(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077377
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】駐車場システム
(51)【国際特許分類】
E04H 6/42 20060101AFI20240531BHJP
E04H 6/18 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
E04H6/42 Z
E04H6/18 610
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189440
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】仲田 悠
(72)【発明者】
【氏名】岡 泰大
(57)【要約】
【課題】限られたスペースでも比較的自由に移動できる自走式搬送装置を備える駐車場システムを提供する。
【解決手段】駐車場システムは、車両20を駐車させる駐車室と、自走式搬送装置10と、を備える。自走式搬送装置10は、車両20を支持した状態で移動可能な車両支持部18と、車両支持部18の動作を制御する制御部16であって、車両支持部18との相対位置を変化可能な制御部16と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車させる駐車室と、
自走式搬送装置と、
を備え、
前記自走式搬送装置は、
車両を支持した状態で移動可能な車両支持部と、
前記車両支持部の動作を制御する制御部であって、前記車両支持部との相対位置を変化させることが可能な制御部と、を含む駐車場システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記車両支持部と分離可能であり、かつ、自走可能である請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項3】
前記車両支持部は、車両と床面との間に潜り込んで車両を支持可能であり、
前記制御部は、前記車両支持部の両端に接続可能である請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記車両支持部に動力を作用させることで前記相対位置を変化させる作用部を含む請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項5】
前記車両支持部が前記制御部と床面との間を移動することによって前記制御部と前記車両支持部との相対位置が変化する請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項6】
前記駐車室に車両を搬入可能、かつ、前記駐車室から車両を搬出可能に構成される搬送機構と、
前記自走式搬送装置と前記搬送機構との間で車両の受け渡しを行うための中継室と、
をさらに備える請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項7】
前記中継室の出入口が1つである請求項6に記載の駐車場システム。
【請求項8】
前記中継室にターンテーブルが設けられていない請求項6に記載の駐車場システム。
【請求項9】
前記中継室には、降車スペースとつながる入庫口と、乗車スペースとつながる出庫口とが設けられる請求項6に記載の駐車場システム。
【請求項10】
前記自走式搬送装置は、前記中継室の外でのみ、前記制御部と前記車両支持部との分離および再接続を行う請求項6から9のいずれかに記載の駐車場システム。
【請求項11】
前記自走式搬送装置は、前記中継室の中でのみ、前記制御部と前記車両支持部との分離および再接続を行う請求項6から9のいずれかに記載の駐車場システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両を搬送する自走式搬送装置を備える駐車場システムを開示する。自走式搬送装置は、車両前後方向から車両の下に入り込み、そこでアームを延ばして車両を支持する薄型の車両支持部と、車両支持部の一端側に接続され、自走式搬送車の動作を制御する制御部と、を備える。特許文献1によれば、自走式搬送装置が駐車を支援することにより、駐車に伴う利用者の負担が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、自走式搬送装置が車両を中継室に搬送した後に車両から離れられるように、中継室の中または外において自走式搬送装置が旋回等するための大きなスペースが必要となり、その分、有効に使えるスペースが少なくなりうる。あるいは、自走式搬送装置は稼働範囲が制限されうる。また、自走式搬送装置が旋回等するための大きなスペースを確保できない場合、特許文献1の駐車場システムを採用できない。
【0005】
本発明はかかる状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、限られたスペースでも比較的自由に移動できる自走式搬送装置を備える駐車場システムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の駐車場システムは、車両を駐車させる駐車室と、自走式搬送装置と、を備える。自走式搬送装置は、車両を支持した状態で移動可能な車両支持部と、車両支持部の動作を制御する制御部であって、車両支持部との相対位置を変化させることが可能な制御部と、を含む。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のある態様によれば、限られたスペースでも比較的自由に移動できる自走式搬送装置を備える駐車場システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る駐車場システムの正面図である。
