくとも一方に信号を供給する回路部と、を備え、前記第1半導体膜は、ポリシリコン半導体材料からなり、前記第2半導体膜は、酸化物半導体材料からなり、前記第1半導体部、前記第1電極及び前記第3電極は、前記回路部に配され、前記第2半導体部、前記第2電極及び前記第4電極は、前記表示領域に配され、前記第2電極は、前記第1配線に接続され、前記第4電極は、前記第2配線に接続され、前記第6電極は、前記第2半導体部に接続されてもよい。
【0015】
(8)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、第1半導体膜からなる第1半導体部と、前記第1半導体膜の上層側に配される第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上層側に配される第1導電膜からなり、前記第1半導体部の一部と重畳して配される第1電極と、前記第1導電膜の上層側に配される第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜の上層側に配される第2半導体膜からなる第2半導体部と、前記第2半導体膜の上層側に配される第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜の上層側に配される第2導電膜からなり、前記第2半導体部の一部と重畳して配される第2電極と、前記第2導電膜の上層側に配される第4絶縁膜と、前記第4絶縁膜の上層側に配される第3導電膜からなり、前記第1半導体部と重畳して前記第1電極とは非重畳となる位置に配される第3電極と、前記第3導電膜のうち、前記第3電極とは別の部分からなり、前記第2半導体部と重畳して前記第2電極とは非重畳となる位置に配される第4電極と、を備え、前記第2絶縁膜は、少なくとも前記第2半導体部と重畳して配され、前記第1半導体部と重畳する範囲には非形成とされ、前記第3絶縁膜は、少なくとも前記第2電極と重畳して配され、前記第1絶縁膜及び前記第4絶縁膜のうち、前記第1半導体部及び前記第3電極と重畳する位置には、前記第3電極を前記第1半導体部に接続する第1コンタクトホールが設けられ前記第4絶縁膜のうち、前記第2半導体部及び前記第4電極と重畳する位置には、前記第4電極を前記第2半導体部に接続する第2コンタクトホールが設けられる。
【0016】
(9)本明細書に記載の技術に関わる表示装置の製造方法は、第1半導体膜を成膜し、前記第1半導体膜をパターニングして第1半導体部を設け、前記第1半導体膜の上層側に第1絶縁膜を成膜し、前記第1絶縁膜の上層側に第1導電膜を成膜し、前記第1導電膜をパターニングして前記第1半導体部の一部と重畳して配される第1電極と、第2電極と、を設け、前記第1導電膜の上層側に第2絶縁膜を成膜し、前記第2絶縁膜の上層側に第2半導体膜を成膜し、前記第2半導体膜をパターニングして一部が前記第2電極と重畳して配される第2半導体部を設け、前記第2絶縁膜をパターニングして、少なくとも前記第2半導体部と重畳させ、前記第1半導体部と重畳する範囲には非形成とし、前記第2半導体膜よりも上層側に第3絶縁膜を成膜し、前記第3絶縁膜をパターニングして、前記第1半導体部の一部と重畳して前記第1電極とは非重畳となる位置に第1コンタクトホールの一部を設け、前記第2半導体部の一部と重畳する位置に第2コンタクトホールを設け、前記第3絶縁膜に続いて前記第1絶縁膜をパターニングして、前記第1半導体部の一部と重畳して前記第1電極とは非重畳となる位置に前記第1コンタクトホールの一部を設け、前記第3絶縁膜の上層側に第2導電膜を成膜し、前記第2導電膜をパターニングして、前記第1コンタクトホールと重畳して配されて前記第1コンタクトホールを通して前記第1半導体部に接続される第3電極と、前記第2コンタクトホールと重畳して配されて前記第2コンタクトホールを通して前記第2半導体部に接続される第4電極と、を設ける。
【0017】
(10)また、上記表示装置の製造方法は、上記(9)に加え、前記第2半導体膜のパターニングに際しては、前記第2半導体膜の上層側に第1フォトレジスト膜を成膜し、前記第1フォトレジスト膜を露光・現像してから、前記第1フォトレジスト膜をマスクとして前記第2半導体膜をエッチングして前記第2半導体部を設け、前記第2絶縁膜のパターニングに際しては、前記第1フォトレジスト膜をマスクとして前記第2絶縁膜をエッチングしてもよい。
【0018】
(11)また、上記表示装置の製造方法は、上記(10)に加え、前記第2半導体膜のパターニングに際しては、前記第2半導体膜をウェットエッチングし、前記第2絶縁膜のパターニングに際しては、前記第2絶縁膜をドライエッチングしてもよい。
【0019】
(12)また、上記表示装置の製造方法は、上記(10)または上記(11)に加え、前記第2絶縁膜のパターニングに際しては、前記第2絶縁膜のエッチングレートを、前記第1絶縁膜のエッチングレートよりも高くしてもよい。
【0020】
(13)また、上記表示装置の製造方法は、上記(10)から上記(12)のいずれかに加え、前記第2絶縁膜を成膜するに際しては、前記第1導電膜の上層側に前記第1絶縁膜と同じ材料の下層膜を成膜し、前記下層膜の上層側に上層膜を成膜することで、積層構造の前記第2絶縁膜を設けてもよい。
【0021】
(14)また、上記表示装置の製造方法は、上記(9)から上記(13)のいずれかに加え、前記第3絶縁膜を成膜する前に、前記第2半導体膜の上層側に第4絶縁膜を成膜するとともに、前記第4絶縁膜の上層側に第3導電膜を成膜し、前記第3導電膜をパターニングして前記第2半導体部の一部と重畳して配される第5電極を設けており、前記第3導電膜のパターニングに際しては、前記第3導電膜の上層側に第2フォトレジスト膜を成膜し、前記第2フォトレジスト膜を露光・現像してから、前記第2フォトレジスト膜をマスクとして前記第3導電膜をエッチングして前記第5電極を設け、前記第4絶縁膜のパターニングに際しては、前記第2フォトレジスト膜をマスクとして前記第4絶縁膜をエッチングしてもよい。
【0022】
(15)また、上記表示装置の製造方法は、上記(9)から上記(13)のいずれかに加え、前記第3絶縁膜を成膜する前に、前記第2半導体膜の上層側に第4絶縁膜を成膜するとともに、前記第4絶縁膜の上層側に第3導電膜を成膜し、前記第3導電膜をパターニングして前記第2半導体部の一部と重畳して配される第5電極を設けており、前記第2半導体膜のパターニングに際しては、前記第2半導体膜の上層側に第1フォトレジスト膜を成膜し、前記第1フォトレジスト膜を、第1フォトマスクを介して露光してから、前記第1フォトレジスト膜を現像し、前記第1フォトレジスト膜をマスクとして前記第2半導体膜をエッチングして前記第2半導体部を設け、前記第4絶縁膜のパターニングに際しては、前記第4絶縁膜の上層側に第3フォトレジスト膜を成膜し、前記第3フォトレジスト膜を、前記第1フォトマスクと同じパターンを有する第2フォトマスクを介して露光してから、前記第3フォトレジスト膜を現像し、前記第3フォトレジスト膜をマスクとして前記第4絶縁膜をエッチングしてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本明細書に記載の技術によれば、タクトの短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態1に係るヘッドマウントディスプレイを使用者が頭部に装着した状態を示す概略斜視図
図2】実施形態1に係るヘッドマウントディスプレイを構成する頭部装着器具に備わる液晶表示装置及びレンズ部と、使用者の眼球と、の光学的関係を示す概略側面図
図3】実施形態1に係る液晶表示装置に備わる液晶パネル及びフレキシブル基板の概略平面図
図4】実施形態1に係る液晶パネルの概略的な断面図
図5】実施形態1に係る液晶パネルに備わるアレイ基板の表示領域における画素配列を示す回路図
図6】実施形態1に係るアレイ基板に備わる第1TFT及び第2TFTの断面図
図7】実施形態1に係る比較例のアレイ基板に備わる第1TFT及び第2TFTの断面図
図8】実施形態1に係るアレイ基板製造工程に含まれる第6工程にて第1フォトレジスト膜が現像された状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図9】実施形態1に係るアレイ基板製造工程に含まれる第6工程にて第2半導体膜をウェットエッチングした状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図10】実施形態1に係るアレイ基板製造工程に含まれる第6工程にて第2絶縁膜をドライエッチングした状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図11】実施形態1に係るアレイ基板製造工程に含まれる第9工程にて第2フォトレジスト膜を現像した状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図12】実施形態1に係るアレイ基板製造工程に含まれる第9工程にて第3絶縁膜をエッチングした状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図13】実施形態1に係るアレイ基板製造工程に含まれる第10工程にて第4金属膜をエッチングした状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図14】実施形態2に係るアレイ基板に備わる第1TFT及び第2TFTの断面図
図15】実施形態2に係るアレイ基板製造工程に含まれる第8工程にて第3フォトレジスト膜を現像した状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図16】実施形態2に係るアレイ基板製造工程に含まれる第8工程にて第3金属膜をウェットエッチングした状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図17】実施形態2に係るアレイ基板製造工程に含まれる第8工程にて第4絶縁膜をドライエッチングした状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図18】実施形態3に係るアレイ基板に備わる第1TFT及び第2TFTの断面図
図19】実施形態3に係るアレイ基板製造工程に含まれる第6工程にて第1フォトマスクを介して第1フォトレジスト膜が露光された状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図20】実施形態3に係るアレイ基板製造工程に含まれる第17工程にて第2フォトマスクを介して第4フォトレジスト膜が露光された状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図21】実施形態3に係るアレイ基板製造工程に含まれる第17工程にて第4フォトレジスト膜が現像された状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図22】実施形態3に係るアレイ基板製造工程に含まれる第17工程にて第2絶縁膜がドライエッチングされた状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図23】実施形態4に係るアレイ基板に備わる第1TFT及び第2TFTの断面図
図24】実施形態4に係るアレイ基板製造工程に含まれる第6工程にて第2絶縁膜をドライエッチングした状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図25】実施形態5に係るアレイ基板に備わる第1TFT及び第2TFTの断面図
図26】実施形態5に係るアレイ基板製造工程に含まれる第6工程にて第2絶縁膜をドライエッチングした状態を示す第1TFT及び第2TFTの断面図
図27】実施形態6に係るアレイ基板に備わる第1TFT及び第2TFTの断面図
図28】実施形態7に係るアレイ基板に備わる第1TFT及び第2TFTの断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態1>
実施形態1を図1から図13によって説明する。本実施形態では、ゴーグル型のヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head-Mounted Display)10HMD及びそれに用いられる液晶表示装置10を例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。
【0026】
図1を用いてゴーグル型のヘッドマウントディスプレイ10HMDの外観を説明する。ヘッドマウントディスプレイ10HMDは、図1に示すように、使用者の頭部10HDに装着される頭部装着器具10HMDaを備える。頭部装着器具10HMDaは、使用者の両方の眼を囲っている。
【0027】
図2を用いて頭部装着器具10HMDaの構成を説明する。頭部装着器具10HMDaには、図2に示すように、画像を表示する液晶表示装置10と、液晶表示装置10に表示された画像を使用者の眼球10EYに結像させるレンズ部10REと、が少なくとも内蔵されている。液晶表示装置10は、液晶パネル(表示装置)11と、液晶パネル11に光を照射するバックライト装置(照明装置)12と、を少なくとも備える。液晶パネル11のうちの、レンズ部10RE側の主面が、画像を表示する表示面11DSとされる。レンズ部10REは、液晶表示装置10と使用者の眼球10EYとの間に介在するよう配される。レンズ部10REにより光に屈折作用が付与される。このレンズ部10REの焦点距離を調整することで、使用者は、眼球10EYの水晶体10EYaを介して網膜10EYbに結像される像が、眼球10EYからの距離L2の位置に見かけ上存在する仮想ディスプレイ10VDに表示されている、と認識することができる。この距離L2は、眼球10EYから液晶表示装置10までの実際の距離L1よりも遙かに大きい。これにより、使用者は、液晶表示装置10の画面サイズ(例えば0.数インチから数インチ程度)よりも遙かに大きな画面サイズ(例えば数十インチから数百インチ程度)の仮想ディスプレイ10VDに表示された虚像である拡大画像を視認することができる。
【0028】
なお、頭部装着器具10HMDaに液晶表示装置10を1つ搭載し、その液晶表示装置10に右目用画像と左目用画像とを表示させることが可能である。それ以外に、頭部装着器具10HMDaに液晶表示装置10を2つ搭載し、一方の液晶表示装置10に右目用画像を、他方の液晶表示装置10に左目用画像を、それぞれ表示させことも可能である。また、頭部装着器具10HMDaには、使用者の耳に宛てがわれて音声を発するイヤフォンなどが備えられてもよい。
