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特開2024-77370ロボットシステムおよびハンドの位置補正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077370
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】ロボットシステムおよびハンドの位置補正方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/10 20060101AFI20240531BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B25J9/10 A
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189430
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】戸崎 康一
(72)【発明者】
【氏名】細川 正己
(72)【発明者】
【氏名】猪股 徹也
(72)【発明者】
【氏名】青木 雅裕
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707AS24
3C707BS15
3C707DS01
3C707ES17
3C707HS27
3C707KS17
3C707KV12
3C707KX07
3C707LT12
3C707MT04
3C707NS13
5F131AA02
5F131BA00
5F131CA09
5F131CA18
5F131CA32
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB06
5F131DB52
5F131DD03
5F131KA12
5F131KA44
5F131KB30
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】半導体ウエハ等の搬送対象物の下面に接触して搬送対象物を下側から支持する3本以上の支持ピンを有するステージと、ステージに対して搬送対象物を搬送する産業用ロボットとを備えるロボットシステムにおいて、ステージの位置を精度良く検知して、ステージに対して産業用ロボットのハンドの位置を適切に補正することが可能なロボットシステムを提供する。
【解決手段】ロボットシステム1では、搬送対象物2がステージ3の正規の位置に載置された状態で上下方向から見たときに、ステージ3の、搬送対象物2の中心と一致する位置をステージ中心位置C1とすると、支持ピン41~44の、ステージ中心位置C1に対する位置精度が確保されている。産業用ロボット4の教示を行うときには、ハンド7を移動させて検知機構34、35によって支持ピン41~44の位置を検知し、検知機構34、35の検知結果に基づいてステージ中心位置C1を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物が載置されるステージと、前記ステージへの前記搬送対象物の搬入および前記ステージからの前記搬送対象物の搬出の少なくともいずれか一方を行う産業用ロボットとを備え、
前記ステージは、前記搬送対象物の下面に接触して前記搬送対象物を下側から支持する3本以上の支持ピンと、前記支持ピンが固定されるステージ本体とを備え、
前記産業用ロボットは、前記搬送対象物が搭載されるハンドと、前記支持ピンを検知するための検知機構とを備え、
前記検知機構は、前記ハンドに取り付けられ、
前記搬送対象物が前記ステージの正規の位置に載置された状態で上下方向から見たときに、前記ステージの、前記搬送対象物の中心と一致する位置をステージ中心位置とすると、
3本以上の前記支持ピンのうちの少なくとも2本の前記支持ピンの、前記ステージ中心位置に対する位置精度が確保されており、
前記ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている前記支持ピンを基準支持ピンとすると、
前記産業用ロボットの教示を行うときに、前記産業用ロボットは、前記ハンドを移動させて前記検知機構によって前記基準支持ピンの位置を検知し、前記検知機構の検知結果に基づいて前記ステージ中心位置を算出することを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記ステージは、4本の前記支持ピンを備え、
4本の前記支持ピンが前記基準支持ピンとなっており、
4本の前記基準支持ピンのうちの2本の前記基準支持ピンは、上下方向から見たときに前記ステージ中心位置を挟んで配置される第1基準支持ピンとなっており、残りの2本の前記基準支持ピンは、上下方向から見たときに前記ステージ中心位置を挟んで配置される第2基準支持ピンとなっており、
上下方向から見たときに、前記ステージ中心位置と2本の前記第1基準支持ピンのそれぞれとの距離が等しく、かつ、前記ステージ中心位置と2本の前記第2基準支持ピンのそれぞれとの距離が等しくなっており、
前記産業用ロボットの教示を行うときに、前記産業用ロボットは、前記ハンドを移動させて前記検知機構によって2本の前記第1基準支持ピンの位置を検知して2本の前記第1基準支持ピンの中心同士を結んだ線を特定し、かつ、前記ハンドを移動させて前記検知機構によって2本の前記第2基準支持ピンの位置を検知して2本の前記第2基準支持ピンの中心同士を結んだ線を特定するとともに、2本の前記第1基準支持ピンの中心同士を結んだ線と2本の前記第2基準支持ピンの中心同士を結んだ線との交点を前記ステージ中心位置として算出することを特徴とする請求項1記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記ハンドは、前記搬送対象物が搭載される搭載部と、前記ハンドの基端側部分を構成するハンド基部と、水平方向を回動の軸方向として前記ハンド基部に対して前記搭載部を少なくとも180°回動させる回動機構とを備え、
