(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077409
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】制御装置および故障判定方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20240531BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240531BHJP
B60K 6/485 20071001ALI20240531BHJP
B60W 20/50 20160101ALI20240531BHJP
【FI】
G01R31/00
H02J7/00 Q
B60K6/485 ZHV
B60W20/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189492
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 達弥
【テーマコード(参考)】
2G036
3D202
5G503
【Fターム(参考)】
2G036AA28
2G036BA36
2G036BA37
2G036BB06
3D202AA09
3D202BB00
3D202BB12
3D202BB23
3D202BB24
3D202CC42
3D202CC60
3D202DD47
3D202EE00
3D202EE04
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB01
5G503EA09
(57)【要約】
【課題】起動時に高圧バッテリに異常が発生していても、接続部の故障を判定できる制御装置および故障判定方法を提供する。
【解決手段】実施形態に係る制御装置は、コントローラを備える。コントローラは、高圧系統と低圧系統との間に接続されるDCDCコンバータを制御する。高圧系統は、発電機と平滑コンデンサと第1電圧を出力可能な高圧バッテリとを含む。低圧系統は、第1電圧よりも低い第2電圧を出力可能な低圧バッテリを含む。コントローラは、起動時に高圧バッテリを異常と判定した場合、平滑コンデンサに含まれる複数のコンデンサを並列接続にし、DCDCコンバータを介さずに低圧バッテリによって複数のコンデンサを充電する。コントローラは、複数のコンデンサを並列接続から直列接続にして、高圧系統とDCDCコンバータとの間に接続されるコンバータ接続部の故障を判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機と平滑コンデンサと第1電圧を出力可能な高圧バッテリとを含む高圧系統と、前記第1電圧よりも低い第2電圧を出力可能な低圧バッテリを含む低圧系統との間に接続されるDCDCコンバータを制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
起動時に前記高圧バッテリを異常と判定した場合、前記平滑コンデンサに含まれる複数のコンデンサを並列接続にし、前記DCDCコンバータを介さずに前記低圧バッテリによって前記複数のコンデンサを充電し、
前記複数のコンデンサを並列接続から直列接続にして、前記高圧系統と前記DCDCコンバータとの間に接続されるコンバータ接続部の故障を判定する、制御装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
起動時に前記高圧バッテリを異常と判定した場合、前記DCDCコンバータをバイパスして前記平滑コンデンサと前記低圧バッテリとを接続するプリチャージ接続部を導通させる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記平滑コンデンサは、前記複数のコンデンサが直列接続にされた状態において、少なくとも前記第2電圧よりも高い第3電圧以上の電圧を出力できるように構成され、
前記コントローラは、前記高圧系統の電圧が前記第3電圧以上である場合に、前記コンバータ接続部の故障を判定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
起動時に前記複数のコンデンサを直列接続にし、
前記高圧バッテリと前記平滑コンデンサとを接続する高圧バッテリ接続部を導通させて前記複数のコンデンサを前記高圧バッテリによって充電し、
前記高圧バッテリを正常と判定した場合、前記コンバータ接続部の故障を判定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
発電機と平滑コンデンサと第1電圧を出力可能な高圧バッテリとを含む高圧系統と、前記第1電圧よりも低い第2電圧を出力可能な低圧バッテリを含む低圧系統との間に接続されるDCDCコンバータを制御するコントローラが、
起動時に前記高圧バッテリを異常と判定した場合、前記平滑コンデンサに含まれる複数のコンデンサを並列接続にし、前記DCDCコンバータを介さずに前記低圧バッテリによって前記複数のコンデンサを充電し、
