(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077585
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂、この製造方法およびこれを含む二次電池分離膜および二次電池
(51)【国際特許分類】
C08F 10/02 20060101AFI20240531BHJP
H01M 50/417 20210101ALI20240531BHJP
【FI】
C08F10/02
H01M50/417
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128719
(22)【出願日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0161230
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522318173
【氏名又は名称】ハンファ トータルエナジーズ ペトロケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HANWHA TOTALENERGIES PETROCHEMICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】103,Dokgot-2-ro, Daesan-eup, Seosan-si, Chungcheongnam-do 31900, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オー セ ホ
(72)【発明者】
【氏名】ハン ジェ ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】パク ウン ジン
【テーマコード(参考)】
4J100
5H021
【Fターム(参考)】
4J100AA02P
4J100DA01
4J100DA04
4J100DA05
4J100DA24
4J100EA09
4J100FA06
4J100FA09
4J100FA34
4J100FA39
4J100JA43
5H021CC03
5H021EE04
5H021HH00
5H021HH03
5H021HH06
5H021HH07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】低分子量ポリエチレンと高分子量ポリエチレンの含量を最適化することによって押出機内の加工性向上および最終分離膜フィルムの剛性を維持させる二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を提供する。
【解決手段】本発明はゲル浸透クロマトグラフィー分析を通じての重量平均分子量(Mw)値が350,000g/mol~500,000g/molであり、ゲル浸透クロマトグラフィーグラフの総積分面積に対して低分子量領域の積分面積が1.3%~2.4%であり、高分子量領域の積分面積が9.5%~13.5%であり、前記低分子量領域はゲル浸透クロマトグラフィーグラフでlogM(ここで、Mは前記ゲル浸透クロマトグラフィーでカラムを通過する高分子の分子量に該当する)値が4以下であるグラフ部分であり、前記高分子量領域はlogM値が6以上であるグラフ部分であるものである、二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル浸透クロマトグラフィー分析を通じての重量平均分子量(Mw)値が350,000g/mol~500,000g/molであり、
ゲル浸透クロマトグラフィーグラフの総積分面積に対して低分子量領域の積分面積が1.3%~2.4%であり、高分子量領域の積分面積が9.5%~13.5%であり、
前記低分子量領域はゲル浸透クロマトグラフィーグラフでlogM(ここで、Mは前記ゲル浸透クロマトグラフィーでカラムを通過する高分子の分子量に該当する)値が4以下であるグラフ部分であり、前記高分子量領域はlogM値が6以上であるグラフ部分であるものである、二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂。
【請求項2】
前記ポリエチレン樹脂は、パウダー形態であるものである、請求項1に記載の二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂。
【請求項3】
前記ポリエチレン樹脂は、粘度平均分子量が180,000g/mol~700,000g/molである低分子量重合体と粘度平均分子量が1,500,000g/mol~2,500,000g/molである高分子量重合体が一つの粒子で形成されているものである、請求項1に記載の二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂。
【請求項4】
前記ポリエチレン樹脂は、粘度平均分子量が200,000g/mol~2,500,000g/molであるものである、請求項1に記載の二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂。
【請求項5】
前記ポリエチレン樹脂は、溶融温度が130℃~138℃であるものである、請求項1に記載の二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂。
【請求項6】