2個の前記検知機構が前記搭載部に取り付けられ、
前記産業用ロボットの教示を行うときに、前記産業用ロボットは、前記ハンドを移動させて2個の前記検知機構によって2本の前記第1基準支持ピンの位置を検知した後、前記搭載部を180°回動させてから、前記ハンドを移動させて2個の前記検知機構によって2本の前記第2基準支持ピンの位置を検知することを特徴とする請求項2記載のロボットシステム。
【請求項4】
搬送対象物の下面に接触して前記搬送対象物を下側から支持する3本以上の支持ピンと、前記支持ピンが固定されるステージ本体とを備えるステージであって、前記搬送対象物が前記ステージの正規の位置に載置された状態で上下方向から見たときに、前記ステージの、前記搬送対象物の中心と一致する位置をステージ中心位置とすると、3本以上の前記支持ピンのうちの少なくとも2本の前記支持ピンの、前記ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている前記ステージへの前記搬送対象物の搬入および前記ステージからの前記搬送対象物の搬出の少なくともいずれか一方を行うとともに、前記搬送対象物が搭載されるハンドと、前記支持ピンを検知するための検知機構とを備え、前記検知機構は、前記ハンドに取り付けられている産業用ロボットの前記ハンドの位置を補正するためのハンドの位置補正方法であって、
前記ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている前記支持ピンを基準支持ピンとすると、
前記ハンドを移動させて前記検知機構によって前記基準支持ピンの位置を検知し、前記検知機構の検知結果に基づいて前記ステージ中心位置を算出して前記ハンドの位置を補正することを特徴とするハンドの位置補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送対象物が載置されるステージと、ステージに対する搬送対象物の搬送を行う産業用ロボットとを備えるロボットシステムに関する。また、本発明は、搬送対象物が載置されるステージに対する搬送対象物の搬送を行う産業用ロボットのハンドの位置を補正するためのハンドの位置補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハを搬送する産業用ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の産業用ロボットは、半導体ウエハが載置されるステージ(搭載部)への半導体ウエハの搬入と、ステージからの半導体ウエハの搬出とを行っている。この産業用ロボットは、半導体ウエハを把持するハンドと、ハンドを昇降させる昇降機構と、ハンドを前後方向に移動させる移動機構と、ハンドに取り付けられる第1センサおよび第2センサとを備えている。第1センサおよび第2センサは、発光部と受光部とを有する透過型の光学式センサである。第1センサは、発光部および受光部の光軸が左右方向と平行になるように配置されている。第2センサは、発光部および受光部の光軸が前後方向および左右方向に対して傾いた方向と平行になるように配置されている。
【0003】
特許文献1に記載の産業用ロボットの教示が行われるときには、昇降機構によってハンドを昇降させて、第1センサによってステージの上下方向の位置を検知し、移動機構によってハンドを前後方向に移動させて、第1センサによってステージの前後方向の位置を検知するとともに、移動機構によってハンドを前後方向に移動させて、第2センサによってステージの前後方向の位置を検知している。また、第1センサによって検知されたステージの前後方向の位置と第2センサによって検知されたステージの前後方向の位置とに基づいてステージの左右方向の位置を算出し、これらの結果に基づいてステージに対するハンドの位置を補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-107378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、半導体ウエハ等の搬送対象物の下面に接触して搬送対象物を下側から支持する3本以上の支持ピンを有するステージに対して搬送対象物を搬送する産業用ロボットを開発している。この産業用ロボットにおいても、特許文献1に記載の産業用ロボットと同様に、ステージの位置を精度良く検知して、ステージに対するハンドの位置を適切に補正できることが好ましい。
【0006】
そこで、本発明の課題は、半導体ウエハ等の搬送対象物の下面に接触して搬送対象物を下側から支持する3本以上の支持ピンを有するステージと、ステージに対して搬送対象物を搬送する産業用ロボットとを備えるロボットシステムにおいて、ステージの位置を精度良く検知して、ステージに対して産業用ロボットのハンドの位置を適切に補正することが可能なロボットシステムを提供することにある。
【0007】
