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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077541
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】システム、プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240531BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189685
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】303046299
【氏名又は名称】旭化成ファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 弘明
(72)【発明者】
【氏名】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】有吉 秀行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 志津
(72)【発明者】
【氏名】奈木野 豪秀
(72)【発明者】
【氏名】中尾 真也
(72)【発明者】
【氏名】石井 岳史
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】疾病等の治療を実施する患者の治療離脱リスクを早期に判定し、治療離脱リスクがある患者に対し、治療継続のモチベーションを高め、治療離脱リスクを低減する。
【解決手段】対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定部と、前記判定部で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、前記治療確認連絡を確認役に実行させるべく、前記対象者及び前記確認役の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、前記対象者にマッチングする前記確認役を特定する特定部と、を備えるシステムを提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の健康状態情報に基づき、前記対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定部と、
前記判定部で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、前記治療確認連絡を確認役に実行させるべく、前記対象者及び前記確認役の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、前記対象者にマッチングする前記確認役を特定する特定部と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記健康状態情報は、治療履歴情報、傷病名、医療検査結果、前記治療確認連絡の履歴情報、性別、年齢、身体的特徴、既往歴、生活習慣、要介護認定状況及び介護保険の適用状況の少なくともいずれかを含み、
前記属性情報は、居住地、職業、趣味、嗜好性、性格及び家族構成の少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記対象者及び前記確認役の健康状態情報及び/又は属性情報の少なくとも一部を、音声データを用いて取得する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記判定部は、前記対象者の治療履歴情報において、予め定められた期間内の治療実施の有無及び/又は治療実施回数に基づき、前記治療確認連絡の要否を判定する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記判定部は、前記対象者の健康状態情報及び予め定められた算出基準を用いて、前記対象者の治療離脱リスクを算出し、
前記治療離脱リスクに基づき、前記治療確認連絡の要否を判定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記判定部は、前記健康状態情報及び治療離脱に関するデータを教師データとする機械学習により生成された判断推論モデルを用いて、前記対象者の治療離脱リスクを算出し、
前記治療離脱リスクに基づき、前記対象者の治療確認連絡の要否を判定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記対象者の治療実施連絡を受信し、
前記判定部は、前記対象者の治療実施連絡を用いて、前記治療履歴情報の生成及び/又は更新をする、
請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記判定部は、前記対象者の健康状態情報に基づき、前記治療確認連絡の時期、回数及び内容を選定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記特定部は、前記対象者及び前記確認役の健康状態情報及び/又は属性情報の類似度を算出し、
前記類似度を用いて、前記対象者にマッチングする前記確認役を特定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記治療確認連絡の履歴情報を取得し、
前記特定部は、前記治療確認連絡の履歴情報を用いて、前記対象者にマッチングする前記確認役を特定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、前記対象者及び/又は前記確認役から、前記治療確認連絡に係る評価情報を取得し、
前記特定部は、前記評価情報を用いて、前記対象者にマッチングする前記確認役を特定する、
請求項1 に記載のシステム。
【請求項12】
前記対象者の端末と、前記特定部で特定された前記確認役の端末とを、通信可能に接続する通信部を更に備え、
前記治療確認連絡は、前記通信部を介して、前記対象者及び前記確認役の間で、通話により実行されるか、又は、テキストデータ、画像データ、音声データ及び動画データの少なくともいずれかを送受信して実行される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記特定部は、1又は複数の前記対象者に対し、前記1又は複数の前記対象者にマッチングする1又は複数の前記確認役を特定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
対象者の健康状態情報に基づき、前記対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定部と、
前記判定部で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、前記治療確認連絡を複数の前記対象者で互いに実行させるべく、前記対象者の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、前記対象者にマッチングする1又は複数の他の対象者を特定する特定部と、
