(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077595
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】浄水装置
(51)【国際特許分類】
E03C 1/10 20060101AFI20240531BHJP
E03C 1/042 20060101ALI20240531BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20240531BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20240531BHJP
F03B 17/06 20060101ALI20240531BHJP
F03B 7/00 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
E03C1/10
E03C1/042 Z
C02F1/28 R
C02F1/44 B
F03B17/06
F03B7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023182574
(22)【出願日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】P 2022189583
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592243553
【氏名又は名称】株式会社タカギ
(74)【代理人】
【識別番号】100120938
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 教郎
(72)【発明者】
【氏名】芳川 敏康
【テーマコード(参考)】
2D060
3H072
3H074
4D006
4D624
【Fターム(参考)】
2D060BA03
2D060BA05
2D060BB01
2D060BC01
2D060BC11
2D060BC30
2D060BF03
2D060CB10
2D060CD09
3H072AA06
3H072BB08
3H072CC71
3H072CC73
3H074AA12
3H074BB10
3H074CC16
3H074CC43
4D006GA03
4D006GA06
4D006GA07
4D006HA01
4D006HA91
4D006KA01
4D006KB12
4D006KE02P
4D006MA01
4D006PA01
4D006PB06
4D006PC52
4D624AA02
4D624BA02
4D624BB05
4D624CA13
4D624CB14
4D624CB18
4D624CB24
4D624CB34
4D624CB42
4D624CB52
4D624DA04
4D624DB05
(57)【要約】
【課題】利便性に優れた浄水装置の提供。
【解決手段】浄水装置100は、原水流路GWと、浄水流路JWと、浄水を生成する浄水機能部140と、原水及び浄水を吐出する吐水口128と、原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替部122と、切替部122を操作する操作部120と、水流によって発電する発電部132と、発電部132によって発電された電力を消費して人体が感知しうる現象を生じさせる報知部130と、を備えている。発電部132が、水流を受けて回転する水車150と、水車150の回転を電力に変換する起電部152とを有している。浄水流路JWが、浄水のみが流れる浄水専用流路JW1を含んでいる。水車150は、浄水専用流路JW1を流れる水のみで回転するように配置されていてもよい。水車150が、浄水吐出時に回転し、原水吐出時に回転しないように構成されていてもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水が流れる原水流路と、
浄水が流れる浄水流路と、
浄水を生成する浄水機能部と、
原水及び浄水を吐出する吐水口と、
原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替部と、
前記切替部を操作する操作部と、
水流によって発電する発電部と、
前記発電部によって発電された電力を消費して人体が感知しうる現象を生じさせる報知部と、
を備えており、
前記発電部が、水流を受けて回転する水車と、前記水車の回転を電力に変換する起電部とを有しており、
前記浄水流路が、浄水のみが流れる浄水専用流路を含んでおり、
前記水車が、前記浄水専用流路を流れる浄水のみで回転するように配置されている浄水装置。
【請求項2】
原水が流れる原水流路と、
浄水が流れる浄水流路と、
浄水を生成する浄水機能部と、
原水及び浄水を吐出する吐水口と、
原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替部と、
前記切替部を操作する操作部と、
水流によって発電する発電部と、
前記発電部によって発電された電力を消費して人体が感知しうる現象を生じさせる報知部と、
を備えており、
前記発電部が、水流を受けて回転する水車と、前記水車の回転を電力に変換する起電部とを有しており、
前記水車が、浄水吐出時に回転し、原水吐出時に回転しない浄水装置。
【請求項3】
蓄電部を有しておらず、
前記報知部が、前記発電部によって発電された電力を直接消費している請求項1又は2に記載の浄水装置。
【請求項4】
前記現象が発光であり、
前記報知部が発光部である請求項1又は2に記載の浄水装置。
【請求項5】
前記吐水口が1箇所のみに設けられており、
原水及び浄水が共通の前記吐水口から吐出される請求項1又は2に記載の浄水装置。
【請求項6】
前記浄水機能部を含み交換可能に構成された浄水カートリッジが設けられている請求項1又は2に記載の浄水装置。
【請求項7】
前記浄水カートリッジが配置されていないときには前記水車の回転を停止させ、前記浄水カートリッジが配置されているときには前記水車の回転を許容する回転制御機構を更に有している請求項6に記載の浄水装置。
【請求項8】
前記浄水カートリッジを収容する導水部と、
前記導水部の端部に取り外し可能に取り付けられており、前記切替部、前記操作部及び前記吐水口を含むヘッド部とを備えており、
前記ヘッド部を前記導水部から取り外すことで、前記浄水カートリッジの交換が可能とされており、
前記発電部の全体及び前記報知部の全体が、前記ヘッド部に設けられている請求項6に記載の浄水装置。
【請求項9】
原水が流れる原水流路と、
浄水が流れる浄水流路と、
浄水を生成する浄水機能部と、
原水及び浄水を吐出する吐水口と、
原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替部と、
前記切替部を操作する操作部と、
水流によって発電する発電部と、
前記発電部によって発電された電力を消費して人体が感知しうる現象を生じさせる報知部と、
を備えており、
前記発電部が、水流を受けて回転する水車と、前記水車の回転を電力に変換する起電部とを有しており、
浄水吐出時には前記水車の回転に起因して前記現象が生じ、原水吐出時には前記現象が生じない浄水装置。
【請求項10】
前記浄水機能部を含み着脱可能に配置された浄水カートリッジが設けられており、
前記浄水カートリッジが、浄水出口を有しており、
前記浄水カートリッジが配置されているときには、前記浄水出口から出た浄水により、前記現象を生じさせる程度に前記水車が回転し、
前記浄水カートリッジが配置されていないときには、前記浄水カートリッジの配置部から流れてきた原水の少なくとも一部が前記水車を通過しない回避流路に流れ、前記現象を生じさせる程度に前記水車が回転しない請求項1、2又は9に記載の浄水装置。
【請求項11】
前記浄水カートリッジが、旋回流を排出する旋回流形成部を有しており、
前記浄水出口が、前記旋回流形成部の出口を構成しており、
前記浄水カートリッジが配置されることで、前記現象を生じさせる程度に前記旋回流が前記水車を回転させる請求項10に記載の浄水装置。
【請求項12】
前記浄水カートリッジが、前記浄水出口よりも下流側に延び前記浄水カートリッジの先端部を構成する先端延在部を有しており、
前記浄水カートリッジが配置されることで、前記先端延在部が、前記原水流路と前記浄水流路とを仕切る仕切壁を構成し、
前記仕切壁により、浄水が前記水車を通過する浄水専用流路が形成されている請求項10に記載の浄水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浄水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機能性を有する水栓関連装置として、水道の水流により発電する照明装置が知られている。特開2005-127232号公報は、水栓の蛇口等に取り付けられる水力発電自己照明補助装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
機能性を有する他の水栓関連装置として、浄水を生成することができる浄水装置が知られている。この浄水装置として、例えば、浄水機能付き水栓、及び、水栓に取り付けられる浄水器が挙げられる。この浄水装置には、浄水吐出と原水吐出との切替機能や、吐水が浄水か原水かを表示する表示機能が設けられうる。
【0005】
より利便性に優れた浄水装置が好ましい。本開示の目的の一つは、利便性に優れた浄水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、浄水装置は、原水が流れる原水流路と、浄水が流れる浄水流路と、浄水を生成する浄水機能部と、原水及び浄水を吐出する吐水口と、原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替部と、前記切替部を操作する操作部と、水流によって発電する発電部と、前記発電部によって発電された電力を消費して人体が感知しうる現象を生じさせる報知部と、を備えている。前記発電部は、水流を受けて回転する水車と、前記水車の回転を電力に変換する起電部とを有している。前記浄水流路は、浄水のみが流れる浄水専用流路を含んでいる。前記水車は、前記浄水専用流路を流れる浄水のみで回転するように配置されている。
【0007】
他の態様では、浄水装置は、原水が流れる原水流路と、浄水が流れる浄水流路と、浄水を生成する浄水機能部と、原水及び浄水を吐出する吐水口と、原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替部と、前記切替部を操作する操作部と、水流によって発電する発電部と、前記発電部によって発電された電力を消費して人体が感知しうる現象を生じさせる報知部と、を備えている。前記発電部は、水流を受けて回転する水車と、前記水車の回転を電力に変換する起電部とを有している。この浄水装置では、前記水車が、浄水吐出時に回転し、原水吐出時に回転しない。
【0008】
更に他の態様では、浄水装置は、原水が流れる原水流路と、浄水が流れる浄水流路と、浄水を生成する浄水機能部と、原水及び浄水を吐出する吐水口と、原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替部と、前記切替部を操作する操作部と、水流によって発電する発電部と、前記発電部によって発電された電力を消費して人体が感知しうる現象を生じさせる報知部と、を備えている。前記発電部は、水流を受けて回転する水車と、前記水車の回転を電力に変換する起電部とを有している。この浄水装置は、浄水吐出時には前記水車の回転に起因して前記現象が生じ、原水吐出時には前記現象が生じない。
【発明の効果】
【0009】
一つの側面では、利便性に優れた浄水装置が提供されうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態の浄水装置の斜視図である。
【
図3】
図3(a)は第1実施形態に係る発電部及び発光部を含む発電ユニットの側面図であり、
図3(b)は
図3(a)のb-b線に沿った断面図であり、
図3(c)は
図3(b)のc-c線に沿った断面図であり、
図3(d)は
図3(b)のd-d線に沿った断面図であり、
図3(e)は前記発電ユニットの底面図であり、
図3(f)は前記発電ユニットの斜視図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態の浄水装置の斜視図である。
【
図6】
図6(a)は第2実施形態に係る発電部の側面図であり、
図6(b)は
図6(a)のb-b線に沿った断面図であり、
図6(c)は
図6(b)のc-c線に沿った断面図であり、
図6(d)は
図6(b)のd-d線に沿った断面図であり、
図6(e)は前記発電部の底面図であり、
図6(f)は前記発電部の斜視図である。
【
図7】
図7(a)は回転制御機構の一例を示す概略図であり、