前記ポリエチレン樹脂は、平均粒子径が110μm~140μmであるものである、請求項1に記載の二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂。
【請求項7】
前記ポリエチレン樹脂は、粒子径分布(SPAN)が1.0以下であるものである、請求項1に記載の二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂。
【請求項8】
前記ポリエチレン樹脂の分子量分布(molecular weight distribution、MWD)値が4~6であるものである、請求項1に記載の二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂。
【請求項9】
エチレン、触媒および有機溶媒を第1反応器に注入する段階;
前記第1反応器に水素を注入する段階;
前記第1反応器で重合されて生成されたスラリーを第2反応器に注入する段階;
前記第2反応器にエチレン、触媒および有機溶媒を追加で注入する段階;および
前記第2反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比(ratio)が0.01~0.30となるように前記第2反応器に水素を注入する段階を含む、二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法。
【請求項10】
前記第1反応器に水素を注入する段階は、前記第1反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比(ratio)が0.02~0.35となるように水素を注入するものである、請求項9に記載の二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法。
【請求項11】
前記有機溶媒はペンタン、ヘキサン、ヘプタン、n-オクタン、イソオクタンまたはこれらの組み合わせを含むアルカン;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンまたはこれらの組み合わせを含むシクロアルカン;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルトルエン、n-プロピルベンゼン、ジエチルベンゼンまたはこれらの組み合わせを含むアルキルアロマティック;クロロベンゼン、クロロナフタレン、オルトジクロロベンゼンまたはこれらの組み合わせを含むハロゲン化アロマティック;またはこれらの組み合わせを含むものである、請求項9に記載の二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法。
【請求項12】
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載されたポリエチレン樹脂を含む、二次電池用分離膜。
【請求項13】
正極;
負極;および
前記正極および負極の間に位置し、請求項12に記載された二次電池用分離膜を含む、二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂、この製造方法、そしてこれを含む二次電池分離膜および二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超高分子量ポリエチレン(ultra high molecular weight polyethylene、UHMWPE)は、一般的に分子量が106g/mol以上のポリエチレンを指し、これをさらに区分して3×106g/mol以上をUHMWPE、それ以下をVHMWPE(very high molecular weight polyethylene)と呼ぶ。超高分子量ポリエチレン樹脂は汎用ポリエチレンに比べて分子量が高いという理由により、剛性、耐摩耗性、耐環境応力、均一性、自己潤滑性、耐化学薬品性および電気的物性などに優れているという特徴を有している。
【0003】
このうち優れた耐化学薬品性および電気的物性により超高分子量ポリエチレンは各種電池用分離膜(Battery Separator)として広く利用されている。電池用分離膜用としては通常分子量25万g/mol~250万g/mol製品が使われている。
【0004】
しかし、超高分子量ポリエチレン樹脂はアメリカ公開特許US4972035Aにおいても記載された通り、高い分子量特性により完全に溶融した状態でも流れ性が低いため加工が難しい。したがって、汎用ポリエチレンのようにペレット化することができないため重合工程以後に生成されたパウダー形態で生産されて販売される。
【0005】
生産されたパウダーは電池用分離膜への加工のために、オイル類と混合されて二軸(twin screw)押出機で均一に溶融混錬されて単一相を形成した後、MD(machine direction)方向およびTD(transverse direction)方向への延伸工程を通じて多孔性フィルムを形成し、以後相分離されたオイルを除去して電池用分離膜を完成する。このような電池用分離膜製造工程において、溶融押出工程の安定した運転は均一な物性の分離膜製造に重要な要素である。
【0006】
