(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077357
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】IVRシステム、IVRテンプレート作成方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/50 20060101AFI20240531BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20240531BHJP
G10L 13/00 20060101ALI20240531BHJP
G06F 40/58 20200101ALI20240531BHJP
【FI】
H04M3/50 A
G06F3/16 690
G10L13/00 100Z
G06F40/58
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189413
(22)【出願日】2022-11-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】510336185
【氏名又は名称】株式会社アセンド
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博
【テーマコード(参考)】
5B091
5K201
【Fターム(参考)】
5B091AA01
5K201AA05
5K201DC05
5K201DC06
5K201DC07
5K201EC09
5K201EF03
5K201EF08
5K201EF10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外国語対応したIVRテンプレートを効率的に作成する技術を提供する。
【解決手段】IVR(Interactive Voice Response)システムにおいて、IVR装置は、セクションの登録及び前記セクション同士を連結するフローの登録を行うことでIVRテンプレートの登録を行う管理部と、フローに従って順次前記セクションに設定された動作を実行することで、IVRテンプレートに従って自動音声応答を行うIVR部と、を備える。管理部は、原語スクリプト及び翻訳語に基づく翻訳処理と、翻訳処理結果として取得した翻訳語スクリプトに基づく音声合成処理と、音声合成処理結果として取得した翻訳語合成音声を当該セクションにおいて再生される音声として登録する処理と、を行うことで、フローに従って当該セクションに進行した場合に再生される音声の音声登録処理を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IVR(Interactive Voice Response)システムであって、
セクションの登録及び前記セクション同士を連結するフローの登録を行うことでIVRテンプレートの登録を行う管理部と、
前記フローに従って順次前記セクションに設定された動作を実行することで、前記IVRテンプレートに従って自動音声応答を行うIVR部と、を備え、
前記管理部は、原語スクリプト及び翻訳語に基づく翻訳処理と、
前記翻訳処理結果として取得した翻訳語スクリプトに基づく音声合成処理と、
前記音声合成処理結果として取得した翻訳語合成音声を当該セクションにおいて再生される音声として登録する処理と、を行うことで、
前記フローに従って当該セクションに進行した場合に再生される音声の音声登録処理を行うIVRシステム。
【請求項2】
前記管理部は、前記セクションのセクション名の登録を受け付け、
当該IVRテンプレートとして登録された前記セクション及び前記フローを、前記フローの連結状態を示すダイアグラムを表示させ、
ここで、前記ダイアグラムにおいて、前記セクションには前記セクション名が表示される請求項1に記載のIVRシステム。
【請求項3】
前記管理部は、前記翻訳処理において前記原語スクリプトを翻訳可能な複数の翻訳語を指定可能に表示させ、
前記翻訳処理は、前記原語スクリプトを指定された前記翻訳語に翻訳する為の処理である請求項1に記載のIVRシステム。
【請求項4】
前記管理部は、前記音声合成処理において前記翻訳語スクリプトを音声合成可能な複数の音声分類を指定可能に表示させ、
前記音声合成処理は、前記翻訳語スクリプトを指定された前記音声分類の声色に音声合成する為の処理である請求項3に記載のIVRシステム。
【請求項5】
前記管理部は、前記セクションのセクション名の登録を受け付け、
指定された番号毎に進行させる前記セクション名を指定可能に表示させ、
指定された前記セクション名に基づいて、前記フローによって接続される前記セクションの登録を受け付けることで、前記番号に応じて前記フローを分岐させる為の分岐登録処理を行う請求項1に記載のIVRシステム。
【請求項6】
前記管理部は、原語スクリプト及び翻訳語に基づく翻訳処理と、
