(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077421
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】情報提供システム及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240531BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189511
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(71)【出願人】
【識別番号】521467087
【氏名又は名称】トヨタ・コニック・アルファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】南井 享
(72)【発明者】
【氏名】中川 祐
(72)【発明者】
【氏名】野宗 智仁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 毅
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】デバイスに応じて適切な情報を提供することが可能な情報提供システム及び情報提供方法を提供する。
【解決手段】第1デバイスに提供する配信情報を、配信情報に対応する属性に関する属性情報と対応付けて所定の装置から取得する配信情報取得部と、第1デバイスに提供済みの配信済み情報を第1デバイスから取得する配信済み情報取得部と、配信情報及び配信済み情報に基づいて、配信情報のうち、第1デバイスに提供されていない配信情報を、第1デバイスに提供する配信情報提供部と、を備える情報提供システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1デバイスに提供する配信情報を、前記配信情報に対応する属性に関する属性情報と対応付けて所定の装置から取得する配信情報取得部と、
前記第1デバイスに提供済みの配信済み情報を前記第1デバイスから取得する配信済み情報取得部と、
前記配信情報及び前記配信済み情報に基づいて、前記配信情報のうち、前記第1デバイスに提供されていない配信情報を、前記第1デバイスに提供する配信情報提供部と、
を備える情報提供システム。
【請求項2】
前記属性情報は、前記配信情報に対応する階層に関する階層情報を含み、
前記配信情報提供部は、前記配信情報を、前記階層に対応する装置を経由して、前記第1デバイスに提供する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
所定の装置から、前記第1デバイスに関する第1デバイス情報を取得するデバイス情報取得部と、
前記第1デバイス情報に基づいて、複数のエッジサーバのうち前記第1デバイスが接続する少なくとも1つのエッジサーバの候補に関する第1エッジ候補情報を生成するエッジ候補設定部と、
前記少なくとも1つのエッジサーバの候補に対し、前記第1デバイスとの接続のための準備を指示するための接続準備信号を送信する準備指示部と、
をさらに備える請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記配信情報提供部は、前記配信情報を、前記少なくとも1つのエッジサーバの候補を経由して、前記第1デバイスに提供する、
請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記第1デバイス情報に基づいて、前記第1デバイスの移動方向を予測するデバイス移動予測部をさらに備え、
前記エッジ候補設定部は、前記予測の結果にさらに基づいて、前記第1エッジ候補情報を生成する、
請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項6】
所定の装置から、前記第1デバイスのユーザに関するユーザ情報を取得するユーザ情報取得部をさらに備え、
前記デバイス移動予測部は、前記ユーザ情報にさらに基づいて、前記第1デバイスの移動方向を予測する、
請求項5に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記第1デバイスと、前記第1デバイスとは異なる第2デバイスとの関係に関するデバイス連携情報を生成するデバイス連携部をさらに備え、
前記準備指示部は、前記デバイス連携情報に基づいて、前記少なくとも1つのエッジサーバの候補に対し、前記第2デバイスとの接続のための準備を指示する接続準備信号を送信する、
請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記第1エッジ候補情報、及び前記第1デバイスとは異なる第2デバイスにおける前記第1エッジ候補情報に対応する第2エッジ候補情報に基づいて、エッジサーバよりも上位の階層にある少なくとも1つのフォグサーバであって、前記第1エッジ候補情報及び前記第2エッジ候補情報のそれぞれが示すエッジサーバの候補と接続可能な少なくとも1つのフォグサーバの候補に関するフォグ候補情報を生成するフォグ候補設定部をさらに備え、
前記準備指示部は、前記少なくとも1つのフォグサーバの候補に対し、前記第1エッジ候補情報及び前記第2エッジ候補情報のそれぞれが示すエッジサーバの候補との接続のための準備を指示する接続準備信号を送信する、
請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項9】
第1デバイスに提供する配信情報を、前記配信情報に対応する属性に関する属性情報と対応付けて所定の装置から取得し、
前記第1デバイスに提供済みの配信済み情報を前記第1デバイスから取得し、
前記配信情報及び前記配信済み情報に基づいて、前記配信情報のうち、前記第1デバイスに提供されていない配信情報を、前記第1デバイスに提供する、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の装置から取得される情報のうち、所定のデバイスに提供する必要がある適切な情報を、当該所定のデバイスに提供するシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されているデータ更新装置は、ナビゲーション用データのうちの更新対象となる対象データを指定するための更新情報に基づいて更新用データを取得し、当該更新用データに基づき対象データを更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている装置では、デバイスごとに情報の保有状況が異なる場面におけるデータ更新処理については考慮されていない。そのため、デバイスごとに情報の保有状況が異なる場面において、それぞれのデバイスに適した情報を提供することができない。
