(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077542
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】データ記録装置、データ記録方法、および、データ記録プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240531BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
G05B23/02 301U
G05B23/02 302R
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189686
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下村 高範
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】山路 雅人
【テーマコード(参考)】
3C223
5C054
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA02
3C223AA04
3C223AA05
3C223AA06
3C223BA01
3C223BB08
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB01
3C223EB02
3C223FF05
3C223FF13
3C223FF16
3C223FF33
3C223GG01
3C223HH02
5C054CA04
5C054CC02
5C054CH04
5C054GB02
5C054GB06
5C054GD06
5C054HA19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】データ記録装置を提供する。
【解決手段】設備に設けられたセンサからのセンサデータを取得するセンサデータ取得部と、前記センサデータに基づいて、前記設備における異常の予兆を検出する予兆検出部と、前記予兆が検出されたことに応じて、前記設備における撮影対象を撮影可能なカメラに対して撮影の開始を指示する指示部と、前記カメラによって撮影された撮影データを記録する記録部と、を備える、データ記録装置を提供する。前記データ記録装置は、前記センサデータに基づいて、前記設備における異常を検出する異常検出部と、前記異常が検出されたことに応じて、前記記録された撮影データを収集する収集部と、を更に備えてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備に設けられたセンサからのセンサデータを取得するセンサデータ取得部と、
前記センサデータに基づいて、前記設備における異常の予兆を検出する予兆検出部と、
前記予兆が検出されたことに応じて、前記設備における撮影対象を撮影可能なカメラに対して撮影の開始を指示する指示部と、
前記カメラによって撮影された撮影データを記録する記録部と、
を備える、データ記録装置。
【請求項2】
前記センサデータに基づいて、前記設備における異常を検出する異常検出部と、
前記異常が検出されたことに応じて、前記記録された撮影データを収集する収集部と、
を更に備える、請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記予兆検出部は、前記センサデータが第1の基準を満たさない場合に前記設備における異常の予兆を検出し、
前記異常検出部は、前記センサデータが第2の基準を満たさない場合に前記設備における異常を検出する、請求項2に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記予兆の検出に用いられる前記センサデータ、および、前記異常の検出に用いられる前記センサデータは、前記設備に設けられた異なるセンサからそれぞれ取得されたものである、請求項3に記載のデータ記録装置。
【請求項5】
前記予兆検出部は、前記センサデータの値が第1の閾値を超えた回数が第1の回数となった場合に前記第1の基準を満たさないと判定し、
前記異常検出部は、前記センサデータの値が第2の閾値を超えた回数が第2の回数となった場合に前記第2の基準を満たさないと判定する、請求項3または4に記載のデータ記録装置。
【請求項6】
前記予兆検出部は、前記センサデータの値が第1の範囲外となった場合に前記第1の基準を満たさないと判定し、
前記異常検出部は、前記センサデータの値が第2の範囲外となった場合に前記第2の基準を満たさないと判定する、請求項3または4に記載のデータ記録装置。
【請求項7】
前記設備における予兆が検出されてから予め定められた期間に亘って前記設備における異常が検出されなかった場合に、前記記録された撮影データの少なくとも一部を削除する削除部を更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ記録装置。
【請求項8】
前記指示部は、前記撮影の開始を指示する場合に、前記撮影対象又はその周囲の少なくともいずれかを照らす照明に対してオンするように指示する、請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ記録装置。
【請求項9】
前記指示部は、前記センサと前記撮影対象が予め対応付けられたテーブルを用いて、前記撮影の開始を指示するカメラを選択する、請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ記録装置。
【請求項10】
前記指示部は、前記選択されたカメラに対して、前記センサが設けられている方向を向くように撮影方向を指示する、請求項9に記載のデータ記録装置。
【請求項11】
前記撮影対象は、前記設備に設けられた制御対象に与える操作量が外観から推測可能な操作器である、請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ記録装置。
【請求項12】
前記収集された撮影データに応じた情報を出力する出力部を更に備える、請求項2から4のいずれか一項に記載のデータ記録装置。
【請求項13】
前記収集された撮影データを前記設備の異常と対応付けて登録する登録部を更に備える、請求項12に記載のデータ記録装置。
【請求項14】
前記登録された情報を解析して前記異常の要因を推定する推定部を更に備える、請求項13に記載のデータ記録装置。
【請求項15】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータが、
設備に設けられたセンサからのセンサデータを取得することと、
前記センサデータに基づいて、前記設備における異常の予兆を検出することと、
前記予兆が検出されたことに応じて、前記設備における撮影対象を撮影可能なカメラに対して撮影の開始を指示することと、
前記カメラによって撮影された撮影データを記録することと、
を備える、データ記録方法。
【請求項16】
コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、
設備に設けられたセンサからのセンサデータを取得するセンサデータ取得部と、
前記センサデータに基づいて、前記設備における異常の予兆を検出する予兆検出部と、
前記予兆が検出されたことに応じて、前記設備における撮影対象を撮影可能なカメラに対して撮影の開始を指示する指示部と、
前記カメラによって撮影された撮影データを記録する記録部と、
して機能させる、データ記録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ記録装置、データ記録方法、および、データ記録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「映像信号6を映像一時記録装置12に常に一定時間分の映像信号が記録されているように古い映像信号を順次更新していく形で記録する」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開平7-325990
[特許文献2] 特開平10-294933
[特許文献3] 特開2001-084031
[特許文献4] 特開2005-316587