また、本発明の課題は、半導体ウエハ等の搬送対象物の下面に接触して搬送対象物を下側から支持する3本以上の支持ピンを有するステージに対して搬送対象物を搬送する産業用ロボットのハンドの位置補正方法において、ステージの位置を精度良く検知して、ステージに対してハンドの位置を適切に補正することが可能となるハンドの位置補正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様のロボットシステムは、搬送対象物が載置されるステージと、ステージへの搬送対象物の搬入およびステージからの搬送対象物の搬出の少なくともいずれか一方を行う産業用ロボットとを備え、ステージは、搬送対象物の下面に接触して搬送対象物を下側から支持する3本以上の支持ピンと、支持ピンが固定されるステージ本体とを備え、産業用ロボットは、搬送対象物が搭載されるハンドと、支持ピンを検知するための検知機構とを備え、検知機構は、ハンドに取り付けられ、搬送対象物がステージの正規の位置に載置された状態で上下方向から見たときに、ステージの、搬送対象物の中心と一致する位置をステージ中心位置とすると、3本以上の支持ピンのうちの少なくとも2本の支持ピンの、ステージ中心位置に対する位置精度が確保されており、ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている支持ピンを基準支持ピンとすると、産業用ロボットの教示を行うときに、産業用ロボットは、ハンドを移動させて検知機構によって基準支持ピンの位置を検知し、検知機構の検知結果に基づいてステージ中心位置を算出することを特徴とする。
【0009】
本態様のロボットシステムでは、搬送対象物がステージの正規の位置に載置された状態で上下方向から見たときに、ステージの、搬送対象物の中心と一致する位置をステージ中心位置とすると、3本以上の支持ピンのうちの少なくとも2本の支持ピンの、ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている。また、本態様では、ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている支持ピンを基準支持ピンとすると、産業用ロボットの教示を行うときに、産業用ロボットは、ハンドを移動させて検知機構によって基準支持ピンの位置を検知し、検知機構の検知結果に基づいてステージ中心位置を算出している。
【0010】
このように本態様では、ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている基準支持ピンの位置の検知結果に基づいてステージ中心位置を算出しているため、ステージ中心位置を精度良く算出することが可能になる。すなわち、本態様では、ステージの位置を精度良く検知することが可能になる。また、本態様では、ステージの位置を精度良く検知することが可能になるため、ステージに対してハンドの位置を適切に補正することが可能になる。
【0011】
本態様において、たとえば、ステージは、4本の支持ピンを備え、4本の支持ピンが基準支持ピンとなっており、4本の基準支持ピンのうちの2本の基準支持ピンは、上下方向から見たときにステージ中心位置を挟んで配置される第1基準支持ピンとなっており、残りの2本の基準支持ピンは、上下方向から見たときにステージ中心位置を挟んで配置される第2基準支持ピンとなっており、上下方向から見たときに、ステージ中心位置と2本の第1基準支持ピンのそれぞれとの距離が等しく、かつ、ステージ中心位置と2本の第2基準支持ピンのそれぞれとの距離が等しくなっており、産業用ロボットの教示を行うときに、産業用ロボットは、ハンドを移動させて検知機構によって2本の第1基準支持ピンの位置を検知して2本の第1基準支持ピンの中心同士を結んだ線を特定し、かつ、ハンドを移動させて検知機構によって2本の第2基準支持ピンの位置を検知して2本の第2基準支持ピンの中心同士を結んだ線を特定するとともに、2本の第1基準支持ピンの中心同士を結んだ線と2本の第2基準支持ピンの中心同士を結んだ線との交点をステージ中心位置として算出する。
【0012】
本態様において、たとえば、ハンドは、搬送対象物が搭載される搭載部と、ハンドの基端側部分を構成するハンド基部と、水平方向を回動の軸方向としてハンド基部に対して搭載部を少なくとも180°回動させる回動機構とを備え、2個の検知機構が搭載部に取り付けられ、産業用ロボットの教示を行うときに、産業用ロボットは、ハンドを移動させて2個の検知機構によって2本の第1基準支持ピンの位置を検知した後、搭載部を180°回動させてから、ハンドを移動させて2個の検知機構によって2本の第2基準支持ピンの位置を検知する。この場合には、搭載部に取り付けられる2個の検知機構によって4本の基準支持ピンの位置を検知することが可能になる。したがって、4本の基準支持ピンの位置を検知する場合であっても、産業用ロボットの構成を簡素化することが可能になる。
【0013】
また、上記の課題を解決するため、本発明の一態様のハンドの位置補正方法は、搬送対象物の下面に接触して搬送対象物を下側から支持する3本以上の支持ピンと、支持ピンが固定されるステージ本体とを備えるステージであって、搬送対象物がステージの正規の位置に載置された状態で上下方向から見たときに、ステージの、搬送対象物の中心と一致する位置をステージ中心位置とすると、3本以上の支持ピンのうちの少なくとも2本の支持ピンの、ステージ中心位置に対する位置精度が確保されているステージへの搬送対象物の搬入およびステージからの搬送対象物の搬出の少なくともいずれか一方を行うとともに、搬送対象物が搭載されるハンドと、支持ピンを検知するための検知機構とを備え、検知機構は、ハンドに取り付けられている産業用ロボットのハンドの位置を補正するためのハンドの位置補正方法であって、ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている支持ピンを基準支持ピンとすると、ハンドを移動させて検知機構によって基準支持ピンの位置を検知し、検知機構の検知結果に基づいてステージ中心位置を算出してハンドの位置を補正することを特徴とする。
【0014】
