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特開2024-77407エレベータ管理システム、エレベータ管理システムの制御方法、端末装置および端末制御プログラム
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  • 特開-エレベータ管理システム、エレベータ管理システムの制御方法、端末装置および端末制御プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077407
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】エレベータ管理システム、エレベータ管理システムの制御方法、端末装置および端末制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
B66B1/18 L
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189490
(22)【出願日】2022-11-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】谷口 友宏
(72)【発明者】
【氏名】平田 智之
(72)【発明者】
【氏名】濱口 萌子
(72)【発明者】
【氏名】水戸 陵人
(72)【発明者】
【氏名】立岡 利茂弥
(72)【発明者】
【氏名】山田 真太郎
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502JA08
3F502JA12
3F502JA17
3F502MA07
(57)【要約】
【課題】いたずら等による無駄な呼び登録を抑制し、エレベータの運行効率の低下を防ぐ。
【解決手段】エレベータ管理システム(1)は、エレベータの識別情報を、所定場所において表示出力する制御、および、所定範囲の領域に信号出力する制御の少なくともいずれか一方を行う識別情報出力制御部(112)と、識別情報を取得する端末装置(40)と、端末装置(40)から登録依頼を受信して呼び登録処理を行う呼び登録処理部(113)と、識別情報に基づいて、呼び登録処理の実施の適否を判定する呼び登録判定部(413)と、を備え、識別情報出力制御部(112)は、所定の条件が満たされた時点で識別情報の内容を随時更新する制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの運行を管理するエレベータ管理システムであって、
前記エレベータを備える建物、複数の前記エレベータからなるエレベータ群、および前記エレベータの少なくともいずれか1つを識別するエレベータ特定情報を含む識別情報を、所定場所において表示出力する制御、および、所定範囲の領域に信号出力する制御の少なくともいずれか一方を行う識別情報出力制御部と、
前記識別情報出力制御部によって出力された前記識別情報を取得する端末装置と、
前記端末装置から、前記エレベータの乗りかごの呼び登録依頼を受信して呼び登録処理を行う呼び登録処理部と、
前記識別情報に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定する呼び登録判定部と、
を備え、
前記識別情報出力制御部は、所定の条件が満たされた時点で前記識別情報の内容を随時更新する制御を行う、エレベータ管理システム。
【請求項2】
前記識別情報は、該識別情報が更新された時刻である更新時刻に対応する情報をさらに含み、
前記呼び登録判定部は、当該識別情報が更新された更新時刻と、前記端末装置が前記識別情報を取得した時刻である取得時刻と、の差に基づいて前記呼び登録処理の実施の適否を判定する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項3】
前記識別情報は、該識別情報が更新された時刻である更新時刻に対応する情報をさらに含み、
前記呼び登録判定部は、当該識別情報が更新された更新時刻と、前記端末装置が前記呼び登録処理部に前記乗りかごの呼び登録依頼を送信する送信時刻と、の差に基づいて前記呼び登録処理の実施の適否を判定する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項4】
前記呼び登録判定部は、前記端末装置が前記識別情報を取得した時刻である取得時刻と、前記端末装置が前記呼び登録処理部に前記乗りかごの呼び登録依頼を送信する送信時刻と、の差に基づいて前記呼び登録処理の実施の適否を判定する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項5】
前記識別情報は、該識別情報が更新された時刻である更新時刻に対応する情報をさらに含み、
前記呼び登録判定部は、前記端末装置が取得した前記識別情報の前記更新時刻と、前記呼び登録処理部が、前記端末装置から該識別情報とともに前記乗りかごの呼び登録依頼を受信した受信時刻との差に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項6】
前記端末装置が取得した前記識別情報とともに送信される認証依頼を受信し、前記識別情報が更新された時刻である更新時刻と、前記認証依頼を受信した認証依頼受信時刻とに基づき、前記呼び登録依頼が可能な前記端末装置であるか否かの認証を行う認証部をさらに備え、
前記呼び登録判定部は、
前記認証依頼受信時刻と、前記呼び登録処理が可能であると認証された前記端末装置からの前記乗りかごの呼び登録依頼を前記呼び登録処理部が受信した受信時刻との差に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項7】
前記呼び登録判定部は、前記呼び登録処理部が同一の前記端末装置から同一の前記識別情報に基づく前記呼び登録依頼を所定回数以上受信した場合、前記呼び登録処理の実施を禁止する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項8】
前記呼び登録判定部は、前記端末装置に設けられ、同一の前記識別情報に基づく前記呼び登録依頼が所定回数以上送信された場合、該識別情報に基づく前記呼び登録依頼の送信を禁止する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項9】
前記呼び登録処理部が同一の前記識別情報に基づく前記呼び登録依頼を所定回数以上受信した場合、前記呼び登録判定部は前記呼び登録処理の実施を禁止し、前記識別情報出力制御部は前記識別情報を更新する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか一項に記載の前記エレベータ管理システムが備える端末装置であって、
前記識別情報を取得する情報取得部と、
前記エレベータの乗りかごの呼び登録依頼を送信する呼び登録依頼部と、
前記呼び登録判定部と、を備えている、端末装置。
【請求項11】
請求項10に記載の端末装置として、コンピュータを機能させるための端末制御プログラムであって、前記情報取得部、前記呼び登録依頼部、および前記呼び登録判定部としてコンピュータを機能させるための端末制御プログラム。
【請求項12】
エレベータの運行を管理するエレベータ管理システムの制御方法であって、
前記エレベータを備える建物、複数の前記エレベータからなるエレベータ群、および前記エレベータの少なくともいずれか1つを識別するエレベータ特定情報を含む識別情報を、所定場所において表示出力する制御、および、所定範囲の領域に信号出力する制御の少なくともいずれか一方を行う識別情報出力制御ステップと、
前記識別情報出力制御ステップによって出力された前記識別情報を取得した端末装置から、前記エレベータの乗りかごの呼び登録依頼を受信して呼び登録処理を行う呼び登録処理ステップと、
前記識別情報に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定する呼び登録判定ステップと、を含み、