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、データ記録装置を提供する。前記データ記録装置は、設備に設けられたセンサからのセンサデータを取得するセンサデータ取得部と、前記センサデータに基づいて、前記設備における異常の予兆を検出する予兆検出部と、前記予兆が検出されたことに応じて、前記設備における撮影対象を撮影可能なカメラに対して撮影の開始を指示する指示部と、前記カメラによって撮影された撮影データを記録する記録部と、前記センサデータに基づいて、前記設備における異常を検出する異常検出部と、前記異常が検出されたことに応じて、前記記録された撮影データを収集する収集部と、を備える。
【0004】
前記データ記録装置は、前記センサデータに基づいて、前記設備における異常を検出する異常検出部と、前記異常が検出されたことに応じて、前記記録された撮影データを収集する収集部と、を更に備えてもよい。
【0005】
前記データ記録装置のいずれかにおいて、前記予兆検出部は、前記センサデータが第1の基準を満たさない場合に前記設備における異常の予兆を検出し、前記異常検出部は、前記センサデータが第2の基準を満たさない場合に前記設備における異常を検出してもよい。
【0006】
前記データ記録装置のいずれかにおいて、前記予兆の検出に用いられる前記センサデータ、および、前記異常の検出に用いられる前記センサデータは、前記設備に設けられた異なるセンサからそれぞれ取得されたものであってもよい。
【0007】
前記データ記録装置のいずれかにおいて、前記予兆検出部は、前記センサデータの値が第1の閾値を超えた回数が第1の回数となった場合に前記第1の基準を満たさないと判定し、前記異常検出部は、前記センサデータの値が第2の閾値を超えた回数が第2の回数となった場合に前記第2の基準を満たさないと判定してもよい。
【0008】
前記データ記録装置のいずれかにおいて、前記予兆検出部は、前記センサデータの値が第1の範囲外となった場合に前記第1の基準を満たさないと判定し、前記異常検出部は、前記センサデータの値が第2の範囲外となった場合に前記第2の基準を満たさないと判定してもよい。
【0009】
前記データ記録装置のいずれかは、前記設備における予兆が検出されてから予め定められた期間に亘って前記設備における異常が検出されなかった場合に、前記記録された撮影データの少なくとも一部を削除する削除部を更に備えてもよい。
【0010】
前記データ記録装置のいずれかにおいて、前記指示部は、前記撮影の開始を指示する場合に、前記撮影対象又はその周囲の少なくともいずれかを照らす照明に対してオンするように指示してもよい。
【0011】
前記データ記録装置のいずれかにおいて、前記指示部は、前記センサと前記撮影対象が予め対応付けられたテーブルを用いて、前記撮影の開始を指示するカメラを選択してもよい。
【0012】
前記データ記録装置のいずれかにおいて、前記指示部は、前記選択されたカメラに対して、前記センサが設けられている方向を向くように撮影方向を指示してもよい。
【0013】
前記データ記録装置のいずれかにおいて、前記撮影対象は、前記設備に設けられた制御対象に与える操作量が外観から推測可能な操作器であってもよい。
【0014】
前記データ記録装置のいずれかは、前記収集された撮影データに応じた情報を出力する出力部を更に備えてもよい。
【0015】
前記データ記録装置のいずれかは、前記収集された撮影データを前記設備の異常と対応付けて登録する登録部を更に備えてもよい。
【0016】
前記データ記録装置のいずれかは、前記登録された情報を解析して前記異常の要因を推定する推定部を更に備えてもよい。
【0017】
本発明の第2の態様においては、データ記録方法を提供する。前記データ記録方法は、コンピュータにより実行されて、前記コンピュータが、設備に設けられたセンサからのセンサデータを取得することと、前記センサデータに基づいて、前記設備における異常の予兆を検出することと、前記予兆が検出されたことに応じて、前記設備における撮影対象を撮影可能なカメラに対して撮影の開始を指示することと、前記カメラによって撮影された撮影データを記録することと、前記センサデータに基づいて、前記設備における異常を検出することと、前記異常が検出されたことに応じて、前記記録された撮影データを収集することと、を備える。
【0018】
本発明の第3の態様においては、データ記録プログラムを提供する。前記データ記録プログラムは、コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、設備に設けられたセンサからのセンサデータを取得するセンサデータ取得部と、前記センサデータに基づいて、前記設備における異常の予兆を検出する予兆検出部と、前記予兆が検出されたことに応じて、前記設備における撮影対象を撮影可能なカメラに対して撮影の開始を指示する指示部と、前記カメラによって撮影された撮影データを記録する記録部と、前記センサデータに基づいて、前記設備における異常を検出する異常検出部と、前記異常が検出されたことに応じて、前記記録された撮影データを収集する収集部と、して機能させる。
【0019】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係るデータ記録装置100のブロック図の一例を、設備10とともに示す。
【
図2】本実施形態に係るデータ記録装置100が、設備10における異常の予兆および異常を検出する第1の例を示す。
【
図3】本実施形態に係るデータ記録装置100が、設備10における異常の予兆および異常を検出する第2の例を示す。
【
図4】本実施形態に係るデータ記録装置100が、設備10における異常の予兆および異常を検出する第3の例を示す。
【
図5】本実施形態に係るデータ記録装置100が用いてよい対応テーブルの一例を示す。
【
図6】本実施形態に係るデータ記録装置100が実行するデータ記録方法のフロー図の一例を示す。
【
図7】本実施形態における第1の変形例に係るデータ記録装置100のブロック図の一例を、設備10とともに示す。
【
図8】本実施形態における第2の変形例に係るデータ記録装置100のブロック図の一例を、設備10とともに示す。
【
図9】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ9900の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、本実施形態に係るデータ記録装置100のブロック図の一例を、設備10とともに示す。なお、これらブロックは、それぞれ機能的に分離された機能ブロックであって、実際の装置構成とは必ずしも一致していなくてもよい。すなわち、本図において、1つのブロックとして示されているからといって、それが必ずしも1つのデバイスにより構成されていなくてもよい。また、本図において、別々のブロックとして示されているからといって、それらが必ずしも別々のデバイスにより構成されていなくてもよい。これより先のブロック図についても同様である。
【0023】
設備10は、原材料から製品を製造する装置(群)である。例えば、設備10は、プラントであってもよいし、複数の機器を複合させた複合装置であってもよい。プラントとしては、化学やバイオ等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等が挙げられる。
【0024】
このような設備10には、1または複数のセンサ20が設けられている。センサ20は、設備10における様々な状態(物理量)を時系列に測定する。センサ20は、例えば、OT(Operational Technology)領域に設置されているセンサ(例えば、プロセス制御(測定)用センサ)やIoT(Internet of Things)センサであってよく、一例として、プラントに設けられた1または複数のフィールド機器と接続、または、一体に構成された産業用(Industrial)センサであってもよい。
【0025】
このようなセンサ20によるセンシングデータ、または、当該センシングデータを信号処理したデータを、センサデータと呼ぶこととする。センサデータには、例えば、圧力、流量、温度、湿度、加速度、角速度、ガス濃度、臭い、画像、光、音、磁気、および、放射線量等、五感(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)で検出可能な物理量から人間の感覚では検出できない物理量まで、様々な物理量を測定したデータが含まれてよい。