を備えるシステム。
【請求項15】
コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、
請求項1から14のいずれか一項に記載のシステムとして機能させる、
プログラム。
【請求項16】
コンピュータにより実行され、
請求項1から13のいずれか一項に記載のシステムが、
対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定段階と、
前記判定段階で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、前記治療確認連絡を確認役に実行させるべく、前記対象者及び前記確認役の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、前記対象者にマッチングする前記確認役を特定する特定段階と、
を実行する方法。
【請求項17】
コンピュータにより実行され、
請求項14に記載のシステムが、
対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定段階と、
前記判定段階で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、前記治療確認連絡を複数の対象者で互いに実行させるべく、前記対象者の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、前記対象者にマッチングする1又は複数の他の対象者を特定する特定段階と、
を実行する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
疾病等の治療において、特許文献1には、例えば骨粗鬆症の薬物治療で治療継続率が低いことが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2021-121646号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定部と、判定部で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、治療確認連絡を確認役に実行させるべく、対象者及び確認役の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする確認役を特定する特定部と、を備えるシステムを提供する。
【0004】
健康状態情報は、治療履歴情報、傷病名、医療検査結果、治療確認連絡の履歴情報、性別、年齢、身体的特徴、既往歴、生活習慣、要介護認定状況及び介護保険の適用状況の少なくともいずれかを含んでよい。
【0005】
属性情報は、居住地、職業、趣味、嗜好性、性格及び家族構成の少なくともいずれかを含んでよい。
【0006】
システムは、対象者及び確認役の健康状態情報及び/又は属性情報の少なくとも一部を、音声データを用いて取得してよい。
【0007】
判定部は、対象者の治療履歴情報において、予め定められた期間内の治療実施の有無及び/又は治療実施回数に基づき、治療確認連絡の要否を判定してよい。
【0008】
判定部は、対象者の健康状態情報及び予め定められた算出基準を用いて、対象者の治療離脱リスクを算出し、治療離脱リスクに基づき、治療確認連絡の要否を判定してよい。
【0009】
判定部は、健康状態情報及び治療離脱に関するデータを教師データとする機械学習により生成された判断推論モデルを用いて、対象者の治療離脱リスクを算出し、治療離脱リスクに基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定してよい。
【0010】
システムは、対象者の治療実施連絡を受信し、判定部は、対象者の治療実施連絡を用いて、治療履歴情報の生成及び/又は更新をしてよい。
【0011】
判定部は、対象者の健康状態情報に基づき、治療確認連絡の時期、回数及び内容を選定してよい。
【0012】
特定部は、対象者及び確認役の健康状態情報及び/又は属性情報の類似度を算出し、類似度を用いて、対象者にマッチングする確認役を特定してよい。
【0013】
システムは、治療確認連絡の履歴情報を取得し、特定部は、治療確認連絡の履歴情報を用いて、対象者にマッチングする確認役を特定してよい。
【0014】
システムは、対象者及び/又は確認役から、治療確認連絡に係る評価情報を取得し、特定部は、評価情報を用いて、対象者にマッチングする確認役を特定してよい。
【0015】
システムは、対象者の端末と、特定部で特定された確認役の端末とを、通信可能に接続する通信部を更に備え、治療確認連絡は、通信部を介して、対象者及び確認役の間で、通話により実行されるか、又は、テキストデータ、画像データ、音声データ及び動画データの少なくともいずれかを送受信して実行されてよい。
【0016】
特定部は、1又は複数の対象者に対し、1又は複数の対象者にマッチングする1又は複数の確認役を特定してよい。
【0017】
本発明の第2の態様においては、対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定部と、判定部で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、治療確認連絡を複数の対象者で互いに実行させるべく、対象者の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする1又は複数の他の対象者を特定する特定部と、を備えるシステムを提供する。
【0018】
本発明の第3の態様においては、コンピュータにより実行され、コンピュータを、上記のいずれかのシステムとして機能させる、プログラムを提供する。
【0019】
本発明の第4の態様においては、コンピュータにより実行され、システムが、対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定段階と、判定段階で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、治療確認連絡を確認役に実行させるべく、対象者及び確認役の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする確認役を特定する特定段階と、を実行する方法を提供する。
【0020】
本発明の第5の態様においては、コンピュータにより実行され、システムが、対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定段階と、判定段階で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、治療確認連絡を複数の対象者で互いに実行させるべく、対象者の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする1又は複数の他の対象者を特定する特定段階と、を実行する方法を提供する。
【0021】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態のシステム100の一例を示す。
図2】本実施形態のシステム100の通信部230における対象者等の端末400との接続の一例を示す。