【0006】
そこで、本発明は、デバイスに応じて適切な情報を提供することが可能な情報提供システム及び情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報提供システムは、第1デバイスに提供する配信情報を、配信情報に対応する属性に関する属性情報と対応付けて所定の装置から取得する配信情報取得部と、第1デバイスに提供済みの配信済み情報を第1デバイスから取得する配信済み情報取得部と、配信情報及び配信済み情報に基づいて、配信情報のうち、第1デバイスに提供されていない配信情報を、第1デバイスに提供する配信情報提供部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報提供方法は、第1デバイスに提供する配信情報を、配信情報に対応する属性に関する属性情報と対応付けて所定の装置から取得し、第1デバイスに提供済みの配信済み情報を第1デバイスから取得し、配信情報及び配信済み情報に基づいて、配信情報のうち、第1デバイスに提供されていない配信情報を、第1デバイスに提供する。
【0009】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」又は装置が有する機能が2つ以上の物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されても、2つ以上の「部」又は装置の機能が1つの物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、デバイスに応じて適切な情報を提供することが可能な情報提供システム及び情報提供方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態である情報提供システム100における処理の概要を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態である情報提供システム100の構成を示す図である。
【
図3】記憶部110に記憶される配信情報の例を示す図である。
【
図4】記憶部110に記憶されるデバイス情報の例を示す図である。
【
図5】記憶部110に記憶されるユーザ情報の例を示す図である。
【
図6】記憶部110に記憶されるエッジ候補情報の例を示す図である。
【
図7】記憶部110に記憶される配信済み情報の例を示す図である。
【
図8】記憶部110に記憶されるデバイス連携情報の例を示す図である。
【
図9】記憶部110に記憶されるフォグ候補情報の例を示す図である。
【
図10】複数のデバイスのエッジ候補情報に対応するフォグ候補情報を設定する場合の適用例の模式図を示す図である。
【
図11】情報提供システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】情報提供システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である情報提供システム100における処理の概要を示す図である。
【0013】
情報提供システム100は、例えば、エッジサーバ及びフォグサーバを含む。ここで、エッジサーバは、ユーザが利用するデバイスと接続するサーバである。フォグサーバは、エッジサーバとセンターサーバとの間の通信を行うサーバである。
【0014】
なお、センターサーバは、例えば、所定のコンピュータ処理を行うためのプログラム又はデータを記憶するデータ記憶装置を備える中央管理サーバである。
【0015】
エッジサーバ、フォグサーバ、センターサーバは、それぞれ所定の情報処理を行うことができる。すなわち、例えば、フォグサーバで対応可能な処理の場合は、フォグサーバは、センターサーバとの通信をすることなく、当該フォグサーバにおいて処理することができ、また、必要に応じてエッジサーバを介してデバイスに処理結果を提供することができる。これにより、処理内容に応じて適切なサーバ層で処理することで、処理の効率化を図り、例えば、通信速度の向上又は通信の安定性の向上を実現することができる。
【0016】
なお、エッジサーバとセンターサーバとの間には、複数のフォグサーバがあってもよい。この場合、例えば、より上位のフォグサーバは、より広域のエリアに対応するフォグサーバであり、より下位のフォグサーバは、より狭域のエリアに対応するフォグサーバであってもよい。
【0017】
また、1つのデバイスが複数のエッジサーバと接続してもよく、1つのエッジサーバが複数のデバイスと接続してもよい。また、1つのエッジサーバが複数のフォグサーバと接続してもよく、1つのフォグサーバが複数のエッジサーバと接続してもよい。また、1つのフォグサーバが複数のセンターサーバと接続してもよく、1つのセンターサーバが複数のフォグサーバと接続してもよい。
【0018】
情報提供システム100は、所定の装置から取得される配信情報と、デバイスから取得されるデバイスに提供済みの配信済み情報とに基づいて、配信情報のうち、デバイスに提供されていない配信情報を、デバイスに提供する情報処理システムである。
【0019】
また、情報提供システム100は、デバイスの移動方向を予測して、デバイスの移動方向に対応するエッジサーバに対し、デバイスとの接続の準備を指示する接続準備信号を送信することができる。
【0020】
まず、情報提供システム100(例えば、フォグサーバ)が、所定の装置(例えば、センターサーバ)から配信情報を取得する(S101)。情報提供システム100(特に、例えば、エッジサーバ)が、デバイスからデバイス情報を取得する(S102)。続いて、情報提供システム100(例えば、エッジサーバ)が、配信情報のうち、デバイスに提供されていない配信情報をデバイスに提供する(S103)。
【0021】
また、情報提供システム100は、デバイスに関するデバイス情報を取得して、デバイスの移動方向を予測することができる(S104)。そして、情報提供システム100は、デバイスの移動方向に対応するエッジサーバに対し、デバイスとの接続の準備を指示する接続準備信号を送信することができる(S105)。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態である情報提供システム100の構成を示す図である。情報提供システム100は、配信情報管理システム200、デバイス情報管理システム300、ユーザ情報管理システム400、第1デバイス500、及び第2デバイス600とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。情報提供システム100の詳細については、後述する。