本態様のハンドの位置補正方法では、搬送対象物がステージの正規の位置に載置された状態で上下方向から見たときに、ステージの、搬送対象物の中心と一致する位置をステージ中心位置とすると、3本以上の支持ピンのうちの少なくとも2本の支持ピンの、ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている。また、本態様では、ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている支持ピンを基準支持ピンとすると、ハンドを移動させて検知機構によって基準支持ピンの位置を検知し、検知機構の検知結果に基づいてステージ中心位置を算出してハンドの位置を補正している。
【0015】
このように本態様では、ステージ中心位置に対する位置精度が確保されている基準支持ピンの位置の検知結果に基づいてステージ中心位置を算出してハンドの位置を補正しているため、ステージ中心位置を精度良く算出して、ステージ中心位置に対してハンドを適切に補正することが可能になる。すなわち、本態様の位置補正方法でハンドの位置を補正すれば、ステージの位置を精度良く検知して、ステージに対してハンドの位置を適切に補正することが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明では、半導体ウエハ等の搬送対象物の下面に接触して搬送対象物を下側から支持する3本以上の支持ピンを有するステージと、ステージに対して搬送対象物を搬送する産業用ロボットとを備えるロボットシステムにおいて、ステージの位置を精度良く検知して、ステージに対して産業用ロボットのハンドの位置を適切に補正することが可能になる。
【0017】
また、本発明では、半導体ウエハ等の搬送対象物の下面に接触して搬送対象物を下側から支持する3本以上の支持ピンを有するステージに対して搬送対象物を搬送する産業用ロボットのハンドの位置補正方法において、ステージの位置を精度良く検知して、ステージに対してハンドの位置を適切に補正することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態にかかるロボットシステムの概略平面図である。
図2図1に示す産業用ロボットの側面図である。
図3図1に示す産業用ロボットの構成を説明するためのブロック図である。
図4図1に示す検知機構による支持ピンの位置の検知手順を説明するための図である。
図5図1に示す検知機構による支持ピンの位置の検知手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(ロボットシステムの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるロボットシステム1の概略平面図である。図2は、図1に示す産業用ロボット4の側面図である。図3は、図1に示す産業用ロボット4の構成を説明するためのブロック図である。
【0021】
本形態のロボットシステム1は、搬送対象物である半導体ウエハ2(以下、「ウエハ2」とする。)が載置されるステージ3と、ウエハ2を搬送するための産業用ロボット4(以下、「ロボット4」とする。)とを備える半導体製造システムである。ウエハ2は、円板状に形成されている。ウエハ2の直径は、たとえば、300(mm)となっている。ロボット4は、水平多関節型のロボットである。ロボット4は、ステージ3へのウエハ2の搬入およびステージ3からのウエハ2の搬出の少なくともいずれか一方を行う。すなわち、ロボット4は、ステージ3に対するウエハ2の搬送を行う。ステージ3は、たとえば、ウエハ2に対して所定の処理を行う処理装置(図示省略)の中に設置されている。
【0022】
ロボット4は、ウエハ2が搭載されるハンド7と、ハンド7が連結されるアーム8と、アーム8が連結される本体部9とを備えている。アーム8の先端側には、ハンド7が回動可能に連結されている。本体部9には、アーム8の基端側が回動可能に連結されている。アーム8は、基端側が本体部9に回動可能に連結されるアーム部11と、アーム部11の先端側に基端側が回動可能に連結されるアーム部12とから構成されている。ハンド7およびアーム部11、12は、上下方向を回動の軸方向として回動する。アーム8は、水平方向に伸縮動作を行う。
【0023】
本体部9は、アーム8が連結される(具体的には、アーム部11の基端側が連結される)昇降体15と、昇降体15の少なくとも一部が収容される筺体16と、筺体16に対して昇降体15を昇降させる昇降機構17とを備えている。アーム部11の基端側は、昇降体15の上端部に回動可能に連結されている。昇降機構17は、筺体16に収容されている。昇降機構17は、駆動源としてのモータと、モータの動力を伝達する動力伝達機構とを備えている。本体部9とアーム部11とアーム部12とハンド7とは、上下方向において、下側からこの順番で配置されている。
【0024】
また、ロボット4は、昇降体15に対してアーム部11を回動させるアーム部駆動機構19と、アーム部11に対してアーム部12を回動させるアーム部駆動機構20と、アーム部12に対してハンド7を回動させるハンド駆動機構21とを備えている。アーム部駆動機構19、20およびハンド駆動機構21は、駆動源としてのモータと、モータの動力を伝達する動力伝達機構とを備えている。
【0025】
ステージ3に対するウエハ2の搬送時には、ハンド7の一部(具体的には、ハンド7の一部を構成する後述の搭載部24)は、ステージ3が設置される処理装置の中に入り込む(図1の二点鎖線参照)。ハンド7の一部が処理装置の中に入り込むときには、上下方向から見ると、ハンド7は、一定方向を向いた状態でステージ3に向かって直線的に移動する。このときには、アーム部駆動機構19、20およびハンド駆動機構21が連動する。
【0026】