【
図2】
図1の自走式移動装置の一例を示す側面図である。
【
図3】
図3(a)~(b)は、
図2の自走式搬送装置の平面図である。
【
図4】
図4(a)~(e)は、制御部と車両支持部の分離、再接続の様子を時系列で示す図である。
【
図5】
図5(a)~(g)は、駐車場システムの入庫時の動作を時系列で説明する図である。
【
図6】
図6(a)~(h)は、駐車場システムの入庫時の動作を時系列で説明する図である。
【
図7】
図7(a)、(b)は、中継室内のターンテーブルの必要性を説明する図である。
【
図8】
図8(a)~(f)は、駐車場システムの出庫時の動作を時系列で説明する図である。
【
図9】
図9(a)~(g)は、駐車場システムの入庫時の動作を時系列で説明する図である。
【
図10】
図10(a)~(h)は、駐車場システムの出庫時の動作を時系列で説明する図である。
【
図11】変形例2における駐車場システムの入庫時の動作を時系列で説明する図である。
【
図12】変形例3の自走式搬送装置の斜視図である。
【
図14】変形例3の自走式搬送装置を備える駐車場システムの入庫時の動作を時系列で説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して示す。
【0011】
図1は、実施の形態に係る駐車場システム100の正面図である。駐車場システム100は、この例では、地上に設けられた建物24の地下に駐車室が設けられた、いわゆる地下式の機械式駐車場システムである。なお、駐車場システム100は、駐車室が建物24の中に設けられた地上式の機械式駐車場システムであってもよいし、駐車室が建物24の中および建物24の地下の両方に設けられた機械式駐車場システムであってもよい。
【0012】
駐車場システム100は、自走式搬送装置10と、中継室12と、駐車室14と、操作盤28と、制御装置30と、搬送機構54と、を備える。搬送機構54は、複数のパレット32と、第1搬送装置56と、複数の第2搬送装置58と、リフトフレーム88と、2本のマスト90と、昇降装置94と、昇降路96と、を備える。
【0013】
駐車室14は、地下1階に設けられた駐車室である。なお、駐車室の階層数は特に限定されず、2以上であってもよい。駐車室14は、マトリクス状に配列された複数の駐車スペース50を含む。各駐車スペース50は、車両が搭載されたパレット32(後述)を収容可能に構成される。
【0014】
搬送機構54は、駐車室14に車両20を搬入可能、かつ、駐車室14から車両20を搬出可能に構成される。
【0015】
中継室12は、自走式搬送装置10と搬送機構54との間で車両の受け渡しを行うための空間である。中継室12は、建物24に設けられる。
【0016】
自走式搬送装置10は、入出庫を支援するための装置である。自走式搬送装置10は、車両20を支持した状態で自走できる。自走式搬送装置10は、人が運転操作を行わなくとも自動で走行するAGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)であってもよい。例えば、自走式搬送装置10は、入庫時において、中継室12の外の所定のスペースに停められた車両20を中継室12の中に搬送し、出庫時において、車両20を中継室12の中から中継室12の外の所定のスペースに搬送する。つまり、自走式搬送装置10は、中継室12の中と外との間で車両20を移動させることができる。
【0017】
中継室12は、昇降路96の上端に設けられる。中継室12と昇降路96とは、パレット32が通過できる程度の大きさの連通孔26を介して連結される。
【0018】
昇降路96は、鉛直方向(z方向)に沿って設けられ、駐車室14と連通する。昇降路96の下端には、リフトフレーム88を昇降させる昇降装置94が設置される。昇降路96の四隅には、2本のマスト90が設けられる。
【0019】
リフトフレーム88は、2本のマスト90に昇降自在に支持され、昇降装置94により昇降路96に沿って昇降する。リフトフレーム88の上部には第1搬送装置56が設けられる。なお、リフトフレーム88、2本のマスト90、および昇降装置94には、本出願人が先に出願した特開2009-197417号公報に記載のリフトフレーム、2本のマスト、昇降装置、をそれぞれ適用することができる。
【0020】
パレット32は、平板状の部材であり、車両が搭載される上面である車両積載面32aは略矩形の形状を有する。パレット32は画一的な大きさを有し、1基のパレットに1台の車両が積載可能な大きさを有する。
【0021】
第1搬送装置56は、リフトフレーム88の上部に設けられ、パレット32をx方向に移動させる。第1搬送装置56により、パレット32は、昇降路96と駐車室14との間を移動する。第2搬送装置58は、駐車スペース50のそれぞれに設けられ、パレット32をx方向またはy方向に移動させる。第2搬送装置58により、パレット32は駐車スペース50の間を移動する。なお、第2搬送装置58には、本出願人が先に出願した特公平7-29681号公報に記載の搬送装置を適用することができる。