【0023】
配信情報管理システム200は、情報提供システム100がデバイス(例えば、第1デバイス500及び第2デバイス600)に提供する配信情報を管理し、情報提供システム100に提供する情報処理システムである。
【0024】
配信情報管理システム200は、例えば、ニュース情報を管理するニュース情報管理システム、交通情報を管理する交通情報管理システム、広告情報を管理する広告情報管理システム、又はプログラムの実行若しくは更新に関するプログラム情報を管理するプログラム情報管理システムであってもよい。また、配信情報管理システム200は、ニュース情報管理システム、交通情報管理システム、広告情報管理システム、及びプログラム情報管理システムの少なくともいずれかから、ニュース情報、交通情報、広告情報、及びプログラム情報の少なくともいずれかを取得して管理する情報処理システムであってもよい。また、配信情報管理システム200は、配信情報の提供元から、配信情報の設定を受け付けて、当該受け付けた配信情報を管理してもよい。
【0025】
デバイス情報管理システム300は、デバイスに関するデバイス情報を管理し、デバイス情報を情報提供システム100に提供する情報処理システムである。
【0026】
デバイス情報管理システム300は、例えば、デバイスの製造メーカの情報処理システムであってもよく、また、デバイスの事故、故障、又は修理に関する処理を行う事業者(例えば、保険業者、修理業者等)の情報処理システムであってもよい。
【0027】
ユーザ情報管理システム400は、デバイスを利用するユーザに関するユーザ情報を管理し、ユーザ情報を情報提供システム100に提供する情報処理システムである。
【0028】
ユーザ情報管理システム400は、例えば、デバイスの事故、修理又は故障に関する処理を行う事業者(例えば、保険業者、修理業者等)の情報処理システムであってもよく、また、ユーザの購買行動に関する購買情報を管理する事業者(例えば、決済事業者、クレジットカード事業者、EC事業者等)の情報処理システムであってもよい。
【0029】
デバイス(例えば、第1デバイス500、第2デバイス600)は、例えば、自動車若しくはドローン等の移動体、又は携帯電話若しくはスマートフォン等、情報提供システム100と通信可能な装置である。
【0030】
ここで、第1デバイス500及び第2デバイス600は、それぞれ異なるデバイスである。なお、第1デバイス500及び第2デバイス600は、同一種類のデバイスであってもよく、それぞれ異なる種類のデバイスであってもよい。第1デバイス500及び第2デバイス600に対応するユーザは、同一のユーザであってもよく、それぞれ異なるユーザであってもよい。
【0031】
なお、
図2において、配信情報管理システム200、デバイス情報管理システム300、ユーザ情報管理システム400は、それぞれ1つずつ示されているが、それぞれ複数の配信情報管理システム200、デバイス情報管理システム300、ユーザ情報管理システム400であってもよい。また、配信情報管理システム200、デバイス情報管理システム300、及びユーザ情報管理システム400は、それぞれ異なる情報処理システムであってもよく、また、同一の情報処理システムが、配信情報管理システム200、デバイス情報管理システム300、及びユーザ情報管理システム400の機能のうち、複数の機能を備えてもよい。
【0032】
また、デバイスとして、第1デバイス500及び第2デバイス600の2つが示されているが、デバイスの数はこれに限られない。
【0033】
続いて、情報提供システム100の詳細について説明する。情報提供システム100は、記憶部110、配信情報取得部115、デバイス情報取得部120、ユーザ情報取得部125、デバイス移動予測部130、エッジ候補設定部135、準備指示部140、配信済み情報取得部145、配信情報提供部150、デバイス連携部155、フォグ候補設定部160を備える。
図2に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0034】
記憶部110は、情報提供システム100において処理される情報を記憶する。記憶部110は、例えば、後述する、配信情報、デバイス情報、ユーザ情報、エッジ候補情報、配信済み情報、デバイス連携情報、フォグ候補情報を記憶することができる。
【0035】
配信情報取得部115は、デバイスに提供する配信情報を、配信情報に対応する属性に関する属性情報と対応付けて所定の装置から取得し、記憶部110に格納する。
【0036】
配信情報は、デバイスに提供する任意の情報であり、例えば、ニュース情報、交通情報、広告情報、特典情報、マーケティング情報であってもよい。また、配信情報は、プログラムを更新するための更新情報、プログラムを実行するための実行情報であってもよい。
【0037】
属性情報は、配信情報に対応する属性に関する情報であり、例えば、配信情報の配信元に関する配信元情報、作成日時又は更新日時を示す日時情報、内容を示す内容情報を含む。
【0038】
また、属性情報は、データの更新状況を示すバージョン情報を含んでもよい。これにより、情報提供システム100は、配信情報の更新状況を判断して、デバイスに提供することができる。
【0039】
また、属性情報は、配信情報に対応するエリアに関するエリア情報を含んでもよい。すなわち、例えば、配信情報が特定のエリアにおける交通情報である場合、当該配信情報は、当該特定のエリアを示すエリア情報を含んでもよい。これにより、情報提供システム100は、例えば、特定のエリアに位置するデバイスに、適切な情報を提供することができる。
【0040】
また、属性情報は、配信情報に対応する階層に関する階層情報を含んでもよい。ここで、階層は、例えば、配信情報を処理するサーバ又は機能部の階層を示す。階層は、例えば、情報提供システム100に含まれるサーバ(例えば、フォグサーバ、エッジサーバ)又は情報提供システム100と接続するサーバ(例えば、センターサーバ)の階層に対応してもよい。
【0041】
具体的には、第1階層に対応する配信情報は、例えば、第1階層に対応するサーバ又は機能部がアクセス可能な記憶装置に格納され、第1階層に対応するサーバ又は機能部によって、所定の処理がなされてもよい。センターサーバ層に対応する配信情報は、センターサーバがアクセス可能な記憶装置に格納され、センターサーバを介して、所定の処理がなされてもよい。
【0042】
また、階層情報は、配信情報の配信元に応じた情報であってもよい。すなわち、所定の配信元による配信情報が、所定の階層を示す階層情報と対応付けられてもよい。具体的には、例えば、デバイスの製造メーカから提供される配信情報は、センターサーバ層に対応する階層情報と対応付けられてもよい。
【0043】
