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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077380
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/20 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
A47G29/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189443
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】山田 一輝
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA02
3K100CA06
3K100CA45
3K100CB05
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で止水効果、及び風雨による扉のばたつき等を軽減させる効果を得られる宅配ボックス等の収納装置を提供する。
【解決手段】収納装置1は、前面に開口部6を有すると共に、収納部7を有する筐体2と、開口部6の上部に設けられている蝶着部8,8に、蝶着部8,8を通る回転軸を有し開口部6を開閉するように回動可能に支持されている扉本体4とを備える。そして、扉本体4は、本体部4aと外装部4bとから成る二重構造であって、外装部4bは、本体部4aの前方側に重なるようにして配置されていると共に、回転軸を通過し重力方向に引かれる仮想線L1よりも重心が前方に位置するように配置される。更に、扉本体4の重心Gが仮想線L1よりも前方に位置するように、本体部4aよりも外装部4bの重量が重くなるように構成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達された荷物を受け取るための収納装置であって、
荷物を出し入れする開口部を前面に有すると共に、荷物を収納する収納部を有する筐体と、
前記開口部の上部に蝶着部を有して、前記開口部を開閉可能に配置された扉とを備え、
前記扉の重心は、閉塞位置、開放位置、及び回動時の各位置において、前記蝶着部を構成する回転軸を通過して重力方向に引かれた仮想線よりも前方に位置し、
前記扉は、自重で前記開口部を閉塞する付勢力を常時備えて成ることを特徴とする収納装置。
【請求項2】
前記扉は、前記収納部に荷物を投入するための投入口を有して前記開口部を閉塞する扉本体と、前記投入口を覆うように前記扉本体の前面に配置された扉カバーとから成ることを特徴とする請求項1に記載の収納装置。
【請求項3】
前記開口部の下辺、及び前記開口部の下辺に当接する前記扉の下部のうち少なくとも一方に、弾性部材が左右にわたり設けられていることを特徴とする請求項1及び2に記載の収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配達された荷物を受け取るための宅配ボックス等の収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上開き式の扉を持つ宅配ボックス等の収納装置において、扉が自重で回動する構成が従来知られている。
例えば、特許文献1に記載の収納装置は、前面に開口する開口部を有する筐体に開口部を開閉する内扉を設け、その内扉は、幅方向に延びる仮想軸を中心に回動可能に支持されて、閉塞位置から開放位置に回動する場合に、仮想軸を通過して重力方向に延びる重心線を越える位置に重心が設定されており、自重で閉塞位置と開放位置とのどちらか一方に回動するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-57211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の収納装置は、内扉が閉塞位置に位置している場合、内扉から開口部側を閉塞する力が十分でなく、風雨によって水が内部に侵入したり、内扉がばたついたりしてしまうこと等のおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、上開き式の扉を持つ宅配ボックス等の収納装置において、簡易な構造で止水効果、及び風雨による扉のばたつき等を軽減させる効果を得ることを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、配達された荷物を受け取るための収納装置であって、荷物を出し入れする開口部を前面に有すると共に、荷物を収納する収納部を有する筐体と、開口部の上部に蝶着部を有して、開口部を開閉可能に配置された扉とを備え、扉の重心は、閉塞位置、開放位置、及び回動時の各位置において、蝶着部を構成する回転軸を通過して重力方向に引かれた仮想線よりも前方に位置し、扉は、自重で開口部を閉塞する付勢力を常時備えて成ることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、扉は、収納部に荷物を投入するための投入口を有して開口部を閉塞する扉本体と、投入口を覆うように扉本体の前面に配置された扉カバーとから成ることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1及び2に記載の発明において、開口部の下辺、及び開口部の下辺に当接する扉の下部のうち少なくとも一方に、弾性部材が左右にわたり設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、収納装置は、前面に開口部を有すると共に、収納部を有する筐体と、開口部の上部に設けられている蝶着部に、蝶着部を通る回転軸を有し開口部を開閉するように回動可能に支持されている扉本体とを備える。そして、扉本体の重心は、回転軸を通過し重力方向に引かれる仮想線よりも前方に位置するように構成されている。したがって、扉本体の重心から仮想線方向へ力がかかることによって、扉本体は、開放位置から閉塞位置へ自動で回動すると共に、閉塞位置において、扉本体から筐体側へ力がかかる。そして、扉本体に設けられた弾性部材が開口部に圧接されることによって扉本体と開口部とが十分に閉じられて止水効果、及び風雨による扉のばたつき等を軽減させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る収納装置において、扉が閉塞位置に位置している状態を示す斜視図である。
図2図1において、扉カバーを省略した参考図である。
図3図1において、扉本体及び扉カバーを省略した参考図である。
図4】本発明に係る収納装置において、扉が開放位置に位置している状態を示す斜視図である。