【0026】
また、設備10には、1または複数のカメラ30が設けられている。カメラ30は、設備10における様々な映像を撮影する。カメラ30は、外部からの指示に応じて撮影を開始・停止するように遠隔操作可能であってもよい。
【0027】
また、設備10には、1または複数の撮影対象40が設けられている。撮影対象40は、カメラ30により撮影される対象となる機器である。
【0028】
また、設備10には、1または複数の照明50が設けられている。照明50は、設備10における様々な箇所を光で照らして明るくする。照明50は、外部からの指示に応じて撮影対象40又はその周囲の少なくともいずれかを照らすように遠隔操作可能であってもよい。
【0029】
このような設備10において、何らかの異常が発生した場合には、異常発生の前後に撮影された撮影データを収集することが望ましい。従来、このような要求に応えるべく、異常発生に備えて一時記録装置に一定時間分の撮影データを記録しておき、異常発生を検出した場合に一時記録装置にアクセスして異常発生前の撮影データを利用可能とすることにより、異常発生を検出した後からでも異常発生前に撮影された撮影データを収集可能としていた。しかしながら、この場合、設備10の状態に関わらず一時記録装置に常に一定時間分の撮影データを記録し続けておかなければならないという問題があった。このような問題は、撮影対象を無数に含む大規模なプラント等を監視する上では、特に大きな問題となり得る。
【0030】
そこで、本実施形態に係るデータ記録装置100は、センサ20からのセンサデータに基づいて設備10における異常の予兆を検出した場合に、カメラ30に対して撮影を開始させて撮影データを記録する。すなわち、本実施形態に係るデータ記録装置100は、撮影データの収集に先立ち撮影データの記録をトリガする。このようなデータ記録装置100の詳細について説明する。
【0031】
データ記録装置100は、センサデータ取得部110と、予兆検出部120と、指示部130と、撮影データ取得部140と、記録部150と、異常検出部160と、収集部170と、を備える。
【0032】
センサデータ取得部110は、設備10に設けられたセンサ20からのセンサデータを取得する。一例として、センサデータ取得部110は、通信部であってよく、設備10に設けられた複数のセンサ20の各々が時系列に測定したセンシングデータを、ネットワークを介して設備10から時系列に取得してよい。しかしながら、これに限定されるものではない。センサデータ取得部110は、センサデータを、ネットワークとは異なる他の手段(例えば、各種メモリデバイスやユーザ入力等)を介して取得してもよいし、設備10とは異なる他の装置から取得してもよい。センサデータ取得部110は、取得したセンサデータを予兆検出部120および異常検出部160へ供給する。
【0033】
予兆検出部120は、センサデータ取得部110により取得されたセンサデータに基づいて、設備10における異常の予兆を検出する。一例として、予兆検出部120は、センサデータ取得部110により取得されたセンサデータが第1の基準を満たさない場合に設備10における異常の予兆を検出してよい。この際に用いられる「第1の基準」は後述する「第2の基準」とは異なるものであってよい。予兆検出の詳細については後述する。予兆検出部120は、予兆を検出した場合に、その旨を指示部130へ通知する。
【0034】
指示部130は、予兆が検出されたことに応じて、設備10における撮影対象40を撮影可能なカメラ30に対して撮影の開始を指示する。一例として、指示部130は、通信部であってよく、予兆検出部120から予兆が検出された旨が通知された場合に、ネットワークを介して設備10に設けられたカメラ30に対して、撮影の開始を指示する操作コマンドを送信してよい。このように、指示部130は、カメラ30を遠隔操作することによって、撮影を開始させてもよい。しかしながら、これに限定されるものではない。指示部130は、ネットワークを介してモニタ機器、または、ユーザ端末等に対して撮影の開始を指示するメッセージを送信してよい。これにより、当該メッセージを見た作業員が、設備10に設けられたカメラ30を操作することによって、撮影を開始させてもよい。
【0035】
撮影データ取得部140は、カメラ30によって撮影された撮影データを取得する。一例として、撮影データ取得部140は、通信部であってよく、設備10に設けられたカメラ30が時系列に撮影した撮影データを、ネットワークを介して設備10から時系列に取得してよい。しかしながら、これに限定されるものではない。撮影データ取得部140は、撮影データを、ネットワークとは異なる他の手段を介して取得してもよいし、設備10とは異なる他の装置から取得してもよい。撮影データ取得部140は、取得した撮影データを記録部150へ供給する。
【0036】
記録部150は、カメラ30によって撮影された撮影データを記録する。一例として、記録部150は、メモリであってよく、撮影データ取得部140により取得された撮影データを時系列に記録してよい。
【0037】
異常検出部160は、センサデータ取得部110により取得されたセンサデータに基づいて、設備10における異常を検出する。一例として、異常検出部160は、センサデータ取得部110により取得されたセンサデータが第2の基準を満たさない場合に設備10における異常を検出してよい。この際に用いられる「第2の基準」は前述のとおり「第1の基準」とは異なるものであってよい。異常検出の詳細については後述する。異常検出部160は、異常を検出した場合に、その旨を収集部170へ通知する。
【0038】
収集部170は、異常が検出されたことに応じて、記録部150に記録された撮影データを収集する。一例として、収集部170は、異常検出部160から異常が検出された旨が通知された場合に、記録部150へアクセスし、記録部150に記録された撮影データを収集してよい。この際、収集部170は、異常が検出される前に撮影された撮影データのみを収集してもよいし、異常が検出される前に撮影された撮影データに加えて、異常が検出された後に撮影された撮影データを収集してもよい。すなわち、収集部170は、少なくとも異常が検出される前に撮影された撮影データを収集すればよい。
【0039】
このような機能部を備えたデータ記録装置100は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、データ記録装置100は、コンピュータ内で1または複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、データ記録装置100は、データの記録用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。また、データ記録装置100がインターネットに接続可能な場合、データ記録装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0040】
このようなコンピュータは、データ記録プログラムを格納するメモリと、データ記録プログラムを実行するプロセッサと、を備え、プロセッサがデータ記録プログラムを実行することにより、データ記録装置100としての機能が実装されてもよい。すなわち、コンピュータにより実行され、コンピュータを、設備10に設けられたセンサ20からのセンサデータを取得するセンサデータ取得部110と、センサデータに基づいて、設備10における異常の予兆を検出する予兆検出部120と、予兆が検出されたことに応じて、設備10における撮影対象40を撮影可能なカメラ30に対して撮影の開始を指示する指示部130と、カメラ30によって撮影された撮影データを記録する記録部150と、して機能させる、データ記録プログラムが提供されてよい。また、このようなデータ記録プログラムを記録した非一時的コンピュータ可読媒体が提供されてよい。
【0041】
図2は、本実施形態に係るデータ記録装置100が、設備10における異常の予兆および異常を検出する第1の例を示す。本図上は、センサ20a(例えば、振動センサ)からのセンサデータを時系列に示している。本図上において、縦軸はセンサ20aからのセンサデータの値を示しており、横軸は時間を示している。また、本図上において、マーカはサンプリング周期ごとのセンサデータを示している。本図下は、カメラ30の撮影モードを時系列に示している。本図下において、ビデオカメラに斜線が付されたアイコンはカメラ30が撮影を停止しているモードであることを示しており、ビデオカメラに斜線が付されていないアイコンはカメラ30が撮影を実行しているモードであることを示している。