以下の説明では、水平方向であって、ハンド7の一部が処理装置の中に入り込むときのハンド7の移動方向(図1等のX方向)を「前後方向」とし、上下方向(鉛直方向)と前後方向とに直交する図1等のY方向を「左右方向」とする。また、前後方向の一方側である図1等のX1方向側を「前」側とし、その反対側である図1等のX2方向側を「後ろ」側とし、左右方向の一方側である図1等のY1方向側を「右」側とし、その反対側である図1等のY2方向側を「左」側とする。本形態では、アーム部駆動機構19、20およびハンド駆動機構21を連動させることで、一定方向を向いた状態のハンド7を左右方向に直線的に移動させることが可能になっている。
【0027】
ハンド7は、たとえば、上下方向から見たときの形状が略長方形状となるように形成されている。ハンド7の一部が処理装置に入り込むときには、略長方形状をなすハンド7の長辺に平行な方向(以下、この方向を「ハンド7の長辺方向」とする。)と前後方向とが一致し、ハンド7の短辺に平行な方向(以下、この方向を「ハンド7の短辺方向」とする。)と左右方向とが一致している。ハンド7は、ウエハ2が搭載される搭載部24と、搭載部24の基端側が固定される搭載支持部25と、ハンド7の基端側部分を構成するハンド基部26とを備えている。
【0028】
搭載部24と搭載支持部25とハンド基部26とは、ハンド7の長辺方向においてこの順番で配列されている。ハンド基部26は、アーム部12の先端側に回動可能に連結されている。ハンド基部26は、上下方向を回動の軸方向としてアーム部12に対して回動可能となっている。搭載支持部25は、ハンド基部26に回動可能に連結されている。搭載支持部25は、水平方向を回動の軸方向としてハンド基部26に対して回動可能となっている。具体的には、搭載支持部25は、ハンド7の長辺方向を回動の軸方向としてハンド基部26に対して回動可能となっている。
【0029】
搭載部24は、たとえば、略長方形の平板状に形成されている。搭載部24は、搭載部24の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。また、搭載部24は、略長方形をなす搭載部24の長辺に平行な方向とハンド7の長辺方向とが一致するように配置されている。搭載部24には、ステージ3の一部を構成する後述の支持ピン41~44との干渉を防止するための切欠き24aが形成されている。切欠き24aは、4箇所に形成されている。具体的には、切欠き24aは、搭載部24の先端側の2箇所と搭載部24の基端側の2箇所とに形成されている。搭載支持部25は、上下方向の厚さが薄い扁平な直方体のブロック状に形成されている。
【0030】
また、ハンド7は、搭載部24に搭載されるウエハ2を水平方向の一定位置で保持するための保持機構27(図1参照)と、水平方向を回動の軸方向としてハンド基部26に対して搭載部24および搭載支持部25を少なくとも180°回動させる回動機構28とを備えている。ロボット4では、搭載部24に搭載されるウエハ2を搭載部24と一緒に反転させることが可能になっている。回動機構28は、駆動源としてのモータと、モータの動力を伝達する動力伝達機構とを備えている。
【0031】
保持機構27は、搭載部24に搭載されるウエハ2の端面(外周面)に3方向から接触して搭載部24に搭載されるウエハ2を水平方向において一定位置で保持するエッジグリップ型の保持機構である。保持機構27は、ウエハ2の端面が当接する当接面を有する端面当接部材29と、ウエハ2の端面に接触して端面当接部材29の当接面にウエハ2の端面を押し付ける押付部材(図示省略)と、押付部材を水平方向に直線的に移動させる駆動機構(図示省略)とを備えている。
【0032】
端面当接部材29は、搭載部24の先端側の2箇所に固定されている。搭載部24の基端側には、ウエハ2が載置される2個のウエハ載置部材30が固定されている。搭載部24に搭載されるウエハ2の下面は、端面当接部材29およびウエハ載置部材30に接触している。押付部材は、搭載支持部25に保持されている。駆動機構は、押付部材がウエハ2の端面に接触して端面当接部材29の当接面にウエハ2の端面を押し付ける把持位置と、押付部材がウエハ2の端面から離れる退避位置との間で押付部材を移動させる。なお、図2では、端面当接部材29およびウエハ載置部材30の図示を省略している。
【0033】
また、ロボット4は、昇降機構17、アーム部駆動機構19、20、ハンド駆動機構21および回動機構28等を制御するための制御部33と、ステージ3の一部を構成する後述の支持ピン41~44を検知するための検知機構34、35を備えている。本形態のロボット4は、2個の検知機構34、35を備えている。検知機構34、35は、発光部と受光部とを有する透過型の光学式センサである。また、本形態の検知機構34、35は、ファイバーセンサである。検知機構34、35は、制御部33に電気的に接続されている。
【0034】
検知機構34、35は、ハンド7に取り付けられている。具体的には、検知機構34、35は、搭載部24に取り付けられている。すなわち、搭載部24には、2個の検知機構34、35が取り付けられている。検知機構34は、搭載部24の先端側の上面に取り付けられている。検知機構35は、搭載部24の基端側の上面に取り付けられている。検知機構34と検知機構35とは、略長方形をなす搭載部24の略対角線上に配置されている。本形態では、ハンド7の長辺方向と前後方向が一致し、かつ、搭載部24の先端が前側に配置されているときに、検知機構34は、搭載部24の前右端側に配置され、検知機構35は、搭載部24の後ろ左端側に配置されている。
【0035】
検知機構34、35の光軸L(具体的には、発光部および受光部の光軸L、図1参照)は、水平方向と平行になっている。また、検知機構34、35の光軸Lは、ハンド7の長辺方向およびハンド7の短辺方向に対して傾いている。ハンド7の長辺方向に対する検知機構34の光軸Lの傾きとハンド7の長辺方向に対する検知機構35の光軸Lの傾きとは等しくなっている。たとえば、ハンド7の長辺方向に対する検知機構34、35の光軸Lの傾きは、45°程度となっている。検知機構34の発光部と受光部とは、搭載部24の先端側に形成される2個の切欠き24aのうちの一方の切欠き24aを挟むように配置され、検知機構35の発光部と受光部とは、搭載部24の基端側に形成される2個の切欠き24aのうちの一方の切欠き24aを挟むように配置されている。
