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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077398
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】積層セラミックコンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
H01G4/30 201D
H01G4/30 516
H01G4/30 311D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189477
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】永吉 麻衣子
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AA04
5E001AB03
5E001AC04
5E001AE01
5E001AE02
5E001AE03
5E001AJ01
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG26
5E082FG46
5E082FG54
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG28
(57)【要約】
【課題】 静電容量等の特性が良好であり、かつ信頼性に優れた積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】 本開示の積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層5と内部電極層6とが交互に積層されてなる積層体2を含む。内部電極層6は、Niを主成分とし、Liを含有する複数のLi含有部分61を有する。複数のLi含有部分61のそれぞれは、Li単体またはLiおよびNiの合金で構成されている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層体を含み、
前記内部電極層は、Niを主成分とし、Liを含有する複数のLi含有部分を有し、
前記複数のLi含有部のそれぞれは、Li単体またはLiおよびNiの合金で構成されている、積層セラミック電子部品。
【請求項2】
前記内部電極層に沿った方向における前記複数のLi含有部分の平均サイズが、1μm以上10μm以下である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項3】
前記積層体の断面において、前記内部電極層の面積に対する前記複数のLi含有部分の面積比が、0.2%以上1%以下である、請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層セラミックコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型高機能化に伴い、電子機器に搭載される電子部品においても小型化が求められている。積層セラミック電子部品の一例である積層セラミックコンデンサに関しては、さらなる小型大容量化が求められている。
【0003】
積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層体を含む。積層セラミックコンデンサの小型大容量化に伴い、積層体の絶縁劣化および耐熱衝撃性の低下が発生し易くなっている。特許文献1は、積層セラミックコンデンサとしての特性を確保しつつ、耐熱衝撃性等の信頼性を向上させるために、内部電極層にMg-Li-O系結晶性酸化物を含有させることを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-187560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の積層セラミックコンデンサは、積層セラミックコンデンサとしての特性を確保しつつ、信頼性を向上させることに関して改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層体を含む。前記内部電極層は、Niを主成分とし、Liを含有する複数のLi含有部を有する。前記複数のLi含有部はそれぞれ、Li単体、または、LiおよびNiの合金で構成される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の積層セラミックコンデンサによれば、積層セラミックコンデンサとしての特性を確保しつつ、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図である。
