特開 2024-7752 インクジェット記録システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024007752

(43)【公開日】2024-01-19

(54)【発明の名称】インクジェット記録システム

(51)【国際特許分類】

   B41J 2/175 20060101AFI20240112BHJP

   B41J 2/01 20060101ALI20240112BHJP

【ＦＩ】

B41J2/175 119

B41J2/01 401

B41J2/01 451

B41J2/175 167

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022109043

(22)【出願日】2022-07-06

(71)【出願人】

【識別番号】390034223

【氏名又は名称】イーデーエム株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100206335

【弁理士】

【氏名又は名称】太田 和宏

(74)【代理人】

【識別番号】100120857

【弁理士】

【氏名又は名称】渡邉 聡

(72)【発明者】

【氏名】奈良 亘

【テーマコード（参考）】

2C056

【Ｆターム（参考）】

2C056EB15

2C056EB30

2C056EB45

2C056EB50

2C056EC15

2C056EC28

2C056KC01

2C056KC05

(57)【要約】

【課題】印刷を止めないインクジェット記録システムにおいて、使用中のインクカートリッジ及び待機中のインクカートリッジを備え、インクの乾燥を抑制できるインクジェット記録システムを提供すること。
【解決手段】インクジェット記録システム１は、本体部２１と、本体部２１に対して着脱可能に取り付けられた使用中のインクカートリッジ２２Ａ及び待機中のインクカートリッジ２２Ｂと、を有するインクジェット記録装置２と、制御部６と、を備え、制御部６は、使用中のインクカートリッジ２２Ａから待機中のインクカートリッジ２２Ｂに切り替える際に、使用中のインクカートリッジ２２Ａ又は待機中のインクカートリッジ２２Ｂのインク収容部２２２に収容されるインクのインク情報に基づいて、使用中のインクカートリッジ２２Ａから待機中のインクカートリッジ２２Ｂに切り替えるように制御する。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

本体部と、前記本体部に対して着脱可能に取り付けられた使用中のインクカートリッジ及び待機中のインクカートリッジと、を有するインクジェット記録装置と、
前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに切り替えるように制御する制御部と、を備え、
前記使用中のインクカートリッジ及び前記待機中のインクカートリッジは、インクが収容されるインク収容部と、ヘッド部と、を有し、
前記制御部は、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに切り替える際に、前記使用中のインクカートリッジ又は前記待機中のインクカートリッジの前記インク収容部に収容されるインクのインク情報に基づいて、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに切り替えるように制御する、インクジェット記録システム。

【請求項2】

前記制御部は、前記待機中のインクカートリッジのインク情報に基づいて、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに一旦切り替え、その後、前記一旦切り替えたインクカートリッジを一旦使用した後に、前記切り替える前のインクカートリッジに切り替える制御を実行する、請求項１に記載のインクジェット記録システム。

【請求項3】

周囲環境の情報を取得する周囲環境情報取得部を備え、
前記制御部は、前記周囲環境情報取得部により取得された周囲環境の情報を参照して、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに切り替えるように制御する、請求項１又は２に記載のインクジェット記録システム。

【請求項4】

前記制御部は、前記使用中のインクカートリッジのインクの使用の終了後に、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに切り替えて前記待機中のインクカートリッジを使用するように制御する、請求項１又は２に記載のインクジェット記録システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、インクジェット記録システムに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、インクカートリッジ式のインクジェット記録装置を備えるインクジェット記録システムが知られている（例えば、特許文献１参照）。インクカートリッジ式のインクジェット記録装置は、インクが切れた場合に、インクカートリッジを交換する必要がある。そのため、インクが切れた場合にインクカートリッジを交換すると、印刷が停止されてしまい、例えば、生産ラインを一旦止めることになる。この場合、印刷用のインクカートリッジの他に、予備のインクカートリッジを常時使用可能な状態で準備しておき、印刷用のインクカートリッジのインクが切れた場合に、予備のインクカートリッジに切り替える技術がある。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特許第３０４８６５１号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

