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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077565
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】カミソリ
(51)【国際特許分類】
   B26B 21/04 20060101AFI20240531BHJP
   B26B 21/40 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B26B21/04 Z
B26B21/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059214
(22)【出願日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2022189558
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001454
【氏名又は名称】株式会社貝印刃物開発センター
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】大竹 朋生
(72)【発明者】
【氏名】大塚 淳
(72)【発明者】
【氏名】日向 紘平
(57)【要約】
【課題】刃体のカバーの紛失を防止可能かつ使いやすいカミソリを提供する。
【解決手段】本発明のカミソリは、本体部と、刃体と、第1折返部で外側に向かって折り返し可能に上側に向かって延びる第1カバー部を有する第1部材と、第2折返部で外側に向かって折り返し可能に上側に向かって延びる第2カバー部を有する第2部材と、を備える。第1カバー部及び第2カバー部は、それぞれ上側に延びたカバー状態では刃体が露出しないよう刃体を覆い隠す状態となり、それぞれ下側に折り返された折返状態では刃体が露出する状態となる。第1部材の、本体部と連結した面とは逆側の面に連結されるとともに、第1折返部の直ぐ下側に第1折返部に平行に延びる上端を有する補助部材をさらに備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びる本体部と、
前記長手方向に沿って延びるよう前記本体部の上側に取り付けられた刃体と、
前記長手方向に延び、前記本体部の一方側の面に連結し、第1折返部で外側に向かって折り返し可能に前記上側に向かって延びる第1カバー部を有する第1部材と、
前記長手方向に延び、前記本体部の他方側の面に連結し、前記第1折返部とともに前記本体部を挟む位置に設けられた第2折返部で外側に向かって折り返し可能に前記上側に向かって延びる第2カバー部を有する第2部材と、を備え、
前記第1カバー部及び前記第2カバー部が、それぞれ前記上側に延びたカバー状態では前記刃体が露出しないよう前記刃体を覆い隠す状態となり、それぞれ下側に折り返された折返状態では前記刃体が露出する状態となり、
前記第1カバー部と前記第2カバー部とを連結して下側に折り返されることを規制し、使用時には前記第1カバー部及び前記第2カバー部から切り離されることで前記規制を解除する連結部材をさらに備える、
カミソリ。
【請求項2】
前記連結部材は、
前記第1カバー部及び前記第2カバー部の一方の幅方向の端面から突出する第1連結片と、
前記第1カバー部及び前記第2カバー部の他方の幅方向の端面から突出し、前記第1連結片を挟持する第2連結片と、を含む、
請求項1に記載のカミソリ。
【請求項3】
前記第1折返部及び前記第2折返部は、それぞれ前記第1部材及び前記第2部材を貫通する複数の貫通孔を含む第1ミシン目及び第2ミシン目で形成されており、前記第1ミシン目及び前記第2ミシン目は、それぞれ前記第1部材及び前記第2部材の縁部に接しない位置に設けられる、
請求項1に記載のカミソリ。
【請求項4】
前記第2部材の、前記本体部と連結した面とは逆側の面に連結されるとともに、前記第2折返部の直ぐ下側に前記第2折返部に平行に延びる上端を有する補助部材をさらに備える、
請求項1に記載のカミソリ。
【請求項5】
前記補助部材の前記上端は、前記第2折返部からの距離が0.01mm以上2mm以下の位置に設けられる、
請求項4に記載のカミソリ。
【請求項6】
長手方向に延びる本体部と、
前記長手方向に沿って延びるよう前記本体部の上側に取り付けられた刃体と、
前記長手方向に延び、前記本体部の一方側の面に連結し、第1折返部で外側に向かって折り返し可能に前記上側に向かって延びる第1カバー部を有する第1部材と、
前記長手方向に延び、前記本体部の他方側の面に連結し、前記第1折返部とともに前記本体部を挟む位置に設けられた第2折返部で外側に向かって折り返し可能に前記上側に向かって延びる第2カバー部を有する第2部材と、を備え、
前記第1カバー部及び前記第2カバー部が、それぞれ前記上側に延びたカバー状態では前記刃体が露出しないよう前記刃体を覆い隠す状態となり、それぞれ下側に折り返された折返状態では前記刃体が露出する状態となり、
前記第1折返部及び前記第2折返部は、それぞれ前記第1部材及び前記第2部材を貫通する複数の貫通孔を含む第1ミシン目及び第2ミシン目で形成されており、第1ミシン目及び第2ミシン目は、それぞれ前記第1部材及び前記第2部材の縁部に接しない位置に設けられる、
カミソリ。
【請求項7】
長手方向に延びる本体部と、
前記長手方向に沿って延びるよう前記本体部の上側に取り付けられた刃体と、
前記長手方向に延び、前記本体部の一方側の面に連結し、第1折返部で外側に向かって折り返し可能に前記上側に向かって延びる第1カバー部を有する第1部材と、
前記長手方向に延び、前記本体部の他方側の面に連結し、前記第1折返部とともに前記本体部を挟む位置に設けられた第2折返部で外側に向かって折り返し可能に前記上側に向かって延びる第2カバー部を有する第2部材と、を備え、
前記第1カバー部及び前記第2カバー部が、それぞれ前記上側に延びたカバー状態では前記刃体が露出しないよう前記刃体を覆い隠す状態となり、それぞれ下側に折り返された折返状態では前記刃体が露出する状態となり、
前記第1部材の、前記本体部と連結した面とは逆側の面に連結されるとともに、前記第1折返部の直ぐ下側に前記第1折返部に平行に延びる上端を有する補助部材をさらに備える、
カミソリ。
【請求項8】
前記第1部材は、前記上側の端部近傍に第1係合部を有し、
前記第2部材は、前記上側の端部近傍に第2係合部を有し、
前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記カバー状態では前記本体部の前記上側の端部よりも前記上側の位置で互いに係合可能であり、前記折返状態では前記本体部の前記下側の端部よりも前記下側の位置で互いに係合可能である、
請求項1に記載のカミソリ。
【請求項9】
前記本体部は、それぞれ前記長手方向に延び、前記刃体を挟むように連結された第1本体部及び第2本体部を含み、
前記第1部材、前記第2部材、前記第1本体部、及び前記第2本体部は、前記長手方向の前記下側において互いに重なり合って連結されている、
請求項1に記載のカミソリ。
【請求項10】
前記第1折返部は、前記長手方向における前記第1部材の1/2よりも前記下側に位置し、
前記第2折返部は、前記長手方向における前記第2部材の1/2よりも前記下側に位置する、
請求項1に記載のカミソリ。
【請求項11】
前記第1部材、前記第2部材、及び前記本体部は、それぞれ前記下側の端部が互いに揃っており、
前記第1部材及び前記第2部材のそれぞれの前記上側の端部は、互いに揃っているとともに、前記本体部の前記上側の端部よりも前記上側に位置する、
請求項1に記載のカミソリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、カミソリに関する。
【背景技術】
【0002】
