(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007734
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ユーティリティ関連機器システム
(51)【国際特許分類】
F24H 15/296 20220101AFI20240112BHJP
F24H 15/414 20220101ALI20240112BHJP
F24H 15/457 20220101ALI20240112BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20240112BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20240112BHJP
F24H 15/124 20220101ALI20240112BHJP
【FI】
F24H15/296
F24H15/414
F24H15/457
G05B23/02 Z
G06Q10/00 300
F24H15/124
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109017
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼溝 将輝
【テーマコード(参考)】
3C223
5L049
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223AA17
3C223AA21
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB03
3C223EB04
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH08
3C223HH23
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】ユーティリティ関連機器が設けられている施設の利用者に与える不利益を極力小さくできるユーティリティ関連機器システムを提供する。
【解決手段】同一の施設2に設置される複数のユーティリティ関連機器4を備えるユーティリティ関連機器システムであって、複数のユーティリティ関連機器4のうちの一つのユーティリティ関連機器4は、複数のユーティリティ関連機器4のうちの他のユーティリティ関連機器4との間で情報通信を正常に行うことができないことを示す通信異常条件を満たし、且つ、他のユーティリティ関連機器4が一つのユーティリティ関連機器4との間で情報通信ができない通信途絶予定期間ではない場合、他のユーティリティ関連機器4が情報通信を正常に行うことができないことに応じた異常発生時動作を行い、通信異常条件を満たし、且つ、通信途絶予定期間である場合、異常発生時動作を行わない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の施設に設置され、当該施設でのユーティリティの使用に関連する複数のユーティリティ関連機器を備えるユーティリティ関連機器システムであって、
前記複数のユーティリティ関連機器のうちの一つのユーティリティ関連機器は、
前記複数のユーティリティ関連機器のうちの他のユーティリティ関連機器との間で情報通信を正常に行うことができないことを示す通信異常条件を満たし、且つ、前記他のユーティリティ関連機器が前記一つのユーティリティ関連機器との間で情報通信ができないことが予定されている通信途絶予定期間ではない場合、前記他のユーティリティ関連機器が情報通信を正常に行うことができないことに応じた異常発生時動作を行い、
前記通信異常条件を満たし、且つ、前記通信途絶予定期間である場合、前記異常発生時動作を行わない、ユーティリティ関連機器システム。
【請求項2】
前記一つのユーティリティ関連機器及び前記他のユーティリティ関連機器の組み合わせは、ユーティリティとしてのガスを燃焼して温水を生成する熱源機、ユーティリティとしてのガスを用いて発電するガス消費発電装置、及び、前記熱源機及び前記ガス消費発電装置の少なくとも一方との間で情報通信を行うリモコン装置のうちの二つの組み合わせである請求項1に記載のユーティリティ関連機器システム。
【請求項3】
前記一つのユーティリティ関連機器及び前記他のユーティリティ関連機器の組み合わせは、ユーティリティとしての電気を消費して温水を生成する電気式ヒートポンプユニット、前記電気式ヒートポンプユニットで生成した温水を貯える貯湯タンク、及び、前記電気式ヒートポンプユニット及び前記貯湯タンクの少なくとも一方との間で情報通信を行うリモコン装置のうちの二つの組み合わせである請求項1に記載のユーティリティ関連機器システム。
【請求項4】
前記他のユーティリティ関連機器は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、前記一つのユーティリティ関連機器に対して当該ソフトウェアのインストールを開始することを示す情報を送信し、
前記一つのユーティリティ関連機器は、前記他のユーティリティ関連機器から前記ソフトウェアのインストールを開始することを示す情報を受信した後は前記通信途絶予定期間であると判定する請求項1~3の何れか一項に記載のユーティリティ関連機器システム。
【請求項5】
前記他のユーティリティ関連機器は、前記ソフトウェアのインストールを終了した場合、前記一つのユーティリティ関連機器に対して当該ソフトウェアのインストールを終了したことを示す情報を送信し、
前記一つのユーティリティ関連機器は、前記他のユーティリティ関連機器から前記ソフトウェアのインストールを終了したことを示す情報を受信した後は前記通信途絶予定期間ではないと判定する請求項4に記載のユーティリティ関連機器システム。
【請求項6】
前記他のユーティリティ関連機器は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、前記一つのユーティリティ関連機器に対して当該ソフトウェアのインストールを開始することを示す情報を送信し、