前記複数のコンデンサを並列接続から直列接続にして、前記高圧系統と前記DCDCコンバータとの間に接続されるコンバータ接続部の故障を判定する、故障判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、制御装置および故障判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、48Vの電圧を出力する高圧バッテリとモータジェネレータとを含む高圧系統と、例えば、12Vの電圧を出力する低圧バッテリを含む低圧系統と、高圧系統および低圧系統の間に接続されるDCDCコンバータとを備える車両がある。
【0003】
高圧系統と低圧系統との間に接続されるDCDCコンバータを備える車両は、電気的な異常の発生時にDCDCコンバータを保護するため、DCDCコンバータと高圧系統との電気的な接続を遮断するリレーなどの接続部が設けられる。
【0004】
DCDCコンバータを制御する制御装置は、高圧バッテリが故障した場合に、低圧バッテリの出力電圧をDCDCコンバータによって昇圧し、平滑コンデンサに充電してモータに供給する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、制御装置は、車両に電気的な異常が発生したときの安全を担保するため、例えば、車両の起動時に、接続部の故障判定を行う。そして、制御装置は、接続部が正常に動作することを確認した場合に、DCDCコンバータの制御を開始する。
【0006】
例えば、制御装置は、車両が起動されると、DCDCコンバータの動作を開始させる前に、接続部を遮断状態に制御する。そして、制御装置は、接続部の両端電圧の差が閾値以上であれば接続部を正常と判定する。また、制御装置は、両端電圧が閾値未満であれば、接続部をON固着故障と判定する。
【0007】
さらに、制御装置は、DCDCコンバータの動作を開始させる前に、接続部を接続状態に制御する。そして、制御装置は、接続部の両端電圧の差が閾値以上であれば接続部をOFF固着故障と判定する。また、制御装置は、両端電圧が閾値未満であれば、接続部を正常と判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、接続部は、制御装置の起動時に高圧バッテリに異常が発生していた場合、制御状態に関わらず両端電圧の差が閾値未満になる。そのため、制御装置は、接続部の故障を判定できない。
【0010】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、起動時に高圧バッテリに異常が発生していても、接続部の故障を判定できる制御装置および故障判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態の一態様に係る制御装置は、コントローラを備える。前記コントローラは、高圧系統と低圧系統との間に接続されるDCDCコンバータを制御する。高圧系統は、発電機と平滑コンデンサと第1電圧を出力可能な高圧バッテリとを含む。低圧系統は、前記第1電圧よりも低い第2電圧を出力可能な低圧バッテリを含む。前記コントローラは、起動時に前記高圧バッテリを異常と判定した場合、前記平滑コンデンサに含まれる複数のコンデンサを並列接続にし、前記DCDCコンバータを介さずに前記低圧バッテリによって前記複数のコンデンサを充電する。前記コントローラは、前記複数のコンデンサを並列接続から直列接続にして、前記高圧系統と前記DCDCコンバータとの間に接続されるコンバータ接続部の故障を判定する。
【発明の効果】
【0012】
実施形態の一態様に係る制御装置および故障判定方法によれば、高圧バッテリに異常が発生していても、接続部の故障を判定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態に係る給電システムを示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る接続部および電圧センサの説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る制御装置の動作例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る制御装置の動作例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る制御装置の動作例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る平滑コンデンサの構成例、および、コントローラによる平滑コンデンサの制御例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る平滑コンデンサの構成例、および、コントローラによる平滑コンデンサの制御例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るコントローラが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、制御装置および故障判定方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.給電システムの構成]
まず、
図1を参照し、実施形態に係る制御装置1が搭載される車両の給電システム100について説明する。
図1は、実施形態に係る給電システム100を示す説明図である。