【0036】
ステージ3は、本体部9の前側に配置されている。ステージ3は、ウエハ2の下面に接触してウエハ2を下側から支持する3本以上の支持ピン41~44と、支持ピン41~44が固定されるステージ本体45とを備えている。本形態のステージ3は、4本の支持ピン41~44を備えており、ステージ本体45には、4本の支持ピン41~44が固定されている。ステージ本体45には、上下方向において搭載部24が通過可能な切欠き45aが形成されている。切欠き45aは、ステージ本体45の後端から前側に向かって切り欠かれている。切欠き45aの左右方向の幅は、ハンド7の短辺方向における搭載部24の幅よりも広くなっている。
【0037】
支持ピン41~44は、ステージ本体45から上側に突出する円柱状に形成されている。ウエハ2は、4本の支持ピン41~44に載置される。ウエハ2の下面は、支持ピン41~44の上端面に接触する。支持ピン41は、ステージ本体45の前右端側に固定されている。支持ピン42は、ステージ本体45の前左端側に固定されている。支持ピン43は、ステージ本体45の後ろ右端側に固定されている。支持ピン44は、ステージ本体45の後ろ左端側に固定されている。支持ピン41、43は、切欠き45aよりも右側に配置され、支持ピン42、44は、切欠き45aよりも左側に配置されている。
【0038】
支持ピン41と支持ピン42とは、前後方向において同じ位置に配置され、支持ピン43と支持ピン44とは、前後方向において同じ位置に配置されている。支持ピン41と支持ピン43とは、左右方向において同じ位置に配置され、支持ピン42と支持ピン44とは、左右方向において同じ位置に配置されている。前後方向における支持ピン41と支持ピン44とのピッチ、および、前後方向における支持ピン42と支持ピン43とのピッチは、ハンド7の長辺方向における検知機構34と検知機構35とのピッチと等しくなっている。
【0039】
ウエハ2がステージ3の正規の位置に載置された状態で上下方向から見たときに、ステージ3の、ウエハ2の中心と一致する位置をステージ中心位置C1とすると、4本の支持ピン41~44のうちの少なくとも2本の支持ピン41~44の、ステージ中心位置C1に対する位置精度が確保されている。ステージ中心位置C1に対する位置精度が確保されている支持ピン41~44を基準支持ピンとすると、本形態では、4本の支持ピン41~44の全てが基準支持ピンとなっている。
【0040】
すなわち、本形態では、4本の支持ピン41~44の、ステージ中心位置C1に対する位置精度が確保されている。本形態では、基準支持ピンである4本の支持ピン41~44のうちの2本の支持ピン41、44は、上下方向から見たときにステージ中心位置C1を挟んで配置される第1基準支持ピンとなっており、残りの2本の支持ピン42、43は、上下方向から見たときにステージ中心位置C1を挟んで配置される第2基準支持ピンとなっている。
【0041】
上下方向から見たときに、ステージ中心位置C1と支持ピン41との距離と、ステージ中心位置C1と支持ピン44との距離とが等しくなっており、ステージ中心位置C1と支持ピン42との距離と、ステージ中心位置C1と支持ピン43との距離とが等しくなっている。また、ステージ中心位置C1と支持ピン41との距離と、ステージ中心位置C1と支持ピン42との距離とが等しくなっている。本形態では、上下方向から見たときに、支持ピン41の中心と支持ピン44の中心とを結んだ線CL1と、支持ピン42の中心と支持ピン43の中心とを結んだ線CL2との交点がステージ中心位置C1になっている。
【0042】
(ハンドの位置補正方法)
図4図5は、図1に示す検知機構34、35による支持ピン41~44の位置の検知手順を説明するための図である。
【0043】
ロボットシステム1では、ロボット4の教示を行うときに、ロボット4は、ハンド7を移動させて検知機構34、35によって支持ピン41~44の位置を検知する。また、ロボット4の教示を行うときには、ロボット4は(具体的には、制御部33は)、検知機構34、35の検知結果に基づいてステージ中心位置C1を算出してハンド7の位置を補正する。
【0044】
具体的には、まず、前後方向において検知機構34と支持ピン41、42とが同じ位置に配置され、かつ、前後方向において検知機構35と支持ピン43、44とが同じ位置に配置される位置までハンド7を前側に移動させて、先端が前側に配置されるとともにウエハ2が搭載されていない状態の搭載部24を処理装置の中に入れる(図4(A)参照)。この状態では、上下方向から見たときに、搭載部24は、ステージ本体45の切欠き45aの中に配置されている。また、搭載部24は、上下方向において、検知機構34、35が支持ピン41~44を検知可能となる位置に配置されている。
【0045】
その後、ハンド7を右側に移動させて検知機構34によって支持ピン41の位置(具体的には、支持ピン41の水平方向の位置)を検知する(図4(B)参照)。このときには、支持ピン41、43は、切欠き24aの中に配置されている。その後、ハンド7を左側に移動させて検知機構35によって支持ピン44の位置(具体的には、支持ピン44の水平方向の位置)を検知する(図4(C)参照)。このときには、支持ピン42、44は、切欠き24aの中に配置されている。支持ピン41、44の位置が検知されると、支持ピン41の中心と支持ピン44の中心とを結んだ線CL1が特定される。
【0046】