【0022】
駐車スペース50は、1基のパレット32を収容可能に構成される。駐車スペース50は、車両を積載するパレット32を収容することにより車両が駐車される駐車室内の1駐車領域である。
【0023】
操作盤28は、ユーザまたは駐車場システム100の係員に対するユーザインタフェースとしての機能を有する。操作盤28は、制御装置30と接続されており、入力された操作に応じて制御装置30に制御信号を送信する。
【0024】
入庫の際、ユーザまたは係員は、入庫対象の車両20(以下、入庫車両20ともいう)を中継室12の外に停車させ、操作盤28に車両IDとともに入庫要求を入力する。車両IDは、車両を一意に識別する識別情報であり、例えば自動車登録番号(ナンバープレートに記載された番号)である。操作盤28は、車両IDを含む入庫要求信号を生成し、制御装置30に送信する。制御装置30は、入庫要求信号を受信すると、中継室12に車両の積載されていない空のパレット32を用意し、図示しない中継室扉を開く。自走式搬送装置10は、中継室12の外に停車されている入庫車両20を中継室12の中に搬送してパレット32に載せる。制御装置30は、自走式搬送装置10が中継室12から退出したら、中継室扉を閉じ、搬送機構54を制御してパレット32ごと入庫車両20を駐車スペース50に搬送する。つまり入庫車両20を駐車スペース50に格納する。
【0025】
出庫の際、ユーザまたは係員は、操作盤28に出庫対象の車両20(以下、出庫車両20ともいう)の車両IDとともに出庫指示を入力する。操作盤28は、車両IDを含む出庫指示信号を生成し、制御装置30に送信する。制御装置30は、出庫指示を受信すると、搬送機構54を制御してパレット32ごと出庫車両20を中継室12に搬送する。自走式搬送装置10は、中継室扉が開いたら、中継室12に現れた出庫車両20を中継室12の外の所定のスペースに搬送する。
【0026】
図2は、自走式搬送装置10の一例を示す側面図である。
図3(a)~(b)は、
図2の自走式搬送装置10の平面図である。
図3(a)~(b)では、車両20の外形輪郭を破線で示し、車両20の4つのタイヤ20aを実線で示す。
【0027】
自走式搬送装置10は、車両20を支持した状態で移動させることが可能な車両支持部18と、車両支持部18の動作を制御する制御部16と、複数のセンサ60と、を含む。
【0028】
車両支持部18は、ベース40と、ベース40に固定された4対のアーム42と、含む。ベース40は、平面視で細長い長方形状である。ベース40は、車両20と床面との間に潜り込むことが可能な薄さに形成される。ベース40の長手方向の長さは、車両20の前後方向における長さよりも長いため、ベース40が車両20と床面との間に潜り込んだ状態においても、ベース40の長手方向の両端のそれぞれが車両20の前後から突出する。ベース40の下面40aには複数の車輪44が設けられる。
【0029】
車両支持部18は、制御部16に引っ張られることにより、または制御部16に押されることにより、制御部16とともに走行する。なお、車両支持部18がモータを備え、そのモータが複数の車輪44を駆動することによって自走可能であってもよい。
【0030】
4対のアーム42はそれぞれ、車両20の4個のタイヤ20aに対応する位置に設けられている。なお、車両20の種類によって前後のタイヤ20aの間隔は異なりうる。したがって、車両20の前後のタイヤ20aの間隔に応じてベース40を長手方向に伸縮可能であってもよい。各アーム42は、ベース40の長手方向に直交する方向(すなわちベース40の幅方向)に延びる。各アーム42は、特に限定されないが、円筒状もしくは円柱状を有する。
【0031】
図3(a)に示すように、各アーム42を折りたたんだ状態で、矢印Eで示す車両20の前後方向であって、ベース40の長手方向に自走式搬送装置10が移動することにより、車両支持部18が車両20の下に潜り込むことができる。各アーム42を、
図3(a)の折りたたまれた状態から、
図3(b)の幅方向に延びる状態に回動させることにより、各アーム42がタイヤ20aと床面との間に潜り込み、タイヤ20aひいては車両20が持ち上げられる。この状態で、自走式搬送装置10は車両20を支持して走行することができる
【0032】
複数のセンサ60には、この例では、人検知センサ62、移動用センサ64、停止位置検出センサ66および前輪タイヤ検出センサ68が含まれる。人検知センサ62は、人と衝突しないように人を検知するために設けられる。人検知センサ62は、例えば制御部16に設けられる。
【0033】
移動用センサ64は、自走式搬送装置10あるいは制御部16の移動ルートを決定するための周囲情報の検出のために設けられる。移動用センサ64は、例えば制御部16に設けられる。移動用センサ64は、例えばカメラやLiDAR(Light Detection and Ranging)である。
【0034】
停止位置検出センサ66は、車両20の下に車両支持部18を潜り込ませるときの停止位置の検出であって、各対のアーム42が対応するタイヤと対向する位置の検出のために設けられる。詳しくは、停止位置検出センサ66は、タイヤの内側を検出する。停止位置検出センサ66は、例えばカメラやLiDARである。
【0035】