【0042】
本図に示されるように、データ記録装置100は、予兆検出用および異常検出用に共通の閾値th21を用いてもよい。一例として、予兆検出部120において、センサデータの値が第1の閾値(本図においては、第1の閾値=th21)を超えた回数が第1の回数(例えば、3回)となった場合に第1の基準を満たさないと判定するように予め定義されていてよい。また、異常検出部160において、センサデータの値が第2の閾値(本図においては、第2の閾値=第1の閾値=th21)を超えた回数が第2の回数(例えば、10回)となった場合に第2の基準を満たさないと判定するように予め定義されていてよい。
【0043】
この場合、予兆検出部120は、センサデータの値が閾値th21を超えた回数が3回となった時刻T21のタイミングにおいて、設備10における異常の予兆を検出し、その旨を指示部130へ通知してよい。そして、指示部130は、カメラ30に対して撮影の開始を指示してよい。これに応じて、カメラ30は、時刻T21において撮影を開始してよい。例えばこのようにして、カメラ30は、時刻T21まで撮影を停止し、時刻T21から撮影を実行してよい。したがって、撮影データ取得部140は、時刻T21以降にカメラ30により撮影された撮影データを時系列に取得し、記録部150は、このようにして取得された撮影データを時系列に記録してよい。
【0044】
また、異常検出部160は、センサデータの値が閾値th21を超えた回数が10回となった時刻T22のタイミングにおいて、設備10における異常を検出し、その旨を収集部170へ通知してよい。そして、収集部170は、記録部150へアクセスし、記録部150に記録された撮影データ、すなわち、時刻T21以降にカメラ30により撮影された撮影データを収集してよい。
【0045】
このように、予兆検出部120は、センサデータの値が第1の閾値を超えた回数が第1の回数となった場合に第1の基準を満たさないと判定し、設備10における異常の予兆を検出してもよい。また、異常検出部160は、センサデータの値が第2の閾値を超えた回数が第2の回数となった場合に第2の基準を満たさないと判定し、設備10における異常を検出してもよい。
【0046】
図3は、本実施形態に係るデータ記録装置100が、設備10における異常の予兆および異常を検出する第2の例を示す。
図2と同様、本図上は、センサ20aからのセンサデータを時系列に示している。また、本図下は、カメラ30の撮影モードを時系列に示している。
【0047】
本図に示されるように、データ記録装置100は、予兆検出用および異常検出用に異なる複数の閾値th31および閾値th32を用いてもよい。一例として、予兆検出部120において、センサデータの値が第1の範囲外となった(例えば、閾値th31を超えた)場合に第1の基準を満たさないと判定するように予め定義されていてよい。また、異常検出部160において、センサデータの値が第2の範囲外となった(例えば、閾値th32を超えた)場合に第2の基準を満たさないと判定するように予め定義されていてよい。
【0048】
この場合、予兆検出部120は、センサデータの値が閾値th31を超えた時刻T31のタイミングにおいて、設備10における異常の予兆を検出し、その旨を指示部130へ通知してよい。そして、指示部130は、カメラ30に対して撮影の開始を指示してよい。これに応じて、カメラ30は、時刻T31において撮影を開始してよい。例えばこのようにして、カメラ30は、時刻T31まで撮影を停止し、時刻T31から撮影を実行してよい。したがって、撮影データ取得部140は、時刻T31以降にカメラ30により撮影された撮影データを時系列に取得し、記録部150は、このようにして取得された撮影データを時系列に記録してよい。
【0049】
また、異常検出部160は、センサデータの値が閾値th32を超えた時刻T32のタイミングにおいて、設備10における異常を検出し、その旨を収集部170へ通知してよい。そして、収集部170は、記録部150へアクセスし、記録部150に記録された撮影データ、すなわち、時刻T31以降にカメラ30により撮影された撮影データを収集してよい。
【0050】
このように、予兆検出部120は、センサデータの値が第1の範囲外となった場合に第1の基準を満たさないと判定し、設備10における異常の予兆を検出してもよい。また、異常検出部160は、センサデータの値が第2の範囲外となった場合に第2の基準を満たさないと判定するし、設備10における異常を検出してもよい。
【0051】
図4は、本実施形態に係るデータ記録装置100が、設備10における異常の予兆および異常を検出する第3の例を示す。
図2および
図3と同様、本図上は、センサ20aからのセンサデータを時系列に示している。また、本図下は、カメラ30の撮影モードを時系列に示している。そして、本図中央は、センサ20aとは異なるセンサ20b(例えば、音センサ)からのセンサデータを時系列に示している。
【0052】
本図に示されるように、予兆の検出に用いられるセンサデータ、および、異常の検出に用いられるセンサデータは、設備10に設けられた異なるセンサ20aおよびセンサ20bからそれぞれ取得されたものであってもよい。
【0053】
この場合、予兆検出部120は、センサ20bからのセンサデータの値が第1の範囲外となった(例えば、閾値th41を超えた)場合に第1の基準を満たさないと判定するように予め定義されていてよい。また、異常検出部160において、センサ20aからのセンサデータの値が第2の範囲外となった(例えば、閾値th42を超えた)場合に第2の基準を満たさないと判定するように予め定義されていてよい。
【0054】
この場合、予兆検出部120は、例えば異音が発生する等して音センサであるセンサ20bからのセンサデータの値が閾値th41を超えた時刻T41のタイミングにおいて、設備10における異常の予兆を検出し、その旨を指示部130へ通知してよい。そして、指示部130は、カメラ30に対して撮影の開始を指示してよい。これに応じて、カメラ30は、時刻T41において撮影を開始してよい。例えばこのようにして、カメラ30は、時刻T41まで撮影を停止し、時刻T41から撮影を実行してよい。したがって、撮影データ取得部140は、時刻T41以降にカメラ30により撮影された撮影データを時系列に取得し、記録部150は、このようにして取得された撮影データを時系列に記録してよい。
【0055】
また、異常検出部160は、例えば振動センサであるセンサ20aからのセンサデータの値が閾値th42を超えた時刻T42のタイミングにおいて、設備10における異常を検出し、その旨を収集部170へ通知してよい。そして、収集部170は、記録部150へアクセスし、記録部150に記録された撮影データ、すなわち、時刻T41以降にカメラ30により撮影された撮影データを収集してよい。
【0056】
このように、予兆検出部120は、センサ20bからのセンサデータの値が第1の範囲外となった場合に第1の基準を満たさないと判定し、設備10における異常の予兆を検出してもよい。また、異常検出部160は、センサ20aからのセンサデータの値が第2の範囲外となった場合に第2の基準を満たさないと判定し、設備10における異常を検出してもよい。すなわち、予兆の検出に用いられるセンサデータ、および、異常の検出に用いられるセンサデータは、設備10に設けられた異なるセンサ20aおよびセンサ20bからそれぞれ取得されたものであってもよい。
【0057】