【0016】
なお、
図1では、給電システム100が備える複数の電圧センサ、および、複数の接続部の図示を省略している。給電システム100が備える複数の電圧センサ、および、複数の接続部については、
図2を参照して説明する。
【0017】
図1に示すように、制御装置1が搭載される車両は、エンジン10、トランスミッション(以下、「T/M11」と記載する)、スタータ12、および高圧バッテリB1を備える。また、車両は、低圧バッテリB2、複数の電気負荷13、および発電機(以下、「MG(モータジェネレータ)14」と記載する)を備える。
【0018】
また、車両は、インバータ(以下、「INV15」と記載する)、平滑コンデンサ16、DCDCコンバータ(以下、「DCDC17」と記載する)、電池監視装置18、およびイグニッションスイッチ(以下、「IG19」と記載する)を備える。
【0019】
平滑コンデンサ16は、INV15への入力電圧を平滑化する。平滑コンデンサ16は、複数のコンデンサで構成され、直列接続と並列接続に切り替え可能である。平滑コンデンサ16は、通常時は複数のコンデンサが直列接続される。平滑コンデンサ16の接続状態の制御については、後述する。
【0020】
エンジン10は、車両を走行させる内燃機関である。T/M11は、エンジン10の駆動力をプロペラシャフト21へ伝達する装置である。スタータ12は、エンジン10を始動させるセルモータである。
【0021】
電気負荷13は、車両に搭載される各種の車載電装機器である。高圧バッテリB1は、例えば、リチウムイオンバッテリであり、48Vの電圧を出力可能な二次電池である。48Vは、高圧バッテリB1が出力可能な最大の第1電圧の一例である。高圧バッテリB1は、高圧バッテリ接続部SW1を介して、INV15、平滑コンデンサ16、およびDCDC17と接続される。
【0022】
高圧バッテリ接続部SW1は、オンすることによって、高圧バッテリB1と、INV15、平滑コンデンサ16、およびDCDC17とを電気的に接続する。高圧バッテリ接続部SW1は、オフすることによって、高圧バッテリB1と、INV15、平滑コンデンサ16、およびDCDC17との電気的な接続を遮断する。
【0023】
高圧バッテリB1は、高圧バッテリ接続部SW1、平滑コンデンサ16、およびINV15を介してMG14へ電力を供給する。また、高圧バッテリB1は、MG14によって発電される電力を蓄電する。
【0024】
また、高圧バッテリB1は、高圧バッテリ接続部SW1およびDCDC17を介して、低圧バッテリB2、電気負荷13、およびスタータ12にも電力を供給できる。この場合、DCDC17は、高圧バッテリB1の電圧を降圧して低圧バッテリB2、電気負荷13、およびスタータ12に出力する。
【0025】
低圧バッテリB2は、例えば、鉛バッテリであり、高圧バッテリB1より低い電圧、例えば、12Vの電圧を出力可能な二次電池である。12Vは、低圧バッテリB2が出力可能な最大の第2電圧の一例である。低圧バッテリB2は、スタータ12および電気負荷13へ電力を供給する。低圧バッテリB2は、MG14によって発電される電力を蓄電する。
【0026】
また、低圧バッテリB2は、DCDC17を介して、高圧バッテリB1および平滑コンデンサ16にも電力を供給できる。また、低圧バッテリB2は、DCDC17およびINV15を介して、MG14にも電力を供給できる。この場合、DCDC17は、低圧バッテリB2の電圧を昇圧して、高圧バッテリB1、平滑コンデンサ16、およびMG14に電力を供給する。
【0027】
MG14は、例えば、モータジェネレータである。MG14は、車両のエンジン10の始動時や走行時にエンジン10の駆動力をアシストする電動機としての機能と、車両の減速時に発生する回生エネルギーによって発電する発電機としての機能とを備える。
【0028】
エンジン10のプロペラシャフト21には、プーリ22が取り付けられ、MG14の回転軸23には、プーリ24が取り付けられる。プーリ22,24には、ベルト25が巻回される。
【0029】
これにより、MG14は、回転軸23を回転させることによって、エンジン10の始動時や車両の走行時にエンジン10の駆動力をアシストすることができる。また、MG14は、エンジン10の回転エネルギーおよび車両の減速時に発生する回生エネルギーによって発電することができる。
【0030】
電池監視装置18は、例えば、高圧バッテリB1の電圧およびSOC(State Of Charge)などを検出する。電池監視装置18は、高圧バッテリB1の電圧およびSOCの検出結果を制御装置1に出力する。
【0031】
図1に示す給電システム100では、MG14、INV15、平滑コンデンサ16、および高圧バッテリB1は、高圧系統101に含まれる。また、低圧バッテリB2および電気負荷13は、低圧系統102に含まれる。DCDC17は、高圧系統101と低圧系統102との間に接続される。DCDC17は、制御装置1によって制御される。
【0032】
制御装置1は、給電システム100を制御するECU(Electronic Control Unit)である。制御装置1は、例えば、エンジン10の始動時に、IG19から起動要求を受信した場合に、MG14を起動させる。また、制御装置1は、例えば、信号停止等の一時的な停車時のアイドリングストップ中に、上位ECUからMG14の起動要求を受信した場合に、MG14を起動させる。