図2図1の積層セラミックコンデンサの本体部を示す斜視図である。
図3図1の切断面線III-IIIから見た断面図である。
図4】仮積層体の作製工程を示す斜視図である。
図5】母積層体を示す斜視図である。
図6】母積層体を切断して得た複数の本体部を示す斜視図である。
図7】未焼成の本体部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の積層セラミックコンデンサの実施形態について説明する。以下で参照する図面は、模式的なものであり、図面に示された寸法比率等は、必ずしも正確に図示されたものではない。本明細書では、一部の図面において、便宜的に直交座標系XYZを定義する。X軸方向は、第1方向または長さ方向とも称される。Y軸方向は、第2方向または幅方向とも称される。Z軸方向は、第3方向、高さ方向、または積層方向とも称される。
【0010】
図1は、本開示の実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図であり、図2は、図1の積層セラミックコンデンサの積層体を示す斜視図であり、図3は、図1の切断面線III-IIIから見た断面図である。
【0011】
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、図1に示すように、積層体2を含む。積層体2は、図2に示すように、略直方体状の形状を有している。積層体2は、第3方向に互いに対向する第1面7aおよび第2面7b、第1方向に互いに対向する第1端面8aおよび第2端面8b、ならびに、第2方向に互いに対向する第1側面9aおよび第2側面9bを有している。以下では、第1面7aおよび第2面7bを纏めて主面7a,7bと記載することがあり、第1端面8aおよび第2端面8bを纏めて端面8a,8bと記載することがあり、第1側面9aおよび第2側面9bを纏めて側面9a,9bと記載することがある。主面7a,7bは第3方向に垂直であってよく、端面8a,8bは第1方向に垂直であってよく、側面9a,9bは、第2方向に垂直であってよい。
【0012】
積層体2は、図3に示すように、誘電体層5と内部電極層6とが交互に積層されて構成されている。誘電体層5と内部電極層6とは、第3方向に積層されている。内部電極層6は、第1側面9aおよび第2側面9bに露出している。内部電極層6における第1側面9aに露出した端部および第2側面9bに露出した端部は、図2に示すように、サイドマージン部3で覆われ、外部に露出していない。また、内部電極層6は、極性別に第1端面8aまたは第2端面8bに露出している。内部電極層6における第1端面8aに露出した端部および第2端面8bに露出した端部はそれぞれ、図3に示すように、第1外部電極4aおよび第2外部電極4bで覆われ、第1外部電極4aおよび第2外部電極4bと電気的に接続されている。
【0013】
誘電体層5は、絶縁性材料で構成されている。誘電体層5は、例えばチタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、ジルコン酸バリウム(BaZrO)等を主成分とするセラミック材料で構成されていてもよい。以下では、特に断らない限り、誘電体層5はBaTiOを主成分とするセラミック材料で構成されるものとする。なお、本明細書において、「主成分」とは、着目する材料または部材等において含有割合が最も高い成分を指す。含有割合は、例えば重量%(wt%)であってよい。
【0014】
誘電体層5は、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)等の金属元素、および、イットリウム(Y)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、テルビウム(Tb)、イッテルビウム(Yb)等の希土類元素を含んでいてもよい。この場合、積層セラミックコンデンサ1の高温負荷寿命および静電容量の温度特性を向上させることが可能となる。
【0015】
内部電極層6は、ニッケル(Ni)を主成分とする導電性材料で構成される。内部電極層6は、図3に示すように、複数のLi含有部分61を有している。図3に示すように、1層の内部電極層6が有するLi含有部分61は、該1層の内部電極層6を第3方向に挟む2層の誘電体層5の両方に接していてよいし、いずれか一方のみに接していてもよい。複数のLi含有部分61は、リチウム(Li)を含有している。複数のLi含有部分61はそれぞれ、Li単体、または、LiおよびNiの合金(以下、Li-Ni合金ともいう)で構成され、Li酸化物(LiOx)を含んでいない。Li含有部分61は、Liを含んでいるが、酸素(O)を実質的に含んでいない。Li含有部分61のO濃度は、0ppmであってよく、5ppm未満、10ppm未満等、0ppmに近い値であってもよい。
【0016】