すなわち、この場合は、予め、所定の階層が、所定の配信元に割り当てられている。これにより、階層情報に基づいて、配信情報の配信元を特定することができ、階層に応じた処理を行うことで、配信情報の配信元に応じた処理を実現することができる。
【0044】
また、階層情報は、配信情報の内容に応じた情報であってもよい。すなわち、所定の内容の配信情報が、所定の階層を示す階層情報と対応付けられてもよい。具体的には、例えば、デバイスのオペレーションシステムに関する配信情報は、センターサーバ層に対応する階層情報と対応付けられてもよい。
【0045】
すなわち、この場合は、予め、所定の階層が、所定の内容に割り当てられている。これにより、階層情報に基づいて、配信情報の内容を特定することができ、階層に応じた処理を行うことで、配信情報の内容に応じた処理を実現することができる。
【0046】
配信情報取得部115が配信情報を取得する所定の装置は、特に限定されないが、例えば、配信情報管理システム200であってもよい。
【0047】
図3は、記憶部110に記憶される配信情報の例を示す図である。記憶部110に記憶される配信情報は、例えば、配信情報ID、属性情報、内容情報を含み、属性情報は、例えば、配信元情報、日時情報、階層情報を含む。ここで、配信情報IDは、記憶部110に記憶される配信情報を識別する識別情報である。
【0048】
デバイス情報取得部120は、所定の装置から、デバイスに関するデバイス情報を取得し、記憶部110に格納する。
【0049】
デバイス情報は、例えば、デバイスの種別に関する種別情報を含む。種別情報は、例えば、「自動車」、「ドローン」、「スマートフォン」であってもよい。また、デバイスは、ユーザの操作によって移動するものであってもよく、自動運転によって自律的に移動するものであってもよい。
【0050】
また、デバイス情報は、例えば、デバイスの使用履歴、デバイスにインストールされているアプリケーションの使用履歴、デバイスの行動履歴、デバイスの事故、故障、又は修理の履歴に関する履歴情報を含む。
【0051】
デバイスの行動履歴に関する情報は、例えば、デバイスが移動した経路、当該経路の移動に要した時間、経路中で停止(例えば、駐停車)した場所、停止時間に関する情報を含む。デバイスの事故、故障、又は修理に関する情報は、例えば、事故、故障又は修理したデバイス上の箇所、事故又は故障が発生した経路上の場所及び日時に関する情報を含む。
【0052】
また、デバイス情報は、例えば、デバイスの現在地に関する現在地情報、及びデバイスの目的地に関する目的地情報を含む。なお、デバイス情報は、現在地情報及び目的地情報のいずれかのみを含んでもよい。
【0053】
現在地情報は、例えば、デバイスに備わるGPS(Global Positioning System)装置によって取得される経緯度を示す情報であってもよく、当該経緯度情報に対応する住所又は所定の座標を示す情報であってもよい。目的地情報は、経緯度を示す情報、住所を示す情報、又は所定の座標を示す情報であってもよい。
【0054】
デバイス情報取得部120がデバイス情報を取得する所定の装置は、特に限定されないが、例えば、デバイス情報管理システム300又はデバイスであってもよい。
【0055】
図4は、記憶部110に記憶されるデバイス情報の例を示す図である。デバイス情報は、例えば、デバイスID、種別情報、履歴情報、現在地情報、目的地情報を含む。
【0056】
デバイスIDは、デバイス情報に対応するデバイスを識別するデバイス識別情報である。デバイスIDは、例えば、国際移動体装置識別番号、車両識別番号、製造番号に応じて付与される識別情報であってもよい。
【0057】
ユーザ情報取得部125は、所定の装置から、デバイスのユーザに関するユーザ情報を取得する。
【0058】
ユーザ情報は、例えば、ユーザの属性に関するユーザ属性情報を含む。ユーザ属性情報は、例えば、年齢に関する年齢情報、性別に関する性別情報、住所に関する住所情報、家族構成に関する家族情報、購買行動に関する購買情報を含む。購買情報は、例えば、ユーザが商品を購入した日時、店舗、購入した商品、価格に関する情報である。
【0059】
ユーザ情報取得部125は、所定の装置から、ユーザ情報を取得することができる。ここで、所定の装置は、特に限定されないが、例えば、ユーザ情報管理システム400又はデバイスから取得してもよい。
【0060】
ユーザ情報取得部125は、ユーザ情報提供におけるユーザの同意に関する同意情報に基づいて、ユーザ情報を取得してもよい。すなわち、この場合、ユーザ情報取得部125は、同意情報の範囲内(すなわち、ユーザがユーザ情報の提供を同意した範囲内)のユーザ情報を取得する。これにより、情報提供システム100は、ユーザが同意したユーザ情報の範囲内で、情報提供処理を行うことができる。
【0061】
図5は、記憶部110に記憶されるユーザ情報の例を示す図である。記憶部110に記憶されるユーザ情報は、例えば、ユーザID、デバイスID、ユーザ属性情報を含む。ユーザ属性情報は、例えば、年齢情報、性別情報、住所情報、家族情報、購買情報を含む。ユーザIDは、ユーザ情報に対応するユーザを識別するユーザ識別情報である。
【0062】
デバイス移動予測部130は、デバイス情報に基づいて、デバイスの移動方向を予測する。デバイス移動予測部130が予測するデバイスの移動方向は、例えば、デバイスが移動する経路であってもよく、また、所定の時刻において当該デバイスが位置する経路上の場所であってもよい。
【0063】
なお、ここで、「時刻」は、所定の時刻(例えば、「9時10分」)を示す情報であってもよく、所定の時刻からの相対的な時刻(例えば、「5分後」等)を示す情報であってもよい。また、「場所」は、特定の地点の座標を示す情報でなくてもよく、特定の範囲(例えば、特定の地点の半径100メートル圏内、又は特定の地域)を示す情報であってもよい。
【0064】
デバイス移動予測部130は、例えば、デバイス情報に含まれる現在地情報及び目的地情報に基づいて、デバイスの移動方向を予測することができる。
【0065】
具体的には、デバイス移動予測部130は、現在地情報が示す現在地と、目的地情報が示す目的地とを結ぶ経路(例えば、最短経路)又は所定の時刻におけるデバイスの経路上の位置を、デバイスの移動方向として予測することができる。
【0066】
またデバイス移動予測部130は、例えば、デバイス情報に含まれる履歴情報に基づいて、デバイスの移動方向を予測することができる。
【0067】
具体的には、デバイス移動予測部130は、当該デバイスが過去に同一目的地に移動したことがある場合、過去と同一の経路で当該目的地に移動すると予測することができる。また、その際、同一の施設(例えば、施設の駐車場、コインパーキング、路上、道の駅、サービスエリア、パーキングエリア等の駐車施設、ガソリンスタンド、デバイスの充電施設等)を経由することを予測してもよい。