ここまで、データ記録装置100が設備10における予兆および異常を検出する代表的な場合を例示として示した。しかしながら、検出の基準は、その他様々に定義可能であってよい。例えば、予兆検出部120は、センサ20aからのセンサデータの値が第1の閾値を超えた回数が予め定められた回数となった場合に設備10における予兆を検出し、異常検出部160は、センサ20aからのセンサデータの値が第2の閾値を超えた場合に設備10における異常を検出してもよい。また、予兆検出部120は、センサ20aからのセンサデータの値が第1の閾値を超えた場合に設備10における予兆を検出し、異常検出部160は、センサ20aからのセンサデータの値が第2の閾値を超えた回数が予め定められた回数となった場合に設備10における異常を検出してもよい。また、予兆検出部120は、センサ20bからのセンサデータの値が第1の閾値を超えた回数が予め定められた回数となった場合に設備10における予兆を検出し、異常検出部160は、センサ20aからのセンサデータの値が第2の閾値を超えた場合に設備10における異常を検出してもよい。また、予兆検出部120は、センサ20bからのセンサデータの値が第1の閾値を超えた場合に設備10における予兆を検出し、異常検出部160は、センサ20aからのセンサデータの値が第2の閾値を超えた回数が予め定められた回数となった場合に設備10における異常を検出してもよい。また、予兆検出部120は、センサ20bからのセンサデータの値が第1の閾値を超えた回数が第1の回数となった場合に設備10における予兆を検出し、異常検出部160は、センサ20aからのセンサデータの値が第2の閾値を超えた回数が第2の回数となった場合に設備10における異常を検出してもよい。
【0058】
図5は、本実施形態に係るデータ記録装置100が用いてよい対応テーブルの一例を示す。本図においては、センサ20、カメラ30、撮影対象40、および、照明50に関する情報がそれぞれ対応付けられている場合を一例として示している。
【0059】
センサ20に関する情報には、例えば、センサ20のID、および、センサ20の座標が含まれていてよい。カメラ30に関する情報には、例えば、カメラ30のID、および、カメラ30の座標が含まれていてよい。撮影対象40に関する情報には、例えば、撮影対象40のID、および、撮影対象40の座標が含まれていてよい。照明50に関する情報には、例えば、照明50のID、および、照明50の座標が含まれていてよい。
【0060】
本図に示されるように、例えば、センサ20a、カメラ30a、撮影対象40a、および、照明50aが対応付けられていたとする。この場合、センサ20aからのセンサデータに基づいて設備10における異常の予兆が検出された場合に、照明50aにより撮影対象40a又はその周囲の少なくともいずれかを照らした状態で、カメラ30aにより撮影対象40aを撮影すべきことを意味している。同様に、センサ20b、カメラ30b、撮影対象40b、および、照明50bが対応付けられていたとする。この場合、センサ20bからのセンサデータに基づいて設備10における異常の予兆が検出された場合に、照明50bにより撮影対象40b又はその周囲の少なくともいずれかを照らした状態で、カメラ30bにより撮影対象40bを撮影すべきことを意味している。対応テーブルには、例えばこのような対応関係が予め定義されていてよい。
【0061】
なお、本図においては、センサ20、カメラ30、撮影対象40、および、照明50が全て1対1に対応付けられている場合を一例として示しているが、これらの少なくとも一部は1対多に対応付けられていてもよい。すなわち、例えば、1つのセンサ20からのセンサデータに基づいて設備10における異常の予兆が検出された場合に、1または複数の照明50により1または複数の撮影対象40又はその周囲の少なくともいずれかをそれぞれ照らした状態で、1または複数のカメラ30により1または複数の撮影対象40をそれぞれ撮影するように、対応関係が予め定義されていてもよい。
【0062】
データ記録装置100は、撮影データを収集するにあたって、例えばこのような対応テーブルを用いてもよい。これより、本実施形態に係るデータ記録装置100が撮影データを収集する方法を、フローを用いて詳細に説明する。
【0063】
図6は、本実施形態に係るデータ記録装置100が実行するデータ記録方法のフロー図の一例を示す。データ記録方法における各ステップは、コンピュータが動作主体となって実行されてよい。しかしながら、各ステップにおいて、全体としてコンピュータが動作主体となっていればよく、主たる部分ではない一部の部分をコンピュータ以外が実行する場合が含まれていてもよい。
【0064】
ステップS600において、データ記録装置100は、センサデータを取得する。例えば、センサデータ取得部110は、設備10に設けられたセンサ20からのセンサデータを取得する。一例として、センサデータ取得部110は、設備10に設けられた複数のセンサ20の各々が時系列に測定したセンシングデータを、ネットワークを介して設備10から時系列に取得してよい。センサデータ取得部110は、取得したセンサデータを予兆検出部120へ供給する。
【0065】
ステップS610において、データ記録装置100は、予兆を検出したか否か判定する。例えば、予兆検出部120は、ステップS600において取得されたセンサデータに基づいて、設備10における異常の予兆を検出する。この際、一例として、予兆検出部120は、ステップS600において取得されたセンサデータが第1の基準を満たさない場合に設備10における異常の予兆を検出してよい。予兆検出の詳細については、例えば、
図2、
図3、および、
図4での説明を参照されたい。
【0066】
予兆が検出されなかったと判定された場合(Noの場合)、データ記録装置100は、処理をステップS600へ戻してフローを継続する。すなわち、データ記録装置100は、センサデータの取得処理を繰り返す。一方、予兆が検出されたと判定された場合(Yesの場合)、予兆検出部120は、予兆が検出された旨を、予兆検出に用いられたセンサデータがいずれのセンサ20から取得されたものであるかを示すセンサIDとともに、指示部130へ通知してよい。そして、データ記録装置100は、処理をステップS620へ進める。
【0067】
ステップS620において、データ記録装置100は、カメラ30、撮影対象40、および、照明50を特定する。例えば、指示部130は、ステップS610において通知されたセンサIDを検索キーとして例えば
図5に示される対応テーブルを検索し、カメラ30、撮影対象40、および、照明50を特定する。一例として、ステップS610において、センサIDとして「20a」が通知されたとする。この場合、指示部130は、
図5に示される対応テーブルを検索し、カメラ30a、撮影対象40a、および、照明50aを特定してよい。
【0068】
ステップS630において、データ記録装置100は、照明オンを指示する。例えば、指示部130は、ステップS620において特定された撮影対象40又はその周囲の少なくともいずれかを照らす照明50に対してオンするように指示する。一例として、ステップS620において、撮影対象40aおよび照明50aが特定されていたとする。この場合、指示部130は、照明50aに対してオンするように指示してよい。これにより、カメラ30aにより撮影を開始するのに先立って撮影対象40aの周囲を明るく照らしてもよい。指示部130は、例えばこのようにして、撮影の開始を指示する場合に、撮影対象40又はその周囲の少なくともいずれかを照らす照明50に対してオンするように指示してもよい。なお、特定された照明50が既にオンされている場合には、当ステップは省略されてもよい。
【0069】
また、照明50aの指向性が制御可能である場合には、指示部130は、照明50aに対して、撮影対象40a又はその周囲の少なくともいずれかにスポットが向くように指向性を指示してもよい。この場合、指示部130は、撮影対象40aの座標(x40a,y40a,z40a)、および、照明50aの座標(x50a,y50a,z50a)に基づいて、照明50aから撮影対象40aへの向きおよび距離を算出し、算出された向きおよび距離に基づいて指向性を指示すればよい。しかしながら、これに限定されるものではない。照明50から撮影対象40への向きおよび距離は、予め定義されていてもよい。すなわち、対応テーブルには、
図5に示される情報に加えて、照明50から撮影対象40への向きおよび距離に関する情報が含まれていてもよい。
【0070】
ステップS640において、データ記録装置100は、撮影開始を指示する。例えば、指示部130は、ステップS620において特定された撮影対象40を撮影可能なカメラ30を、撮影の開始を指示するカメラ30として選択する。一例として、ステップS620において、撮影対象40aおよびカメラ30aが特定されていた場合、指示部130は、カメラ30aを、撮影の開始を指示するカメラ30として選択する。指示部130は、例えばこのようにして、センサ20と撮影対象40が予め対応付けられたテーブルを用いて、撮影の開始を指示するカメラ30を選択してよい。そして、指示部130は、選択されたカメラ30に対して撮影の開始を指示する。一例として、カメラ30aが選択されていた場合、指示部130は、カメラ30aに対して撮影の開始を指示する。指示部130は、例えばこのようにして、予兆が検出されたことに応じて、設備10における撮影対象40を撮影可能なカメラ30に対して撮影の開始を指示してよい。