内部電極層6は、Mgを含有していてもよい。この場合、複数のLi含有部分61は、Li、NiおよびMgの合金で構成されるLi含有部分61を含んでいてもよい。また、内部電極層6は、MgおよびMnを含有していてもよい。この場合、複数のLi含有部分61は、Li、Ni、MgおよびMnの合金で構成されるLi含有部分61を含んでいてもよい。内部電極層6のMgおよびMnは、内部電極層6を構成する導電性材料に含まれるMgおよびMnであってよい。内部電極層6のMgおよびMnは、未焼成の積層体2を焼成する際に、誘電体層5を構成するセラミック材料に含まれるMgおよびMnが拡散したものであってもよい。
【0017】
誘電体層5の厚みが薄いほど、積層セラミックコンデンサ1の静電容量を増加させることができる。誘電体層5は、例えば0.1μm以上10μm以下の厚みを有していてもよい。また、積層セラミックコンデンサとしての特性が確保できる限りにおいて、内部電極層6の厚みが薄いほど、積層体2の焼成時または電圧印加時の内部応力に起因する内部欠陥を抑制し、積層セラミックコンデンサ1の信頼性を向上させることができる。内部電極層6は、例えば1.5μm以下の厚みを有していてもよい。
【0018】
図3に示すように、積層体2の第3方向における両端部は、カバー層21で構成されていてよい。カバー層21は、絶縁性材料で構成される。カバー層21は、例えばBaTiO、CaTiO、SrTiO、BaZrO等を主成分とするセラミック材料で構成されていてもよい。カバー層21は、誘電体層5を構成するセラミック材料と同じセラミック材料で構成されていてもよい。
【0019】
サイドマージン部3は、図2に示すように、積層体2の第1側面9aおよび第2側面9bに位置している。サイドマージン部3は、積層体2に対向する面とは反対側の外側面3aを有している。サイドマージン部3は、側面9a,9bに露出した極性の異なる内部電極層6の端部同士を電気的に絶縁している。また、サイドマージン部3は、側面9a,9bに露出した内部電極層6の端部を物理的に保護している。以下では、積層体2およびサイドマージン部3を纏めて本体部2,3と記載することがある。
【0020】
サイドマージン部3は、絶縁性材料で構成されている。サイドマージン部3は、セラミック材料で構成されていてもよい。この場合、サイドマージン部3は、絶縁性および比較的高い機械的強度を有することができる。また、サイドマージン部3がセラミック材料で構成されている場合、積層体2とサイドマージン部3とを同時に焼成することが可能となる。サイドマージン部3は、例えばBaTiO、CaTiO、SrTiO、BaZrO等を主成分とするセラミック材料で構成されていてもよい。サイドマージン部3は、誘電体層5を構成するセラミック材料と同じセラミック材料で構成されていてもよく、この場合、後述のように、母積層体を切断することによって、複数の本体部2,3を作製することが可能となる。なお、図1では、積層体2とサイドマージン部3との境界を二点鎖線で示しているが、実際の境界は明瞭に現われるわけではない。
【0021】
サイドマージン部3の厚みが薄いほど、積層セラミックコンデンサ1を小型大容量化することができる。サイドマージン部3は、例えば30μm程度以下の厚みを有していてもよい。
【0022】
積層セラミックコンデンサ1は、図1,3に示すように、第1外部電極4aおよび第2外部電極4bをさらに備える。第1外部電極4aは、第1端面8aから、第1面7a、第2面7b、および外側面3aにかけて位置している。第1外部電極4aは、第1端面8aに露出した内部電極層6と電気的に接続されている。第2外部電極4bは、第2端面8bから、第1面7a、第2面7b、および外側面3aにかけて位置している。第2外部電極4bは、第2端面8bに露出した内部電極層6と電気的に接続されている。以下では、第1外部電極4aおよび第2外部電極4bを纏めて外部電極4a,4bと記載することがある。
【0023】
外部電極4a,4bは、1層または複数層の導電層で構成されている。外部電極4a,4bは、図3に示すように、第1層41および第2層42を含んで構成されていてもよい。第1層41は、下地層とも称される。第2層42は、外層とも称される。下地層41は、本体部2,3に直接接しており、端面8a,8bに露出した、内部電極層6の端部と接続されている。外層42は、下地層41における積層体2側とは反対側の面を覆っている。外部電極4a,4bを複数層の導電層で構成することで、外部電極4a,4bと本体部2,3との密着性を高めることができる。さらに、積層セラミックコンデンサ1を基板に実装する際に用いる導電性接合材に対する外部電極4a,4bの濡れ性を高めることができる。その結果、積層セラミックコンデンサ1および積層セラミックコンデンサ1を含む実装構造体の信頼性を向上させることができる。
【0024】
