(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077555
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】迷光低減方法および、それを用いた光ディスクおよび光ディスク付属品
(51)【国際特許分類】
G11B 7/24 20130101AFI20240531BHJP
G11B 7/24056 20130101ALI20240531BHJP
G11B 7/24097 20130101ALI20240531BHJP
G11B 7/135 20120101ALI20240531BHJP
【FI】
G11B7/24
G11B7/24056
G11B7/24097
G11B7/135
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022199811
(22)【出願日】2022-11-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】522485305
【氏名又は名称】齊藤 民哉
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 民哉
【テーマコード(参考)】
5D789
【Fターム(参考)】
5D789AA20
5D789BB01
5D789DA05
(57)【要約】
【課題】迷光対策を備えた光ディスクおよび光ディスク付属品を提供する。
【解決手段】本発明の特徴は、新たに迷光拡散機能を加えた点にある。本発明に係る迷光低減方法は、迷光拡散層5と迷光吸収層6からなる双層吸収体を備える。迷光拡散層5には、迷光を透過拡散する部材を用い、迷光吸収層6には、迷光を透過吸収する部材を用いる。本発明に係る光ディスクは、双層吸収体を内蔵する。本発明に係る光ディスク付属品は、双層吸収体を光ディスクに密着または粘着または固着させる形態である。本発明に係る光ディスクおよび光ディスク付属品は、内蔵した双層吸収体が、ディスク基板1内に生じる迷光を効率的に吸収し、音質を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク装置において生じる迷光の低減方法であって、光透過拡散性素材からなる部材、迷光と同色の半透明体、黒色の半透明体、迷光に対する補色の半透明体のうちいずれか一つ以上を具備した方法。
【請求項2】
請求項1に記載の迷光低減方法を用いた光ディスク。
【請求項3】
請求項1に記載の迷光低減方法を用いた光ディスク付属品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、迷光対策を備えた光ディスクおよび光ディスク付属品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、光ディスクの迷光対策として(対策1)内外エッジ面の緑色化(対策2)外エッジ面の粗面化・変形化(対策3)外エッジ面を斜めに切削し黒色化、が知られている。関連の製品としては、専用の緑色塗料と対策3を実施する装置がある。一方、音楽制作会社と音響メーカーが行う迷光対策としては(対策4)CD・SACDのラベル面の緑色化(対策5)CD挟持装置(別名:クランパー)の一部緑色化が知られている。
【0003】
総じて、従来技術は、迷光を緑色面または黒色面に吸収させるか、粗面等により、不規則な方向に反射させるかの2種類に集約できる。しかしながら、この後、新たな迷光対策は、久しく考案されていないのが現状であり、手詰まり状態と言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-020687号公報
【特許文献2】特開2006-323977号公報
【特許文献3】特開平11-185300号公報
【特許文献4】特開平10-199037号公報
【特許文献5】特開平07-262616号公報
【特許文献6】特開平03-019151号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「音質アップグレード100」,誠文堂新光社,1996年,28頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者の主観的評価では、従来の迷光対策は効果が不十分であり、音質にこだわる音楽愛好家の満足には至っていないと考える。対処すべき重要な課題を以下に述べる。(課題1)極小の吸収作用面積:迷光は直進性が極めて強く、反射を繰り返しても1μmの極小直径は変わらない。つまり、迷光が持つ大きなエネルギーに対し、吸収作用面積が小さ過ぎるのである。(課題2)平面(緑色面または黒色面)による吸収作用の限界
【0007】