L型カミソリ、L字カミソリ、または長柄カミソリと呼ばれる、顔の産毛などを剃ることを目的とした、柄の長手方向に刃が配設されたカミソリがある。このようなカミソリは、保管時には刃体にカバーを被せて刃体が露出しないようにするか、または刃体を露出させたままとする構成が見られる。このようなカミソリは、例えば特許文献1及び2などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-017986号公報
【特許文献2】特開2019-041970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、刃体を露出させたままの構成では、刃体が使用者の指、または同じ場所に収納されている他の物品を傷つける場合がある。一方で、刃体をカバーで保護する構成では、上記のような不都合には対応できるものの、別構成となったカバーが紛失したり破損してしまったりすることがあった。また、柄の部分が連結部を回動中心として回転可能になっており、柄の後端部分に刃体をカバーできる構成を有するカミソリも見られるが、回動軸が必要となるため破損しやすかったり、使用中に柄と刃体とが回動して使いづらかったりする場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような手段を提供する。
【0006】
本発明の一態様のカミソリは、長手方向に延びる本体部と、長手方向に沿って延びるよう本体部の上側に取り付けられた刃体と、長手方向に延び、本体部の一方側の面に連結し、第1折返部で外側に向かって折り返し可能に上側に向かって延びる第1カバー部を有する第1部材と、長手方向に延び、本体部の他方側の面に連結し、第1折返部とともに本体部を挟む位置に設けられた第2折返部で外側に向かって折り返し可能に上側に向かって延びる第2カバー部を有する第2部材と、を備える。第1カバー部及び第2カバー部は、それぞれ上側に延びたカバー状態では刃体が露出しないよう刃体を覆い隠す状態となり、それぞれ下側に折り返された折返状態では刃体が露出する状態となる。
【0007】
このような構成のカミソリによれば、刃先をカバーするための構成である第1カバー部及び第2カバー部が本体部に連結されているため、カバーを紛失することを防止できる。また、回動軸を設けるような構成ではないため、破損しづらい構成としつつ、使いやすい構成にできる。
【0008】
上記カミソリにおいて、第1カバー部と第2カバー部とを連結して下側に折り返されることを規制し、使用時には第1カバー部及び第2カバー部から切り離されることで規制を解除する連結部材をさらに備えることが好ましい。
【0009】
このような構成のカミソリによれば、使用前に第1カバー部及び第2カバー部が不意に下側に折り返され、刃先が露出することを防止できる。これにより、使用前のカミソリをより安全に保管したり持ち運んだりすることができる。
【0010】
上記カミソリにおいて、連結部材は、第1カバー部及び第2カバー部の一方の幅方向の端面から突出する第1連結片と、第1カバー部及び第2カバー部の他方の幅方向の端面から突出し、第1連結片を挟持する第2連結片と、を含むことが好ましい。
【0011】
このような構成のカミソリによれば、使用前の状態において、連結部材の連結状態を不意に解除されづらいものにすることができる。
【0012】
上記カミソリにおいて、第1折返部及び第2折返部は、それぞれ第1部材及び第2部材を貫通する複数の貫通孔を含む第1ミシン目及び第2ミシン目で形成されており、第1ミシン目及び第2ミシン目は、それぞれ第1部材及び第2部材の縁部に接しない位置に設けられることが好ましい。
【0013】
このような構成のカミソリによれば、第1ミシン目及び第2ミシン目によって第1折返部及び第2折返部の位置ずれが発生しづらい構成にできる。また、ミシン目が縁部に接していないため、第1折返部及び第2折返部で第1カバー部及び第2カバー部を繰り返し折り返したとしても破損しづらい構成にすることができる。
【0014】
上記カミソリにおいて、第2部材の、本体部と連結した面とは逆側の面に連結されるとともに、第2折返部の直ぐ下側に第2折返部に平行に延びる上端を有する補助部材をさらに備える構成とすることが好ましい。
【0015】
このような構成のカミソリによれば、補助部材によって、第2折返部での第2カバー部の折り返しを行いやすい構成にすることができる。
【0016】
上記カミソリにおいて、補助部材の上端は、第2折返部からの距離が0.01mm以上2mm以下の位置に設けられることが好ましい。
【0017】
上記カミソリにおいて、第1部材は、上側の端部近傍に第1係合部を有し、第2部材は、上側の端部近傍に第2係合部を有する。第1係合部及び第2係合部は、カバー状態では本体部の上側の端部よりも上側の位置で互いに係合可能であり、折返状態では本体部の下側の端部よりも下側の位置で互いに係合可能である構成とすることが好ましい。
【0018】
このような構成のカミソリによれば、カバー状態において刃先をカバーした状態で安定させることができる。また、使用時の状態である折返状態を安定させることができ、使用者が使用しやすい構成となる。
【0019】
上記カミソリにおいて、本体部は、それぞれ長手方向に延び、刃体を挟むように連結された第1本体部及び第2本体部を含み、第1部材、第2部材、第1本体部、及び第2本体部は、長手方向の下側において互いに重なり合って連結された構成とすることが好ましい。
【0020】
このような構成のカミソリによれば、紙などの板状の部材を折ってカミソリを形成しやすい構成にすることができる。
【0021】
上記カミソリにおいて、第1折返部は、長手方向における第1部材の1/2よりも下側に位置し、第2折返部は、長手方向における第2部材の1/2よりも下側に位置する構成にすることが好ましい。
【0022】
このような構成のカミソリによれば、カミソリを把持する部分と、刃体の部分との長さ及び重さがバランスの取れた構成にすることができ、より使用者が使用しやすい構成にすることができる。
【0023】
上記カミソリにおいて、第1部材は、第1折返部で、上側の第1カバー部と、下側の第1柄部とに分けられ、第2部材は、第2折返部で、上側の第2カバー部と、下側の第2柄部とに分けられた構成とすることが好ましい。
【0024】
上記カミソリにおいて、第1折返部は、第1部材の幅の1/4以上9/10以下の幅を有し刃体の刃先側に設けられており、第1折返部の刃体の背側では、第1柄部が上側に延びており、第2折返部は、第2部材の幅の1/4以上9/10以下の幅を有し刃体の刃先側に設けられており、第2折返部の刃体の背側では、第2柄部が上側に延びている、構成とすることが好ましい。
【0025】
このような構成のカミソリによれば、上側に延びた第1柄部及び第2柄部によってカミソリの背側が支持されるので、刃体をより安定して保持しやすい構成にすることができる。これにより、より使いやすいカミソリにすることができる。
【0026】
上記カミソリにおいて、第1部材及び第2部材は、カバー状態で刃体の刃先に対向する位置に、それぞれ互いに対向するよう設けられた貫通孔である第1孔部及び第2孔部を有する構成とすることが好ましい。
【0027】
このような構成のカミソリによれば、使用者が第1孔部及び第2孔部から刃先がどちらを向いているのかを確認しやすくなり、より安全に使用できる構成となる。また、第1孔部及び第2孔部は、使用時の折返状態では使用者が把持しているハンドルのストッパとして機能するため、より使いやすい構成となる。
【0028】
上記カミソリにおいて、第1部材、第2部材、及び本体部は、それぞれ下側の端部が互いに揃っており、第1部材及び第2部材のそれぞれの上側の端部は、互いに揃っているとともに、本体部の上側の端部よりも上側に位置する構成とすることが好ましい。
【0029】
上記カミソリにおいて、第1カバー部及び第2カバー部の少なくとも一方は、折返状態のときに使用者が視認可能となる表示を有する構成とすることが好ましい。