印刷用のインクカートリッジの他に、予備のインクカートリッジを常時使用可能な状態で準備する技術においては、インクジェット記録装置のヘッド部には、インクの乾燥を防ぐためのカバーを取り付ける必要があり、印刷用のインクカートリッジと予備のインクカートリッジとを常時使用可能な状態に保つことが困難である。インクカートリッジにカバーを取り付けないと、インクが乾燥してしまって、使用できない可能性がある。そのため、印刷を止めないインクジェット記録システムにおいて、インクの乾燥を抑制できることが望まれている。

【0005】

本発明は、印刷を止めないインクジェット記録システムにおいて、使用中のインクカートリッジ及び待機中のインクカートリッジを備え、インクの乾燥を抑制できるインクジェット記録システムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明は、本体部と、前記本体部に対して着脱可能に取り付けられた使用中のインクカートリッジ及び待機中のインクカートリッジと、を有するインクジェット記録装置と、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに切り替えるように制御する制御部と、を備え、前記使用中のインクカートリッジ及び前記待機中のインクカートリッジは、インクが収容されるインク収容部と、ヘッド部と、を有し、前記制御部は、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに切り替える際に、前記使用中のインクカートリッジ又は前記待機中のインクカートリッジの前記インク収容部に収容されるインクのインク情報に基づいて、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに切り替えるように制御する、インクジェット記録システムに関する。

【0007】

また、前記制御部は、前記待機中のインクカートリッジのインク情報に基づいて、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに一旦切り替え、その後、前記一旦切り替えたインクカートリッジを一旦使用した後に、前記切り替える前のインクカートリッジに切り替える制御を実行することが好ましい。

【0008】

また、周囲環境の情報を取得する周囲環境情報取得部を備え、前記制御部は、前記周囲環境情報取得部により取得された周囲環境の情報を参照して、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに切り替えるように制御することが好ましい。

【0009】

また、前記制御部は、前記使用中のインクカートリッジのインクの使用の終了後に、前記使用中のインクカートリッジから前記待機中のインクカートリッジに切り替えて前記待機中のインクカートリッジを使用するように制御することが好ましい。

【発明の効果】

【0010】

本発明によれば、印刷を止めないインクジェット記録システムにおいて、使用中のインクカートリッジ及び待機中のインクカートリッジを備え、インクの乾燥を抑制できるインクジェット記録システムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】インクジェット記録システムを斜め上方側から見た図である。

【図2】インクジェット記録装置を斜め下方側から見た図である。

【図3】インクジェット記録システムの制御フローを示すフローチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図１は、インクジェット記録システム１を斜め上方側から見た図である。図２は、インクジェット記録装置２を斜め下方側から見た図である。

【0013】

本実施形態のインクジェット記録システム１は、図１に示すように、インクジェット記録装置２と、被印刷物Ｔを搬送する搬送部３と、温度計４（周囲環境情報取得部）と、湿度計５（周囲環境情報取得部）と、制御装置６（制御部）と、を備える。インクジェット記録装置２は、図１及び図２に示すように、搬送部３により搬送方向Ｐに搬送される被印刷物Ｔの上方に配置されている。インクジェット記録装置２は、本体部２１と、２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂと、を備える。本体部２１には、２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂそれぞれが着脱可能に取り付けられる。本体部２１には、２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂに電気的に接続される基板（図示せず）が配置され、基板は、制御装置６に接続されている。本体部２１には、インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂを着脱可能なレバー部２１２が設けられている。

【0014】

２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂは、それぞれ、本体部２１の第１装着部２１１ａ又は第２装着部２１１ｂに対して着脱可能に取り付けられる。本実施形態においては、図１及び図２において、例えば、第１装着部２１１ａには、第１インクカートリッジ２２Ａが装着され、第２装着部２１１ｂには、第２インクカートリッジ２２Ｂが装着されている。本実施形態においては、例えば、２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂは、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａと、待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂと、である。