【0029】
図3等を用いて液晶表示装置10に備わる液晶パネル11の構成について説明する。なお、バックライト装置12の構成は、既知の通りであり、例えば、LEDなどの光源や光源からの光に光学作用を付与することで面状の光に変換する光学部材などを有する。液晶パネル11は、図3に示すように、平面に視て全体として方形状をなしている。液晶パネル11は、画面の中央側部分が、画像が表示される表示領域AAとされる。液晶パネル11は、画面における表示領域AAを取り囲む額縁状の外周側部分が、画像が表示されない非表示領域NAAとされる。図3において一点鎖線により囲った範囲が表示領域AAである。なお、本実施形態に係る液晶パネル11は、上記したヘッドマウントディスプレイ10HMDに用いられるものであることから、極めて高い精細度となっており、その画素密度は、例えば800ppi~1800ppiの範囲程度とされる。
【0030】
液晶パネル11は、図3に示すように、一対の基板20,21を貼り合わせてなる。一対の基板20,21のうち、表側に配されるものが対向基板(CF基板)20であり、裏側に配されるものがアレイ基板(アクティブマトリクス基板)21である。対向基板20及びアレイ基板21は、いずれもほぼ透明で優れた透光性を有するガラス製の基板20GS,21GSの内面側に各種の膜が積層形成されてなるものとされる。基板20GS,21GSは、主な材料として例えば無アルカリガラスを含む。このうちのアレイ基板21は、対向基板20よりも大型となっていてその一部が対向基板20に対して側方に突き出している。アレイ基板21の突き出し部分21Aには、フレキシブル基板13が実装されている。フレキシブル基板13は、絶縁性及び可撓性を有する基材上に多数本の配線パターンを形成した構成とされる。フレキシブル基板13は、一端側がアレイ基板21に、他端側が外部のコントロール基板(信号供給源)(不図示)に、それぞれ接続されている。コントロール基板から供給される各種信号は、フレキシブル基板13を介して液晶パネル11に伝送される。
【0031】
液晶パネル11の非表示領域NAAには、図3に示すように、回路部(周辺回路部)14が設けられている。回路部14には、第1回路部14Aと、第2回路部14Bと、が含まれる。第1回路部14Aは、表示領域AAをX軸方向について両側から挟み込む形で一対が配されている。第1回路部14Aは、Y軸方向に沿って延在する帯状の範囲に設けられている。第1回路部14Aは、後述するゲート配線25に走査信号を供給するためのものであり、アレイ基板21にモノリシックに設けられている。第1回路部14Aは、GDM(Gate Driver Monolithic)回路である。第1回路部14Aは、走査信号を所定のタイミングで出力するシフトレジスタ回路や走査信号を増幅するためのバッファ回路等を含む。第2回路部14Bは、Y軸方向について表示領域AAとフレキシブル基板13との間に挟まれた位置に配されている。第2回路部14Bは、X軸方向に沿って延在する帯状の範囲に設けられている。第2回路部14Bは、後述するソース配線26に画像信号(データ信号)を供給するためのものであり、アレイ基板21にモノリシックに設けられている。第2回路部14Bは、デマルチプレクサ回路(ソース信号分割回路)等を含む。第2回路部14Bは、ソースドライバ14Cにより供給される画像信号(ソース信号)を分割して、各ソース配線26に振り分けるスイッチ機能等を有している。回路部14を構成する第1回路部14A及び第2回路部14Bには、様々な回路素子が備えられているが、その中には少なくとも第1TFT(第1スイッチング素子)15が含まれる。第1TFT15の詳しい構成については、後に改めて説明する。
【0032】
次に、図4を用いて液晶パネル11の断面構成の概略を説明する。一対の基板20,21は、図4に示すように、基板20,21の板面の法線方向であるZ軸方向に間隔を空けて対向して配される。一対の基板20,21の間には、少なくとも、液晶層22と、液晶層22を封止(シール)するシール部23と、が介在して設けられている。液晶層22は、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む。シール部23は、全体として平面に視て方形の枠状(無端環状)をなしており、非表示領域NAAにて液晶層22を全周にわたって取り囲んでいる。このシール部23により液晶層22の厚さ分のギャップ(セルギャップ)が保持される。一対の基板20,21の外面側には、それぞれ偏光板24が貼り付けられている。
【0033】
アレイ基板21の表示領域AAにおける内面側には、図5に示すように、格子状をなす複数本ずつのゲート配線(第1配線、走査配線)25及びソース配線(第2配線、画像配線)26が配されている。ゲート配線25は、表示領域AAを横断する形で概ねX軸方向に沿って延在する。ゲート配線25は、複数がY軸方向に間隔を空けて並んで配される。複数のゲート配線25には、上記した第1回路部14Aから出力される走査信号が、図5の上段側から順に供給されるようになっている。ソース配線26は、表示領域AAを縦断する形で概ねY軸方向に沿って延在し、ゲート配線25と交差する。ソース配線26は、複数がX軸方向に間隔を空けて配される。ソース配線26には、上記した第2回路部14Bから出力される画像信号が分配される。ゲート配線25及びソース配線26の交差部位付近には、第2TFT(第2スイッチング素子)27及び画素電極28が設けられている。第2TFT27及び画素電極28は、X軸方向及びY軸方向に沿って複数ずつ規則的に並んで配されている。第2TFT27には、ゲート配線25、ソース配線26及び画素電極28が接続されている。第2TFT27は、ゲート配線25に供給される走査信号に基づいて駆動されると、ソース配線26に供給される画像信号に基づいた電位に画素電極28を充電する。
【0034】
続いて、図6を用いてアレイ基板21のガラス基板21GSに積層される各種の膜について詳しく説明する。図6には、非表示領域NAAの回路部14(第1TFT15)の断面構成と、表示領域AA(第2TFT27)の断面構成と、が図示されている。アレイ基板21のガラス基板21GSには、図6に示すように、下層側(ガラス基板21GS側)から順に、第1金属膜(遮光膜)、ベースコート膜29、第1半導体膜、第1絶縁膜30、第2金属膜(第1導電膜)、第2絶縁膜31、第2半導体膜32(図8を参照)、第4絶縁膜33、第3金属膜(第3導電膜)、第3絶縁膜34、第4金属膜(第2導電膜)35(図13を参照)、第5絶縁膜36、第5金属膜、第6絶縁膜37、第1透明電極膜、第7絶縁膜38、第2透明電極膜が少なくとも積層形成されている。
【0035】
第1金属膜、第2金属膜、第3金属膜、第4金属膜35及び第5金属膜は、いずれも1種類の金属材料からなる単層膜または異なる種類の金属材料からなる積層膜や合金とされることで導電性及び遮光性を有している。第1透明電極膜及び第2透明電極膜は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明電極材料からなる。ベースコート膜29、第1絶縁膜30、第2絶縁膜31、第3絶縁膜34、第4絶縁膜33、第5絶縁膜36及び第7絶縁膜38は、いずれも無機材料(無機樹脂材料)の一種であるSiO(酸化シリコン、シリコン酸化物)やSiN(窒化シリコン)等からなる。このうち、第1絶縁膜30及び第4絶縁膜33は、例えばSiOからなり、その膜厚が例えば80nm~120nmの範囲程度とされる。第2絶縁膜31は、その膜厚が第1絶縁膜30の膜厚よりも大きく、例えば300nm程度とされる。第3絶縁膜34は、例えばSiOからなり、その膜厚は例えば500nm~700nmであるが、SiNの単層膜あるいはSiNとSiOとの積層膜であってもよい。第6絶縁膜37は、有機材料(有機樹脂材料)の一種であるPMMA(アクリル樹脂)等からなる。有機材料からなる第6絶縁膜37は、無機材料からなるベースコート膜29、第1絶縁膜30、第2絶縁膜31、第4絶縁膜33、第5絶縁膜36及び第7絶縁膜38よりも膜厚が大きいのが通常である。
【0036】
第1半導体膜は、レーザー結晶化などの公知の方法により作成された結晶質を有するポリシリコン半導体材料からなる。第1半導体膜のポリシリコン半導体材料は、酸化物半導体材料に比べると、さらに高い電子移動度を有している。第2半導体膜32は、酸化物半導体材料からなる。第2半導体膜32は、例えば、In、GaおよびZnのうち少なくとも1種の金属元素を含んでもよく、例えば、In-Ga-Zn-O系の半導体(例えば酸化インジウムガリウム亜鉛)であってよい。ここで、In-Ga-Zn-O系の半導体は、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)の三元系酸化物であって、In、GaおよびZnの割合(組成比)は特に限定されず、例えばIn:Ga:Zn=2:2:1、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=1:1:2等を含む。第2半導体膜32に用いるIn-Ga-Zn-O系の半導体は、アモルファスでもよいし、結晶質でもよい。第2半導体膜32は、In-Ga-Zn-O系半導体の代わりに、他の酸化物半導体を含んでいてもよい。例えばIn-Sn-Zn-O系半導体(例えばIn-SnO-ZnO;InSnZnO)を含んでもよい。In-Sn-Zn-O系半導体は、In(インジウム)、Sn(スズ)およびZn(亜鉛)の三元系酸化物である。あるいは、酸化物半導体層4は、W(タングステン)を含んだIn-W-Zn-O系半導体、In-W-Sn-Zn-O系半導体、In-Al-Zn-O系半導体、In-Al-Sn-Zn-O系半導体、Zn-O系半導体、In-Zn-O系半導体、Zn-Ti-O系半導体、Cd-Ge-O系半導体、Cd-Pb-O系半導体、CdO(酸化カドミウム)、Mg-Zn-O系半導体、In-Ga-Sn-O系半導体、In-Ga-O系半導体、Zr-In-Zn-O系半導体、Hf-In-Zn-O系半導体、Al-Ga-Zn-O系半導体、Ga-Zn-O系半導体、In-Ga-Zn-Sn-O系半導体などを含んでいてもよい。第2半導体膜32の酸化物半導体材料は、ポリシリコン半導体材料に比べると、電圧が印加されない状態(オフ状態)での抵抗値が高い特性を有する。また、第2半導体膜32の酸化物半導体材料は、アモルファスシリコン半導体材料に比べると、高い電子移動度を有している。
【0037】
次に、回路部14の断面構成について詳しく説明する。回路部14は、図6に示すように、第1TFT15を有する。第1TFT15は、第1ゲート電極(第1電極)15Aと、第1ソース電極(第3電極)15Bと、第1ドレイン電極(第3電極)15Cと、第1半導体部15Dと、を有する。このうちの第1半導体部15Dは、各電極15A~15Cに対して最も下層側に位置し、第1半導体膜からなる。
【0038】
第1ゲート電極15Aは、図6に示すように、第2金属膜からなる。第1ゲート電極15Aは、第1半導体部15Dに対して第1絶縁膜30を介して上層側に重畳して配される。第1ゲート電極15Aは、第1半導体部15Dのうちの中央側部分に対して重畳して配されている。
【0039】
第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15Cは、図6に示すように、第4金属膜35からなる。第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15Cは、一部ずつが第1半導体部15Dに対して第1絶縁膜30、第3絶縁膜34及び第4絶縁膜33を介して上層側に重畳して配される。第1ソース電極15Bは、第1半導体部15Dのうちの一方の端側部分に対して重畳して配されている。第1ドレイン電極15Cは、第1半導体部15Dのうちの他方の端側部分に対して重畳して配されている。第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15Cは、第1ゲート電極15Aの近傍に配されている。第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15Cは、後述する2つの第1コンタクトホール15CH1,15CH2を通して第1半導体部15Dにそれぞれ接続されている。
【0040】
また、回路部14には、少なくとも第1ゲート電極15Aに対して重畳する位置に第1遮光部16が設けられている。第1遮光部16は、アレイ基板21に備わる膜の中でも最下層に位置する第1金属膜からなる。第1遮光部16は、第1半導体部15Dのうち、第1ゲート電極15Aに電圧が印加されるのに伴って生じるチャネル領域に対して下層側に重畳して配されている。従って、バックライト装置12から第1半導体部15Dのチャネル領域に対して下層側から照射される光を第1遮光部16により遮ることができる。これにより、第1半導体部15Dのチャネル領域に光が照射された場合に生じ得る第1TFT15の特性の変動を抑制することができる。
【0041】
続いて、表示領域AAの断面構成について詳しく説明する。表示領域AAには、図6に示すように、第2TFT27が配されている。第2TFT27は、第2ゲート電極(第2電極)27Aと、第2ソース電極(第4電極)27Bと、第2ドレイン電極(第6電極)27Cと、第2半導体部27Dと、第3ゲート電極(第5電極)27Eと、を有する。第2半導体部27Dは、第2ゲート電極27Aよりも上層側で、第2ソース電極27B、第2ドレイン電極27C及び第3ゲート電極27Eよりも下層側に位置し、第2半導体膜32からなる。
【0042】
第2ゲート電極27Aは、図6に示すように、第2金属膜のうち、第1ゲート電極15Aとは別の部分からなる。第2ゲート電極27Aは、第2半導体部27Dに対して第2絶縁膜31を介して下層側に重畳して配される。第2ゲート電極27Aは、第2半導体部27Dのうちの中央側部分に対して重畳して配されている。このように、第1ゲート電極15A及び第2ゲート電極27Aがいずれも第2金属膜からなるので、仮に第1ゲート電極と第2ゲート電極とを別の金属膜(導電膜)により構成した場合に比べると、金属膜の層数を削減することができる。
【0043】