【0030】
このような構成のカミソリによれば、使用者がカミソリの状態を一目で確認しやすい構成となる。
【0031】
本発明の一態様のカミソリは、長手方向に延びる本体部と、長手方向に沿って延びるよう本体部の上側に取り付けられた刃体と、本体部を挟むように、本体部の一方側と他方側とにそれぞれ連結して設けられた第1部材及び第2部材であって、それぞれ本体部を挟んで一方側と他方側とに位置する第1折返部及び第2折返部で外側に向かって半円を描くように折り返し可能に本体部の上側に向かって延びる第1カバー部及び第2カバー部を有する第1部材及び第2部材と、を備え、第1カバー部及び第2カバー部は、刃体を覆うように上側に延びたカバー状態と、刃体が露出するように下側に延びた折返状態とで状態変化可能である。
【0032】
なお、本発明のカミソリは、刃体を金属で、刃体以外の部分を紙で形成するのに特に適した構成となっている。このようなカミソリでは、出願人及び発明者らが取り組むSDGsにおける、目標12、ターゲット12.5の「2030年までに、予防、削減、リサイクル、および再利用(リユース)により廃棄物の排出量を大幅に削減する。」ことに貢献することを目的のひとつとするとともに、貢献可能な発明である。
【発明の効果】
【0033】
本発明のカミソリによれば、カバーを紛失することを防止できる。また、回動軸を設けるような構成ではないため、破損しづらい構成としつつ、使いやすい構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、実施形態1のカミソリの、組み立て前の展開状態を示す平面図である。
図2図2は、実施形態1のカミソリの、カバー状態を示す平面図である。
図3図3は、実施形態1のカミソリの、折返状態を示す平面図である。
図4図4は、実施形態1のカミソリにおいて、カバー状態から折返状態に変化するところを示す図である。
図5図5は、実施形態2のカミソリの、組み立て前の展開状態を示す平面図である。
図6図6は、実施形態2のカミソリの、カバー状態を示す平面図である。
図7図7は、実施形態2のカミソリの、折返状態を示す平面図である。
図8図8は、実施形態2のカミソリにおいて、カバー状態から折返状態に変化するところを示す図である。
図9図9は、変形例のカミソリの、カバー状態を示す平面図である。
図10図10は、変形例のカミソリの、折返状態を示す平面図である。
図11図11は、実施形態3のカミソリの、組み立て前の展開状態を示す平面図である。
図12図12は、実施形態3のカミソリの、使用前の状態を示す平面図である。
図13図13は、実施形態3のカミソリの、カバー状態を示す平面図である。
図14図14は、実施形態3のカミソリの、折返状態を示す平面図である。
図15図15は、実施形態3のカミソリの変形例の、組み立て前の展開状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の一形態のカミソリは、第1カバー部及び第2カバー部を本体部に対して外側に向かって円を描くように折り返すことでカバー状態と折返状態とを切り替え可能であり、カバー状態では刃体が露出しないようにカバーされ、折返状態では刃体が露出して使用可能な状態となるような構成としている。なお、本発明の一形態のカミソリは、L型カミソリ、L字カミソリ、または長柄カミソリと呼ばれることがある。
【0036】
以下、本発明のカミソリの一態様について、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態及び実施例はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一または対応する構成要素には同一の符号を付している。
【0037】
本明細書において、説明の便宜上、「上」または「下」という用語を用いる場合があるが、これらは紙面に示された図面における相対位置を説明するものであって、鉛直方向における上下とは異なる場合がある。また、上方向と下方向とは、厳密に、相対的な逆方向である必要はなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で柔軟に理解されるべきである。
【0038】
[実施形態1]
図1は、組み立て前の展開状態における本実施形態のカミソリ1の平面図である。図2及び図3は、組み立てられた組み立て状態のカミソリ1の平面図であり、図2はカバー状態、図3は折返状態を示す。カバー状態では刃体5がカバーされ、折返状態では刃体5が露出した状態となる。すなわち、カバー状態は保管状態とも換言され、折返状態は使用状態とも換言される。図に示されるように、カミソリ1は、第1本体部21、第2本体部22、第1部材3、第2部材4、及び刃体5を含む。第1本体部21及び第2本体部22は、本体部2を構成する。第1本体部21、第2本体部22、第1部材3、及び第2部材4は紙で形成されるが、これに限定されるものではない。
【0039】
[本体部2]
図示するように、本体部2を構成する第1本体部21及び第2本体部22は、それぞれ上下方向に延び、角が丸い矩形状の細長い部材であり、かつ上端21a及び22aからそれぞれ斜めに延びる切込みが形成された形状である。すなわち、第1本体部21及び第2本体部22は、上下方向を長手方向とするよう延びている。第1本体部21及び第2本体部22は、上下方向に対してそれぞれ斜めに延びる切込みによって形成された斜辺部21b及び22bを有する。それぞれ斜辺部21b及び22bを含む第1本体部21及び第2本体部22は、組み立てられた際に重なり合う形状となるよう、図1に示された展開状態では、互いに中心線Cに対して線対称の形状となっている。
【0040】
第2本体部22の斜辺部22bの位置には、斜辺部22bが延びた直線状の縁に沿って、刃体5が取り付けられる。刃体5は、接着剤により第2本体部22に接着させられる。なお、ここでいう接着剤は、刃体5を第2本体部22に連結させるためのものを指しており、両面テープなどの接着手段を含む。また、刃体5は、接着剤ではなく、刃体5に形成された凸部と、第2本体部22に形成された凹部とが嵌合することで連結する構造を採用してもよい。なお、刃体5は、第2本体部22ではなく、第1本体部21に取り付けられてもよい。いずれの場合であっても、図2及び図3に示す組み立て状態では、刃体5は第1本体部21及び第2本体部22により挟まれた状態となる。
【0041】
[刃体5]
刃体5は、金属で形成され、研磨により鋭利に加工された刃先5aを有する。刃体5の刃先5aは、斜辺部22bの直線状の縁に沿って、この縁から1mm以上2mm以下だけ突出している。刃体5には、横滑りなどによって刃先5aが肌を傷つけることを防止するためのガードが設けられていてもよい。このガードは、既知の構成を用いてよい。
【0042】
[第1部材3及び第2部材4]
図示するように、第1部材3及び第2部材4は、それぞれ上下方向に延び、角が丸い矩形状の細長い部材であり、かつ上端近傍にそれぞれ第1係合部34及び第2係合部44を有する形状である。第1係合部34及び第2係合部44よりも上側の位置を除いて、第1部材3と第2部材4とは、第1部材3と第2部材4との境界B1と重なるよう上下方向に直線状に延びる中心線Cに対して線対称である。
【0043】
第1部材3と第2部材4とは、中心線C上において、連結部3a、3b、3c、及び3dで連結しており、それ以外の部分では切断され分離している。連結部3aは、第1延伸部32aと第2延伸部42aとの上端に位置する。連結部3dは、第1部材3と第2部材4とが接する下端に位置する。第1部材3及び第2部材4の角が丸められているため、連結部3dは第1部材3及び第2部材4の下端より上側に位置している。連結部3b及び3cは、それぞれ連結部3aと3dとの間に均等な位置に配置されている。なお、第1部材3と第2部材4との間の切断部分は、第1部材3と第2部材4とを互いに折り曲げやすくするよう形成されたものである。