前記識別情報出力制御ステップでは、所定の条件が満たされた時点で前記識別情報の内容を随時更新する制御を行う、エレベータ管理システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ管理システム、エレベータ管理システムの制御方法、エレベータ管理システムと通信を行う端末装置およびその端末制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末により呼び登録を行う技術が特許文献1に開示されている。特許文献1では、二次元コードを入力して上記二次元コードに対応するデータを携帯端末器で行先階登録サーバに送信し、上記データに含まれた乗場呼びおよび行先呼びの登録指令によりエレベータの運転が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-194031公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯端末により読み取った二次元コードの情報に基づき呼び登録を行う場合、二次元コードを画像データ等で記録されてしまうと、例えば、離れた地点から呼び登録を行うことができ、いたずら等により無駄な呼び登録が生じ、運行効率が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の一態様は、いたずら等による無駄な呼び登録を抑制し、エレベータの運行効率の低下を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエレベータ管理システムは、エレベータの運行を管理するエレベータ管理システムであって、前記エレベータを備える建物、複数の前記エレベータからなるエレベータ群、および前記エレベータの少なくともいずれか1つを識別するエレベータ特定情報を含む識別情報を、所定場所において表示出力する制御、および、所定範囲の領域に信号出力する制御の少なくともいずれか一方を行う識別情報出力制御部と、前記識別情報出力制御部によって出力された前記識別情報を取得する端末装置と、前記端末装置から、前記エレベータの乗りかごの呼び登録依頼を受信して呼び登録処理を行う呼び登録処理部と、前記識別情報に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定する呼び登録判定部と、を備え、前記識別情報出力制御部は、所定の条件が満たされた時点で前記識別情報の内容を随時更新する制御を行う。
【0007】
上記の構成によれば、識別情報出力制御部により識別情報の内容が随時更新される。また、呼び登録判定部により、識別情報の内容に応じて呼び登録処理を行うか否かが判定される。
【0008】
そのため、識別情報の内容によって該識別情報が発行されたタイミングがわかるので、識別情報の発行タイミングに応じて呼び登録処理をコントロールすることができる。したがって、いたずら等による無駄な呼び登録を抑制し、エレベータの運行効率の低下を防ぐことができる。
【0009】
本発明の他の態様に係るエレベータ管理システムでは、前記識別情報は、該識別情報が更新された時刻である更新時刻に対応する情報をさらに含み、前記呼び登録判定部は、当該識別情報が更新された更新時刻と、前記端末装置が前記識別情報を取得した時刻である取得時刻と、の差に基づいて前記呼び登録処理の実施の適否を判定してもよい。
【0010】
上記の構成によれば、識別情報が更新された更新時刻と、端末装置が該識別情報を取得した取得時刻と、の差に基づいて呼び登録処理の実施の適否が判定される。そのため、例えば、識別情報が更新されてから所定時間以上が経過してから該識別情報を端末装置で取得した場合、呼び登録処理を実施しない判定とすることができる。
【0011】
これにより、所定時間を適切に設定することで、例えば、利用者が識別情報を画像データ等で記録し、乗りかごを備える建物等から離れた場所で記録した識別情報を端末装置で取得して呼び登録依頼がされるような、更新時刻から取得時刻までにある程度の時間を要した呼び登録依頼の呼び登録処理を排除することができる。
【0012】
本発明の他の態様に係るエレベータ管理システムでは、前記識別情報は、該識別情報が更新された時刻である更新時刻に対応する情報をさらに含み、前記呼び登録判定部は、当該識別情報が更新された更新時刻と、前記端末装置が前記呼び登録処理部に前記乗りかごの呼び登録依頼を送信する送信時刻と、の差に基づいて前記呼び登録処理の実施の適否を判定してもよい。
【0013】
上記の構成によれば、識別情報が更新された更新時刻と、端末装置が呼び登録処理部に乗りかごの呼び登録依頼を送信する送信時刻と、の差に基づいて呼び登録処理の実施の適否が判定される。そのため、例えば、識別情報が更新されてから所定時間以上が経過してから呼び登録依頼した場合、呼び登録処理を実施しない判定とすることができる。
【0014】
これにより、更新時刻から呼び登録依頼までにある程度の時間を要した呼び登録依頼の呼び登録処理を排除することができる。
【0015】
本発明の他の態様に係るエレベータ管理システムでは、前記呼び登録判定部は、前記端末装置が前記識別情報を取得した時刻である取得時刻と、前記端末装置が前記呼び登録処理部に前記乗りかごの呼び登録依頼を送信する送信時刻と、の差に基づいて前記呼び登録処理の実施の適否を判定してもよい。
【0016】
上記の構成によれば、端末装置が識別情報を取得した取得時刻と、端末装置から呼び登録情報を送信する送信時刻との差に基づいて呼び登録処理の実施の適否が判定される。そのため、例えば、端末装置が識別情報を取得して所定時間以上経過してから呼び登録依頼を送信した場合、呼び登録処理を実施しない判定とすることができる。
【0017】
これにより、所定時間を適切に設定することで、例えば、所定場所で識別情報を端末装置で取得した後、乗りかごを備える建物等から離れた場所で、該識別情報で呼び登録依頼がされるような、取得時刻から呼び登録依頼までにある程度の時間を要した呼び登録依頼の呼び登録処理を排除することができる。
【0018】
本発明の他の態様に係るエレベータ管理システムでは、前記識別情報は、該識別情報が更新された時刻である更新時刻に対応する情報をさらに含み、前記呼び登録判定部は、前記端末装置が取得した前記識別情報の前記更新時刻と、前記呼び登録処理部が、前記端末装置から該識別情報とともに前記乗りかごの呼び登録依頼を受信した受信時刻との差に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定してもよい。
【0019】
上記の構成によれば、端末装置が取得した識別情報の更新時刻と、端末装置から識別情報とともに送信された呼び登録依頼を受信した受信時刻との差に基づいて呼び登録処理の実施の適否が判定される。そのため、例えば、更新されて所定時間以上が経過した識別情報により乗りかごの呼び登録依頼を受信した場合には、呼び登録処理を実施しない判定とすることができる。
【0020】
これにより、所定時間を適切に設定することで、例えば、古い識別情報での呼び登録依頼に基づく呼び登録処理を排除することができる。また、識別情報出力制御部および呼び登録処理部側の時刻に基づき更新時刻と受信時刻との差を算出することができるので、端末装置で認識している時刻の影響を受けずに更新時刻と受信時刻との差を算出することができる。
【0021】
本発明の他の態様に係るエレベータ管理システムでは、前記端末装置が取得した前記識別情報とともに送信される認証依頼を受信し、前記識別情報が更新された時刻である更新時刻と、前記認証依頼を受信した認証依頼受信時刻とに基づき、前記呼び登録依頼が可能な前記端末装置であるか否かの認証を行う認証部をさらに備え、前記呼び登録判定部は、前記認証依頼受信時刻と、前記呼び登録処理が可能であると認証された前記端末装置からの前記乗りかごの呼び登録依頼を前記呼び登録処理部が受信した受信時刻との差に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定してもよい。
【0022】
上記の構成によれば、識別情報が更新された更新時刻と、呼び登録処理部が端末装置からの認証依頼を受信した認証依頼受信時刻との差に基づいて、当該端末装置について呼び登録依頼が可能な端末装置であるか否かが認証される。そのため、例えば、識別情報が更新されてから所定時間以上が経過してから認証依頼をしようとした場合、当該端末装置を呼び登録依頼が可能な端末装置であると認証しない、とすることができる。
【0023】
これにより、更新時刻から認証依頼までにある程度の時間を要して認証依頼が行われた端末装置からの呼び登録依頼を排除することができる。
【0024】