図3】本実施形態の方法の処理フローの一例を示す。
図4】判定段階S100の一例を示す。
図5】判定段階S100の一例を示す。
図6】判定段階S100の一例を示す。
図7】特定段階S200の一例を示す。
図8】本実施形態の方法の処理フローの変形例を示す。
図9】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
図1は、本実施形態のシステム100の一例を示す。システム100は、対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定し、治療確認連絡を確認役に実行させるべく、又は、複数の対象者で互いに実行させるべく、対象者及び/又は確認役の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする確認役及び/又は対象者にマッチングする1又は複数の他の対象者を特定する。
【0025】
対象者は、疾病等の治療を受ける患者のうち、本実施形態のシステム100により治療確認連絡が必要と判定された者であってよい。疾病等の詳細については後述する。
【0026】
確認役は、対象者に対し、治療確認連絡を実行する。確認役は、対象者と同様に疾病等の治療を受ける患者であってよい。また、確認役は、疾病等の既往歴を有する者でもよい。システム100が、複数の対象者で互いに治療確認連絡を実行させる場合、他の対象者は、対象者と同じ疾病等の治療を受ける患者であってよい。
【0027】
健康状態情報は、対象者の治療確認連絡の要否を判定するための対象者の健康状態に関する情報を含む。健康状態情報は、対象者と確認役とをマッチングするための対象者及び/又は確認役の健康状態に関する情報(例えば、通院歴等)を含んでよい。また、健康状態情報は、対象者と他の対象者をマッチングするための対象者の健康状態に関する情報を含んでよい。健康状態情報の詳細については後述する。
【0028】
属性情報は、対象者及び/又は確認役の属性(例えば、居住地、職業等)を示す情報を含む。属性情報の詳細については後述する。
【0029】
システム100は、対象者及び確認役の健康状態情報及び/又は属性情報の少なくとも一部を、音声データを用いて取得してよい。システム100は、例えば音声認識用のアプリケーションや自然言語解析用のアプリケーションを用いて、音声データから健康状態情報及び/又は属性情報を抽出してよい。
【0030】
治療確認連絡は、対象者に対する治療の実施の確認、治療に関する相談やアドバイス、治療継続の励ましの連絡を含んでよい。
【0031】
本実施形態のシステム100は、入力部110、記憶部120、出力部130及び演算部200を備える。
【0032】
入力部110は、演算部200に必要な情報及び/又は指示を入力する。入力部110は、対象者及び/又は確認役の健康状態情報及び/又は属性情報を演算部200に入力してよい。入力部110は、治療確認連絡の履歴情報を演算部200に入力してよい。入力部110は、治療確認連絡に係る評価情報を演算部200に入力してよい。入力部110は、演算部200に接続されたキーボード又はマウスなどの入力機器であってよい。入力部110は、外部の端末等との通信を介して、情報及び/又は指示を入力してもよいが、これらに限られない。
【0033】
記憶部120は、入力部110が入力した情報、演算部200で処理後の情報等を格納する。記憶部120は、メモリ又はハードディスク等の記憶装置であってよい。記憶部120は、演算部200からの呼び出しを受け、格納されたデータを演算部200に随時提供してよい。
【0034】
出力部130は、演算部200の処理結果を出力する。一例として、出力部130は、演算部200に接続されたモニター等の出力機器であってよいが、これに限らない。
【0035】
演算部200は、入力部110、記憶部120及び出力部130と接続され、入力部110及びネットワーク300を介して取得した情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否の判定、及び、対象者にマッチングする確認役及び/又は他の対象者を特定する。演算部200は、コンピュータである。演算部200は、1台のコンピュータに備えられてもよく、各機能が分散して複数台のコンピュータに備えられてもよい。演算部200は、判定部210、特定部220、通信部230を有してよい。
【0036】
判定部210は、対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する。治療確認連絡の要否判定の詳細については後述する。
【0037】
判定部210は、システム100が受信した対象者が治療を実施したことを連絡する治療実施連絡に基づき、治療履歴情報の生成及び/又は更新を行ってよい。
【0038】
特定部220は、判定部210で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、治療確認連絡を確認役に実行させるべく、対象者及び確認役の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする確認役を特定してよい。特定部220は、1又は複数の対象者に対し、1又は複数の対象者にマッチングする1又は複数の確認役を特定してよい。
【0039】
また、特定部220は、判定部210で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、治療確認連絡を複数の対象者で互いに実行させるべく、対象者の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする1又は複数の他の対象者を特定してよい。対象者と、確認役及び/又は他の対象者とのマッチングの詳細については後述する。
【0040】
通信部230は、対象者の端末400と特定部220で特定された確認役の端末400、及び/又は、複数の対象者の端末400どうしを、通信可能に接続してよい。システム100は、治療確認連絡を、通信部230を介して、通話(例えば、音声通話又は映像を含むライブ通話)により実行させてよい。また、システム100は、治療確認連絡を、通信部230を介して、テキストデータ、画像データ、音声データ及び動画データの少なくともいずれかを送受信して実行させてよい。治療確認連絡の詳細については後述する。
【0041】
また、本実施形態では、コンピュータにより実行され、コンピュータを、上述したシステム100として機能させるプログラムを提供する。プログラムは、システム100の記憶部120に格納されてよい。
【0042】
本実施形態のシステム100により、患者の治療離脱リスクを早期に判定し、治療離脱リスクがある患者に対し、他の患者からアドバイス等を受ける機会を付与できる。これにより、患者の治療継続のモチベーションを高め、治療離脱リスクを低減することができる。また、システム100によれば、コンピュータが自動的に連絡等を送信する場合と比較して効果が見込めるので、コンピュータの連絡処理の頻度を大幅に減らすことができ、結果としてコンピュータの計算リソースを削減することが可能となる。
【0043】