その後、上下方向から見たときに、ステージ本体45の切欠き45aの中に搭載部24の全体が配置される位置までハンド7を右側に移動させる(図4(D)参照)。なお、まず、ハンド7を左側に移動させて検知機構35によって支持ピン44の位置を検知した後に、ハンド7を右側に移動させて検知機構34によって支持ピン41の位置を検知しても良い。
【0047】
その後、回動機構28によって搭載部24を180°回動させて搭載部24を上下反転させる(図5(A)参照)。その後、ハンド7を左側に移動させて検知機構34によって支持ピン42の位置(具体的には、支持ピン42の水平方向の位置)を検知する(図5(B)参照)。このときには、支持ピン42、44は、切欠き24aの中に配置されている。その後、ハンド7を右側に移動させて検知機構35によって支持ピン43の位置(具体的には、支持ピン43の水平方向の位置)を検知する(図5(C)参照)。このときには、支持ピン41、43は、切欠き24aの中に配置されている。支持ピン42、43の位置が検知されると、支持ピン42の中心と支持ピン43の中心とを結んだ線CL2が特定される。
【0048】
その後、上下方向から見たときに、ステージ本体45の切欠き45aの中に搭載部24の全体が配置される位置までハンド7を左側に移動させてから(図5(D)参照)、ハンド7を後ろ側に移動させて処理装置の中から搭載部24を出す。なお、まず、ハンド7を右側に移動させて検知機構35によって支持ピン43の位置を検知した後に、ハンド7を左側に移動させて検知機構34によって支持ピン42の位置を検知しても良い。
【0049】
このように、本形態では、ロボット4の教示を行うときに、ロボット4は、ハンド7を移動させて2個の検知機構34、35によって2本の支持ピン41、44の位置を検知した後、搭載部24を180°回動させてから、ハンド7を移動させて2個の検知機構34、35によって2本の支持ピン42、43の位置を検知する。制御部33は、特定された線CL1、CL2の交点を算出することで、ステージ中心位置C1を算出する。すなわち、制御部33は、線CL1、CL2の交点をステージ中心位置C1として算出する。また、制御部33は、算出されたステージ中心位置C1に基づいてハンド7の位置を補正する。具体的には、制御部33は、処理装置の中の所定の位置に搭載部24が入り込んだ状態で上下方向から見たときに、搭載部24の正規の位置に搭載されたウエハ2の中心とステージ中心位置C1とが一致するようにハンド7の位置を補正する。
【0050】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、4本の支持ピン41~44の、ステージ中心位置C1に対する位置精度が確保されている。また、本形態では、ロボット4の教示を行うときに、ハンド7を移動させて検知機構34、35によって支持ピン41~44の位置を検知し、検知機構34、35の検知結果に基づいてステージ中心位置C1を算出してハンド7の位置を補正している。
【0051】
このように本形態では、ステージ中心位置C1に対する位置精度が確保されている支持ピン41~44の位置の検知結果に基づいてステージ中心位置C1を算出してハンド7の位置を補正しているため、ステージ中心位置C1を精度良く算出して、ステージ中心位置C1に対してハンド7を適切に補正することが可能になる。すなわち、本形態では、ステージ3の位置を精度良く検知して、ステージ3に対してハンド7の位置を適切に補正することが可能になる。
【0052】
本形態では、ロボット4の教示を行うときに、ハンド7を移動させて2個の検知機構34、35によって2本の支持ピン41、44の位置を検知した後、搭載部24を180°回動させてから、ハンド7を移動させて2個の検知機構34、35によって2本の支持ピン42、43の位置を検知している。すなわち、本形態では、搭載部24に取り付けられる2個の検知機構34、35によって4本の支持ピン41~44の位置を検知している。そのため、本形態では、4本の支持ピン41~44の位置を検知する場合であっても、ロボット4の構成を簡素化することが可能になる。
【0053】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0054】
上述した形態において、ハンド7は、回動機構28を備えていなくても良い。すなわち、上述した形態において、搭載部24は、ハンド基部26に対して回動可能となっていなくても良い。この場合には、ロボット4の教示を行うときに、たとえば、前後方向において検知機構34と支持ピン41とが同じ位置に配置される位置まで搭載部24を処理装置の中に入れてから、ハンド7を右側に移動させて検知機構34によって支持ピン41の位置を検知した後、ハンド7を左側に移動させて検知機構35によって支持ピン44の位置を検知する。その後、ハンド7を右側に移動させるとともに前側に移動させてから、再び、左側に移動させて検知機構35によって支持ピン42の位置を検知する。その後、ハンド7を右側に移動させるとともに後ろ側に移動させてから、再び、右側に移動させて検知機構34によって支持ピン43の位置を検知する。
【0055】
上述した形態において、ロボット4が有する検知機構の数は1個であっても良い。たとえば、ロボット4は、検知機構34のみを備えていても良い。この場合には、ロボット4の教示を行うときに、たとえば、前後方向において検知機構34と支持ピン41とが同じ位置に配置される位置まで搭載部24を処理装置の中に入れてから、ハンド7を右側に移動させて検知機構34によって支持ピン41の位置を検知した後、ハンド7を左側に移動させるとともに後ろ側に移動させてから、再び、右側に移動させて検知機構34によって支持ピン43の位置を検知する。その後、搭載部24を上下反転させてから、たとえば、ハンド7を左側に移動させて検知機構34によって支持ピン44の位置を検知した後、ハンド7を右側に移動させるとともに前側に移動させてから、再び、左側に移動させて検知機構34によって支持ピン42の位置を検知する。