また、認証依頼受信時刻と、呼び登録処理が可能であると認証された端末装置により送信された呼び登録依頼を受信した受信時刻と、の差に基づいて呼び登録処理の実施の適否が判定される。そのため、例えば、認証依頼の受信から所定時間以上が経過してから乗りかごの呼び登録依頼を受信した場合には、呼び登録処理を実施しない判定とすることができる。
【0025】
これにより、認証依頼受信時刻から呼び登録依頼までにある程度の時間を要した呼び登録依頼の呼び登録処理を排除することができる。
【0026】
本発明の他の態様に係るエレベータ管理システムでは、前記呼び登録判定部は、前記呼び登録処理部が同一の前記端末装置から同一の前記識別情報に基づく前記呼び登録依頼を所定回数以上受信した場合、前記呼び登録処理の実施を禁止してもよい。
【0027】
同一の端末装置からの同一の識別情報に基づく、所定回数以上の呼び登録依頼は、無駄な呼び登録依頼である可能性が高いと考えられる。上記の構成によれば、同一の端末装置からの同一の識別情報に基づく呼び登録依頼が、所定回数より少ない回数に限定されるため、無駄である可能性が高い呼び登録依頼の呼び登録処理を排除することができる。
【0028】
本発明の他の態様に係るエレベータ管理システムでは、前記呼び登録判定部は、前記端末装置に設けられ、同一の前記識別情報に基づく前記呼び登録依頼が所定回数以上送信された場合、該識別情報に基づく前記呼び登録依頼の送信を禁止してもよい。
【0029】
上記の構成によれば、端末装置に設けられた呼び登録判定部により、同一の端末装置からの同一の識別情報に基づく呼び登録依頼が、所定回数より少ない回数に限定されるため、無駄である可能性が高い呼び登録依頼の呼び登録処理を排除することができる。
【0030】
本発明の他の態様に係るエレベータ管理システムでは、前記呼び登録処理部が同一の前記識別情報に基づく前記呼び登録依頼を所定回数以上受信した場合、前記呼び登録判定部は前記呼び登録処理の実施を禁止し、前記識別情報出力制御部は前記識別情報を更新してもよい。
【0031】
上記の構成によれば、同一の識別情報により所定回数以上の呼び登録依頼がされると、呼び登録処理の実施を禁止し、識別情報が更新される。つまり、一つの識別情報ついて依頼できる呼び登録依頼の回数が制限される。したがって、例えば、識別情報が不正に情報拡散されても、所定回数以上の呼び登録は行われないので、無駄な呼び登録を抑制することができる。
【0032】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る端末装置は、上記エレベータ管理システムが備える端末装置であって、前記識別情報を取得する情報取得部と、前記エレベータの乗りかごの呼び登録依頼を送信する呼び登録依頼部と、前記呼び登録判定部と、を備えている。
【0033】
上記の構成によれば、端末装置側で呼び登録判定を行うので、例えば、エレベータの管理側では、識別情報の内容を随時更新する制御を行うだけでよいことになる。端末装置側での呼び登録判定は、例えば端末装置で動作するアプリ等によって実現できるので、本発明に係るエレベータ管理システムの導入コストを抑えることができる。
【0034】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエレベータ管理装置の制御方法は、エレベータの運行を管理するエレベータ管理システムの制御方法であって、前記エレベータを備える建物、複数の前記エレベータからなるエレベータ群、および前記エレベータの少なくともいずれか1つを識別するエレベータ特定情報を含む識別情報を、所定場所において表示出力する制御、および、所定範囲の領域に信号出力する制御の少なくともいずれか一方を行う識別情報出力制御ステップと、前記識別情報出力制御ステップによって出力された前記識別情報を取得した端末装置から、前記エレベータの乗りかごの呼び登録依頼を受信して呼び登録処理を行う呼び登録処理ステップと、前記識別情報に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定する呼び登録判定ステップと、を含み、前記識別情報出力制御ステップでは、所定の条件が満たされた時点で前記識別情報の内容を随時更新する制御を行う。
【0035】
本発明の各態様に係るエレベータ管理システムの管理装置および端末装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記管理装置および前記端末装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記管理装置および前記端末装置をコンピュータにて実現させる前記管理装置および前記端末装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0036】
本発明の一態様によれば、いたずら等による無駄な呼び登録を抑制し、エレベータの運行効率の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の実施形態1に係るエレベータ管理システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図2】前記エレベータ管理システムの端末装置の動作の一例を示すフロー図である。
図3】本発明の実施形態2に係るエレベータ管理システムの端末装置の動作の一例を示すフロー図である。
図4】本発明の実施形態3に係るエレベータ管理システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図5】前記エレベータ管理システムの端末装置の動作の一例を示すフロー図である。
図6】前記エレベータ管理システムの管理装置の動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るエレベータ管理システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。エレベータ管理システム1は、エレベータ20の運行を管理するエレベータ管理システムであって、エレベータ20等を特定し呼び登録に用いられる識別情報の内容を随時更新することで、いたずら等による無駄な呼び登録を抑制する。これにより、エレベータ管理システム1は、いたずら等を起因とするエレベータ20の運行効率の低下を防ぐことができる。識別情報について、詳しくは後述する。
【0039】
図1に示すように、エレベータ管理システム1は、管理装置10と、エレベータ20と、識別情報表示部30と、端末装置40と、を備えている。本実施形態では、エレベータ管理システム1はエレベータ20のみを備えるものとして説明するが、上記に限らない。エレベータ管理システム1は複数のエレベータ20を有するエレベータ群を備えるものであってもよい。
【0040】
<エレベータ>
エレベータ20は、乗りかご21と、制御盤22と、を備えている。乗りかご21は、エレベータ管理システム1において、例えば、利用者を乗せて塔内を昇降する筐体である。
【0041】
制御盤22は、各エレベータ20に設けられ、管理装置10と通信を行い、乗りかご21を含むエレベータ20全体の動作を制御する。制御盤22は、それぞれ、制御部23と、メモリ24と、を備えている。メモリ24は、制御盤22が実行する各種のプログラム、およびプログラムによって使用されるデータを格納する。
【0042】
制御部23は乗りかご21を含むエレベータの各部を統括的に制御する。制御部23の機能は、メモリ24に記憶されたプログラムを、CPUが実行することで実現されてよい。例えば、制御部23は、管理装置10の指示により、乗りかご21を呼び登録された乗車階から行先階まで運行させる。
【0043】
なお、乗りかご21が複数存在する場合は、制御盤22の機能を群管理制御盤で実現してもよい。
【0044】
<識別情報表示部>
識別情報表示部30は、後述する識別情報出力制御部112により制御され、所定場所において識別情報(例えば二次元コード等)を表示する。なお、識別情報表示部30の代わりに、所定範囲の領域に識別情報を示す信号、例えば可聴域外の音波信号、可視光信号等を出力する信号出力機能を有する識別情報出力部が設けられていてもよい。また、識別情報表示部30が信号出力機能を有していてもよい。上記所定場所および上記所定範囲の領域は、例えば、乗りかご21の乗場の一部であってもよい。
【0045】
(識別情報)