【0015】

２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂは、いずれも、ヘッド一体型のインクカートリッジである。図２に示すように、インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂは、それぞれ、ヘッド部２２１と、インク収容部２２２と、を有する。本実施形態に係るインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂは、いずれも、ヘッド部２２１とインク収容部２２２とが一体で構成されている。

【0016】

２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂそれぞれのインク収容部２２２には、インクが収容される。ヘッド部２２１は、図２に示すように、２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂの下部に設けられる。ヘッド部２２１は、インク収容部２２２に収容されたインクを下方に向けて吐出する。

【0017】

２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂのヘッド部２２１から被印刷物Ｔに吐出されるインクの領域の範囲は、いずれも、同じ範囲である。これにより、２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂのいずれを用いた場合においても、被印刷物Ｔの同じ位置に印刷を行うことができる。２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂにおいて、一方のインクカートリッジを交換する場合に、他方のインクカートリッジに切り替えることができる。

【0018】

２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂは、レバー部２１２の下部に設けられる。インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂの本体部２１への装着にあたっては、ヘッド部２２１を下側にした状態で、インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂの上部に設けたレバー部２１２により、本体部２１に対してインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂを着脱可能に取り付けることができる。

【0019】

温度計４は、インクジェット記録装置２の周囲環境の温度情報を取得する。湿度計５は、インクジェット記録装置２の周囲環境の湿度情報を取得する。

【0020】

制御装置６は、２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂのうち、いずれか一方のインクカートリッジを使用すると共に、いずれか他方のインクカートリッジを待機させるように制御する。制御装置６は、インク収容部２２２に収容されるインク情報に基づいて、インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂのインクの乾燥を防ぐように、インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂからインクを吐出するように制御する。

【0021】

制御装置６は、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替えるように制御する。制御装置６は、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替える際に、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａ又は待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂのインク収容部２２２に収容されるインクのインク情報に基づいて、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替えるように制御する。

【0022】

インク情報は、例えば、インクの種類に応じたインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂのインクが乾燥するまでの時間の情報や、インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂに収容されたインクの量の情報や、インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂのインクの使用状況の情報などである。インク情報は、例えば、制御装置６の記憶部に記憶されている。

【0023】

本実施形態においては、制御装置６は、例えば、第１インクカートリッジ２２Ａを主に使用すると共に、第２インクカートリッジ２２Ｂを待機するように制御して、インクの使用状況の情報に基づいて、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａのインクの使用の終了後に、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替えて待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂを使用するように制御する。

【0024】

制御装置６は、待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂのインク情報に基づいて、インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂのインクの乾燥を防ぐように、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに一旦切り替え、その後、一旦切り替えた第２インクカートリッジ２２Ｂを一旦使用した後に、切り替える前の第１インクカートリッジ２２Ａに切り替える制御を実行する。例えば、制御装置６は、インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂのインクの乾燥を防ぐため、第１インクカートリッジ２２Ａを使用して第１インクカートリッジ２２Ａからインクを吐出させて印刷を行う印刷状態において、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに一旦切り替えて、第２インクカートリッジ２２Ｂを一旦使用して第２インクカートリッジ２２Ｂからインクを吐出させて数ショット印刷を行うように制御し、その後、切り替える前の第１インクカートリッジ２２Ａに切り替える。

【0025】

また、制御装置６は、温度計４及び湿度計５などの環境情報取得部により取得された周囲環境の情報を参照して、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替えるように制御する。

【0026】

周囲環境の情報は、例えば、インクジェット記録装置２の近傍の温度や湿度等である。インクジェット記録装置２の近傍の温度は、例えば、図１に示すように、温度計４により計測されている。インクジェット記録装置２の近傍の湿度は、例えば、図１に示すように、湿度計５により計測されている。