図7(b)は回転制御機構の他の例を示す概略図であり、
図7(c)は回転制御機構の他の例を示す概略図である。
【
図8】
図8(a)は回転制御機構の他の例を示す概略図であり、
図8(b)は回転制御機構の他の例を示す概略図であり、
図8(c)は回転制御機構の他の例を示す概略図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態の浄水装置における浄水器部の正面図である。
【
図10】
図10(a)及び
図10(b)は
図9のA-A線に沿った断面図であり、
図10(a)は浄水カートリッジが配置されている状態を示しており、
図10(b)は浄水カートリッジが配置されていない状態を示している。
【
図11】
図11(a)は
図10(a)のa-a線に沿った断面図の部分拡大図であり、
図11(b)は
図10(b)のb-b線に沿った断面図の部分拡大図である。
【
図12】
図12(a)は第3実施形態に係る発電部の側面図であり、
図12(b)は
図12(a)のb-b線に沿った断面図であり、
図12(c)はこの発電部の底面図であり、
図12(d)はこの発電部の平面図である。
【
図13】
図13(a)は第3実施形態に係る浄水カートリッジの斜視図であり、
図13(b)はその側面図であり、
図13(c)はその平面図であり、
図13(d)は
図13(c)のd-d線に沿った断面図であり、
図13(e)は
図13(d)の部分拡大図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係る浄水器部の分解斜視図である。
【
図15】
図15(a)は
図11(a)と同じ断面図であって水の流れが矢印で付記された図であり、
図15(b)は
図11(b)と同じ断面図であって水の流れが矢印で付記された図である。
【
図16】
図16(a)及び
図16(b)は第4実施形態に係る浄水器部の断面図であり、
図16(a)は浄水カートリッジが配置されている状態を示しており、
図16(b)は浄水カートリッジが配置されていない状態を示している。
【
図17】
図17(a)は
図16(a)のa-a線に沿った断面図の部分拡大図であり、
図17(b)は
図16(b)のb-b線に沿った断面図の部分拡大図である。
【
図18】
図18(a)は第4実施形態に係る発電部の側面図であり、
図18(b)は
図18(a)のb-b線に沿った断面図であり、
図18(c)はこの発電部の底面図であり、
図18(d)はこの発電部の平面図である。
【
図19】
図19(a)は第4実施形態に係る浄水カートリッジの斜視図であり、
図19(b)はその側面図であり、
図19(c)は
図19(b)のc-c線に沿った断面図であり、
図19(d)は
図19(c)の部分拡大図である。
【
図20】
図20は、第4実施形態に係る浄水器部の分解斜視図である。
【
図21】
図21(a)は
図17(a)と同じ断面図であって水の流れが矢印で付記された図であり、
図21(b)は
図17(b)と同じ断面図であって水の流れが矢印で付記された図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面が参照されつつ、実施形態が詳細に説明される。
【0012】
図1は、第1実施形態の浄水装置100を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態の浄水装置100における要部の拡大断面図である。
図2のほぼ全体が、浄水器部106である。浄水装置100は、浄水機能付き水栓装置である。浄水装置100は、浄水機能付き湯水混合栓である。浄水装置100は、例えば、キッチン、洗面台等で使用される。
【0013】
浄水装置100は、本体102、レバーハンドル104、浄水器部106、湯導入管108、水導入管110及び吐出管112を有する。本体102は、レバーハンドル104の操作により吐出量及び湯水混合割合を調整しうる調整弁部(図示されず)を有している。
【0014】
レバーハンドル104の前後回動(上下回動)により、吐出量が調整される。レバーハンドル104の左右回動により、湯と水との混合割合が変化する。レバーハンドル104の左右回動により、吐水の温度調整が可能である。
【0015】
浄水器部106は、導水部114と、導水部114の端部に取り付けられたヘッド部116とを有する。導水部114は、その内部に、浄水カートリッジPC1を収容する空間を形成している。導水部114の内部に、浄水カートリッジPC1が配置されている。ヘッド部116は、浄水器部106の先端部を構成している。ヘッド部116は、導水部114に対して、着脱可能である。浄水カートリッジPC1を交換する際には、ヘッド部116が導水部114から取り外される。
【0016】
ヘッド部116は、操作部120と、切替部122とを有する。切替部122は、ヘッド部116に内蔵されている。切替部122は、原水吐出と浄水吐出とを切り替える。操作部120及び切替部122は、切替弁を含む切替機構を構成している。この切替機構は、オルタネイト動作方式のスラストロック機構を有している。切替部122は、操作部120により操作される。操作部120は、押しボタンである。切替部122と連動して、操作部120はオルタネイト動作を行う。操作部120を押す毎に、原水吐出と浄水吐出との切替がなされる。突出位置にある操作部120を押圧すると、操作部120は、押し込み位置を経由して、退行位置となる。退行位置にある操作部120を押圧すると、操作部120は、押し込み位置を経由して、突出位置となる。本実施形態では、操作部120が突出位置にあるとき原水が吐出され、操作部120が退行位置にあるとき浄水が吐出される。よって本実施形態では、突出位置が原水吐出位置であり、退行位置が浄水吐出位置である。退行位置とは突出位置よりも突出量が少ない位置であり、押し込み位置とは退行位置よりも突出量が少ない位置である。後述する通り、操作部120において、原水吐出位置と浄水吐出位置とが同じであってもよい。なお、操作部120は押しボタン式に限られず、回転式、レバー式等が採用されうる。
【0017】
切替弁は図示されていないが、浄水流路JWと原水流路GWとを仕切る壁部123を挟んで、一方側に原水流路GWを閉じる弁が設けられ、他方側に浄水流路JWを閉じる弁が設けられている。切替部122により、これらの弁の一方が閉じられ且つ他方が開くように構成されている。
【0018】
ヘッド部116は、表示部124を有する。表示部124は、吐水が原水か浄水かを区別しうる表示を行う。この表示として、文字、記号、色などが例示される。操作部120の操作と連動して、表示部124の表示が切り替わる。
【0019】
ヘッド部116は、水形切替部126を有する。水形切替部126を操作することで、吐水の水形が切り替わる。本実施形態では、水形切替部126はレバーである。水形切替部126を操作することで、シャワー水形とストレート水形との切替が可能である。
【0020】
ヘッド部116は、吐水口128を有する。吐水口128から、原水及び浄水が外部に吐出される。吐水口128は、1箇所である。原水及び浄水が、共通の吐水口128から吐出される。原水のみを吐出する原水吐出口と浄水のみを吐出する浄水吐出口とがそれぞれ別個に設けられてもよい。
【0021】
ヘッド部116は、報知部130と、発電部132とを有する。発電部132は、ヘッド部116に内蔵されている。発電部132は、浄水装置100(ヘッド部116)を流れる水流によって発電する。報知部130は、発電部132によって発電された電力を消費して、人体(浄水装置100の使用者)が感知しうる現象を生じさせる。この現象は、人体がその感覚機能により感知しうるものである限り、限定されない。この感覚機能として、視覚、聴覚及び触覚が例示される。人体が感知しうる現象として、発光、音、振動及びこれらの2以上の組み合わせが例示される。視覚により感知されうる現象として、発光の他、例えば、視認されうる物が動くことが挙げられる。この動きとして、例えば回転が挙げられる。例えば、風車のような物が回転してもよい。本実施形態では、発光が採用されている。本実施形態では、報知部130は発光部である。報知部130としての発光部は、外部に露出している。本実施形態では、発電部132に報知部(発光部)130が直接接続されている。この場合、発電部132と報知部(発光部)130との間の配線が不要とされうる。
【0022】
浄水装置100は、蓄電部を有していない。ヘッド部116は、蓄電部を有してない。蓄電部とは、電気を貯める機能を有するものであり、二次電池が例示される。報知部(発光部)130は、発電部132によって発電された電力を直接消費している。発電部132が発電しているときのみ、報知部130による現象が生ずる。発電部132が発電しているときのみ、発光部130が発光する。発電部132による発電と、報知部(発光部)130の発現(発光)とは、常に同時である。なお、浄水装置100は、蓄電部を有していてもよい。
【0023】
浄水装置100は、電池を有していない。浄水装置100は、一次電池を有していない。浄水装置100は、外部電源を取り込むための電線(電源コード)を有さない。すなわち、浄水装置100には、外部電源は供給されない。報知部(発光部)130は、発電部132によって発電された電力のみを消費して、人体が感知しうる現象を生じさせる。報知部(発光部)130を発現させる電力の全てが、自己発電(発電部132による発電)により賄われている。報知部(発光部)130が消費する電力の全て(100%)は、発電部132によって発電された電力である。なお、例えば後述の理由で、報知部(発光部)130が消費する電力の一部は、発電部132によって発電された電力以外の電力であってもよい。この補助的な電力は、例えば、一次電池又は外部電源から供給されうる。浄水装置100は、一次電池を有していてもよい。浄水装置100に外部電源が供給されてもよい。
【0024】
図2が示すように、浄水カートリッジPC1は、浄水機能部140と、接続端部142とを有する。接続端部142は、浄水カートリッジPC1の先端部(下流側の端部)を構成する。接続端部142は、浄水機能部140の下流側に位置する。浄水機能部140は、ろ材部144を有する。ろ材部144は、活性炭部144aと、中空糸部144bとを有する。活性炭部144aの外面には、不織布の層が形成されている。活性炭部144aの内側には、空洞が形成されている。導水部114の内面と浄水機能部140の外面との間には、隙間が形成されている。
【0025】
浄水装置100(浄水器部106)は、原水流路GWと浄水流路JWとを有する。導水部114の内面と浄水機能部140の外面との間の隙間は、原水流路GWを構成している。原水流路GWは、吐水口128まで延在している。活性炭部144aの内側の空洞は、浄水流路JWを構成している。活性炭部144aの内側の流路から流出した浄水は、中空糸部144bを透過して更に浄化され、接続端部142から浄水カートリッジPC1の外側に流出する。浄水流路JWも、吐水口128まで延在している。切替部122の切替弁までは、原水流路GWは原水のみが流れる原水専用流路GW1であり、浄水流路JWは浄水のみが流れる浄水専用流路JW1である。切替弁よりも下流側(切替弁から吐水口128まで)には、原水流路GWであり且つ浄水流路JWでもある原浄水流路GJが形成されている。
【0026】
図3(a)は、発電部132及びそれに固定された発光部130を含む発電ユニットの側面図であり、
図3(b)は
図3(a)のb-b線に沿った断面図であり、
図3(c)は
図3(b)のc-c線に沿った断面図であり、
図3(d)は
図3(b)のd-d線に沿った断面図であり、
図3(e)は発電ユニットの底面図であり、
図3(f)は発電ユニットの斜視図である。
【0027】
発電部132は、水流を受けて回転する水車150と、水車150の回転を電力に変換する起電部152とを有している。水車150は、中心部150aと、中心部150aから延びる複数の羽根150bとを有する。複数の羽根150bは、水車150の周方向において等間隔で分配されている。羽根150bは円弧形状に曲がって延びている。起電部152は、マグネット152aと、コイル152bとを有する。マグネット152aは円筒形であり、その周方向においてN極とS極とが交互に配置されている。コイル152bは、エナメル線が巻回されることで形成されている。マグネット152aと水車150の中心部150aとは、回転軸154で連結されている。水車150とマグネット152aとは、一体で回転する。起電部152は、電磁誘導を利用して電気を起こす。マグネット152aとコイル152bとの相対回転により、発電がなされる。
【0028】