識別情報は、エレベータ20を識別するエレベータ特定情報を含む情報である。エレベータ管理システム1が、複数のエレベータ20からなるエレベータ群を備える場合、識別情報は各エレベータ群を識別するエレベータ特定情報を含んでいてもよい。また、例えば、エレベータ管理システム1が複数のエレベータ20を有し、該複数のエレベータ20が建物毎に備えられている場合等は、識別情報はエレベータ20を備える建物を識別するエレベータ特定情報を含んでいてもよい。
【0046】
換言すると、識別情報は、エレベータ20を備える建物、複数のエレベータ20からなるエレベータ群、およびエレベータ20の少なくともいずれか1つを識別するエレベータ特定情報を含む。
【0047】
また、識別情報は、該識別情報が更新された時刻である更新時刻に対応する情報を含む。これにより、識別情報の内容によって該識別情報が発行(更新)されたタイミングがわかる。
【0048】
さらに、乗りかご21の各階の乗場に識別情報表示部30が設置される場合、呼び登録の出発階を、識別情報表示部30が設置されている階とする情報を識別情報が含んでいてもよい。なお、識別情報が該情報を含まない場合、各階における識別情報表示部30で提示する識別情報を共通化することができる一方、利用者が呼び登録を行う際に出発階を入力する必要がある。
【0049】
また、識別情報は呼び登録の行先階の情報を含んでいてもよい。その場合、例えば、1階から3階までの乗場を備えるエレベータ20において、2階の乗場には、1階を行先階とする情報を含む識別情報と、3階を行先階とする情報を含む識別情報と、が表示される識別情報表示部30が備えられる。
【0050】
<管理装置>
管理装置10は、識別情報の更新およびエレベータ20の運行制御を行う。管理装置10は、制御部11と、メモリ12と、を備えている。
【0051】
制御部11は、管理装置10の各部を統括的に制御する。制御部11の機能は、メモリ12に記憶されたプログラムを、CPUが実行することで実現されてよい。制御部11の詳細については後述する。メモリ12は、制御部11が実行する各種のプログラム、およびプログラムによって使用されるデータを格納する。
【0052】
(管理装置の制御部の構成)
制御部11は、情報取得部111と、識別情報出力制御部112と、呼び登録処理部113と、運行制御部114と、を備えている。なお、管理装置10の機能は、サーバが有していてもよい。
【0053】
識別情報出力制御部112は、識別情報を、所定場所において表示出力する制御、および、所定範囲の領域に信号出力する制御の少なくともいずれか一方を行う。また、識別情報出力制御部112は、所定の条件が満たされた時点で識別情報の内容を随時更新する制御を行う。識別情報出力制御部112は、例えば、所定の更新時間毎に識別情報を更新する制御を行う。
【0054】
情報取得部111は、端末装置40からの呼び登録情報を含む呼び登録依頼を取得する。呼び登録情報とは、利用者が登録した、乗りかご21を特定する情報と、希望する出発階および行先階と、を含む情報である。情報取得部111は、呼び登録依頼を取得すると、取得した呼び登録依頼を呼び登録処理部113に出力する。
【0055】
呼び登録処理部113は、端末装置40から、エレベータ20の乗りかごの呼び登録依頼を受信して呼び登録処理を行う。具体的には、呼び登録処理部113は、情報取得部111から出力された呼び登録依頼に基づき、乗りかご21の出発階および行先階を設定し、運行制御部114に呼び登録設定情報を出力する。
【0056】
運行制御部114は、呼び登録処理部113からの呼び登録設定情報に応じて、乗りかご21の運行制御を行う。具体的には、運行制御部114は、呼び登録処理部113で設定された出発階から行先階まで、乗りかご21を運行する制御を行う。
【0057】
<端末装置>
端末装置40は識別情報出力制御部112によって出力された識別情報を取得し、取得した識別情報により呼び登録を行う。
【0058】
端末装置40は、例えば、エレベータ20を利用する利用者が所持する携帯端末装置であり、スマートフォン等の情報処理端末である。端末装置40と管理装置10との通信は、例えば携帯電話通信回線、無線LAN、およびBluetooth(登録商標)等によって行われる。
【0059】
端末装置40は、制御部41と、メモリ42と、カメラ50と、を備えている。制御部41は、端末装置40の各部を統括的に制御する。制御部41の機能は、メモリ42に記憶されたプログラムを、CPUが実行することで実現されてよい。制御部41の詳細については後述する。メモリ42は、制御部41が実行する各種のプログラムおよびプログラムによって使用されるデータを格納する。
【0060】
(端末装置の制御部の構成)
制御部41は、情報取得部411と、呼び登録依頼部412と、呼び登録判定部413と、を備えている。
【0061】
情報取得部411は、識別情報を取得する。情報取得部411は、例えば、利用者によりカメラ50で撮影された識別情報の画像を取得し、該撮影画像より識別情報を取得する。また、情報取得部411は、識別情報を取得した時刻である取得時刻をメモリ42に記憶する。
【0062】
呼び登録依頼部412は、エレベータ20の乗りかご21の呼び登録依頼を管理装置10の呼び登録処理部113に送信する。呼び登録依頼部412は、情報取得部411が取得した識別情報により、当該識別情報で特定されるエレベータ20について、利用者により指定された出発階および行先階で呼び登録が行われるように呼び登録依頼を作成し、管理装置10の情報取得部111を介して呼び登録処理部113に送信する。
【0063】
出発階および行先階の指定は、アプリ等により端末装置40の表示部(図示無)に選択画面を表示し、選択画面を操作することにより行われてもよい。また、選択画面には、利用者が呼び登録依頼を送信可能な残り時間についての表示がされていてもよい。これにより、所定時間内(表示されている時間内)に呼び登録を送信しなければならないことを、利用者に理解してもらうことができる。
【0064】
呼び登録依頼部412は、呼び登録判定部413により呼び登録処理の実施が適切であると判定された場合に、呼び登録依頼を管理装置10に送信できる。
【0065】
(呼び登録判定部)
呼び登録判定部413は、識別情報に基づいて、呼び登録処理の実施の適否を判定する。具体的には、呼び登録判定部413は、情報取得部411が取得した識別情報が更新された更新時刻と、端末装置40が当該識別情報を取得した時刻である取得時刻と、の差に基づいて呼び登録処理の実施の適否を判定する。
【0066】
更新時刻と取得時刻との差が所定時間以内である場合、呼び登録判定部413は、呼び登録処理の実施が適切であると判定する。また、更新時刻と取得時刻との差が所定時間より長い場合、すなわち、識別情報が更新されてから所定時間よりも長い時間経過してから該識別情報を端末装置40で取得した場合、呼び登録判定部413は、呼び登録処理の実施が適切でないと判定する。なお、この場合の所定時間は、例えば、1分以上15分以下としてもよい。
【0067】
これにより、所定時間を適切に設定することで、例えば、利用者が識別情報を画像データ等で記録し、乗りかご21を備える建物等から離れた場所で記録した識別情報を端末装置40で取得して呼び登録依頼がされるような、更新時刻から取得時刻までにある程度の時間を要した呼び登録依頼について、呼び登録判定部413は呼び登録処理の実施が適切でないと判定することができる。
【0068】
さらに、呼び登録判定部413は、端末装置40が識別情報を取得した時刻である取得時刻と、端末装置40が当該識別情報により呼び登録処理部113に乗りかご21の呼び登録依頼を送信する送信時刻と、の差に基づいて呼び登録処理の実施の適否を判定してもよい。
【0069】
ここで、「呼び登録依頼を送信する送信時刻」は、呼び登録判定部413により呼び登録処理の実施が適切と判定された場合に、呼び登録依頼が管理装置10に送信される時刻を示す。したがって、呼び登録依頼が管理装置10に送信される時刻は、呼び登録判定部413が呼び登録処理の実施の適否を判定する時刻(現在時刻)とみなすことができる。すなわち、上記の取得時刻と送信時刻との差に基づく判定は、取得時刻と現在時刻との差に基づく判定と同意となる。
【0070】
取得時刻と送信時刻との差が所定時間以内である場合、呼び登録判定部413は、呼び登録処理の実施が適切であると判定する。言い換えると、呼び登録判定部413は、取得時刻と現在時間との差が所定時間以内である場合、呼び登録処理の実施が適切であると判定する。なお、この場合の所定時間は、操作時間の個人差等を考慮して、例えば、10秒以上120秒以下としてもよい。
【0071】