【0027】

次に、インクジェット記録システム１の制御装置６における制御フローの一例について説明する。図３は、インクジェット記録システム１の制御フローを示すフローチャートである。以下に説明する制御フローの一例は、２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂのうち、第１インクカートリッジ２２Ａを主に使用して第１インクカートリッジ２２Ａのインクを使い切った後に、第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替え、その後、第２インクカートリッジ２２Ｂを主に使用する制御である。第２インクカートリッジ２２Ｂを主に使用している間に、第１インクカートリッジ２２Ａを新しいインクカートリッジ（図示せず）に交換できる。

【0028】

制御装置６による制御の際には、インクジェット記録装置２の本体部２１には、２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂが取り付けられている。２つのインクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂのヘッド部２２１には、カバーなどは、取り付けられていない。そのため、インクカートリッジ２２Ａ，２２Ｂを長時間使用しない場合に、インクが乾燥して、ヘッド部２２１からインクが吐出できなくなる可能性がある。本発明においては、制御装置６は、インクの乾燥を抑制する制御を実行する。

【0029】

図３に示すように、ステップＳ１において、制御装置６は、第１インクカートリッジ２２Ａを選択して、第１インクカートリッジ２２Ａのインクが使用されて交換のタイミングになるまで、第１インクカートリッジ２２Ａにより印刷動作を実行するように制御する。この場合、第２インクカートリッジ２２Ｂは、第１インクカートリッジ２２Ａの交換のタイミングの際に、第１インクカートリッジ２２Ａから切り替える予備のインクカートリッジである。第２インクカートリッジ２２Ｂは、常時使用可能な状態で、キャップが取り付けられない状態で準備されている。

【0030】

ステップＳ２において、制御装置６は、第１インクカートリッジ２２Ａのインクが残っているか否かを判定する。インクが残っていると判定された場合（ＹＥＳ）には、処理は、ステップＳ３に進む。インクが残っていないと判定された場合（ＮＯ）には、処理は、ステップＳ５に進む。

【0031】

ステップＳ２における第１インクカートリッジ２２Ａにインクが残っていないと判定された場合（ＮＯ）のステップＳ５において、制御装置６は、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替えて待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂを使用するように制御する。これにより、制御装置６は、第１インクカートリッジ２２Ａを第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替えて、第２インクカートリッジ２２Ｂを主に使用して印刷動作を実行するように制御する。

【0032】

ステップＳ５において第２インクカートリッジ２２Ｂにより印刷動作を実行している間に、作業者により、第１インクカートリッジ２２Ａを新しいインクカートリッジに交換することができる。ステップＳ５の後に、処理は終了する。第１インクカートリッジ２２Ａを第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替えると共に、第１インクカートリッジ２２Ａを新しいインクカートリッジに交換した後においては、制御装置６は、第２インクカートリッジ２２Ｂを主に使用すると共に、新しく交換したインクカートリッジを予備で待機させることができる。

【0033】

ステップＳ２における第１インクカートリッジ２２Ａにインクが残っていると判定された場合（ＹＥＳ）のステップＳ３において、制御装置６は、第１インクカートリッジ２２Ａの使用中において、第２インクカートリッジ２２Ｂについて、待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂのインク情報に基づいて、温度計４及び湿度計５などの環境情報取得部により取得された周囲環境の情報（周囲温度、周囲湿度など）を参照して、待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂのインクの乾燥の可能性が有るか否かを判定する。第２インクカートリッジ２２Ｂのインクの乾燥の可能性が有ると判定された場合（ＹＥＳ）には、処理は、ステップＳ６に進む。第２インクカートリッジ２２Ｂのインクの可能性が無いと判定された場合（ＮＯ）には、処理は、ステップＳ４に進む。

