(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077367
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】インターホン機器
(51)【国際特許分類】
H04N 23/50 20230101AFI20240531BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20240531BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
H04N23/50
H04M1/02 G
H04N7/18 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189425
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135127
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 正己
(72)【発明者】
【氏名】牧野 友哉
(72)【発明者】
【氏名】上山 基希
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
5K023
【Fターム(参考)】
5C054CC05
5C054CD00
5C054CD06
5C054FA00
5C054HA22
5C122DA18
5C122EA35
5C122EA54
5C122FB03
5C122FB08
5C122GE05
5C122GE11
5C122GE18
5K023AA05
5K023CC06
5K023LL06
(57)【要約】
【課題】カメラを本体ケースの後面寄りに設置することができ、ひいてはゴーストやフレアの発生しづらいインターホン機器を提供する。
【解決手段】後ケース3の前面上部でカメラ基板13の後方となる箇所に、後方へ凹んだ配線用凹部23を設け、配線用凹部23内にフレキシブルフラットケーブルを配線することで、カメラ基板13と、カメラ基板13よりも下方に配されるメイン基板9とが接続されるようにした。また、配線用凹部23内に、前方へ突出する支持凸部21を設けて、カメラ基板13の後面に支持凸部21の先端を当接させた状態でカメラ10を設置した。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズと、前記レンズを保持したレンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒を保持するレンズホルダと、種々の素子が搭載され、前記レンズホルダの後部にネジ止めされるカメラ基板とを有するカメラが、前記レンズを前方へ向けた状態で本体ケース内に設置されてなるインターホン機器であって、
前記本体ケースの後板の前面で前記カメラ基板の後方となる箇所に、後方へ凹んでいて、前記カメラ基板と前記インターホン機器のメイン基板との間で配線するための配線用凹部が設けられているとともに、
前記配線用凹部内及び/又は前記配線用凹部に隣接した位置に、前方へ突出する支持凸部が設けられ、
前記カメラが、前記カメラ基板の後面に前記支持凸部の先端を当接させた状態で設置されていることを特徴とするインターホン機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば来訪者等を撮像するためのカメラを備えたインターホン機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターホン機器の一例であるインターホン子機としては、本体ケースの前面に来訪者を撮像するためのカメラを備えるとともに、カメラの前方を覆うようにカメラカバーを取り付けてなるものがある。そして、そのようにカメラカバーを取り付けたインターホン子機では、ゴーストやフレアの発生が問題となっており、たとえば特許文献1に記載されているようにカメラ窓の周縁部に加工を施す等して対応していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来よりカメラをカメラカバーから離せば離すほどゴーストやフレアが発生しづらいということが分かっている。しかしながら、カメラのカメラ基板とインターホン機器のメイン基板との間での配線等を考慮に入れると、カメラを本体ケースの後面寄りに設置しづらいという問題があった。特に近年ではインターホン機器の小型化・薄型化が望まれているため、そのような小型化・薄型化が図られたインターホン機器では、上記問題がより顕著となる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、カメラを本体ケースの後面寄りに設置することができ、ひいてはゴーストやフレアの発生しづらいインターホン機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、レンズと、レンズを保持したレンズ鏡筒と、レンズ鏡筒を保持するレンズホルダと、種々の素子が搭載され、レンズホルダの後部にネジ止めされるカメラ基板とを有するカメラが、レンズを前方へ向けた状態で本体ケース内に設置されてなるインターホン機器であって、本体ケースの後板の前面でカメラ基板の後方となる箇所に、後方へ凹んでいて、カメラ基板とインターホン機器のメイン基板との間で配線するための配線用凹部が設けられているとともに、配線用凹部内及び/又は配線用凹部に隣接した位置に、前方へ突出する支持凸部が設けられ、カメラが、カメラ基板の後面に支持凸部の先端を当接させた状態で設置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本体ケースの後板の前面でカメラ基板の後方となる箇所に、後方へ凹んでいて、カメラ基板とインターホン機器のメイン基板との間で配線するための配線用凹部を設けるとともに、配線用凹部内及び/又は配線用凹部に隣接した位置に、前方へ突出する支持凸部を設けて、カメラを、カメラ基板の後面に支持凸部の先端を当接させた状態で設置している。このように配線用凹部を利用して配線することができるため、従来よりも支持凸部の突出高さを低くすることができる、すなわち本体ケースの後面寄りにカメラを設置することができ、ひいてはゴーストやフレアの発生しづらいインターホン機器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】インターホン子機を前側から示した説明図である。