第3ゲート電極27Eは、図6に示すように、第3金属膜からなる。第3ゲート電極27Eは、第2半導体部27Dに対して第4絶縁膜33を介して上層側に重畳して配される。このように、第2半導体部27Dは、第2ゲート電極27A及び第3ゲート電極27Eにより上下から挟まれている。つまり、本実施形態に係る第2TFT27は、ダブルゲート構造となっている。第3ゲート電極27Eは、第2半導体部27Dのうちの中央側部分に対して重畳して配されている。第3ゲート電極27Eは、第2ゲート電極27Aよりも平面に視た大きさが小さく、第2ゲート電極27Aのうちの中央側部分に対して重畳して配されている。第2ゲート電極27A及び第3ゲート電極27Eは、相互に接続されている。第2ゲート電極27A及び第3ゲート電極27Eのうちの少なくとも一方は、ゲート配線25(図5を参照)に接続されている。従って、ゲート配線25に供給される走査信号は、第2ゲート電極27A及び第3ゲート電極27Eに供給されて相互に同電位となる。第2ゲート電極27A及び第3ゲート電極27Eに走査信号が供給されると、第2ゲート電極27A及び第3ゲート電極27Eから第2半導体部27Dに作用する電界によって第2半導体部27Dのうちの下層側(第2ゲート電極27A側)の部分と、上層側(第3ゲート電極27E側)の部分と、にそれぞれチャネル領域が生じる。これにより、第2半導体部27Dに安定的にチャネル領域を生じさせることができる。
【0044】
第2ソース電極27Bは、図6に示すように、第4金属膜35のうち、第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15Cとは別の部分からなる。第2ソース電極27Bは、少なくとも一部が第2半導体部27Dに対して第3絶縁膜34及び第4絶縁膜33を介して上層側に重畳して配される。第2ソース電極27Bは、第2半導体部27Dのうちの一方の端側部分に対して重畳して配されている。第2ソース電極27Bは、第2ゲート電極27A及び第3ゲート電極27Eの近傍となる位置に配されている。第2ソース電極27Bは、ソース配線26(図5を参照)に接続されている。第2ソース電極27Bは、後述する第2コンタクトホール27CH1を通して第2半導体部27Dに接続されている。このように、第1ソース電極15B、第1ドレイン電極15C及び第2ソース電極27Bがいずれも第4金属膜35からなるので、仮に第1ソース電極1及び第1ドレイン電極と第2ソース電極とを別の金属膜により構成した場合に比べると、金属膜の層数を削減することができる。
【0045】
第2ドレイン電極27Cは、図6に示すように、第5金属膜からなる。第2ドレイン電極27Cは、少なくとも一部が第2半導体部27Dに対して第3絶縁膜34、第4絶縁膜33及び第5絶縁膜36を介して上層側に重畳して配される。第2ドレイン電極27Cは、第2半導体部27Dのうちの中央側部分と他方の端側部分とに対して重畳して配されている。第2ドレイン電極27Cは、第2ゲート電極27Aのと、第3ゲート電極27Eと、に対して重畳して配されている。第2ドレイン電極27Cと第2半導体部27Dとの間に介在する第3絶縁膜34、第4絶縁膜33及び第5絶縁膜36には、第3コンタクトホール27CH2が設けられている。第3コンタクトホール27CH2は、第2ドレイン電極27C及び第2半導体部27Dと重畳し、第3ゲート電極27Eとは非重畳となる位置に配されている。詳しくは、第3コンタクトホール27CH2は、第2ドレイン電極27Cのうちの第2ソース電極27B側とは反対側の端側部分と、第2半導体部27Dのうちの他方の端側部分と、に対して重畳する位置に配されている第2ドレイン電極27Cは、第3コンタクトホール27CH2を通して第2半導体部27Dに接続されている。
【0046】
表示領域AAには、図6に示すように、画素電極28及び共通電極39が配されている。画素電極28は、第1透明電極膜からなる。画素電極28は、一部が第2ドレイン電極27Cに対して重畳して配されている。画素電極28と第2ドレイン電極27Cとの間に介在する第6絶縁膜37には、第4コンタクトホール27CH3が設けられている。第4コンタクトホール27CH3は、画素電極28及び第2ドレイン電極27Cと重畳する位置に配されている。また、第4コンタクトホール27CH3は、第2ゲート電極27A、第2半導体部27D及び第3ゲート電極27Eと重畳する位置に配されている。画素電極28は、第4コンタクトホール27CH3を通して第2ドレイン電極27Cに接続されている。
【0047】
共通電極39は、第2透明電極膜からなる。共通電極39は、表示領域AAのほぼ全域にわたって配されている。これにより、共通電極39は、表示領域AAに配される全ての画素電極28に対して第7絶縁膜38を介して上層側に重畳して配されている。共通電極39のうち、複数の画素電極28に対して重畳する部分には、複数のスリット39Aがそれぞれ開口形成されている。共通電極39には、共通電位(基準電位)とされる共通電位信号が供給されている。第2TFT27の駆動に伴って画素電極28がソース配線26に伝送される画像信号に基づく電位に充電されると、画素電極28と共通電極39との間には電位差が生じる。すると、共通電極39におけるスリット39Aの開口縁と画素電極28との間には、アレイ基板21の板面に沿う成分に加えて、アレイ基板21の板面に対する法線方向の成分を含むフリンジ電界(斜め電界)が生じる。従って、このフリンジ電界を利用することで液晶層22に含まれる液晶分子の配向状態を制御することができ、この液晶分子の配向状態に基づいて所定の表示がなされる。つまり、本実施形態に係る液晶パネル11は、動作モードがFFS(Fringe Field Switching)モードとされている。
【0048】
また、表示領域AAには、少なくとも第3ゲート電極27Eの全域に対して重畳する位置に第2遮光部40が設けられている。第2遮光部40は、第2ゲート電極27Aの大部分に対して重畳して配されている。第2遮光部40は、第1金属膜のうち、第1遮光部16とは別の部分からなる。第2遮光部40は、第2半導体部27Dのうち、第2ゲート電極27A及び第3ゲート電極27Eに電圧が印加されるのに伴って生じる各チャネル領域に対して下層側に重畳して配されている。従って、バックライト装置12から第2半導体部27Dの各チャネル領域に対して下層側から照射される光を第2遮光部40により遮ることができる。これにより、第2半導体部27Dの各チャネル領域に光が照射された場合に生じ得る第2TFT27の特性の変動を抑制することができる。
【0049】
以上のように、本実施形態では、回路部14に配される第1TFT15を構成する第1半導体部15Dは、第1半導体膜からなり、第1半導体膜は、酸化物半導体材料よりも移動度が高い特性を有するポリシリコン半導体材料からなる。これにより、第1TFT15(第1半導体部15D)の平面サイズが縮小できるので、液晶表示装置10の非表示領域NAAの縮小(狭額縁化)と第1TFT15の小型化による低消費電力化を図ることができる。その上で、表示領域AAに配される第2TFT27を構成する第2半導体部27Dは、第2半導体膜32からなり、第2半導体膜32は、バックライト装置12からの光が照査されても、オフ電圧印加(オフ状態)での抵抗値が高い特性を有する酸化物半導体材料からなる。これにより、ポリシリコン半導体材料を用いたときよりも、第2半導体部27Dの下層側に配置する第2遮光部40の面積を縮小することができるので、表示領域AAの開口率(バックライト光)透過率を向上させ、液晶表示装置10の低消費電力化を図ることができる。これにより、第2TFT27を小型化することができるので、液晶パネル11の精細度の向上を図る上で好適であり、特に液晶パネル11をヘッドマウントディスプレイ10HMDに用いる上で好適である。
【0050】
第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1について説明する。第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1は、図6に示すように、いずれも第3絶縁膜34と、第3絶縁膜34よりも下層側にある絶縁膜(第1絶縁膜30、第2絶縁膜31及び第4絶縁膜33)と、に開口する点で共通している。この共通点により、アレイ基板21の製造に際し、第4金属膜35を成膜する前において、第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1を同じ工程(後述する第9工程)で第3絶縁膜34等に設けることが可能とされる。このときエッチングには主としてドライエッチングが用いられる。従来のように、第1コンタクトホールと第2コンタクトホールとを別の工程で行う場合に比べると、本実施形態によればタクトの短縮化を図ることができる。
【0051】
その上で、本実施形態に係るアレイ基板21に備わる第2絶縁膜31は、図6に示すように、少なくとも第2半導体部27Dと重畳して配され、第1半導体部15Dと重畳する範囲には非形成とされる。詳しくは、第2絶縁膜31は、表示領域AAでは少なくとも複数の第2TFT27に備わる各第2半導体部27Dのそれぞれと重畳する複数の島状の範囲に残存するようパターニングされている。第2絶縁膜31は、非表示領域NAAではほぼ全域にわたって除去されるようパターニングされ、複数の第1TFT15に備わる各第1半導体部15Dと重畳する範囲には非形成とされる。このようにすれば、非表示領域NAAにて第1半導体部15Dと重畳して配される第1コンタクトホール15CH1,15CH2は、第2絶縁膜31には設けられず、第1絶縁膜30、第4絶縁膜33及び第3絶縁膜34の3層に設けられている。これに対し、表示領域AAにて第2半導体部27Dと重畳して配される第2コンタクトホール27CH1は、第4絶縁膜33及び第3絶縁膜34の2層に設けられている。
【0052】
ここで、第2絶縁膜31-1を表示領域AA及び非表示領域NAAの全域にわたってベタ状に残存させた比較例のアレイ基板21-1を、図7を参照しつつ説明する。なお、比較例は、第2絶縁膜31-1の形成範囲を除いては、図6に示される本実施形態と同様の構成である。図7に係る比較例では、第2絶縁膜31-1が、表示領域AA及び非表示領域NAAの全域にわたってベタ状に配されており、非表示領域NAAに配される第1半導体部15D-1と重畳する範囲にも存在している。このため、非表示領域NAAにて第1半導体部15D-1と重畳して配される第1コンタクトホール15CH1-1,15CH2-1は、第1絶縁膜30-1、第2絶縁膜31-1、第4絶縁膜33-1及び第3絶縁膜34-1の4層に設けられている。これに対し、表示領域AAに配される第2コンタクトホール27CH1-1は、第4絶縁膜33-1及び第3絶縁膜34-1の2層に設けられている。結果として比較例では、第1コンタクトホール15CH1-1,15CH2-1が設けられる絶縁膜30-1,31-1,33-1,34-1の層数と、第2コンタクトホール27CH1-1が設けられる絶縁膜33-1,34-1の層数と、の差が「2」となっている。このため、比較例では、第1コンタクトホール15CH1-1,15CH2-1が設けられる絶縁膜30-1,31-1,33-1,34-1の膜厚の合計と、第2コンタクトホール27CH1-1が設けられる絶縁膜33-1,34-1の膜厚の合計と、の差は、第1絶縁膜30-1及び第2絶縁膜31-1の膜厚の合計と一致し、具体的には380nm~420nmの範囲程度となっている。このような構成の比較例では、第1コンタクトホール15CH1-1,15CH2-1及び第2コンタクトホール27CH1-1を同じ工程で設ける際に、第2コンタクトホール27CH1-1が絶縁膜33-1,34-1に形成されてからも、第1コンタクトホール15CH1-1,15CH2-1を絶縁膜30-1,31-1,33-1,34-1の全てに形成するためにエッチングが継続して行われることになる。このため、比較例では、第2コンタクトホール27CH1-1を通してストップ膜である第2半導体部27D-1がオーバーエッチングされる事態が生じるおそれがあった。
【0053】
これに対し、本実施形態では、図6に示すように、第2絶縁膜31が第1半導体部15Dと重畳する範囲に非形成とされることで、第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられる絶縁膜30,33,34の層数が「3」となり、比較例における層数(「2」)よりも減らすことができる。従って、第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられる絶縁膜30,33,34の層数と、第2コンタクトホール27CH1が設けられる絶縁膜33,34の層数と、の差が「1」となり、比較例に係る差(「2」)よりも小さい。第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられる絶縁膜30,33,34の膜厚の合計と、第2コンタクトホール27CH1が設けられる絶縁膜33,34の膜厚の合計と、の差は、第1絶縁膜30の膜厚と一致し、具体的には80nm~120nmの範囲程度(比較例の1/4程度)で済む。第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1を同じ工程で設ける際に、第2コンタクトホール27CH1が絶縁膜33,34に形成されてから、第1コンタクトホール15CH1,15CH2を絶縁膜30,33,34の全てに形成するためにエッチングが継続して行われても、そのエッチングが継続する時間を比較例よりも短くて済ませることができる。これにより、本実施形態では、第2コンタクトホール27CH1を通してストップ膜である第2半導体部27Dがオーバーエッチングされる事態が生じ難くなる。
【0054】
本実施形態では、上記したように、表示領域AAにおいて第2絶縁膜31を選択的に残存させているため、アレイ基板21の製造に際して第2絶縁膜31をパターニングする必要がある。仮に、第2絶縁膜のパターニングのための専用の工程を要すると、その分、タクトが長くなる等の問題がある。その点、本実施形態では、表示領域AAにおいて第2絶縁膜31は、図6に示すように、第2半導体部27Dと重畳する範囲に選択的に残存するよう設けられている。このようにすれば、アレイ基板21の製造に際して第2半導体部27Dをパターニングする工程にて、第2絶縁膜31をパターニングすることができる。これにより、第2絶縁膜31をパターニングするための専用の工程が不要となり、タクトの短縮化を図ることができる。
【0055】