【0071】
この際、カメラ30におけるPTZ(パン、チルト、および、ズーム)の少なくともいずれかが制御可能である場合、指示部130は、カメラ30に対して、撮影対象40を撮影するのに最適な撮影環境となるようにPTZを指示してもよい。一例として、指示部130は、撮影対象40aの座標(x40a,y40a,z40a)、および、カメラ30aの座標(x30a,y30a,z30a)に基づいて、カメラ30aから撮影対象40aへの向きおよび距離を算出し、算出された向きおよび距離に基づいてPTZパラメータの少なくともいずれかを指示すればよい。しかしながら、これに限定されるものではない。カメラ30から撮影対象40への向きおよび距離、または、PTZパラメータは、予め定義されていてもよい。すなわち、対応テーブルには、
図5に示される情報に加えて、カメラ30から撮影対象40への向きおよび距離、または、PTZパラメータの少なくともいずれかに関する情報が含まれていてもよい。
【0072】
ここで、撮影対象40は、ユーザが撮影を望む、設備10に設けられた様々な機器である。一例として、撮影対象40は、予兆検出に用いられたセンサ20自体であってもよい。すなわち、例えば、センサ20aからのセンサデータに基づいて設備10における異常の予兆が検出された場合に、センサ20a自体を撮影するように予め定義されていてもよい。この場合、指示部130は、選択されたカメラ30aに対して、センサ20aが設けられている方向を向くように撮影方向を指示することもできる。
【0073】
これに代えて、または、加えて、撮影対象40は、設備10に設けられた制御対象(図示せず)に与える操作量が外観から推測可能な操作器であってもよい。このような操作器としては、例えば、流量を制御する弁開度(操作器に与える操作量)が外観から推測可能なバルブ等が挙げられる。このようなバルブにおいて、弁開度指示計が設けられている場合には、当該指示計における針の位置を撮影することにより、撮影データから弁開度が推測可能である。または、弁開度指示計が設けられていないバルブであっても、レバーやハンドルの位置を撮影することにより、撮影データから弁開度が推測可能である。例えば、センサ20bからのセンサデータに基づいて設備10における異常の予兆が検出された場合に、撮影対象40bであるバルブbを撮影するように予め定義されていたとする。この場合、指示部130は、選択されたカメラ30bに対して、バルブbにおける弁開度指示計の方向、または、レバーやハンドルの方向を向くように撮影方向を指示することもできる。
【0074】
ステップS650において、データ記録装置100は、撮影データを取得する。例えば、撮影データ取得部140は、ステップS640において撮影が開始されて以降、カメラ30によって時系列に撮影された撮影データを、ネットワークを介して設備10から時系列に取得する。一例として、
図2により設備10における異常の予兆が検出された場合、撮影データ取得部140は、時刻T21以降、カメラ30aによって時系列に撮影された撮影データを、ネットワークを介して設備10から時系列に取得してよい。撮影データ取得部140は、取得した撮影データを記録部150へ供給する。
【0075】
ステップS660において、データ記録装置100は、撮影データを記録する。例えば、記録部150は、ステップS650において取得された撮影データ、すなわち、ステップS640において撮影が開始されて以降カメラ30によって撮影された撮影データを時系列に記録する。
【0076】
ステップS670において、データ記録装置100は、センサデータを取得する。例えば、センサデータ取得部110は、ステップS600と同様、設備10に設けられた複数のセンサ20の各々が時系列に測定したセンシングデータを、ネットワークを介して設備10から時系列に取得する。センサデータ取得部110は、取得したセンサデータを異常検出部160へ供給する。
【0077】
ステップS680において、データ記録装置100は、異常を検出したか否か判定する。例えば、異常検出部160は、ステップS670において取得されたセンサデータに基づいて、設備10における異常を検出する。この際、一例として、異常検出部160は、ステップS670において取得されたセンサデータが第2の基準を満たさない場合に設備10における異常を検出してよい。異常検出の詳細については、例えば、
図2、
図3、および、
図4での説明を参照されたい。
【0078】
異常が検出されなかったと判定された場合(Noの場合)、データ記録装置100は、処理をステップS650へ戻してフローを継続する。すなわち、データ記録装置100は、撮影データの取得・記録処理と、センサデータの取得処理とを繰り返す。なお、本図においては、異常が検出されない場合に、撮影データを繰り返し取得・記録する場合を一例として示しているが、これに限定されるものではない。一定期間に亘って異常が検出されない場合には、データ記録装置100は、撮影データの取得・記録処理を停止してもよい。この場合、指示部130は、ステップS640において撮影の開始を指示したカメラ30に対して、一定期間後に撮影の停止を指示してもよい。そして、データ記録装置100は、処理をステップS600に戻してフローを継続してもよい。
【0079】
一方、異常が検出されたと判定された場合(Yesの場合)、異常検出部160は、異常が検出された旨を収集部170へ通知する。そして、データ記録装置100は、処理をステップS690へ進める。
【0080】
ステップS690において、データ記録装置100は、撮影データを収集する。例えば、収集部170は、記録部150へアクセスし、ステップS660において記録された撮影データを収集する。この際、収集部170は、ステップS680において異常が検出される前に撮影された撮影データ、好ましくは、ステップS640において撮影が開始されて以降(例えば、時刻T21以降)の全ての撮影データを収集する。
【0081】
このように、コンピュータにより実行されて、コンピュータが、設備10に設けられたセンサ20からのセンサデータを取得することと、センサデータに基づいて、設備10における異常の予兆を検出することと、予兆が検出されたことに応じて、設備10における撮影対象40を撮影可能なカメラ30に対して撮影の開始を指示することと、カメラ30によって撮影された撮影データを記録することと、を備える、データ記録方法が提供されてよい。
【0082】
従来、設備10において異常発生を検出した後からでも異常発生前に撮影された撮影データを収集可能とすべく、一時記録装置に一定時間分の撮影データを記録していた。これに対して、本実施形態に係るデータ記録装置100は、センサ20からのセンサデータに基づいて設備10における異常の予兆を検出した場合に、カメラ30に対して撮影を開始させて撮影データを記録する。すなわち、本実施形態に係るデータ記録装置100は、撮影データの収集に先立ち、センサデータに基づいて撮影データの記録をトリガする。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、センサデータに基づいて設備10の異常の予兆が検出された場合にのみ撮影データを記録するので、設備10の状態に関わらず一時記録装置に常に一定時間分の撮影データを記録し続けておく必要がなく、撮影データの記録容量を大幅に低減させることができる。このような効果は、撮影対象を無数に含む大規模な設備10や、ほとんどの時間が正常に運転され、稀に異常が発生するような設備10、例えばプラント等を監視する上では、特に顕著となる。
【0083】
また、本実施形態に係るデータ記録装置100は、センサデータに基づいて設備10における異常を検出した場合に、記録された撮影データを収集してもよい。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、撮影データの記録と撮影データの収集とを、センサデータに基づいて2段階にトリガすることができる。
【0084】