図2は、本実施形態のシステム100の通信部230における対象者等の端末400との接続の一例を示す。通信部230は、インターネット等のネットワーク300を介して、対象者の端末400及び/又は確認役の端末400と接続してよい。通信部230は、複数の対象者の端末400及び/又は複数の確認役の端末400と接続してよい。
【0044】
図3は、本実施形態の方法の処理フローの一例を示す。システム100は、図3のS100からS500の処理を行うことにより、対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定段階と、判定段階で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、治療確認連絡を確認役に実行させるべく、対象者及び確認役の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする確認役を特定する特定段階と、を実行できる。
【0045】
なお、説明の便宜上、S100からS500の処理を順番に説明するが、これらの処理は少なくとも一部が並列に実行されるものであってもよいし、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各ステップを入れ替えて実行されてもよいし、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で一部のステップを省略して実行されてもよい。
【0046】
図3に示す方法は、判定段階S100、特定段階S200、接続段階S300、履歴情報取得段階S400及び評価情報取得段階S500を備える。
【0047】
上記処理フローにおいて、システム100は、まずS100を実行してよい。S100では、判定部210は、対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する。健康状態情報は、治療履歴情報(例えば、通院歴、手術歴、入院歴及び/又は投薬歴等を含む)、傷病名、医療検査結果、治療確認連絡の履歴情報、性別、年齢、身体的特徴、既往歴、生活習慣、要介護認定状況及び介護保険の適用状況の少なくともいずれかを含んでよい。
【0048】
図4は、判定段階S100の一例を示す。S100は、S110及びS120を実行することにより、実現されてよい。
【0049】
まず、S110において、判定部210は、対象者の健康状態情報に含まれる治療履歴情報を取得する。判定部210は、対象者及び/又はシステム100のオペレータが、それぞれの端末から入力部110を介して入力した健康状態情報から治療履歴情報を取得してよい。また、判定部210は、対象者の端末400から通信部230を介して入力された健康状態情報から治療履歴情報を取得してよい。
【0050】
治療履歴情報は、対象者及び/又は確認役の疾病等の治療の履歴に関する情報である。治療履歴情報は、治療を実施したことを連絡する治療実施連絡の有無及び内容、治療を実施した日時、治療実施の催促の有無及び回数、治療実施の催促に対する応答の有無、治療実施連絡を受信したオペレータによる所感、電話等の通信時の音声に基づく健康状態の診断、治療継続履歴等を含んでよい。
【0051】
システム100は、治療実施の催促を、対象者及び/又は確認役の端末400に送信してよい。また、システム100は、治療実施連絡を、対象者及び/又は確認役の端末400から受信してよく、入力部110が治療実施連絡を入力してもよい。判定部210は、システム100が治療実施の催促を送信し、又は、治療実施連絡を受信したとき、上記の治療実施の催促及び治療実施連絡を用いて、治療履歴情報の生成及び/又は更新をしてよい。
【0052】
次に、S120において、判定部210は、対象者の治療履歴情報において、予め定められた期間内の治療実施の有無及び/又は治療実施回数に基づき、治療確認連絡の要否を判定する。
【0053】
S120において、判定部210は、予め定められた期間内に対象者の治療実施が無い場合や、治療実施回数が予め定められた回数より少ない場合に、対象者に治療確認連絡が必要と判定してよい。予め定められた期間は、治療を実施する間隔等に基づいて定めてよい。例えば、投薬治療について、薬剤に定められた投与方法に基づいてこの期間を定めてよい。具体的には、例えば投与方法に定められた投与間隔より長い期間(例えば、投与間隔が1週間の薬剤に対し、2週間、1か月、2か月)を設定し、その期間内で治療実施回数が予め定められた回数以下(例えば、0回、1回以下、2回以下)の場合に、対象者に治療確認連絡が必要と判定してよい。
【0054】
また、S120において、判定部210は、システム100から対象者に送信した治療実施の催促に対し、対象者から応答がない場合や、対象者からの応答までの期間が予め定められた期間を超えた場合に、対象者が治療確認連絡が必要と判定してよい。
【0055】
S120において、判定部210は、対象者の健康状態情報に基づき、治療確認連絡の時期、回数及び内容を選定してよい。システム100は、治療確認連絡の時期、回数及び内容を、治療確認連絡を実行する確認役に送信してよい。
【0056】
図5は、判定段階S100の一例を示す。S100は、図4のフローに加えて/替えて、S130からS150を実行することにより、実現されてよい。
【0057】
まず、S130において、判定部210は、対象者の健康状態情報を取得する。判定部210は、対象者及び/又はシステム100のオペレータが、それぞれの端末を介して入力部110から入力した健康状態情報を取得してよい。また、判定部210は、対象者の端末400から通信部230を介して入力した健康状態情報を取得してよい。
【0058】
次に、S140において、判定部210は、対象者の健康状態情報及び予め定められた算出基準を用いて、対象者の治療離脱リスクを算出する。算出基準は、健康状態情報のうち、対象者の疾病等において治療の離脱と相関がある少なくとも一部の項目を指定し、指定された項目ごとの情報を数値化し、予め定められた基準値と比較することで、治療離脱リスクを算出する基準であってよい。
【0059】
上述の数値は、指定された複数の項目の数値の統計量を算出した数値であってもよい。例えば、指定された複数の項目の数値を合算した数値を用いてよい。指定された項目の数値の変化量を算出した数値を用いてもよい。例えば、指定された項目の数値の移動平均を算出した数値であってよい。
【0060】
算出基準は、健康状態情報のうち、治療の離脱と相関がある複数の項目(n個)を数値化し、n個の数値をn次元のベクトルで表し、このベクトルと予め治療離脱リスクの基準として定められた基準ベクトルとのベクトルの差(距離)に基づいて、治療離脱リスクを算出してよい。
【0061】
判定部210は、治療離脱リスクの大きさを「高」、「中」、「低」などの段階的な指標として算出してよい。例えば、判定部210は、上記で算出した指定された項目の数値、数値の統計量、数値の変化量等と、予め定められた基準値とを比較して、比較結果に基づいて、治療離脱リスクを「高」、「中」、「低」と算出してよい。
【0062】
判定部210は、予め定められた基準値として、対象者ごとに、対象者の治療開始期間に応じた異なる値を用いてよい。例えば、対象者が疾病等の治療開始後の期間が短い場合に、治療の離脱率が高くなる傾向があるときは、治療開始後の期間が短い(例えば治療開始1か月)対象者について、治療離脱リスクと比較する基準値を小さくしてもよい。