前輪タイヤ検出センサ68は、車両支持部18を車両20の下に潜り込ませる際に車両20の2つの前輪タイヤを検出するために設けられる。前輪タイヤ検出センサ68は、例えばベース40の長手方向の両端面に設けられる。前輪タイヤ検出センサ68は、例えばカメラやLiDARである。
【0036】
制御部16は、筐体70と、筐体70の下面に設けられる複数の車輪72と、を含む。筐体70には、動力源であるバッテリ、車輪72を駆動するモータ、モータを制御するインバータ、複数のセンサ60が検出した情報を処理するパソコン、起動・停止の切り替えを行う接触器、複数のセンサ60、パソコンおよび操作盤28からの信号を処理してインバータ、モータ、接触器に指示を出すPLC(Programmable Logic Controller)、などが収容される。制御部16は、これらの装置を備えるため、比較的大きくなる。なお、これらの装置を車両支持部18が備えるように構成すると、車両20と床面との間に潜り込むことが可能な薄さに形成できなくなる。
【0037】
制御部16はさらに、各種の部品に電気を分割する端子台、電圧を変更する変圧器、などを備えてもよい。制御部16がこれらの装置をさらに備える場合、制御部16はさらに大きくなりうる。なお、これらの装置は、車両支持部18に設けられてもよい。
【0038】
制御部16は、図示しない接続機構により、分離可能に車両支持部18に接続される。接続機構は、公知の技術を用いて構成されればよい。詳しくは制御部16は、車両支持部18の2つの短辺側に、言い換えると車両支持部18の長手方向における両端に、分離可能に接続される。つまり制御部16は、分離、再接続することにより、車両支持部18との相対位置を変化させることができる。例えば制御部16は、
図2、
図3において車両支持部18の長手方向における一端側に接続されているが、当該一端側から分離して、車両支持部18の他端側にも接続されうる。なお、上述のようにベース40が車両20と床面との間に潜り込んだ状態においてベース40の長手方向の両端のそれぞれが車両20の前後から突出していることにより、制御部16と車両支持部18との分離、再接続が容易である。
【0039】
制御部16は、内蔵のモータで車輪72を駆動することによって走行可能(すなわち自走可能)であり、車両支持部18から分離しているときには単体で走行し、車両支持部18に接続しているときには車両支持部18を引いたりもしくは押したりしながら走行する。
【0040】
図4(a)~(e)は、制御部16と車両支持部18の分離、再接続の様子を時系列で示す図である。
図4(a)では、制御部16は車両支持部18の長手方向における一端側に接続されている。
図4(b)では、制御部16は車両支持部18の当該一端側から分離されている。
図4(c)では、制御部16は、車両支持部18の長手方向における他端側に向かって自走している。
図4(d)では、制御部16は、車両支持部18の長手方向における他端側に対向する位置に到着している。
図4(e)では、制御部16は車両支持部18の当該他端側に接続されている。
【0041】
以上が、駐車場システム100の基本構成である。
【0042】
続いて、自走式搬送装置10を中心とする駐車場システム100の動作について、いくつかの実施例をもとに具体的に説明する。
【0043】
(実施例1)
図5(a)~(g)は、駐車場システム100の入庫時の動作を時系列で説明する図である。この例では、中継室12は入庫および出庫が可能な単一の入出庫口12aを備える。また、駐車場システム100は、中継室12の中にも、中継室12の外(例えば乗降スペース8)にも、ターンテーブルを備えていない。また、自走式搬送装置10の待機場所は中継室12の中である。
【0044】
図5(a)では、自走式搬送装置10は中継室12の中で待機している。乗降スペース8には、入庫対象の車両20(以下、入庫車両20ともいう)が停車している。乗降スペース8は、床面に示されていてもよい。例えば、乗降スペース8は、白線などの床面に引かれた線によって囲まれたスペースであってもよい。
図5(b)では、中継室扉13が開いている。自走式搬送装置10は、中継室12から乗降スペース8に移動し、入庫車両20を支持している。
【0045】
図5(c)では、自走式搬送装置10によって入庫車両20が中継室12に搬送されている。
図5(d)では、中継室12の中において、制御部16が車両支持部18の一方側(中継室12における奥側)の端部18aから分離し、車両20の横を通って車両支持部18の他方側(中継室12における手前側)に回り込み、当該他方側の端部18bに接続されている。
【0046】
図5(e)では、自走式搬送装置10は中継室12から乗降スペース8に退避している。
図5(f)では、中継室扉13は閉じている。車両20が駐車室14に搬送されたもしくは搬送途中のため、中継室12は空になっている。乗降スペース8では、制御部16が車両支持部18の端部18bから分離し、反対側に回り込んで端部18aに接続されている。
【0047】
図5(g)では、中継室扉13が開いている。自走式搬送装置10は、中継室12に戻り、次の入庫または出庫を待機する。
【0048】
以上が、実施例1における入庫時の動作である。
【0049】