また、本実施形態に係るデータ記録装置100は、センサデータが第1の基準を満たさない場合に設備10における異常の予兆を検出し、センサデータが第2の基準を満たさない場合に設備10における異常を検出してもよい。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、異なる複数の基準を用いることにより、異なるタイミングで設備10における異常の予兆、および、異常の両者を検出することができる。
【0085】
この際、予兆の検出に用いられるセンサデータ、および、異常の検出に用いられるセンサデータは、設備10に設けられた異なるセンサ20からそれぞれ取得されたものであってもよい。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、例えば、異音や異臭等に応じて予兆を検出し、振動や圧力等に応じて異常を検出する等、異なる物理量を測定する複数のセンサ20、または、異なる位置に設けられた複数のセンサ20により、設備10の状態を監視することができる。
【0086】
また、本実施形態に係るデータ記録装置100は、センサデータの値が第1の閾値を超えた回数が第1の回数となった場合に設備10における異常の予兆を検出し、センサデータの値が第2の閾値を超えた回数が第2の回数となった場合に設備10における異常を検出してもよい。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、閾値を超えた回数により、設備10における異常の予兆、および、異常の両者を検出することができる。
【0087】
また、本実施形態に係るデータ記録装置100は、センサデータの値が第1の範囲外となった場合に設備10における異常の予兆を検出し、センサデータの値が第2の範囲外となった場合に設備10における異常を検出してもよい。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、異なる複数の基準範囲を用いて、設備10における異常の予兆、および、異常の両者を検出するので、検出の自由度を高めることができる。
【0088】
また、本実施形態に係るデータ記録装置100は、撮影の開始を指示するにあたり、撮影対象40又はその周囲の少なくともいずれかを照らす照明50に対してオンするように指示してもよい。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、例えば夜間等において異常の予兆が検出された場合であっても、明かりを照らした状態で撮影対象40を撮影することができるので、輝度レベルの高い撮影データを収集することができる。
【0089】
また、本実施形態に係るデータ記録装置100は、センサ20と撮影対象40が予め対応付けられたテーブルを用いて、撮影の開始を指示するカメラ30を選択してもよい。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、どのセンサ20からのセンサデータに基づいて異常の予兆が検出されたかに応じて、どのカメラ30に対して撮影の開始を指示すればよいかを明確に特定することができる。
【0090】
この際、本実施形態に係るデータ記録装置100は、選択されたカメラ30に対して、予兆検出に用いられたセンサ20が設けられている方向を向くように撮影方向を指示してもよい。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、予兆検出に用いられたセンサ20自体を撮影対象40とした撮影データを収集することができる。
【0091】
また、本実施形態に係るデータ記録装置100は、設備10に設けられた制御対象に与える操作量が外観から推測可能な操作器を撮影対象40としてもよい。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、異常の予兆や発生の要因が、制御対象に与えられた操作量にあったのか別の要因にあったのかを切り分けるために必要な撮影データを収集することができる。
【0092】
図7は、本実施形態における第1の変形例に係るデータ記録装置100のブロック図の一例を、設備10とともに示す。本図においては、
図1と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本変形例に係るデータ記録装置100は、上述のデータ記録装置100が有する機能部に加えて、削除部710を更に備える。また、本変形例において、予兆検出部120は、予兆が検出された旨を、指示部130に加えて、削除部710へ通知する。また、異常検出部160は、異常が検出された旨を、収集部170に加えて、削除部710へ通知する。
【0093】
削除部710は、設備10における予兆が検出されてから予め定められた期間に亘って設備10における異常が検出されなかった場合に、記録された撮影データの少なくとも一部を削除する。例えば、削除部710は、予兆検出部120から予兆が検出された旨が通知されたことに応じて、予め定められた期間がセットされたタイマーをスタートしてよい。そして、削除部710は、異常検出部160から異常が検出された旨が通知されることなくタイマーが満了した場合に、記録部150にアクセスし、記録されている撮影データ、すなわち、予兆が検出された以降に撮影された撮影データを削除してよい。
【0094】
このように、本変形例に係るデータ記録装置100は、予め定められた期間に亘って設備10における異常が検出されなかった場合に、予兆が検出された以降に撮影された撮影データを削除してもよい。これにより、本実施形態に係るデータ記録装置100によれば、異常発生に備えて記録しておいた撮影データを、予め定めらえた期間に亘って異常が検出されなかったことをトリガとして削除するので、異常の予兆が検出される度に撮影データが蓄積されてしまい、撮影データの記憶容量が逼迫してしまうことを防止することができる。
【0095】
図8は、本実施形態における第2の変形例に係るデータ記録装置100のブロック図の一例を、設備10とともに示す。本図においては、
図1と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本変形例に係るデータ記録装置100は、上述のデータ記録装置100が有する機能部に加えて、登録部810と、推定部820と、出力部830と、を更に備える。また、異常検出部160は、設備10における異常を検出した場合に、異常検出に用いられたセンサデータを登録部810へ供給する。また、収集部170は、収集した撮影データを登録部810へ供給する。
【0096】
登録部810は、収集された撮影データを設備10の異常と対応付けて登録する。例えば、登録部810は、収集部170から供給された撮影データと、異常検出部160から供給された異常検出に用いられたセンサデータとを対応付けて登録してよい。すなわち、登録部810は、収集された撮影データが、いずれのセンサ20からのセンサデータがどのような異常値をとったが故に収集されたものであるかを対応付けてよい。登録部810は、例えばこのようにして登録された情報を推定部820および出力部830へ供給する。
【0097】
推定部820は、登録された情報を解析して異常の要因を推定する。例えば、推定部820は、登録部810から供給された撮影データを解析して、撮影対象40における変化を抽出してよい。この際、推定部820は、一例として、登録部810から供給された撮影データを、正常時における撮影データと比較し、正常時とは異なる変化点を抽出してよい。そして、推定部820は、抽出された変化点から導き出せる要因を、センサ20からのセンサデータが異常値となった要因であると推定してよい。推定部820は、例えばこのようにして推定された情報を出力部830へ供給する。
【0098】
出力部830は、収集された撮影データに応じた情報を出力する。例えば、出力部830は、モニタであってよく、収集された撮影データに応じた情報を表示出力してよい。これに代えて、または加えて、出力部830は、スピーカ、プリンタ、または、通信部等であってもよく、収集された撮影データに応じた情報を音声出力、印字出力、または、送信出力してもよい。この際、出力部830は、一例として、登録部810により登録された情報を出力してもよいし、推定部820により推定された情報を出力してもよい。
【0099】