また、最近二次電池分離膜の安定性向上に対する要求が増加することによって、押出段階で安定した運転を通じての分離膜物性および外観の重要性がより一層増加している。物性の問題がある場合には正常な分離膜機能を遂行することができず、外観の問題がある場合には当該欠点部分がバッテリーで短絡(short circuit)の主な原因となる可能性が高い。このために加工性と剛性が最適化された樹脂製品の開発とともに、押出機の多くの条件(均一なフィーディング(feeding)速度、押出機温度、押出機スクリュー(screw)、オイル(oil)注入温度、押出機負荷など)が最適化されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一具現例は、低分子量ポリエチレンと高分子量ポリエチレンの含量を最適化することによって押出機内の加工性向上および最終分離膜フィルムの剛性を維持させる二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を提供する。
【0008】
他の一具現例は、前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法を提供する。
さらに他の一具現例は、前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を含む二次電池用分離膜を提供する。
【0009】
さらに他の一具現例は、前記二次電池用分離膜を含む二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一具現例は、ゲル浸透クロマトグラフィー分析を通じての重量平均分子量(Mw)値が350,000g/mol~500,000g/molであり、ゲル浸透クロマトグラフィーグラフの総積分面積に対して低分子量領域の積分面積が1.3%~2.4%であり、高分子量領域の積分面積が9.5%~13.5%であり、前記低分子量領域はゲル浸透クロマトグラフィーグラフでlogM(ここで、Mは前記ゲル浸透クロマトグラフィーでカラムを通過する高分子の分子量に該当する)値が4以下であるグラフ部分であり、前記高分子量領域はlogM値が6以上であるグラフ部分であるものである、二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を提供する。
【0011】
前記ポリエチレン樹脂はパウダー形態であり得る。
前記ポリエチレン樹脂は粘度平均分子量が180,000g/mol~700,000g/molである低分子量重合体と粘度平均分子量が1,500,000g/mol~2,500,000g/molである高分子量重合体が一つの粒子で形成されているものであり得る。
【0012】
前記ポリエチレン樹脂は粘度平均分子量が200,000g/mol~2,500,000g/molであり得る。
前記ポリエチレン樹脂は溶融温度が130℃~138℃であり得る。
【0013】
前記ポリエチレン樹脂は平均粒子径が110μm~140μmであり得る。
前記ポリエチレン樹脂は粒子径分布(SPAN)が1.0以下であり得る。
前記ポリエチレン樹脂の分子量分布(molecular weight distribution、MWD)値が4~6であり得る。
【0014】
他の一具現例は、エチレン、触媒および有機溶媒を第1反応器に注入する段階;前記第1反応器に水素を注入する段階;前記第1反応器で重合されて生成されたスラリーを第2反応器に注入する段階;前記第2反応器にエチレンおよび有機溶媒を追加で注入する段階;前記第2反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比(ratio)が0.01~0.30となるように前記第2反応器に水素を注入する段階を含む二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法を提供する。
【0015】
前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法は、前記第1反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比(ratio)が0.02~0.35となるように前記第1反応器に水素を注入する段階をさらに含むことができる。
【0016】
前記有機溶媒はペンタン、ヘキサン、ヘプタン、n-オクタン、イソオクタンまたはこれらの組み合わせを含むアルカン;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンまたはこれらの組み合わせを含むシクロアルカン;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルトルエン、n-プロピルベンゼン、ジエチルベンゼンまたはこれらの組み合わせを含むアルキルアロマティック;クロロベンゼン、クロロナフタレン、オルトジクロロベンゼンまたはこれらの組み合わせを含むハロゲン化アロマティック;またはこれらの組み合わせであり得る。
【0017】
さらに他の一具現例は、前記ポリエチレン樹脂を含む二次電池用分離膜を提供する。
さらに他の一具現例は、正極;負極;および前記正極および負極の間に位置し、前記二次電池用分離膜を含む二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0018】
