(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077556
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】非接触信号状態判定装置
(51)【国際特許分類】
G01R 15/18 20060101AFI20240531BHJP
G01R 19/00 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
G01R15/18 D
G01R19/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022199812
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】522485316
【氏名又は名称】ミイシステム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】稲玉 繁樹
【テーマコード(参考)】
2G025
2G035
【Fターム(参考)】
2G025AB15
2G025AC01
2G035AB01
2G035AC02
2G035AD10
2G035AD13
2G035AD19
2G035AD20
2G035AD23
2G035AD66
(57)【要約】
【課題】回路構成の改良により被検出電線に流れる直流信号を非接触で判定する装置を電池駆動可能なレベルまで省力化することができる
【解決手段】クランプ型の電流変成器1を接続する,入力回路2,増幅回路3,検出回路4を持ち,省電力タイプのオペアンプ33とコンパレータ44を使用,入力回路2にコンデンサ21と抵抗22によりハイパスフィルタ構成を持つことで常時流れる電流を削減し,検出機能を有したまま省電力を実現する
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池駆動可能な非接触信号状態判定装置
被検出電線に流れる直流電流の変化を表す信号を検出する貫通型またはクランプ型の電流変成器と、上記電流変成器により検出された上記被検出電線に流れる直流電流の変化を表す信号をハイパスフィルタを含む検出回路を用い,一般的な増幅回路により信号を増幅しコンパレータ回路によりしきい値より大きい場合,小さい場合により直流信号が流れた期間を判定する直流電流判定手段を備えたことを特徴とする非接触直流電流検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触直流電流検出装置において、
ヒステリシスコンパレータ構造を用い,上記被検出電線に流れる直流電流の変化を表す信号の波形の一方の振幅方向について大きい場合のしきい値と小さい場合のしきい値の設定を1つのコンパレータにより変化させられることを特徴とする非接触直流電流検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
被検出電線に流れる直流電流の変化をクランプ型の電流変成器により非接触に信号状態を判定する判定装置であり,電池駆動可能なレベルまで省電力化する検出回路を持つ判定装置
【0002】
判定装置の回路構成において1つの増幅器と1つのコンパレータにより信号状態の判定を行える回路構成を持つ判定装置
【背景技術】
【0003】
一般的にクランプ型の電流変成器は交流信号を検出するものであり,直流信号の検出はできない。直流信号を検出するためには判定装置が必要であり,従来の判定装置は電力を多く使用するため,電池駆動では実用できない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において直流信号を検出する判定装置は実現されているが,回路構成を見ると,センサコイル部1に常時電流が流れ消費電流が多く電池駆動には適さない。
【0006】
特許文献1において直流信号を判定する回路にコンパレータが2つ使われており,これを1つにできればコストダウンおよび省電力化に貢献できるが実現されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は回路構成の改良により被検出電線に流れる直流信号を非接触で判定する装置を電池駆動可能なレベルまで省力化することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の回路構成を非接触信号状態判定装置に用いれば、一般的に入手可能なボタン電池(CR2032)により1年程度の状態判定を行える装置が実現でき,電源工事が不要となることで設置,運用の手間が大幅に改良できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る非接触信号状態判定装置の概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の概略回路図である。1はクランプ型の電流変成器であり被検出電線をクランプする。電流変成器1の信号を2の入力回路,3の増幅回路,4の検出回路を通すことで被検出電線の信号状態を検出する。
【0011】
2の入力回路は電流変成器1の信号を入力する,本発明において21のコンデンサと22の抵抗によるRCハイパスフィルタ構成が重要であり,特許文献1では21のコンデンサが無いため信号変化が無い状態でも電流が流れ続け消費電力が大きくなる。本発明の構成を用いれば,信号変化時の極短い時間のみ電流が流れ,動作の大半を占める変化が無い状態では電力を消費しない。このことで省電力化を実現する。
【0012】
3の増幅回路は非検出電線の変化を31,32の抵抗により作成された1/2VCCを中心にプラス・マイナスに増幅する。増幅率は34の抵抗により決まり試行錯誤または可変抵抗などを用いる。この回路は一般的なもので特筆する所は無い。
【0013】
4の検出回路は特許文献1の検出部を44のコンパレータ1つで同等の機能を実現する。44のコンパレータに41,42,43の抵抗を構成することでヒステリシスコンパレータ構成となり,コンパレータ1つでもプラス側のしきい値,マイナス側のしきい値を設定することができ,機能を維持したまま省電力とコストダウンに貢献する。
【0014】
34のオペアンプおよび44のコンパレータは省電力タイプを選定し,応答速度と入力回路の定数をあわせる必要がある。また31,32,41,42,43部の抵抗を経由し電流が流れ続けるが1[uA]程度であり本発明の省電力回路を阻害しない。
【0015】
これらの技術を採用することで,電池駆動可能な状態判定装置を実現する事ができる
【符号の説明】
【0016】
1 電流変成器
2 入力回路
3 増幅回路
4 検出回路
21 コンデンサ
22,31,32,33,41,42,43 抵抗
34 オペアンプ
44 コンパレータ