本実施形態に係る第4絶縁膜33は、図6に示すように、少なくとも第1半導体部15D及び第2半導体部27Dとそれぞれ重畳して配されている。詳しくは、第4絶縁膜33は、表示領域AA及び非表示領域NAAの全域にわたってベタ状に配されており、非表示領域NAAに配される第1半導体部15Dと、表示領域AAに配される第2半導体部27Dと、の双方に対して重畳して配されている。これに伴い、第4絶縁膜33には、第1コンタクトホール15CH1,15CH2の一部と、第2コンタクトホール27CH1の一部と、が設けられている。このようにすれば、第4絶縁膜33のうち、第1半導体部15Dと重畳する部分によって第1ゲート電極15Aを覆うことができる。仮に、第4絶縁膜が第1半導体部15Dと重畳する範囲に非形成とされる場合に比べると、第1ゲート電極15A上に有機材料からなる第3絶縁膜34が直接的に積層されるのを避けることができる。
【0056】
本実施形態は以上のような構造であり、続いて液晶パネル11の製造方法を説明する。液晶パネル11の製造方法には、対向基板20を製造する対向基板製造工程(CF基板製造工程)と、アレイ基板21を製造するアレイ基板製造工程と、製造された対向基板20とアレイ基板21とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、が含まれている。以下では、このうちのアレイ基板製造工程について説明する。
【0057】
アレイ基板製造工程には、第1金属膜を成膜してパターニングする第1工程と、ベースコート膜29を成膜する第2工程と、第1半導体膜を成膜してアニール処理等を施してからパターニングする第3工程と、第1絶縁膜30を成膜する第4工程と、第1金属膜を成膜してパターニングする第5工程と、第2絶縁膜31及び第2半導体膜32を成膜してパターニングする第6工程と、第4絶縁膜33を成膜する第7工程と、第3金属膜を成膜してパターニングする第8工程と、第3絶縁膜34を成膜してパターニングする第9工程と、第4金属膜35を成膜してパターニングする第10工程と、第5絶縁膜36を成膜してパターニングする第11工程と、第5金属膜を成膜してパターニングする第12工程と、第6絶縁膜37を成膜してパターニングする第13工程と、第1透明電極膜を成膜してパターニングする第14工程と、第7絶縁膜38を成膜する第15工程と、第2透明電極膜を成膜してパターニングする第16工程と、が含まれる。このうち、第6工程、第9工程及び第10工程に関して図8図13を用いて以下に詳しく説明する。図8図13には、図6と同じ断面構成が示されている。
【0058】
なお、上記した「パターニング」という文言は、一般的なフォトリソグラフィ法に基づく膜の加工を意味する。具体的には、加工対象膜上にフォトレジスト膜を成膜し、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光装置によりフォトレジスト膜を露光してからフォトレジスト膜を現像し、現像されたフォトレジスト膜を介してエッチングを行うことで、加工対象膜の加工、すなわちパターニングが行われる。
【0059】
第5工程を経て第1金属膜がパターニングされ、第1ゲート電極15A及び第2ゲート電極27Aが設けられた後、第6工程が行われる。第6工程では、第1金属膜の上層側に第2絶縁膜31、第2半導体膜32及び第1フォトレジスト膜21R1が続けてベタ状に成膜される。その後、露光装置と、所定のパターンを有するフォトマスクと、を用いて第1フォトレジスト膜21R1が露光される。露光された第1フォトレジスト膜21R1を現像すると、図8に示すよう、第1フォトレジスト膜21R1がパターニングされる。パターニングされた第1フォトレジスト膜21R1は、表示領域AAにおいて各第2ゲート電極27A付近に島状の範囲に残存する。
【0060】
第6工程では、現像された第1フォトレジスト膜21R1を介して第2半導体膜32がウェットエッチングされる(第1エッチング工程)。すると、第2半導体膜32のうち、第1フォトレジスト膜21R1により被覆されずに露出した部分が選択的に除去され、第1フォトレジスト膜21R1により被覆されて露出しない部分が選択的に残存する。本実施形態では、第2半導体膜32は、ウェットエッチングされるので、第1フォトレジスト膜21R1により被覆された部分の全てが残存せず、第1フォトレジスト膜21R1の外縁部により被覆された部分については除去される。つまり、ウェットエッチングされた第2半導体膜32の形成範囲は、第1フォトレジスト膜21R1の形成範囲よりも一回り小さくなる。その結果、図9に示すように、第2半導体膜32の残存部分により第2半導体部27Dが形成される。
【0061】
続いて、第6工程では、第1フォトレジスト膜21R1を介して第2絶縁膜31がドライエッチングされる(第2エッチング工程)。すると、第2絶縁膜31のうち、第1フォトレジスト膜21R1により被覆されずに露出した部分が選択的に除去され、第1フォトレジスト膜21R1により被覆されて露出しない部分が選択的に残存する。本実施形態では、第2絶縁膜31は、ドライエッチングされるので、第1フォトレジスト膜21R1により被覆された部分(第1フォトレジスト膜21R1と重畳する部分)のほぼ全てが残存する。つまり、ドライエッチングされた第2絶縁膜31の形成範囲は、第1フォトレジスト膜21R1の形成範囲とほぼ一致し、第2半導体膜32の形成範囲よりも一回り大きくなる。このようにしてパターニングされた第2絶縁膜31は、図10に示すように、その外縁が、第2半導体部27Dの外縁とは揃わずに外側に突き出している。このように、第2絶縁膜31の外縁と、第2半導体部27Dの外縁と、が階段状になる。その後、第1フォトレジスト膜21R1は、アッシングされ、除去される。
【0062】
このように、第6工程では、第1フォトレジスト膜21R1をマスクとして用いて第2絶縁膜31をパターニングすることで、第2半導体部27Dと重畳する範囲に第2絶縁膜31を設けることができる。第2絶縁膜31をパターニングするための専用のフォトレジスト膜等が不要となるので、その成膜・露光・現像に係る工程が削減される。これにより、タクトのさらなる短縮化を図ることができる。しかも、第1フォトレジスト膜21R1をマスクとし、第2半導体膜32をウェットエッチングしてから第2絶縁膜31をドライエッチングするから、第1フォトレジスト膜21R1の形成範囲よりも一回り小さい第2半導体部27Dと、第1フォトレジスト膜21R1の形成範囲とほぼ同じ第2絶縁膜31と、を形成することができる。これにより、第2半導体部27Dの外縁と第2絶縁膜31の外縁とが揃わずに階段状になるので、次の第7工程にて第2絶縁膜31の上層側に第4絶縁膜33を成膜したとき、その第4絶縁膜33のカバレッジが良好になる。
【0063】
第6工程において第2絶縁膜31をドライエッチングする際には、ターゲット膜である第2絶縁膜31のエッチングレートを、第2絶縁膜31のストップ膜である第1絶縁膜30のエッチングレートよりも高くするのが好ましい。つまり、第2絶縁膜31をドライエッチングする際の第2絶縁膜31の選択比を1よりも大きくするのが好ましい。このようにすれば、第2絶縁膜31をドライエッチングする際に、第1絶縁膜30のうち、第1フォトレジスト膜21R1により被覆されずに露出した部分がオーバーエッチングされる事態を生じ難くすることができる。
【0064】
第6工程の後に第7工程が行われ、第2半導体膜32の上層側に第4絶縁膜33がベタ状に成膜される。続いて、第8工程が行われると、第4絶縁膜33の上層側に第3金属膜が成膜されてからパターニングされることで、第3ゲート電極27Eが設けられる。その後、第9工程が行われる。第9工程では、第3金属膜の上層側に第3絶縁膜34及び第2フォトレジスト膜21R2が続けてベタ状に成膜される。その後、露光装置と、所定のパターンを有するフォトマスクと、を用いて第2フォトレジスト膜21R2が露光される。露光された第2フォトレジスト膜21R2を現像すると、図11に示すよう、第2フォトレジスト膜21R2がパターニングされる。パターニングされた第2フォトレジスト膜21R2は、表示領域AAと非表示領域NAAとにわたって残存しており、複数の開口部21R2A~21R2Cを有する。詳しくは、第2フォトレジスト膜21R2は、各第1半導体部15Dにおける両端側部分のそれぞれと重畳する範囲に開口する2つずつの第1開口部21R2A,21R2Bと、各第2半導体部27Dにおける一方の端側部分と重畳する範囲に開口する1つずつの第2開口部21R2Cと、を有する。
【0065】
第9工程では、現像された第2フォトレジスト膜21R2を介して第3絶縁膜34がエッチングされる。このときのエッチングは、高い精細度を実現するため、主としてドライエッチングを用いる。このエッチングは、第2フォトレジスト膜21R2の各開口部21R2A~21R2Cを通して、第3絶縁膜34と、第3絶縁膜34よりも下層側にある絶縁膜30,33と、に連続的に行われる。第1開口部21R2A,21R2Bを通して行われるエッチングは、第1半導体膜がストップ膜とされ、上層側から順に第3絶縁膜34と、第4絶縁膜33と、第1絶縁膜30と、の3層に連続的に行われる。第2開口部21R2Cを通して行われるエッチングは、第2半導体膜32がストップ膜とされ、上層側から順に第3絶縁膜34と、第4絶縁膜33と、の2層に連続的に行われる。このようにしてエッチングが行われると、第2フォトレジスト膜21R2の第1開口部21R2A,21R2Bと重畳する位置には、図12に示すように、第3絶縁膜34、第4絶縁膜33及び第1絶縁膜30の3層にわたって開口する第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられる。第2フォトレジスト膜21R2の第2開口部21R2Cと重畳する位置には、第3絶縁膜34及び第4絶縁膜33の2層にわたって開口する第2コンタクトホール27CH1が設けられる。
【0066】
このように、第9工程では、第3絶縁膜34をパターニングすることで、第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1を共に設けることができる。仮に第1コンタクトホール15CH1,15CH2と第2コンタクトホール27CH1とを、別の工程で設けた場合に比べると、絶縁膜をパターニングする回数を削減することができる。しかも、第1絶縁膜30及び第4絶縁膜33のパターニングは、第3絶縁膜34のパターニングに連続して行われる。従って、第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1は、実質的に1つの工程(第9工程)で設けられる。これにより、タクトの短縮化を図ることができる。その上で、第1コンタクトホール15CH1,15CH2は、第2絶縁膜31には設けられず、第1絶縁膜30、第4絶縁膜33及び第3絶縁膜34の3層に設けられている。従って、本実施形態によれば、図7に示される比較例に比べると、第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられる絶縁膜30,33,34の層数を1つ減らすことができる。つまり、第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられる絶縁膜30,33,34の層数と、第2コンタクトホール27CH1が設けられる絶縁膜33,34の層数と、の差が比較例よりも小さくなる。第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1を同じ第9工程にて設ける際に、第2コンタクトホール27CH1が絶縁膜33,34に形成されてから、第1コンタクトホール15CH1,15CH2を絶縁膜30,33,34の全てに形成するためにエッチングが継続して行われても、そのエッチングが継続する時間を比較例よりも短くて済ませることができる。これにより、第2コンタクトホール27CH1を通してストップ膜である第2半導体部27Dがオーバーエッチングされる事態が生じ難くなる。
【0067】
第9工程を経て第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1が設けられた後に第10工程が行われる。第10工程では、第3絶縁膜34の上層側に第4金属膜が成膜されてからパターニングされる。これにより、図13に示すように、第1ソース電極15B、第1ドレイン電極15C及び第2ソース電極27Bが設けられる。第1ソース電極15Bは、第1コンタクトホール15CH1を通して第1半導体部15Dにおける一方の端側部分に接続される。第1ドレイン電極15Cは、第1コンタクトホール15CH2を通して第1半導体部15Dにおける他方の端側部分に接続される。第2ソース電極27Bは、第2コンタクトホール27CH1を通して第2半導体部27Dにおける一方の端側部分に接続される。このように、第10工程では、第4金属膜35をパターニングすることで、第1ソース電極15B、第1ドレイン電極15C及び第2ソース電極27Bを共に設けることができる。仮に第1ソース電極及び第1ドレイン電極と第2ソース電極とを、別の金属膜をパターニングして設けた場合に比べると、金属膜を成膜し、パターニングする回数を削減することができる。
【0068】
以上説明したように本実施形態の液晶パネル(表示装置)11は、第1半導体膜からなる第1半導体部15Dと、第1半導体膜の上層側に配される第1絶縁膜30と、第1絶縁膜30の上層側に配される第2金属膜(第1導電膜)からなり、第1半導体部15Dの一部と重畳して配される第1ゲート電極(第1電極)15Aと、第2金属膜のうち、第1ゲート電極15Aとは別の部分からなる第2ゲート電極(第2電極)27Aと、第2金属膜の上層側に配される第2絶縁膜31と、第2絶縁膜31の上層側に配される第2半導体膜32からなり、一部が第2ゲート電極27Aと重畳して配される第2半導体部27Dと、第2半導体膜32よりも上層側に配される第3絶縁膜34と、第3絶縁膜34の上層側に配される第4金属膜(第2導電膜)35からなり、第1半導体部15Dと重畳して第1ゲート電極15Aとは非重畳となる位置に配される第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15C(第3電極)と、第4金属膜35のうち、第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15Cとは別の部分からなり、第2半導体部27Dの一部と重畳して配される第2ソース電極(第4電極)27Bと、を備え、第2絶縁膜31は、少なくとも第2半導体部27Dと重畳して配され、第1半導体部15Dと重畳する範囲には非形成とされ、第1絶縁膜30及び第3絶縁膜34のうち、第1半導体部15D、第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15Cと重畳する位置には、第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15Cを第1半導体部15Dに接続する第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられ、第3絶縁膜34のうち、第2半導体部27D及び第2ソース電極27Bと重畳する位置には、第2ソース電極27Bを第2半導体部27Dに接続する第2コンタクトホール27CH1が設けられる。