一具現例に係る二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を使う場合、低分子量ポリエチレンと高分子量ポリエチレンの含量を最適化することによって押出機内の加工性を向上して表面が均一な分離膜製品を作ることができ、また、最終製品である分離膜の剛性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一具現例に係る二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂のゲル浸透クロマトグラフィーグラフであって、実施例1に係る二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の低分子量領域と高分子量領域が図示されているゲル浸透クロマトグラフィーグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、具現例について技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、具現例は、多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する具現例に限定されない。
【0021】
一具現例は、二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂であって、ゲル浸透クロマトグラフィー分析を通じての重量平均分子量(Mw)値が350,000g/mol~500,000g/molであり、ゲル浸透クロマトグラフィーグラフの総積分面積に対して低分子量領域の積分面積が1.3%~2.4%であり、高分子量領域の積分面積が9.5%~13.5%であり、前記低分子量領域はゲル浸透クロマトグラフィーグラフでlogM値が4以下であるグラフ部分であり、前記高分子量領域はlogM値が6以上であるグラフ部分である二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を提供する。ここで、前記Mは前記ゲル浸透クロマトグラフィーでカラムを通過する高分子の分子量に該当する。
【0022】
図1は一具現例に係る二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂であって、実施例1に係る二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の低分子量領域と高分子量領域が図示されているゲル浸透クロマトグラフィーグラフである。
図1を参照すると、グラフの横軸のlogM値が4以下であるグラフ部分が低分子量領域に該当し、logM値が6以上であるグラフ部分が高分子量領域に該当する。
【0023】
一具現例に係る二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂はゲル浸透クロマトグラフィーグラフの総積分面積に対して低分子量領域の積分面積が1.3%~2.4%であり得、例えば、1.5%~2.3%であり得、例えば、1.7%~2.3%であり得る。前記低分子量領域はゲル浸透クロマトグラフィーグラフでlogM値が4以下であるグラフ部分であって、前記低分子量領域の積分面積が前記範囲内にある場合、前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を使って分離膜製造時に押出機内の加工負荷が増加しないため加工性が向上して表面が均一な分離膜製品を作ることができ、最終製品である分離膜の剛性を維持できるようになる。
【0024】
前記ポリエチレン樹脂はゲル浸透クロマトグラフィーグラフの総積分面積に対して高分子量領域の積分面積が9.5%~13.5%であり得、例えば、9.8%~13.2%であり得、例えば、10.0%~13.0%であり得る。前記高分子量領域はlogM値が6以上であるグラフ部分であって、前記高分子量領域の積分面積が前記範囲内にある場合、前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を使って分離膜製造時に押出機内の加工性が向上して表面が均一な分離膜製品を作ることができ、最終製品である分離膜の剛性が低下しないので優秀な品質の分離膜を得ることができる。
【0025】
前記ポリエチレン樹脂はパウダー形態であり得る。
前記ポリエチレン樹脂は粘度平均分子量が180,000g/mol~700,000g/molである低分子量重合体と粘度平均分子量が1,500,000g/mol~2,500,000g/molである高分子量重合体が一つの粒子で形成されているものであり得る。具体的には、第1反応器で形成された低分子量重合体と第2反応器で重合される高分子量重合体が一つの粒子を形成するように、第1反応器で重合された重合体粒子が第2反応器に移送されて連続重合される。この場合、各反応器では目標とする分子量を得るために分子量調節剤として水素が注入され得る。
【0026】
前記低分子量重合体の粘度平均分子量は180,000g/mol~700,000g/molであり得、例えば、200,000g/mol~680,000g/molであり得る。前記低分子量重合体の粘度平均分子量が前記範囲内にある場合、前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を使って分離膜製造時に押出機内の加工負荷が増加しないため加工性が向上して表面が均一な分離膜製品を作ることができ、最終製品である分離膜の剛性が低下しなくなる。
【0027】