【0068】
また、デバイス移動予測部130は、当該デバイスが、事故又は故障を起こした経路上の場所を避けて目的地に向かうことを予測してもよい。また、デバイス移動予測部130は、履歴情報に基づいて、自動車であるデバイスが高速道路を通らないと判断される場合、当該デバイスは、一般道を移動すると予測してもよい。
【0069】
また、デバイス移動予測部130は、ユーザ情報にさらに基づいて、デバイスの移動方向を予測することができる。
【0070】
具体的には、デバイス移動予測部130は、ユーザ情報に含まれる年齢情報に基づいて、デバイスが自動車である場合、若年層ほど高速度で移動すると予測してもよい。また、デバイス移動予測部130は、ユーザ情報に含まれる家族情報に基づいて、小さい子どもがいるユーザは、高い頻度で休憩を取ること、また、子ども向けの施設がある休憩所を利用することを予測してもよい。
【0071】
また、デバイス移動予測部130は、ユーザ情報に含まれる購買情報に基づいて、ユーザが頻繁に利用する店舗又は地域を、デバイスが通過すると予測してもよい。
【0072】
なお、デバイス移動予測部130による予測の精度は、デバイスが移動する具体的な道路を特定する程度に精緻である必要はなく、例えば、デバイスと接続するエッジサーバを特定可能な程度の精度であればよい。すなわち、当該精度は、例えば、エッジサーバのカバーしているエリアの範囲に対応する精度であってもよい。
【0073】
言い換えれば、デバイス移動予測部130による予測結果は、例えば、デバイスが移動する具体的な経路であってもよく、また、例えば、デバイスが通過する確率に応じたヒートマップであってもよい。また、デバイス移動予測部130による予測結果は、例えば、所定の時刻におけるデバイスの経路上の具体的な地点であってもよく、また、例えば、地点ごとの、所定の時刻におけるデバイスが位置する確率に応じたヒートマップであってもよい。
【0074】
また、デバイス移動予測部130は、デバイスの移動に応じて、再度、デバイスの移動方向を予測してもよい。すなわち、例えば、デバイスが予測された移動方向とは異なる方向に移動したと判断された場合に、デバイス移動予測部130は、再度、デバイスの移動方向を予測し、予測結果を更新する。これにより、情報提供システム100は、デバイスの移動に応じて、柔軟にデバイスの移動方向を予測することができる。
【0075】
エッジ候補設定部135は、デバイス情報に基づいて、複数のエッジサーバのうちデバイスが接続する少なくとも1つのエッジサーバの候補に関するエッジ候補情報を生成し、記憶部110に格納する。
【0076】
エッジ候補情報が示す少なくとも1つのエッジサーバの候補は、例えば、今後、所定の時間内にデバイスと接続する可能性のあるエッジサーバである。
【0077】
エッジ候補設定部135は、例えば、デバイス情報に含まれる現在地情報に基づいて、現在地情報が示す現在地の周辺に位置するエッジサーバを、デバイスが接続するエッジサーバの候補とすることができる。
【0078】
エッジ候補設定部135は、例えば、デバイス情報に含まれる現在地情報及び目的地情報に基づいて、現在地情報が示す現在地から目的地情報が示す目的地までの間に位置するエッジサーバを、デバイスが接続するエッジサーバの候補とすることができる。
【0079】
また、エッジ候補設定部135は、デバイス移動予測部130による予測の結果にさらに基づいて、エッジ候補情報を生成することができる。
【0080】
具体的には、エッジ候補設定部135は、デバイス移動予測部130が予測した移動方向に移動するデバイスと接続する可能性のあるエッジサーバを、デバイスが接続するエッジサーバの候補とすることができる。
【0081】
また、エッジ候補設定部135は、エッジサーバの接続状況に関する接続状況情報にさらに基づいて、エッジ候補情報を生成することができる。これにより、情報提供システム100は、デバイスと接続する余力があるエッジサーバを、エッジ候補情報が示す少なくとも1つのエッジサーバの候補とすることができる。
【0082】
なお、ここで、接続状況情報は、例えば、各エッジサーバにおける現在又は将来において、時刻と、当該時刻において接続するデバイスの台数との対応関係に関する情報である。すなわち、接続状況情報は、例えば、現在又は将来における、各時刻における各エッジサーバの接続余力を示す。
【0083】
エッジ候補設定部135は、例えば、デバイスの移動先のエリアほど、高密度に、エッジサーバの候補を設定することができる。これにより、情報提供システム100は、デバイスの移動方向において、多くのエッジサーバの候補を設定することができる。
【0084】
また、エッジ候補設定部135は、例えば、デバイスの移動方向の予測確度が高いエリアほど、高密度に、エッジサーバの候補を設定することができる。これにより、デバイスが移動する可能性が高いエリアにおいて、多くのエッジサーバの候補を設定することができる。なお、デバイスの移動方向の予測確度が高いエリアは、例えば、デバイスの現在地に近いエリアであってもよい。
【0085】
また、エッジ候補設定部135は、例えば、デバイスの移動方向とは反対の方向においても、一定密度にエッジサーバの候補を設定することができる。これにより、デバイスの移動方向が突然変更した場合(例えば、デバイスのユーザが急に行き先を変更した場合又はユーザが経路を誤った場合)においても、情報提供システム100は、当該デバイスの移動に応じて、エッジサーバの候補を設定することができる。
【0086】
また、エッジ候補設定部135は、デバイスの移動方向が変更された場合、新たにエッジ候補情報を生成することができる。この場合、エッジ候補設定部135は、例えば、デバイス移動予測部130による予測結果が更新された場合に、デバイスの移動方向が変更されたと判断してもよい。これにより、情報提供システム100は、デバイスの最新の移動方向に応じて、エッジサーバの候補を設定することができる。
【0087】
図6は、記憶部110に記憶されるエッジ候補情報の例を示す図である。記憶部110に記憶されるエッジ候補情報は、例えば、エッジ候補情報ID、デバイスID、候補エッジIDを含む。
【0088】
エッジ候補情報IDは、記憶部110に記憶されるエッジ候補情報を識別する情報である。候補エッジIDは、エッジ候補設定部135によって設定された少なくとも1つのエッジサーバの候補を識別する情報である。
【0089】
準備指示部140は、エッジ候補情報が示す少なくとも1つのエッジサーバの候補に対し、デバイスとの接続のための準備を指示するための接続準備信号を送信する。
【0090】