ところで、入庫車両20を中継室12から駐車室14に搬送するには、自走式搬送装置10を車両20の下から退避させる必要があるが、制御部16と車両支持部18とが分離できない場合、車両20を置いて自走式搬送装置10だけ旋回して中継室12から退避するにしろ、車両20ごと自走式搬送装置10が旋回し、その後、車両20を置いて自走式搬送装置10だけ中継室12から退避するにしろ、それらを実現するには中継室12を極めて大きくする必要がある。
【0050】
これに対し、本実施の形態によれば、
図5(d)~(e)に示すように、制御部16を車両支持部18の奥側から手前側に分離、再接続することにより、中継室12が大きくなくても自走式搬送装置10は中継室12の外に退出できる。
【0051】
また、
図5(e)の向きで中継室12の外に退避した自走式搬送装置10は、入庫完了時には、次の入庫に備えて
図5(a)の向きに戻っている必要がある。制御部16と車両支持部18とが分離できない場合、例えば中継室12の外で自走式搬送装置10を自走で旋回させることが考えられるが、この場合、中継室12の外に大きな旋回スペースが必要になる。
【0052】
これに対し、本実施の形態によれば、
図5(f)に示すように、制御部16が車両支持部18の端部18bから端部18aに分離、再接続することにより、自走式搬送装置10を旋回することなく、自走式搬送装置10を
図5(a)の状態に戻すことができる。
【0053】
(実施例2)
図6(a)~(h)は、駐車場システム100の入庫時の動作を時系列で説明する図である。この例では、中継室12は入庫および出庫が可能な単一の入出庫口12aを備える。また、駐車場システム100は、中継室12の中にパレットを旋回させるためのターンテーブル78を備える。また、自走式搬送装置10の待機場所は中継室12の中である。
【0054】
図7(a)、(b)は、中継室12内のターンテーブル78の必要性を説明する図である。
図7(a)は、中継室12とその周辺を示す平面図である。
図7(b)は、駐車室14を示す平面図である。この例では、駐車スペース50は、x方向に4行、y方向に4列のマトリクス状に配置されている。これに対し中継室12は、車両20がx方向およびy方向の両方に交差する方向に出入りするように構成されている。したがって入出庫の際にターンテーブル78によって向きを調整する必要がある。
【0055】
図6に戻る。
図6(a)~(e)、(g)~(h)にはそれぞれ、
図5(a)~(g)と同様の説明が適用される。
【0056】
図6(f)では、駐車室14における駐車スペース50の配列に合わせてターンテーブル78を旋回させている。
【0057】
以上が、実施例2における入庫時の動作である。
【0058】
ところで、入庫車両20を中継室12から駐車室14に搬送するには、自走式搬送装置10を車両20の下から退避させる必要があるが、制御部16と車両支持部18とが分離できない場合、車両20を置いて自走式搬送装置10だけ旋回して中継室12から退避するにしろ、ターンテーブル78を旋回し、その後、車両20を置いて自走式搬送装置10だけ中継室12から退避するにしろ、それらを実現するには中継室12やターンテーブル78を極めて大きくする必要がある。また、ターンテーブル78を旋回させる回数が増えると、入庫に時間がかかる。
【0059】
これに対し、本実施の形態によれば、
図7(d)~(e)に示すように、制御部16を車両支持部18の奥側から手前側に分離、再接続することにより、自走式搬送装置10を中継室12の外に退出させることができる。
【0060】
また、
図7(f)の向きで中継室12の外に退避した自走式搬送装置10は、入庫完了時には、次の入庫に備えて
図7(a)の向きに戻っている必要がある。制御部16と車両支持部18とが分離できない場合は、中継室12の外で自走式搬送装置10を自走で旋回させるか、自走式搬送装置10を中継室12に戻した後にターンテーブル78で旋回させることが考えられるが、前者の場合は中継室12の外に大きな旋回スペースが必要になり、後者の場合は大きなターンテーブル78や広い中継室12が必要になり、またターンテーブル78を旋回させる回数が増えて入庫に時間がかかる。
【0061】
これに対し、本実施の形態によれば、
図7(g)に示すように、制御部16が車両支持部18の端部18bから端部18aに分離、再接続することにより、中継室12の中および外で旋回することなく、自走式搬送装置10を
図7(a)の状態に戻すことができる。
【0062】
(実施例3)
図8(a)~(f)は、駐車場システム100の出庫時の動作を時系列で説明する図である。この例では、中継室12は入庫および出庫が可能な単一の入出庫口12aを備える。また、駐車場システム100は、中継室12の中にターンテーブル78を備える。また、自走式搬送装置10の待機場所は中継室12の外である。
【0063】
図8(a)では、自走式搬送装置10は中継室12の外の待機スペース9で待機している。中継室12には、駐車室14から搬送された出庫車両20が停まっている。
図8(b)では、中継室扉13が開いている。自走式搬送装置10は、待機スペース9から中継室12に移動し、出庫車両20を支持している。自走式搬送装置10は、出庫車両20を中継室12から乗降スペース8に搬送する。
図8(c)では、自走式搬送装置10によって出庫車両20が乗降スペース8に搬送されている。
【0064】
図8(d)では、中継室12の外のスペースにおいて、制御部16が車両支持部18の一方側(中継室扉13から遠い側)の端部18aから分離し、車両20の横を通って車両支持部18の他方側(中継室扉13に近い側)に回り込み、当該他方側の端部18bに接続されている。