回転軸154は、ブッシュ156で回転可能に支持されている。回転軸154とブッシュ156との間には(僅かな)隙間が設けられており、回転軸154の回転時の摺動抵抗が抑制されている。回転軸154の端面は、ボール158で支持されている。ボール158により接触面積が小さくされており、回転軸154の回転時の摺動抵抗が抑制されている。なお、回転軸154を回転可能に支持する軸支持部156として、ブッシュの他、ベアリングが採用されうる。小型化及び耐腐食性の観点から、ブッシュが好ましい。
【0029】
水車150とマグネット152aとの間に、隔壁159が設けられている。回転軸154は、隔壁159を貫通している。この貫通部分にも、(僅かな)隙間が設けられている。この隙間により、回転軸154の回転時の摺動抵抗が抑制されている。
【0030】
発電部132を含む発電ユニットは、旋回流形成部160を有する。旋回流形成部160は、水車150に隣接している。旋回流形成部160は、水車150の上流側に設けられている。旋回流形成部160は、軸方向に対して傾斜した複数の翼部160aを有している。この軸方向は、回転軸154の中心線の方向と一致している。旋回流形成部160は固定されており、回転しない。軸方向に沿って流れ込んだ水が旋回流形成部160を通過することで、旋回流が形成される。この旋回流が水車150に流入し、水車150を回転させる。
図3(c)には、水の流れが破線矢印で示されている。旋回流形成部160は、発電部132に水流を取り入れる水流入口162を構成している。
【0031】
図2が示すように、発電部132の水流入口162は、浄水流路JWに面している。水流入口162は、浄水専用流路JW1のみに面している。水車150は、浄水専用流路JW1を流れる浄水のみで回転する。発電部132は、浄水専用流路JW1を流れる浄水のみで発電する。水車150が配置されている浄水専用流路JW1は、全ての浄水が合流した流路である。水車150は、浄水カートリッジPC1よりも下流側に位置する。水車150は、浄水吐出時に回転する。水車150は、浄水吐出時にのみ回転する。発電部132は、浄水吐出時にのみ発電する。発光部130は、浄水吐出時にのみ発光する。水車150は、原水吐出時に回転しない。発電部132は、原水吐出時に発電しない。発光部130は、原水吐出時に発光しない。
【0032】
切替部122及び操作部120の状態は、発電の有無と連動する。切替部122が浄水吐出状態にあるとき、水車150は回転する。切替部122が浄水吐出状態にあるとき、発電部132は発電する。操作部120が浄水吐出位置にあるとき、水車150は回転する。操作部120が浄水吐出位置にあるとき、発電部132は発電する。切替部122が原水吐出状態にあるとき、水車150は回転しない。切替部122が原水吐出状態にあるとき、発電部132は発電しない。操作部120が原水吐出位置にあるとき、水車150は回転しない。操作部120が原水吐出位置にあるとき、発電部132は発電しない。
【0033】
浄水装置100では、発電部132の全体が、ヘッド部116に設けられている。また、報知部(発光部)130の全体が、ヘッド部116に設けられている。浄水装置100では、ヘッド部116と導水部114との間を電気的に接続する必要がない。
【0034】
図4は、第2実施形態の浄水装置200を示す斜視図である。
図5は、第2実施形態の浄水装置200における要部の拡大断面図である。
図5のほぼ全体が、浄水器部206である。浄水装置200は、浄水機能付き水栓装置である。浄水装置200は、浄水機能付き湯水混合栓である。浄水装置200は、例えば、キッチン、洗面台等で使用される。
【0035】
浄水装置200は、本体202、レバーハンドル204、浄水器部206、湯導入管208、水導入管210及び吐出管212を有する。本体202は、レバーハンドル204の操作により吐出量及び湯水混合割合を調整しうる調整弁部を内蔵している。
【0036】
浄水器部206は、導水部214と、導水部214の端部に取り付けられたヘッド部216とを有する。導水部214の内部に、浄水カートリッジPC1が配置されている。ヘッド部216は、導水部214に対して、着脱可能である。
【0037】
ヘッド部216は、操作部220と、切替部222とを有する。切替部222は、原水吐出と浄水吐出とを切り替える。切替部222は、切替弁を含む切替機構を構成している。この切替機構は、オルタネイト動作方式のスラストロック機構を有している。切替部222は、操作部220により操作される。操作部220は、押しボタンである。切替機構と連動して、操作部220はオルタネイト動作を行う。操作部220を押す毎に、原水吐出と浄水吐出との切替がなされる。
【0038】
ヘッド部216は、第1実施形態における表示部124に相当する部分を有さない。
【0039】
ヘッド部216は、水形切替部226を有する。水形切替部226を操作することで、吐水の水形が切り替わる。水形切替部226を操作することで、シャワー水形とストレート水形との切替が可能である。
【0040】
ヘッド部216は、吐水口228を有する。吐水口228から、原水及び浄水が外部に吐出される。吐水口228は、1箇所である。原水及び浄水が、共通の吐水口228から吐出される。
【0041】
ヘッド部216は、報知部230と、発電部232とを有する。発電部232は、ヘッド部216に内蔵されている。発電部232は、浄水装置200(ヘッド部216)を流れる水流によって発電する。報知部230は、発電部232によって発電された電力を消費して、人体(浄水装置200の使用者)が感知しうる現象を生じさせる。この現象は、人体がその感覚機能により感知しうるものである限り、限定されない。この現象として、本実施形態では発光が採用されている。本実施形態では、報知部230は発光部である。報知部230としての発光部は、外部に露出している。
【0042】
浄水装置200は、蓄電部を有していない。ヘッド部216は、蓄電部を有してない。報知部(発光部)230は、発電部232によって発電された電力を、蓄電部を介することなく消費している。報知部(発光部)230は、発電部232によって発電された電力を直接消費している。報知部(発光部)230は、発電部232によって発電された電力を発電と同時に消費している。換言すれば、報知部(発光部)230は、発電部232によって発電された電力をリアルタイムで消費している。発電部232が発電しているときのみ、報知部230による現象が生ずる。発電部232が発電しているときのみ、発光部230が発光する。発電部232の発電と、報知部(発光部)230の発現(発光)とは、同時である。
【0043】
図5が示すように、報知部(発光部)230は、発電部232から離れている。発電部232から報知部(発光部)230に至る電線(図示されず)が設けられている。
【0044】
浄水カートリッジPC1は、浄水機能部240と、接続端部242とを有する。接続端部242は、浄水カートリッジPC1の先端部(下流側の端部)を構成する。接続端部242は、浄水機能部240の下流側に位置する。浄水機能部240は、ろ材部244を有する。ろ材部244は、活性炭部244aと、中空糸部244bとを有する。活性炭部244aの外面には、不織布の層が形成されている。活性炭部244aの内側には、空洞が形成されている。導水部214の内面と浄水機能部240の外面との間には、隙間が形成されている。
【0045】
浄水装置200(浄水器部206)は、原水流路GWと浄水流路JWとを有する。導水部214の内面と浄水機能部240の外面との間の隙間は、原水流路GWを構成している。原水流路GWは、吐水口228まで延在している。活性炭部244aの内側の空洞は、浄水流路JWを構成している。活性炭部244aの内側の流路から流出した浄水は、中空糸部244bを透過して更に浄化され、接続端部242から浄水カートリッジPC1の外側に流出する。浄水流路JWも、吐水口228まで延在している。切替部222の切替弁までは、原水流路GWは原水のみが流れる原水専用流路GW1であり、浄水流路JWは浄水のみが流れる浄水専用流路JW1である。切替弁よりも下流側(切替弁から吐水口228まで)には、原水流路GWであり且つ浄水流路JWでもある原浄水流路GJが形成されている。
【0046】
図6(a)は、発電部232の側面図であり、
図6(b)は
図6(a)のb-b線に沿った断面図であり、
図6(c)は
図6(b)のc-c線に沿った断面図であり、
図6(d)は
図6(b)のd-d線に沿った断面図であり、
図6(e)は発電部232の底面図であり、
図6(f)は発電部232の斜視図である。発電部232は、ユニット化されている。発電部232は、交換可能であってもよい。
【0047】
発電部232は、水流を受けて回転する水車250と、水車250の回転を電力に変換する起電部252とを有している。水車250は、中心部250aと、中心部250aから延びる複数の羽根250bとを有する。中心部250aは、ハブを構成している。複数の羽根250bは、水車250の周方向において等間隔で分配されている。起電部252は、マグネット252aと、コイル252bとを有する。コイル252bは、エナメル線が巻回されることで形成されている。マグネット252aと水車250の中心部250aとは、回転軸254で連結されている。水車250とマグネット252aとは、一体で回転する。起電部252は、電磁誘導を利用して電気を起こす。マグネット252aとコイル252bとの相対回転により、発電がなされる。
【0048】
回転軸254は、ブッシュ256で回転可能に支持されている。回転軸254とブッシュ256との間には(僅かな)隙間が設けられており、水車250が回転する際の摺動抵抗が抑制されている。回転軸254の端面及び中心部250aの軸方向端部は、ボール258で支持されている。ボール258により接触面積が小さくされており、水車250が回転する際の摺動抵抗が抑制されている。
【0049】
前述した第1実施形態と異なり、本実施形態では、旋回流形成部は設けられていない。
図6(d)が示すように、発電部232の水流入口262の軸方向位置は、水車250の軸方向位置と同じである。この軸方向とは、水車250の回転中心線の方向であり、回転軸254の中心線の方向である。発電部232の水流出口264の軸方向位置も、水車250の軸方向位置と同じである。水流入口262は、水車250の径方向外側に位置する。水流は、水車250の径方向外側から、水車250に流入する。水流出口264は、水車250の径方向外側に位置する。水車250を回転させた水流は、水車250の径方向外側に流出する。
図6(d)及び
図6(a)の破線矢印は、水の流れを示している。
【0050】
図6(d)が示すように、水車250の周囲に壁部260が設けられている。この壁部260に設けられた第1の貫通孔が水流入口262を構成しており、この壁部260に設けられた第2の貫通孔が水流出口264を構成している。水流が水車250に当たりつつ水車250の周方向に沿って曲がって流れる部分が形成されるように、水流入口262及び水流出口264の周方向における配置が設定されている。水流が水車250の周方向に沿って流れる部分を増やすことで、発電効率が向上しうる。
【0051】
図5が示すように、発電部232の水流入口262は、浄水流路JWに面している。水流入口262は、浄水専用流路JW1のみに面している。水車250は、浄水専用流路JW1を流れる浄水のみで回転する。発電部232は、浄水専用流路JW1を流れる浄水のみで発電する。水車250に当たる水を供給する浄水専用流路JW1は、全ての浄水が合流した流路である。水車250は、浄水吐出時にのみ回転する。発電部232は、浄水吐出時にのみ発電する。発光部230は、浄水吐出時にのみ発光する。水車250は、原水吐出時に回転しない。発電部232は、原水吐出時に発電しない。発光部230は、原水吐出時に発光しない。
【0052】
浄水装置200では、発電部232の全体が、ヘッド部216に設けられている。また、報知部(発光部)230の全体が、ヘッド部216に設けられている。
【0053】
浄水装置100と浄水装置200との相違は以下の通りである。浄水装置100では報知部(発光部)130が発電部132に直結しているのに対して、浄水装置200では報知部(発光部)230が発電部232から離れている。また、浄水装置100では水車150の軸方向外側から水流が水車150に流れ込むのに対して、浄水装置200では水車250の径方向外側から水流が水車250に流れ込む。浄水装置100では旋回流形成部160が設けられているのに対して、浄水装置200では旋回流形成部は設けられていない。また、浄水装置100では報知部(発光部)130の他に表示部124が設けられているのに対して、浄水装置200では報知部(発光部)230は設けられているが表示部は設けられていない。これらの相違点を除き、浄水装置100は浄水装置200と同じである。
【0054】