前記翻訳処理結果として取得した翻訳語スクリプトを送信するSMSのメッセージとして登録することで、前記フローに従って当該セクションに進行した場合に送信するSMSのメッセージ登録処理を行う請求項1に記載のIVRシステム。
【請求項7】
IVR部がセクション同士を連結するフローに従って順次前記セクションに設定された動作を実行することで自動音声応答を行う為のIVRテンプレートを作成するIVRテンプレート作成方法であって、
原語スクリプト及び翻訳語に基づく翻訳処理を行う工程と、
前記翻訳処理結果として取得した翻訳語スクリプトに基づく音声合成処理を行う工程と、
前記音声合成処理結果として取得した翻訳語合成音声を当該セクションにおいて再生される音声として登録する工程と、を実行することで、
前記フローに従って当該セクションに進行した場合に再生される音声の音声登録処理を行うIVRテンプレート作成方法。
【請求項8】
IVR部がセクション同士を連結するフローに従って順次前記セクションに設定された動作を実行することで自動音声応答を行う為のIVRテンプレートを管理するコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、原語スクリプト及び翻訳語に基づく翻訳処理と、
前記翻訳処理結果として取得した翻訳語スクリプトに基づく音声合成処理と、
前記音声合成処理結果として取得した翻訳語合成音声を当該セクションにおいて再生される音声として登録する処理と、を実行させることで、
前記フローに従って当該セクションに進行した場合に再生される音声の音声登録処理を行わせるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はIVRシステム、IVRテンプレート作成方法及びコンピュータプログラム
に関する。
【背景技術】
【0002】
IVR(自動音声応答)システムにおいて、顧客端末からの呼の着信を検出するとそれに応答し、事前に定義されたIVRテンプレートに従って、ガイダンス音声を再生することが行われている。また。IVRテンプレート上で、顧客端末における選択番号に応じてガイダンス音声等を分岐させることもある。
【0003】
特許文献1には、再生回数が大なる順のガイダンス識別情報に応じて複数の音声信号の再生順序を設定する設定手段を備えたコールセンタシステムであって、音声再生手段は設定手段によって設定された再生順序で複数の音声信号を外線端末に出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
ところで、ガイダンス音声を外国語音声とすることで、外国語対応のIVRシステムを提供することもできる。また、選択番号に応じて、複数言語のガイダンス音声に分岐させることで、IVRシステムを多言語化することもできる。一方、先行文献では、外国語対応したIVRテンプレートを効率的に作成することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、外国語対応したIVRテンプレートを効率的に作成する技術を提供することを、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、IVR(Interactive Voice Response)システムであって、
セクションの登録及び前記セクション同士を連結するフローの登録を行うことでIVRテンプレートの登録を行う管理部と、
前記フローに従って順次前記セクションに設定された動作を実行することで、前記IVRテンプレートに従って自動音声応答を行うIVR部と、を備え、
前記管理部は、原語スクリプト及び翻訳語に基づく翻訳処理と、
前記翻訳処理結果として取得した翻訳語スクリプトに基づく音声合成処理と、
前記音声合成処理結果として取得した翻訳語合成音声を当該セクションにおいて再生される音声として登録する処理と、を行うことで、
前記フローに従って当該セクションに進行した場合に再生される音声の音声登録処理を行う。
【0008】
また、本発明は、IVR部がセクション同士を連結するフローに従って順次前記セクションに設定された動作を実行することで自動音声応答を行う為のIVRテンプレートを作成するIVRテンプレート作成方法であって、
原語スクリプト及び翻訳語に基づく翻訳処理を行う工程と、
前記翻訳処理結果として取得した翻訳語スクリプトに基づく音声合成処理を行う工程と、
前記音声合成処理結果として取得した翻訳語合成音声を当該セクションにおいて再生される音声として登録する工程と、を実行することで、
前記フローに従って当該セクションに進行した場合に再生される音声の音声登録処理を行う。
【0009】
また、本発明は、IVR部がセクション同士を連結するフローに従って順次前記セクションに設定された動作を実行することで自動音声応答を行う為のIVRテンプレートを管理するコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、原語スクリプト及び翻訳語に基づく翻訳処理と、
前記翻訳処理結果として取得した翻訳語スクリプトに基づく音声合成処理と、