前記一つのユーティリティ関連機器は、前記他のユーティリティ関連機器から前記ソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから所定期間は前記通信途絶予定期間であると判定し、当該所定期間の経過後は前記通信途絶予定期間ではないと判定する請求項1~3の何れか一項に記載のユーティリティ関連機器システム。
【請求項7】
前記他のユーティリティ関連機器は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、前記一つのユーティリティ関連機器に対して当該ソフトウェアのインストールを開始すること及び当該ソフトウェアの容量を示す情報を送信し、
前記一つのユーティリティ関連機器は、前記他のユーティリティ関連機器から前記ソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから、前記ソフトウェアの容量に応じて決定されるインストール期間は前記通信途絶予定期間であると判定し、当該インストール期間の経過後は前記通信途絶予定期間ではないと判定する請求項1~3の何れか一項に記載のユーティリティ関連機器システム。
【請求項8】
前記他のユーティリティ関連機器は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、前記一つのユーティリティ関連機器に対して当該ソフトウェアのインストールを開始すること及び当該ソフトウェアのインストール所要期間を示す情報を送信し、
前記一つのユーティリティ関連機器は、前記他のユーティリティ関連機器から前記ソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから、前記インストール所要期間は前記通信途絶予定期間であると判定し、当該インストール所要期間の経過後は前記通信途絶予定期間ではないと判定する請求項1~3の何れか一項に記載のユーティリティ関連機器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一の施設に設置され、当該施設に供給されるユーティリティの使用に関連する複数のユーティリティ関連機器を備えるユーティリティ関連機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)機器の普及とともに、燃料電池装置、熱源機、及び、それらと通信するリモコン装置などに通信モジュールを組み込んでサーバと通信させ、様々なデータをやり取りすることが行われている。また、サーバからリモコン装置などに最新のソフトウェアを配信し、リモコン装置などのソフトウェアを更新する事も行われている。
【0003】
例えば特許文献1(特開2015-185352号公報)には、同一の施設に設置され、施設に供給されるユーティリティとしてのガスの使用に関連する複数のユーティリティ関連機器として、燃料電池ユニット、貯湯タンク、熱源機、リモコン装置などが記載されている。そして、燃料電池ユニット、貯湯タンク、熱源機の制御ソフトウェアを、制御ソフトウェア管理サーバーから受信した最新のものに更新することが行われている。
【0004】
尚、特許文献1には記載されていないが、ソフトウェアの更新中の機器は他の機器との間での情報通信を行うことができない。そのため、ソフトウェアを更新中の機器、即ち、情報通信を行うことができない機器がある場合、その機器に故障などの異常が発生したと他の機器で判定される可能性がある。
【0005】
例えば特許文献2(特開2019-46572号公報)には、燃料電池とリモコンとの間などでの情報通信に異常が発生したか否かを判定することが記載されている。そして、情報通信に異常が発生したと判定した場合、燃料電池に接続されているパワーコンディショナから外部への電力供給を停止することなどが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-185352号公報
【特許文献2】特開2019-46572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のようなユーティリティ関連機器にインストールされるソフトウェアの容量は大きくなる傾向にある。例えば、リモコン装置にインストールされるソフトウェアに、リモコン装置の表示画面で表示するための画像ファイル、スピーカーから出力するための音声ファイルなどを含める場合、その容量は大きくなる。そのため、ユーティリティ関連機器でのソフトウェアの更新に要する期間が長くなる。そして、そのユーティリティ関連機器が他の機器と情報通信できなくなる期間、即ち、ユーティリティ関連機器同士の連携を正常に行うことができない期間が長くなる。その結果、特許文献2に記載のシステムのように、燃料電池に接続されているパワーコンディショナから外部への電力供給を停止すること等、即ち、ユーティリティ関連機器が動作を停止すること等の異常発生時動作を行う可能性が高まる。
【0008】
このように、特許文献2に記載のようなシステムでは、施設に設けられるユーティリティ関連機器でのソフトウェアの更新作業によって、他のユーティリティ関連機器の動作が停止される等の不利益を施設の利用者に与えてしまうことがある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーティリティ関連機器が設けられている施設の利用者に与える不利益を極力小さくできるユーティリティ関連機器システムを提供する点にある。尚、本願においてユーティリティとは、施設に供給されてその利用者に消費されるエネルギーまたは物資のことであり、例えば、ガス、電気、水等が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るユーティリティ関連機器システムの特徴構成は、同一の施設に設置され、当該施設でのユーティリティの使用に関連する複数のユーティリティ関連機器を備えるユーティリティ関連機器システムであって、