浄水器部106、206において、浄水専用流路JW1に浄水のみが流れるのは、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されている場合である。浄水カートリッジPC1が配置されていない状態で吐水を行うと、浄水カートリッジPC1が配置されているときに浄水専用流路JW1であった流路に原水が流れうる。原水吐出と浄水吐出とを切り替える切換部が浄水吐出状態にあるときでも、浄水専用流路JW1であった流路に原水が流れうる。この場合、原水が吐出されている状態で、報知部(発光部)130が発現しうる。よって、原水が吐出されているにも拘わらず浄水が吐出されているという誤解が生じうる。利便性の観点から、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されていないときには、吐水時に水車が回転しないか、又は、報知部130が発現しうる程度に水車が回転しないのが好ましい。この観点から、浄水装置は、浄水カートリッジが配置されていないときには水車の回転を停止させ、浄水カートリッジが配置されているときには水車の回転を許容する回転制御機構を有していてもよい。
【0055】
図7(a)から(c)及び
図8(a)から(c)は、回転制御機構を示す概略図である。
【0056】
図7(a)の実施形態は、起電部に連結された水車270と、水車270の周囲に形成された壁部272とを有する。更に、この実施形態は、第1状態S1と第2状態S2との相互移行が可能な回転阻止部274を有する。
図7(a)の左図において、回転阻止部274は、第1状態にある。
図7(a)の右図において、回転阻止部274は、第2状態にある。第1状態S1において、回転阻止部274は、水車270に当接して、水車270の回転を阻止する。第2状態S2において、回転阻止部274は、水車270に当接せず、水車270の回転を許容する。
【0057】
回転阻止部274は、所定の回転中心で回転可能な状態で固定されている。また、回転阻止部274は、第1状態S1側に付勢されている。この付勢は、例えばねじりばね(図示省略)により達成されうる。
図7(a)の左図が示すように、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されていないとき、浄水カートリッジPC1は回転阻止部274に当接せず、回転阻止部274は第1状態S1にある。よって、水車270の回転が阻止される。
図7(a)の右図が示すように、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されているとき、浄水カートリッジPC1は回転阻止部274に当接することで、回転阻止部274が第2状態S2となる。このとき、水車270の回転は阻害されない。
【0058】
回転阻止部274において、第1状態S1と第2状態S2との相互移行は、回転により達成される。第1状態S1は、第1回転位置である。第2状態S2は、第2回転位置である。第1状態S1と第2状態S2との相互移行は、例えば回転阻止部274の移動(並進移動)により達成されてもよい。
【0059】
本実施形態は、水車270に流入する水の入口である水流入口276と、水車270から出る水の出口である水流出口278とを有する。壁部272が欠落した部分により、水流入口276及び水流出口278が形成されている。水流入口276及び水流出口278は、水流が水車270に当たりつつ水車270の周方向に沿って曲がって流れてから水車270を離れるように、配置されている。
【0060】
図7(b)の実施形態は、起電部に連結された水車270と、水車270の周囲に形成された壁部280とを有する。更に、この実施形態は、第1状態S1と第2状態S2との相互移行が可能な水流制御部282を有する。
図7(b)の左図において、水流制御部282は、第1状態にある。
図7(b)の右図において、水流制御部282は、第2状態にある。第1状態S1において、水流制御部282は、壁部280から離れる。第2状態S2において、水流制御部282は、壁部280と繋がり、壁部280と共に水車270内の水流を制御する。水流は、水流入口284から水車270内に入り、水流出口286から水車270外に出る。
【0061】
水流制御部282は、所定距離の並進移動が可能な状態で配置されている。また、水流制御部282は、第1状態S1側に付勢されている。この付勢は、例えばコイルばね(図示省略)により達成されうる。
図7(b)の左図が示すように、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されていないとき、浄水カートリッジPC1は水流制御部282を移動させず、水流制御部282は第1状態S1にある。この状態では、水流入口284が拡張され、水車270を順方向に回転させる水流と、水車270を逆方向に回転させる水流とが生じる。この結果、水車270は回転しない。
図7(b)の右図が示すように、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されているとき、浄水カートリッジPC1は水流制御部282を押して移動させ、水流入口284が適切な大きさとなり、水車270が回転する。
図7(b)の左図及び右図において、水流が破線矢印で示されている。このように、水流制御部282は、第1状態S1にあるときは水車270が回転しないように水流を制御し、且つ、第2状態S2にあるときは水車270が回転するように水流を制御する。
【0062】
水流制御部282において、第1状態S1と第2状態S2との相互移行は、移動(並進移動)により達成される。第1状態S1は、並進移動における第1位置である。第2状態S2は、並進移動における第2位置である。第1状態S1と第2状態S2との相互移行は、例えば水流制御部282の回転により達成されてもよい。
【0063】
図7(c)の実施形態は、起電部に連結された水車270と、水車270の周囲に形成された壁部290とを有する。更に、この実施形態は、第1状態S1と第2状態S2との相互移行が可能な弁体292を有する。弁体292は、水流入口294を弁座として、開閉弁を構成している。
図7(c)の左図において、弁体292は、第1状態にある。
図7(c)の右図において、弁体292は、第2状態にある。第1状態S1において、弁体292は、開閉弁を閉じている。第2状態S2において、弁体292は、開閉弁を開いている。弁体292は、水流入口294を開閉する。水流は、水流入口294から水車270内に入り、水流出口296から水車270外に出る。
【0064】
弁体292は、所定距離の並進移動が可能な状態で配置されている。また、弁体292は、第1状態S1側(閉弁側)に付勢されている。この付勢は、例えばコイルばね(図示省略)により達成されうる。
図7(c)の左図が示すように、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されていないとき、浄水カートリッジPC1は弁体292を移動させず、弁体292は第1状態S1(閉弁状態)にある。この状態では、水流入口294が閉じられ、水車270を回転させる水流が阻止される。この結果、水車270は回転しない。
図7(c)の右図が示すように、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されているとき、浄水カートリッジPC1が弁体292を押して移動させ、弁体292は第2状態S2(開弁状態)となる。この状態では、水流入口294から水が流入し、水車270が回転する。
図7(c)の右図において、水流が破線矢印で示されている。このように、弁体292は、第1状態S1にあるときは水車270が回転しないように浄水の水流を止め、且つ、第2状態S2にあるときは水車270が回転するように浄水の水流を許容する。
【0065】
弁体292において、第1状態S1と第2状態S2との相互移行は、移動(並進移動)により達成される。第1状態S1は、並進移動における第1位置である。第2状態S2は、並進移動における第2位置である。第1状態S1と第2状態S2との相互移行は、例えば弁体292の回転により達成されてもよい。
【0066】
図8(a)の実施形態は、水車270を回転させる水流が直線的に流れるように水流入口276及び水流出口278の位置が設定されている点を除き、
図7(a)の実施形態と同じである。この実施形態でも、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されていないときのみ、回転阻止部274が水車270の回転を物理的に阻止する。
【0067】
図8(b)の実施形態は、水車270を順方向に回転させる水流が直線的に流れるように水流入口284及び水流出口286の位置が設定されている点を除き、
図7(b)の実施形態と同じである。この実施形態でも、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されていないときのみ、水流制御部282が水車270を回転させないように水流を制御する。
【0068】
図8(c)の実施形態は、水車270を回転させる水流が直線的に流れるように水流入口294及び水流出口296の位置が設定されている点を除き、
図7(c)の実施形態と同じである。この実施形態でも、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されていないときのみ、水車270を回転させる水流が止まる。
【0069】
このように、
図7(a)から(c)及び
図8(a)から(c)の実施形態では、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されていないときには水車の回転を停止させ、浄水カートリッジPC1が(正規位置に)配置されているときには水車の回転を許容する回転制御機構を有している。
図7(a)及び
図8(a)の実施形態では、回転制御機構が、浄水カートリッジPC1が配置されていないときに水車270の回転を物理的に阻止する回転阻止部274である。
図7(b)及び
図8(b)の実施形態では、回転制御機構は、浄水カートリッジPC1が配置されていないときに水車270が回転しないように水流を制御する水流制御部282である。
図7(c)及び
図8(c)の実施形態では、回転制御機構は、浄水カートリッジPC1が配置されていないときに水車270を回転させる水流を遮断する水流遮断部(弁体)292である。いずれの回転制御機構も、浄水カートリッジPC1が配置されておらず第1状態S1であるときに発現して水車270を停止させ、浄水カートリッジPC1が配置され第2状態S2にあるときには発現せず水車270を回転させる。
【0070】
浄水カートリッジPC1が配置されていないとき、上記回転制御機構は、操作部及び切替部の状態に拘わらず、水車270を回転させない。すなわち、浄水カートリッジPC1が配置されていないとき、上記回転制御機構は、操作部が浄水吐出位置にあっても水車270を回転させないし、操作部が原水吐出位置にあっても水車270を回転させない。また、浄水カートリッジPC1が配置されていないとき、上記回転制御機構は、切替部が浄水吐出状態にあっても水車270を回転させないし、切替部が原水吐出状態にあっても水車270を回転させない。
【0071】
図9は、第3実施形態の浄水装置300における浄水器部306を示す正面図である。
図10(a)及び
図10(b)は、
図9のA-A線に沿った断面図である。
図10(a)は、浄水器部306に浄水カートリッジPC2が配置されているときの断面図である。
図10(b)は、浄水器部306に浄水カートリッジPC2が配置されていないときの断面図である。
図11(a)は、
図10(a)のa-a線に沿った断面図の部分拡大図である。
図11(b)は、
図10(b)のb-b線に沿った断面図の部分拡大図である。なお、浄水器部306を除き、浄水装置300は、第1実施形態の浄水装置100と同じである。
【0072】
浄水器部306は、導水部314と、導水部314の端部に取り付けられたヘッド部316と、浄水カートリッジPC2が配置される配置部318とを有する。導水部314の内部に、配置部318が形成されている。この配置部318に、浄水カートリッジPC2が配置されている。
図10(b)が示すように、浄水カートリッジPC2が配置されていないときには、配置部318は空洞である。浄水カートリッジPC2が配置されていない状態で、浄水器部306に水が供給されると、配置部318に水が流れる。ヘッド部316は、導水部314に対して、着脱可能である。
【0073】
ヘッド部316は、操作部320と、切替部322とを有する。切替部322は、原水吐出と浄水吐出とを切り替える。切替部322は、切替弁325を含む切替機構を構成している。