【
図2】
図1中のA-A線断面を示した説明図である。
【
図3】
図1中のB-B線断面を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるインターホン子機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、インターホン子機1を前側から示した説明図である。
図2は、
図1中のA-A線断面を示した説明図である。
図3は、
図1中のB-B線断面を示した説明図である。
図4は、後ケース3を前側から示した説明図である。
【0011】
インターホン子機1は、前側に配置される前ケース2と、後側に配置される後ケース3と、前ケース2を前方から覆うように組み付けられる化粧カバー4とで構成される本体ケースを有してなる。そして、本体ケースの前面上部には、本体ケースの前方を撮像するためのカメラ部5が設けられている。また、本体ケースの前面におけるカメラ部5の右側には、通話のためのマイク部6が設けられている。さらに、本体ケースの前面におけるカメラ部5の下側には、居住者の氏名等を表示可能であるとともに通話のためのスピーカ部としての機能や夜間照明としての機能をも兼ね備えたネーム表示部7と、来訪者が居住者を呼び出す際に操作する呼出ボタン8とが設けられている。そして、このようなインターホン子機1は、住戸の玄関の壁面等に設置されており、来訪者によって呼出ボタン8が操作されると、住戸内に設置されているインターホン親機(図示せず)を呼び出すとともに、カメラ部5を作動させて来訪者等を含んだ本体ケース前方の映像を撮像する。なお、カメラ部5によって撮像された映像は、インターホン親機に備えられているモニタに表示される。
【0012】
ここで、本発明の要部となるカメラ部5について説明する。
まずカメラ部5の一構成要素であるカメラ10について説明すると、カメラ10は、レンズを保持したレンズ鏡筒11と、レンズ鏡筒11を保持するレンズホルダ12と、種々の素子が搭載され、レンズホルダ12の後部にネジ止めされるカメラ基板13とを有する。そして、カメラ10は、レンズを前方へ向けた状態で、本体ケース内(前ケース2と後ケース3とにより囲まれる空間内)に設置されている。
【0013】
また、前ケース2は、後面に開口する箱状に成形されており、前ケース2の前面を構成する前板の上部には、カメラ10のレンズを露出させるためのレンズ窓14が開設されている。さらに、前板の後面には、後方へ突出する円筒状の保持筒15が設けられている。該保持筒15は、レンズ窓14を囲んでおり、保持筒15内にレンズ鏡筒11及びレンズホルダ12の前部を差し込み可能となっている。加えて、前ケース2の前面には、レンズ窓14を前方から覆うようにカメラカバー16が取り付けられている。このカメラカバー16におけるレンズ窓14の前方に位置する箇所は、平板状に成形されている。なお、17は、化粧カバー4に開設され、カメラカバー16における平板状の部分を露出させるためのカバー用開口である。また、18は、保持筒15の後端とレンズホルダ12の後部との間に介在されるパッキンである。
【0014】
一方、後ケース3は、前ケース2の後面開口に嵌め込み可能な板体として成形され、本体ケースの後板として構成されている。そのような後ケース3の前面上部で、カメラ基板13の後方となる箇所には、後方へ凹んだ配線用凹部23が設けられている。また、後ケース3の前面上部には、前方へ突出する3つの支持凸部21、21・・が設けられており、そのうち1つの支持凸部21は、配線用凹部23内に設けられている。そして、カメラ10は、カメラ基板13の後面に支持凸部21、21・・の先端を当接させた状態で設置されている。また、配線用凹部23内にフレキシブルフラットケーブルを配線することで、カメラ基板13と、カメラ基板13よりも下方に配されるメイン基板9とが接続されている。なお、メイン基板9は、インターホン子機1の主たる動作(インターホン親機との間での通話や映像の送信に係る動作)を制御するものである。
【0015】
以上のような構成を有するインターホン子機1によれば、後ケース3の前面上部でカメラ基板13の後方となる箇所に、後方へ凹んだ配線用凹部23を設け、配線用凹部23内にフレキシブルフラットケーブルを配線することで、カメラ基板13と、カメラ基板13よりも下方に配されるメイン基板9とが接続されるようにしている。また、配線用凹部23内に、前方へ突出する支持凸部21を設けて、カメラ基板13の後面に支持凸部21の先端を当接させた状態でカメラ10を設置している。このように配線用凹部23を利用して配線することができるため、従来よりも支持凸部21の突出高さを低くすることができる、すなわち本体ケースの後面寄りにカメラ10を設置することができ、ひいてはゴーストやフレアの発生しづらいインターホン子機1とすることができる。
【0016】
なお、本発明に係るインターホン機器は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、インターホン機器の全体的な構成は勿論、カメラや配線用凹部、支持凸部に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0017】
たとえば、上記実施形態では、支持凸部を配線用凹部内に設けているが、支持凸部を配線用凹部の上側に隣接して設ける等してもよいし、配線凹部内及び配線用凹部に隣接した箇所の両方に設けても何ら問題はない。
また、上記実施形態では、配線用凹部を1つしか設けていないが、複数の配線用凹部を設けてもよいし、配線用凹部の位置についてもカメラ基板の後方となる箇所であれば、メイン基板との位置関係等において適宜変更することができる。
加えて、上記実施形態では、インターホン機器の一例であるインターホン子機について説明しているが、本発明は、カメラを備えてさえいれば、インターホン親機等の他のインターホン機器についても好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0018】
1・・インターホン子機(インターホン機器)、2・・前ケース(本体ケース)、3・・後ケース(本体ケース、後板)、4・・化粧カバー(本体ケース)、5・・カメラ部、9・・メイン基板、10・・カメラ、11・・レンズ鏡筒、12・・レンズホルダ、13・・カメラ基板、21・・支持凸部、23・・配線用凹部。