前記音声合成処理結果として取得した翻訳語合成音声を当該セクションにおいて再生される音声として登録する処理と、を実行させることで、
前記フローに従って当該セクションに進行した場合に再生される音声の音声登録処理を行わせる。
【0010】
このような構成とすることで、外国語対応したIVRテンプレートを効率的に作成することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記管理部は、前記セクションのセクション名の登録を受け付け、
当該IVRテンプレートとして登録された前記セクション及び前記フローを、前記フローの連結状態を示すダイアグラムを表示させ、
ここで、前記ダイアグラムにおいて、前記セクションには前記セクション名が表示される。
【0012】
本発明の好ましい形態では、記管理部は、前記翻訳処理において前記原語スクリプトを翻訳可能な複数の翻訳語を指定可能に表示させ、
前記翻訳処理は、前記原語スクリプトを指定された前記翻訳語に翻訳する為の処理である。
【0013】
このような構成とすることで、外国語対応したIVRテンプレートを効率的に作成することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記管理部は、前記音声合成処理において前記翻訳語スクリプトを音声合成可能な複数の音声分類を指定可能に表示させ、
前記音声合成処理は、前記翻訳語スクリプトを指定された前記音声分類の声色に音声合成する為の処理である。
【0015】
このような構成とすることで、より柔軟にIVRテンプレートを作成することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記管理部は、前記セクションのセクション名の登録を受け付け、
指定された番号毎に進行させる前記セクション名を指定可能に表示させ、
指定された前記セクション名に基づいて、前記フローによって接続される前記セクションの登録を受け付けることで、前記番号に応じて前記フローを分岐させる為の分岐登録処理を行う。
【0017】
このような構成とすることで、外国語対応したIVRテンプレートを効率的に作成することができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記管理部は、原語スクリプト及び翻訳語に基づく翻訳処理と、
前記翻訳処理結果として取得した翻訳語スクリプトを送信するSMSのメッセージとして登録することで、前記フローに従って当該セクションに進行した場合に送信するSMSのメッセージ登録処理を行う。
【0019】
このような構成とすることで、外国語対応したIVRテンプレートを効率的に作成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、外国語対応したIVRテンプレートを効率的に作成する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図。
【
図2】一実施の形態のシステムのハードウェア構成図。
【
図4】一実施の形態のIVRテンプレート作成画面の画面表示例。
【
図5】一実施の形態のIVRテンプレート作成時のフローチャート。
【
図6】一実施の形態のセクション情報の登録を行う際のフローチャート。
【
図7】一実施の形態の再生セクションの登録画面の画面表示例。
【
図8】一実施の形態の分岐セクションの登録画面の画面表示例。
【
図9】一実施の形態のフローを登録する為の登録画面の画面表示例。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0023】
例えば、本実施形態ではIVRシステム1の構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0024】
<システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、IVRシステム1は、IVR装置2、データベース3、顧客電話機4及び、管理者端末5を含み、これらがネットワーク6を介して接続されている。なお、ネットワーク6は例えば、インターネット等のIP(Internet Protocol)網であるが、更に移動体通信網や公衆電話網等を含んでいてもよい。顧客電話機4は電話機能を備え、これら網を介してIVR装置2と呼接続することで通話可能に構成される。
【0025】
IVR装置2は、汎用のサーバやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置10を1又は複数利用することができる。データベース3は情報処理装置10を1又は複数利用することもできるし、IVR装置2の記憶部に構成されてもよい。顧客電話機4は、例えば、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等、電話機能を備えた任意の端末である。管理者端末5としては、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の端末装置9を利用することができる。