【0063】
判定部210は、治療離脱リスクの大きさを、治療離脱率(%)の推測値として算出してもよい。例えば、判定部210は、対象者と同じ疾病等の患者について治療離脱率と健康状態情報の各項目との相関関係を予め取得し、このような相関関係に基づき、健康状態情報から治療離脱率(%)の推定値を算出してよい。
【0064】
次に、S150において、判定部210は、S140で算出した治療離脱リスクに基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する。判定部210は、治療離脱リスクの大きさに基づき、治療確認連絡の要否を判定してよい(例えば、指標が「中」以上の場合や、療離脱率の推定値が60%以上の場合に治療確認連絡が必要と判定する)。
【0065】
S150において、判定部210は、治療離脱リスクの大きさに基づき、治療確認連絡の時期、回数、内容を選定してよい。例えば、対象者の治療離脱リスクが「高」の場合、治療確認連絡を、「中」よりも早期に実施し、高頻度で実施し、及び/又は、経験豊富な確認役や多数の対象者に高い評価を受けた確認役を特定して実施してよい。
【0066】
以下に、図5における判定段階S100の一例において、治療確認連絡の要否を判定する具体例を示す。表1は、対象者ごとに、健康状態情報の項目と、各項目の情報及び情報を数値化した値を示す。
【表1】
【0067】
表1では、対象者の治療確認連絡の要否を判定するための健康状態情報として、対象者ごとに、「治療実施日時」(治療を実施した日時)、「治療催促への応答」(治療実施の催促に対する応答の有無)、「治療実施連絡」(治療を実施したことを連絡する治療実施連絡の有無)、「オペレータ所感」(治療実施連絡を受信したオペレータの所感)、「音声診断」(電話等の通信時の音声に基づく健康状態の診断)及び「治療継続履歴」を取得し、各項目の情報と情報を数値化した値を表している。
【0068】
表1において、各項目の情報を以下のように数値化した。
[治療実施日時] 現時点から1か月以内に治療を実施:0、現時点から1か月より前で2か月以内に治療を実施:1、現時点から2か月以内に治療の実施なし:2
[治療催促への応答] 応答あり:0、応答なし:1
[治療実施連絡] 連絡あり:0、連絡なし:1
[オペレータ所感] 良好:0、元気なし:1
[音声診断] 良好:0、元気なし:1
[治療継続履歴] 治療継続中:0、治療離脱:1
【0069】
上記の健康状態情報の項目ごとに数値化した値を、対象者ごとにベクトル化した。このとき、各対象者の健康状態情報は、以下のようにベクトル形式で表される。
対象者1:(1、1、1、1、1、0)
対象者2:(2、0、1、1、1、1)
対象者3:(0、0、0、0、0、0)
対象者4:(0、0、0、0、0、0)
【0070】
ここで、治療離脱リスクの基準とする基準ベクトルを(2、1、1、1、1、1)とし、健康状態情報のベクトルと、基準ベクトルとの距離が0~1.5未満の場合の治療離脱リスクを「高」、1.5以上2.5未満の場合の治療離脱リスクを「中」、2.5以上の場合の治療離脱リスクを「低」と設定した。また、治療離脱リスクが「中」又は「高」の場合に、対象者が治療確認連絡が必要と判定する設定とした。
【0071】
このとき、各対象者の健康状態情報を表すベクトルと、基準ベクトルとの距離は、対象者1で1.4、対象者2で1、対象者3で3、対象者4で3と算出された。したがって、上記の具体例では、判定部210は、対象者1及び対象者2に対し、治療確認連絡が必要と判定した。
【0072】
図6は、判定段階S100の一例を示す。S100は、図4及び図5のフローに加えて/替えて、S160からS180を実行することにより、実現されてよい。
【0073】
まず、S160において、判定部210は、対象者の健康状態情報を取得する。判定部210は、対象者及び/又はシステム100のオペレータが、入力部110で入力した健康状態情報を取得してよい。また、判定部210は、対象者の端末400から通信部230を介して入力された健康状態情報を取得してよい。
【0074】
次に、S170において、判定部210は、健康状態情報及び治療離脱に関するデータを教師データとする機械学習により生成された判断推論モデルを用いて、対象者の治療離脱リスクを算出する。対象者の健康状態と離脱リスクは相関関係が存在することは明らかである。そこで、判定部210は、多数の対象者について(健康状態情報、予め定められた期間内に治療を離脱したか否か)のペアを教師データとして判断推論モデルを学習してよい。判定部210は、例えば、回帰木またはランダムフォレスト(Random Forest)などの木分析、ニューラルネットワーク、ベイズ分析、または、これらの組み合わせなどにより、判断推論モデルを学習してよい。
【0075】
判定部210は、治療離脱リスクの大きさを「高」、「中」、「低」などの段階的な指標として算出してよい。例えば、判定部210は、上記で算出した指定された項目の数値、数値の統計量、数値の変化量等と、予め定められた基準値とを比較して、比較結果に基づいて、治療離脱リスクを「高」、「中」、「低」と判定してよい。
【0076】
また、判定部210は、治療離脱リスクの大きさを、治療離脱(%)の推測値として算出してもよい。例えば、判定部210は、対象者と同じ疾病等の患者について治療離脱率と健康状態情報の各項目との相関関係を予め取得し、このような相関関係に基づき、健康状態情報から治療離脱率(%)の推定値を算出してよい。
【0077】
次に、S180において、判定部210は、S170で算出した治療離脱リスクに基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する。判定部210は、S150の説明において説明したことと同様に、治療離脱リスクの大きさに基づき、治療確認連絡の要否を判定してよい。また、判定部210は、S150の説明において説明したことと同様に、治療離脱の大きさに基づき、治療確認連絡の時期、回数、内容を選定してよい。
【0078】
上記処理フローでは、S100で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、S200を実行する。S200では、特定部220は、治療確認連絡を確認役に実行させるべく、対象者及び確認役の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする確認役を特定する。
【0079】
図7は、特定段階S200の一例を示す。S200は、S210からS230を実行することにより、実現されてよい。
【0080】
まず、S210において、特定部220は、対象者及び確認役の候補者の健康状態情報及び/又は属性情報を取得する。健康状態情報は、上述した説明がそのまま適用されてよい。属性情報は、居住地、職業、職歴、勤続年数、年収、趣味、嗜好性、性格、消費傾向、婚姻状態、同居家族、住居形態及び家族構成の少なくともいずれかを含んでよい。属性情報の少なくとも一部は、性別、年齢等の健康状態情報に含まれ得る情報であってもよい。
【0081】
確認役の候補者は、健康状態情報及び/又は属性情報が入手されている対象者以外の全ての患者であってよく、確認役となることについて予め同意が得られている一部の患者であってよく、又は、予め定められた基準で選定された一部の患者であってよい。