下地層41は、金属材料から構成されている。下地層41に用いられる金属材料としては、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Au等の金属またはこれらの金属から成る合金が挙げられる。下地層41は、例えば、めっき法、スパッタリング法、蒸着法等の薄膜形成技術を用いて形成されてよく、ディップ法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等の厚膜形成技術を用いて形成されてもよい。
【0025】
外層42は、金属材料から構成されている。外層42に用いられる金属材料としては、例えば、Ni、Cu、Au、Sn等の金属が挙げられる。外層42は、例えば、無電解めっき法、電解めっき法等の薄膜形成技術を用いて形成されてよい。
【0026】
積層セラミックコンデンサ1は、上述のとおり、内部電極層6が、Niを主成分とするとともに、複数のLi含有部分61を有し、複数のLi含有部分61が、Li酸化物(LiOx)を含まない構成である。Niの比熱容量が440J/kg/℃程度であるのに対して、Liの比熱容量は3582J/kg/℃程度である。したがって、内部電極層6が複数のLi含有部分61を有する場合、内部電極層がNiのみで構成される場合と比べて、比熱容量を増大させることができる。また、例えば酸化リチウム(LiO)の比熱容量が1810J/kg/℃程度であるように、Li酸化物(LiOx)の比熱容量はLiの比熱容量(3582J/kg/℃程度)より小さい傾向がある。したがって、内部電極層6が複数のLi含有部分61を有する場合、内部電極層がLi酸化物(LiOx)を含む場合と比べて、比熱容量を増大させることができる。このように、積層セラミックコンデンサ1は、例えば積層セラミックコンデンサ1の近傍に熱源(例えば、車両の内燃機関またはモータ等)が存在する場合であっても、積層体2の温度上昇を抑制することができる。その結果、誘電体層5に存在する酸素空孔の移動を抑制できるため、漏れ電流の発生による積層体2の絶縁劣化を低減することができる。
【0027】
積層セラミックコンデンサ1は、内部電極層6に沿った方向(すなわち、XY面方向)における複数のLi含有部分61の平均サイズが、1μm以上10μm以下である構成であってよい。各Li含有部分61のサイズは、実施例で説明するように、集束イオンビーム質量分析法(Focused Ion Beam Mass Spectrometry;FIB-MS)を用いて内部電極層6の断面の元素マッピング像を取得し、該元素マッピング像から得られるLi濃度、Ni濃度に基づいて算出することができる。
【0028】
Niの熱膨張係数が15×10-6~53×10-6/℃程度であり、BaTiOの熱膨張係数が11×10-6/℃程度であるのに対して、Liの熱膨張係数は56×10-6/℃程度である。LiはNiおよびBaTiOと比べて熱膨張係数が大きいため、XY面方向における複数のLi含有部分61の平均サイズが10μmを超える場合、積層体2の温度が上昇した際に、積層体2のデラミネーションが発生し易くなる。また、XY面方向における複数のLi含有部分61の平均サイズが1μm未満である場合、Li含有部分61は、積層体2の絶縁劣化を低減する効果を発揮しにくくなる。内部電極層6に沿った方向における複数のLi含有部分61の平均サイズが1μm以上10μm以下であることで、静電容量の低下を抑えつつ、積層体2の絶縁劣化を低減し、さらに、積層体2のデラミネーションを抑制することができる。ひいては、積層セラミックコンデンサとしての特性を確保しつつ、信頼性を向上させることができる。
【0029】
積層セラミックコンデンサ1は、積層体2の断面において、内部電極層6の面積に対する複数のLi含有部分61の面積比が、0.2%以上1.0%以下である構成であってよい。積層体2の断面は、第3方向(すなわち、誘電体層5と内部電極層6との積層方向)に沿った断面であってもよい。LiはNiおよびBaTiOと比べて熱膨張係数が大きいため、Li含有部分61の面積比が1.0%を超える場合、積層体2の温度が上昇した際に、積層体2のデラミネーションが発生し易くなる。また、Li含有部分61の面積比が0.2%未満である場合、Li含有部分61は、積層体2の絶縁劣化を低減する効果を発揮しにくくなる。Li含有部分61の面積比が0.2%以上1.0%以下であることで、静電容量の低下を抑えつつ、積層体2の絶縁劣化を低減し、さらに、積層体2のデラミネーションを抑制することができる。ひいては、積層セラミックコンデンサとしての特性を確保しつつ、信頼性を向上させることができる。
【0030】
次に、積層セラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。図4は、仮積層体の作製工程を示す斜視図であり、図5は、母積層体を示す斜視図であり、図6は、母積層体を切断して得た複数の本体部を示す斜視図であり、図7は、未焼成の本体部を示す斜視図である。