図8(e)では、自走式搬送装置10は、車両20から離れて中継室12に退避している。
図8(f)では、出庫車両20は乗降スペース8から既に走り去っている。自走式搬送装置10が中継室12から退出して待機スペース9に移動している。
【0065】
以上が、実施例3における出庫時の動作である。
【0066】
ところで、制御部16と車両支持部18とが分離できない場合、
図8(d)~(e)のタイミングにおいて自走式搬送装置10が車両20から退避するには、乗降スペース8の周囲に大きなスペースが必要となるが、建物24の大きさやレイアウトによってはそのようなスペースを確保できない場合もある。あるいは、そのような大きなスペースを確保すると、建物24内の有効に使えるスペースが少なくなったり、建物24内のレイアウトが制限される。
【0067】
これに対し、本実施の形態によれば、
図8(d)~(e)に示すように、制御部16が車両支持部18の端部18aから端部18bに分離、再接続することにより、乗降スペース8の周囲に大きなスペースを必要とせずに、自走式搬送装置10を車両20から退避させることができる。
【0068】
(実施例4)
図9(a)~(g)は、駐車場システム100の入庫時の動作を時系列で説明する図である。この例では、中継室12は入庫口12bおよび出庫口12cをそれぞれ1つずつ備える。また、駐車場システム100は、中継室12の中にも、中継室12の外(例えば乗降スペース8)にも、ターンテーブルを備えていない。また、自走式搬送装置10の待機場所は中継室12の中である。
【0069】
図9(a)では、自走式搬送装置10は中継室12の中で待機している。降車スペース8bには、入庫車両20_1が停車している。また、乗車スペース8cには、直前に出庫した出庫車両20_2が停車している。
図9(b)では、入庫口12bの中継室扉13bが開いている。自走式搬送装置10は、中継室12から降車スペース8bに移動し、入庫車両20_1を支持している。自走式搬送装置10は、入庫車両20_1を中継室12の中に搬送する。
【0070】
図9(c)では、自走式搬送装置10によって入庫車両20_1が中継室12に搬送されている。
図9(d)では、中継室12の中において、制御部16が車両支持部18の一方側(出庫口12c側)の端部から分離し、入庫車両20_1の横を通って車両支持部18の他方側(入庫口12b側)に回り込み、当該他端側の端部18bに接続されている。
図9(e)では、自走式搬送装置10が中継室12から降車スペース8bに退避している。
【0071】
図9(f)では、降車スペース8b、すなわち中継室12の外のスペースにおいて、制御部16が車両支持部18の端部18bから分離し、反対側に回り込んで端部18aに接続されている。
図9(g)では、入庫口12bの中継室扉13bが開いている。自走式搬送装置10は、中継室12に移動し、次の入庫または出庫を待機する。
【0072】
以上が、実施例4における入庫時の動作である。
【0073】
ところで、入庫車両20_1を中継室12から駐車室14に搬送するには、自走式搬送装置10を車両20の下から退避させる必要があるが、制御部16と車両支持部18とが分離できない場合、車両20を置いて自走式搬送装置10だけ旋回して入庫口12bから中継室12の外に退避するにしろ、車両20ごと自走式搬送装置10が旋回し、その後、車両20を置いて自走式搬送装置10だけ入庫口12bから中継室12の外に退避するにしろ、それらを実現するには中継室12を極めて大きくする必要がある。また、自走式搬送装置10を出庫口12cから中継室12の外に退避させることが考えられるが、直前の出庫車両20_2が乗車スペース8cに停車している場合、退避させることができない。
【0074】
これに対し、本実施の形態によれば、
図9(d)に示すように、制御部16が車両支持部18の端部18aから端部18bに分離、再接続することにより、乗車スペース8cに出庫車両20_2に停車していても、また中継室12が大きくなくても、自走式搬送装置10は中継室12の外に退出できる。
【0075】
(実施例5)
図10(a)~(h)は、駐車場システム100の出庫時の動作を時系列で説明する図である。この例では、中継室12は入庫口12bおよび出庫口12cをそれぞれ1つずつ備える。また、駐車場システム100は、中継室12の中にも、中継室12の外(例えば乗降スペース8)にも、ターンテーブルを備えていない。また、自走式搬送装置10の待機場所は中継室12の中である。
【0076】
図10(a)では、自走式搬送装置10は中継室12の中で待機している。
図10(b)では、出庫口12cの中継室扉13cが開いている。自走式搬送装置10は、出庫口12cから中継室12の外に出て乗車スペース8cに退避している。
図10(c)では、出庫口12cの中継室扉13cが閉じている。中継室12には駐車室14から搬送された出庫車両20が停まっている。
図10(d)では、自走式搬送装置10が中継室12内に移動し、出庫車両20を支持している。
【0077】
図10(e)では、自走式搬送装置10によって出庫車両20が乗車スペース8cに搬送されている。
図10(f)では、乗車スペース8c、すなわち中継室12の外のスペースにおいて、制御部16が車両支持部18の一方側(中継室扉13cから遠い側)の端部18aから分離し、出庫車両20の横を通って車両支持部18の他方側(中継室扉13cに近い側)に回り込み、当該他方側の端部18bに接続されている。