前記複数のユーティリティ関連機器のうちの一つのユーティリティ関連機器は、
前記複数のユーティリティ関連機器のうちの他のユーティリティ関連機器との間で情報通信を正常に行うことができないことを示す通信異常条件を満たし、且つ、前記他のユーティリティ関連機器が前記一つのユーティリティ関連機器との間で情報通信ができないことが予定されている通信途絶予定期間ではない場合、前記他のユーティリティ関連機器が情報通信を正常に行うことができないことに応じた異常発生時動作を行い、
前記通信異常条件を満たし、且つ、前記通信途絶予定期間である場合、前記異常発生時動作を行わない点にある。
ここで、前記一つのユーティリティ関連機器及び前記他のユーティリティ関連機器の組み合わせは、ユーティリティとしてのガスを燃焼して温水を生成する熱源機、ユーティリティとしてのガスを用いて発電するガス消費発電装置、及び、前記熱源機及び前記ガス消費発電装置の少なくとも一方との間で情報通信を行うリモコン装置のうちの二つの組み合わせであってもよい。
或いは、前記一つのユーティリティ関連機器及び前記他のユーティリティ関連機器の組み合わせは、ユーティリティとしての電気を消費して温水を生成する電気式ヒートポンプユニット、前記電気式ヒートポンプユニットで生成した温水を貯える貯湯タンク、及び、前記電気式ヒートポンプユニット及び前記貯湯タンクの少なくとも一方との間で情報通信を行うリモコン装置のうちの二つの組み合わせであってもよい。
【0011】
上記特徴構成によれば、一つのユーティリティ関連機器は、予め想定されている通信途絶予定期間ではない期間に通信異常条件が満たされた場合には、他のユーティリティ関連機器が情報通信を正常に行うことができないことに応じた異常発生時動作を行う。つまり、一つのユーティリティ関連機器は、他のユーティリティ関連機器との間の連携に予め想定されていない支障が生じている状況では異常発生時動作を行って、一つのユーティリティ関連機器が安全に運転されるようにできる。
それに対して、一つのユーティリティ関連機器は、予め想定されている通信途絶予定期間に通信異常条件が満たされた場合、即ち、他のユーティリティ関連機器の動作が正常だと想定される場合には、異常発生時動作を行わない。つまり、一つのユーティリティ関連機器は、他のユーティリティ関連機器の動作が正常だと想定される場合には、自身の動作を停止する等の異常発生時動作を行わない。
従って、ユーティリティ関連機器が設けられている施設の利用者に与える不利益を極力小さくできるユーティリティ関連機器システムを提供できる。
【0012】
本発明に係るユーティリティ関連機器システムの更に別の特徴構成は、前記他のユーティリティ関連機器は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、前記一つのユーティリティ関連機器に対して当該ソフトウェアのインストールを開始することを示す情報を送信し、
前記一つのユーティリティ関連機器は、前記他のユーティリティ関連機器から前記ソフトウェアのインストールを開始することを示す情報を受信した後は前記通信途絶予定期間であると判定する点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、一つのユーティリティ関連機器は、他のユーティリティ関連機器からソフトウェアのインストールを開始することを示す情報を受信した後は通信途絶予定期間であると判定して、その通信途絶予定期間に通信異常条件が満たされた場合、即ち、他のユーティリティ関連機器の動作が正常だと想定される場合には、異常発生時動作を行わないようにできる。
【0014】
本発明に係るユーティリティ関連機器システムの更に別の特徴構成は、前記他のユーティリティ関連機器は、前記ソフトウェアのインストールを終了した場合、前記一つのユーティリティ関連機器に対して当該ソフトウェアのインストールを終了したことを示す情報を送信し、
前記一つのユーティリティ関連機器は、前記他のユーティリティ関連機器から前記ソフトウェアのインストールを終了したことを示す情報を受信した後は前記通信途絶予定期間ではないと判定する点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、一つのユーティリティ関連機器は、他のユーティリティ関連機器からソフトウェアのインストールを終了したことを示す情報を受信した後は通信途絶予定期間ではないと判定して、その通信途絶予定期間ではない期間に通信異常条件が満たされた場合には、異常発生時動作を行うようにできる。
【0016】
本発明に係るユーティリティ関連機器システムの更に別の特徴構成は、前記他のユーティリティ関連機器は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、前記一つのユーティリティ関連機器に対して当該ソフトウェアのインストールを開始することを示す情報を送信し、
前記一つのユーティリティ関連機器は、前記他のユーティリティ関連機器から前記ソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから所定期間は前記通信途絶予定期間であると判定し、当該所定期間の経過後は前記通信途絶予定期間ではないと判定する点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、一つのユーティリティ関連機器は、他のユーティリティ関連機器からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから所定期間は通信途絶予定期間であると判定して、その通信途絶予定期間に通信異常条件が満たされた場合、即ち、他のユーティリティ関連機器の動作が正常だと想定される場合には、異常発生時動作を行わないようにできる。