【0033】
また、制御装置1は、高圧バッテリB1が故障した場合に、低圧バッテリの出力電圧をDCDC17によって昇圧して平滑コンデンサ16に充電する。そして、制御装置1は、平滑コンデンサ16に充電した電力を、INV15を介してMG14に供給する。
【0034】
また、制御装置1は、低圧バッテリB2の蓄電量が不足する場合には、高圧系統101の電圧をDCDC17によって降圧して低圧系統102に供給する。これにより、制御装置1は、低圧バッテリB2の蓄電量が不足する場合に、低圧バッテリB2を充電できる。また、制御装置1は、低圧バッテリB2の蓄電量が不足する場合に、電気負荷13の動作を補償できる。
【0035】
さらに、制御装置1は、平滑コンデンサ16の接続状態を制御する。平滑コンデンサ16の構成例、および、制御装置1による平滑コンデンサ16の制御例については、
図6および
図7を参照して後述する。
【0036】
[2.給電システムが備える接続部および電圧センサ]
次に、実施形態に係る給電システム100が備える複数の接続部および複数の電圧センサについて、
図2を参照して説明する。
図2は、実施形態に係る接続部および電圧センサの説明図である。
【0037】
図2に示すように、給電システム100は、高圧バッテリ接続部SW1、コンバータ接続部SW2,SW3、プリチャージ接続部SW4を備える。高圧バッテリ接続部SW1、コンバータ接続部SW2,SW3、プリチャージ接続部SW4は、例えば、半導体リレーである。
【0038】
高圧バッテリ接続部SW1は、高圧バッテリB1と平滑コンデンサ16とを電気的に接続する。高圧側のコンバータ接続部SW2は、高圧系統101とDCDC17とを電気的に接続する。低圧側のコンバータ接続部SW3は、低圧系統102とDCDC17とを電気的に接続する。プリチャージ接続部SW4は、DCDC17をバイパスして平滑コンデンサ16と低圧バッテリB2とを電気的に接続する。
【0039】
高圧バッテリ接続部SW1、コンバータ接続部SW2,SW3、プリチャージ接続部SW4は、制御装置1が備えるコントローラ3によって導通状態または遮断状態となるように制御される。
【0040】
コントローラ3は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。
【0041】
コントローラ3は、CPUがROMに記憶されたプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することにより、各接続部SW1,SW2,SW3,SW4の状態、DCDC17の動作、平滑コンデンサ16の接続状態を制御する。
【0042】
なお、コントローラ3は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0043】
また、給電システム100は、第1電圧センサV1、第2電圧センサV2、第3電圧センサV3、および第4電圧センサV4を備える。第1電圧センサV1は、高圧系統101とコンバータ接続部SW2との間に接続される。第1電圧センサV1は、高圧系統101とコンバータ接続部SW2とを電気的に接続する接続線の電圧を検出する。第1電圧センサV1は、検出する電圧をコントローラ3に出力する。
【0044】
第2電圧センサV2は、コンバータ接続部SW2とDCDC17との間に接続される。第2電圧センサV2は、コンバータ接続部SW2とDCDC17とを電気的に接続する接続線の電圧を検出する。第2電圧センサV2は、検出する電圧をコントローラ3に出力する。
【0045】
第3電圧センサV3は、DCDC17とコンバータ接続部SW3との間に接続される。第3電圧センサV3は、DCDC17とコンバータ接続部SW3とを電気的に接続する接続線の電圧を検出する。第3電圧センサV3は、検出する電圧をコントローラ3に出力する。
【0046】
第4電圧センサV4は、コンバータ接続部SW3と低圧系統102との間に接続される。第4電圧センサV4は、コンバータ接続部SW3と低圧系統102とを電気的に接続する接続線の電圧を検出する。第4電圧センサV4は、検出する電圧をコントローラ3に出力する。
【0047】
制御装置1は、車両に電気的な異常が発生したときの安全を担保するため、例えば、車両の起動時に、コンバータ接続部SW2,SW3の故障判定を行う。そして、制御装置1は、コンバータ接続部SW2,SW3が正常に動作することを確認した場合に、DCDC17の制御を許可し開始する。
【0048】
[3.制御装置によるコンバータ接続部の故障判定動作]
次に、制御装置1によるコンバータ接続部SW2,SW3の故障判定動作について、
図3~
図5を参照して説明する。
図3~
図5は、実施形態に係る制御装置の動作例を示す説明図である。ここでは、まず、高圧バッテリB1が失陥していない正常な状態の場合について説明する。その後、高圧バッテリB1が失陥して異常な状態である場合について説明する。
【0049】
起動前の状態において、給電システム100は、高圧バッテリ接続部SW1、コンバータ接続部SW2,SW3、プリチャージ接続部SW4が遮断されている。コントローラ3は、起動されると、