【0031】
先ず、誘電体層5の材料として、BaTiO、CaTiO、SrTiO等の誘電体材料またはこれらの混合物を主成分とする原料粉末を準備する。原料粉末には、炭酸マグネシウム(MgCO)粉末、酸化ジスプロシウム(Dy)粉末、炭酸マンガン(MnCO)粉末、ガラス粉末等を添加してよい。ガラス粉末は、例えばSiO-BaO-CaO系のガラス粉末であってよい。続いて、準備した原料粉末に有機ビヒクルを混合し、セラミックスラリーを調製する。セラミックスラリーの調製に用いる有機ビヒクルは、例えば、ブチラール系樹脂等の樹脂を、エチルアルコールとトルエンとを混合した溶媒に溶解したものであってよい。続いて、調製したセラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法、ダイコーター法等のシート成形法により誘電体層5となるセラミックグリーンシート(以下、単に、グリーンシートともいう)13を成形する。グリーンシート13の平均厚みは、例えば0.5~10μm程度であってもよい。なお、ここで説明する製造方法において、グリーンシート13は、誘電体層5を構成するだけでなく、サイドマージン部3も構成する。
【0032】
次に、内部電極層6の材料として、Niを主成分とする粉末および有機ビヒクルを用いて、Niペーストを調製し、NiペーストにLiおよび分散剤を混合して、導電ペーストを調製する。Niペーストの調製に用いる有機ビヒクルは、例えば、エチルセルロース等の樹脂を、ジヒドロターピネオール系溶媒とブチルセロソルブとを混合した溶媒に溶解したものであってよい。導電ペーストを調製する際、Li粉末をNiペーストに添加してもよく、Liを含む化合物をNiペーストに添加してもよい。Liを含む化合物の形態は、Liゾルであってよい。Liゾルは、炭素(C)を含んでよい。この場合、積層体2の焼成時に、Cが還元剤として働くため、内部電極層6中にLi酸化物が生じることを抑制できる。その結果、積層体2の絶縁劣化を低減することができる。分散剤は、例えばオレイン酸、ポリエチレングリコール等であってよい。この場合、積層体2の焼成時に、分散剤に含まれるCが還元剤として働くため、内部電極層6中にLi酸化物が生じることを抑制できる。その結果、積層体2の絶縁劣化を低減することができる。
【0033】
次に、導電ペーストを用いて、グリーンシート13の主面に内部電極層6となる電極パターンが印刷された、パターンシート14を形成する(図4参照)。電極パターンの印刷は、例えばスクリーン印刷法、グラビア印刷法等の印刷法を用いて行うことができる。
【0034】
次に、図4に示すように、所定枚数積層したグリーンシート13の上に、パターンシート14を所定枚数積層し、さらに、グリーンシート13を所定枚数積層することによって、仮積層体を作製する。所定枚数積層したグリーンシート13は、カバー層21となる。仮積層体を積層方向に加圧することによって、図5に示すような母積層体15を得る。仮積層体の加圧は、例えば静水圧プレス装置を用いて行うことができる。続いて、母積層体15を仮想分割ライン16に沿って切断することによって、図6に示すような未焼成の本体部2,3を複数作製する。母積層体15の切断は、例えば押切切断機、ダイシングソウ装置等を用いて行うことができる。図7は、未焼成の本体部2,3を示している。未焼成の本体部2,3は、焼成後の本体部2,3と同様の構造であるため、以下では、未焼成の本体部2,3についても、誘電体層5、内部電極層6、主面7a,7b、端面8a,8bおよび側面9a,9b等の用語および参照符号を用いる。
【0035】
次に、本体部2,3に対して、大気雰囲気、不活性ガス雰囲気、または還元雰囲気で脱脂処理を施す。脱脂処理は、大気圧下で行ってよいし、減圧下で行ってもよい。
【0036】
次に、脱脂処理が施された本体部2,3を還元雰囲気で焼成する。雰囲気ガスは、例えば、水素(H)および窒素(N)の混合ガスであってよい。焼成温度は、例えば1100~1300℃程度であってよく、昇温速度は、例えば8000~12000℃/Hr程度であってよい。昇温速度を比較的高い速度に設定することで、導電ペーストに含まれるLiが誘電体層5に拡散することを抑制できる。その結果、静電容量の低下を低減することができる。
【0037】
次に、焼成後の本体部2,3に対して、O(酸素)雰囲気で再酸化処理を施す。再酸化処理を行う温度は、例えば800~1000℃程度であってよい。酸素の平衡分圧は、例えば10-12~10-8atm程度であってよい。酸素の平衡分圧が10-12atm程度より低いと、誘電体層5が十分に再酸化されず、その結果、積層体2の絶縁劣化が発生し易くなったり、積層セラミックコンデンサ1の静電容量が低下したりすることがある。また、酸素の平衡分圧が10-8atm程度より高いと、内部電極層6に含まれるLiが酸化され易くなり、Li酸化物(LiOx)が生じ易くなる。その結果、例えば積層セラミックコンデンサ1の近傍に熱源が存在する場合に、誘電体層5の温度が上昇し易くなり、絶縁劣化が発生し易くなることがある。酸素の平衡分圧を10-12~10-8atm程度とすることで、絶縁劣化の発生、および静電容量の低下を抑制できる。