【0026】
<ハードウェア構成>
図2は、ハードウェア構成図である。
図2(a)に示すように、情報処理装置10(IVR装置2)は、処理部101、記憶部102及び通信部103を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0027】
処理部101は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやIVRプログラム、ウェブブラウザアプリケーション等を実行する。
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS、IVRプログラム等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部103は、ネットワーク6に物理的に接続するためのインタフェースを有し、ネットワーク6との通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
【0028】
図2(b)に示すように、端末装置9(管理者端末5)は、処理部901、記憶部902、通信部903、入力部904及び出力部905を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0029】
処理部901は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやウェブブラウザアプリケーション等を実行する。
記憶部902は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OSやウェブブラウザアプリケーション等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部903は、ネットワーク6に物理的に接続するためのインタフェースを有し、ネットワーク6との通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部904は、タッチパネルやキーボードなどの入力処理が可能な操作入力デバイス、マイクなどの音声入力が可能な音声入力デバイス、カメラなどの画像入力が可能な画像入力デバイスを有する。
出力部905は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイス、スピーカなどの音声出力デバイスを有する。
【0030】
<IVRシステムの機能構成>
図3は、IVRシステム1の機能ブロック図である。IVR装置2は、顧客電話機4と自動音声応答を行う為の装置であり、機能構成要素として、発着信部21と、IVR部22と、管理部23と、メッセージ配信部24と、を備える。これは、ソフトウェア(記憶部102等に一過的又は非一過的に記憶されたIVRプログラム)による情報処理が、ハードウェア(処理部101等)によって具体的に実現されたものである。なお、これら機能構成要素は、1の情報処理装置10に備えられてもよいし、ネットワーク等を介して接続され、協働可能な複数の情報処理装置10のそれぞれにこれらの機能行為要素が備えられ、全体としてIVR装置2が実現されてもよい。
【0031】
発着信部21は、ネットワーク6を介して顧客電話機4からの着信呼を受け付ける。なお、顧客電話機4へ呼を発信する機能を更に有していてもよい。
【0032】
データベース3には、IVRテンプレートと、IVRテンプレートに紐付けられ、IVR部22が再生すべき音声データが記憶される。
【0033】
IVR部22は、IVRテンプレートに従って、音声データの再生等を行い、接続された顧客電話機4に対して自動音声応答を行う。
【0034】
管理部23は、IVRテンプレートの登録を行い、データベース3に格納する。また、管理部23は、管理者端末5(本実施形態では、管理者端末5のウェブブラウザアプリケーション)からの表示処理要求を受け取って画面の表示処理を行い、表示処理結果を管理者端末5に返送する。これにより、管理者端末5の表示デバイスに所定の画面が表示される。
【0035】
<IVRテンプレートの作成方法>
次いで、
図4~9を用いて、IVRテンプレートの作成方法について説明する。まず、
図4を用いて、IVRテンプレートについて説明する。
【0036】
IVRテンプレートは、IVR部22がIVRを行う為の情報であり、テンプレート情報として記録される。テンプレート情報は、IVRテンプレートに含まれる1又は複数のセクションを示すセクション情報が紐付けられると共に、これらセクション同士を連結するフローを示すフロー情報を有する。セクション情報には、当該IVRテンプレートにおけるセクションのシリアルナンバー、タイトル、種別の情報を含み、また種別に応じて音声データ等が紐付けされる。種別は、セクションに進行した場合に実行される処理内容を示す情報であり、例えば、開始、音声データの再生、分岐、転送、SMS送信等を含む。