本発明の目的は、上記の課題を解決し、CDの登場以来久しく指摘されてきた音質上の難点を払拭した、光ディスクおよび光ディスク付属品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、新たに迷光拡散機能を加えた点にある。本発明に係る迷光低減方法は、迷光拡散層5・迷光吸収層6(以下、前層・後層という)を連結固着させた双層吸収体を備える。前層には、迷光を透過拡散する性質がある、光透過拡散性素材(照明用途の素材以下、素材aという)からなる部材、迷光と同色の半透明体、素材aからなる迷光と同色の半透明体のうちいずれかを用いる。後層には、迷光を透過吸収する性質がある、黒色の半透明体、迷光に対する補色の半透明体、素材aからなる黒色の半透明体、素材aからなる迷光に対する補色の半透明体のうちいずれかを用いる。前層・後層それぞれの厚みおよび色合いの濃淡は、実際の試聴により微調整する。双層吸収体は、前層により多くの迷光が衝突するよう配置する。
【0009】
本発明に係る光ディスクは、双層吸収体を内蔵する。本発明に係る光ディスク付属品は、双層吸収体を光ディスクに密着または粘着または固着させる形態である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る迷光低減方法は、従来の対策よりも迷光吸収効果が高い。まず前層において、衝突する迷光を透過しつつ、立体的に拡散する。(課題1解決)次に後層では、拡散し希薄化した迷光を透過しつつ、立体的に吸収する。(課題2解決)その結果、双層の相乗効果により、合理的かつ効率的な迷光吸収作用が可能となる。
【0011】
本発明に係る光ディスクは、内蔵した双層吸収体が、ディスク基板1内に生じる迷光を効率的に吸収し、音質を向上させる。本発明者のCDによる主観的評価では、従来の対策よりも音質向上効果が高い。具体的には、多くの人が指摘する(難点1)硬く冷たい音色(難点2)萎縮感・圧迫感(難点3)音場感の不足、が改善して(利点1)低音域の伸張・増強(利点2)情報量の増加(利点3)臨場感・躍動感の向上、の効果がある。本発明に係る光ディスク付属品は、双層吸収体未内蔵の光ディスクに用いることにより、本発明に係る光ディスクと同等の効果を発揮させることが可能である。本発明は、現行の全ての光ディスクに使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るCDの斜視図および部分断面図である。
【
図2】本発明に係るCD付属品の斜視図および部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明に係るCDの実施例を示す。迷光拡散層5・迷光吸収層6(以下、前層・後層という)は、光透過拡散性素材からなり、内径:15mm外径:43mm厚み:0.25mmの座金形状とし、連結し挟持部4に固着する。前層は赤色半透明とし、迷光発生側に配置する。後層は緑色半透明とする。前層・後層以外の部分は、現行のCDを踏襲する。
【0014】
図2は本発明に係るCD付属品の実施例を示す。迷光拡散層5・迷光吸収層6(以下、前層・後層という)は、光透過拡散性素材からなり、内径:15mm外径:33mm厚み:0.15mmの座金形状とし、連結固着する。前層は赤色半透明とし、上面に無色透明の粘着剤を塗布する。後層は緑色半透明とする。本実施例は、CDの挟持部4に貼付し使用する。
【符号の説明】
【0015】
1 ディスク基板
2 アルミ反射層
3 保護層
4 挟持部(別名:クランピングエリア)
5 迷光拡散層(双層吸収体の1層目部分)
6 迷光吸収層(双層吸収体の2層目部分)
7 赤色レーザー光
8 粘着剤塗布層
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
迷光を透過拡散する部材を用いる迷光拡散層(5)と、迷光を透過吸収する部材を用いる迷光吸収層(6)と、からなる双層吸収体が用いる部材のうち、光透過拡散性素材からなる部材と、迷光と同色の半透明体と、黒色の半透明体と、迷光に対する補色の半透明体と、のいずれか一つ以上を備えることを特徴とする、光ディスク装置における迷光低減方法。
【請求項2】
請求項1に記載の双層吸収体を備えることを特徴とする光ディスク。
【請求項3】
請求項1に記載の双層吸収体を備えることを特徴とする光ディスク付属品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の特徴は、新たに迷光拡散機能を加えた点にある。本発明に係る迷光低減方法は、迷光拡散層5・迷光吸収層6(以下、前層・後層という)を連結固着させた双層吸収体を備える。前層には、迷光を透過拡散する性質がある、光透過拡散性素材(光拡散フィルムの名称で化学品メーカーが提供する素材を指す。以下、素材aという)からなる部材、迷光と同色の半透明体、素材aからなる迷光と同色の半透明体のうちいずれかを用いる。後層には、迷光を透過吸収する性質がある、黒色の半透明体、迷光に対する補色の半透明体、素材aからなる黒色の半透明体、素材aからなる迷光に対する補色の半透明体のうちいずれかを用いる。前層・後層それぞれの厚みおよび色合いの濃淡は、実際の試聴により微調整する。双層吸収体は、前層により多くの迷光が衝突するよう配置する。