【0069】
第1ゲート電極15Aと第1半導体部15Dとの間には、第1絶縁膜30が介在することで、第1ゲート電極15Aに印加される電圧によって第1半導体部15Dにチャネル領域を生じさせることができる。第2ゲート電極27Aと第2半導体部27Dとの間には、第2絶縁膜31が介在することで、第2ゲート電極27Aに印加される電圧によって第2半導体部27Dにチャネル領域を生じさせることができる。
【0070】
第1ゲート電極15A及び第2ゲート電極27Aがいずれも第2金属膜からなるので、仮に第1ゲート電極と第2ゲート電極とを別の導電膜により構成した場合に比べると、導電膜の層数を削減することができる。第1ソース電極15B、第1ドレイン電極15C及び第2ソース電極27Bがいずれも第4金属膜35からなるので、仮に第1ソース電極及び第1ドレイン電極と第2ソース電極とを別の導電膜により構成した場合に比べると、導電膜の層数を削減することができる。その上、第4金属膜35を成膜する前において、第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1を同じ工程で第3絶縁膜34等に設けることが可能とされる。これにより、タクトの短縮化を図ることができる。
【0071】
第2絶縁膜31は、少なくとも第2半導体部27Dと重畳して配され、第1半導体部15Dと重畳する範囲には非形成とされるので、第1コンタクトホール15CH1,15CH2は、第2絶縁膜31には設けられず、少なくとも第1絶縁膜30及び第3絶縁膜34の2層に設けられている。仮に第2絶縁膜が第1半導体部15Dと重畳する範囲にも存在する場合、第1コンタクトホールが少なくとも第1絶縁膜30、第2絶縁膜31及び第3絶縁膜34の3層にわたって設けられる。このように、第2絶縁膜31が第1半導体部15Dと重畳する範囲に非形成とされることで、第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられる絶縁膜30,33,34の層数を減らすことができる。従って、第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられる絶縁膜30,33,34の層数と、第2コンタクトホール27CH1が設けられる絶縁膜33,34の層数と、の差が小さくなる。これにより、第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1を同じ工程で設ける際に、第2コンタクトホール27CH1を通して第2半導体部27Dがオーバーエッチングされる事態が生じ難くなる。
【0072】
また、第2半導体膜32の上層側で第3絶縁膜34よりも下層側に配される第4絶縁膜33と、第4絶縁膜33の上層側で第3絶縁膜34の下層側に配される第3金属膜(第3導電膜)からなり、第2半導体部27Dの一部と重畳して配される第3ゲート電極(第5電極)27Eと、を備え、第3ゲート電極27Eは、第2ゲート電極27Aに接続されている。第3ゲート電極27Eと第2半導体部27Dとの間には、第4絶縁膜33が介在することで、第3ゲート電極27Eに印加される電圧によって第2半導体部27Dにチャネル領域を生じさせることができる。第2半導体部27Dには、電圧が印加された第2ゲート電極27A及び第3ゲート電極27Eの双方から電界が作用するので、第2半導体部27Dに安定的にチャネル領域を生じさせることができる。
【0073】
また、第4絶縁膜33は、少なくとも第1半導体部15D及び第2半導体部27Dとそれぞれ重畳して配され、第4絶縁膜33には、第1コンタクトホール15CH1,15CH2の一部と、第2コンタクトホール27CH1の一部と、が設けられる。第4絶縁膜33のうち、第1半導体部15Dと重畳する部分によって第1ゲート電極15Aを覆うことができる。第1コンタクトホール15CH1,15CH2は、第1絶縁膜30、第3絶縁膜34及び第4絶縁膜33の3層に設けられる。第2コンタクトホール27CH1は、第3絶縁膜34及び第4絶縁膜33の2層に設けられる。
【0074】
また、画素電極28と、画素電極28が配されて画像が表示される表示領域AAと、表示領域AAに配されて画素電極28に接続される第2ドレイン電極(第6電極)27Cと、表示領域AAに配されるゲート配線(第1配線)25と、表示領域AAに配されるソース配線(第2配線)26と、ゲート配線25及びソース配線26の少なくとも一方に信号を供給する回路部14と、を備え、第1半導体膜は、ポリシリコン半導体材料からなり、第2半導体膜32は、酸化物半導体材料からなり、第1半導体部15D、第1ゲート電極15A、第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15Cは、回路部14に配され、第2半導体部27D、第2ゲート電極27A及び第2ソース電極27Bは、表示領域AAに配され、第2ゲート電極27Aは、ゲート配線25に接続され、第2ソース電極27Bは、ソース配線26に接続され、第2ドレイン電極27Cは、第2半導体部27Dに接続される。ゲート配線25及びソース配線26の少なくとも一方には、回路部14からの信号が供給される。ゲート配線25からの信号が第2ゲート電極27Aに供給されると、第2半導体部27Dにチャネル領域が生じるので、ソース配線26からの信号が第2ソース電極27Bから第3ゲート電極27Eへと供給され、画素電極28がソース配線26からの信号に基づく電位に充電される。第1半導体膜のポリシリコン半導体材料は、酸化物半導体材料よりも移動度が高い特性を有する。これにより、第1TFT15(第1半導体部15D)の平面サイズが縮小できるので、表示装置の非表示領域NAAの縮小(狭額縁化)と第1TFT15の小型化による低消費電力化を図ることができる。回路部14に配される第1半導体部15Dのスイッチング速度を高速化することができるので、表示領域AAの画素電極28により表示される画像にフリッカや残像等の表示不良が生じ難くなる。第2半導体膜32は、バックライト装置12からの光が照査されても、オフ電圧印加(オフ状態)での抵抗値が高い特性を有する酸化物半導体材料からなる。これにより、ポリシリコン半導体材料を用いたときよりも、第2半導体部27Dの下層側に配置する第2遮光部40の面積を縮小することができるので、表示領域AAの開口率(バックライト光)透過率を向上させ、液晶表示装置10の低消費電力化を図ることができる。
【0075】
本実施形態の液晶パネル11の製造方法は、第1半導体膜を成膜し、第1半導体膜をパターニングして第1半導体部15Dを設け、第1半導体膜の上層側に第1絶縁膜30を成膜し、第1絶縁膜30の上層側に第2金属膜を成膜し、第2金属膜をパターニングして第1半導体部15Dの一部と重畳して配される第1ゲート電極15Aと、第2ゲート電極27Aと、を設け、第2金属膜の上層側に第2絶縁膜31を成膜し、第2絶縁膜31の上層側に第2半導体膜32を成膜し、第2半導体膜32をパターニングして一部が第2ゲート電極27Aと重畳して配される第2半導体部27Dを設け、第2絶縁膜31をパターニングして、少なくとも第2半導体部27Dと重畳させ、第1半導体部15Dと重畳する範囲には非形成とし、第2半導体膜32よりも上層側に第3絶縁膜34を成膜し、第3絶縁膜34をパターニングして、第1半導体部15Dの一部と重畳して第1ゲート電極15Aとは非重畳となる位置に第1コンタクトホール15CH1,15CH2の一部を設け、第2半導体部27Dの一部と重畳する位置に第2コンタクトホール27CH1を設け、第3絶縁膜34に続いて第1絶縁膜30をパターニングして、第1半導体部15Dの一部と重畳して第1ゲート電極15Aとは非重畳となる位置に第1コンタクトホール15CH1,15CH2の一部を設け、第3絶縁膜34の上層側に第4金属膜35を成膜し、第4金属膜35をパターニングして、第1コンタクトホール15CH1,15CH2と重畳して配されて第1コンタクトホール15CH1,15CH2を通して第1半導体部15Dに接続される第1ソース電極15B及び第1ドレイン電極15Cと、第2コンタクトホール27CH1と重畳して配されて第2コンタクトホール27CH1を通して第2半導体部27Dに接続される第2ソース電極27Bと、を設ける。
【0076】
第2金属膜をパターニングすることで、第1ゲート電極15A及び第2ゲート電極27Aを共に設けることができる。第1ゲート電極と第2ゲート電極とを、別の導電膜をパターニングして設けた場合に比べると、導電膜を成膜し、パターニングする回数を削減することができる。第4金属膜35をパターニングすることで、第1ソース電極15B、第1ドレイン電極15C及び第2ソース電極27Bを共に設けることができる。仮に第1ソース電極及び第1ドレイン電極と第2ソース電極とを、別の導電膜をパターニングして設けた場合に比べると、導電膜を成膜し、パターニングする回数を削減することができる。その上で、第3絶縁膜34をパターニングすることで、第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1を共に設けることができる。仮に第1コンタクトホールと第2コンタクトホールとを、別の工程で設けた場合に比べると、絶縁膜をパターニングする回数を削減することができる。しかも、第1絶縁膜30のパターニングは、第3絶縁膜34のパターニングに連続して行われる。従って、第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1は、実質的に1つの工程で設けられる。これにより、タクトの短縮化を図ることができる。
【0077】
第1絶縁膜30及び第3絶縁膜34をパターニングすることで設けられる第1コンタクトホール15CH1,15CH2は、第2絶縁膜31には設けられず、少なくとも第1絶縁膜30及び第3絶縁膜34の2層に設けられている。仮に第2絶縁膜が第1半導体部15Dと重畳する範囲にも存在する場合、第1コンタクトホールが少なくとも第1絶縁膜30、第2絶縁膜31及び第3絶縁膜34の3層にわたって設けられる。このように、第2絶縁膜31が第1半導体部15Dと重畳する範囲に非形成とされることで、第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられる絶縁膜30,33,34の層数を減らすことができる。従って、第1コンタクトホール15CH1,15CH2が設けられる絶縁膜の層数30,33,34と、第2コンタクトホール27CH1が設けられる絶縁膜33,34の層数と、の差が小さくなる。これにより、第1コンタクトホール15CH1,15CH2及び第2コンタクトホール27CH1を同じ工程で設ける際に、第2コンタクトホール27CH1を通して第2半導体部27Dがオーバーエッチングされる事態が生じ難くなる。
【0078】
また、第2半導体膜32のパターニングに際しては、第2半導体膜32の上層側に第1フォトレジスト膜21R1を成膜し、第1フォトレジスト膜21R1を露光・現像してから、第1フォトレジスト膜21R1をマスクとして第2半導体膜32をエッチングして第2半導体部27Dを設け、第2絶縁膜31のパターニングに際しては、第1フォトレジスト膜21R1をマスクとして第2絶縁膜31をエッチングする。このように、第1フォトレジスト膜21R1をマスクとして用いて第2絶縁膜31をパターニングすることで、第2半導体部27Dと重畳する範囲に第2絶縁膜31を設けることができる。第2絶縁膜31をパターニングするための専用のフォトレジスト膜が不要となるので、その成膜・露光・現像に係る工程が削減される。これにより、タクトのさらなる短縮化を図ることができる。
【0079】
また、第2半導体膜32のパターニングに際しては、第2半導体膜32をウェットエッチングし、第2絶縁膜31のパターニングに際しては、第2絶縁膜31をドライエッチングする。第2半導体膜32をウェットエッチングすることでパターニングされた第2半導体部27Dは、形成範囲が第1フォトレジスト膜21R1の形成範囲よりも一回り小さくなる。一方、第2絶縁膜31をドライエッチングしてパターニングすると、第2絶縁膜31は、形成範囲が第1フォトレジスト膜21R1の形成範囲とほぼ同じとなる。従って、第2絶縁膜31の形成範囲は、第2半導体部27Dの形成範囲よりも一回り大きくなる。これにより、第2半導体部27Dの外縁と第2絶縁膜31の外縁とが揃わずに階段状になるので、第2絶縁膜31の上層側に第4絶縁膜(絶縁膜)33を成膜した場合、その第4絶縁膜33のカバレッジが良好になる。
【0080】
また、第2絶縁膜31のパターニングに際しては、第2絶縁膜31のエッチングレートを、第1絶縁膜30のエッチングレートよりも高くする。第2絶縁膜31をエッチングする際に、第1絶縁膜30がオーバーエッチングされる事態を生じ難くすることができる。
【0081】
<実施形態2>
実施形態2を図14から図17によって説明する。この実施形態2では、第4絶縁膜133の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0082】
本実施形態に係る第4絶縁膜133は、図14に示すように、第3ゲート電極127Eの全域と重畳し、第2半導体部127Dの一部と重畳して配される。詳しくは、第4絶縁膜133は、第3ゲート電極127Eよりも一回り大きい島状をなしており、第3ゲート電極127Eの全域に対して重畳配置されている。第4絶縁膜133は、第2半導体部127Dのうち中央側部分に対して重畳配置され、両端側部分とは非重畳の関係とされる。また、第4絶縁膜133は、第2ゲート電極127Aよりも一回り大きく、第2ゲート電極127Aの全域に対しても重畳配置されている。このような形成範囲とされる第4絶縁膜133には、第1コンタクトホール115CH1,115CH2、第2コンタクトホール127CH1及び第3コンタクトホール127CH2がいずれも非形成とされる。
【0083】