図11(a)が示すように、切替弁325は、原水流路を開閉する原水弁325aと、浄水流路を開閉する浄水弁325bとを有する。浄水流路JWと原水流路GWとを仕切る壁部323を挟んで、一方側に原水弁325aが設けられ、他方側に浄水弁325bが設けられている。切替部322により、これらの弁の一方が閉じられ且つ他方が開くように構成されている。切替部322が原水吐出状態に切り替えられると、原水弁325aが開き、浄水弁325bが閉じる。切替部322が浄水吐出状態に切り替えられると、浄水弁325bが開き、原水弁325aが閉じる。この切替機構は、オルタネイト動作方式のスラストロック機構を有している。切替部322は、操作部320により操作される。操作部320は、押しボタンである。切替機構と連動して、操作部320はオルタネイト動作を行う。操作部320を押す毎に、原水吐出と浄水吐出との切替がなされる。切替部322は、前述した切替部122及び切替部222と同じである。
【0074】
ヘッド部316は、第1実施形態における表示部124に相当する部分を有さない。
【0075】
ヘッド部316は、水形切替部326を有する。水形切替部326を操作することで、吐水の水形が切り替わる。水形切替部326を操作することで、シャワー水形とストレート水形との切替が可能である。
【0076】
ヘッド部316は、吐水口328を有する。吐水口328から、原水及び浄水が外部に吐出される。吐水口328は、1箇所である。原水及び浄水が、共通の吐水口328から吐出される。
【0077】
ヘッド部316は、報知部330と、発電部332とを有する。発電部332は、ヘッド部316に内蔵されている。発電部332は、浄水装置300(ヘッド部316)を流れる水流によって発電する。報知部330は、発電部332によって発電された電力を消費して、人体(浄水装置300の使用者)が感知しうる現象を生じさせる。この現象は、人体がその感覚機能により感知しうるものである限り、限定されない。本実施形態でも、この現象は発光である。本実施形態では、報知部330は発光部である。報知部330としての発光部は、外部に露出している。
【0078】
浄水装置300は、蓄電部を有していない。ヘッド部316は、蓄電部を有していない。報知部(発光部)330は、発電部332によって発電された電力を、蓄電部を介することなく消費している。報知部(発光部)330は、発電部332によって発電された電力を直接消費している。報知部(発光部)330は、発電部332によって発電された電力を発電と同時に消費している。換言すれば、報知部(発光部)330は、発電部332によって発電された電力をリアルタイムで消費している。発電部332が発電しているときのみ、報知部330による現象が生ずる。発電部332が発電しているときのみ、発光部330が発光する。発電部332の発電と、報知部(発光部)330における現象の発現(発光)とは、同時である。
【0079】
図10(a)等が示すように、報知部(発光部)330は、発電部332から離れている。発電部332から報知部(発光部)330に至る電線(図示されず)が設けられている。
図12(a)は発電部332の側面図であり、
図12(b)は
図12(a)のb-b線に沿った断面図であり、
図12(c)は発電部332の底面図であり、
図12(d)は発電部332の平面図である。
図13(a)は浄水カートリッジPC2の斜視図であり、
図13(b)は浄水カートリッジPC2の側面図であり、
図13(c)は浄水カートリッジPC2の平面図であり、
図13(d)は
図13(c)のd-d線に沿った断面図であり、
図13(e)は
図13(d)の部分拡大図である。
図14は、浄水器部306の分解斜視図である。
【0080】
図13(a)から(e)が示すように、浄水カートリッジPC2は、浄水機能部340と、接続端部342と、浄水出口343とを有する。接続端部342は、浄水カートリッジPC2の先端部(下流側の端部)を構成する。接続端部342は、浄水機能部340の下流側に位置する。接続端部342は、その外面に、シール部材s1を有する。シール部材s1は、Oリングである。浄水機能部340は、ろ材部344を有する。ろ材部344は、活性炭部344aと、中空糸部344bとを有する。活性炭部344aの外面には、不織布の層が形成されている。
図13(d)では断面位置の関係で示されていないが、
図10(a)が示すように、活性炭部344aの内側には、空洞が形成されている。この空洞は、浄水流路JWとなる。
図10(a)が示すように、導水部314の内面と浄水機能部340の外面との間には、隙間が形成されている。この隙間は、原水流路GWとなる。浄水機能部340により処理されて得られた浄水は、浄水出口343から排出される。
【0081】
図10(a)が示すように、浄水器部306は、原水流路GWと浄水流路JWとを有する。導水部314の内面と浄水機能部340の外面との間の隙間は、原水流路GWを構成している。原水流路GWは、吐水口328まで延在している。活性炭部344aの内側の空洞は、浄水流路JWを構成している。活性炭部344aの内側の流路から流出した浄水は、中空糸部344bを透過して更に浄化され、浄水出口343から浄水カートリッジPC2の外側に流出する。浄水流路JWも、吐水口328まで延在している。原水弁325aまでは、原水流路GWは原水のみが流れる原水専用流路GW1である。浄水弁325bまでは、浄水流路JWは浄水のみが流れる浄水専用流路JW1である。これらの弁325a,325bよりも下流側には、原水流路GWであり且つ浄水流路JWでもある原浄水流路GJが形成されている。
【0082】
図12(a)から(d)が示すように、発電部332は、水流を受けて回転する水車350と、水車350の回転を電力に変換する起電部352とを有している。水車350は、中心部350aと、中心部350aから延びる複数の羽根350bとを有する。中心部350aは、ハブを構成している。複数の羽根350bは、水車350の周方向において等間隔で配置されている。起電部352は、マグネット352aと、コイル352bとを有する。コイル352bは、エナメル線が巻回されることで形成されている。マグネット352aと水車350の中心部350aとは、回転軸354で連結されている。水車350とマグネット352aとは、一体で回転する。起電部352は、電磁誘導を利用して電気を起こす。マグネット352aとコイル352bとの相対回転により、発電がなされる。
【0083】
回転軸354は、ブッシュ356で回転可能に支持されている。回転軸354とブッシュ356との間には(僅かな)隙間が設けられており、水車350が回転する際の摺動抵抗が抑制されている。発電部332は、ユニット化されている。このユニットには、旋回流形成部は設けられていない。なお、後述の第4実施形態では、発電部432のユニットが旋回流形成部を有する。
【0084】
発電部332は、水車350の周囲に形成された外壁358を有する。外壁358は、発電部332に流入する水の入口を構成している。外壁358の内側に流入した水は、水車350を回転させうる。また、発電部332は、水車350に当たった水が排出される出口360を有する。
【0085】
図14が示すように、発電部332は、ヘッド部316に配置されている。
図10(b)が示すように、発電部332は、水車350が配置部318に面するように配置されている。換言すれば、発電部332は、水車350側の端部が配置部318に面するように配置されている。
【0086】
本実施形態の浄水カートリッジPC2は、旋回流形成部346を有している。旋回流形成部346は、浄水カートリッジPC2の先端部(下流側(ヘッド部側)の端部)に設けられている。旋回流形成部346は、接続端部342に設けられている。旋回流形成部346は、旋回流を生成する流路346aと、旋回流を排出する出口346bとを有する。本実施形態では、複数(3つ)の出口346bが設けられている。これらの出口346bは、浄水カートリッジPC2の周方向において均等に配置されている。流路346aは出口346bと同数設けられている。流路346aは浄水カートリッジPC2の軸方向に対して傾斜している。出口346bから出た浄水は、旋回流を構成する。浄水カートリッジPC2では、旋回流形成部346の出口346bが、上述した浄水出口343である。
【0087】
このように、第3実施形態では、旋回流形成部346が浄水カートリッジPC2に形成されている。浄水カートリッジPC2が配置されていないときには、発電部332の水車350に旋回流が供給されない。浄水カートリッジPC2が配置されているときには、発電部332の水車350に旋回流が供給される。
【0088】
水車350は、旋回流を受けることで、発光を生じさせる程度に回転する。
図10(b)及び
図11(b)が示すように、浄水カートリッジPC2が配置されていない状態において、水車350は、配置部318に面している。この状態で、配置部318に水が流れると、水車350に水流が当たりうる。この水流で、水車350は回転しうるが、発光を生じさせる程度には回転しない。すなわちこの場合、水車350の回転数が足りず、発光が生じない。浄水カートリッジPC2が配置されると、浄水カートリッジPC2の旋回流形成部346が、水車350の近傍に配置される。浄水カートリッジPC2が配置部318に配置されると、旋回流形成部346から水車350に旋回流が供給される。この旋回流が、発光を生じさせる程度に、水車350を回転させる。旋回流が供給されない限り、報知部330は発光しない。この旋回流は、浄水で構成されている。浄水が流れたときのみ、発光が生ずる。
【0089】
図11(a)が示すように、浄水器部306(ヘッド部316)は、発電部332の周囲を囲むように形成された外周壁部362を有する。発電部332は、外周壁部362の内側に配置されている。浄水カートリッジPC2の接続端部342は、外周壁部362と外壁358との間の隙間を塞いでいる。接続端部342のシール部材s1は、外周壁部362の内面に当接している。
【0090】
図11(b)が示すように、浄水カートリッジPC2が配置されていない状態では、外壁358と外周壁部362との間の隙間g1は、配置部318に向かって開放されている。
【0091】
図15(a)は
図11(a)と同じ断面図であり、
図11(a)に水の流れを示す矢印が付加された図である。
図15(b)は
図11(b)と同じ断面図であり、
図11(b)に水の流れを示す矢印が付加された図である。
図15(a)では、原水の流れが実線矢印で示されており、浄水の流れが破線矢印で示されている。
図15(b)では、原水吐出状態における水(原水)の流れが一点鎖線矢印で示されており、浄水吐出状態における水(原水)の流れが二点鎖線矢印で示されている。
【0092】
図15(a)の実線矢印が示すように、浄水カートリッジPC2が配置され、且つ切替部322が原水吐出状態とされると、原水は、浄水カートリッジPC2の外周面と導水部314の内面との間を通り、外周壁部362の外側を通って、原水弁325aに至る。この原水の経路が、原水流路GWである。
【0093】
図15(a)の破線矢印が示すように、浄水カートリッジPC2が配置され、且つ切替部322が浄水吐出状態とされると、浄水は、浄水カートリッジPC2の浄水機能部340を通過して浄水カートリッジPC2から排出され、水車350を通過して出口360から出た後、発電部332の外側(外周壁部362の内側)を通って浄水弁325bに至る。この浄水の経路が、浄水流路JWである。外周壁部362は、原水流路GWと浄水流路JWとを仕切る仕切壁となっている。
【0094】
浄水カートリッジPC2の接続端部342は、発電部332の水車350側の端部(外壁358)に接続されている。シール部材s1により、この接続は水密である。浄水カートリッジPC2から排出された浄水は、発電部332(外壁358の内側)に流れ込む。浄水カートリッジPC2から排出された浄水の全てが、発電部332(外壁358の内側)に流れ込む。この浄水カートリッジPC2から水車350までの流路は、浄水のみが流れる浄水専用流路JW1である。この浄水の流れにより、発光を生じさせる程度に、水車350が回転する。この水車350の回転により、発光が生ずる。
【0095】
図15(b)の一点鎖線矢印が示すように、浄水カートリッジPC2が配置されておらず、且つ切替部322が原水吐出状態とされると、配置部318からの水(原水)は、原水流路GWと同じ流路を流れて、原水弁325aに至る。水車350は配置部318に面しているが、水車350を通過する流路は、下流側において(浄水弁325bにより)閉じられている。よって水は水車350にはほとんど流れない。水車350は、発光を生じさせる程度には回転しない。
【0096】
図15(b)の二点鎖線矢印が示すように、浄水カートリッジPC2が配置されておらず、且つ切替部322が浄水吐出状態とされると、配置部318からの水(原水)は、主として、外壁358と外周壁部362との間の隙間g1に入り、発電部332の外側を流れ、浄水流路JWと同じ流路に合流して、浄水弁325bに至る。この隙間g1により形成されている流路は、水車を通過しない回避流路k1である。回避流路k1は、仕切り(外壁358等)を隔てて水車350に隣接して配置されている。回避流路k1は、水車350(発電部332)の外側に形成されている。回避流路k1は、水車350(発電部332)の周囲に形成されている。配置部318から流れてきた水(原水)の少なくとも一部は、水車350を通過しない回避流路k1に流れる。水車350を通過する流路(