また、取得時刻と送信時刻との差が所定時間より長い場合、すなわち、端末装置40が、識別情報を取得して所定時間よりも長い時間経過してから呼び登録依頼を送信しようとする場合、呼び登録判定部413は呼び登録処理の実施が適切でないと判定する。
【0072】
これにより、所定時間を適切に設定することで、例えば、所定場所で識別情報を端末装置40で取得した後、乗りかご21を備える建物等から離れた場所で、該識別情報で呼び登録依頼がされるような、取得時刻から呼び登録依頼までにある程度の時間を要する呼び登録依頼について、呼び登録判定部413は呼び登録処理の実施が適切でないと判定することができる。
【0073】
また、これにより、所定時間を適切に設定することで、呼び登録判定部413は古い識別情報での呼び登録依頼について呼び登録処理の実施が適切でないと判定することができる。
【0074】
呼び登録処理の実施が適切であると判定した場合、呼び登録判定部413は、呼び登録依頼の管理装置10への送信を許可する。呼び登録処理の実施が適切でないと判定した場合、呼び登録判定部413は、呼び登録依頼の処理を終了する。
【0075】
さらに、呼び登録判定部413は、過去において同一の識別情報に基づく呼び登録依頼が所定回数以上送信された場合、該識別情報に基づく呼び登録依頼の送信を禁止(呼び登録依頼の処理を終了)してもよい。
【0076】
<エレベータ管理システムの動作の一例>
エレベータ20の運行を管理するエレベータ管理システム1の制御方法では、識別情報を、所定場所において表示出力する制御、および、所定範囲の領域に信号出力する制御の少なくともいずれか一方を行う識別情報出力制御ステップと、識別情報出力制御ステップによって出力された識別情報を取得した端末装置40から、エレベータ20の乗りかご21の呼び登録依頼を受信して呼び登録処理を行う呼び登録処理ステップと、識別情報に基づいて、呼び登録処理の実施の適否を判定する呼び登録判定ステップと、を含み、識別情報出力制御ステップでは、所定の条件が満たされた時点で識別情報の内容を随時更新する制御を行う。
【0077】
図2は、本願の実施形態1のエレベータ管理システム1の端末装置40の動作の一例を示すフロー図である。
【0078】
まず、カメラ50で撮影した撮影画像により、情報取得部411は識別情報を取得し(ステップS1)、取得時刻を記憶する。さらに、情報取得部411は取得した識別情報から更新時刻を取得する(ステップS2)。
【0079】
次に、呼び登録判定部413は、更新時刻と取得時刻との差が所定時間以内か否かを判定する(ステップS3)。更新時刻と取得時刻との差が所定時間以内である場合(ステップS3でYES)、呼び登録判定部413は、取得時刻と送信時刻との差が所定時間以内か否かを判定する(ステップS4)。
【0080】
取得時刻と送信時刻との差が所定時間以内である場合(ステップS4でYES)、呼び登録判定部413は呼び登録依頼部412が作成した呼び登録依頼の送信を許可し、呼び登録依頼部412は呼び登録依頼を管理装置10に送信する(ステップS5)。
【0081】
更新時刻と取得時刻との差が所定時間より長い場合(ステップS3でNO)、および、取得時刻と送信時刻との差が所定時間より長い場合(ステップS4でNO)、呼び登録判定部413は処理を終了する。なお、ステップS3およびステップS4はいずれか一方のみの処理であってもよい。
【0082】
以上の処理に示すように、識別情報により該識別情報が発行されたタイミングがわかるので、識別情報の発行タイミングに応じて呼び登録処理をコントロールすることができる。したがって、いたずら等による無駄な呼び登録を抑制し、エレベータの運行効率の低下を防ぐことができる。
【0083】
なお、利用者が呼び登録依頼を行う際の端末装置40の表示部には、利用者が呼び登録依頼を送信可能な残り時間(制限時間)についての表示がされていてもよい。具体的には、利用者が呼び登録依頼を行う際の端末装置40の表示部には、ステップS4でYESからNOに切り替わるまでの残り時間が表示されていてもよい。
【0084】
〔変形例〕
本実施形態の変形例について、以下に説明する。なお、以下の記載において、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0085】
図2のステップS4において、呼び登録判定部413は、当該識別情報が更新された更新時刻と、端末装置40が管理装置10の呼び登録処理部113に乗りかご21の呼び登録依頼を送信する送信時刻と、の差に基づいて呼び登録処理の実施の適否を判定してもよい。
【0086】
更新時刻と送信時刻との差が所定時間以内である場合、呼び登録判定部413は、呼び登録処理の実施が適切であると判定する。また、更新時刻と送信時刻との差が所定時間より長い場合、呼び登録判定部413は呼び登録処理の実施が適切でないと判定する。これにより、更新時刻から呼び登録依頼までにある程度の時間を要した呼び登録依頼の呼び登録処理を排除することができる。
【0087】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。実施形態2は、端末装置40において以下に示す認証処理を行う点において実施形態1と異なり、その他の処理は実施形態1と同様である。
【0088】
実施形態2では、識別情報に、更新時刻の情報の代わりに、第1認証コードの情報が含まれる。第1認証コードは、例えば、識別情報の更新時刻を所定の変換方式で変換したコードである。これにより、変換方式を公開しないことによって、識別情報から日時情報を読み取ることができなくなるので、セキュリティ性を向上させることができる。
【0089】
呼び登録判定部413は、識別情報から第1認証コードを取得する。また、呼び登録判定部413は、現在時刻(取得時間)に基づき、第2認証コードを作成する。第2認証コードは、例えば、現在時刻のX分前から現在時刻のY分後の期間において、所定の間隔毎の時刻を所定の変換方式で変換したコードである。つまり、呼び登録判定部413により第2認証コードは所定間隔毎に複数生成される。第2認証コードを作成する変換方式は、更新時刻を第1認証コードに変換した変換方式と同じ方式である。
【0090】
ここで、例えば、Y分は、端末装置40で認識している時刻と、管理装置10で認識している時刻とのずれを許容するための許容時間であり、X分は、識別情報の更新間隔に許容時間を加えた時間である。
【0091】
呼び登録判定部413は、第1認証コードと、第2認証コードのいずれかと、が一致するか否かを判定する。
【0092】
<エレベータ管理システムの動作の一例>
図3は、本願の実施形態2のエレベータ管理システム1の端末装置40の動作の一例を示すフロー図である。なお、図3のステップS11、ステップS15およびステップS16の処理は、図2のステップS1、ステップS4およびステップS5の処理と同じである。
【0093】
まず、カメラ50で撮影した撮影画像により、情報取得部411は識別情報を取得し(ステップS11)、取得時刻を記憶する。さらに、情報取得部411は取得した識別情報から第1認証コードを取得する(ステップS2)。
【0094】
次に、呼び登録判定部413は、取得時刻に基づいて第2認証コードを生成する(ステップS13)。そして、呼び登録判定部413は、第1認証コードと第2認証コードのいずれかとが一致するか否かを判定する(ステップS14)。第1認証コードと第2認証コードのいずれかとが一致する場合(ステップS14でYES)、呼び登録判定部413は、取得時刻と送信時刻との差が所定時間以内か否かを判定する(ステップS15)。
【0095】
取得時刻と送信時刻との差が所定時間以内である場合(ステップS15でYES)、呼び登録判定部413は呼び登録依頼部412が作成した呼び登録依頼の送信を許可し、呼び登録依頼部412は呼び登録依頼を管理装置10に送信する(ステップS16)。
【0096】
第1認証コードと第2認証コードのいずれかとが一致しない場合(ステップS14でNO)、および、取得時刻と送信時刻との差が所定時間より長い場合(ステップS15でNO)、呼び登録判定部413は処理を終了する。