【0056】
上述した形態において、ロボット4は、4個の検知機構を備えていても良い。この場合には、ハンド7の長辺方向と前後方向が一致し、かつ、搭載部24の先端が前側に配置されているときに、4個の検知機構は、搭載部24の四隅のそれぞれ近傍に配置されている。この場合には、ロボット4の教示を行うときに、たとえば、前後方向において検知機構34と支持ピン41、42とが同じ位置に配置され、かつ、前後方向において検知機構35と支持ピン43、44とが同じ位置に配置される位置まで搭載部24を処理装置の中に入れてから、ハンド7を右側に移動させて2個の検知機構によって支持ピン41、43の位置を検知し、その後、ハンド7を左側に移動させて残りの2個の検知機構によって支持ピン42、44の位置を検知する。この場合には、搭載部24は、ハンド基部26に対して回動可能となっていなくても良い。
【0057】
上述した形態において、ステージ中心位置C1と支持ピン41との距離と、ステージ中心位置C1と支持ピン42との距離とが異なっていても良い。また、上述した形態において、支持ピン41と支持ピン42とが前後方向においてずれた位置に配置されていても良いし、支持ピン43と支持ピン44とが前後方向においてずれた位置に配置されていても良い。また、上述した形態において、支持ピン41と支持ピン43とが左右方向においてずれた位置に配置されていても良いし、支持ピン42と支持ピン44とが左右方向においてずれた位置に配置されていても良い。
【0058】
上述した形態において、前後方向における支持ピン41と支持ピン44とのピッチがハンド7の長辺方向における検知機構34と検知機構35とのピッチと異なっていても良い。すなわち、前後方向における支持ピン41と支持ピン44とのピッチがハンド7の長辺方向における検知機構34と検知機構35とのピッチより長くなっていても良いし、短くなっていても良い。この場合には、ロボット4の教示を行うときに、たとえば、前後方向において検知機構34と支持ピン41とが同じ位置に配置される位置まで搭載部24を処理装置の中に入れてから、ハンド7を右側に移動させて検知機構34によって支持ピン41の位置を検知した後、ハンド7を左側に移動させるとともに前後方向に移動させてから、再び、左側に移動させて検知機構35によって支持ピン44の位置を検知する。
【0059】
同様に、上述した形態において、前後方向における支持ピン42と支持ピン43とのピッチがハンド7の長辺方向における検知機構34と検知機構35とのピッチと異なっていても良い。この場合には、ロボット4の教示を行うときに、たとえば、搭載部24を上下反転させてから、ハンド7を左側に移動させて検知機構34によって支持ピン42の位置を検知した後、ハンド7を右側に移動させるとともに前後方向に移動させてから、再び、右側に移動させて検知機構35によって支持ピン43の位置を検知する。
【0060】
上述した形態において、4本の支持ピン41~44のうちの、2本または3本の支持ピン41~44が、ステージ中心位置C1に対する位置精度が確保されている基準支持ピンとなっていても良い。たとえば、2本の支持ピン41、43が基準支持ピンとなっていても良い。この場合には、支持ピン41、43の位置の検知結果に基づいてステージ中心位置C1を算出することが可能になっており、ロボット4の教示を行うときに、たとえば、ハンド7を移動させて検知機構34によって支持ピン41、43の位置を検知し、検知機構34の検知結果に基づいてステージ中心位置C1を算出してハンド7の位置を補正する。
【0061】
上述した形態において、ステージ3が有する支持ピンの数は、3本であっても良いし、5本以上であっても良い。この場合であっても、少なくとも2本の支持ピンが、ステージ中心位置C1に対する位置精度が確保されている基準支持ピンとなっており、ロボット4の教示を行うときには、検知機構34、35によって基準支持ピンの位置が検知される。また、上述した形態において、検知機構34、35は、透過型の光学式センサ以外のセンサであっても良い。たとえば、検知機構34、35は、反射型の光学式センサであっても良い。
【0062】
上述した形態において、アーム8は、3個以上のアーム部によって構成されていても良い。また、上述した形態において、ロボット4は、左右方向への直線的な移動が可能となるように本体部9を保持するベース部材と、ベース部材に対して本体部9を左右方向に直線的に移動させる水平移動機構とを備えていても良い。さらに、上述した形態において、ロボット4によって搬送される搬送対象物は、ウエハ2以外のものであっても良い。この場合には、たとえば、搬送対象物は、正方形または長方形の平板状に形成されていても良い。
【0063】
本発明が適用される産業用ロボットは、水平多関節型の産業用ロボット以外のロボットであっても良い。たとえば、本発明が適用される産業用ロボットは、ハンド7の直線的な往復移動が可能となるようにハンド7が連結されるアームと、アームが回動可能に連結される本体部と、アームに対してハンド7を直線的に往復移動させるリニア駆動部とを備える産業用ロボットであっても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 ロボットシステム
2 ウエハ(半導体ウエハ、搬送対象物)
3 ステージ
4 ロボット(産業用ロボット)
7 ハンド
24 搭載部
26 ハンド基部
28 回動機構
34、35 検知機構
41、44 支持ピン(基準支持ピン、第1基準支持ピン)
42、43 支持ピン(基準支持ピン、第2基準支持ピン)
45 ステージ本体
C1 ステージ中心位置
CL1 2本の第1基準支持ピンの中心同士を結んだ線
CL2 2本の第2基準支持ピンの中心同士を結んだ線
図1
図2
図3
図4
図5