図15(a)の破線矢印参照)よりも、回避流路k1のほうが、圧力損失が低い。このため、水は回避流路k1に流れ込みやすい。水車350を通過する流路よりも、回避流路k1のほうに、より多くの水が流れる。配置部318から流れてきた水により、水車350は回転しうるが、発光を生じさせる程度には回転しない。また、旋回流形成部346は浄水カートリッジPC2に設けられており、浄水カートリッジPC2が無いときには旋回流は生じ得ないため、水車350に旋回流が供給されることはない。
【0097】
図16(a)及び
図16(b)は、第4実施形態の浄水装置400における浄水器部406の断面図である。
図16(a)は、浄水器部406に浄水カートリッジPC3が配置されているときの断面図である。
図16(b)は、浄水器部406に浄水カートリッジPC3が配置されていないときの断面図である。
図17(a)は、
図16(a)のa-a線に沿った断面図の部分拡大図である。
図17(b)は、
図16(b)のb-b線に沿った断面図の部分拡大図である。なお、浄水器部406を除き、浄水装置400は、第1実施形態の浄水装置100と同じである。
【0098】
浄水器部406は、導水部414と、導水部414の端部に取り付けられたヘッド部416と、浄水カートリッジPC3が配置される配置部418とを有する。導水部414の内部に、配置部418が形成されている。この配置部418に、浄水カートリッジPC3が配置されている。
図16(b)が示すように、浄水カートリッジPC3が配置されていない状態では、配置部418は空洞である。浄水カートリッジPC3が配置されていない状態で、浄水器部406に水が供給されると、配置部418に水が流れる。この水は、もちろん原水である。ヘッド部416は、導水部414に対して、着脱可能である。浄水カートリッジPC3を交換するときは、ヘッド部416を導水部414から取り外して、開放された導水部414から浄水カートリッジPC3を出し入れする。
【0099】
ヘッド部416は、操作部420と、切替部422とを有する。切替部422は、原水吐出と浄水吐出とを切り替える。切替部422は、切替弁425を含む切替機構を構成している。
図17(a)が示すように、切替弁425は、原水流路を開閉する原水弁425aと、浄水流路を開閉する浄水弁425bとを有する。浄水流路JWと原水流路GWとを仕切る壁部423を挟んで、一方側に原水弁425aが設けられ、他方側に浄水弁425bが設けられている。切替部422は、第3実施形態の切替部322と同じである。またヘッド部416は、水形切替部426及び吐水口428を有する。これらはそれぞれ、第3実施形態の水形切替部326及び吐水口328と同じである。
【0100】
更に、ヘッド部416は、報知部430と、発電部432とを有する。発電部432は、ヘッド部416に内蔵されている。発電部432は、浄水装置400(ヘッド部416)を流れる水流によって発電する。報知部430は、発電部432によって発電された電力を消費して、人体(浄水装置400の使用者)が感知しうる現象を生じさせる。この現象は、人体がその感覚機能により感知しうるものである限り、限定されない。本実施形態でも、この現象は発光である。本実施形態では、報知部430は発光部である。報知部430としての発光部は、外部に露出している。浄水装置400は、浄水装置300と同様に、蓄電部を有していない。発電部432が発電しているときのみ、発光部430が発光する。発電部432の発電と、報知部(発光部)430における現象の発現(発光)とは、同時である。
【0101】
図16(a)等が示すように、報知部(発光部)430は、発電部432から離れている。発電部432から報知部(発光部)430に至る電線433が設けられている。
【0102】
図18(a)は発電部432の側面図であり、
図18(b)は
図18(a)のb-b線に沿った断面図であり、
図18(c)は発電部432の底面図であり、
図18(d)は発電部432の平面図である。
図19(a)は浄水カートリッジPC3の斜視図であり、
図19(b)は浄水カートリッジPC3の側面図であり、
図19(c)は
図19(b)のc-c線に沿った断面図であり、
図19(d)は
図19(c)の部分拡大図である。
図20は、浄水器部406の分解斜視図である。
【0103】
図19(a)から(d)が示すように、浄水カートリッジPC3は、浄水機能部440と、接続端部442と、浄水出口443とを有する。接続端部442は、浄水カートリッジPC3の先端部(下流側(ヘッド部側)の端部)を構成する。接続端部442は、浄水機能部440の下流側(ヘッド部側)に位置する。浄水機能部440は、ろ材部444を有する。ろ材部444は、成形された活性炭により構成された活性炭部を構成している。ろ材部444の外面は、不織布の層で形成されている。
図19(c)では記載が省略されているが、ろ材部444の内側には、空洞が形成されている。
図16(a)が示すように、導水部414の内面と浄水機能部440の外面との間には、隙間が形成されている。この隙間は、原水流路GWとなる。浄水機能部440により処理されて得られた浄水は、浄水出口443から排出される。浄水カートリッジPC3は、旋回流形成部を有さない。
【0104】
図16(a)が示すように、浄水器部406は、原水流路GWと浄水流路JWとを有する。導水部414の内面と浄水機能部440の外面との間の隙間は、原水流路GWを構成している。原水流路GWは、吐水口428まで延在している。ろ材部444内に、浄水流路JWが形成されている。ろ材部444を出た浄水は、浄水出口443から流出する。浄水流路JWも、吐水口428まで延在している。
【0105】
浄水カートリッジPC3は、定流量弁446を有する。
図19(d)が示すように、定流量弁446は、弁孔446aと弾性部材446bとを有する。弾性部材446bは環状の部材である。浄水カートリッジPC3の浄水出口443が、弁孔446aとされている。弾性部材446bは、水圧によって変形する。弾性部材446bの変形により、弁孔446aの流通面積が調整される。定流量弁446は、浄水カートリッジPC3から出る浄水の流量を規制する。
【0106】
図18(a)から(d)が示すように、発電部432は、水流を受けて回転する水車450と、水車450の回転を電力に変換する起電部452とを有している。水車450は、中心部450aと、中心部450aから延びる複数の羽根450bとを有する。中心部450aは、ハブを構成している。起電部452は、マグネット452aと、コイル(図示されず)とを有する。マグネット452aと水車450の中心部450aとは、回転軸454で連結されている。水車450とマグネット452aとは、一体で回転する。起電部452は、電磁誘導を利用して電気を起こす。
【0107】
回転軸454は、ブッシュ456で回転可能に支持されている。回転軸454とブッシュ456との間には(僅かな)隙間が設けられており、水車450が回転する際の摺動抵抗が抑制されている。発電部432は、ユニット化されている。
【0108】
発電部432は、水車450の周囲に形成された外壁458を有する。外壁458の内側に流入した水は、水車450を回転させうる。また、発電部432は、水車450を通過した水が排出される出口460を有する。
【0109】
発電部432は、更に、旋回流形成部457を有する。旋回流形成部457は、水車450の上流側に設けられている。旋回流形成部457は、旋回流を生成する流路457aと、流路457aの入口457bとを有する。本実施形態では、複数(3つ)の入口457bが設けられている。これらの入口457bは、旋回流形成部457の周方向において均等に配置されている。流路457aは入口457bと同数設けられている。流路457bは旋回流形成部457の軸方向に対して傾斜している。旋回流形成部457の中心線は、水車450の中心線と一致している。流路457aを出た浄水は、旋回流を構成する。この旋回流が、水車450に当たる。水車450を通過した水(浄水)は、出口460から発電部432の外側に排出される。
【0110】
図20が示すように、発電部432は、ヘッド部416に配置されている。
図16(b)が示すように、発電部432は、旋回流形成部457が配置部418に面するように配置されている。換言すれば、発電部432は、水車450側(旋回流形成部457側)の端部が配置部418に面するように配置されている。
【0111】
このように、第4実施形態では、旋回流形成部457が発電部432に形成されている。浄水カートリッジPC3が配置されていない状態では、旋回流形成部457に浄水が供給されず、浄水の旋回流は生じない。浄水カートリッジPC3が配置されている状態では、旋回流形成部457に浄水が供給され、旋回流形成部457で生成された浄水の旋回流が水車450に供給される。
【0112】
水車450は、浄水カートリッジPC3から流れてきた浄水で形成された旋回流を受けることで、発光を生じさせる程度に回転する。
図16(b)及び
図17(b)が示すように、浄水カートリッジPC3が配置されていない状態において、旋回流形成部457は、配置部418に面している。この状態で、配置部418に水が流れると、旋回流が発生しうる。この旋回流で、水車450は回転しうるが、発光を生じさせる程度には回転しない。すなわちこの場合、水車450の回転数が足りず、発光が生じない。浄水カートリッジPC3が配置されると、浄水カートリッジPC3の接続端部442が旋回流形成部457に接続される。シール部材s2により、この接続は水蜜である。浄水カートリッジPC3から出た浄水の全てが、旋回流形成部457に供給される。浄水カートリッジPC3が配置部418に配置されると、旋回流形成部446から水車450に浄水の旋回流が供給される。この旋回流が、発光を生じさせる程度に、水車450を回転させる。浄水カートリッジPC3が配置されない限り、報知部430は発光しない。浄水が流れたときのみ、発光が生ずる。
【0113】
図19(a)から(d)が示すように、浄水カートリッジPC3は、先端延在部448を有する。先端延在部448は、浄水出口443よりも下流側(ヘッド部側)に延びている。先端延在部448は、浄水カートリッジPC3の先端部を構成している。先端延在部448は、接続端部442を構成している。先端延在部448は、管を構成している。先端延在部448は、円筒を構成している。先端延在部448の中心線は、浄水機能部440の中心線と共通である。先端延在部448の先端は、浄水カートリッジPC3の先端である。先端延在部448の先端は、開口448aを構成している。浄水出口443(弁孔446a)は、先端延在部448の内側に連通している。先端延在部448の外径は、浄水機能部440の外径よりも小さい。
【0114】
図17(a)、(b)が示すように、浄水カートリッジPC3が配置された状態において、先端延在部448は、発電部432とその外側の周囲部461との間の隙間g1に入り込む。発電部432は、先端延在部448の内側に配置される。先端延在部448は、発電部432の周囲を囲んでいる。先端延在部448は、発電部432の全体を取り囲んでいる。先端延在部448は、発電部432よりも下流側(ヘッド部側)まで延びている。先端延在部448は、その内面において、シール部材s2でシールされている。本実施形態では、シール部材s2は、断面がU字形をしているUパッキンである。このシールにより、浄水カートリッジPC3の接続端部442(先端延在部448)は、発電部432に水密に接続されている。浄水出口443から出た浄水は、その全量が発電部432の旋回流形成部457に流れこむ。浄水カートリッジPC3から旋回流形成部457を通って水車450を通過する流路は、浄水専用流路JW1である。なお、浄水カートリッジPC3から出た浄水の全量が、旋回流形成部457に流れ込まなくてもよい。
【0115】
図17(b)が示すように、浄水カートリッジPC3が配置されていない状態では、水隙間g1には、先端延在部448は挿入されていない。隙間g1は、先端延在部448が挿入されていない状態で、配置部418に向かって開放されている。
【0116】
図21(a)は
図17(a)と同じ断面図であり、
図17(a)に水の流れを示す矢印が付加された図である。
図21(b)は
図17(b)と同じ断面図であり、
図17(b)に水の流れを示す矢印が付加された図である。
図21(a)では、原水の流れが実線矢印で示されており、浄水の流れが破線矢印で示されている。
図21(b)では、原水吐出状態における水の流れが一点鎖線矢印で示されており、浄水吐出状態における水の流れが二点鎖線矢印で示されている。
【0117】