【0097】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、以下に説明する。実施形態3は、管理装置10が識別情報の認証処理および呼び登録の判定処理を行う点において実施形態1と異なる。図4は、本発明の実施形態3に係るエレベータ管理システム1Aの機能ブロック図の一例を示す図である。図4に示すように、エレベータ管理システム1Aは、エレベータ管理システム1と比較して、端末装置40および管理装置10に代えて端末装置40Aおよび管理装置10Aを備える点が異なり、その他の構成は同じである。なお、本実施形態において、識別情報には更新時刻の情報が含まれているものとして説明する。
【0098】
<端末装置>
端末装置40Aは、端末装置40と比較して、制御部41Aにおいて認証依頼部414をさらに備えている。認証依頼部414は、端末装置40Aが呼び登録依頼を行うことが可能な端末装置であるか否かの認証(端末認証)を依頼する認証依頼を管理装置10Aに送信する。
【0099】
認証依頼部414は、取得した識別情報から第3認証コードを作成する。第3認証コードは、例えば、識別情報の更新時刻を所定の変換方式で変換したコードである。識別情報から第3認証コードへの変換は所定の変換方式により変換される。認証依頼部414は、端末装置40Aを特定する端末情報、および端末装置40Aが取得した識別情報に基づく第3認証コードの情報を含む認証依頼を管理装置10Aに送信する。
【0100】
情報取得部411は、管理装置10Aから認証結果を受信する。呼び登録判定部413は、受信した認証結果に基づき認証が成功したか否かを判定する。認証が成功していた場合、呼び登録判定部413は、端末装置40Aが識別情報を取得した時刻である取得時刻と、端末装置40Aが当該識別情報により呼び登録処理部113に乗りかご21の呼び登録依頼を送信する送信時刻と、の差に基づいて呼び登録処理の実施の適否を判定する。認証が失敗した場合、呼び登録判定部413は処理を終了する。
【0101】
取得時刻と送信時刻との差が所定時間以内である場合、呼び登録判定部413は、呼び登録処理の実施が適切であると判定する。取得時刻と送信時刻との差が所定時間より長い場合、呼び登録判定部413は呼び登録処理の実施が適切でないと判定する。
【0102】
呼び登録処理の実施が適切であると判定した場合、呼び登録判定部413は、呼び登録依頼の管理装置10Aへの送信を許可する。呼び登録処理の実施が適切でないと判定した場合、呼び登録判定部413は、処理を終了する。
【0103】
<管理装置>
管理装置10Aは、管理装置10と比較して、制御部11Aにおいて認証部115および呼び登録判定部116をさらに備えている。
【0104】
(識別情報出力制御部)
識別情報出力制御部112は、所定の条件が満たされた時点で識別情報の内容を随時更新する制御を行う。識別情報出力制御部112は、例えば、所定の更新時間毎に識別情報を更新する制御を行う。
【0105】
(情報取得部)
情報取得部111は、端末装置40Aを特定する端末情報、端末装置40Aが取得した識別情報に基づいて送信される認証依頼を受信する。また、情報取得部111は、認証依頼を受信した時刻である認証依頼受信時刻をメモリ12に記憶する。情報取得部111は、受信した情報等を認証部115および呼び登録処理部113に出力する。
【0106】
(認証部)
認証部115は、識別情報出力制御部112により識別情報が更新されると、更新した最新の識別情報から第4認証コードを生成する。第4認証コードは、最新の識別情報の更新時刻に基づき生成される。
【0107】
また、認証部115は、認証依頼を受信すると、認証依頼に含まれる情報から第3認証コードを取得し、第3認証コードと第4認証コードとに基づき、以下の(1)および(2)の判定により端末認証を行う。(1)第3認証コードと、直近の過去所定回数分の第4認証コードのいずれかと、が一致した否かを判定する。(2)呼び登録判定部116により呼び登録処理の実施が禁止されたか否かを判定する。
【0108】
ここで、(1)は、直近の過去所定回数分の範囲であれば(1)の認証条件が満たされることを意味する。例えば、直近の過去所定回数を4回とすると、端末装置40Aで取得した識別情報が過去4回更新された識別情報のいずれかと一致すれば、(1)の認証条件は満たされることになる。(2)については、後述する。
【0109】
(1)により第3認証コードと、直近の過去所定回数分の第4認証コードのいずれかと、が一致し、(2)により呼び登録判定部116により呼び登録処理の実施が禁止されなかった場合、認証部115は、端末装置40Aが呼び登録依頼を行うことが可能な端末装置であると認証する(認証成功)。また、上記以外の場合は、認証部115は、端末装置40Aが呼び登録依頼を行うことが可能な端末装置ではないと判定する(認証失敗)。認証部115は、端末認証の認証結果を端末装置40Aの呼び登録判定部413に出力する。
【0110】
(呼び登録判定部)
呼び登録判定部116は、呼び登録処理部113が同一の端末装置40Aから同一の識別情報に基づく呼び登録依頼を第1所定回数m以上受信したか否かを判定する。呼び登録処理部113が同一の端末装置40Aから同一の識別情報に基づく呼び登録依頼を第1所定回数m以上受信している場合、呼び登録判定部116は、呼び登録処理の実施を禁止する(上記(2)の判定)。第1所定回数mは特に限定されないが、操作ミスを考慮して、例えば、3回とすることができる。
【0111】
同一の端末装置40Aからの同一の識別情報に基づく、第1所定回数m以上の呼び登録依頼は、無駄な呼び登録依頼である可能性が高いと考えられる。そのため、呼び登録処理を行う該呼び登録依頼を第1所定回数mより少ない回数に限定することで、無駄である可能性が高い呼び登録依頼の呼び登録処理を排除することができる。
【0112】
また、呼び登録判定部116は、同一の識別情報に基づく呼び登録依頼が第2所定回数n以上送信されたか否かを判定する。同一の識別情報に基づく呼び登録依頼が第2所定回数n以上送信されている場合、呼び登録判定部116は、呼び登録処理の実施を禁止する(上記(2)の判定)。これにより、一つの識別情報ついて依頼できる呼び登録依頼の回数が制限される。したがって、例えば、識別情報が不正に情報拡散されても、第2所定回数n以上の呼び登録は行われないので、無駄な呼び登録を抑制することができる。
【0113】
また、識別情報出力制御部112は、呼び登録処理部113が同一の識別情報に基づく呼び登録依頼を所定回数以上受信した場合、識別情報を更新する。
【0114】
同一の識別情報に基づく呼び登録依頼が多い場合、識別情報が不正に情報拡散されたことによる不正な登録依頼だけでなく、呼び登録依頼を行う正当な利用者が多人数である可能性があるため、識別情報を更新することが望ましい。識別情報が更新されることによって、呼び登録依頼を行う正当な利用者が多人数であっても、呼び登録判定部116による呼び登録処理の実施が禁止される可能性を低減することができる。
【0115】
それに対して、呼び登録処理部113が同一の端末装置40Aから同一の識別情報とともにされる呼び登録依頼を第1所定回数m以上受信した場合は、特定の利用者によるいたずら等の無駄な登録依頼の可能性が高いため、識別情報を更新しなくてもよい。
【0116】
また、第2所定回数nは、時間帯や過去の呼び登録依頼の受信頻度、および、全乗りかご21の積載荷重合計に応じて、変化することとしてもよい。出退勤時の様な繁忙期と昼間の様な閑散期とでは、一つの識別情報について依頼できる呼び登録依頼の、制限したい回数が異なる。そのため、第2所定回数nを時間帯等、エレベータ20の利用頻度に合わせた制限回数に設定することで、呼び登録処理の実行禁止と識別情報の更新とを適切に抑制でき、エレベータ管理システム1Aの負荷の低減や、いたずら等で無い正当な呼び登録の禁止を低減することができる。
【0117】
また、正当な呼び登録以外の不正な呼び登録を行う可能性が低いと考えられる特定の利用者(例えば、オフィスビルであれば、ビル内に勤務する社員)の端末装置40A(またはアカウント)を予め登録しておき、当該端末装置40A(またはアカウント)からの呼び登録依頼は、回数にカウントしないこととしてもよい。
【0118】
なお、第2所定回数nに基づく判定は、第1所定回数mに基づく判定と比較して、同一の端末装置40Aからの呼び登録依頼に限定されていないので、第1所定回数mと第2所定回数nとの関係は、n≧mとなることが好ましい。
【0119】
呼び登録判定部116は、呼び登録処理の実施を禁止する判定を行うと、認証部115に判定結果を出力する。
【0120】
さらに、呼び登録判定部116は、認証依頼受信時刻と、呼び登録処理が可能であると認証された端末装置40Aからの乗りかご21の呼び登録依頼を呼び登録処理部113が受信した受信時刻との差に基づいて、呼び登録処理の実施の適否を判定する。