なお、本実施形態では、第2絶縁膜131の形成範囲が第2半導体部127Dの形成範囲とほぼ一致しており、第2絶縁膜131の外縁と、第2半導体部127Dの外縁と、がほぼ揃う配置となっている。本実施形態では、第2半導体部127Dの上層側に積層される第4絶縁膜133は、第2半導体部127Dよりも狭い形成範囲に限って設けられるため、第2絶縁膜131の外縁と、第2半導体部127Dの外縁と、がほぼ揃う配置であっても第4絶縁膜133のカバレッジに悪影響を及ぼすことが避けられている。
【0084】
第4絶縁膜133を上記のような形成範囲に設けるには、アレイ基板121の製造に際して第4絶縁膜133をパターニングする必要がある。本実施形態では、第4絶縁膜133のパターニングを、第3金属膜をパターニングする第8工程にて行うようにしている。以下、第8工程について図15から図17を参照しつつ詳しく説明する。
【0085】
第7工程が行われて第4絶縁膜133が成膜された後に、第8工程が行われると、第4絶縁膜133の上層側に第3金属膜(第3導電膜)41及び第3フォトレジスト膜(第2フォトレジスト膜)21R3が続けてベタ状に成膜される。その後、露光装置と、所定のパターンを有するフォトマスクと、を用いて第3フォトレジスト膜21R3が露光される。露光された第3フォトレジスト膜21R3を現像すると、図15に示すよう、第3フォトレジスト膜21R3がパターニングされる。パターニングされた第3フォトレジスト膜21R3は、表示領域AAにおいて各第2ゲート電極127A付近に島状の範囲に残存する。第3フォトレジスト膜21R3は、非表示領域NAAには残存しない。
【0086】
第8工程では、現像された第3フォトレジスト膜21R3を介して第3金属膜41がドライエッチングされる(第3エッチング工程)。すると、第3金属膜41のうち、第3フォトレジスト膜21R3により被覆されずに露出した部分が選択的に除去され、第3フォトレジスト膜21R3により被覆されて露出しない部分が選択的に残存する。その結果、図16に示すように、第3金属膜41の残存部分により第3ゲート電極127Eが形成される。
【0087】
続いて、第8工程では、第3フォトレジスト膜21R3を介して第4絶縁膜133がドライエッチングされる(第4エッチング工程)。すると、第4絶縁膜133のうち、第3フォトレジスト膜21R3により被覆されずに露出した部分が選択的に除去され、第3フォトレジスト膜21R3により被覆されて露出しない部分が選択的に残存する。本実施形態では、第4絶縁膜133は、ドライエッチングされるので、第3フォトレジスト膜21R3により被覆された部分(第3フォトレジスト膜21R3と重畳する部分)のほぼ全てが残存する。つまり、ドライエッチングされた第4絶縁膜133の形成範囲は、第3フォトレジスト膜21R3の形成範囲とほぼ一致する。その後、第3フォトレジスト膜21R3は、アッシングされ、除去される。
【0088】
このように、第8工程では、第3フォトレジスト膜21R3をマスクとして用いて第4絶縁膜133をパターニングすることで、第3ゲート電極127Eと重畳する範囲に第4絶縁膜133を設けることができる。第4絶縁膜133をパターニングするための専用のフォトレジスト膜等が不要となるので、その成膜・露光・現像に係る工程が削減される。これにより、タクトのさらなる短縮化を図ることができる。しかも、第3フォトレジスト膜21R3をマスクとし、第3金属膜41をウェットエッチングしてから第4絶縁膜133をドライエッチングするから、第3フォトレジスト膜21R3の形成範囲よりも一回り小さい第3ゲート電極127Eと、第3フォトレジスト膜21R3の形成範囲とほぼ同じ第4絶縁膜133と、を形成することができる。なお、第6工程では、第2半導体膜32及び第2絶縁膜131を共にドライエッチングにてパターニングすることができるので、ウェットエッチングへの切り替えが不要となり、タクトのさらなる短縮化を図ることができる。
【0089】
以上のように、第8工程を経てパターニングされた第4絶縁膜133の形成範囲は、図17に示すように、少なくとも第2半導体部127Dの形成範囲に限定される。つまり、第2半導体部127Dの形成範囲外(第2半導体部127Dとは非重畳とされる範囲)には、第2絶縁膜131の上層側に第4絶縁膜133が存在することがない。従って、仮に第2半導体部127D形成範囲外に第2絶縁膜131の残渣が存在する場合でも、第8工程にて第4絶縁膜133をドライエッチングする際に第2絶縁膜131の残渣を除去することができる。
【0090】
第8工程を経てパターニングされた第4絶縁膜133は、第3ゲート電極127Eと、第2半導体部127Dの中央側部分と、に重畳して配されるものの、第1半導体部115Dの全域と、第2半導体部127Dの両端側部分と、には非重畳の配置とされる。従って、その後の第9工程にて第3絶縁膜134をパターニングすると、図14に示すように、第1コンタクトホール115CH1,115CH2は、第1絶縁膜130及び第3絶縁膜134の2層に設けられ、第2コンタクトホール127CH1は、第3絶縁膜134の1層に設けられる。つまり、第4絶縁膜133にコンタクトホール115CH1,115CH2,127CH1が設けられることがない。本実施形態では、第1コンタクトホール115CH1,115CH2が設けられる絶縁膜130,134の膜厚の合計と、第2コンタクトホール127CH1が設けられる絶縁膜134の膜厚の合計と、の差は、上記した実施形態1と同様に、第1絶縁膜130の膜厚と一致し、具体的には80nm~120nmの範囲程度(比較例の1/4程度)で済む。
【0091】
以上説明したように本実施形態によれば、第4絶縁膜133は、第3ゲート電極127Eまたは第2半導体部127Dと重畳して配される。このようにすれば、第4絶縁膜133は、少なくとも第2半導体部127Dとは非重畳とされる範囲において非形成とされる。従って、仮に少なくとも第2半導体部127Dとは非重畳とされる範囲に第2絶縁膜131の残渣が存在する場合でも、第4絶縁膜133をパターニングする際に第2絶縁膜131の残渣を除去することができる。
【0092】
また、第4絶縁膜133は、第3ゲート電極127Eと重畳して配される。製造に際し、第3ゲート電極127Eを構成する第3金属膜(第3導電膜)41と第4絶縁膜133とを連続的にパターニングすることができる。第1コンタクトホール115CH1,115CH2は、第1絶縁膜130及び第3絶縁膜134の2層に設けられる。第2コンタクトホール127CH1は、第3絶縁膜134の1層に設けられる。
【0093】
また、液晶パネル11の製造方法において、第3絶縁膜134を成膜する前に、第2半導体膜32の上層側に第4絶縁膜133を成膜するとともに、第4絶縁膜133の上層側に第3金属膜41を成膜し、第3金属膜41をパターニングして第2半導体部127Dの一部と重畳して配される第3ゲート電極127Eを設けており、第3金属膜41のパターニングに際しては、第3金属膜41の上層側に第3フォトレジスト膜(第2フォトレジスト膜)21R3を成膜し、第3フォトレジスト膜21R3を露光・現像してから、第3フォトレジスト膜21R3をマスクとして第3金属膜41をエッチングして第3ゲート電極127Eを設け、第4絶縁膜133のパターニングに際しては、第3フォトレジスト膜21R3をマスクとして第4絶縁膜133をエッチングする。このように、第3フォトレジスト膜21R3をマスクとして用いて第4絶縁膜133をパターニングすることで、第3ゲート電極127Eと重畳する範囲に第4絶縁膜133を設けることができる。第4絶縁膜133をパターニングするための専用のフォトレジスト膜が不要となるので、その成膜・露光・現像に係る工程が削減される。これにより、タクトのさらなる短縮化を図ることができる。しかも、仮に少なくとも第2半導体部127Dとは非重畳とされる範囲に第2絶縁膜131の残渣が存在する場合であっても、第4絶縁膜133をパターニングする際に第2絶縁膜131の残渣を除去することができる。
【0094】
<実施形態3>
実施形態3を図18から図22によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1から第4絶縁膜233の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0095】
本実施形態に係る第4絶縁膜233は、図18に示すように、第2半導体部227Dの全域と重畳して配される。詳しくは、第4絶縁膜233は、第2半導体部227Dの中央側部分に加えて両端側部分をも覆って設けられている。第4絶縁膜233の形成範囲は、第2半導体部227Dの形成範囲よりも僅かに広くなっている。第4絶縁膜233の形成範囲は、第2半導体膜232の下層側にある第2絶縁膜231の形成範囲とほぼ一致しており、第4絶縁膜233の外縁と、第2絶縁膜231の外縁と、がほぼ揃う配置となっている。
【0096】
このような形成範囲とされる第4絶縁膜233には、第1コンタクトホール215CH1,215CH2が共に非形成とされるものの、第2コンタクトホール227CH1及び第3コンタクトホール227CH2の一部ずつが設けられている。本実施形態では、第1コンタクトホール215CH1,215CH2は、第1絶縁膜230及び第3絶縁膜234の2層に設けられるのに対し、第2コンタクトホール227CH1は、第3絶縁膜234及び第4絶縁膜233の2層に設けられている。このように、第1コンタクトホール215CH1,215CH2が設けられる絶縁膜230,234の層数と、第2コンタクトホール227CH1が設けられる絶縁膜233,234の層数と、の差が0となる。本実施形態では、第1コンタクトホール215CH1,215CH2が設けられる絶縁膜230,234の膜厚の合計と、第2コンタクトホール227CH1が設けられる絶縁膜233,234の膜厚の合計と、の差は、第1絶縁膜230の膜厚と第4絶縁膜233の膜厚との差と一致し、具体的には0nm~40nmの範囲程度(比較例の1/10以下程度)で済む。これにより、第1コンタクトホール215CH1,215CH2及び第2コンタクトホール227CH1を同じ工程(第9工程)で設ける際に、第2コンタクトホール227CH1を通してストップ膜である第2半導体部227Dがオーバーエッチングされる事態がより生じ難くなる。
【0097】
第4絶縁膜233を上記のような形成範囲に設けるには、アレイ基板221の製造に際して第4絶縁膜233をパターニングする必要がある。本実施形態では、第4絶縁膜233のパターニングを、第3金属膜をパターニングする第8工程の後の第17工程で行うようにしている。第17工程は、第8工程の後で第9工程の前に行われる。第17工程で用いられる第2フォトマスク21P2は、第2半導体膜232のパターニングを行う第6工程で用いられる第1フォトマスク21P1と深い関係があることから、先に第6工程について図19を用いて説明してから、第17工程について図20から図22を用いて説明する。
【0098】
第6工程では、図19に示すように、第1金属膜の上層側に第2絶縁膜231、第2半導体膜232及び第1フォトレジスト膜221R1が続けてベタ状に成膜される。その後、露光装置と、第1フォトマスク21P1と、を用いて第1フォトレジスト膜221R1が露光される。第6工程で用いられる第1フォトレジスト膜221R1は、ポジ型の感光性レジスト材料からなる。ここで、第1フォトマスク21P1について説明する。第1フォトマスク21P1は、十分に高い透光性を有する透明な第1基材21P1Aと、第1基材21P1Aの主面に形成される第1遮光膜21P1Bと、を備える。第1遮光膜21P1Bは、露光装置の光源からの露光光を遮光し、部分的な第1開口21P1Cを有する。第1フォトマスク21P1は、第1遮光膜21P1Bの形成範囲が光を遮る遮光領域とされ、第1開口21P1Cの形成範囲(第1遮光膜21P1Bの非形成範囲)が光を透過する透過領域とされている。第1遮光膜21P1Bは、表示領域AAにおいて各第2ゲート電極227A及び各第2遮光部240と重畳する範囲を含んだ島状の範囲にそれぞれ設けられている。
【0099】
第6工程において、露光装置の光源から発せられた露光光が、上記のような構成の第1フォトマスク21P1を介して第1フォトレジスト膜221R1に対して照射されると、第1フォトレジスト膜221R1は、第1遮光膜21P1Bと重畳する範囲が非露光とされ、第1開口21P1Cと重畳する範囲が選択的に露光される。露光に続いて現像が行われると、ポジ型の第1フォトレジスト膜221R1のうちの露光部分は、現像液によって溶解される速度、つまり溶解速度が早いので除去される。一方、非露光部分については溶解速度が遅くなっていて残存することになる。以上により、第1フォトマスク21P1を用いた第1フォトレジスト膜221R1のパターニングがなされる(図8を参照)。その後、実施形態1と同様に、第1フォトレジスト膜221R1を介して第2絶縁膜231及び第2半導体膜232がそれぞれエッチングされる。
【0100】
第8工程では、第3金属膜がパターニングされて第3ゲート電極227Eが設けられる。その後に、第17工程が行われる。第17工程では、第3金属膜の上層側に第4フォトレジスト膜(第3フォトレジスト膜)21R4がベタ状に成膜される。その後、露光装置と、第2フォトマスク21P2と、を用いて第4フォトレジスト膜21R4が露光される。第17工程で用いられる第4フォトレジスト膜21R4は、ポジ型の感光性レジスト材料からなる。ここで、第2フォトマスク21P2について説明する。第2フォトマスク21P2は、十分に高い透光性を有する透明な第2基材21P2Aと、第2基材21P2Aの主面に形成される第2遮光膜21P2Bと、を備える。第2遮光膜21P2Bは、露光装置の光源からの露光光を遮光し、部分的な第2開口21P2Cを有する。第2フォトマスク21P2は、第2遮光膜21P2Bの形成範囲が光を遮る遮光領域とされ、第2開口21P2Cの形成範囲(第2遮光膜21P2Bの非形成範囲)が光を透過する透過領域とされている。第2遮光膜21P2Bは、表示領域AAにおいて各第2ゲート電極227A及び各第2遮光部240と重畳する範囲を含んだ島状の範囲にそれぞれ設けられている。第2遮光膜21P2Bは、非表示領域NAAには存在しない。このように、第17工程で用いられる第2フォトマスク21P2は、第6工程で用いられる第1フォトマスク21P1と同一の遮光パターン(透光パターン)を有する。これにより、第17工程において第4絶縁膜233をパターニングするための専用の遮光パターンを有するフォトマスクが不要となっている。
【0101】