【0038】
次に、再酸化処理後の本体部2,3にバレル研磨処理を施し、端面8a,8bに内部電極層6を十分に露出させるとともに、本体部2,3のバリを取り除くことによって、図2に示すような本体部2,3を得る。得られた本体部2,3に外部電極4a,4bを形成することによって、積層セラミックコンデンサ1を製造することができる。なお、外部電極4a,4bは、未焼成の本体部2,3に外部電極4a,4bとなる導電ペーストを塗布し、本体部2,3と外部電極4a,4bとを同時焼成することによって形成されてもよい。
【0039】
上記では、母積層体15を切断することによって本体部2,3が得られる例について説明したが、本体部2,3の作製方法はこれに限られない。本体部2,3は、例えば、母積層体15を切断して積層体2を作製し、積層体2の側面9a,9bにサイドマージン部3を形成することによって作製されてもよい。積層体2をこのように作製する場合、パターンシート14の電極パターンは、図4に示す電極パターンと異なってよい。サイドマージン部3は、例えば、グリーンシート13の成形に用いたセラミックスラリーと同様のセラミックスラリーを用いてサイドマージン部用のセラミックグリーンシート(以下、サイドマージン部用グリーンシートともいう)を成形し、サイドマージン部用グリーンシートを側面9a,9bに圧着することによって形成されてよい。サイドマージン部用グリーンシートの側面9a,9bへの密着力を高めるために、サイドマージン部用グリーンシートを側面9a,9bに圧着する際、積層体2およびサイドマージン部用グリーンシートの少なくとも一方を加熱してよい。あるいは、サイドマージン部用グリーンシートに粘着性を付与してもよく、積層セラミックコンデンサ1の特性に影響を与えない接着材を用いて、サイドマージン部用グリーンシートを側面9a,9bに接着してもよい。サイドマージン部3は、サイドマージン部用グリーンシートを成形するために調製したセラミックスラリーを側面9a,9bに塗布し、乾燥させることによって形成されてもよい。
【実施例0040】
以下、積層セラミックコンデンサ1の実施例について説明するが、本開示の積層セラミックコンデンサ1は、以下の実施例に限定されない。
【0041】
実施例として、表1~3における試料No.4~9の積層セラミックコンデンサを作製した。試料No.4~9の積層セラミックコンデンサは、図1~3に示した構成を有している。また、比較例として、表1~3における試料No.1~3の積層セラミックコンデンサを作製した。試料No.1~9は、2012形の積層セラミックコンデンサであり、長さが2.0mmであり、幅および厚みが1.25mmである。誘電体層の積層数、厚み等は、内部電極層がNiのみで構成される場合に、積層セラミックコンデンサの静電容量が10000nFとなるように設定した。試料No.1~9の作製条件を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
試料No.4~9の積層セラミックコンデンサ1の作製について説明する。先ず、BaTiOを主成分とする原料粉末に有機ビヒクルを混合し、セラミックスラリーを調製した。原料粉末は、BaTiO粉末100モルに対して、MgCO粉末をMgO換算で0.8モル、Dy粉末を0.8モル、MnCO粉末をMnO換算で0.3モル添加し、さらにガラス粉末をBaTiO粉末100質量部に対して1質量部添加した組成とした。有機ビヒクルに含ませる樹脂としては、ブチラール系樹脂を用いた。ブチラール系樹脂の添加量は、原料粉末100質量部に対して10質量部とした。溶媒としては、エチルアルコールとトルエンとを1:1で混合した溶媒を用いた溶媒を用いた。続いて、調製したセラミックスラリーを用いてドクターブレード法によって、平均厚みが2.8μmであるセラミックグリーンシート13を成形した。
【0044】
次に、Ni粉末を用いて、Niペーストを調製した。Niペーストを調製するための樹脂としてはエチルセルロースを用いた。エチルセルロースの添加量は、Ni粉末100質量部に対して5質量部とした。溶媒としては、ジヒドロターピネオール系溶媒とブチルセロソルブとを混合して用いた。続いて、調製したNiペーストに、Liゾルおよび分散剤を添加して、導電ペーストを調製した。Liゾルとしては、リチウムアルコキシド(CHOCOLi)と、2-メトキシエタノール(CHOCOH)と、エタノール(COH)との混合物を用いた。分散剤としては、NAA(登録商標)-35(日油株式会社製)を用いた。Liゾルおよび分散剤は、Niペースト(Ni換算)に対して、Liゾル(Li換算)が0.1~0.6wt%となり、分散剤が1.0~1.5wt%となるように添加した。調製した導電ペーストを用いて、グリーンシート13の主面に内部電極層6となる電極パターンを印刷し、パターンシート14を形成した。