図3に示すように、平滑コンデンサ16に含まれる複数のコンデンサ161~164を直列接続にする。
【0050】
そして、コントローラ3は、高圧バッテリ接続部SW1を導通させる。こうして、コントローラ3は、高圧バッテリB1によって複数のコンデンサ161~164を充電する。その後、コントローラ3は、コンバータ接続部SW2,SW3の故障判定を行う。ここで、コントローラ3がコンバータ接続部SW2の故障判定を行うためには、高圧系統101の電圧が所定電圧以上である必要がある。
【0051】
そのため、平滑コンデンサ16は、複数のコンデンサ161~164が直列に接続された状態において、少なくとも低圧バッテリB2が出力可能な最大の第2電圧(例えば、12V)よりも高い第3電圧(例えば、40V)の電圧を出力できるように構成されている。
【0052】
ここでは、各コンデンサ161~164は、満充電の状態で12Vの電圧を出力可能であるものとする。このため、複数のコンデンサ161~164は、直列に接続されると、最大で48Vの電圧を出力可能となる。
【0053】
このように、平滑コンデンサ16は、複数のコンデンサ161~164が直列接続にされた状態において、少なくとも第2電圧よりも高い第3電圧以上の電圧を出力できるように構成される。
【0054】
そして、コントローラ3は、高圧系統101の電圧が第3電圧以上である場合に、コンバータ接続部SW2,SW3の故障を判定する。これにより、制御装置1は、コンバータ接続部SW2,SW3の故障を正確に判定することができる。
【0055】
また、コントローラ3は、コンバータ接続部SW2,SW3の故障を正確に判定する前に、高圧バッテリB1が正常か異常かを判定する。このとき、高圧系統101の電圧は、高圧バッテリB1が正常であれば、正常な電圧(例えば、45V以上)まで上昇する。また、高圧系統101の電圧は、高圧バッテリB1が異常であれば、正常な電圧(例えば、45V以上)まで上昇しない。
【0056】
このため、コントローラ3は、高圧バッテリ接続部SW1を導通したとき、第1電圧センサV1によって検出される高圧系統101の電圧が正常な電圧以上である場合に、高圧バッテリB1を正常と判定する。コントローラ3は、第1電圧センサV1によって検出される高圧系統101の電圧が正常な電圧未満である場合に、高圧バッテリB1を異常と判定する。
【0057】
コントローラ3は、高圧バッテリB1を正常と判定した場合、コンバータ接続部SW2を遮断した状態で、第1電圧センサV1および第2電圧センサV2によって検出される電圧の差を算出する。
【0058】
そして、コントローラ3は、第1電圧センサV1および第2電圧センサV2によって検出される電圧の差が閾値(例えば、35V)以上であれば、コンバータ接続部SW2が適切に遮断されているので、コンバータ接続部SW2を正常と判定する。
【0059】
また、コントローラ3は、第1電圧センサV1および第2電圧センサV2によって検出される電圧の差が閾値(例えば、5V)未満であれば、コンバータ接続部SW2がON固着しているので、コンバータ接続部SW2を故障と判定する。
【0060】
その後、
図4に示すように、コントローラ3は、コンバータ接続部SW2を導通させる。そして、コントローラ3は、第1電圧センサV1および第2電圧センサV2によって検出される電圧の差を算出する。
【0061】
コントローラ3は、第1電圧センサV1および第2電圧センサV2によって検出される電圧の差が閾値(例えば、5V)未満であれば、コンバータ接続部SW2が適切に導通されているので、コンバータ接続部SW2を正常と判定する。
【0062】
また、コントローラ3は、第1電圧センサV1および第2電圧センサV2によって検出される電圧の差が閾値(例えば、35V)以上であれば、コンバータ接続部SW2がOFF固着しているので、コンバータ接続部SW2を故障と判定する。
【0063】
また、コントローラ3は、
図4に示す状態において、すなわちコンバータ接続部SW3を遮断した状態において、第3電圧センサV3および第4電圧センサV4によって検出される電圧の差を算出する。そして、コントローラ3は、コンバータ接続部SW3の故障判定を行う。
【0064】
コントローラ3は、第3電圧センサV3および第4電圧センサV4によって検出される電圧の差が閾値(例えば、10V)以上であれば、コンバータ接続部SW3が適切に遮断されているので、コンバータ接続部SW3を正常と判定する。
【0065】
また、コントローラ3は、第3電圧センサV3および第4電圧センサV4によって検出される電圧の差が閾値(例えば、5V)未満であれば、コンバータ接続部SW3がON固着しているので、コンバータ接続部SW3を故障と判定する。
【0066】
その後、コントローラ3は、コンバータ接続部SW3を導通させる。そして、コントローラ3は、第3電圧センサV3および第4電圧センサV4によって検出される電圧の差を算出する。
【0067】
コントローラ3は、第3電圧センサV3および第4電圧センサV4によって検出される電圧の差が閾値(例えば、5V)未満であれば、コンバータ接続部SW2が適切に導通されているので、コンバータ接続部SW3を正常と判定する。
【0068】