図21(a)の実線矢印が示すように、浄水カートリッジPC3が配置され、且つ切替部422が原水吐出状態とされると、原水は、浄水カートリッジPC3の外周面と導水部414の内面との間を通り、先端延在部448の外側を通って、原水弁425aに至る。この原水の流路が、原水流路GWである。
【0118】
図21(a)の破線矢印が示すように、浄水カートリッジPC3が配置され、且つ切替部422が浄水吐出状態とされると、浄水は、浄水カートリッジPC3の浄水機能部440を通過して浄水出口443から排出され、旋回流形成部457及び水車450を通過して出口460から出た後、先端延在部448の内側(先端延在部448と発電部432との間)を通って、浄水弁425bに至る。この浄水の経路が、浄水流路JWである。この浄水の流路が、浄水専用流路JW1である。
【0119】
先端延在部448(接続端部442)は、発電部432の旋回流形成部457側の端部に接続されている。浄水カートリッジPC3から排出された浄水は、発電部432の旋回流形成部457に流れ込み、旋回流となって水車450に当たり、水車450を回転させる。この水車450の回転により、発光が生ずる。
【0120】
図21(b)の一点鎖線矢印が示すように、浄水カートリッジPC3が配置されておらず、且つ切替部422が原水吐出状態とされると、配置部418からの水(原水)は、主として、先端延在部448が挿入されていない隙間g1を流れて、原水弁425aに至る。この隙間g1により形成されている流路は、水車を通過しない回避流路k1である。回避流路k1は、仕切り(発電部432の外壁)を隔てて水車450に隣接して配置されている。回避流路k1は、水車450(発電部432)の外側に形成されている。回避流路k1は、水車450(発電部432)の周囲に形成されている。配置部418から流れてきた水(原水)の少なくとも一部は、水車450を通過しない回避流路k1に流れる。水車450を通過する流路よりも、回避流路k1のほうが、圧力損失が低い。このため、水は回避流路k1に流れ込みやすい。水車450を通過する流路よりも、回避流路k1のほうに、より多くの水が流れる。水車450は回転しうるが、発光を生じさせる程度には回転しない。このため、発光は生じない。
【0121】
図21(b)の二点鎖線矢印が示すように、浄水カートリッジPC3が配置されておらず、且つ切替部422が浄水吐出状態とされると、配置部418からの水(原水)は、主として、先端延在部448が挿入されていない隙間g1を流れて、浄水弁425bに至る。原水吐出状態と同じく、浄水吐出状態でも、水は主として隙間g1に流入する。上述の通り、この隙間g1により形成されている流路は、水車450を通過しない回避流路k1である。水車450を通過する流路よりも、回避流路k1のほうが、圧力損失が低い。このため、水は回避流路k1に流れ込みやすい。水車450を通過する流路よりも、回避流路k1のほうに、より多くの水が流れる。水車450は回転しうるが、発光を生じさせる程度には回転しない。このため、発光は生じない。
【0122】
なお、本願において、原水流路、浄水流路及び浄水専用流路に言及するときには、浄水が存在する状態が前提とされる。水栓装置が着脱可能な浄水カートリッジを備えている場合、浄水が存在する状態とは、浄水カートリッジが配置された状態である。また本願において、「水車が回転しない」というときには、水車が若干回転するものの前記現象(発光等)が生じる程度には回転しない場合を含み、「水車が回転する」というときには、前記現象(発光等)が生じる程度に水車が回転する場合を含む。
【0123】
上記各実施形態は、以下の作用効果を奏する。
【0124】
水車は浄水専用流路を流れる水(浄水)のみで回転する。すなわち、水車は浄水専用流路を流れる浄水のみで、報知部を作動させる程度に回転する。このため浄水吐出のときのみ報知部を作動させることができる。浄水吐出時には水車の回転に起因して報知部が作動して人体が感知しうる現象が生じ、原水吐出時には当該現象は生じない。当該現象が発光であり、報知部が発光部である場合、浄水吐出のときのみ発光部を発光させることができる。
【0125】
浄水吐出のときのみ報知部が作動することで、浄水が吐出されていることを使用者が感知することができる。
【0126】
浄水吐出時以外は報知部が作動せず、原水吐出時に報知部が発現するという誤作動が生じない。上記実施形態で言えば、原水吐出時に発光部が発光するという誤発光が生じない。
【0127】
二次電池等の蓄電部を設けず発電された電力を直接消費することで、前記誤作動が防止される。蓄電部を設けないことで、装置の小型化及び長寿命化が達成されうる。また、蓄電部に要するコストが削減されうる。また、蓄電部がない分、構造がシンプルとなり、故障しにくく修理が容易とされうる。
【0128】
浄水吐出時のみに発電し、操作部や切替部などの状態を検出する必要がない。このため装置の構造をシンプルとすることでき、装置の小型化が達成されうる。また、検出部に要するコストが削減されうる。
【0129】
報知部が発光部である場合、発光により暗所や目の悪い方でも浄水吐出の判断が容易とされうる。
【0130】
報知部(発光部)以外の、吐水の種類を表示する部分を省くことができる。第1実施形態における表示部124は、第2、第3及び第4実施形態では設けられていない。しかし、第2実施形態では、発光の有無により吐水が浄水か原水かを判断することができる。また、操作部のオルタネイト動作において、突出位置と退行位置との区別がなく、浄水吐出位置と原水吐出位置とが同じ場合でも、報知部(発光部)130の発現(発光)の有無により吐水の種類を判断することができる。
【0131】
吐水口が1箇所のみであるため小型化が達成されている一方、原水と浄水とで吐水口が共通であるため、吐水位置に基づき原水か浄水かを判断することができない。しかし、報知部(発光部)により、吐水の種類を判断することができる。
【0132】
水車は浄水専用流路JW1に配置されている。水車は浄水専用流路JW1のみに面している。水車は原水専用流路GW1に面していない。浄水はろ材部を透過して生成される場合、浄水専用流路JW1の内部圧力は、原水専用流路GW1の内部圧力よりも小さい。このため、水車を含む発電部への負荷が少ない。
【0133】
水車は浄水専用流路JW1に配置されている。浄水では異物が除去されている。このため、異物が発電部に侵入するリスクが低減されている。
【0134】
第1実施形態(
図3(b)及び(c)参照)において、発電部132は、回転軸154を回転可能に支持する軸支持部を有する。発電部132では、軸支持部はブッシュ156である。上述の通り、回転軸154と軸支持部156との間には(僅かな)隙間が設けられており、回転軸154の回転時の摺動抵抗が抑制されている。この結果、発電効率が高められている。一方、水車150が配置されている浄水流路JWの浄水は、上記隙間に入り込み、更にはこの隙間を通過してマグネット152aの周囲空間に入り込む。しかし、浄水では異物が除去されているため、前記隙間や前記周囲空間に浄水が入り込んだ場合でも、当該隙間等に異物が入り込むリスクが低減される。よって、異物の入り込みに起因する発電部132でのトラブルを抑制しつつ、発電部132の発電効率を高めることができる。
【0135】
第2実施形態(
図6(b)及び(c)参照)でも、第1実施形態と同様に、浄水がマグネット252aの周囲空間に入り込む。一方、コイル252bは、保護層298で覆われている。保護層298は、樹脂を流し込んで硬化させることで形成されている。この樹脂として、エポキシ樹脂が好ましく用いられうる。保護層298は、コイル252bへの浸水を防止する。
【0136】
第1、第2、第3及び第4実施形態では、水車が浄水専用流路JW1に配置されている。このため浄水吐出時のみ、報知部(発光部)が発現(発光)する。ただし、浄水カートリッジPC1が配置されていない場合、浄水カートリッジ配置時に浄水専用流路JW1となる流路に原水が流れうる。この場合、第1及び第2実施形態では、原水によって報知部(発光部)が発現しうる。吐水の種類の誤認を回避する観点からは、第1及び第2実施形態では、上記回転制御機構が設けられるのが好ましい。上記回転制御機構が設けられる場合、切替部や操作部が浄水吐出状態とされても、浄水カートリッジPC1が配置されていなければ、報知部(発光部)が発現しない。よって、使用者は浄水カートリッジPC1の入れ忘れに気づくことができる。
【0137】
第1、第2、第3及び第4実施形態では、水車が浄水専用流路JW1に配置されている。本開示の浄水装置は、この構成に限定されない。例えば、水車は、原浄水流路GJに設けられていてもよい。この場合、当該原浄水流路GJに原水が流れたときに水車の回転を阻止する回転阻止機構を設けることで、浄水が流れているときのみ水車を回転させることができる。この回転阻止機構として、
図7(a)で示されるのと同様の機構が採用されうる。
図7(a)では浄水カートリッジPC1が回転阻止部274を動かしているが、例えば操作部及び/又は切替部と連動する部分で回転阻止部274を動かすことで、原浄水流路GJに浄水が流れているときのみ、当該原浄水流路GJに配置された水車を回転させることができる。
【0138】
操作部及び/又は切替部と連動する回転阻止機構としては、水車を物理的に係止する回転阻止部274を備えた上記構成の他に、次の構成が例示される。例えば、水車からマグネットに回転を伝達する回転軸の中間に接続及び断絶の切替が可能な回転伝達機構を介在させる構成が採用されうる。この構成では、接続と断絶との切替を、操作部又は切替部と連動させる。操作部又は切替部が浄水吐出状態となったときのみ回転伝達機構が接続され、水車の回転がマグネットに伝達される。また、操作部又は切替部が原水吐出状態となったときは回転伝達機構が断絶され、水車の回転がマグネットに伝達されない。回転伝達機構としては、例えば、歯車同士が噛み合う機構が採用されうる。
【0139】
第3及び第4実施形態では、回転制御機構が無くても、浄水カートリッジが配置されていないときの発現(発光)が防止されている。第3及び第4実施形態では、浄水カートリッジPC2,PC3が配置されている状態では、浄水カートリッジの浄水出口から出た浄水により、現象(発光)を生じさせる程度に前記水車が回転する。一方、浄水カートリッジPC2,PC3が配置されていない状態で、切替部が浄水吐出状態に切り替えられた場合において、配置部318,418から流れてきた原水の少なくとも一部が、水車350,450を通過しない回避流路k1に流れる。この結果、前記現象(発光)を生じさせる程度に水車が回転しない(
図15(b)及び
図21(b)参照)。
【0140】
第1及び第2実施形態でも、回避流路k1が設けられている。
図2及び
図5が示すように、浄水器部106,206は、浄水カートリッジPC1の接続端部142,242が挿入され且つ接続される円筒壁WLの外側に回避流路k1が設けられている。しかしこの回避流路k1は、浄水カートリッジ配置時に原水流路GW(原水専用流路GW1)となる流路であり、切替部が浄水吐出状態に切り替えられると、原水弁によって閉じられる。このため、浄水カートリッジが配置されていない状態において、浄水吐出に切り替えられると、配置部から流れた原水が水車150,250を回転させ、発光が生じうる。
【0141】
一方、第3及び第4実施形態においては、回避流路k1は、浄水吐出状態に切り替えられても、原水弁によって閉じられない。すなわち、浄水吐出状態において、回避流路k1は閉じられておらず、通水可能な状態にある。よって、浄水カートリッジPC2,PC3が配置されておらず、浄水吐出状態に切り替えられた場合において、配置部318,418から流れてきた原水の少なくとも一部は、水車を通過しない回避流路k1に流れる。この結果、前記現象(発光)を生じさせる程度に水車が回転しない。水車が回転しても、閾値となる回転数を超えない場合には、発電量が足りず、前記現象が生じない。前記現象が発光であり、光源がLEDである場合、この閾値は、順方向電圧VF(後述)に基づいて決定されうる。第3及び第4実施形態では、浄水カートリッジPC2,PC3が配置されない状態では、発光しない。例えば、浄水カートリッジPC2,PC3を入れ忘れた状態で、切替部が浄水吐出状態となった場合であっても、浄水が吐出されていないのに発光するという事態は生じない。よって、浄水が吐出されていないにも関わらず浄水が吐出されていると思い込む誤認が防止される。また、使用者は、浄水カートリッジPC2,PC3の入れ忘れに気づくことができる。
【0142】
第1、第3及び第4実施形態は、いずれも、水車に旋回流を供給する旋回流形成部160,346,457を有する。旋回流が水車に当たることで、水車の回転数が増加する。この結果、発光を生じさせる程度に水車を回転させることが容易となる。
【0143】
第3実施形態では、