接続準備信号を受信したエッジサーバは、デバイスとの接続のための準備を行う。ここで、エッジサーバにおけるデバイスとの接続のための準備は、例えば、デバイスとの接続に必要なデータを取得することであってもよい。
【0091】
準備指示部140は、エッジサーバの候補、すなわち、今後、デバイスが接続する可能性のあるエッジサーバに対し、接続準備信号を送信する。これにより、移動中のデバイスは、既に接続準備が行われた移動先のエッジサーバと、移動先において円滑に通信することができ、デバイスとエッジサーバとの通信が途切れることが回避される。特に、例えば、デバイスが自動運転車である場合、自動運転車とエッジサーバとの接続が維持されるため、自動運転のために必要なデータの送受信を途切れなく行うことが可能となり、より安全な自動運転が実現される。
【0092】
準備指示部140は、エッジ候補情報の生成に応じて、エッジサーバの候補全てに対し同時に接続準備信号を送信してもよく、また、デバイスの移動に伴ってデバイスから一定距離内に位置するようになったエッジサーバの候補から順に、接続準備信号を送信してもよい。また、準備指示部140は、デバイス移動予測部130による予測結果に応じて、所定の時刻(例えば、デバイスがエッジサーバから一定距離内に到達する時刻)になった場合に、所定のエッジサーバに接続準備信号を送信してもよい。これにより、情報提供システム100は、適切なタイミングで、適切なエッジサーバの候補に対し、接続準備信号を送信することができる。
【0093】
このように、情報提供システム100は、デバイスと接続する少なくとも1つのエッジサーバの候補を設定することで、デバイスの移動に応じて、デバイスと接続するエッジサーバ群を動的に設定することができる。そして、当該エッジサーバ群に接続可能なフォグサーバは、いわば、デバイスの移動に応じた動的なフォグサーバと捉えることができる。すなわち、情報提供システム100は、デバイスの移動に応じた動的なフォグサーバ層を設定することができる。
【0094】
配信済み情報取得部145は、デバイスに提供済みの配信済み情報をデバイスから取得し、記憶部110に格納する。
【0095】
配信済み情報は、デバイスに提供済み(すなわち、デバイスが取得済み)の配信情報に関する情報である。配信済み情報は、例えば、配信情報に対応する情報を含んでもよい。すなわち、配信済み情報は、例えば、配信元情報、日時情報、及び階層情報を含む属性情報、並びに内容情報を含んでもよい。
【0096】
図7は、記憶部110に記憶される配信済み情報の例を示す図である。記憶部110に記憶される配信済み情報は、例えば、配信情報ID、属性情報、内容情報を含む。属性情報は、配信元情報、日時情報、階層情報を含む。
【0097】
配信情報提供部150は、配信情報及び配信済み情報に基づいて、配信情報のうち、デバイスに提供されていない配信情報を、デバイスに提供する。
【0098】
配信情報提供部150は、例えば、配信情報及び配信済み情報に含まれる日時情報に基づいて、配信済み情報に含まれる日時情報が示す日時よりも新しい日時を示す日時情報を備える配信情報を、デバイスに提供されていない配信情報として、デバイスに提供することができる。これにより、情報提供システム100は、更新された配信情報を、デバイスに提供することができる。情報提供システム100は、デバイスごとに、デバイスに提供済みの情報が異なる場合であっても、デバイスごとに適切な配信情報を提供することができる。
【0099】
また、配信情報提供部150は、配信情報を、配信情報に含まれる階層情報が示す階層に対応する装置を経由して、デバイスに提供することができる。
【0100】
情報提供システム100において、取得された配信情報は、例えば、当該配信情報に対応する階層情報が示す階層のサーバがアクセス可能な記憶領域に格納される。すなわち、階層情報が示す階層がエッジサーバに対応する場合、エッジサーバは、当該配信情報にアクセスして、デバイスに提供可能である。すなわち、この場合、当該配信情報は、配信情報に含まれる階層情報が示す階層に対応する装置(この場合は、エッジサーバ)を経由して、デバイスに提供される。
【0101】
一方、階層情報が示す階層がフォグサーバに対応する場合、当該配信情報は、当該フォグサーバがアクセス可能な記憶領域に格納されている。そのため、例えば、エッジサーバは、当該配信情報の提供に際して、当該配信情報の提供要求を、当該フォグサーバに対して行う。そして、当該フォグサーバが、当該エッジサーバに、当該配信情報を提供し、さらに、当該エッジサーバが、当該配信情報をデバイスに提供する。すなわち、この場合、配信情報は、配信情報に含まれる階層情報が示す階層に対応する装置(この場合は、フォグサーバ)を経由して、デバイスに提供される。
【0102】
また、階層情報が示す階層がセンターサーバに対応する場合、当該配信情報は、当該センターサーバがアクセス可能な記憶領域に格納されている。そのため、例えば、エッジサーバは、当該配信情報の提供に際して、当該配信情報の提供要求を、フォグサーバに対して行い、フォグサーバが、エッジサーバからの要求に応じて、当該配信情報の提供要求を、センターサーバに対して行う。そして、当該センターサーバが当該フォグサーバに当該配信情報を提供し、当該フォグサーバが、当該エッジサーバに、当該配信情報を提供し、さらに、当該エッジサーバが、当該配信情報をデバイスに提供する。すなわち、この場合、配信情報は、配信情報に含まれる階層情報が示す階層に対応する装置(この場合は、センターサーバ)を経由して、デバイスに提供される。
【0103】
このように、配信情報提供部150は、階層情報に応じて、配信情報提供処理を行うことができる。すなわち、例えば、センターサーバ層に対応する配信情報は、センターサーバ層に問い合わせて、デバイスに提供する一方、例えば、エッジサーバ層又はフォグサーバ層に対応する配信情報は、センターサーバ層に問い合わせることなく、デバイスに提供する。これにより、情報提供システム100は、処理の無駄を排し、より効率良く、配信情報をデバイスに提供することができる。
【0104】
また、配信情報提供部150は、配信情報を、エッジ候補情報が示す少なくとも1つのエッジサーバの候補を経由して、デバイスに提供することができる。
【0105】
情報提供システム100において、取得された配信情報は、例えば、当該配信情報に含まれる属性情報が示す属性に対応するサーバがアクセス可能な記憶領域に格納される。例えば、属性が配信情報に対応する特定のエリアを示す場合、エリアAに関する配信情報は、エリアAをカバーするエッジサーバがアクセス可能な記憶領域に格納され、エリアBに関する配信情報は、エリアBをカバーするエッジサーバがアクセス可能な記憶領域に格納される。