また、コントローラ3は、第3電圧センサV3および第4電圧センサV4によって検出される電圧の差が閾値(例えば、10V)以上であれば、コンバータ接続部SW2がOFF固着しているので、コンバータ接続部SW3を故障と判定する。
【0069】
このように、コントローラ3は、起動時に複数のコンデンサ161~164を直列接続にする。その後、コントローラ3は、高圧バッテリ接続部SW1を導通させて複数のコンデンサ161~164を高圧バッテリB1によって充電する。
【0070】
そして、コントローラ3は、高圧バッテリB1を正常と判定した場合、コンバータ接続部SW2,SW3の故障を判定する。これにより、制御装置1は、コンバータ接続部SW2,SW3の故障を正確に判定することができる。
【0071】
なお、コンバータ接続部SW2,SW3のうち、低圧側のコンバータ接続部SW3は、なくてもよい。その場合、コントローラ3は、高圧側のコンバータ接続部SW2の故障を判定する。
【0072】
次に、高圧バッテリB1が失陥して異常な状態である場合について説明する。高圧バッテリB1が異常な場合、高圧系統101の電圧は、コントローラ3がコンバータ接続部SW2の故障判定を行うために必要な最小限の電圧を下回るおそれがある。
【0073】
そこで、
図5に示すように、コントローラ3は、高圧バッテリB1を異常と判定した場合、平滑コンデンサ16に含まれる複数のコンデンサ161~164を並列接続にする。ここで、
図6および
図7を参照して、平滑コンデンサ16の構成例、および、コントローラ3による平滑コンデンサ16の制御例について説明図する。
【0074】
図6および
図7は、実施形態に係る平滑コンデンサ16の構成例、および、コントローラ3による平滑コンデンサ16の制御例を示す説明図である。
図6に示すように、平滑コンデンサ16は、コンデンサ161~164と、スイッチSW5~SW10とを備える。
【0075】
コンデンサ161~164は、前述したように、それぞれ12Vを蓄電可能である。スイッチSW5~SW10は、3個の端子を備える。スイッチSW5~SW10は、コントローラ3によって制御される。コントローラ3は、各スイッチSW5~SW10の3個の端子のうち、いずれか2個の端子を選択的に切り替えて接続する。
【0076】
コンデンサ161は、正極側の第1の端子がMG14、高圧バッテリB1、およびスイッチSW6に接続される。コンデンサ161は、負極側の第2の端子がスイッチSW5を介してグランドまたはスイッチSW6に接続される。
【0077】
コンデンサ162は、正極側の第1の端子がスイッチSW6およびスイッチSW8に接続される。コンデンサ162は、負極側の第2の端子がスイッチSW7を介してグランドまたはスイッチSW8に接続される。
【0078】
コンデンサ163は、正極側の第1の端子がスイッチSW8およびスイッチSW10に接続される。コンデンサ163は、負極側の第2の端子がスイッチSW9を介してグランドまたはスイッチSW10に接続される。コンデンサ164は、正極側の第1の端子がスイッチSW10に接続される。コンデンサ164は、負極側の第2の端子がグランドに接続される。
【0079】
コントローラ3は、コンデンサ161~164を直列に接続する場合、
図6に示すように、コンデンサ161の第2の端子とコンデンサ162の第1の端子とを接続するように、スイッチSW5およびスイッチSW6を制御する。また、コントローラ3は、コンデンサ162の第2の端子とコンデンサ163の第1の端子とを接続するように、スイッチSW7およびスイッチSW8を制御する。
【0080】
また、コントローラ3は、コンデンサ163の第2の端子とコンデンサ164の第1の端子とを接続するように、スイッチSW9およびスイッチSW10を制御する。これにより、コンデンサ161~164は、直列に接続される。
【0081】
また、コントローラ3は、コンデンサ161~164を並列に接続する場合、
図7に示すように、コンデンサ161~164の第1の端子同士を接続するように、スイッチSW6,SW8,SW10を制御する。
【0082】
また、コントローラ3は、コンデンサ161~164の第2の端子同士をグランドに接続するように、スイッチSW5,SW7,SW9を制御する。これにより、コンデンサ161~164は、並列に接続される。
【0083】
コントローラ3は、高圧バッテリB1を異常と判定した場合、こうしてコンデンサ161~164を並列に接続した後、
図5に示すように、プリチャージ接続部SW4を導通させる。これにより、複数の各コンデンサ161~164は、低圧バッテリB2が12Vの電圧を出力している場合、低圧バッテリB2によってそれぞれ12Vに充電される。
【0084】
このように、コントローラ3は、起動時に高圧バッテリB1を異常と判定した場合、DCDC17をバイパスして平滑コンデンサ16と低圧バッテリB2とを電気的に接続するプリチャージ接続部SW4を導通させる。これにより、制御装置1は、プリチャージ接続部SW4の遮断と導通とを切り替えることで、DCDC17をバイパスさせるか否かを簡単に切換できる。
【0085】
その後、コントローラ3は、給電システム100を
図3に示す状態にする。具体的には、コントローラ3は、プリチャージ接続部SW4を遮断する。そして、コントローラ3は、平滑コンデンサ16に含まれる複数のコンデンサ161~164を直列接続にする。