【0121】
認証依頼受信時刻と呼び登録依頼の受信時刻との差が所定時間以内である場合、呼び登録判定部116は、呼び登録処理の実施が適切であると判定する。認証依頼受信時刻と呼び登録依頼の受信時刻との差が所定時間以内でない場合、呼び登録判定部116は、呼び登録処理の実施が適切でないと判定する。
【0122】
呼び登録処理部113は、呼び登録判定部116により呼び登録処理の実施が適切であると判定された場合、呼び登録依頼に基づき、乗りかご21の出発階および行先階を設定し、運行制御部114に呼び登録設定情報を出力する。
【0123】
運行制御部114は、呼び登録処理部113からの呼び登録設定情報に応じて、乗りかご21の運行制御を行う。具体的には、運行制御部114は、呼び登録処理部113で設定された出発階から行先階まで乗りかご21を運行する制御を行う。
【0124】
<エレベータ管理システムの動作の一例>
図5は、エレベータ管理システム1Aの端末装置40Aの動作の一例を示すフロー図である。図6は、エレベータ管理システム1Aの管理装置10Aの動作の一例を示すフロー図である。図5および図6に基づき、エレベータ管理システム1Aの動作の一例について説明する。
【0125】
(端末装置の動作)
まず、図5に基づき、端末装置40Aの動作の一例について説明する。カメラ50で撮影した撮影画像により、情報取得部411は識別情報を取得し(ステップS21)、取得した識別情報から第3認証コードを生成する(ステップS22)。
【0126】
次に、認証依頼部414は、管理装置10Aに認証依頼を送信する(ステップS23、M1)。管理装置10Aでの認証処理後、情報取得部411は管理装置10Aから認証結果を受信する(ステップS24、M2)。
【0127】
呼び登録判定部413は、受信した認証結果に基づき認証が成功したか否かを判定する(ステップS25)。認証成功した場合(ステップS25でYES)、呼び登録判定部413は、取得時刻と送信時刻との差が所定時間以内であるか否かを判定する(ステップS26)。
【0128】
取得時刻と送信時刻との差が所定時間以内である場合(ステップS26でYES)、呼び登録判定部413は呼び登録依頼の送信を許可し、呼び登録依頼部412が呼び登録依頼を送信する(ステップS27、M3)。
【0129】
認証が失敗した場合(ステップS25でNO)、および、取得時刻と送信時刻との差が所定時間より長い場合(ステップS26でNO)、呼び登録判定部413は処理を終了する。なお、ステップS23の処理は、呼び登録判定部413が行ってもよい。
【0130】
(管理装置の動作)
続いて、図6に基づき、管理装置10Aの動作の一例について説明する。まず、識別情報出力制御部112は、前回の識別情報を更新した時刻から、更新時間が経過したか否かを判定する(ステップS31)。前回の識別情報を更新した時刻から、更新時間が経過した場合(ステップS31でYES)、識別情報出力制御部112は識別情報を更新する(ステップS32)。
【0131】
認証部115は、更新した最新の識別情報から第4認証コードを生成する(ステップS33)。また、認証部115は、管理装置10Aが端末装置40Aから認証依頼を受信したか否かを判定する(ステップS34、M1)。
【0132】
認証依頼を受信した場合(ステップS34でYES)、認証部115は、認証依頼に含まれる情報から第3認証コードを取得する(ステップS35)。次に認証部115は、直近の過去所定回数分の第4認証コードのいずれかと、第3認証コードとが一致した否かを判定する(ステップS36)。
【0133】
直近の過去所定回数分の第4認証コードのいずれかと、第3認証コードとが一致した場合(ステップS36でYES)、認証部115は、呼び登録判定部116に、呼び登録処理部113が同一の端末装置40Aから同一の識別情報に基づく呼び登録依頼を第1所定回数m以上受信したか否かを判定させる(ステップS37)。
【0134】
呼び登録処理部113が同一の端末装置40Aから同一の識別情報に基づく呼び登録依頼を第1所定回数m以上受信していない場合(ステップS37でNO)、認証部115は、呼び登録判定部116に、同一の識別情報に基づく呼び登録依頼が第2所定回数n以上送信されたか否かを判定させる(ステップS38)。同一の識別情報に基づく呼び登録依頼が第2所定回数n以上送信されていない場合(ステップS38でNO)、認証部115は、端末装置40Aが呼び登録依頼を行うことが可能な端末装置であると認証し(ステップS39)、認証結果を端末装置40Aに送信する(ステップS40、M2)。
【0135】
その後、端末装置40Aから呼び登録依頼が送信されると(M3)、呼び登録判定部116は、認証依頼受信時刻と呼び登録依頼の受信時刻との差が所定時間以内であるか否かを判定する(ステップS41)。認証依頼受信時刻と呼び登録依頼の受信時刻との差が所定時間以内である場合(ステップS41でYES)、呼び登録処理部113は呼び登録処理を実行する(ステップS42)。すなわち、呼び登録処理部113は呼び登録依頼に基づき、乗りかご21の出発階および行先階を設定し、運行制御部114に呼び登録設定情報を出力する。また、運行制御部114は、呼び登録処理部113からの呼び登録設定情報に応じて、乗りかご21の運行制御を行う。
【0136】
呼び登録処理を実行すると、呼び登録処理部113は、端末装置40Aを特定する端末情報および第3認証コードをメモリ12に蓄積する(ステップS43)。ステップS35の直後に該情報(端末装置40Aを特定する端末情報および第3認証コード)をメモリ12に蓄積するよりも、ステップS36以降で、該情報をメモリ12に蓄積する方が、メモリ12に蓄積するデータ量を軽減させることができる。
【0137】
次に、ステップS31の処理に戻る。
【0138】
前回の識別情報を更新した時刻から、更新時間が経過していない場合(ステップS31でNO)、ステップS34の処理を行う。
【0139】
また、認証依頼を受信していない場合(ステップS34でNO)、および、認証依頼受信時刻と呼び登録依頼の受信時刻との差が所定時間以内でない場合(ステップS41でNO)、ステップS31の処理に戻る。
【0140】
直近の過去所定回数分の第4認証コードと、第3認証コードとが一致しなかった場合(ステップS36でNO)、および、呼び登録処理部113が同一の端末装置40Aから同一の識別情報に基づく呼び登録依頼を第1所定回数m以上受信している場合(ステップS37でYES)、認証部115は、端末装置40Aが呼び登録依頼を行うことが可能な端末装置ではないとし(ステップS46)、認証結果を端末装置40Aに送信する(ステップS40、M2)。その後、ステップS31の処理に戻る。
【0141】
同一の識別情報に基づく呼び登録依頼が第2所定回数n以上送信されている場合(ステップS38でYES)、識別情報出力制御部112は、識別情報を更新し(ステップS44)、認証部115は、更新した識別情報から第4認証コードを生成する(ステップS45)。そして、ステップS46の処理を行う。
【0142】
なお、図5に示すステップS26の処理および図6に示すステップS41の処理は、どちらか一方のみを行うものであってもよい。
【0143】
また、ステップS37において、呼び登録判定部116は、同一端末から同一の第3認証コードを第1所定回数m以上取得したか否かを判定してもよく、ステップS38において、呼び登録判定部116は、過去に第3認証コードを第2所定回数n以上取得したか否かを判定してもよい。その場合、ステップS43の、端末装置40Aを特定する端末情報および第3認証コードのメモリ12への蓄積は、ステップS36の直後に行うことが望ましい。ステップS36の直後に、該情報(端末装置40Aを特定する端末情報および第3認証コード)をメモリ12に蓄積し、ステップS37およびステップS38を実行することで、ステップS35の直後に該情報をメモリ12に蓄積するよりも、メモリ12に蓄積するデータ量を軽減させることができる。
【0144】
〔変形例1〕
図6のステップS41において、呼び登録判定部116は、端末装置40Aが取得した識別情報の更新時刻と、呼び登録処理部113が、端末装置40Aから該識別情報とともに乗りかごの呼び登録依頼を受信した受信時刻との差に基づいて、呼び登録処理の実施の適否を判定してもよい。
【0145】