【0078】
図10(g)では、自走式搬送装置10は、出庫車両20から離れて中継室12に退避している。
図10(h)では、出庫車両20は乗車スペース8cから既に走り去っている。出庫口12cの中継室扉13cは閉じている。制御部16は、中継室12内において、車両支持部18の端部18bから分離し、反対側に回り込んで端部18aに接続されている。
【0079】
以上が、実施例5における入庫時の動作である。
【0080】
ところで、制御部16と車両支持部18とが分離できない場合、
図10(f)~(g)のタイミングにおいて自走式搬送装置10が車両から退避するには、乗車スペース8cの周囲に大きなスペースが必要となる。また、出庫車両20が乗車スペース8cから離れるまで出庫口12cの付近が出庫車両20で塞がれて自走式搬送装置10は中継室12内に戻れないため、乗車スペース8cの周囲に自走式搬送装置10が待機するスペースが必要になる。しかしながら、建物24の大きさやレイアウトによってはそのようなスペースを確保できない場合もある。あるいは、そのような大きなスペースを確保すると、建物24内の有効に使えるスペースが少なくなったり、建物24内のレイアウトが制限される。
【0081】
これに対し、本実施の形態によれば、
図10(f)~(g)に示すように、制御部16が車両支持部18の端部18aから端部18bに分離、再接続することにより、乗車スペース8cの周囲に大きなスペースを必要とせずに、自走式搬送装置10を車両20から退避させることができる。
【0082】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下変形例を示す。
【0083】
(変形例1)
実施の形態では特に言及しなかったが、制御部16と車両支持部18との分離、再接続を中継室12の中でのみ実施し、中継室12の外では実施しないようにしてもよい。この場合、中継室12の外の必要スペースを小さくできる。具体的には例えば、
図5(f)、
図6(g)および
図9(f)で実施している分離、再接続を、自走式搬送装置10が中継室12に戻ってから実施してもよい。
【0084】
(変形例2)
実施の形態では特に言及しなかったが、制御部16と車両支持部18との分離、再接続を中継室12の外でのみ実施し、中継室12の中では実施しないようにしてもよい。
【0085】
図11は、変形例2における駐車場システム100の入庫時の動作を時系列で説明する図である。この例では、中継室12は入庫および出庫が可能な単一の入出庫口12aを備える。また、駐車場システム100は、中継室12の中にも、中継室12の外にも、ターンテーブルを備えていない。また、自走式搬送装置10の待機場所は中継室12の中である。
【0086】
図11(a)では、自走式搬送装置10は中継室12の中で待機している。乗降スペース8には、入庫車両20が停車している。
図11(b)では、中継室扉13が開いている。自走式搬送装置10は、中継室12から乗降スペース8に移動し、入庫車両20を支持している。
【0087】
図11(c)では、乗降スペース8において制御部16が車両支持部18の一方側(中継室扉13に近い側)の端部18aから分離し、車両20の横を通って車両支持部18の他方側(中継室扉13から遠い側)に回り込み、当該他方側の端部18bに接続されている。
図11(d)では、自走式搬送装置10によって入庫車両20が中継室12に搬送されている。
図11(e)では、自走式搬送装置10は中継室12から乗降スペース8に退避している。
【0088】
図11(f)では、中継室扉13は閉じている。車両20が駐車室14に搬送されたもしくは搬送途中のため、中継室12は空になっている。乗降スペース8では、制御部16が車両支持部18の端部18bから分離し、反対側に回り込んで端部18aに接続されている。
図11(g)では、中継室扉13が開いている。自走式搬送装置10は、中継室12に戻り、次の入庫または出庫を待機する。
【0089】
本変形例によれば、中継室12の中の必要スペースを小さくできる。
【0090】
なお、さらなる変形例として、自走式搬送装置10の待機場所を中継室12の外としてもよい。
【0091】
(変形例3)
実施の形態とは異なり、制御部16の筐体70が床面との間でトンネル状の通路を形成するように構成され、車両支持部18が当該通路を通過することによって制御部16と車両支持部18との相対位置を変化できてもよい。
【0092】
図12は、変形例3の自走式搬送装置10の斜視図である。
図13は、
図12の自走式搬送装置10の縦断面図である。この例では、制御部16の筐体70は2つの脚部70aを有し、脚部70aの下面に車輪72が設けられている。2つの脚部70aの間には、トンネル状の通路70bが形成される。通路70bの天井面70cには少なくとも1つのローラ(作用部)74が設けられる。ローラ74は、車両支持部18のベース40の上面40bと当接可能である。制御部16は、図示しないモータを制御してローラ74を回転させることにより、車両支持部18に動力を作用させる。これにより、車両支持部18は通路70bを通って移動する。つまり、制御部16は、車両支持部18との相対位置を変化させることができる。
【0093】
なお、車両支持部18がモータを備え、そのモータが複数の車輪44を駆動することによって自走可能であってもよい。この場合、ローラ74からの駆動力は不要である。