このように、本変形例に係るデータ記録装置100は、収集された撮影データに応じた情報を出力してもよい。これにより、本変形例に係るデータ記録装置100によれば、設備10において発生した異常を分析するための情報をユーザへ提供することができる。
【0100】
この際、本変形例に係るデータ記録装置100は、収集された撮影データを設備10の異常と対応付けて登録し、これを出力してもよい。これにより、本変形例に係るデータ記録装置100によれば、設備10において発生した異常を分析するためにより有用な情報をユーザへ提供することができる。
【0101】
また、本変形例に係るデータ記録装置100は、登録された情報を解析して異常の要因を推定し、これを出力してもよい。これにより、本変形例に係るデータ記録装置100によれば、コンピュータにより推測された異常要因をユーザへ提供するので、ユーザが異常要因を推定する労力を低減させることができる。
【0102】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0103】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0104】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0105】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0106】
図9は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ9900の例を示す。コンピュータ9900にインストールされたプログラムは、コンピュータ9900に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ9900に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ9900に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU9912によって実行されてよい。
【0107】
本実施形態によるコンピュータ9900は、CPU9912、RAM9914、グラフィックコントローラ9916、およびディスプレイデバイス9918を含み、それらはホストコントローラ9910によって相互に接続されている。コンピュータ9900はまた、通信インターフェイス9922、ハードディスクドライブ9924、DVDドライブ9926、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ9920を介してホストコントローラ9910に接続されている。コンピュータはまた、ROM9930およびキーボード9942のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ9940を介して入/出力コントローラ9920に接続されている。
【0108】
CPU9912は、ROM9930およびRAM9914内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ9916は、RAM9914内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU9912によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス9918上に表示されるようにする。
【0109】
通信インターフェイス9922は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ9924は、コンピュータ9900内のCPU9912によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブ9926は、プログラムまたはデータをDVD-ROM9901から読み取り、ハードディスクドライブ9924にRAM9914を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0110】
ROM9930はその中に、アクティブ化時にコンピュータ9900によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ9900のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ9940はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ9920に接続してよい。
【0111】
プログラムが、DVD-ROM9901またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ9924、RAM9914、またはROM9930にインストールされ、CPU9912によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ9900に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ9900の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0112】
例えば、通信がコンピュータ9900および外部デバイス間で実行される場合、CPU9912は、RAM9914にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス9922に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス9922は、CPU9912の制御下、RAM9914、ハードディスクドライブ9924、DVD-ROM9901、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0113】
また、CPU9912は、ハードディスクドライブ9924、DVDドライブ9926(DVD-ROM9901)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM9914に読み取られるようにし、RAM9914上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU9912は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0114】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU9912は、RAM9914から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM9914に対しライトバックする。また、CPU9912は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU9912は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0115】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ9900上またはコンピュータ9900近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ9900に提供する。
【0116】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0117】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0118】
10 設備
20 センサ
30 カメラ
40 撮影対象
50 照明
100 データ記録装置
110 センサデータ取得部
120 予兆検出部
130 指示部
140 撮影データ取得部
150 記録部
160 異常検出部
170 収集部
710 削除部
810 登録部
820 推定部
830 出力部
9900 コンピュータ
9901 DVD-ROM
9910 ホストコントローラ
9912 CPU
9914 RAM
9916 グラフィックコントローラ
9918 ディスプレイデバイス
9920 入/出力コントローラ
9922 通信インターフェイス
9924 ハードディスクドライブ
9926 DVDドライブ
9930 ROM
9940 入/出力チップ
9942 キーボード