また、一つのユーティリティ関連機器は、他のユーティリティ関連機器からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから所定期間の経過後は通信途絶予定期間ではないと判定して、その通信途絶予定期間ではない期間に通信異常条件が満たされた場合には、異常発生時動作を行うようにできる。
【0018】
本発明に係るユーティリティ関連機器システムの更に別の特徴構成は、前記他のユーティリティ関連機器は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、前記一つのユーティリティ関連機器に対して当該ソフトウェアのインストールを開始すること及び当該ソフトウェアの容量を示す情報を送信し、
前記一つのユーティリティ関連機器は、前記他のユーティリティ関連機器から前記ソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから、前記ソフトウェアの容量に応じて決定されるインストール期間は前記通信途絶予定期間であると判定し、当該インストール期間の経過後は前記通信途絶予定期間ではないと判定する点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、一つのユーティリティ関連機器は、他のユーティリティ関連機器からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから、ソフトウェアの容量に応じて決定されるインストール期間は通信途絶予定期間であると判定して、その通信途絶予定期間に通信異常条件が満たされた場合、即ち、他のユーティリティ関連機器の動作が正常だと想定される場合には、異常発生時動作を行わないようにできる。
また、一つのユーティリティ関連機器は、他のユーティリティ関連機器からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから上記インストール期間の経過後は通信途絶予定期間ではないと判定して、その通信途絶予定期間ではない期間に通信異常条件が満たされた場合には、異常発生時動作を行うようにできる。
【0020】
本発明に係るユーティリティ関連機器システムの更に別の特徴構成は、前記他のユーティリティ関連機器は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、前記一つのユーティリティ関連機器に対して当該ソフトウェアのインストールを開始すること及び当該ソフトウェアのインストール所要期間を示す情報を送信し、
前記一つのユーティリティ関連機器は、前記他のユーティリティ関連機器から前記ソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから、前記インストール所要期間は前記通信途絶予定期間であると判定し、当該インストール所要期間の経過後は前記通信途絶予定期間ではないと判定する点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、一つのユーティリティ関連機器は、他のユーティリティ関連機器からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してからインストール所要期間は通信途絶予定期間であると判定して、その通信途絶予定期間に通信異常条件が満たされた場合、即ち、他のユーティリティ関連機器の動作が正常だと想定される場合には、異常発生時動作を行わないようにできる。
また、一つのユーティリティ関連機器は、他のユーティリティ関連機器からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから上記インストール所要期間の経過後は通信途絶予定期間ではないと判定して、その通信途絶予定期間ではない期間に通信異常条件が満たされた場合には、異常発生時動作を行うようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】管理サーバー装置と各施設に設けられるユーティリティ関連機器システムとの構成を示す図である。
【
図2】異常判定処理を説明するフローチャートである。
【
図3】管理サーバー装置と各施設に設けられるユーティリティ関連機器システムとの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
以下に図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るユーティリティ関連機器システムについて説明する。
図1は、管理サーバー装置10と各施設2に設けられるユーティリティ関連機器システムとの構成を示す図である。
図1に示す例では、二つの施設2A、2B(2)が描いているが、管理サーバー装置10と接続される施設2の数は適宜変更可能である。ユーティリティ関連機器システムが設けられる各施設2は、情報通信回線1を介して管理サーバー装置10と互いに情報通信可能に接続されている。本願においてユーティリティとは、施設2に供給されてその利用者に消費されるエネルギーまたは物資のことであり、例えば、ガス、電気、水等が挙げられる。第1実施形態では、ユーティリティとしてのガスを例にして説明を行う。つまり、第1実施形態で説明するユーティリティ関連機器4は、ガス関連機器である。
【0024】
施設2にはガス供給路3を介して、ユーティリティとしての都市ガスなどのガスが供給される。ユーティリティ関連機器システムは、同一の施設2に設置され、その施設2でのガスの使用に関連する複数のユーティリティ関連機器4を備える。
図1に示す例では、各施設2には、ユーティリティ関連機器4としての熱源機30と燃料電池装置40とリモコン装置20とが設けられている。
【0025】
熱源機30は、ガス供給路3を介して供給されるガスを燃焼して熱を発生する(例えば温水などを生成する)装置である。
図1に示す例では、熱源機30は、供給されるガスを燃焼する燃焼部31と、燃焼部31の動作を制御する制御部32と、熱源機30で取り扱われる情報を記憶する記憶部33と、他の機器と情報通信を行うための通信部34を有する。