【0045】
次に、グリーンシート13およびパターンシート14を用いて母積層体を作製した。パターンシート14は、200枚積層した。続いて、押切切断機を用いて母積層体を切断し、複数の本体部2,3を作製した。
【0046】
次に、本体部2,3に脱脂処理を施し、脱脂処理を施した本体部2,3をH-Nの混合ガス雰囲気で還元焼成した。焼成温度は、1100℃とし、昇温速度は、10000℃/Hrとした。続いて、焼成後の本体部2,3にO雰囲気で再酸化処理を施した。再酸化処理温度は、1000℃とし、Oの平衡分圧は、10-11atmとした。再酸化処を施した本体部2,3をバレル研磨し、研磨後の本体部2,3に外部電極4a,4bを形成して、試料No.4~9の積層セラミックコンデンサ1を作製した。
【0047】
次に、試料No.1~3の積層セラミックコンデンサの作製について説明する。導電ペーストを調製する際、NiペーストにLiを添加しないこと以外は、試料No.4~9と同様にして、試料No.1の積層セラミックコンデンサを作製した。導電ペーストを調製する際、NiペーストにLiゾルを添加せず、炭酸リチウム(LiCO)を添加すること以外は、試料No.4~9と同様にして、試料No.2の積層セラミックコンデンサを作製した。本体部2,3を焼成する際、昇温速度を3000℃/Hrとすること以外は、試料No.4~9と同様にして、試料No.3の積層セラミックコンデンサを作製した。
【0048】
試料No.1~9の積層セラミックコンデンサにおける内部電極層の構造について説明する。
【0049】
【表2】
【0050】
試料No.1~9のそれぞれを第3方向に沿って切断し、図3に示すような切断面を露出させ、切断面を研磨紙、硬質バフおよび軟質バフを用いて研磨した。次に、研磨した切断面をFIB-MSを用いて観察した。切断面における60μm四方の範囲を1500~1900倍に拡大し、NiおよびLiのマッピング像を取得した。取得したマッピング像に基づいて、内部電極層6におけるLiが存在する領域を検出した。また、集束イオンビームの照射により発生する二次電子を検出することによって得られるSIM(Scanning Ion Microscope)像に基づいて、内部電極層の面積を算出した。
【0051】
次に、Liが存在する領域を含む10μm四方の範囲を8000~11000倍に拡大したマッピング像(以下、拡大マッピング像ともいう)を取得し、拡大マッピング像に基づいて、Li含有部分61のXY面方向における平均サイズ(以下、単に、Li含有部分61の平均サイズともいう)、およびLi含有部分61の面積を算出した。
【0052】
Li含有部分61の平均サイズおよびLi含有部分61の面積の算出にあたっては、Li濃度が100ppm以上、Ni濃度が10ppm未満かつO濃度が10ppm未満である、または、Li濃度が100ppm以上、Ni濃度が100ppm以上かつO濃度が10ppm未満である、Li含有領域を検出し、Li含有領域の平均サイズをLi含有部分61の平均サイズとし(表1に示す「Li含有部分平均サイズ」)、Li含有領域の面積をLi含有部分61の面積とした。また、Li含有部分61の面積を内部電極層6の面積で除算することによって、切断面の60μm四方の範囲におけるLi含有部分61の面積比を算出した(表1に示す「Li含有部分面積比」)。
【0053】
拡大マッピング像に基づいて、XY面方向におけるLi酸化物(LiOx)の平均サイズ(以下、単に、Li酸化物の平均サイズともいう)、およびLi酸化物の面積を算出した。Li濃度が100ppm以上かつO濃度が100ppm以上である、Li-O含有領域を検出し、Li-O含有領域の平均サイズをLi酸化物の平均サイズとし(表1に示す「Li酸化物平均サイズ」)、Li-O含有領域の面積をLi酸化物の面積とした。Li酸化物の面積を内部電極層の面積で除算して、切断面の60μm四方の範囲におけるLi酸化物の面積比を算出した(表1に示す「Li酸化物面積比」)。
【0054】
試料No.1~9の積層セラミックコンデンサの静電容量、平均故障時間および耐熱衝撃性について説明する。
【0055】
(静電容量)
試料No.1~9について、静電容量を測定した。測定条件は、環境温度を20℃とし、周波数を120Hzとし、印加電圧を0.5Vrmsとした。静電容量の測定は、LCRメータを用いて行った。なお、試料No.1~9のそれぞれについて、20個の積層セラミックコンデンサを作製し、それらの静電容量の平均値を各試料の静電容量(nF)とした。結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