第17工程において、露光装置の光源から発せられた露光光が、上記のような構成の第2フォトマスク21P2を介して第4フォトレジスト膜21R4に対して照射されると、第4フォトレジスト膜21R4は、第2遮光膜21P2Bと重畳する範囲が非露光とされ、第2開口21P2Cと重畳する範囲が選択的に露光される。露光に続いて現像が行われると、ポジ型の第4フォトレジスト膜21R4のうちの露光部分は、現像液によって溶解される速度、つまり溶解速度が早いので除去される。一方、非露光部分については溶解速度が遅くなっていて残存することになる。以上により、第2フォトマスク21P2を用いた第4フォトレジスト膜21R4のパターニングがなされる。パターニングされた第4フォトレジスト膜21R4は、図21に示すように、表示領域AAにおいて各第2ゲート電極227A付近に島状の範囲に残存する。第4フォトレジスト膜21R4は、非表示領域NAAには残存しない。
【0102】
第17工程では、第4フォトレジスト膜21R4を介して第4絶縁膜233がドライエッチングされる。すると、第4絶縁膜233のうち、第4フォトレジスト膜21R4により被覆されずに露出した部分が選択的に除去され、第4フォトレジスト膜21R4により被覆されて露出しない部分が選択的に残存する。本実施形態では、第4絶縁膜233は、ドライエッチングされるので、第4フォトレジスト膜21R4により被覆された部分(第4フォトレジスト膜21R4と重畳する部分)のほぼ全てが残存する。つまり、ドライエッチングされた第4絶縁膜233の形成範囲は、第4フォトレジスト膜21R4の形成範囲とほぼ一致する。これにより、第4絶縁膜233の形成範囲は、第2絶縁膜231の形成範囲と一致し、第2半導体膜232の形成範囲よりも一回り大きくなる。このようにしてパターニングされた第4絶縁膜233は、図22に示すように、その外縁が、第2絶縁膜231の外縁と一致し、第2半導体部27Dの外縁とは揃わずに外側に突き出している。その後、第4フォトレジスト膜21R4は、アッシングされ、除去される。
【0103】
このように、第17工程では、第4フォトレジスト膜21R4の露光に用いる第2フォトマスク21P2の遮光パターンを、第1フォトレジスト膜221R1の露光に用いる第1フォトマスク21P1の遮光パターンと同じとしているから、第2半導体部227Dと重畳する範囲に第4絶縁膜233を設けることができる。このようにして設けられた第4絶縁膜233は、第2半導体部227Dと重畳して配されるので、第17工程の後で行われる第9工程を経て第4絶縁膜233のうち、第2半導体部227Dと重畳する位置に第2コンタクトホール227CH1の一部が設けられることになる(図18を参照)。従って、第1コンタクトホール215CH1,215CH2が、第1絶縁膜230及び第3絶縁膜234の2層に設けられ、第2コンタクトホール227CH1が、第4絶縁膜233及び第3絶縁膜234の2層に設けられる。このように、第1コンタクトホール215CH1,215CH2が設けられる絶縁膜230,234の層数と、第2コンタクトホール227CH1が設けられる絶縁膜233,234の層数と、の差を無くすことができる。これにより、第1コンタクトホール215CH1,215CH2及び第2コンタクトホール227CH1を同じ第9工程で設ける際に、第2コンタクトホール227CH1を通して第2半導体部227Dがオーバーエッチングされる事態がより生じ難くなる。しかも、仮に少なくとも第2半導体部227Dとは非重畳とされる範囲に第2絶縁膜231の残渣が存在する場合であっても、第17工程にて第4絶縁膜233をドライエッチングする際に第2絶縁膜231の残渣を除去することができる。
【0104】
以上説明したように本実施形態によれば、第4絶縁膜233は、第2半導体部227Dと重畳して配され、第4絶縁膜233のうち、第2半導体部227Dと重畳する位置に第2コンタクトホール227CH1の一部が設けられる。第1コンタクトホール215CH1,215CH2は、第1絶縁膜230及び第3絶縁膜234の2層に設けられる。第2コンタクトホール227CH1は、第3絶縁膜234及び第4絶縁膜233の2層に設けられる。このように、第1コンタクトホール215CH1,215CH2が設けられる絶縁膜230,234の層数と、第2コンタクトホール227CH1が設けられる絶縁膜233,234の層数と、の差を無くすことができる。これにより、第1コンタクトホール215CH1,215CH2及び第2コンタクトホール227CH1を同じ工程で設ける際に、第2コンタクトホール227CH1を通して第2半導体部227Dがオーバーエッチングされる事態がより生じ難くなる。
【0105】
また、液晶パネル11の製造方法において、第3絶縁膜234を成膜する前に、第2半導体膜232の上層側に第4絶縁膜233を成膜するとともに、第4絶縁膜233の上層側に第3金属膜を成膜し、第3金属膜をパターニングして第2半導体部227Dの一部と重畳して配される第3ゲート電極227Eを設けており、第2半導体膜232のパターニングに際しては、第2半導体膜232の上層側に第1フォトレジスト膜221R1を成膜し、第1フォトレジスト膜221R1を、第1フォトマスク21P1を介して露光してから、第1フォトレジスト膜221R1を現像し、第1フォトレジスト膜221R1をマスクとして第2半導体膜232をエッチングして第2半導体部227Dを設け、第4絶縁膜233のパターニングに際しては、第4絶縁膜33の上層側に第4フォトレジスト膜(第3フォトレジスト膜)21R4を成膜し、第4フォトレジスト膜21R4を、第1フォトマスク21P1と同じパターンを有する第2フォトマスク21P2を介して露光してから、第4フォトレジスト膜21R4を現像し、第4フォトレジスト膜21R4をマスクとして第4絶縁膜233をエッチングする。このように、第4フォトレジスト膜21R4の露光に用いる第2フォトマスク21P2のパターンを、第1フォトレジスト膜221R1の露光に用いる第1フォトマスク21P1のパターンと同じとしているから、第2半導体部227Dと重畳する範囲に第4絶縁膜233を設けることができる。第4絶縁膜233をパターニングするための専用のパターンのフォトマスクを不要とすることができる。このようにして設けられた第4絶縁膜233は、第2半導体部227Dと重畳して配されるので、第4絶縁膜233のうち、第2半導体部227Dと重畳する位置に第2コンタクトホール227CH1の一部が設けられることになる。従って、第1コンタクトホール215CH1,215CH2が、第1絶縁膜230及び第3絶縁膜234の2層に設けられ、第2コンタクトホール227CH1が、第4絶縁膜233及び第3絶縁膜234の2層に設けられる。このように、第1コンタクトホール215CH1,215CH2が設けられる絶縁膜230,234の層数と、第2コンタクトホール227CH1が設けられる絶縁膜233,234の層数と、の差を無くすことができる。これにより、第1コンタクトホール215CH1,215CH2及び第2コンタクトホール227CH1を同じ工程で設ける際に、第2コンタクトホール227CH1を通して第2半導体部227Dがオーバーエッチングされる事態がより生じ難くなる。しかも、仮に少なくとも第2半導体部227Dとは非重畳とされる範囲に第2絶縁膜231の残渣が存在する場合であっても、第4絶縁膜233をパターニングする際に第2絶縁膜231の残渣を除去することができる。
【0106】
<実施形態4>
実施形態4を図23または図24によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態1から第2絶縁膜331の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0107】
本実施形態に係る第2絶縁膜331は、図23に示すように、互いに異なる材料からなる下層膜331Aと上層膜331Bとの2層の積層構造とされる。下層膜331Aは、第1金属膜の上層側に配されている。下層膜331Aは、無機材料からなり、例えばSiNからなる。下層膜331Aの膜厚は、例えば200nm程度とされる。上層膜331Bは、下層膜331Aの上層側で第2半導体膜32の下層側に配されている。上層膜331Bは、無機材料からなり、例えばSiOからなる。上層膜331Bの膜厚は、例えば100nm程度とされる。
【0108】
第6工程では、第1金属膜の上層側に下層膜331A、上層膜331B、第2半導体膜32、第1フォトレジスト膜321R1の順で連続的に成膜される。その後、実施形態1と同様にして第1フォトレジスト膜321R1を露光・現像すると、第1フォトレジスト膜321R1がパターニングされる。パターニングされた第1フォトレジスト膜321R1を介して第2半導体膜32をウェットエッチングしてから、下層膜331A及び上層膜331Bからなる第2絶縁膜331をドライエッチングする。これにより、図24に示すように、第2半導体膜32及び第2絶縁膜331がそれぞれパターニングされる。本実施形態では、第1絶縁膜330がSiOからなり、第2絶縁膜331が下層側から200nmの膜厚のSiNからなる下層膜331Aと、100nmの膜厚のSiOからなる上層膜331Bと、を順次積層した膜とされる。このような構成では、第1絶縁膜330と第2絶縁膜331の下層膜331Aとの界面では異なる材料の膜が接する。このため、第2絶縁膜331の下層膜331Aをドライエッチングする際の下層膜331Aの選択比を1よりも大きくすることが容易となり、第1絶縁膜330のオーバーエッチングを大幅に低減することができる。この時にドライエッチングには、四フッ化炭素(CF)、六フッ化硫黄(SF)、塩素、酸素、アルゴンガスなどを用いて、適切な選択比が得られるドライエッチング条件を用いる。
【0109】
<実施形態5>
実施形態5を図25または図26によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態4から第2絶縁膜431の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態4と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0110】
本実施形態に係る第2絶縁膜431は、図25に示すように、上層膜431Bが、第1上層膜431B1と第2上層膜431B2とを含んでいる。つまり、第2絶縁膜431は、下層膜431Aと第1上層膜431B1と第2上層膜431B2との3層の積層構造とされる。第1上層膜431B1は、下層膜431Aの上層側で第2上層膜431B2の下層側に配されている。つまり、第1上層膜431B1は、第2絶縁膜431の中で中間に位置している。第1上層膜431B1は、無機材料からなり、例えばSiNからなる。第2上層膜431B2は、第1上層膜431B1の上層側に配されている。つまり、第2上層膜431B2は、第2絶縁膜431の中で最上層に位置している。第2上層膜431B2は、無機材料からなり、例えばSiOからなる。
【0111】
そして、本実施形態では、下層膜431Aは、第1絶縁膜430と同じ無機材料(材料)からなり、例えばSiOからなる。第2絶縁膜431の中で最下層に位置する下層膜431Aは、第2絶縁膜431のうち、第2金属膜からなる第1ゲート電極415A及び第2ゲート電極427Aとは非重畳となる部分において、第1絶縁膜430に接している。ここで、第6工程において第2絶縁膜431がパターニングされる際に、エッチング深さが第1絶縁膜430にまで達せず、下層膜431Aのうちのエッチングされるべき部分が残存する可能性がある。その場合でも、下層膜431Aの残渣が第1絶縁膜430と同じ材料であり、屈折率等の光学特性の差が小さいため、下層膜431Aの残渣に起因して光学的な不具合が生じ難くなる。これにより、表示不良(表示ムラ)が生じ難くなる。また、下層膜431Aは、第2上層膜431B2とも同じ無機材料からなる。
【0112】
第6工程では、第1金属膜の上層側に下層膜431A、第1上層膜431B1、第2上層膜431B2、第2半導体膜32、第1フォトレジスト膜421R1の順で連続的に成膜される。その後、実施形態1と同様にして第1フォトレジスト膜421R1を露光・現像すると、第1フォトレジスト膜421R1がパターニングされる。パターニングされた第1フォトレジスト膜421R1を介して第2半導体膜32をウェットエッチングしてから、下層膜431A、第1上層膜431B1及び第2上層膜431B2からなる第2絶縁膜431をドライエッチングする。これにより、図26に示すように、第2半導体膜32及び第2絶縁膜431がそれぞれパターニングされる。第2絶縁膜431をドライエッチングする際に第2絶縁膜431が全て除去されず、第1絶縁膜430上に下層膜431Aが僅かに残存する場合がある。その場合でも、第1絶縁膜430上に残存した下層膜431Aの残渣は、第1絶縁膜430と同じ材料であるから、下層膜431Aの残渣と第1絶縁膜430との界面において光が屈折される事態を避けることができる。これにより、表示不良が生じ難くなる。
【0113】
以上説明したように本実施形態によれば、第2絶縁膜431を成膜するに際しては、第2金属膜の上層側に第1絶縁膜430と同じ材料の下層膜431Aを成膜し、下層膜431Aの上層側に上層膜431Bを成膜することで、積層構造の第2絶縁膜431を設ける。このようにして設けられた第2絶縁膜431のうち、第2金属膜(第1ゲート電極415A及び第2ゲート電極427A)とは非重畳となる部分は、下層膜431Aが第1絶縁膜430に接する関係となる。第2絶縁膜431がパターニングされる際に、エッチング深さが第1絶縁膜430にまで達せず、下層膜431Aのうちのエッチングされるべき部分が残存する可能性がある。その場合でも、下層膜431Aの残渣が第1絶縁膜430と同じ材料であり、屈折率等の光学特性の差が小さいため、下層膜431Aの残渣に起因して光学的な不具合が生じ難くなる。これにより、表示不良が生じ難くなる。
【0114】
<実施形態6>
実施形態6を図27によって説明する。この実施形態6では、上記した実施形態1から第2TFT527の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0115】
本実施形態に係る第2TFT527は、図27に示すように、第2半導体部527Dに対して第2絶縁膜531を介して下層側に重畳配置される第2ゲート電極527Aを有するボトムゲート構造とされる。つまり、本実施形態では、第2TFT527が第3ゲート電極27E(図6を参照)を有さない点で実施形態1とは異なる。この変更に伴い、本実施形態に係るアレイ基板521は、実施形態1に記載した第3金属膜及び第4絶縁膜33(図6を参照)を有さない。本実施形態では、第2TFT527において、第2半導体部527Dには、第2ゲート電極527Aのみからの電界によってチャネル領域が生じる点を除いては、実施形態1と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0116】