【0026】
燃料電池装置40は、供給されるガスを改質して水素等の燃料ガスを生成する改質部41と、改質部41で生成された燃料ガスを用いて発電する燃料電池部42と、改質部41及び燃料電池部42の動作を制御する制御部43と、燃料電池装置40で取り扱われる情報を記憶する記憶部44と、他の機器と情報通信を行うための通信部45を有する。
【0027】
リモコン装置20は、熱源機30及び燃料電池装置40と情報通信できる。リモコン装置20は、リモコン装置20の動作を制御する制御部21と、リモコン装置20で取り扱われる情報を記憶する記憶部22と、利用者に対して情報を出力する情報出力部23と、利用者から情報の入力を受け付ける入力受付部24と、他の機器と情報通信を行うための通信部25を有する。
【0028】
リモコン装置20の入力受付部24は、例えば熱源機30及び燃料電池装置40の動作設定など情報の入力を利用者から受け付けることができる。熱源機30の動作設定としては、例えば熱源機30が生成する湯の温度などがある。燃料電池装置40の動作設定としては、例えば燃料電池装置40の発電運転の実行指示や発電停止指示などがある。リモコン装置20の制御部21は、入力受付部24が利用者から受け付けた動作設定を通信部25から熱源機30、燃料電池装置40、管理サーバー装置10に対して送信できる。
【0029】
リモコン装置20は、所定のタイミングで熱源機30及び燃料電池装置40のそれぞれと通信部25によって情報通信を行って、熱源機30の動作状態及び燃料電池装置40の動作状態についての情報をそれぞれから受信している。そして、リモコン装置20の情報出力部23は、例えば熱源機30及び燃料電池装置40の動作状態などの情報を利用者に対して音声情報、文字情報、画像情報などで出力できる。熱源機30の動作状態についての情報としては、例えば熱源機30がガス燃焼状態であるか否かの情報、不具合に関するエラー情報などがある。燃料電池装置40の動作状態としては、例えば燃料電池装置40が発電運転しているか否かの情報、現在の発電電力、不具合に関するエラー情報などがある。
【0030】
管理サーバー装置10は、情報処理部11と記憶部12と通信部13を備え、各施設2のユーティリティ関連機器4との間で情報通信を行うことができる。例えば、情報処理部11は、通信部13によって各ユーティリティ関連機器4から受信した動作状態に関する情報を記憶部12に記憶できる。また、情報処理部11は、記憶部12に記憶されている各ユーティリティ関連機器4のためのソフトウェアプログラムを適当なタイミングで通信部13から各ユーティリティ関連機器4に対して送信できる。
【0031】
以上のようにして、ユーティリティ関連機器システムを構成する複数のユーティリティ関連機器同士で情報通信を行うが、その情報通信を正常に行うことができない通信異常が発生する場合もある。例えば、ユーティリティ関連機器4で故障が発生した場合には他の機器との間で情報通信を正常に行うことができない。他にも、ユーティリティ関連機器4が、管理サーバー装置10から受信したソフトウェアのインストールを行っている間、他の機器との間で情報通信を正常に行うことができない。
【0032】
尚、複数のユーティリティ関連機器同士で情報通信を正常に行うことができない通信異常が発生したとしても、その通信異常の原因に応じて対処が異なる。例えば、一方のユーティリティ関連機器4で故障が発生したという理由でその一方のユーティリティ関連機器4と他のユーティリティ関連機器4との間での情報通信を正常に行うことができていない場合、他のユーティリティ関連機器4の動作を停止するといった異常発生時動作を行うことが好ましい場合がある。それに対して、上述したように一方のユーティリティ関連機器4がソフトウェアのインストールを行っているという理由で、その一方のユーティリティ関連機器4と他のユーティリティ関連機器4との間での情報通信を正常に行うことができていない場合、即ち、一方のユーティリティ関連機器4は正常に動作している場合、他のユーティリティ関連機器4の動作を停止する必要はない。つまり、複数のユーティリティ関連機器同士で情報通信を正常に行うことができない通信異常が発生したとしても、その通信異常がソフトウェアのインストールによる予定されたものである場合には他のユーティリティ関連機器4の動作を停止するといった異常発生時動作を行う必要はない。
【0033】
次に、ユーティリティ関連機器4が行う異常判定処理について説明する。本実施形態では、複数のユーティリティ関連機器4のうちの一つのユーティリティ関連機器4は、複数のユーティリティ関連機器4のうちの他のユーティリティ関連機器4との間で情報通信を正常に行うことができないことを示す通信異常条件を満たし、且つ、他のユーティリティ関連機器4が一つのユーティリティ関連機器4との間で情報通信ができないことが予定されている通信途絶予定期間ではない場合、他のユーティリティ関連機器4が情報通信を正常に行うことができないことに応じた異常発生時動作を行い、通信異常条件を満たし、且つ、通信途絶予定期間である場合、異常発生時動作を行わない。尚、本実施形態において、一つのユーティリティ関連機器4及び他のユーティリティ関連機器4の組み合わせは、ユーティリティとしてのガスを燃焼して温水を生成する熱源機30、ユーティリティとしてのガスを用いて発電するガス消費発電装置としての燃料電池装置40、及び、熱源機30及び燃料電池装置40の少なくとも一方との間で情報通信を行うリモコン装置20のうちの二つの組み合わせである。
【0034】
以下の説明では、上記一つのユーティリティ関連機器4が燃料電池装置40であり、上記他のユーティリティ関連機器4がリモコン装置20である場合において、ユーティリティ関連機器4としての燃料電池装置40の制御部43が行う異常判定処理の例を説明する。
【0035】
図2は、異常判定処理を説明するフローチャートである。