【0086】
これにより、平滑コンデンサ16の充電電圧は48Vになる。よって、平滑コンデンサ16は、高圧バッテリB1が異常な状態であっても、高圧系統101の電圧をコンバータ接続部SW2の故障判定に必要な所定電圧(例えば、40V)以上の電圧まで上昇させることができる。このため、コントローラ3は、高圧バッテリB1が正常な場合と同様の手順により、コンバータ接続部SW2,SW3の故障判定が可能になる。
【0087】
このように、コントローラ3は、起動時に高圧バッテリB1を異常と判定した場合、平滑コンデンサ16に含まれる複数のコンデンサ161~164を並列接続する。続いて、コントローラ3は、DCDC17を介さずに低圧バッテリB2によって複数のコンデンサ161~164を充電する。
【0088】
その後、コントローラ3は、複数のコンデンサ161~164を並列接続から直列接続にして、高圧系統101とDCDC17との間に接続されるコンバータ接続部SW2の故障を判定する。これにより、制御装置1は、高圧バッテリB1に異常が発生していても、コンバータ接続部SW2の正確な故障判定を行うことができる。
【0089】
[4.制御装置のコントローラが実行する処理]
次に、制御装置1のコントローラ3がコンバータ接続部SW2の故障判定を行う場合に実行する処理について、
図8を参照して説明する。
図8は、実施形態に係るコントローラが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0090】
コントローラ3は、IG19がオンされると、DCDC17の動作を開始させる前に、
図8に示す処理を実行する。具体的には、
図8に示すように、コントローラ3は、IG19がオンされると、まず、高圧バッテリ接続部SW1を導通させる(ステップS101)。
【0091】
続いて、コントローラ3は、高圧バッテリB1に失陥があるか否かを判定する(ステップS102)。例えば、コントローラ3は、電池監視装置18から入力される検出結果に基づいて、高圧バッテリB1に失陥があるか否かを判定する。
【0092】
コントローラ3は、高圧バッテリB1の電圧およびSOCの値が正常値の範囲内である場合に、高圧バッテリB1に失陥がないと判定する。コントローラ3は、高圧バッテリB1の電圧およびSOCが正常値の範囲外である場合に、高圧バッテリB1に失陥があると判定する。
【0093】
電圧の正常値の範囲は、例えば、45V以上の範囲である。SOCの値の正常値の範囲は、例えば、75%以上の範囲である。なお、電圧の正常値の範囲は、45V以上に限定されるものではない。SOCの値の正常値の範囲は、75%以上に限定されるものではない。
【0094】
コントローラ3は、高圧バッテリB1に失陥がないと判定した場合(ステップS102,No)、処理をステップS108へ移す。コントローラ3は、高圧バッテリB1に失陥有と判定した場合(ステップS102,Yes)、平滑コンデンサ16に含まれる複数のコンデンサ161~164を並列接続にする(ステップS103)。
【0095】
続いて、コントローラ3は、プリチャージ接続部SW4を導通させ(ステップS104)、DCDC17を介さずに、低圧バッテリB2によって平滑コンデンサ16の各コンデンサ161~164を充電する。
【0096】
続いて、コントローラ3は、並列接続されたコンデンサ161~164の充電完了をまって、コンデンサ161~164を並列接続から直列接続にする(ステップS105)。コンデンサ161~164の充電が完了したか否かは、第1電圧センサV1が12Vを検出するか、あるいは満充電に要する予め定めた時間が経過したか否かで判定すればよい。その後、コントローラ3は、プリチャージ接続部SW4を遮断する(ステップS106)。
【0097】
そして、コントローラ3は、高圧系統101の電圧、すなわち第1電圧センサV1の検出電圧が所定電圧以上か否かを判定する(ステップS107)。所定の電圧は、低圧バッテリB2が出力可能な最大の第2電圧以上の第3電圧である。
【0098】
第3電圧は、コンバータ接続部SW2の故障判定を行うために最小限必要な高圧系統101の電圧である。第3電圧は、例えば、40Vである。なお、第3電圧は、40Vに限定されるものではない。
【0099】
コントローラ3は、高圧系統101の電圧が所定電圧以上でないと判定した場合(ステップS107,No)、処理をステップS103へ移す。コントローラ3は、高圧系統101の電圧が所定電圧以上であると判定した場合(ステップS107,Yes)、コンバータ接続部SW2のON固着判定を行う(ステップS108)。
【0100】
具体的には、コントローラ3は、コンバータ接続部SW2を遮断状態にして、第1電圧センサV1および第2電圧センサV2によって検出される電圧の差を算出する。そして、コントローラ3は、算出した電圧の差が閾値未満であれば、コンバータ接続部SW2がON固着していると判定する。また、コントローラ3は、算出した電圧の差が閾値以上であれば、コンバータ接続部SW2がON固着していないと判定する。
【0101】
その後、コントローラ3は、コンバータ接続部SW2を導通状態にする(ステップS109)。そして、コントローラ3は、コンバータ接続部SW2のOFF固着判定を行う(ステップS110)。