前記高分子量重合体の粘度平均分子量は1,500,000g/mol~2,500,000g/molであり得る。前記高分子量重合体の粘度平均分子量が前記範囲内にある場合、前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を使って分離膜製造時に押出機内の加工性が向上して表面が均一な分離膜製品を作ることができ、最終製品である分離膜の剛性が低下しなくなる。
【0028】
前記ポリエチレン樹脂は粘度平均分子量が200,000g/mol~2,500,000g/molであり得、例えば、400,000g/mol~1,000,000g/molであり得、例えば、400,000g/mol~800,000g/molであり得る。前記ポリエチレン樹脂の粘度平均分子量が前記範囲内にある場合、押出機内の加工性が向上して最終製品である分離膜内にゲル形成が減少することによって表面が均一な分離膜製品を確保することができ、分離膜の機械的強度が低下しなくなる。
【0029】
前記ポリエチレン樹脂は溶融温度が130℃~138℃であり得、例えば、133℃~136℃であり得る。前記溶融温度は示差走査熱量計(differential scaning calorimeter、DSC)で測定され得る。前記ポリエチレン樹脂の溶融温度が前記範囲内にある場合、押出加工性が向上し、最終成形された分離膜の機械的強度が低下しなくなる。
【0030】
前記ポリエチレン樹脂は平均粒子径が110μm~140μmであり得る。具体的には、前記ポリエチレン樹脂パウダーは平均粒子径が110μm~140μmであり得、例えば、110μm~130μmであり得る。前記平均粒子径が前記範囲内にある場合、押出機ホッパーでの流れ性が低下せず、嵩密度の低下による生産性低下と押出不良が発生しなくなる。
【0031】
前記ポリエチレン樹脂は粒子径分布(SPAN)が1.0以下であり得る。具体的には、前記ポリエチレン樹脂パウダーは粒子径分布が1.0以下であり得、この場合、押出機内で溶融特性が均一となるため未溶融ゲル形成が減少し、ホッパーでの流れ性も良好となり得る。
【0032】
前記ポリエチレン樹脂の分子量分布(molecular weight distribution、MWD)値が4~6であり得る。分子量分布(MWD)はMw/Mnで定義(ここで、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量に該当する)される。
【0033】
他の一具現例は、エチレン、触媒および有機溶媒を第1反応器に注入する段階;前記第1反応器に水素を注入する段階;前記第1反応器で重合されて生成されたスラリーを第2反応器に注入する段階;前記第2反応器にエチレンおよび有機溶媒を追加で注入する段階;前記第2反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比(ratio)が0.01~0.30となるように前記第2反応器に水素を注入する段階を含む二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法を提供する。
【0034】
前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法は、エチレン、触媒および有機溶媒を第1反応器に注入する段階および前記第1反応器で重合されて生成されたスラリーを第2反応器に注入する段階を含むことができる。具体的には、第1反応器と第2反応器が直列で連結された反応器で、第1反応器にエチレン、触媒および有機溶媒が注入される。前記第1反応器で重合過程を経て生成されたスラリーは、前記第1反応器で重合される重合体と前記第2反応器で重合される重合体が一つの粒子を形成するようにするために、移送配管を通じて前記第2反応器に注入される。そして前記第2反応器では、さらに他の配管を通じてエチレンと有機溶媒が追加で注入されて重合過程をもう一度経る連続的な重合が起きることになる。
【0035】
前記第1反応器では、触媒としてポリエチレン重合用触媒と共触媒である有機金属化合物を使ってポリエチレン重合反応を遂行できる。前記ポリエチレン重合用触媒は固体錯体チタン触媒であり得、例えば、マグネシウム担持チタン触媒であり得る。
【0036】
前記共触媒である有機金属化合物はMRnの一般式で表記されるものであり得る。前記Mは、例えば、マグネシウムおよびカルシウムなどを含む周期律表第II族金属、ボロン、アルミニウムおよびガリウムなどを含む周期律表第IIIA族金属またはジンク(亜鉛)であり得る。前記Rは炭素数1個~20個のアルキル基を表し、前記nは金属成分の原子価を表示する。
【0037】
前記有機金属化合物は、例えば、炭素数1個~6個のアルキル基を一つ以上有する有機金属化合物であり得、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどを含むトリアルキルアルミニウムであり得、これらは単独または混合して使われ得る。
【0038】
また、前記有機金属化合物は炭素数1個~6個のアルキル基を1つ以上有し、1個以上のハロゲンまたはハイドライド基をさらに含む有機アルミニウム化合物であり得、例えば、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドまたはこれらの組み合わせであり得る。例えば、前記有機金属化合物はトリエチルアルミニウムであり得る。
【0039】