工程#10において燃料電池装置40の制御部43は、通信異常条件を満たすか否かを判定する。そして、燃料電池装置40の制御部43は、通信異常条件を満たさない場合(工程#10で「No」の場合)にはこのフローチャートを終了し、通信異常条件を満たす場合(工程#10で「Yes」の場合)には工程#11に移行する。
【0036】
例えば、燃料電池装置40は、燃料電池装置40の発電電力についての情報をリモコン装置20に対して定期的に送信している。この場合、燃料電池装置40の制御部43は、送信した情報がリモコン装置20で正常に受信されたことを示す情報をリモコン装置20から受け取った場合には、リモコン装置20との間で情報通信を正常に行うことができると判定し、送信した情報がリモコン装置20で正常に受信されたことを示す情報をリモコン装置20から受け取っていない場合には、リモコン装置20との間で情報通信を正常に行うことができないと判定(即ち、通信異常条件を満たすと判定)する。
【0037】
ここで、通信異常条件の内容は適宜設定可能である。例えば、燃料電池装置40は、送信した情報がリモコン装置20で正常に受信されたことを示す情報をリモコン装置20から1回でも受け取ることができなかった場合に通信異常条件を満たすと判定してもよいし、又は、送信した情報がリモコン装置20で正常に受信されたことを示す情報をリモコン装置20から複数回(所定回数)受け取ることができなかった場合に通信異常条件を満たすと判定してもよい。或いは、燃料電池装置40は、送信した情報がリモコン装置20で正常に受信されたことを示す情報をリモコン装置20から所定期間の間受け取ることができなかった場合に通信異常条件を満たすと判定してもよい。
【0038】
上述した通信異常条件を満たす状態がリモコン装置20の故障によって発生している場合、燃料電池装置40は発電運転を停止するなどの異常発生時動作を行うことが好ましい。但し、上述した通信異常条件を満たす状態がリモコン装置20の故障等とは別の理由によって発生している場合、燃料電池装置40は発電運転を停止するなどの異常発生時動作を行わなくても良い場合がある。例えば、上述した通信異常条件を満たす状態が、例えばリモコン装置20でのソフトウェア更新の処理が行われているために発生している場合、燃料電池装置40は異常発生時動作を行わなくても良い。
【0039】
そこで、工程#11において燃料電池装置40の制御部43は、現時点がリモコン装置20との間で情報通信ができないことが予定されている通信途絶予定期間であるか否かを判定する。そして、燃料電池装置40の制御部43は、現時点が通信途絶予定期間である場合にはこのフローチャートを終了し、通信途絶予定期間ではない場合には工程#12に移行する。
【0040】
例えば、リモコン装置20は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、燃料電池装置40に対してソフトウェアのインストールを開始することを示す情報を送信する。そして、燃料電池装置40の制御部43は、リモコン装置20からソフトウェアのインストールを開始することを示す情報を受信した後は通信途絶予定期間であると判定する。また、リモコン装置20は、ソフトウェアのインストールを終了した場合、燃料電池装置40に対してソフトウェアのインストールを終了したことを示す情報を送信する。そして、燃料電池装置40の制御部43は、リモコン装置20からソフトウェアのインストールを終了したことを示す情報を受信した後は通信途絶予定期間ではないと判定する。
このようにして、燃料電池装置40の制御部43は、現時点がリモコン装置20との間で情報通信ができないことが予定されている通信途絶予定期間であるか否かを判定する。
【0041】
工程#12において燃料電池装置40の制御部43は、例えば燃料電池部42からの発電電力の出力を停止させるなどの異常発生時動作を行う。
【0042】
以上のように、燃料電池装置40は、予め想定されている通信途絶予定期間ではない期間に通信異常条件が満たされた場合には、リモコン装置20が情報通信を正常に行うことができないことに応じた異常発生時動作(例えば、燃料電池装置40の発電停止など)を行う。つまり、燃料電池装置40は、リモコン装置20との間の連携に予め想定されていない支障が生じている状況では異常発生時動作を行って、燃料電池装置40が安全に運転されるようにできる。それに対して、燃料電池装置40は、予め想定されている通信途絶予定期間に通信異常条件が満たされた場合、即ち、リモコン装置20の動作が正常だと想定される場合には、異常発生時動作を行わない。つまり、燃料電池装置40は、リモコン装置20の動作が正常だと想定される場合には、自身の動作を停止する等の異常発生時動作を行わない。従って、ユーティリティ関連機器4が設けられている施設2の利用者に与える不利益を極力小さくできるユーティリティ関連機器システムを提供できる。
【0043】
<第2実施形態>
第2実施形態のユーティリティ関連機器システムは、通信途絶予定期間の決定手法が上記実施形態と異なっている。以下に第2実施形態のユーティリティ関連機器システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。本実施形態でも、上記一つのユーティリティ関連機器4が燃料電池装置40であり、上記他のユーティリティ関連機器4がリモコン装置20である場合について説明する。
【0044】
リモコン装置20の制御部21は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、燃料電池装置40に対してそのソフトウェアのインストールを開始することを示す情報を送信する。そして、燃料電池装置40の制御部43は、リモコン装置20からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから所定期間は通信途絶予定期間であると判定し、その所定期間の経過後は通信途絶予定期間ではないと判定する。この所定期間は、燃料電池装置40の記憶部44に予め記憶されている値である。