【0044】
第1部材3及び第2部材4は、それぞれ上下方向における1/2よりも下側の位置に第1折返部33及び第2折返部43を有する。第1折返部33及び第2折返部43は、それぞれ中心線Cに対して垂直に延びる。第1折返部33及び第2折返部43は、その延びる方向において部分的に切断されており、これによって折り返しやすい構成になっている。
【0045】
第1部材3は、第1折返部33を境界として、上側に位置する第1カバー部31と、下側に位置する第1柄部32とに分けられる。同様に、第2部材4は、第2折返部43を境界として、上側に位置する第2カバー部41と、下側に位置する第2柄部42とに分けられる。第1カバー部31及び第2カバー部41は、それぞれ第1折返部33及び第2折返部43において下側に向かって折返し可能である。
【0046】
より詳細には、第1部材3において、第1折返部33は、第2部材4とは逆側から幅方向に2/3の長さを有する。第1部材3において、第1折返部33の第2部材4側には、第1柄部32から上側に向かって延びる第1延伸部32aが形成される。第1延伸部32aは、第2延伸部42aと対向する側は直線状に延び、その逆側は上側に向かうにつれて幅方向に細くなるような斜辺を有して形成される。
【0047】
第2部材4も第1部材3と同様に、第2折返部43は、第1部材3とは逆側から幅方向に2/3の長さを有する。第2部材4において、第2折返部43の第1部材3側には、第2柄部42から上側に向かって延びる第2延伸部42aが形成される。第1延伸部32aは、第1延伸部32aと対向する側は直線状に延び、その逆側は上側に向かうにつれて幅方向に細くなるような斜辺を有して形成される。第1延伸部32aと第2延伸部42aとは互いに線対称に形成される。第1延伸部32aと第2延伸部42aとは、それぞれの上側の端部が連結部3aとなって連結している。
【0048】
図1に示すように、第1係合部34は、上下方向に対して垂直な幅方向に、第2部材4が位置する側とは逆側から形成された切欠きを有する。第1係合部34の切欠きは、幅方向における1/2以上の長さを有する。第1部材3の第1係合部34より上側に位置する第1上端部36の幅は、第1係合部34より下側の部分の幅よりも小さくなっている。第2係合部44は、第1係合部34と同じ形状であって、第1部材3が位置する側から形成された切欠きを有する。第2係合部44の切欠きは、幅方向における1/2以上の長さを有する。図1に示す展開状態では、第1係合部34の切欠きと、第2係合部44の切欠きとは、同じ方向を向いた形状になっている。第2部材4の第2係合部44より上側の第2上端部46の幅は、第2係合部44より下側の部分の幅よりも小さくなっている。
【0049】
図2及び図3に示すように、第1係合部34と第2係合部44とは、組み立て状態では、互いに重なり合いつつ幅方向に対向した状態となる。図2及び図3に示すように、第1係合部34と第2係合部44とは互いに係合させることが可能であり、同様に係合を解除することができる。
【0050】
第1部材3及び第2部材4は、それぞれ第1孔部35及び第2孔部45を有する。第1孔部35及び第2孔部45のそれぞれは、上下方向において、第1本体部21及び第2本体部22の上端21a及び22aの近傍に形成された貫通孔であり、幅方向において第1部材3及び第2部材4の中心部に形成される。図2及び図3に示す組み立て状態では、第1孔部35と第2孔部45とは互いに積層方向で対向し、重なり合った状態となる。互いに重なり合った第1孔部35及び第2孔部45は、刃体5を挟み込む状態となり、図2に示すように第1孔部35及び第2孔部45から刃体5を視認可能な状態となる。
【0051】
第1部材3は、中心線Cと平行に延びる第1本体部21との境界B2において、連結部21d及び21eで連結しており、それ以外の部分では切断され分離している。同様に、第2部材4は、中心線Cと平行に延びる第2本体部22との境界B3において、連結部22d及び22eで連結しており、それ以外の部分では切断され分離している。これらの切断部分は、第1部材3と第1本体部21とを互いに折り曲げやすくし、第2部材4と第2本体部22とを互いに折り曲げやすくするよう形成されたものである。
【0052】
[カミソリの組み立て]
カミソリ1が組み立てられる際、まず、第1部材3に対して第1本体部21が、境界B2において、図1の平面視で、奥側に向かって折り曲げられる。また、第2部材4に対して第2本体部22が、境界B3において、同じく奥側に向かって折り曲げられる。これにより、平面状の第1部材3及び第2部材4に対して、第1本体部21及び第2本体部22が同じ奥側に位置する状態となる。
【0053】
次に、境界B1において、第1部材3に対して、第2部材4が奥側に向かって折り曲げられる。これにより、図2にも示すように、上から第1部材3、第1本体部21、第2本体部22、第2部材4、の順に積層した状態となる。換言すると、第1部材3及び第2部材4によって、第1本体部21及び第2本体部22が挟まれた、図2に示す組み立て状態となる。
【0054】
組み立て状態において、第1本体部21、第2本体部22、第1部材3、及び第2部材4は、互いに接着させられることで連結した状態となる。これらの部材が接着される位置については限定されないが、例えば、組み立て状態で第1本体部21と第2本体部22とが対向する面の、刃先5aとは逆側の位置に破線で示した接着領域Aにおいて接着される。または、第1本体部21、第2本体部22、第1部材3、及び第2部材4は、第1折返部33及び第2折返部43より下の位置にテープ状の接着部材が巻き付けられることで連結されてもよい。
【0055】
組み立て状態では、第1本体部21、第2本体部22、第1部材3、及び第2部材4は、下側の端部が揃うように重なる。また、第1カバー部31及び第2カバー部41の上側の端部は、第1本体部21及び第2本体部22の上側の端部よりも上側に位置する。
【0056】
また、組み立て状態では、図2及び図3に示すように、第1係合部34と第2係合部44とを互いに係合させることができる。
【0057】
[カミソリの状態変化]
図2の状態に組み立てられたカミソリ1は、使用者が第1カバー部31及び第2カバー部41を操作することで、図2に示されたカバー状態と、図3に示された折返状態との間で状態が変化する。
【0058】
図2の組み立て状態では、上記のように第1係合部34と第2係合部44とが互いに係合可能であり、図2では係合した状態が示されている。カバー状態では、第1本体部21及び第2本体部22のそれぞれの上端21a及び22aよりも上側の位置で、第1係合部34と第2係合部44とが係合可能である。第1係合部34と第2係合部44とが係合した状態では、第1カバー部31と第2カバー部41との移動が規制されており、係合を解除することで第1カバー部31と第2カバー部41とが移動可能となる。
【0059】
第1係合部34と第2係合部44との係合を解除した状態で、第1カバー部31及び第2カバー部41を、それぞれ第1折返部33及び第2折返部43とで外側に向かってそれぞれ半円を描くように折り返すと、第1カバー部31及び第2カバー部41がそれぞれ下側に向かって延びた、図3に示す折返状態となる。既に説明したように、折返状態では刃体5が露出しており、カミソリとして使用可能な状態となる。折返状態では、第1本体部21及び第2本体部22のそれぞれの下端21c及び22cよりも下側の位置で、第1係合部34と第2係合部44とが係合可能である。
【0060】
このとき、第1カバー部31及び第2カバー部41は、図4に示すように移動するが、この第1カバー部31及び第2カバー部41の動きは、花弁が開くような、またはバナナの皮を剥くような、特徴的な動きとなる。
【0061】
そこで、カミソリ1を、花を模した色彩を付した構成とすると、使用者に対して花のような視覚効果を与えることができる。具体的には、第1カバー部31及び第2カバー部41の、カバー状態において外側になる面を緑色に着色し、内側になる面を赤色、白色、または青色などに着色すると、カミソリ1が花を模した色彩を有するものとなる。