<実施形態7>
実施形態7を図28によって説明する。この実施形態7では、上記した実施形態1から第2TFT627の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0117】
本実施形態に係る第2TFT627は、図28に示すように、第2半導体部627Dに対して第4絶縁膜633を介して上層側に重畳配置される第3ゲート電極627Eを有するトップゲート構造とされる。つまり、本実施形態では、第2TFT627が第2ゲート電極27A(図6を参照)を有さない点で実施形態1とは異なる。本実施形態では、第2TFT627において、第2半導体部627Dには、第3ゲート電極627Eのみからの電界によってチャネル領域が生じる点を除いては、実施形態1と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0118】
以上説明したように本実施形態に係る液晶パネル11は、第1半導体膜からなる第1半導体部615Dと、第1半導体膜の上層側に配される第1絶縁膜630と、第1絶縁膜630の上層側に配される第2金属膜(第1導電膜)からなり、第1半導体部615Dの一部と重畳して配される第1ゲート電極615Aと、第2金属膜の上層側に配される第2絶縁膜631と、第2絶縁膜631の上層側に配される第2半導体膜32(図8を参照)からなる第2半導体部627Dと、第2半導体膜32の上層側に配される第4絶縁膜(第3絶縁膜)633と、第4絶縁膜633の上層側に配される第3金属膜(第2導電膜)からなり、第2半導体部627Dの一部と重畳して配される第3ゲート電極(第2電極)627Eと、第3金属膜の上層側に配される第3絶縁膜(第4絶縁膜)634と、第3絶縁膜634の上層側に配される第4金属膜(第3導電膜)35(図13を参照)からなり、第1半導体部615Dと重畳して第1ゲート電極615Aとは非重畳となる位置に配される第1ソース電極615B及び第1ドレイン電極615C(第3電極)と、第4金属膜35のうち、第1ソース電極615B及び第1ドレイン電極615Cとは別の部分からなり、第2半導体部627Dと重畳して第3ゲート電極627Eとは非重畳となる位置に配される第2ソース電極(第4電極)627Bと、を備え、第2絶縁膜631は、少なくとも第2半導体部627Dと重畳して配され、第1半導体部615Dと重畳する範囲には非形成とされ、第4絶縁膜633は、少なくとも第3ゲート電極627Eと重畳して配され、第1絶縁膜630及び第3絶縁膜634のうち、第1半導体部615D、第1ソース電極615B及び第1ドレイン電極615Cと重畳する位置には、第1ソース電極615B及び第1ドレイン電極615Cを第1半導体部615Dに接続する第1コンタクトホール615CH1,615CH2が設けられ、第3絶縁膜634のうち、第2半導体部627D及び第2ソース電極627Bと重畳する位置には、第2ソース電極627Bを第2半導体部627Dに接続する第2コンタクトホール627CH1が設けられる。
【0119】
第1ゲート電極615Aと第1半導体部615Dとの間には、第1絶縁膜630が介在することで、第1ゲート電極615Aに印加される電圧によって第1半導体部615Dにチャネル領域を生じさせることができる。第3ゲート電極627Eと第2半導体部627Dとの間には、第4絶縁膜633が介在することで、第3ゲート電極627Eに印加される電圧によって第2半導体部627Dにチャネル領域を生じさせることができる。
【0120】
第1ソース電極615B、第1ドレイン電極615C及び第2ソース電極627Bがいずれも第4金属膜35からなるので、仮に第1ソース電極及び第1ドレイン電極と第2ソース電極とを別の導電膜により構成した場合に比べると、導電膜の層数を削減することができる。その上、第4金属膜35を成膜する前において、第1コンタクトホール615CH1,615CH2及び第2コンタクトホール627CH1を同じ工程で第3絶縁膜634等に設けることが可能とされる。これにより、タクトの短縮化を図ることができる。
【0121】
第2絶縁膜631は、少なくとも第2半導体部627Dと重畳して配され、第1半導体部615Dと重畳する範囲には非形成とされるので、第1コンタクトホール615CH1,615CH2は、第2絶縁膜631には設けられず、少なくとも第1絶縁膜630及び第3絶縁膜634の2層に設けられている。仮に第2絶縁膜が第1半導体部615Dと重畳する範囲にも存在する場合、第1コンタクトホールが少なくとも第1絶縁膜630、第2絶縁膜631及び第3絶縁膜634の3層にわたって設けられる。このように、第2絶縁膜631が第1半導体部615Dと重畳する範囲に非形成とされることで、第1コンタクトホール615CH1,615CH2が設けられる絶縁膜630,633,634の層数を減らすことができる。従って、第1コンタクトホール615CH1,615CH2が設けられる絶縁膜630,633,634の層数と、第2コンタクトホール627CH1が設けられる絶縁膜633,634の層数と、の差が小さくなる。これにより、第1コンタクトホール615CH1,615CH2及び第2コンタクトホール627CH1を同じ工程で設ける際に、第2コンタクトホール627CH1を通して第2半導体部627Dがオーバーエッチングされる事態が生じ難くなる。
【0122】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0123】
(1)第2絶縁膜31,131,231,331,431,531,631の形成範囲は、図示以外にも適宜に変更可能である。例えば、第2絶縁膜31,131,231,331,431,531,631が、表示領域AAにおいてベタ状に配され、非表示領域NAAには非形成とされてもよい。また、第2絶縁膜31,131,231,331,431,531,631が、非表示領域NAAにおいて第1半導体部15D,115D,615Dとは非重畳となる範囲に設けられてもよい。要は、第1半導体部15D,115D,615Dと重畳する範囲において非形成であれば、第2絶縁膜31,131,231,331,431,531,631の具体的な形成範囲は、適宜に変更可能である。
【0124】
(2)実施形態2において、第4絶縁膜133の外縁と、第3ゲート電極127Eの外縁と、が揃わない配置(実施形態1,3と同様の配置)でもよい。第8工程にて第3金属膜41をウェットエッチングした後に、第4絶縁膜133をドライエッチングしてパターニングしてもよい。
【0125】
(3)実施形態2において、第3金属膜41をパターニングした後に、第4絶縁膜133を、専用のフォトマスク及びフォトレジスト膜を用いてパターニングすることも可能である。
【0126】
(4)実施形態3において、第4絶縁膜233の外縁と、第3ゲート電極227Eの外縁と、がほぼ揃う配置でもよい。第8工程にて第3金属膜と第4絶縁膜233を共にドライエッチングでパターニングしてもよい。
【0127】
(5)実施形態3において、第3金属膜をパターニングした後に、第4絶縁膜233を、第2半導体膜32,232のパターニングで用いた第1フォトマスクとは異なるパターンを持つ専用のフォトマスク及びフォトレジスト膜を用いてパターニングすることも可能である。
【0128】
(6)実施形態4において、上層膜331Bの材料をSiNとし、下層膜331Aの材料をSiOとしてもよい。こうすると、下層膜331A及び第1絶縁膜330の材料が同じになるので、実施形態5と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0129】
(7)実施形態4において、第1絶縁膜330の材料をSiNとしてもよい。こうすると、下層膜331A及び第1絶縁膜330の材料が同じになるので、実施形態5と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0130】
(8)実施形態4において、下層膜331A、上層膜331B及び第1絶縁膜330に用いる具体的な材料は、SiN,SiO以外にも適宜に変更可能である。
【0131】
(9)実施形態5において、第1上層膜431B1の材料をSiOとし、下層膜431A及び第2上層膜431B2の材料をSiNとし、第1絶縁膜430の材料をSiNとしてもよい。
【0132】
(10)実施形態5において、下層膜431A、第1上層膜431B1、第2上層膜431B2及び第1絶縁膜430に用いる具体的な材料は、SiN,SiO以外にも適宜に変更可能である。
【0133】
(11)第1ソース電極15B,615Bの一部が第1ゲート電極15A,415A,615Aと重畳してもよい。同様に、第1ドレイン電極15C,615Cの一部が第1ゲート電極15A,415A,615Aと重畳してもよい。同様に、第2ソース電極27B,627Bの一部が第2ゲート電極27A,127A,227A,427A,527A及び第3ゲート電極27E,127E,227Eの少なくとも一方と重畳してもよい。また、第2ドレイン電極27Cが、第2ゲート電極27A,127A,227A,427A,527A及び第3ゲート電極27E,127E,227Eの少なくとも一方と非重畳となる配置であってもよい。
【0134】
(12)第1ソース電極15B,615Bまたは第1ドレイン電極15C,615Cが、第5金属膜により構成されてもよい。その場合、第5金属膜により構成される第1ソース電極15B,615Bまたは第1ドレイン電極15C,615Cは、第1絶縁膜30,130,230,330,430,630、第3絶縁膜34,134,234,634、第4絶縁膜33,133,233,633及び第5絶縁膜36に設けられる第5コンタクトホールを通して第1半導体部15D,115D,615Dに接続される。
【0135】
(13)第2ドレイン電極27Cは、第2ソース電極27B,627Bと同じ第4金属膜35により構成されてもよい。この場合、第5金属膜及び第5絶縁膜36を省略することが可能である。また、第5金属膜及び第6絶縁膜37を省略し、第4コンタクトホール27CH3を第5絶縁膜36に設けることも可能である。
【0136】
(14)第3絶縁膜34,134,234,634の材料として感光性樹脂材料を用いることも可能である。このようにすれば、フォトレジスト膜を用いることなく第3絶縁膜34,134,234,634をパターニングすることができる。同様に、第6絶縁膜37の材料として感光性樹脂材料を用いることも可能である。
【0137】
(15)各フォトレジスト膜21R1~21R4は、ポジ型の感光性レジスト材料でもよいが、ネガ型の感光性レジスト材料でもよい。
【0138】
(16)アレイ基板21,121,221,521に用いる導電膜としては、金属膜以外にも、半導体膜に低抵抗化処理を施して得られる低抵抗化膜を用いることも可能である。また、透明電極膜を導電膜として用いることも可能である。
【0139】
(17)第1回路部14A及び第2回路部14Bの少なくとも一方は、一部または全てが表示領域AAに配されてもよい。
【0140】
(18)第1遮光部16及び第2遮光部40の少なくとも一方が省略されてもよい。第1遮光部16及び第2遮光部40を共に省略した場合は、第1金属膜を省略することができる。
【0141】
(19)基板20GS,21GSの材料は、ガラス以外にも合成樹脂等であってもよい。
【0142】
(20)液晶パネル11の画素密度の具体的な数値は、適宜に変更可能である。
【0143】
(21)液晶パネル11の表示モードは、IPSモード等でもよい。
【0144】
(22)液晶パネル11の平面形状は、横長の長方形、縦長の長方形、正方形、円形、半円形、長円形、楕円形、台形などでもよい。
【0145】
(23)実施形態4,5に記載の構成を、実施形態2,3,6,7に記載の構成に適宜に組み合わせることも可能である。その他にも各実施形態に記載の構成を適宜に組み合わせることが可能である。
【0146】
(24)液晶パネル11以外にも、自発光式の表示装置である有機EL表示装置でもよい。
【0147】
(25)ヘッドマウントディスプレイ10HMD以外にも、液晶パネル11に表示された画像を、レンズなどを用いて拡大表示する機器として、例えばヘッドアップディスプレイやプロジェクターなどにも適用可能である。また、拡大表示機能を持たない表示装置(テレビ受信装置、タブレット型端末、スマートフォンなど)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0148】
11…液晶パネル(表示装置)、14…回路部、15A,415A,615A…第1ゲート電極(第1電極)、15B,615B…第1ソース電極(第3電極)、15C,615C…第1ドレイン電極(第3電極)、15CH1,15CH2,115CH1,115CH2,215CH1,215CH2,615CH1,615CH2…第1コンタクトホール、15D,115D,615D…第1半導体部、21P1…第1フォトマスク、21P2…第2フォトマスク、21R1,221R1,321R1,421R1…第1フォトレジスト膜、21R3…第3フォトレジスト膜(第2フォトレジスト膜)、21R4…第4フォトレジスト膜(第3フォトレジスト膜)、25…ゲート配線(第1配線)、26…ソース配線(第2配線)、27A,127A,227A,427A,527A…第2ゲート電極(第2電極)、27B,627B…第2ソース電極(第4電極)、27C…第2ドレイン電極(第6電極)、27CH1,127CH1,627CH1…第2コンタクトホール、27D,127D,227D,527D,627D…第2半導体部、27E,127E,227E…第3ゲート電極(第5電極)、28…画素電極、30,130,230,330,430,630…第1絶縁膜、31,131,231,331,431,531,631…第2絶縁膜、32,232…第2半導体膜、33,133,233…第4絶縁膜、34,134,234…第3絶縁膜、35…第4金属膜(第2導電膜、第3導電膜)、41…第3金属膜(第3導電膜)、431A…下層膜、431B…上層膜、627E…第3ゲート電極(第2電極)、633…第4絶縁膜(第3絶縁膜)、634…第3絶縁膜(第4絶縁膜)、AA…表示領域
図1
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