【0045】
このように、本実施形態のユーティリティ関連機器システムでは、燃料電池装置40の制御部43は、リモコン装置20からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから所定期間は通信途絶予定期間であると判定して、その通信途絶予定期間に通信異常条件が満たされた場合、即ち、リモコン装置20の動作が正常だと想定される場合には、異常発生時動作を行わないようにできる。また、燃料電池装置40の制御部43は、リモコン装置20からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから所定期間の経過後は通信途絶予定期間ではないと判定して、その通信途絶予定期間ではない期間に通信異常条件が満たされた場合には、異常発生時動作を行うようにできる。
【0046】
<第3実施形態>
第3実施形態のユーティリティ関連機器システムは、通信途絶予定期間の決定手法が上記実施形態と異なっている。以下に第3実施形態のユーティリティ関連機器システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。本実施形態でも、上記一つのユーティリティ関連機器4が燃料電池装置40であり、上記他のユーティリティ関連機器4がリモコン装置20である場合について説明する。
【0047】
リモコン装置20の制御部21は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、燃料電池装置40に対してそのソフトウェアのインストールを開始すること及びそのソフトウェアの容量を示す情報を送信する。そして、燃料電池装置40の制御部43は、リモコン装置20からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから、ソフトウェアの容量に応じて決定されるインストール期間は通信途絶予定期間であると判定し、そのインストール期間の経過後は通信途絶予定期間ではないと判定する。
【0048】
例えば、燃料電池装置40の記憶部44には、ソフトウェアの容量当たりのインストール期間についての情報が「a(分)/b(MB)」などの数値で記憶されている。そのため、燃料電池装置40の制御部43は、リモコン装置20からソフトウェアの容量を示す情報を受信した場合、その情報と、自身が記憶しているソフトウェアの容量当たりのインストール期間についての情報(「a(分)/b(MB)」など)とに基づいて、上記インストール期間を導出できる。
【0049】
このように、本実施形態のユーティリティ関連機器システムでは、燃料電池装置40の制御部43は、リモコン装置20からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから、ソフトウェアの容量に応じて決定されるインストール期間は通信途絶予定期間であると判定して、その通信途絶予定期間に通信異常条件が満たされた場合、即ち、リモコン装置20の動作が正常だと想定される場合には、異常発生時動作を行わないようにできる。また、燃料電池装置40の制御部43は、リモコン装置20からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから上記インストール期間の経過後は通信途絶予定期間ではないと判定して、その通信途絶予定期間ではない期間に通信異常条件が満たされた場合には、異常発生時動作を行うようにできる。
【0050】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、ユーティリティ関連機器システムの構成、複数種類のユーティリティ関連機器4の構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。
上記実施形態では、ユーティリティ関連機器4の例として、リモコン装置20、熱源機30、燃料電池装置40を挙げたが、他の機器をユーティリティ関連機器4として用いてもよい。例えば、浴室乾燥機、床暖房装置などの機器をユーティリティ関連機器4として用いてもよい。
上記実施形態では、ユーティリティ関連機器4が行う異常発生時動作の具体例を説明したが、その異常発生時動作の内容は適宜設定可能である。例えば、ユーティリティ関連機器4は、異常発生時動作としてエラー発報を行ってもよい。
【0051】
<2>
上記第3実施形態では、リモコン装置20の制御部21が、ソフトウェアのインストールを開始する場合、ソフトウェアの容量を示す情報を送信する例を説明したが、ソフトウェアのインストール所要期間を示す情報を送信してもよい。
【0052】
例えば、リモコン装置20の制御部21は、ソフトウェアのインストールを開始する場合、燃料電池装置40に対してそのソフトウェアのインストールを開始すること及びソフトウェアのインストール所要期間を示す情報を送信する。そして、燃料電池装置40の制御部43は、リモコン装置20からソフトウェアのインストールを開始することを示す通知を受信してから、そのインストール所要期間は通信途絶予定期間であると判定し、そのインストール所要期間の経過後は通信途絶予定期間ではないと判定する。
【0053】
<3>
上記実施形態では、ユーティリティ関連機器4がガス関連機器である例を説明したが、ガス関連機器ではない場合でも構わない。
図3は、管理サーバー装置10と施設2に設けられるユーティリティ関連機器システムとの構成を示す図である。施設2には電力系統5から、ユーティリティとしての電気が供給される。
図3に示す例では、各施設2には、ユーティリティ関連機器4としての貯湯タンク50と電気式ヒートポンプユニット60とリモコン装置20とが設けられている。尚、
図3には施設2と一つしか描いていないが、管理サーバー装置10は複数の施設2と情報通信可能である。
【0054】
電気式ヒートポンプユニット60は、電気式のヒートポンプ部61と、ヒートポンプ部61の動作を制御する制御部62と、電気式ヒートポンプユニット60で取り扱われる情報を記憶する記憶部63と、他の機器と情報通信を行うための通信部64とを有する。