【0062】
また、カミソリ1を、バナナを模した色彩を付した構成とすると、使用者に対してバナナのような視覚効果を与えることができる。具体的には、第1カバー部31及び第2カバー部41の、カバー状態において外側になる面を濃い黄色に着色し、内側になる面を薄い黄色、象牙色、またはベージュなどに着色すると、カミソリ1がバナナを模した色彩を有するものとなる。
【0063】
また、第1カバー部31及び第2カバー部41の、一方の面と他方の面との少なくとも一方に文字、記号、または模様等の表示を付して、使用者がカミソリ1の状態を容易に視認可能にしてもよい。
【0064】
[実施形態2]
次に、本発明の別の実施形態のカミソリ101について、図面を参照しながら説明する。本実施形態のカミソリ101は、実施形態1のカミソリ1と、共通または対応する構成を備える部分があるため、以下の説明では実施形態1のカミソリ1と共通または対応する構成について、共通または対応する符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0065】
図5は、展開状態におけるカミソリ101の平面図である。図6及び図7は、組み立て状態のカミソリ101の平面図であり、図6はカバー状態、図7は折返状態を示す。カバー状態では刃体5がカバーされ、折返状態では刃体5が露出した状態となる。図に示されるように、カミソリ101は、第1本体部121、第2本体部122、第1部材103、第2部材104、及び刃体5を含む。第1本体部121及び第2本体部122は、本体部102を構成する。本実施形態の第1本体部121、第2本体部122、第1部材103、第2部材104、及び本体部102は、それぞれ実施形態1の第1本体部21、第2本体部22、第1部材3、第2部材4、及び本体部2に対応する構成である。
【0066】
実施形態1のカミソリ1と本実施形態のカミソリ101とを比較すると、展開状態で、実施形態1のカミソリ1では第1本体部21及び第2本体部22が第1部材3及び第2部材4を挟み込む位置関係であったのが、本実施形態のカミソリ101では、第1部材103及び第2部材104が第1本体部121及び第2本体部122を挟み込む位置関係となっている。この位置関係は、実施形態1のカミソリ1において、境界B1において第1部材3と第2部材4とを切断し、平面視で右側の構成と左側の構成を入れ替えて中央部分で連結させた形状であるともいえる。すなわち、実施形態1のカミソリ1、及び本実施形態のカミソリ101は、展開状態が平面状であるため、構成要素の位置関係をある程度変更することができる。
【0067】
[本体部2]
図示するように、第1本体部121及び第2本体部122は、それぞれ単体ではカミソリ1の第1本体部21及び第2本体部22と同様の形状である。ただし、第1本体部121及び第2本体部122は、第1部材103及び第2部材104に挟まれる位置関係となっており、互いの連結関係がカミソリ1とは異なる。第1本体部121と第2本体部122とは、第1本体部121と第2本体部122との境界B101と重なるよう上下方向に直線状に延びる中心線C2に対して線対称である。
【0068】
第1本体部121と第2本体部122とは、互いの境界B101の連結部102a及び102bにおいて連結しており、それ以外の部分では切断され分離している。
【0069】
[第1部材103及び第2部材104]
図示するように、第1部材103及び第2部材104は、それぞれ上下方向に延び、角が丸い矩形状の細長い部材であり、かつ上端近傍にそれぞれ第1係合部34及び第2係合部44を有する形状である。
【0070】
第1部材103は、中心線C2と平行に延びる第1本体部121との境界B102において、連結部121d、121e、及び121fで連結しており、それ以外の部分では切断され分離している。同様に、第2部材104は、中心線C2と平行に延びる第2本体部122との境界B103において、連結部122d、122e、及び122fで連結しており、それ以外の部分では切断され分離している。連結部121d及び122dは、それぞれ第1折返部133及び第2折返部143のすぐ下側に形成され、連結部121f及び122fはそれぞれ下端近傍に形成される。連結部121eは連結部121dと121fとの距離が均等になる位置に形成され、連結部122eは連結部122dと122fとの距離が均等になる位置に形成される。
【0071】
第1部材103及び第2部材104は、それぞれ上下方向における1/2よりも下側の位置に第1折返部133及び第2折返部143を有する。第1折返部133及び第2折返部143は、それぞれ中心線Cに対して垂直に延びる。第1部材103は、第1折返部133を境界として、上側に位置する第1カバー部131と、下側に位置する第1柄部32とに分けられる。同様に、第2部材104は、第2折返部143を境界として、上側に位置する第2カバー部141と、下側に位置する第2柄部42とに分けられる。
【0072】
第1部材103及び第2部材104において、第1折返部133及び第2折返部143は、それぞれ第1部材103及び第2部材104の幅方向の全体にわたって形成される。
【0073】
第1部材103の第1係合部34より上側に位置する第1上端部136の幅は、第1係合部34より下側の部分の幅と同じ幅である。同様に、第2部材104の第2係合部44より上側に位置する第2上端部146の幅は、第2係合部44より下側の部分の幅と同じ幅である。
【0074】
実施形態1では、第1上端部36が第1係合部34より下側の部分の幅より小さく、第2上端部46についても同様であったが、このような構成では、第1係合部34と第2係合部44とを係合させやすく、かつ係合を解除させやすい。一方本実施形態の構成では、第1係合部34と第2係合部44とを安定的に係合させることができる。
【0075】
本実施形態の第1部材103及び第2部材104は、実施形態1のカミソリ1の第1部材3及び第2部材4が有していた第1孔部35及び第2孔部45を有さない構成としているが、カミソリ1と同様の孔部を有する構成としてもよい。これらの孔部を有さない構成では、第1部材103及び第2部材104の強度を高めることができる。
【0076】
[カミソリの組み立て]
カミソリ101が組み立てられる際、まず、第2本体部122に対して第2部材104が、境界B103において、図1の平面視で、奥側に向かって折り曲げられる。また、第1本体部121に対して第1部材103が、境界B102において、同じく奥側に向かって折り曲げられる。これにより、平面状の第2本体部122及び第1本体部121に対して、第2部材104及び第1部材103が同じ奥側に位置する位置する状態となる。
【0077】
次に、境界B101において、第2本体部122に対して、第1本体部121が手前側に向かって折り曲げられる。これにより、図6にも示すように、上から第1部材103、第1本体部121、第2本体部122、第2部材104、の順に積層した状態となる。換言すると、第1部材103及び第2部材104によって、第1本体部121及び第2本体部122が挟まれた、図6に示す組み立て状態となる。
【0078】
組み立て状態において、第1部材103、第1本体部121、第2本体部122、及び第2部材104は、互いに接着させられることで連結した状態となる。これらの部材が接着される位置については限定されないが、例えば、第1部材103、第1本体部121、第2本体部122、及び第2部材104の、図5の平面視でそれぞれの表面に破線で示した接着領域A2において接着される。
【0079】
また、組み立て状態では、図6及び図7に示すように、第1係合部34と第2係合部44とを互いに係合させることができる。
【0080】
[カミソリの状態変化]