【0106】
この場合において、デバイスの現在地(例えば、エリアA)に対応する現在地エッジサーバが、当該エッジサーバがカバーしていないエリア(例えば、当該所定のデバイスの目的地であり、例えば、エリアB)に対応する配信情報をデバイスに提供しようとする場合、例えば、現在地エッジサーバは、現在地エッジサーバ及び目的地エッジサーバと接続可能なフォグサーバに対し、当該配信情報の提供を要求する。当該フォグサーバは、目的地エッジサーバに当該配信情報の提供を要求し、目的地エッジサーバから取得される当該配信情報を、現在地エッジサーバに提供する。
【0107】
すなわち、この場合、配信情報は、配信情報に含まれる階層情報が示す階層に対応する装置(この場合は、エッジ候補情報が示す少なくとも1つのエッジサーバの候補)を経由し、デバイスに提供される。このように、エッジ候補情報が示すエッジサーバの候補のそれぞれは、情報提供システム100が設定する、いわば動的なフォグサーバ層を介して、互いに通信することができる。
【0108】
これにより、配信情報提供部150は、予測されるデバイスの移動方向にあるエッジサーバに対応する配信情報を、当該エッジサーバを経由して、当該デバイスが現在接続しているエッジサーバから提供することができ、デバイスのユーザは、移動先に対応する配信情報を事前に取得することができる。また、これにより、センターサーバ層との通信をせずに、エッジサーバ間での通信を実現することができる。
【0109】
次に、情報提供システム100による処理を、複数のデバイス(例えば、第1デバイス500及び第2デバイス600)に適用する場合の例について説明する。なお、ここでは、2つのデバイスに適用する場合について説明するが、情報提供システム100による処理は、3以上のデバイスに適用することができる。
【0110】
まず、近接する複数のデバイスに同一のエッジ候補情報を設定する適用例について説明する。
【0111】
第1デバイス500及び第2デバイス600が近接する位置を移動する場合、第1デバイス500及び第2デバイス600は、同一の経路を移動する場合がある。この場合、第1デバイスに対応する第1エッジ候補情報を、第2デバイスに対応する第2エッジ候補情報として設定することで、第2エッジ候補情報の生成処理を簡略化することができる。
【0112】
デバイス連携部155は、第1デバイスと第2デバイスとの関係に関するデバイス連携情報を生成し、記憶部110に格納する。
【0113】
ここで、第1デバイスと第2デバイスとの関係は、例えば、主従関係であってもよい。すなわち、例えば、第1デバイスが主デバイスである場合、第2デバイスは、第1デバイスに追従して移動することを示す。この場合、第1デバイスが予定の経路を外れた場合であっても、第2デバイスは、第1デバイスに追従する。
【0114】
また、第1デバイス500と第2デバイス600との関係は、例えば、限定的な主従関係であってもよい。すなわち、例えば、第1デバイスと第2デバイスが近接している場合は、第2デバイスは、第1デバイスに追従するが、例えば、第1デバイスと第2デバイスとが離れた場合又は第1デバイスが予定の経路を外れた場合、主従関係は解消され、第1デバイス及び第2デバイスはそれぞれ独立に移動する。
【0115】
なお、第1デバイス500と第2デバイス600との主従関係が解消される条件は、例えば、デバイスのユーザにおいて任意に設定することができる。第1デバイス500と第2デバイス600との主従関係が解消された場合、デバイス連携情報が更新されてもよい。
【0116】
なお、主従関係は解消され、第1デバイス及び第2デバイスはそれぞれ独立に移動する場合、第1デバイス及び第2デバイスのそれぞれにおいて、エッジ候補設定部135によるエッジ候補情報の生成処理がなされてもよい。
【0117】
図8は、記憶部110に記憶されるデバイス連携情報の例を示す図である。記憶部110に記憶されるデバイス連携情報は、例えば、デバイスID、デバイス関係情報を含む。
【0118】
デバイス連携情報が「第1デバイスを主とする」旨の情報である場合、エッジ候補設定部135は、第1デバイスに対応する第1エッジ候補情報を、第2デバイスに対応する第2エッジ候補情報としてもよい。これにより、エッジ候補設定部135は、第2エッジ候補情報の生成処理を簡略化することができる。
【0119】
準備指示部140は、デバイス連携情報に基づいて、第1エッジ候補情報が示す少なくとも1つのエッジサーバの候補に対し、第2デバイスとの接続のための準備を指示する接続準備信号を送信する。
【0120】
このように、情報提供システム100は、デバイス連携情報に基づいて、近接する第1デバイス500及び第2デバイス600を一体のデバイスとみなして、処理を行うことができる。そして、情報提供システム100は、近接する第1デバイス500及び第2デバイス600に、いわば動的なフォグ層を設定することができ、エッジサーバとの切れ目のない通信を実現することができる。
【0121】
また、この場合、第1デバイス500及び第2デバイス600は、当該動的なフォグ層を介して、接続していると捉えることができる。すなわち、第1デバイス500及び第2デバイス600は、特別な専用通信機器がなくとも、当該動的なフォグ層を介して、デバイス間通信をすることができる。
【0122】
続いて、複数のデバイスのエッジ候補情報に対応するフォグ候補情報を設定する場合の適用例について説明する。
【0123】
ここで、フォグ候補情報は、エッジサーバよりも上位の階層にある少なくとも1つのフォグサーバであって、第1エッジ候補情報及び第2エッジ候補情報のそれぞれが示すエッジサーバの候補と接続可能な少なくとも1つのフォグサーバの候補に関する情報である。
【0124】
フォグ候補設定部160は、第1エッジ候補情報及び第2エッジ候補情報に基づいて、フォグ候補情報を生成し、記憶部110に格納する。
【0125】
すなわち、フォグ候補情報が示す少なくとも1つのフォグサーバの候補は、例えば、今後、所定の時間内に、デバイスと接続可能なエッジサーバの候補と接続可能なフォグサーバの候補である。つまり、フォグ候補情報が示す少なくとも1つのフォグサーバの候補は、デバイスの移動に応じたエッジサーバの候補と接続可能なフォグサーバの候補であり、いわば、複数のデバイスに対応する複数の動的フォグ層より上位の階層にある動的フォグ層であって、当該複数の動的フォグ層に対応する動的フォグ層といえる。すなわち、当該複数のデバイスは、当該複数の動的フォグ層、及び当該複数の動的フォグ層の上位にある動的フォグ層を介して、接続していると捉えることができる。
【0126】