【0094】
図14(a)~(c)は、変形例3の自走式搬送装置10を備える駐車場システム100の入庫時の動作を時系列で説明する図である。この例では、中継室12は入庫口12bおよび出庫口12cをそれぞれ1つずつ備える。また、駐車場システム100は、中継室12の中にも、中継室12の外にも、ターンテーブルを備えていない。また、自走式搬送装置10の待機場所は中継室12の中である。
【0095】
図14(a)~(d)、(h)にはそれぞれ、
図5(a)~(d)、(h)と同様の説明が適用される。
【0096】
図14(e)では、車両支持部18は通路70b(
図14では不図示)を通って移動している。
図14(f)では、通路70bを通る車両支持部18の移動は終了しており、制御部16は車両支持部18の端部18aと接続されている。なお、車両支持部18が通路70bを移動中は少なくともローラ74が車両支持部18と接触している。つまり、制御部16と車両支持部18とは、接触を維持した状態で、言い換えると、分離することなく接続を維持した状態で、互いの相対位置を変化させることができる。
【0097】
図14(g)では、自走式搬送装置10は中継室12から乗降スペース8に退避している。中継室扉13は閉じており、車両20が駐車室14に搬送されたもしくは搬送途中のため、中継室12は空になっている。
【0098】
本変形例によれば、
図5(f)において実施していた中継室12の外での制御部16と車両支持部18との分離、再接続が不要になる。
【0099】
(変形例4)
実施の形態および上述の変形例では、ベース40が車両20と床面との間に潜り込んだ状態においてベース40の長手方向の両端が車両20の前後から突出する場合について説明したが、これには限定されない。特に限定されないが例えば以下に挙げる場合、ベース40が車両20と床面との間に潜り込んだ状態において、ベース40の長手方向の少なくとも一端が車両20の前後から突出していなくてもよい。
【0100】
・車両支持部18が自走可能である場合
この場合、車両支持部18を自走させて、ベース40の長手方向の両端のうちの制御部16と接続される側のみを突出させればよい。
【0101】
・制御部16の例えば接続機構が、磁力で車両支持部18を引き寄せ可能である場合
この場合、車両支持部18を引き寄せて、ベース40の長手方向の両端のうちの制御部16と接続される側のみを突出させればよい。
【0102】
・制御部16の例えば接続機構が、車両支持部18を奥に(すなわち制御部16から離れる方向に)押し込み可能である場合
この場合、車両支持部18を奥に押し込んで、ベース40の長手方向の両端のうちの制御部16と再接続する側のみを突出させればよい。
【0103】
・制御部16の図示しない接続機構がフックを備え、当該フックが車両20の下まで延びて車両20の下で車両支持部18と接続される場合
この場合、ベース40の長手方向の両端は、車両20から突出していなくてもよい。
【0104】
(変形例5)
実施の形態および上述の変形例ではでは、乗降スペース8、降車スペース8bおよび乗車スペース8cが中継室12と隣接または近接していたが、スペース8,8b,8cは中継室12から離れていても、例えば5m、10mまたはそれ以上離れていてもよい。すなわち、自走式搬送装置10が車両をスペース8,8b,8cと中継室12との間で搬送可能であれば、スペース8,8b,8cと中継室12との距離は問わない。
【0105】
(変形例6)
中継室12および搬送機構54の構成は、実施の形態および上述の変形例における構成には限定されない。中継室12は、自走式搬送装置10と搬送機構54との間で車両の受け渡しが可能な空間であればよい。搬送機構54は、駐車室14に車両20を搬入可能、かつ、駐車室14から車両20を搬出可能であればよい。
【0106】
例えば、駐車室が中継室12よりも上の階にのみ配置される場合、中継室12が昇降路96の下端に設けられてもよい。また例えば、駐車室14が中継室12よりも上の階および下の階の両方に配置される場合、中継室12が昇降路96の途中に設けられてもよい。
【0107】
また例えば、搬送機構54がさらにコンベアを備え、当該コンベアが中継室12と昇降路96との間で車両20を搬送してもよい。この場合、中継室12は昇降路96から離れた位置に設けられる。
【0108】
駐車室14が中継室12と同じ階に配置される場合、搬送機構54がコンベアをさらに備え、当該コンベアが、中継室12と、中継室12と同じ階の駐車室14との間で車両20を搬送してもよい。なお、駐車室14が中継室12と同じ階にのみ配置される場合、搬送機構54はリフト機能を備えない。
【0109】
(変形例7)
実施の形態では、駐車場システム100が機械式駐車場システムである場合について説明したが、これには限定されない。駐車場システム100は、例えば、自走式の平面駐車場システムや立体駐車場システムであってもよい。この場合、自走式搬送装置10が、入庫時に乗降スペースに停められた車両を駐車スペースまで搬送し、また、自走式搬送装置10が、駐車スペースに停められた車両を乗降スペースまで搬送してもよい。
【0110】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0111】
10 自走式搬送装置、 14 駐車室、 16 制御部、 18 車両支持部、 100 駐車場システム。