【0055】
ヒートポンプ部61の具体的な構成についての説明は省略するが、ヒートポンプ部61は、熱媒体が循環する熱媒体循環路と、熱媒体循環路を流れる熱媒体を圧縮する電気式の圧縮機と、熱媒体循環路を流れる熱媒体から放熱させる凝縮器と、熱媒体循環路を流れる熱媒体に吸熱させる蒸発器と、蒸発器に流入する熱媒体を膨張させる膨張弁とを備える。
【0056】
貯湯タンク50は、熱媒体から放熱された熱によって昇温された温水を貯える貯湯部51と、貯湯タンク50の動作を制御する制御部52と、貯湯タンク50で取り扱われる情報を記憶する記憶部53と、他の機器と情報通信を行うための通信部54とを有する。
【0057】
リモコン装置20は、貯湯タンク50及び電気式ヒートポンプユニット60と情報通信できる。リモコン装置20は、リモコン装置20の動作を制御する制御部21と、リモコン装置20で取り扱われる情報を記憶する記憶部22と、利用者に対して情報を出力する情報出力部23と、利用者から情報の入力を受け付ける入力受付部24と、他の機器と情報通信を行うための通信部25を有する。図示する例では、リモコン装置20は、貯湯タンク50を介して電気式ヒートポンプユニット60との間で情報通信する。
【0058】
リモコン装置20の入力受付部24は、例えば貯湯タンク50及び電気式ヒートポンプユニット60の動作設定など情報の入力を利用者から受け付けることができる。貯湯タンク50及び電気式ヒートポンプユニット60の動作設定としては、例えば貯湯タンク50の貯湯部51に貯える温水の温度設定、貯湯部51での温水の貯湯の中止、貯湯部51に貯えている温水の沸き上げ実行指示などがある。リモコン装置20の制御部21は、入力受付部24が利用者から受け付けた動作設定を通信部25から貯湯タンク50、電気式ヒートポンプユニット60、管理サーバー装置10に対して送信できる。例えば、貯湯タンク50の制御部52は、リモコン装置20から温水の沸き上げ実行指示を受け付けた場合には、ヒートポンプ部61へ動作開始を指示する。そして、電気式ヒートポンプユニット60の制御部62は、ヒートポンプ部61を動作させて、温水の沸き上げを実行する。
【0059】
リモコン装置20は、所定のタイミングで貯湯タンク50及び電気式ヒートポンプユニット60と通信部25によって情報通信を行って、貯湯タンク50の動作状態及び電気式ヒートポンプユニット60の動作状態についての情報をそれぞれから受信している。そして、リモコン装置20の情報出力部23は、例えば貯湯タンク50及び電気式ヒートポンプユニット60の動作状態などの情報を利用者に対して音声情報、文字情報、画像情報などで出力できる。
【0060】
貯湯タンク50の動作状態についての情報としては、例えば貯湯部51で貯えている温水の量についての情報、不具合に関するエラー情報などがあり、それらは貯湯タンク50の制御部52が通信部54を介して送信する。或いは、貯湯タンク50の記憶部53に記憶してある情報の中から、貯湯タンク50の制御部52が送信してもよい。電気式ヒートポンプユニット60の動作状態についての情報としては、例えばヒートポンプ部61が貯湯運転(沸き上げ運転)しているか否かの情報、不具合に関するエラー情報などがあり、それらは電気式ヒートポンプユニット60の制御部62が通信部64を介して送信する。或いは、電気式ヒートポンプユニット60の記憶部63に記憶してある情報の中から、電気式ヒートポンプユニット60の制御部62が送信してもよい。
【0061】
管理サーバー装置10は、情報処理部11と記憶部12と通信部13を備え、施設2のユーティリティ関連機器4との間で情報通信を行うことができる。例えば、情報処理部11は、通信部13によって各ユーティリティ関連機器4から受信した動作状態に関する情報を記憶部12に記憶できる。また、情報処理部11は、記憶部12に記憶されている各ユーティリティ関連機器4のためのソフトウェアプログラムを適当なタイミングで通信部13から各ユーティリティ関連機器4に対して送信できる。
【0062】
このように、
図3に示すユーティリティ関連機器システムにおいて、一つのユーティリティ関連機器4及び他のユーティリティ関連機器4の組み合わせは、ユーティリティとしての電気を消費して温水を生成する電気式ヒートポンプユニット60、電気式ヒートポンプユニット60で生成した温水を貯える貯湯タンク50、及び、電気式ヒートポンプユニット60及び貯湯タンク50の少なくとも一方との間で情報通信を行うリモコン装置20のうちの二つの組み合わせである。
【0063】
本別実施形態でも、ユーティリティ関連機器4が行う異常発生時動作の内容は、運転停止など、適宜設定可能である。例えば、ユーティリティ関連機器4としての電気式ヒートポンプユニット60は、他のユーティリティ関連機器4としての貯湯タンク50、リモコン装置20などとの間で情報通信を正常に行うことができないことを示す通信異常条件を満たし、且つ、貯湯タンク50、リモコン装置20などが電気式ヒートポンプユニット60との間で情報通信ができないことが予定されている通信途絶予定期間ではない場合、貯湯タンク50、リモコン装置20などが情報通信を正常に行うことができないことに応じた異常発生時動作としての運転停止を行うように構成してもよい。
【0064】
<4>
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、ユーティリティ関連機器が設けられている施設の利用者に与える不利益を極力小さくできるユーティリティ関連機器システムに利用できる。
【符号の説明】
【0066】
2 施設
4 ユーティリティ関連機器
20 リモコン装置(ユーティリティ関連機器 4)
30 熱源機(ユーティリティ関連機器 4)
40 燃料電池装置(ユーティリティ関連機器 4)
50 貯湯タンク(ユーティリティ関連機器 4)
60 電気式ヒートポンプユニット(ユーティリティ関連機器 4)