【0037】
<IVRテンプレート作成画面>
図4は、IVRテンプレート作成画面W1の画面表示例である。管理部23は、IVRテンプレートとして登録されたセクション及びフローを、セクションの連結状態を示すダイアグラムとして表示させることで、管理者端末5にIVRテンプレート作成画面W1を表示させる。IVRテンプレート作成画面W1には、IVRテンプレートに含める複数のセクション要素Sが配置されると共に、セクション要素S同士を接続するフロー要素Fが配置される。これらセクション要素Sが、セクション情報に対応し、フロー要素Fがフロー情報に対応して表示される。
【0038】
画面向かって左端の「種別:開始」のセクション要素S(開始S1)がIVRの開始時に参照され、開始S1に接続された「種別:再生」のセクション要素S(日本語案内S2)に進行する。そして、日本語案内S2に設定された音声データが再生され、再生が終了すると、接続された「種別:分岐」のセクション要素(質問S3)に進行する。IVR部22は、このように、セクション要素Sに設定された処理が完了すると、次のセクション要素Sに進んで設定された処理を実行し、終話処理が設定されたセクションに到達するか、顧客電話機4から切断されるまで、IVRテンプレートに従って処理を実行する。
【0039】
図5は、IVRテンプレート作成時のフローチャートである。ステップST10において、管理者は、管理者端末5の入力部904を介してIVRテンプレート作成画面W1に対する操作入力を行って、セクション要素Sを配置すると共に処理内容を設定し、管理部23は、セクション情報を登録する。例えば管理者は、図示しない追加ボタンを押下したり、図示領域外等にあるセクション要素をドラッグアンドドロップすることで、IVRテンプレートに、新たなセクション要素Sを追加する。これらはセクション要素の種別を指定可能に設けられるのが好ましい。なお、「登録」とは、新規に情報を設定する以外に、過去に作成済の設定に対する変更操作を含んでもよい。
【0040】
ステップST20において、IVRテンプレート作成画面W1に対する操作入力を行って、作成したセクション要素同士を接続することで、管理部23は、フロー情報を登録する。所望のIVRテンプレートが完成するまで、これらの登録を繰り返し(ST30)、IVRテンプレートを作成する。また、図示しない保存ボタンを押下することで、作成したIVRテンプレートを保存する。
【0041】
図4に示すように、セクション要素Sは、セクション要素本体SA、セクション情報におけるシリアルナンバーSB、種別SC及びタイトルSDの表示要素、メニューボタンSE及び接続ボタンSFを備える。ここで、メニューボタンSEが指定されると、設定ボタンSb及び削除ボタンScを備えたメニュー画面Saが表示される。また、フロー要素Fは、セクション要素を接続するフロー要素本体FAと、フロー要素Fの選択番号を示す番号表示FBを備える。
【0042】
<再生セクションの登録>
図6は、音声データ再生のセクションに係るセクション情報の登録を行う際のフローチャートである。ステップST101において、管理者は、管理者端末5の入力部904を介してIVRテンプレート作成画面W1に対する操作入力を行って、「種別:再生」のセクション要素Sを配置する。
図4は、新規に配置したセクション要素S17のメニューボタンSE17を押下することで、メニュー画面Sa17を表示させた状態の画面表示例である。ここで、設定ボタンSb17が押下することで、「種別:再生」のセクション情報の登録画面が表示される。
【0043】
図7は、再生セクションの登録画面の画面表示例である。ステップST102において、登録画面W2のタイトル欄W2Aを介して、セクション情報のタイトル(セクション名)が入力される。管理部23は、セクション名の登録を受け付けると、セクション情報としてデータベース3に格納する。IVRテンプレート作成画面W1のダイアグラムにおいて、対応するセクション要素Sに、設定されたセクション名を表示させる。
【0044】
「種別:再生」のセクション情報には、音声データ情報が紐付けされる。音声データ情報は、音声種類(音声ファイルアップロード/音声選択/音声合成)と、当該セクションにおいて再生される音声データを含む。ステップST103において、音声種類指定欄W2Bを介して、音声データ情報の音声種別が指定可能に構成される。図示例は、音声合成が指定された場合の画面表示例である。
【0045】
ここで、事前に用意した音声データを当該セクションにおいて再生される音声データとして登録する場合(ステップST104においてNO)、ステップST109に進む。本実施形態では、音声種別が音声ファイルアップロード又は、音声選択の場合である。
【0046】
音声種別として、音声ファイルアップロードが指定された場合、図示しない管理者端末5に格納された音声データをアップロードする為のアップロード欄を介して、設定したい音声データをアップロード可能とする。アップロードされた音声データをIVR装置2に格納すると共に、当該セクションにおいて再生される音声データとして設定する。保存ボタンW2Kが押下されると、管理部23は、タイトルと音声データ情報を紐付けて、セクション情報として登録する(ステップST109)。