具体的には、呼び登録判定部116は、更新時刻と呼び登録依頼の受信時刻との差が所定時間以内か否かを判定する。更新時刻と呼び登録依頼の受信時刻との差が所定時間以内である場合、呼び登録処理部113は呼び登録処理を実行する。更新時刻と呼び登録依頼の受信時刻との差が所定時間より長い場合、呼び登録判定部413は処理を終了する。
【0146】
これにより、所定時間を適切に設定することで、例えば、古い識別情報での呼び登録依頼に基づく呼び登録処理を排除することができる。また、識別情報出力制御部112および呼び登録処理部113側の時刻に基づき更新時刻と呼び登録依頼の受信時刻との差を算出することができるので、端末装置40Aで認識している時刻の影響を受けずに更新時刻と呼び登録依頼の受信時刻との差を算出することができる。
【0147】
〔変形例2〕
認証部115は、端末装置40Aが取得した識別情報とともに送信される認証依頼を受信し、識別情報が更新された時刻である更新時刻と、認証依頼を受信した認証依頼受信時刻とに基づき、端末装置40Aが呼び登録依頼を可能な端末装置であるか否かの認証を行ってもよい。
【0148】
具体的には、認証部115は、更新時刻と認証依頼受信時刻との差が所定時間以内か否かを判定する。更新時刻と認証依頼受信時刻との差が所定時間以内である場合、認証部115は端末装置40Aが呼び登録依頼を可能な端末装置であると判定する。更新時刻と認証依頼受信時刻との差が所定時間より長い場合、認証部115は端末装置40Aが呼び登録依頼を可能な端末装置ではないと判定する。
【0149】
〔ソフトウェアによる実現例〕
エレベータ管理システム1・1Aの管理装置10・10Aおよび端末装置40・40A(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部11・41に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0150】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0151】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0152】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0153】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0154】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0155】
1、1A エレベータ管理システム
20 エレベータ
40、40A 端末装置
111、411 情報取得部
112 識別情報出力制御部
113 呼び登録処理部
115 認証部
116、413 呼び登録判定部
412 呼び登録依頼部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの運行を管理するエレベータ管理システムであって、
前記エレベータを備える建物、複数の前記エレベータからなるエレベータ群、および前記エレベータの少なくともいずれか1つを識別するエレベータ特定情報を含む識別情報を、所定場所において表示出力する制御、および、所定範囲の領域に信号出力する制御の少なくともいずれか一方を行う識別情報出力制御部と、
前記識別情報出力制御部によって出力された前記識別情報を取得する端末装置と、
前記端末装置から、前記エレベータの乗りかごの呼び登録依頼を受信して呼び登録処理を行う呼び登録処理部と、
前記識別情報に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定する呼び登録判定部と、
を備え、
前記識別情報は、該識別情報が更新された時刻である更新時刻に対応する情報をさらに含み、
前記識別情報出力制御部は、所定の条件が満たされた時点で前記識別情報の内容を随時更新する制御を行う、エレベータ管理システム。
【請求項2】
記呼び登録判定部は、当該識別情報が更新された更新時刻と、前記端末装置が前記識別情報を取得した時刻である取得時刻と、の差に基づいて前記呼び登録処理の実施の適否を判定する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項3】
記呼び登録判定部は、当該識別情報が更新された更新時刻と、前記端末装置が前記呼び登録処理部に前記乗りかごの呼び登録依頼を送信する送信時刻と、の差に基づいて前記呼び登録処理の実施の適否を判定する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項4】
前記呼び登録判定部は、前記端末装置が前記識別情報を取得した時刻である取得時刻と、前記端末装置が前記呼び登録処理部に前記乗りかごの呼び登録依頼を送信する送信時刻と、の差に基づいて前記呼び登録処理の実施の適否を判定する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項5】
記呼び登録判定部は、前記端末装置が取得した前記識別情報の前記更新時刻と、前記呼び登録処理部が、前記端末装置から該識別情報とともに前記乗りかごの呼び登録依頼を受信した受信時刻との差に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項6】
前記端末装置が取得した前記識別情報とともに送信される認証依頼を受信し、前記識別情報が更新された時刻である更新時刻と、前記認証依頼を受信した認証依頼受信時刻とに基づき、前記呼び登録依頼が可能な前記端末装置であるか否かの認証を行う認証部をさらに備え、
前記呼び登録判定部は、
前記認証依頼受信時刻と、前記呼び登録処理が可能であると認証された前記端末装置からの前記乗りかごの呼び登録依頼を前記呼び登録処理部が受信した受信時刻との差に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項7】
前記呼び登録判定部は、前記呼び登録処理部が同一の前記端末装置から同一の前記識別情報に基づく前記呼び登録依頼を所定回数以上受信した場合、前記呼び登録処理の実施を禁止する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項8】
前記呼び登録判定部は、前記端末装置に設けられ、同一の前記識別情報に基づく前記呼び登録依頼が所定回数以上送信された場合、該識別情報に基づく前記呼び登録依頼の送信を禁止する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項9】
前記呼び登録処理部が同一の前記識別情報に基づく前記呼び登録依頼を所定回数以上受信した場合、前記呼び登録判定部は前記呼び登録処理の実施を禁止し、前記識別情報出力制御部は前記識別情報を更新する、請求項1に記載のエレベータ管理システム。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか一項に記載の前記エレベータ管理システムが備える端末装置であって、
前記識別情報を取得する情報取得部と、
前記エレベータの乗りかごの呼び登録依頼を送信する呼び登録依頼部と、
前記呼び登録判定部と、を備えている、端末装置。
【請求項11】
請求項10に記載の端末装置として、コンピュータを機能させるための端末制御プログラムであって、前記情報取得部、前記呼び登録依頼部、および前記呼び登録判定部としてコンピュータを機能させるための端末制御プログラム。
【請求項12】
エレベータの運行を管理するエレベータ管理システムの制御方法であって、
前記エレベータを備える建物、複数の前記エレベータからなるエレベータ群、および前記エレベータの少なくともいずれか1つを識別するエレベータ特定情報を含む識別情報を、所定場所において表示出力する制御、および、所定範囲の領域に信号出力する制御の少なくともいずれか一方を行う識別情報出力制御ステップと、
前記識別情報出力制御ステップによって出力された前記識別情報を取得した端末装置から、前記エレベータの乗りかごの呼び登録依頼を受信して呼び登録処理を行う呼び登録処理ステップと、
前記識別情報に基づいて、前記呼び登録処理の実施の適否を判定する呼び登録判定ステップと、を含み、
前記識別情報は、該識別情報が更新された時刻である更新時刻に対応する情報をさらに含み、
前記識別情報出力制御ステップでは、所定の条件が満たされた時点で前記識別情報の内容を随時更新する制御を行う、エレベータ管理システムの制御方法。