試料No.1および試料No.4~9はいずれも、静電容量が10000nFであり、設計どおりの静電容量を確保できている。試料No.2,3は、静電容量が10000nFから低下している。試料No.2は、内部電極層が絶縁性のLi酸化物を含んでいるため、静電容量の取得に寄与する内部電極層の面積が減少し、静電容量が低下したと考えられる。試料No.3は、試料No.4~9と比べて、本体部を焼成する際の昇温速度が低いため、Liが誘電体層に拡散し、静電容量が低下したと考えられる。
【0058】
(平均故障時間)
試料No.1~9について、HALT(Highly Accelerated Life Test)を行い、平均故障時間(Mean Time To Failure;MTTF)を測定した。試験条件は、環境温度を170℃とし、印加電圧(直流)を45Vとした。試料No.1~9のそれぞれについて、100個の積層セラミックコンデンサを作製し、故障した積層セラミックコンデンサが50個に達したときの時間をMTTF(Hr)とした。結果を表3に示す。
【0059】
試料No.1は、試料No.2~9よりもMTTFが短い。試料No.1は、内部電極層がNiのみで構成されている。Liは、焼成温度を下げる役割を有するが、試料No.1は、Liを含まないことから、焼成温度を上げる必要がある。焼成温度を上げると、BaTiOの粒成長が促進されるため、BaTiOの粒径が大きくなり、積層セラミックコンデンサの信頼性が低下すると考えられる。試料No.2,3は、Liを含むため、試料No.1と比べて、焼成温度を下げて、BaTiOの粒成長を抑えることができるので、積層セラミックコンデンサの信頼性が向上すると考えられる。試料No.4~9は、Liを含むため、試料No.1と比べて、焼成温度を下げて、BaTiOの粒成長を抑えることができるので、積層セラミックコンデンサの信頼性が向上している。また、試料No.4~9は、内部電極層がLi酸化物を有さず、Li含有部分(Li単体またはLi-Ni合金)を有するため、試料No.1~3と比べて、内部電極層の温度が上昇し難く、絶縁劣化が発生し難いと考えられる。試料No.4~8を互いに比べると、導電ペースト中のLi量が大きくなるにつれて、Li含有部分の面積比が大きくなり、絶縁劣化が発生し難くなる(すなわち、MTTFが長くなる)と考えられる。
【0060】
試料No.7と試料No.8とを比べると、分散剤量以外の作製条件が同じであり(表1参照)、試料No.8は、試料No.7よりLi含有部分の平均サイズが小さく、試料No.7よりMTTFが長い。試料No.8は、試料No.7より内部電極層となる導電ペースト中の分散剤量が大きいため、平均サイズが比較的小さいLi含有部分が内部電極層中に分散しており、その結果、積層体のデラミネーションを抑制でき、MTTFが向上したと考えられる。
【0061】
試料No.8と試料No.9とを比べると、Li含有部分面積比はほぼ同じであるが、試料No.8は、試料No.9よりLi含有部分の平均サイズが小さく、試料No.9よりMTTFが長い。試料No.8は、試料No.9より内部電極層となる導電ペースト中の分散剤量が大きいため、平均サイズが比較的小さいLi含有部分が内部電極層中に分散しており、その結果、積層体のデラミネーションを抑制でき、MTTFが向上したと考えられる。
【0062】
(耐熱衝撃性)
試料No.1~9について、耐熱衝撃試験を行い、耐熱衝撃性を評価した。試料No.1~9のそれぞれについて、100個の積層セラミックコンデンサを作製し、それらを305℃の温度に保持したはんだ浴に5秒間投入し、はんだ浴から取り出した後、外観検査でクラックが発生した積層セラミックコンデンサの個数を調べた。結果を表3に示す。試料No.1~8については、クラックの発生は確認されなかったが、試料No.9については、2個の積層セラミックコンデンサにクラックの発生が確認された。試料No.9は、試料No.1~8よりも導電ペースト中のLi量が大きいため、Li含有部分の平均サイズが大きくなり、その結果、試料No.1~8より耐熱衝撃性が低下したと考えられる。
【0063】
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 積層セラミックコンデンサ
2 積層体
21 カバー層
3 サイドマージン部
3a 外側面
4a 第1外部電極
4b 第2外部電極
41 第1層(下地層)
42 第2層(外層)
5 誘電体層
6 内部電極層
61 Li含有部分
7a 第1面
7b 第2面
8a 第1端面
8b 第2端面
9a 第1側面
9b 第2側面
13 セラミックグリーンシート
14 パターンシート
15 母積層体
16 仮想分割ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7