【0082】
特定部220は、対象者及び/又はシステム100のオペレータが、入力部110で入力した健康状態情報及び属性情報を取得してよい。また、特定部220は、対象者の端末400及び確認役の候補者の端末400から通信部230を介して入力された健康状態情報及び属性情報を取得してよい。
【0083】
次に、S220において、特定部220は、S210で取得した対象者及び確認役の候補者の健康状態情報及び/又は属性情報の類似度を算出する。特定部220は、予め定められた算出基準を用いて、類似度を算出してよい。算出基準は、健康状態情報及び/又は属性情報のうち一部の項目を指定し、対象者と確認役の候補者との間で指定された項目の情報を比較することで、類似度を算出する基準であってよい。
【0084】
算出基準は、対象者及び確認役の候補者の健康状態情報のうち、治療の離脱と相関がある複数の項目(n個)を数値化し、n個の数値をn次元のベクトルで表し、対象者と確認役の候補者との間の当該ベクトルの差(距離)に基づいて類似度を算出する基準であってよい。
【0085】
また、特定部220は、類似度を「高」、「中」、「低」などの段階的な指標として算出してよい。例えば、特定部220は、上記で算出した指定された項目の情報を対象者と確認役の候補者の間で比較することで、情報の一致点及び/又は相違点を特定し、当該一致点及び/又は相違点に基づき、類似度を「高」、「中」、「低」と算出してよい。また、健康状態情報及び/又は属性情報のうち、複数の項目について数値化したベクトルの差(距離)に応じて、類似度を「高」、「中」、「低」と算出してよい。特定部220は、上述した算出方法を組み合わせて、類似度を算出してもよい。
【0086】
次に、S230において、特定部220は、S220で算出した類似度を用いて、確認役の候補者の中から、対象者にマッチングする確認役を特定する。特定部220は、対象者に対し、健康状態情報及び/又は属性情報の類似度が予め定められた基準を満たす確認役をマッチングしてよい。
【0087】
例えば、特定部220は、対象者と確認役の候補者の間の属性情報の類似度が「高」と算出した場合に、当該確認役の候補者を、治療確認連絡を実行させる確認役に特定してよい。例えば、特定部220は、対象者と最も類似度が高かった確認役の候補者を、確認役としてよい。これにより、対象者と親和性が高い者による連絡が可能になり、共感を引き起こして連絡の効果を高めることができる。
【0088】
また、特定部220は、健康状態情報及び/又は属性情報のうち、指定された項目について、類似度が「低」と算出された確認役の候補者を、治療確認連絡を実行させる確認役として特定してもよい。あえて、類似度が低い患者を確認役にすることで、客観的な立場からの連絡が期待できる。
【0089】
S230において、特定部220は、確認役の候補者の中から、複数の確認役を特定してもよい。複数の確認役に治療確認連絡を実行させることで、対象者に様々な立場の者による連絡が可能になり、幅広い価値観や観点に基づく連絡が期待できる。
【0090】
以下に、図7における特定段階S200の一例において、確認役を特定する具体例を示す。表2は、対象者及び確認役の候補者ごとに、健康状態情報及び属性情報の項目と、各項目の情報及び情報を数値化した値を示す。
【表2】
【0091】
表2では、対象者及び確認役の健康状態情報及び属性情報として、「住所」、「性別」、「家族構成」、「生活リズム」(生活習慣)、「治療継続履歴」、「治療離脱リスク」、「健康状態情報ベクトル」を取得し、各項目の情報を表している。なお、「治療離脱リスク」と「健康状態情報ベクトル」は、上述の表1に示した例と同様の方法で算出している。
【0092】
[具体例1]対象者及び確認役の属性情報に基づき、対象者にマッチングする確認役を特定する例
表2で属性情報として指定した住所、性別、家族構成の情報が一致する項目ごとに類似度を1点ずつ加算して合計値で類似度を算出する基準とした。また、類似度が、0~1.5未満、1.5以上2.5未満、2.5以上の場合を、それぞれ類似度「低」、「中」、「高」と判定する基準とした。このとき、対象者1と確認役3及び確認役4との間の類似度は、それぞれ、3点、1点となった。本具体例では、対象者1に対し、確認役3を確認役としてマッチングした。
【0093】
[具体例2]対象者及び確認役の性別及び治療離脱リスクに基づき、対象者にマッチングする確認役を特定する例
表2で指定した性別及び治療離脱リスクの情報が一致する項目ごとに類似度を1点ずつ加算して合計値で類似度を算出する基準とした。また、類似度が0~0.5未満、0.5以上1.5未満、1.5以上の場合を、それぞれ類似度「低」、「中」、「高」と判定する基準とした。このとき、対象者2と確認役3及び確認役4との間の類似度は、それぞれ、0点、2点となった。本具体例では、対象者2に対し、確認役4を確認役としてマッチングした。
【0094】
[具体例3]健康状態情報をベクトル化したときのベクトルの差(距離)に基づき、対象者にマッチングする確認役を特定する例
表2で健康状態情報ベクトルとして指定したベクトルの差(距離)を算出し、ベクトルの距離が0~1.5未満、1.5以上2.0未満、2.0以上の場合に、それぞれと類似度が「低」、「中」、「高」と判定する基準とした。また、対象者の生活リズムが朝型の場合は、類似度が「高」の確認役をマッチングし、対象者の生活リズムが夜型の場合は、類似度が「低」の確認役をマッチングする基準とした。このとき、対象者1と確認役3及び確認役4の類似度は、それぞれ「高」、「低」となり、対象者2と確認役3及び4の類似度は、それぞれ「高」、「低」となった。本具体例では、対象者1に対し確認役3を確認役としてマッチングし、対象者2に対し対象者4をマッチングした。
【0095】
上述した例における特定段階S200のフローに加えて/替えて、システム100は、治療確認連絡の履歴情報を取得し、S200において、特定部220は、治療確認連絡の履歴情報を用いて、対象者にマッチングする確認役を特定してよい。また、上述した例における特定段階S200のフローに加えて/替えて、システム100は、対象者及び/又は確認役から、治療確認連絡に係る評価情報を取得し、特定部220は、評価情報を用いて、対象者にマッチングする確認役を特定してよい。治療確認連絡の履歴情報及び治療連絡に係る評価情報を用いた確認役の特定の詳細については後述する。
【0096】
また、S200において、多数の治療確認連絡で取得した履歴情報及び評価情報を用いた機械学習により生成された判断推論モデルを用いて、対象者と確認役とをマッチングさせてもよい。治療確認連絡の履歴情報等を用いた判断推論モデルの詳細については後述する。
【0097】
なお、S200において、対象者と確認役とのマッチングは、上述した類似度及び機械学習に基づくマッチングに限定されない。例えば、対象者と確認役とをランダムにマッチングしてもよい。
【0098】
S200により、対象者にマッチングする確認役を特定した後、システム100は、S300を実行する。通信部230は、S300において、対象者の端末400と、特定部で特定された確認役の端末400とを、通信可能に接続する。通信部230は、インターネット等のネットワーク300を介して、対象者の端末400及び/又は確認役の端末400と接続してよい。