図5】本発明に係る収納装置において、扉が閉塞位置に位置している状態を示す側面図である。
図6】本発明に係る収納装置において、扉が開放位置に位置している状態を示す側面図である。
図7図5において内部を透視した側面図である。
図8図6において内部を透視した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を具体化した実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至4は、本発明に関する収納装置1の一例を示した斜視図であって、図1は、扉3が閉塞位置に位置している状態を示す図、図2は、図1において扉カバー5を省略した参考図、図3は、図1において扉本体4及び扉カバー5を省略した参考図、図4は、扉3が開放位置に位置している状態を示す図である。
【0010】
収納装置1は、筐体2と、扉3とを有して成るものである。筐体2は、直方体形状であり、前面が荷物を出し入れする開口部6として開放されていると共に、内部が荷物を収納する収納部7として設けられている。扉3は、扉本体4と、扉カバー5とを一対として構成される。扉本体4及び扉カバー5は、開口部6の上部両端に取り付けられている蝶着部8,8を介して筐体2に支持されている。扉本体4は、開口部6を閉塞するように配置され、扉カバー5は、扉本体4を覆うように配置される。そして、扉本体4及び扉カバー5は、蝶着部8,8を通る回転軸L0を有し、開口部6を閉塞する閉塞位置と、開口部6を開放する開放位置との間を自由に回動可能である。また、扉本体4と扉カバー5とは、同時に回動可能であるとともに、扉本体4及び扉カバー5は夫々単一での回動も可能である。
【0011】
また、扉本体4の中央付近には、郵便物などを投入できる投入口10が設けられている。また、扉本体4には、閉塞位置において、扉本体4が開かないように鍵をかけることが可能であるロック機構11が取り付けられている。ロック機構11はダイヤル12と、ダイヤル12に連動しているロック部13とを有してなるものである。また、扉3を開放位置でロックするための支持体14が設けられている。支持体14は、2つの部材がスライドすることで長さが調節されるように構成されている。そして、支持体14は、一端が扉本体4の開口部6側上部に接続され、他端が筐体2の側面部の下部に接続されており、扉本体4の回動に連動して伸縮動作し、扉本体4が開放位置である状態において、伸びて扉本体4を支えて開放位置に固定する。また、扉本体4を開閉する際のガイドにもなる。
【0012】
続いて、扉本体4の具体的な構造について説明する。
図5及び図6は、本発明に係る収納装置1の側面図であって、図5は、扉3が閉塞位置に位置している状態を示す図、図6は、扉3が開放位置に位置している状態を示す図である。また、図7は、図5において内部を透視した側面図、図8は、図6において内部を透視した側面図である。
【0013】
扉本体4は、開口部6を直接閉塞する略矩形状の本体部4aと、本体部4aに重なる外装部4bとからなる二重構造を有してなるものである。本体部4aは、回転軸L0を中心に回動可能となるように蝶着部8,8に支持されていると共に、閉塞位置において、開口部6を覆って閉じるように形状が決められている。そして、外装部4bは、本体部4aの前方側に重なるようにして設けられていると共に、外装部4bの重心が回転軸L0を通過し重力方向へ引かれる仮想線L1よりも前方に位置するように配置されている。そして、外装部4bは、扉本体4が閉塞位置である際に、扉本体4の重心Gが仮想線L1よりも前方に位置するように、本体部4aよりも重い材質によって形成されている。例えば実施形態において、本体部4aは樹脂製、外装部4bは金属製である。また、扉本体4は、開口部6の上部に設けられている蝶着部8,8に扉本体4の上部が支持され回動する構造であるため、重心Gは、開放位置、及び回動時においても仮想線L1よりも前方に位置している。また、本体部4aには、開口部6と接触する部分に弾性部材22が左右にわたり取り付けられている。
【0014】
重心Gが仮想線L1よりも前方に位置するため、重心Gから仮想線L1方向へ力がかかることによって、扉本体4は、開放位置から閉塞位置へ自動で回動すると共に、閉塞位置において、扉本体4から筐体2側へ力がかかる。そして、扉本体4に設けられた弾性部材22が開口部6に圧接されることによって扉本体4と開口部6が十分に閉じられて止水効果、及び風雨による扉のばたつき等を軽減させる効果が得られる。
また、扉カバー5は、扉本体4よりも前方に設けられているため、扉本体4の重心Gは、扉カバー5に影響されることなく、仮想線L1よりも前方に位置する。
【0015】
上述したような構成を有する収納装置1によれば、前面に開口部6を有すると共に、収納部7を有する筐体2と、開口部6の上部に設けられている蝶着部8,8に、蝶着部8,8を通る回転軸L0を有し開口部6を開閉するように回動可能に支持されている扉本体4とを備える。そして、扉本体4の重心Gは、回転軸L0を通過し重力方向に引かれる仮想線L1よりも前方に位置するように構成されている。したがって、扉本体4の重心Gから仮想線L1方向へ力がかかることによって、扉本体4は、開放位置から閉塞位置へ自動で回動すると共に、閉塞位置において、扉本体4から筐体2側へ力がかかる。そして、扉本体4に設けられた弾性部材22が開口部6に圧接されることによって扉本体4と開口部6が十分に閉じられて止水効果、及び風雨による扉のばたつき等を軽減させる効果が得られる。
【0016】
なお、本発明に係る収納装置1は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、筐体2の構成、扉3の構成等について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0017】
例えば、扉カバー5を省略した構成を採用しても良い。
また、本実施例において、弾性部材は扉本体4に取り付けられているが、筐体2側に弾性部材22が取り付けられている構造を採用しても良い。
また、扉本体4において、外装部4bの材質は、金属であれば良いがアルミより黄銅や銅が望ましい。
ロック機構11は本実施例においてダイヤル式であるが錠前式等の別の態様であっても良い。また、ロック機構11の有無は、任意に定められるものである。
【符号の説明】
【0018】
1・・収納装置、2・・筐体、3・・扉、4・・扉本体、4a・・本体部、4b・・外装部、5・・扉カバー、6・・開口部、7・・収納部、8・・蝶着部、10・・投入口、11・・ロック機構、12・・ダイヤル、13・・ロック部、14・・支持体、22・・弾性部材、L0・・回転軸、L1・・仮想線、G・・重心。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8