前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法は、前記各反応器で目標とする分子量を得るために第1反応器および第2反応器それぞれに分子量調節剤として水素を注入する段階を含むことができる。
【0040】
前記第2反応器に水素を注入する場合、前記第2反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比(ratio)が0.01~0.30となるように水素を注入することができ、例えば、0.01~0.25となるように水素を注入することができる。前記第2反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比が前記範囲内にある場合、粘度平均分子量が1,500,000g/mol~2,500,000g/molである高分子量重合体が第2反応器で形成され得るようになる。
【0041】
前記第1反応器に水素を注入する場合、前記第1反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比(ratio)が0.02~0.35となるように水素を注入することができ、例えば、0.02~0.30となるように水素を注入することができる。前記第1反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比が前記範囲内にある場合、粘度平均分子量が180,000g/mol~700,000g/molである低分子量重合体が第1反応器で形成され得るようになる。
【0042】
前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法は、前記第2反応器で重合されて生成されたスラリーを脱ガス工程に移送する段階;および前記脱ガス工程に移送されたスラリーを乾燥してパウダー形態のポリエチレン樹脂を収得する段階をさらに経ることになる。すなわち、以後第2反応器で最終生成ポリエチレン樹脂の排出のために、配管を通じて脱ガス工程に第2反応器で重合されて生成されたスラリーが移送される。前記脱ガス工程以後、分離工程では有機溶媒とポリエチレン樹脂に分離されて最終的に乾燥工程を経て超高分子量ポリエチレン樹脂が生産され、例えば、パウダー形態の超高分子量ポリエチレン樹脂が生産される。
【0043】
前記二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の製造方法において、第1反応器および第2反応器での重合反応は有機溶媒の存在下で液状スラリー重合方法でなされ得る。これら重合方法は、酸素、水、そして触媒毒として作用し得るその他の化合物の不在下で遂行され得る。
【0044】
前記有機溶媒はペンタン、ヘキサン、ヘプタン、n-オクタン、イソオクタンまたはこれらの組み合わせを含むアルカン;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンまたはこれらの組み合わせを含むシクロアルカン;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルトルエン、n-プロピルベンゼン、ジエチルベンゼンまたはこれらの組み合わせを含むアルキルアロマティック;クロロベンゼン、クロロナフタレン、オルトジクロロベンゼンまたはこれらの組み合わせを含むハロゲン化アロマティック;またはこれらの組み合わせであり得る。例えば、前記有機溶媒は炭素数4個~6個の炭化水素溶媒であり得、例えば、ヘキサンであり得る。
【0045】
さらに他の一具現例は、前記ポリエチレン樹脂を含む二次電池用分離膜を提供する。
さらに他の一具現例は、正極;負極;および前記正極および負極の間に位置し、前記二次電池用分離膜を含む二次電池を提供する。前記二次電池の構造、材料および製造方法はこの分野で広く知られているため、その説明は省略する。
【0046】
以下では、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、下記に記載された実施例は本発明を具体的に例示または説明するためのものに過ぎず、これにより本発明が制限されてはならない。また、ここに記載されていない内容は、この技術分野で熟練した者であれば十分に技術的に類推できるものであるので、その説明を省略する。
【0047】
(ポリエチレン樹脂の製造)
実施例1
第1段階
機械式撹拌機が設置された1L反応器を窒素雰囲気に置換させた後、塩化マグネシウム(MgCl2)25g、トルエン300ml、ノルマルブタノール100mlを投入して撹拌しながら、温度を1時間の間65℃に昇温させた後、2時間の間維持して均一なマグネシウムハライド化合物溶液を得た。
【0048】
第2段階
前記製造されたマグネシウムハライド化合物溶液の温度を40℃に冷却した後、四塩化チタン(TiCl4)70mlを1時間の間ゆっくり注入した。注入が完了した後、350rpmで撹拌しながら反応器の温度を1時間の間60℃に昇温し、追加的に1時間の間熟成させた。すべての過程が完了した時に反応器を停止させて固体成分を完全に沈めて上清液を除去した後、反応器内の固体成分である触媒前駆体を200mlのヘキサンを使って洗浄した。
【0049】
前記製造された触媒前駆体にヘキサン200ml、四塩化チタン(TiCl4)60mlおよびエチルベンゾエート8mlを注入した後、350rpmで撹拌しながら反応器の温度を1時間かけて70℃に昇温した後、2時間の間熟成させた。すべての過程が完了した時、反応器を停止させて固体成分を完全に沈めた後に上清液を除去した。製造された固体成分であるポリエチレン重合用触媒(A)をヘキサン200mlで6回洗浄した。