【0099】
例えば、対象者の端末400と確認役の端末400には予め連絡用のアプリケーションがインストールされており、システム100は、確認役の端末400に、連絡を開始してもよいかの確認通知を、アプリケーションを介して表示させてもよい。確認役の端末400から「連絡を開始してもよい」旨の返答が得られたことに応じて、システム100は、アプリケーションを介して、対象者の端末400と通話接続を開始してよい。これに代えて、システム100は、対象者の端末400と確認役の端末400の両方に確認通知を送信し、両者から了承が得られたことに応じて通話接続を開始してもよい。
【0100】
システム100は、治療確認連絡を、通信部230を介して、対象者及び確認役の間で、電話、テレビ電話等の通話により実行させてよい。また、システム100は、治療確認連絡を、通信部230を介して、その場で入力された又は予め入力された、テキストデータ、画像データ、音声データ及び動画データの少なくともいずれかを、対象者の端末400及び確認役の端末400の間で送受信させることで実行させてよい。
【0101】
ここで、確認役は、対象者の治療実施状況の確認、投薬等の治療実施のリマインド、対象者の悩み相談、治療継続の励ましやアドバイス、雑談などを行ってよい。
【0102】
なお、システム100は、治療確認連絡の実行後、対象者が治療を一定期間実施しない場合に、再び治療確認連絡を実施させてよい。このとき、先の治療確認連絡を実行させた確認役と同じ確認役に治療確認連絡を実行させてよい。また、システム100は、異なる確認役をマッチングして、治療確認連絡を実行させてもよい。異なる確認役は、経験豊富な確認役や多数の対象者に高い評価を受けた者であってよい。また、システム100は、確認役及び/又は医師に、対象者を訪問する依頼を送信してもよい。
【0103】
上記処理フローでは、S300の終了後、S400を実行する。S400では、システム100は、治療確認連絡の履歴情報を取得する。
【0104】
システム100は、治療確認連絡の履歴情報を、治療確認連絡が実行されたときに、通信部230を介して取得してよい。
【0105】
治療確認連絡の履歴情報は、治療確認連絡が実行された日時、回数及び内容を含んでよい。治療確認連絡が、対象者と確認役との間で通話により実行された場合は、治療確認連絡の履歴情報は、通話の音声データ、映像データの少なくとも一部を含んでよい。治療確認連絡が、対象者と確認役との間のテキストデータ等の送受信により実行された場合は、当該テキストデータ等の少なくとも一部を含んでよい。また、上記の音声データ等から、治療確認連絡における対象者及び/又は確認役の発言内容、態度、表情等を抽出した情報を含んでよい。
【0106】
システム100は、S400で取得した治療確認連絡の履歴情報から、健康状態、精神状態、生活習慣、趣味、嗜好性、性格等の情報を抽出して対象者及び/又は確認役の健康状態情報及び属性情報を生成、更新してもよい。また、システム100は、治療確認連絡の履歴情報から、対象者の治療離脱リスクが改善又は悪化したことを示す情報を抽出してよい。
【0107】
例えば、システム100は、治療確認連絡における通話の音声データやテキストデータから、対象者の治療に対する意欲や対象者の健康状態を判定して、対象者の治療離脱リスクの改善又は悪化を示す情報として抽出してよい。
【0108】
具体的には、システム100は、音声の周波数、声量、会話速度等から、対象者の治療離脱リスクの変化を抽出してよく、例えば、予め定められた基準、又は、予め定められた時点の対象者又は予め定められた期間の対象者の平均より音声の周波数が低い場合、声量が小さい場合、会話速度が遅い場合に、対象者に「元気がない」と判定し、対象者の治療離脱リスクが悪化したことを示す情報として抽出してよい。また、通話の音声データやテキストデータから対象者の治療離脱リスクの変化を抽出してよく、例えば、「元気がない」、「精神的に苦痛を感じている」、「やる気が出ない」などの言葉から、治療に対する意欲の低下や健康状態の悪化を判定し、対象者の治療離脱リスクが悪化したことを示す情報として抽出してよい。
【0109】
このとき、上記の健康状態や治療離脱リスクの改善等の情報の抽出は、音声解析用のアプリケーション、自然言語解析用のアプリケーション、AI等が行ってよく、オペレータが行ってもよい。なお、図4の判定段階S100の例において、音声に基づく健康状態の診断を行う場合にも、上述の治療離脱リスクに係る情報の抽出と同様に音声データから健康状態を診断してよい。
【0110】
S400で取得された履歴情報は、次回以降のS200の実行時に、特定部220が対象者にマッチングする確認役を特定する際に用いられる。次回以降のS200において、特定部220は、治療確認連絡の履歴情報(治療確認連絡の履歴情報から抽出され健康状態等の情報を含む。)に基づき、対象者にマッチングする確認役を特定してよい。また、例えば、対象者と確認役との間で治療確認連絡が実行された後に、対象者の治療離脱リスクが改善した場合、特定部200は、当該対象者に対し、当該確認役が優先的にマッチングされるよう、マッチング時の基準に加点してよい。一方、対象者と確認役との間で治療確認連絡が実行された後に、対象者の治療離脱リスクが悪化した場合、特定部220は、当該対象者に対し、当該確認役がマッチングされにくいよう、マッチング時の基準を限定してもよい。
【0111】
上記処理フローでは、S400の次に、S500を実行する。S500では、システム100は、対象者及び/又は確認役から、治療確認連絡に係る評価情報を取得する。
【0112】
治療確認連絡に係る評価情報は、対象者及び/又は確認役に対する評価(例えば「高」、「中」、「低」などの指標による評価や、点数による評価)や感想を含んでよい。また、治療確認連絡に係る評価情報は、治療確認連絡により、対象者の治療実施に対するモチベーションが改善又は悪化したことを示す情報を含んでよい。システム100は、治療確認連絡に係る評価情報を、対象者及び/又は確認役の端末400から通信部230を介して取得してよい。
【0113】
次回以降のS200の実行時に、特定部220は、治療確認連絡に係る評価情報に基づき、対象者にマッチングする確認役を特定してよい。例えば、高評価を得た確認役に対し、当該確認役が優先的にマッチングされるよう、マッチング時の基準に加点してよい。また、高評価を得た確認役が次回以降に対象者となる場合に、確認役を選択できる特典を付与してもよい。
【0114】
なお、S200において、判定部210は、多数の治療確認連絡で取得した治療確認連絡の履歴情報、及び/又は、治療確認連絡に係る評価情報を用いて機械学習により生成された判断推論モデルを用いて、対象者と確認役とをマッチングさせてもよい。対象者及び/又は確認役の健康状態情報や(例えば、性別、年齢等)や属性情報(例えば、趣味、嗜好、性格等)と、治療確認連絡により対象者の治療離脱リスクが改善又は悪化することとの間に、相関関係が存在する場合がある。
【0115】