図6の状態に組み立てられたカミソリ101は、使用者が第1カバー部131及び第2カバー部141を操作することで、図6に示されたカバー状態と、図7に示された折返状態との間で状態が変化する。
【0081】
図6のカバー状態から、図7の折返状態に状態変化するとき、第1カバー部131及び第2カバー部141が図8に示すように移動する。この状態変化は、実施形態1と同様であるため説明を省略する。
【0082】
[変形例]
実施形態1のカミソリ1及び実施形態2のカミソリ101は、互いに組み合わせた構成としてもよいし、以下に示すような変形例の構成を採用してもよい。
【0083】
図9及び図10は、実施形態1のカミソリ1の変形例のカミソリ201を示す図であり、図9はカバー状態、図10は折返状態のカミソリ201を示している。
【0084】
カミソリ201の第1部材203及び第2部材204は、それぞれ第1折返部33a及び第2折返部43aを有する。第1部材203は、第1折返部33aを境界として上側の第1カバー部31と、下側の第1柄部32とが直線状ではなく、角度を有して接続されている。具体的には、図9に示すように、第1折返部33aの延びる方向に対して第1カバー部31が延びる方向の角度θ1と、第1折返部33aの延びる方向に対して第1柄部32が延びる方向の角度θ1とは同じ角度になっている。図示を省略するが、第2部材204は、第1部材203と、第2係合部44を含むこれより上の部分を除いて、線対称の形状となっている。
【0085】
図9のカバー状態のカミソリ201は、第1カバー部31及び第2カバー部41を、それぞれ第1折返部33a及び第2折返部43aで外側に向かって円を描くように折り返すと、第1カバー部31及び第2カバー部41がそれぞれ下側に向かって延びた、図10に示す折返状態となり、カミソリとして使用可能な状態となる。
【0086】
[その他の変形例]
カミソリ1の第1係合部34及び第2係合部44は、実施形態1及び2の構成に限定されず、互いに係合可能な他の構成としてもよい。
【0087】
カミソリ1は、平面状の台紙を折って組み立てられた構成であったが、必ずしもそのような構成に限定されるものではなく、同様の構成要素を備える別の態様で形成されていてもよい。ただし、刃体5以外を紙で形成された構成にすると、リサイクルしやすい構成となるため好ましい。
【0088】
カミソリ1の第1折返部33及び第2折返部43は、それぞれ第1部材3及び第2部材4の幅の2/3の長さを有して形成されていたが、この長さは変更可能である。例えば、第1折返部33及び第2折返部43の幅方向の長さはそれぞれ第1部材3及び第2部材4の幅の1/4以上9/10以下(25%以上90%以下)の長さにしてよいし、より好ましくは1/2以上(50%以上)の長さにしてもよい。
【0089】
カミソリ1では、図1に示すように、平面視で第1本体部21、第2本体部22、第1部材3、及び第2部材4が横方向(幅方向)に配置された構成であったが、例えば、第1本体部21及び第1部材3の下側に、第2本体部22及び第2部材4が位置するような構成としてもよい。すなわち、組み立て状態が同じになるような、任意の構成を採用可能である。
【0090】
[実施形態3]
次に、本発明の実施形態3のカミソリ301について、図面を参照しながら説明する。本実施形態のカミソリ301は、実施形態1のカミソリ1または実施形態2のカミソリ101と、共通または対応する構成を備える部分がある。そのため、以下の説明では実施形態1のカミソリ1または実施形態2のカミソリ101と共通または対応する構成について、共通または対応する符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0091】
図11は、展開状態におけるカミソリ301の平面図である。図12は、連結部材373を有する、組み立て状態で使用前の状態のカミソリ301の平面図である。図13及び図14は、組み立て状態のカミソリ301の平面図であり、図13はカバー状態、図14は折返状態を示す。図13及び図14では、連結部材373が除去されている。カバー状態では刃体5がカバーされ、折返状態では刃体5が露出した状態となる。図示されるように、カミソリ301は、第1本体部321、第2本体部322、第1部材303、第2部材304、補助部材306、及び刃体5を含む。第1本体部321及び第2本体部322は、本体部302を構成する。本実施形態の第1本体部321、第2本体部322、第1部材303、第2部材304、及び本体部302は、それぞれ実施形態1の第1本体部21、第2本体部22、第1部材3、第2部材4、及び本体部2に対応する構成である。
【0092】
実施形態1のカミソリ1と本実施形態のカミソリ301とを比較すると、カミソリ301は補助部材306を有している点で相違する。また、展開状態で、実施形態1のカミソリ1では第1本体部21及び第2本体部22が第1部材3及び第2部材4を挟み込む位置関係であったのが、本実施形態のカミソリ301では、第1本体部321、第2本体部322、第2部材304、第1部材303、補助部材306の順に隣接して配置される。実施形態1、2及び3で共通であるが、組み立てた状態が同様の態様になるように、これらの展開状態での位置関係は変更してよい。
【0093】
[本体部302]
図示するように、本体部302を構成する第1本体部321及び第2本体部322は、それぞれ単体ではカミソリ1の第1本体部21及び第2本体部22と類似の形状である。第1本体部321と第2本体部322との境界には、ミシン目38dが形成される。ミシン目とは、所定の方向に延び、カミソリ301を貫通するよう形成された貫通孔である。以下の説明における「ミシン目」についても同様である。第1本体部321と第2本体部322とは、互いの境界に位置するミシン目38dを含む直線に対して線対称である。カミソリ301は、このミシン目38d以外にも同様のミシン目を有することで、所望の位置で折り曲げられやすくなっている。
【0094】
[第1部材303及び第2部材304]
図示するように、第1部材303及び第2部材304は、それぞれ上下方向に延び、角が丸い矩形状の細長い部材であり、かつ上端近傍にそれぞれ第1係合部334及び第2係合部344を有するよう構成される。第1係合部334及び第2係合部344は実施形態1の第1係合部34及び第2係合部44とは形状が異なるが、機能は同様である。図示されるように、第1部材303と第2部材304とは、それぞれ単体ではほぼ同じ形状である。
【0095】
第1部材303と第2部材304とは、互いの境界のミシン目38b及び38cが形成されている箇所で幅方向に連結しており、第1折返部333及び第2折返部343より上側では分離している。第1部材303と第2部材304との境界に形成されたミシン目38b及び38cは、折り曲げられたときにマチを形成する。このようにミシン目38b及び38cによってマチが形成されることで、第1部材303と第2部材304との間に第1本体部321及び第2本体部322を挟持するよう組み立てられたときに、第1部材303と第2部材304とが安定する。ミシン目38bと38cとの距離は、例えば、1.4mmまたは2.0mmであるが、カミソリ301を形成する材料の厚さにあわせて決定することが好ましい。
【0096】
第1部材303及び第2部材304は、それぞれ上下方向における1/2よりも下側の位置に第1折返部333及び第2折返部343を有する。第1折返部333及び第2折返部343は、第1部材303及び第2部材304の長手方向に対して垂直に延びる。第1部材303は、第1折返部333を境界として、上側に位置する第1カバー部331と、下側に位置する第1柄部332とに分けられる。同様に、第2部材304は、第2折返部343を境界として、上側に位置する第2カバー部341と、下側に位置する第2柄部342とに分けられる。
【0097】