【0050】
第3段階
内部温度調節装置、圧力調節装置および撹拌機を備えた150リットルの連続撹拌タンク反応器(continuous stirred tank reactor、CSTR)2個(第1反応器および第2反応器)を直列連結して連続重合した。エチレン2.5kg/hr、ヘキサン22.5kg/hrと前記製造されたポリエチレン重合用触媒(A)を0.1g/hr~0.2g/hr範囲内で、活性によって連続的に第1反応器に注入して180rpmで撹拌させた。ヘキサン注入量は反応滞留時間が2時間となるように注入量を調節した。分子量調節のための水素は、高負荷溶融指数(high load melt index、HLMI)を測定して注入量を調節して注入した。また共触媒として11重量%のヘキサンに溶解したトリエチルアルミニウム(triethylaluminum)を使った。第1反応器内の反応物は70リットルとなるように排出量および液位を制御した。連続で排出されるヘキサンスラリーは直列連結された第2反応器に移送され、第2反応器にも同一の反応体積および滞留時間を維持するように液位制御を実施し、エチレンは1.5kg/hrで注入して重合を継続して進めた。反応温度は第1反応器は80℃を、第2反応器は78℃を維持し、反応圧力はそれぞれ3.8kgf/cm2と3.0kgf/cm2を維持した。そして第1反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比(ratio)が0.28となるように水素を第1反応器に注入し、第2反応器に注入されるエチレンの注入速度対比水素の注入速度の比が0.014となるように水素を第2反応器に注入した。各反応器のスラリーの混合比率は、第1反応器が53、第2反応器が47となるように維持した。前記液位制御によって連続排出されたスラリー溶液は脱ガス化工程と分離工程を経てウェットケーキ(wet cake)形態の超高分子量ポリエチレンパウダーが生産された。以後、連続式乾燥工程を経て超高分子量ポリエチレン樹脂を粒子であるパウダー形態で生産した。
【0051】
実施例2
実施例1の第3段階で第1反応器および第2反応器に水素の注入速度比をそれぞれ0.025および0.22とし、第1反応器および第2反応器のスラリーの混合比率をそれぞれ47および53として重合反応が遂行されたことを除いては、実施例1と同一の方法でポリエチレン樹脂を製造した。
【0052】
比較例1
実施例1の第3段階で内部温度調節装置、圧力調節装置および撹拌機を備えた150リットルのCSTR反応器1個を使用し、重合温度は80℃、重合圧力は4.7kgf/cm2および水素の注入速度の比を0.103として重合反応が遂行されたことを除いては、実施例1と同一の方法でポリエチレン樹脂を製造した。
【0053】
比較例2
実施例1の第3段階で第1反応器および第2反応器に水素の注入速度比をそれぞれ0.36および0.006として重合反応が遂行されたことを除いては、実施例1と同一の方法でポリエチレン樹脂を製造した。
【0054】
比較例3
実施例1の第3段階で第1反応器および第2反応器に水素の注入速度比をそれぞれ0.22および0.004とし、第1反応器および第2反応器のスラリーの混合比率をそれぞれ59および41として重合反応が遂行されたことを除いては、実施例1と同一の方法でポリエチレン樹脂を製造した。
【0055】
評価:ポリエチレン樹脂の物性測定
前記実施例1および2と比較例1~3で製造されたポリエチレン樹脂に対して下記の物性を測定し、その結果を下記の表1に示した。
【0056】
反応圧力(Pressure)(kgf/cm
2
)
反応器に設置された圧力ゲージ(gauge)で測定した。
高負荷溶融指数(high load melt index、HLMI)(g/10分)
ASTM D1238に沿って190℃で21.6kg荷重で測定した。
【0057】
粘度平均分子量(g/mol)
粘度平均分子量をASTM D4020により固有粘性度[η]から計算した。高分子の場合、希薄濃度の溶液上で粘度が有用な情報を提供することができ、高分子の粘度を溶液の粘度と濃度で割った値を比粘度(specific viscosity)といい、高分子の濃度が0になるときに比粘度の外挿値を固有粘度(intrinsic viscosity、IV)と定義する。直鎖状の高分子は固有粘度値が高分子の大きさに主に影響を受けるため分子量と高い相関性を有し、超高分子量ポリエチレンの場合には マーゴリーズの方程式(Margolies-equation)が広く使われている。
【0058】
粘度平均分子量=5.37×104×[η]1.49
[η]=固有粘度(intrinsic viscosity)(dl/g)
溶融温度(Tm)(℃)
示差走査熱量計(differential scanning calorimetry、DSC)法によって測定した。200℃まで昇温して10分間等温状態を維持後、毎分10℃の速度で30℃まで温度を下げる過程を通じて熱履歴を除去した後、200℃まで毎分10℃の昇温速度で温度を上げて溶融温度(Tm)を測定した。
【0059】
平均粒子径および分布(SPAN)