【0102】
具体的には、コントローラ3は、コンバータ接続部SW2を導通状態にして、第1電圧センサV1および第2電圧センサV2によって検出される電圧の差を算出する。そして、コントローラ3は、算出した電圧の差が閾値未満であれば、コンバータ接続部SW2がOFF固着していないと判定する。また、コントローラ3は、算出した電圧の差が閾値以上であれば、コンバータ接続部SW2がOFF固着していると判定する。
【0103】
その後、コントローラ3は、コンバータ接続部SW2が正常か否かを判定する(ステップS111)。コントローラ3は、コンバータ接続部SW2がON固着しておらず、かつ、コンバータ接続部SW2がOFF固着していない場合に、コンバータ接続部SW2を正常と判定する。コントローラ3は、コンバータ接続部SW2がON固着またはOFF固着している場合には、コンバータ接続部SW2を正常でないと判定する。
【0104】
コントローラ3は、コンバータ接続部SW2を正常でないと判定した場合(ステップS111,No)、処理を終了する。コントローラ3は、コンバータ接続部SW2を正常であると判定した場合(ステップS111,Yes)、コンバータ接続部SW2を導通し、IG19がオフされるまでDCDC17を通常制御する(ステップS112)。つまり、コントローラ3は、車両の状況に応じて、DCDC17を昇圧動作または降圧動作させる。そして、コントローラ3は、IG19がオフされると処理を終了する。
【0105】
なお、
図8のフローチャートでは、低圧側のコンバータ接続部SW3を設けない場合について説明した。コンバータ接続部SW3も設け、そのON固着判定処理とOFF固着判定処理を行う場合は、ステップS110の後にステップS108~S110と同様の処理を追加すればよい。その場合、コンバータ接続部SW2、SW3の両方が正常の場合、コンバータ接続部SW2、SW3を導通し、IG19がオフされるまでDCDC17を通常制御する。
【0106】
[5.付記]
付記として、本発明の特徴を以下の通り示す。
(1)
発電機と平滑コンデンサと第1電圧を出力可能な高圧バッテリとを含む高圧系統と、前記第1電圧よりも低い第2電圧を出力可能な低圧バッテリを含む低圧系統との間に接続されるDCDCコンバータを制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
起動時に前記高圧バッテリを異常と判定した場合、前記平滑コンデンサに含まれる複数のコンデンサを並列接続にし、前記DCDCコンバータを介さずに前記低圧バッテリによって前記複数のコンデンサを充電し、
前記複数のコンデンサを並列接続から直列接続にして、前記高圧系統と前記DCDCコンバータとの間に接続されるコンバータ接続部の故障を判定する、制御装置。
(2)
前記コントローラは、
起動時に前記高圧バッテリを異常と判定した場合、前記DCDCコンバータをバイパスして前記平滑コンデンサと前記低圧バッテリとを接続するプリチャージ接続部を導通させる、前記(1)に記載の制御装置。
(3)
前記平滑コンデンサは、前記複数のコンデンサが直列接続にされた状態において、少なくとも前記第2電圧よりも高い第3電圧以上の電圧を出力できるように構成され、
前記コントローラは、前記高圧系統の電圧が前記第3電圧以上である場合に、前記コンバータ接続部の故障を判定する、前記(1)または(2)に記載の制御装置。
(4)
前記コントローラは、
起動時に前記複数のコンデンサを直列接続にし、
前記高圧バッテリと前記平滑コンデンサとを接続する高圧バッテリ接続部を導通させて前記複数のコンデンサを前記高圧バッテリによって充電し、
前記高圧バッテリを正常と判定した場合、前記コンバータ接続部の故障を判定する、前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の制御装置。
(5)
発電機と平滑コンデンサと第1電圧を出力可能な高圧バッテリとを含む高圧系統と、前記第1電圧よりも低い第2電圧を出力可能な低圧バッテリを含む低圧系統との間に接続されるDCDCコンバータを制御するコントローラが、
起動時に前記高圧バッテリを異常と判定した場合、前記平滑コンデンサに含まれる複数のコンデンサを並列接続にし、前記DCDCコンバータを介さずに前記低圧バッテリによって前記複数のコンデンサを充電し、
前記複数のコンデンサを並列接続から直列接続にして、前記高圧系統と前記DCDCコンバータとの間に接続されるコンバータ接続部の故障を判定する、故障判定方法。
【0107】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 制御装置
3 コントローラ
10 エンジン
11 T/M
12 スタータ
13 電気負荷
14 MG
15 INV
16 平滑コンデンサ
17 DCDC
18 電池監視装置
19 IG
21 プロペラシャフト
22 プーリ
23 回転軸
24 プーリ
25 ベルト
100 給電システム
101 高圧系統
102 低圧系統
161~164 コンデンサ
B1 高圧バッテリ
B2 低圧バッテリ
SW1 高圧バッテリ接続部
SW2,SW3 コンバータ接続部
SW4 プリチャージ接続部
V1 第1電圧センサ
V2 第2電圧センサ
V3 第3電圧センサ
V4 第4電圧センサ