第1部材303及び第2部材304において、第1折返部333及び第2折返部343は、それぞれ第1部材303及び第2部材304の幅方向の全体にわたって形成される。第1折返部333及び第2折返部343はそれぞれ第1部材303及び第2部材304を貫通する貫通孔を含むミシン目で形成される。これらのミシン目は、第1部材303及び第2部材304の縁部に接しないよう設けられる。第1折返部333及び第2折返部343を形成するミシン目は、本発明における「第1ミシン目」及び「第2ミシン目」の一具体例である。
【0098】
第1部材303の第1係合部334より上側に位置する第1上端部336の幅は、第1係合部334より下側の部分の幅より小さくなっている。同様に、第2部材304の第2係合部344より上側に位置する第2上端部346の幅は、第2係合部344より下側の部分の幅より小さくなっている。第1係合部334及び第2係合部344は、組み立て時に互いに対向する箇所の下側が円弧上に湾曲した形状となっており、これにより互いに係合させやすい構成となっている。
【0099】
[連結部材373]
連結部材373は、第1連結片371及び第2連結片372を含んで構成される。図11に示される展開状態において、第1連結片371は、第2部材304の第2カバー部341の幅方向の、第1部材303が位置する側とは逆側の端面から突出するよう形成される。第2連結片372は、第2部材304の第2カバー部341の幅方向の、第2部材304が位置する側とは逆側の端面から突出するよう形成される。第2連結片372は、その幅方向の中央近傍で折り曲げ可能であり、折り曲げることで第1連結片371を挟持できるよう形成される。図12に示される組み立て状態では、第2連結片372が第1連結片371を挟持している。
【0100】
なお、連結部材373を構成する第1連結片371及び第2連結片372の形状は任意に変更してよい。例えば、第1連結片371と第2連結片372とが同じ形状であって、互いに接着されて連結部材373を構成するものとしてもよい。また、第1連結片371と第2連結片372とが入れ替えられてもよい。この場合、第1カバー部331から第1連結片371が突出し、第2カバー部341から第2連結片372が突出するよう形成される。
【0101】
なお、連結部材373は上記のような態様に限定されず、例えば図15に示された変形例の展開図のような態様としてもよい。図15に示された実施形態3の変形例では、連結部材373は、第1連結片371a及び第2連結片372aを含んで構成される。第2連結片372aは、その長手方向(上下方向)の中央近傍で折り曲げ可能であり、折り曲げることで第1連結片371aを挟持できるよう形成される。
【0102】
[補助部材306]
補助部材306は、図11に示される展開状態では、第1部材303の、第2部材304が位置する側とは逆側に位置する。図12に示される組み立てられた状態では、補助部材306は、第2部材304の第2本体部322と連結した面とは逆側の面に連結されるとともに、第2折返部343の直ぐ下側に、第2折返部343に平行に延びる上端を有する。補助部材306の上端は、第2折返部343からの距離が0.01mm以上2mm以下の位置に設けられることが好ましい。補助部材306は、カミソリ301の下側の、使用時に使用者が把持する把持部の一方の面を形成し、他方の面を第1部材303が形成する。すなわち、図12に示されるように、第1部材303と補助部材306とがカミソリ301の他の構成を挟持する状態となる。
【0103】
図11に示されるように、第1部材303と補助部材306とは、互いの境界のミシン目38e及び38fが形成されている箇所で連結している。第1部材303と補助部材306との境界に形成されたミシン目38e及び38fは、折り曲げられたときにマチを形成する。このようにミシン目38e及び38fによってマチが形成されることで、第1部材303と補助部材306との間に、第1本体部321、第2本体部322、及び第2部材304を挟持するよう組み立てられたときに、第1部材303と補助部材306とが安定する。ミシン目38eと38fとの距離は、例えば、1.4mmまたは2.0mmであるが、カミソリ301を形成する材料の厚さにあわせて決定することが好ましい。なお、ミシン目38bと38cとの距離と比較すると、挟持する部材が多くなるミシン目38eと38fとの距離がミシン目38bと38cとの距離よりも長くしてもよい。
【0104】
[カミソリの組み立て]
図11に展開図で示されたカミソリ101が組み立てられる際、まず、第1本体部321及び第2本体部322が第1部材303及び第2部材304に重ねられるよう、ミシン目38aの位置において、図11の平面図で第1部材303及び第2部材304が手前側に向かって折り曲げられる。次に、第1部材303に対して第2部材304が、ミシン目38b及び38cの位置において、平面視で手前側に向かって折り曲げられる。次に、補助部材306が第2部材304に重ねられるよう、補助部材306が平面視で手前側に向かって折り曲げられる。これにより、下から順に、第1部材303、第1本体部321、第2本体部322、第2部材304、補助部材306の順に積層した状態となる。このとき、第2連結片372に第1連結片371が重なった状態となるので、第2連結片372を折り曲げて第1連結片371を挟持させる。なお、各部材は当接面で接着される。これによって、図12に示された組み立て状態となる。
【0105】
[カミソリの状態変化]
図12に示されるように、組み立てられたカミソリ301は、連結部材373によって第1カバー部331と第2カバー部341とが互いに連結し、第1カバー部331と第2カバー部341とが下側に折り返されることが規制されている。この連結部材373は、カミソリ301を初めて使用される際に使用者によって切り離されて除去され、図13に示された状態となる。第1カバー部331及び第2カバー部341から連結部材373が切り離されることで、連結部材373による規制が解除される。さらに、第1係合部334と第2係合部344との係合が解除されると、第1カバー部331及び第2カバー部341を下側に折り返し可能な状態となる。第1カバー部331及び第2カバー部341が下側に折り返されると、第1係合部334と第2係合部344とを下側で係合させることができ、これらを係合させると図14に示された状態となる。これによって刃体5が露出し、カミソリ301を使用可能な状態となる。使用後は、第1係合部334と第2係合部344との係合を解除し、第1カバー部331と第2カバー部341とを上側に折り返し、第1係合部334と第2係合部344とを上側で係合させることで、図13の保管状態に戻すことができる。
【0106】
[カミソリの特徴]
上記実施形態のカミソリ1、101、201、及び301は、例えば以下のような特徴を有する。なお、以下の説明では主にカミソリ1について説明するが、カミソリ101、201、及び301も同様または類似の特徴を有する。
【0107】
カミソリ1は、組み立てられた状態において、長手方向に延びるよう板状に形成され、一方側の面、及びその裏側に位置する他方側の面を有する本体部2と、本体部2の長手方向に沿って延びるよう本体部2の上側に取り付けられた刃体5と、第1部材3と、第2部材4とを備える。第1部材3は、長手方向に延びるよう板状に形成され、本体部2の一方側の面に連結し、第1折返部33で外側に向かって折り返し可能に上側に向かって延びる第1カバー部31を有する。第2部材4は、長手方向に延びるよう板状に形成され、本体部2の他方側の面に連結し、第1折返部33とともに本体部2を挟む位置に設けられた第2折返部43で外側に向かって折り返し可能に上側に向かって延びる第2カバー部41を有する。第1カバー部31及び第2カバー部41は、それぞれ上側に延びたカバー状態では刃体が露出しないよう刃体を覆い隠す状態となり、それぞれ下側に折り返された折返状態では刃体が露出する状態となる。
【0108】