【0047】
音声選択が指定された場合、管理部23は、事前にアップロードされた音声データをプルダウンメニュー等で指定可能に表示させ、指定された音声データを、当該セクションにおいて再生される音声データとして設定する。保存ボタンW2Kが押下されると、管理部23は、タイトルと音声データ情報を紐付けて、セクション情報として登録する(ステップST109)。
【0048】
スクリプトから合成音声を作成して、音声データとして設定する場合(ステップST104においてYES)、ステップST105に進む。本実施形態では、音声種別が音声合成の場合である。音声データ情報は、音声種別が音声合成の場合は、更に、音声合成の種別及び、合成音声を生成する為のスクリプトを含み、音声データとしてスクリプトから生成した合成音声データを含む。
【0049】
<合成音声(原語)>
本実施形態では、音声合成種別指定欄W2Cを介して、さらに、音声合成の種別を指定することができる。本実施形態では、音声合成の種別として、合成音声(原語)と、合成音声(翻訳)の2種類の合成音声が利用できる。
【0050】
合成音声(原語)とは、原語(ここでは日本語)のスクリプトに対して音声合成を行い、音声データとして設定する場合に選択される。音声合成種別指定欄W2Cにおいて、合成音声(原語)が指定された場合(ステップST106でNO)、ステップST105において、原語スクリプト欄W2Eに対する日本語でのテキスト入力を行い、ステップST108に進む。
【0051】
<合成音声(翻訳)>
合成音声(翻訳)とは、原語のスクリプトに対して翻訳処理を行い、翻訳語のスクリプトに対して音声合成を行い、音声データとして設定する場合に選択される。合成音声(翻訳)が選択される場合、音声データ情報は更に、指定された原語、入力された原語スクリプト、指定された翻訳語及び、翻訳語スクリプトを含む。音声合成種別指定欄W2Cにおいて、合成音声(原語)が指定された場合(ステップST106でYES)、ステップST105において、原語指定欄W2Dにおいて、原語スクリプト欄W2Eに対して入力する言語を指定すると共に、原語スクリプト欄W2Eに対して原語でのテキスト入力を行う。更に、翻訳語指定欄W2Fに対して翻訳語の指定を行う。
【0052】
ステップST107において、翻訳ボタンW2Gが押下されると、管理部23は翻訳処理を実行し、生成された翻訳語スクリプトが翻訳語スクリプト欄W2Hに入力され、ステップST108に進む。
【0053】
本実施形態では、翻訳処理として、ネットワーク6を介して通信可能な図示しない翻訳装置に対して、指定された言語、入力された原語スクリプト及び指定された翻訳語を含む翻訳要求を送信し、翻訳装置において生成され、返送された翻訳語スクリプトを取得する。なお、IVR装置2が入力された原語スクリプトを翻訳語に翻訳する機械翻訳エンジンを備え、管理部23が機械翻訳エンジンを用いて翻訳を行ってもよい。
【0054】
<音声合成処理>
ステップST108において、音声分類欄W2Iにおいて音声分類が指定され、管理部23は、指定された音声分類での音声合成処理を行う。音声分類は、スクリプトから生成される合成音声の声色であり、例えば、和速やアクセント、音高、音色、性別等の属性を異ならせることで、それぞれに個人性を持せたものである。本実施形態では、データベース3には合成音声マスタに指定可能な人物名が付されると共に、各言語に対してそれぞれ、1又は複数の音声分類が紐付けされ、音声合成処理に際して指定可能に構成される。
【0055】
本実施形態では、音声合成処理として、ネットワーク6を介して通信可能な図示しない音声合成装置に対して、音声合成するスクリプトを含む音声合成要求を送信し、音声合成装置において生成され、返送された合成音声を取得する。なお、IVR装置2が入力されたスクリプトを音声合成して合成音声を生成する音声合成エンジンを備え、管理部23が音声合成エンジンを用いて音声合成を行ってもよい。
【0056】
再生ボタンW2Jが押下されると、合成音声を再生することができる。保存ボタンW2Kが押下されると、管理部23は、タイトルと音声データ情報を紐付けて、セクション情報として登録する(ステップST109)。また、キャンセルボタンW2Lが押下されると、登録画面W2を閉じる。
【0057】
<分岐セクションの登録>
次いで、
図8~9を用いて、分岐の設定について説明する。
図8は、分岐セクションの登録画面の画面表示例である。
図4において、メニューボタンSE3及び設定ボタンSbが押下されると、管理部23は、登録画面W3を表示させる。登録画面W3のタイトル欄W3Aを介して、セクション情報のタイトル(セクション名)が入力される。
【0058】