【0034】

ステップＳ３における第２インクカートリッジ２２Ｂのインクの乾燥の可能性が有ると判定された場合（ＹＥＳ）のステップＳ６において、制御装置６は、待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂのインク情報（インクの種類による乾燥時間の違いなど）に基づいて、温度計４及び湿度計５などの環境情報取得部により取得された周囲環境の情報（周囲温度、周囲湿度など）を参照して、インクの乾燥を防ぐ最適なタイミングにおいて、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに一旦切り替え、第２インクカートリッジ２２Ｂを一旦使用して第２インクカートリッジ２２Ｂからインクを１ショット吐出させて印刷を行うように制御する。第２インクカートリッジ２２Ｂのインクが乾燥してしまうと印刷が出来なくなり、印刷動作の継続が困難になるため、第２インクカートリッジ２２Ｂのインクが乾燥する前に切り替え動作を行って、第２インクカートリッジ２２Ｂのインクの乾燥を防ぐ制御が実行される。ステップＳ６の後に、処理は、ステップＳ４に進む。

【0035】

ステップＳ３における第２インクカートリッジ２２Ｂのインクの乾燥の可能性が無いと判定された場合（ＮＯ）のステップＳ４において、印刷動作の終了の指示命令の有無を判定する。印刷動作の終了の指示命令が有った場合（ＹＥＳ）には、処理は終了する。印刷動作の終了の指示命令が無い場合（ＮＯ）には、処理はステップＳ１に戻り、第１インクカートリッジ２２Ａを使用した印刷動作を継続して実行する。

【0036】

本実施形態のインクジェット記録システム１によれば、例えば、以下の効果が奏される。
本実施形態のインクジェット記録システム１は、本体部２１と、本体部２１に対して着脱可能に取り付けられた使用中の第１インクカートリッジ２２Ａ及び待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂと、を有するインクジェット記録装置２と、制御装置６と、を備え、制御装置６は、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替える際に、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａ又は待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂのインク収容部２２２に収容されるインクのインク情報に基づいて、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替えるように制御する。これにより、インク情報に基づいて待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂのインクの乾燥を抑制できる。

【0037】

また、本実施形態においては、制御装置６は、待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂのインク情報に基づいて、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに一旦切り替え、その後、一旦切り替えた第２インクカートリッジ２２Ｂを一旦使用した後に、切り替える前の第１インクカートリッジ２２Ａに切り替える制御を実行する。これにより、第２インクカートリッジ２２Ｂのインクの乾燥を抑制しながら、印刷を止めないインクジェット記録システムを構築できる。

【0038】

また、本実施形態においては、制御装置６は、温度計４及び湿度計５などの周囲環境情報取得部により取得された周囲環境の情報を参照して、使用中の第１インクカートリッジ２２Ａから待機中の第２インクカートリッジ２２Ｂに切り替えるように制御する。これにより、周囲環境に応じて、インクの乾燥を制御できる。

【0039】

以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。

【0040】

例えば、前記実施形態のインクジェット記録システム１の制御装置６における制御フローにおいて、第１インクカートリッジ２２Ａを主に使用し、第２インクカートリッジ２２Ｂを予備の待機中のインクカートリッジとしたが、これに限定されない。第２インクカートリッジ２２Ｂを主に使用し、第１インクカートリッジ２２Ａを予備の待機中のインクカートリッジとしてもよい。この場合、制御装置６は、使用中の第２インクカートリッジ２２Ｂのインクの使用の終了後に、待機中の第１インクカートリッジ２２Ａを使用するように切り替えることができる。

【符号の説明】

【0041】

１ インクジェット記録システム
２ インクジェット記録装置
４ 温度計（周囲環境情報取得部）
５ 湿度計（周囲環境情報取得部）
６ 制御装置（制御部）
２１ 本体部
２２Ａ 第１インクカートリッジ（インクカートリッジ）
２２Ｂ 第２インクカートリッジ（インクカートリッジ）
２２１ ヘッド部
２２２ インク収容部

【図1】

【図2】

【図3】