そこで、特定部220は、多数の治療確認連絡で取得した(治療確認連絡の履歴情報及び/又は治療確認連絡に係る評価情報、治療離脱リスクの改善又は悪化状況)のペアを教師データとして判断推論モデルを学習してよい。特定部220は、例えば、回帰木またはランダムフォレスト(Random Forest)などの木分析、ニューラルネットワーク、ベイズ分析、または、これらの組み合わせなどにより、判断推論モデルを学習してよい。
【0116】
本実施形態では、システム100が、S400の次にS500を実行する順序で説明したが、システム100は、S400及びS500を省略してもよい。また、S400及びS500は、S300の実行後であれば、どの段階で行ってもよい。例えば、システム100は、S400の前にS500を実行してもよい。
【0117】
本実施形態の処理フローにより、患者の治療離脱リスクを早期に判定し、治療離脱リスクがある患者に対し、他の患者からアドバイス等を受ける機会を付与できる。これにより、患者の治療継続のモチベーションを高め、治療離脱リスクを低減することができる。
【0118】
本実施形態の変形例として、1又は複数の対象者に対し、1又は複数の確認役をマッチングする変形例について説明する。
【0119】
上述のS200において、特定部220は、1又は複数の対象者に共通してマッチングする1又は複数の確認役を特定してよい。このとき、特定部220は、上述のS200について説明した例に基づき、対象者について、確認役の候補者からマッチングする1又は複数の候補者を、確認役に特定してよい。対象者が複数の場合は、特定部220は、それぞれの対象者で共通にマッチングする1又は複数の候補者を、確認役に特定してよい。
【0120】
この変形例では、上述のS300において、通信部230は、1又は複数の対象者の端末400に対し、1又は複数の確認役の端末400を、同時に通信可能に接続してよい。
【0121】
これにより、1人又は少数の確認役が、多数の対象者に同時に連絡を実行したり、多数の確認役が1人又は少数の対象者を励ますことができる。
【0122】
図8は、本実施形態の方法の処理フローの変形例を示す。システム100は、S100´からS500´の処理を行うことにより、対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する判定段階と、判定段階で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、治療確認連絡を複数の対象者で互いに実行させるべく、対象者の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする1又は複数の他の対象者を特定する特定段階と、を実行できる。なお、説明の便宜上、S100´からS500´の処理を順番に説明するが、これらの処理は少なくとも一部が並列に実行されるものであってもよいし、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各ステップを入れ替えて実行されてもよいし、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で一部のステップを省略して実行されてもよい。
【0123】
図8に示す方法は、判定段階S100´、特定段階S200´、接続段階S300´、履歴情報取得段階S400´及び評価情報取得段階S500´を備える。
【0124】
まず、S100´において、判定部210は対象者の健康状態情報に基づき、対象者の治療確認連絡の要否を判定する。S100´の説明は、上述したS100の説明がそのまま適用されてよい。S100´の終了後、S200´に進む。
【0125】
次にS200´において、特定部220は、判定段階で治療確認連絡が必要と判定されたことに応じて、治療確認連絡を複数の対象者で互いに実行させるべく、対象者の健康状態情報及び/又は属性情報に基づき、対象者にマッチングする1又は複数の他の対象者を特定する。
【0126】
S200´の説明は、上述したS200の説明において、「確認役」を「他の対象者」に置き換えて適用されてよい。S200´の終了後、S300´に進む。
【0127】
S300´では、通信部230は、対象者の端末と、特定部で特定された他の対象者の端末とを、通信可能に接続する。S300´の説明は、上述したS300の説明において、「確認役」を「他の対象者」に置き換えて適用されてよい。S300´の終了後、S400´に進む。
【0128】
S400´では、システム100は、治療確認連絡の履歴情報を取得する。また、特定部220は、治療確認連絡の履歴情報を用いて、対象者にマッチングする他の対象者を特定する。S400´の説明は、上述したS400の説明において、「確認役」を「他の対象者」に置き換えて適用されてよい。S400´の終了後、S500´に進む。
【0129】
S500´では、システム100は、対象者及び/又は他の対象者から、治療確認連絡に係る評価情報を取得する。また、特定部220は、評価情報を用いて、対象者にマッチングする他の対象者を特定する。S500´の説明は、上述したS500の説明において、「確認役」を「他の対象者」に置き換えて適用されてよい。
【0130】
本実施形態の処理フローにより、患者の治療離脱リスクを早期に判定し、治療離脱リスクがある患者に対し、治療継続のモチベーションを高め、治療離脱リスクを低減することができる。
【0131】
図9は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0132】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0133】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0134】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0135】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0136】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0137】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0138】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0139】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0140】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0141】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0142】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0143】
100 システム
110 入力部
120 記憶部
130 出力部
200 演算部
210 判定部
220 特定部
230 通信部
300 ネットワーク
400 端末
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
図1
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