重合体の平均粒子径は高分子粒子分析器(MALVERN MASTER SIZE X PARTICLE ANALYSER)を使ってISO 13320-2に沿って測定した。平均粒子径はD(v、0.5)で、粒子径分布(span)は(D(v、0.9)-D(v、0.1))/D(v、0.5)で示した。ここで、D(v、0.5)は50%のサンプルが表す粒子径を示し、D(v、0.9)とD(v、0.1)はそれぞれ90%と10%のサンプルが表す粒子径を表示する。分布の数字が小さいほど分布が狭いことを意味する。
【0060】
嵩密度(bulk density)(g/cc)
ASTM D1895-96に沿って測定した。
溶融時間(s)
50mlバイアル(vial)にパウダー3g、オイル7gおよびマグネチックバー(magnetic bar)を入れ、180℃および1800rpmで設定されたマグネチック撹拌機を利用して時間にともなう溶融状態を確認して完全に溶融した時間を測定した。
【0061】
分子量分布(molecular weight distribution、MWD)および低/高分子領域の積分面積(%)
分子量分布(MWD)はゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)分析を通じて出た測定データのうちMw/Mn(ここで、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量に該当する)で定義し、前記GPC分析データに基づいて全体グラフの積分面積で低分子量領域と高分子量領域の積分面積が占める比率を計算して低/高分子領域範囲を計算した(
図1参照)。GPC分析に使われた装備はエジレント社(Agilent社)のPS-GPC220である。使用溶媒は1,2,4-TCB(1,2,4-trichlorobenzen)であり、測定温度を160℃として測定した。
【0062】
押出温度(℃)および圧力(bar)
エスエムプラテック社(SM platek社)のTEK-30二軸(twin screw)押出機を使って押出機に付いている温度および圧力ゲージ表示値を記録した。
【0063】
シート(sheet)外観等級
エスエムプラテック社(SM platek社)のTEK-30二軸(twin screw)押出機を使ってTダイ(T-die)を通じて押出されたシートの表面を肉眼で観測して等級を定めた。
【0064】
等級:0~10、0:非常に良い、10:非常に悪い
3等級以上は製品不良であって使用不可に該当する。
突き刺し強度(pin puncture)(g)
日本カトーテック(Kato Tech)のKES-G5機器を利用して、ASTM D-4833に基づいて末端部直径1mmのチップ(tip)を利用して10mm/secの速度で突き刺し強度を測定した。
【0065】
【0066】
前記表1を見ると、実施例1および2の場合、比較例1~3より低い外観等級を示しているところ、実施例1および2のポリエチレン樹脂で製造した分離膜シートの場合、比較例1~3のポリエチレン樹脂で製造した分離膜シートよりはるかに改善された外観を示していることが分かる。すなわち、比較例1~3のポリエチレン樹脂で製造した分離膜シートの場合、3以上のシート外観等級を示しているので製品不良で使用が不可能であるが、実施例1および2のポリエチレン樹脂で製造した分離膜シートの場合、3未満のシート外観等級を示しているところ、分離膜として使うのに問題がないことが分かる。
【0067】
図1を参照すると、これは実施例1および2のポリエチレン樹脂の場合、ゲル浸透クロマトグラフィーグラフの総積分面積に対して低分子領域の積分面積および高分子領域の積分面積が占める比率を含んだ一具現例に係る二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂の物性範囲を満足することによって、押出機内でポリエチレン樹脂の溶融速度が増加することに起因する。すなわち、押出加工時にパウダー形態のポリエチレン樹脂がオイルに溶融する時間が減少し、速やかで均一に溶融してシート内にゲルの形成が減少することに起因する。
【0068】
したがって、一具現例に係る二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を使う場合、低分子量ポリエチレンと高分子量ポリエチレンの含量を最適化することによって押出機内の加工性が向上して表面が均一な分離膜製品を作ることができる。
【0069】
また、分離膜の強度に関連して、実施例1および2の場合は比較例1~3より多少高い突き刺し強度値を示している。すなわち、実施例1および2のポリエチレン樹脂で製造した分離膜の場合、分離膜の剛性乃至機械的強度が比較例1~3のポリエチレン樹脂で製造した分離膜より低下せず、多少高いことが分かる。
【0070】
そして、ポリエチレン樹脂の場合、分子量分布が広くなると加工性は優秀であるものの、剛性は劣勢を示すのが一般的であるが、実施例1および2のポリエチレン樹脂の場合、最適な低分子領域および高分子領域の積分面積の比率を有することによって分子量分布が広くなったが、最適な低/高分子含量を維持することによって最終製品である分離膜の剛性の低下を予防していることが分かる。
【0071】
したがって、一具現例に係る二次電池分離膜用ポリエチレン樹脂を使う場合、低分子量ポリエチレンと高分子量ポリエチレンの含量を最適化することによって、押出機内の加工性が向上して表面が均一な分離膜製品を作ることができ、また最終製品である分離膜の剛性を維持することができる。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これもまた本発明の範囲に属することは言うまでもない。