このような構成のカミソリ1は、刃先5aをカバーするための構成である第1カバー部31及び第2カバー部41が本体部2に連結されているため、カバーを紛失することを防止できる。また、回動軸を設けるような構成ではないため、破損しづらい構成としつつ、使いやすい構成にできる。カミソリ101も、同様の特徴を有する。
【0109】
カミソリ1において、第1部材3は、上側の端部近傍に第1係合部34を有し、第2部材4は、上側の端部近傍に第2係合部44を有する。第1係合部34及び第2係合部44は、カバー状態では本体部2の上側の端部よりも上側の位置で互いに係合可能であり、折返状態では本体部2の下側の端部よりも下側の位置で互いに係合可能である構成している。
【0110】
このような構成のカミソリ1は、カバー状態において刃先5aをカバーした状態で安定させることができる。また、使用時の状態である折返状態を安定させることができ、使用者が使用しやすい構成となる。
【0111】
カミソリ1において、本体部2は、それぞれ長手方向に延び、刃体5を挟むように連結された第1本体部21及び第2本体部22を含む。第1部材3、第2部材4、第1本体部21、及び第2本体部22は、長手方向の下側において、第1本体部21及び第2本体部22を、第1部材3及び第2部材4が挟むように重なり合って連結された構成としている。
【0112】
このような構成のカミソリ1は、紙などの板状の部材を折ってカミソリ1を形成しやすい構成となっている。
【0113】
カミソリ1において、第1折返部33は、長手方向における第1部材3の1/2よりも下側に位置し、第2折返部43は、長手方向における第2部材4の1/2よりも下側に位置する構成としている。
【0114】
このような構成のカミソリ1は、カミソリ1を把持する部分と、刃体5の部分との長さ及び重さがバランスの取れた構成にすることができ、より使用者が使用しやすい構成となっている。
【0115】
カミソリ1において、第1部材3は、第1折返部33で、上側の第1カバー部31と、下側の第1柄部32とに分けられ、第2部材4は、第2折返部43で、上側の第2カバー部41と、下側の第2柄部42とに分けられた構成としている。
【0116】
カミソリ1において、第1折返部33は、第1部材3の幅の1/4以上9/10以下の幅を有し刃体5の刃先5a側に設けられており、第1折返部33の刃体5の背側では、第1柄部32が上側に延びている。第2折返部43は、第2部材4の幅の1/4以上9/10以下の幅を有し刃体5の刃先5a側に設けられており、第2折返部43の刃体5の背側では、第2柄部42が上側に延びている。
【0117】
このような構成のカミソリ1は、上側に延びた第1柄部32及び第2柄部42によってカミソリ1の背側が支持されるので、刃体5をより安定して保持しやすい構成にすることができる。これにより、より使いやすいカミソリにすることができる。
【0118】
カミソリ1において、第1部材3及び第2部材4は、カバー状態で刃体5の刃先5aに対向する位置に、それぞれ互いに対向するよう設けられた貫通孔である第1孔部35及び第2孔部45を有する構成としている。貫通孔である第1孔部35及び第2孔部45からは、刃体5の刃先5aが視認可能となる。
【0119】
このような構成のカミソリ1は、使用者が第1孔部35及び第2孔部45から刃先5aがどちらを向いているのかを確認しやすくなり、より安全に使用できる構成となる。また、第1孔部35及び第2孔部45は、使用時の折返状態では使用者が把持しているハンドル(把持部)のストッパとして機能するため、より使いやすい構成となる。
【0120】
カミソリ1において、第1部材3、第2部材4、及び本体部2は、それぞれ下側の端部が互いに揃っている。第1部材3及び第2部材4のそれぞれの上側の端部は、互いに揃っているとともに、本体部2の上側の端部よりも上側に位置する構成となっている。
【0121】
カミソリ1において、第1カバー部31及び第2カバー部41の少なくとも一方は、折返状態のときに使用者が視認可能となる表示を有する構成としてよい。このような構成のカミソリ1によれば、使用者がカミソリ1の状態を一目で確認しやすい構成となる。
【0122】
カミソリ1は、長手方向に延びる本体部2と、長手方向に沿って延びるよう本体部2の上側に取り付けられた刃体5と、本体部2を挟むように、本体部の一方側と他方側とにそれぞれ連結して設けられた第1部材3及び第2部材4を含む。第1部材3及び第2部材4は、それぞれ本体部2を挟んで一方側と他方側とに位置する第1折返部33及び第2折返部43で外側に向かって半円を描くように折り返し可能に本体部2の上側に向かって延びる第1カバー部31及び第2カバー部41を有する。第1カバー部31及び第2カバー部41は、刃体5を覆うように上側に延びたカバー状態と、刃体が露出するように下側に延びた折返状態とで状態変化可能である。
【0123】
実施形態3のカミソリ301は、第1カバー部331と第2カバー部341とを連結して下側に折り返されることを規制し、使用時には第1カバー部331及び第2カバー部341から切り離されることで規制を解除する連結部材373をさらに備える。この構成により、使用前に第1カバー部331及び第2カバー部341が不意に下側に折り返され、刃先が露出することを防止でき、使用前のカミソリ301をより安全に保管したり持ち運んだりすることができる。さらに、連結部材373があることで、カミソリ301が未使用品であることを一目で判別可能となる。
【0124】
実施形態3のカミソリ301では、連結部材373は、第1カバー部331及び第2カバー部341の一方の幅方向の端面から突出する第1連結片371と、第1カバー部331及び第2カバー部341の他方の幅方向の端面から突出し、第1連結片371を挟持する第2連結片372とを含む。これにより、使用前の状態において、連結部材373の連結状態を不意に解除されづらいものにすることができる。
【0125】
実施形態3のカミソリ301では、第1折返部333及び第2折返部343は、それぞれ第1部材303及び第2部材304を貫通する複数の貫通孔を含むミシン目で形成されており、これらのミシン目及び第2ミシン目は、それぞれ第1部材303及び第2部材304の縁部に接しない位置に設けられる。そのため、カミソリ301では、これらのミシン目によって、第1折返部333及び第2折返部343の位置ずれが発生しづらい構成にできる。また、ミシン目が縁部に接していないため、第1折返部333及び第2折返部343で第1カバー部331及び第2カバー部341を繰り返し折り返したとしても破損しづらい構成にすることができる。
【0126】
実施形態3のカミソリ301では、第2部材304の、本体部302と連結した面とは逆側の面に連結されるとともに、第2折返部343の直ぐ下側に第2折返部343に平行に延びる上端を有する補助部材306をさらに備える構成としている。これにより、補助部材306によって、第2折返部343での第2カバー部341の折り返しを行いやすい構成となっている。また、折り曲げて接着された各部材が開いてしまうことを抑制することができる。
【符号の説明】
【0127】
1、101、201、301…カミソリ
2、102、302…本体部
21、121、321…第1本体部
22、122、322…第2本体部
3、103、203、303…第1部材
31、131、331…第1カバー部
32、332…第1柄部
32a…第1延伸部
33、133、333…第1折返部
33a…第1折返部
34、334…第1係合部
35…第1孔部
36、136…第1上端部
371、371a…第1連結片
372、372a…第2連結片
373…連結部材
4、104、204、304…第2部材
41、141、341…第2カバー部
42、342…第2柄部
42a…第2延伸部
43、143、343…第2折返部
43a…第2折返部
44、344…第2係合部
45…第2孔部
46、146…第2上端部
5…刃体
306…補助部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15