図9は、記憶部110に記憶されるフォグ候補情報の例を示す図である。記憶部110に記憶されるフォグ候補情報は、例えば、フォグ候補情報ID、候補フォグIDを含む。フォグ候補情報IDは、記憶部110に記憶されるフォグ候補情報を識別する情報である。候補フォグIDは、フォグ候補設定部によって設定された少なくとも1つのフォグサーバの候補を識別する情報である。
【0127】
準備指示部140は、少なくとも1つのフォグサーバの候補に対し、第1エッジ候補情報及び第2エッジ候補情報のそれぞれが示すエッジサーバの候補との接続のための準備を指示する接続準備信号を送信することができる。
【0128】
このように、情報提供システム100は、第1デバイス500及び第2デバイス600は、互いに近接していない場合であっても、第1デバイス500及び第2デバイス600に、いわば動的なフォグ層の動的なフォグ層を設定することで、エッジサーバとの切れ目のない通信を実現することができる。また、第1デバイス500及び第2デバイス600は、特別な専用通信機器がなくとも、当該動的なフォグ層を介して、デバイス間通信をすることができる。
【0129】
図10は、複数のデバイスのエッジ候補情報に対応するフォグ候補情報を設定する場合の適用例の模式図を示す図である。
【0130】
デバイス1001aに対応して、動的なフォグ層1002aが設定され、デバイス1001bに対応して、動的なフォグ層1002bが設定されている。フォグ候補設定部160によるフォグ候補情報の生成処理によって、動的なフォグ層1002a及び動的なフォグ層1002bに対応する、上位の動的フォグ層1003が設定されている。
【0131】
図11は、情報提供システム100における処理の例を示すフローチャートである。
図11に示すフローチャートは、情報提供システム100がデバイスに配信情報を提供する処理に関するフローチャートである。
【0132】
まず、配信情報取得部115が、配信情報を、属性情報と対応付けて所定の装置から取得する(S1101)。配信済み情報取得部145が、デバイスから、配信済み情報を取得する(S1102)。配信情報提供部150が、配信情報及び配信済み情報に基づいて、配信情報のうち、デバイスに提供されていない配信情報をデバイスに提供する(S1103)。
【0133】
図12は、情報提供システム100における処理の例を示すフローチャートである。
図12に示すフローチャートは、情報提供システム100がエッジサーバの候補に接続準備信号を送信する処理に関するフローチャートである。
【0134】
デバイス情報取得部120が、デバイス情報を取得する(S1201)。ユーザ情報取得部125が、ユーザ情報を取得する(S1202)。デバイス移動予測部130が、デバイス情報に基づいて、又は、デバイス情報及びユーザ情報に基づいて、デバイスの移動方向を予測する(S1203)。エッジ候補設定部135が、デバイス移動予測部130による予測結果に応じて、エッジ候補情報を生成する(S1204)。準備指示部140が、エッジ候補情報に基づいて、エッジサーバの候補に対し、接続準備信号を送信する(S1205)。
【0135】
また、エッジ候補設定部135及び準備指示部140は、デバイス連携部155によって生成されるデバイス連携情報に基づいて、処理を行うことができる。
【0136】
また、フォグ候補設定部160は、第1デバイスに対応する第1エッジ候補情報、及び第2デバイスに対応する第2エッジ候補情報に基づいて、フォグ候補情報を生成することができる。
【0137】
以上、本発明の一実施形態について説明した。情報提供システム100は、属性情報と対応付けられた配信情報、及び配信済み情報に基づいて、デバイスに提供されていない配信情報をデバイスに提供することができる。これにより、情報提供システム100は、デバイスに応じて適切な情報を提供することができる。
【0138】
また、情報提供システム100は、階層情報を含む属性情報と対応付けられた配信情報を、デバイスに提供することができる。これにより、情報提供システム100は、階層に対応して、より効率良く、配信情報提供処理を行うことができる。
【0139】
また、情報提供システム100は、デバイス情報に基づいてエッジ候補情報を生成し、エッジ候補情報が示す少なくとも1つのエッジサーバの候補に対し、接続準備信号を送信することができる。これにより、デバイスは、エッジサーバと切れ目なく通信し、配信情報の提供を受けながら、移動することができる。
【0140】
また、情報提供システム100は、配信情報を、エッジ候補情報が示す少なくとも1つのエッジサーバの候補を経由して、デバイスに提供することができる。これにより、デバイスは、例えば、移動先のエッジサーバに対応する配信情報の提供を受けることができる。
【0141】
また、情報提供システム100は、デバイス情報に基づいて予測されるデバイスの移動方向に基づいて、エッジ候補情報を生成することができる。これにより、情報提供システム100は、予測されるデバイスの移動経路に応じたエッジサーバの候補を設定することができる。
【0142】
また、情報提供システム100は、ユーザ情報にさらに基づいて、デバイスの移動方向を予測することができる。これにより、情報提供システム100は、より正確に、デバイスの移動方向を予測することができる。
【0143】
また、情報提供システム100は、第1デバイス500及び第2デバイス600との関係を示すデバイス連携情報を生成し、デバイス連携情報に基づいて、第1エッジ候補情報が示す少なくとも1つのエッジサーバの候補に対し、第2デバイス600との接続のための準備を指示する接続準備信号を送信することができる。これにより、情報提供システム100は、第2デバイスにおける第2エッジ候補情報生成処理を簡略化して、第2デバイス600との接続のための接続準備信号処理を実現することができる。
【0144】
また、情報提供システム100は、第1エッジ候補情報及び第2エッジ候補情報に基づいて、フォグ候補情報を生成し、フォグ候補情報が示す少なくとも1つのフォグサーバの候補に対し、接続準備信号を送信することができる。これにより、第1デバイス500及び第2デバイス600は、特別な専用通信機器を備えることなく、フォグサーバを介してデバイス間通信を行うことができる。
【0145】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0146】
100 情報提供システム、110 記憶部、115 配信情報取得部、120 デバイス情報取得部、125 ユーザ情報取得部、130 デバイス移動予測部、135 エッジ候補設定部、140 準備指示部、145 情報取得部、150 配信情報提供部、155 デバイス連携部、160 フォグ候補設定部、200 配信情報管理システム、300 デバイス情報管理システム、400 ユーザ情報管理システム、500 第1デバイス、600 第2デバイス