「種別:分岐」のセクション情報にも、音声データ情報が紐付けされる。音声種類指定欄W3Bを介して、音声データ情報の音声種別が指定可能に構成される。図示例は、音声選択が指定された場合の画面表示例であり、音声データ指定領域W3Cを介して、再生する音声データが指定される。ここで再生される音声データの内容は、顧客に対して番号の指定を依頼する文言と、各番号によってどのような分岐がされるか説明した文言などが含まれ得る。多言語の再生セクションに分岐させる場合は、分岐セクションにおける音声データも多言語の音声が含まれているのが好ましい。
【0059】
「種別:分岐」のセクション情報にはさらに、回答番号情報が紐付けされる。回答番号情報は、当該セクションにおいて受付可能な番号を示し、回答番号設定欄W3Eにおいて、その内容を示すテキストが番号と紐付けて登録される。新たな番号を追加する場合は、回答番号追加ボタンW3Dを押下する。ここで入力されたテキストは、IVRテンプレート作成画面W1のダイアグラムにおいて表示されてもよい。例えば、フロー要素本体FAにテキストを表示させてもよいし、フロー要素本体FAや番号表示FBがタップや選択、マウスオーバー等された場合に、番号に対応するテキストを表示させてもよい。
【0060】
また、回答番号情報はさらに、例外番号入力欄W3Fを介して、有効な回答番号以外が入力された場合の処理を設定することができ、タイムアウト設定欄W3Gを介して、回答がないまま一定時間経過した場合の処理についても設定することができる。
【0061】
保存ボタンW3Hが押下されると、管理部23は、タイトルと音声データ情報と回答番号情報を紐付けて、セクション情報として登録する。また、キャンセルボタンW3Iが押下されると、登録画面W3を閉じる。
【0062】
<フローの登録>
図9は、分岐セクションに対してフローを登録する為の登録画面の画面表示例である。
図4において、接続ボタンSF3が押下されると、管理部23は、登録画面W4を表示させる。登録画面W4は、セクション登録欄W4Aと、保存ボタンW4Bと、キャンセルボタンW4Cと、を備える。
【0063】
セクション登録欄W4Aは、指定された番号毎に進行させるセクション名を指定可能に表示させ、指定されたセクション名に基づいて、フローによって接続されるセクションの登録を受け付け可能に構成される。これによって、管理部23は、回答番号に応じてフローを分岐させる為の分岐登録処理を行う。
【0064】
図示例では、回答番号情報として登録された回答番号に対して、プルダウンメニューを介して接続するセクションを指定可能に構成されている。プルダウンメニューには、IVRテンプレートに含まれた自己以外のセクションについて、そのシリアルナンバーとタイトル(セクション名)が、フローの接続元となるセクションに近い順に並べて表示されている。
【0065】
ここでは、新たに登録したセクション要素S17(#17 スペイン語音声)を指定して保存ボタンW4Bを押下することで、セクション要素S3とS17を接続するフローのフロー情報が保存される。これにより、
図4の下段に示すように、セクション要素S3とS17がフロー要素F37(フロー要素本体FA37)によって接続され、番号表示FB37が表示される。また、キャンセルボタンW4Cが押下されると、登録画面W4を閉じる。
【0066】
なお、種別が分岐以外のセクションでは、セクション登録欄W4Aにおいて、一つのセクションのみを指定して、接続先のセクションとして登録することができる。
【0067】
<SMS送信セクションの登録>
なお、種別がSMS送信となるセクションのセクション情報は、送信するSMSのメッセージ内容を示すスクリプトと、メッセージ種別を含むメッセージ情報と紐付けられてもよい。メッセージ種別が原語の場合、メッセージ情報は原語スクリプトを含み、メッセージ配信部24は、例えば、原語スクリプトに基づくメッセージを接続された電話番号に対して送信する。また、メッセージ配信部24は、翻訳語スクリプトに基づくメッセージを接続された電話番号に対して送信してもよい。管理部23は、メッセージ情報として、メッセージ種別(翻訳)と、指定された原語及び翻訳語と、入力された原語スクリプトと、翻訳処理結果として取得した翻訳語スクリプトを、データベース3に格納し、メッセージ登録処理をおこなってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 :IVRシステム
2 :IVR装置
3 :データベース
4 :顧客電話機
5 :管理者端末
6 :ネットワーク
9 :端末装置
10 :情報処理装置
21 :発着信部
22 :IVR部
23 :管理部
24 :メッセージ配信部
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
901 :処理部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :出力部
F :フロー要素
FA :フロー要素本体
FB :番号表示
S :セクション要素
SA :セクション要素本体
SB :シリアルナンバー
SC :種別
SD :タイトル
SE :メニューボタン
SF :接続ボタン