図13に示される通り、浄水カートリッジPC2が、旋回流を排出する旋回流形成部346を有している。よって、浄水カートリッジPC2が配置されない限り、旋回流が水車350に供給されない。このため、浄水カートリッジPC2が無い状態では、旋回流で水車の回転数を上げることができない。この構成は、浄水カートリッジPC2が入っていない際には発光が生じないようにするのに役立つ。旋回流が供給されない限り水車350が発光を生じさせる程度に回転できないように構成されている場合、浄水カートリッジPC2に旋回流形成部346を設けることで、浄水カートリッジPC2が入っていない際には発光が生じないようにすることができる。
【0144】
第4実施形態では、
図20に示される通り、発電部432が旋回流形成部457を有している。そして、
図17(a)に示される通り、この旋回流形成部457に浄水カートリッジPC3が接続されている。この場合、浄水カートリッジPC3が配置されない限り、接続された浄水カートリッジPC3からの浄水による旋回流が水車450に供給されない。浄水カートリッジPC3が無い状態では、水車の回転数を発光が生じる程度に上げることができない。この構成は、浄水カートリッジPC3が入っていない際には発光が生じないようにするのに役立つ。
【0145】
第3及び第4実施形態では、水車350,450を通過する流路の入口と、回避流路k1の入口とが、配置部318,418に面している。水車350,450を通過する流路よりも、回避流路k1のほうが、圧力損失が低くなっている。このため、配置部318,418からの水(原水)は回避流路k1に流れ込みやすい。水車350,450は回転しうるが、発光を生じさせる程度には回転しない。浄水カートリッジPC2,PC3が配置されていない状態において、切替部が浄水吐出状態とされた場合でも、上記現象(発光)は生じない。浄水カートリッジPC2,PC3が配置されていない状態では、上記現象(発光)は生じない。
【0146】
第3及び第4実施形態では、回避流路k1が、浄水カートリッジPC2,PC3が配置されているときに浄水流路JWであった流路に繋がっている。
図15(b)及び
図21(b)において二点鎖線矢印が示すように、回避流路k1は、水車350,450を通過する流路を回避し、浄水カートリッジPC2,PC3が配置されると浄水流路JWとなる流路に合流している。このため回避流路k1は、浄水吐出状態において、切換弁によって閉じられることなく流通状態にある。よって回避流路k1は、浄水カートリッジPC2,PC3が配置されておらず且つ浄水吐出状態に切り替えられたときに、配置部318,418からの原水を逃がす流路として機能することができる。
【0147】
第4実施形態では、浄水カートリッジPC3が、先端延在部448を有している(
図19(a)から(d)参照)。浄水カートリッジPC3が浄水器部406(配置部418)に配置されると、先端延在部448は、原水流路GWと浄水流路JWとを仕切る仕切壁449を構成している。
図21(a)が示すように、この仕切壁449により、浄水が水車450を通過する浄水専用流路JW1が形成されている。先端延在部448の内側が浄水流路JW(浄水専用流路JW1)であり、先端延在部448の外側が原水流路GWである。
【0148】
先端延在部448を有する浄水カートリッジPC3を用いることで、浄水器部406の外径或いは幅を小さくすることができる。先端延在部448を設けることで、浄水カートリッジPC3の接続端部442と本体側とのシール位置の自由度が高まる。
図17(a)が示すように、先端延在部448は、その内面において、シール部材s2でシールされている。先端延在部448により、シール部材s2の位置を、発電部432よりも下流側(ヘッド部側)の空いたスペースに配置することができる。この結果、浄水器部406の外径が、第3実施形態に比べて小さくされている。第3実施形態(
図11(b))の場合、浄水カートリッジPC2のシール部材s1が、本体側の外周壁部362をシールしているが、このシール位置は発電部332の外側であり、当該シール部材s1により浄水器部306の外径が増加しやすい。先端延在部448は、浄水器部406の小型化に寄与する。なお、本願において「本体側」とは、水栓装置(浄水器部)における浄水カートリッジ以外の部分の全体を意味する。
【0149】
先端延在部448の内側には、浄水出口443が配置されている。先端延在部448により、浄水出口443及びその周辺が保護されている。浄水カートリッジPC3は、交換時などに単独で取り扱われるが、浄水が流れる部分に手その他が触れるのは衛生上好ましくない。先端延在部448により、浄水が流れる部分(浄水出口443及びその周辺)に触れることが抑制される。よって、清潔な状態で浄水カートリッジPC3を使用することができる。
【0150】
浄水カートリッジPC3が交換されると、浄水流路JWを形成する先端延在部448も交換される。カートリッジの交換毎に浄水流路JWを形成する部分が交換されるため、水栓を清潔に使用することができる。
【0151】
浄水カートリッジPC3を交換する際にろ材部(活性炭部)を手で触ってしまうと、当該接触部分が圧縮され、ろ材部(活性炭部)のかさ密度が局所的に変化しうる。ろ材部444(活性炭部)のかさ密度が局所的に変化すると、通水性能が低下する可能性がある。通水性能の低下は、浄水性能の低下や、浄水カートリッジの寿命短縮を招来しうる。先端延在部448を有する浄水カートリッジPC3では、交換時に先端延在部448に手を当てることができる。このため、ろ材部を手で触ることなく浄水カートリッジPC3を交換することが可能となる。
【0152】
図19(d)において両矢印L1で示されるのは、先端延在部448の長さである。長さL1は、先端延在部448の中心線に沿って測定される。長さL1の始点は、浄水出口443の出口開口の位置とされる。第4実施形態では、長さL1は、発電部432の長さL2(
図18(a)参照)よりも長い。この長さL2も、先端延在部448の中心線に沿って測定される。長さL1は、シール部材s2の位置等を考慮して適切に設定されうる。浄水が流れる部分に手が触れることを抑制する観点、及び、カートリッジ交換時における把持機能の観点からは、長さL1は、20mm以上とされてもよく、30mm以上とされてもよく、40mm以上とされてもよい。浄水器部の寸法及び浄水カートリッジPC3の小型化を考慮すると、長さL1は、70mm以下とされてもよく、60mm以下とされてもよく、50mm以下とされてもよい。本実施形態では、長さL1は、42.85mmである。
【0153】
第4実施形態では、定流量弁446が設けられている(
図19(d)参照)。定流量弁446は、浄水流路JWに設けられている。定流量弁446は、水車450よりも上流側に設けられている。定流量弁446は、水車450に流入する水(浄水)の流量を規制する。水車450の回転数には、許容限界がある。回転数が過大であると、発電部432が故障しうる。定流量弁446を設けることで、水車450の回転数を許容限界以下とするのが容易となる。
【0154】
水車450に流入する浄水の流量が規制される限り、定流量弁446の位置は限定されない。上記第4実施形態では、定流量弁446は浄水カートリッジPC3に設けられている。定流量弁446は、本体側に設けられてもよい。例えば、定流量弁446は、発電部432の入口に設けられてもよい。なお、定流量弁の構造は限定されず、公知の構造を有する各種の定流量弁が採用されうる。
【0155】
発光部は、光源を有する。光源は、発電部により発電された電力を、光に変換する。公知のあらゆる光源が採用されうる。上記実施形態では、光源は、LED(発光ダイオード)である。光源として、放射熱によるもの(白熱電球、ハロゲン電球)、放電発光によるもの(水銀灯、蛍光灯、ストロボライト)、電解発光によるもの(エレクトロルミネセンス、発光ダイオード)及びレーザー発光によるもの(各種レーザー)が例示される。消費電力が低く、小型化が可能であり、且つ長寿命であるとの観点から、発光ダイオードが好ましい。
【0156】
発光部の光源がLEDである場合、発光の波長は限定されない。人間が視認できる波長(可視光の波長)が採用されうる。可視性の観点から、LEDのドミナント波長は、450nm以上700nm以下が好ましい。光が警告という誤解を招かないようにする観点からは、赤色成分が抑制されるのが好ましい。この観点から、LEDのドミナント波長は、450nm以上590nm以下がより好ましい。浄水のイメージに合うとの観点から、LEDのドミナント波長は、450nm以上555nm以下がより好ましい。上記実施形態では、LEDのドミナント波長は、450nm以上512nm以下とされた。
【0157】
LEDの種類は限定されず、例えば、砲弾型、表面実装型(SMD)、チップオンボード型(COB)等が用いられうる。
【0158】
発光部は、光源に加えて、光拡張部を有していてもよい。光拡張部として、導光体、拡散体、光ファイバー、レンズ等が用いられうる。光拡張部により、光源のみの場合と比べて、発光範囲を拡張することができる。また、光拡張部により、光源以外の位置で発光させることもできる。光拡張部において、光の拡散には、例えばチンダル現象が用いられうる。光拡張部の形状及び配置により、発光領域の形態を設計することができる。
【0159】
発光部(又は光源)をマジックミラーで覆う構成が採用されてもよい。マジックミラーは、装置外面(上記実施形態では、ヘッド部の外面)を構成していてもよい。発光部が発光していない時には、マジックミラーはミラー(メッキ調の外観)となりうる。マジックミラーの周囲において装置外面がメッキ処理されていてもよい。この場合、マジックミラーの存在が目立たない構成となりうる。発光部が発光すると、光がマジックミラーを透過して外部に到達する。
【0160】
図5の実施形態では、発光部230は、光源230aと、光拡張部230bとを有する。光源230aは、砲弾型LEDである。光拡張部230bは、拡散体である。光拡張部230bは、外部に露出する露出面230cを有している。光源230aからの光は、光拡張部230bで拡散され、露出面230cの全体が発光する。
【0161】
光源をLEDとする場合には順方向電圧VFが必要とされ、順方向電圧VFは発光色(波長)等により異なる。好ましくは、少ない流量でも必要な順方向電圧VFが得られるように、発電部の仕様が設定される。発電部の仕様として、マグネットの磁力、マグネットの磁束密度、コイルにおけるエナメル線の巻き数、コイルのスロット数、マグネットの極数等が挙げられる。これら発電部の仕様は、浄水の圧力損失とも相関しうるため、浄水の流量等も考慮して適切に設定されうる。
【0162】
より少ない流量で順方向電圧VFを得る観点から、補助的に電池(一次電池、二次電池)又は外部電源の電力が用いられてもよい。例えば、浄水装置100が一次電池を有しており、この一次電池が、順方向電圧VF以下の補助電力を報知部(発光部)に供給していてもよい。この場合、発電部による発電の電圧が小さくても、補助電力との総和で順方向電圧VF以上の電圧を得ることができる。また、上記各実施形態と同じく、発電部が発電しているときのみ報知部(発光部)を発現(発光)させることができる。一次電池の場合、交換が必要であり、交換時期の把握も難しく、その配置スペースも必要となる。外部電源の場合、電源コードが必要となり、また浄水装置100の設置場所が制約される。これらの観点から、一次電池は有さないのが好ましく、外部電源は用いないのが好ましい。
【0163】
マグネットの仕様及び材質は限定されない。耐食性の観点から、プラスチックマグネット、及び、表面を塗装したマグネットが好ましい。プラスチックマグネットは、プラスチックに磁性粉体を練り込んだコンパウンドを成形したものである。軽量性及び成形性の観点からは、プラスチックマグネットが好ましい。磁束密度の観点からは、表面を塗装したマグネットがより好ましい。上記実施形態では、プラスチックマグネットが採用された。磁束密度の観点から、マグネットとして、サマリウムコバルト磁石及びネオジム磁石が用いられうる。
【0164】
発電部の回転軸の材質は、限定されない。強度及び摺動性の観点から、セラミック、ステンレス鋼及び黄銅が好ましい。強度がより高いとの観点から、セラミック及びステンレス鋼がより好ましい。コストが低いとの観点から、ステンレス鋼がより好ましい。上記実施形態では、ステンレス鋼が採用された。
【0165】
発電部の形式は限定されない。上記実施形態の発電部132,232,332,432はインナーロータ型であるが、アウターロータ型であってもよい。
【0166】
水車は、水流のエネルギーを水車の回転エネルギーに変換する。水車の様式は限定されない。水車として、流水が羽面に当たる力で回転するタイプ、羽根を翼型などにすることにより発生する揚力で回転させるタイプ、等が知られており、いずれのタイプも採用されうる。第1から第4実施形態の水車は、いずれも流水が羽面に当たる力で回転するタイプである。
【0167】
水車の羽根の形態は、限定されない。水流を受けやすくして発電効率を高める観点から、羽根は、水車の径方向に対して傾斜しており、傾斜方向は水流が向かってくる方向であるのが好ましい。羽根は、上記実施形態の円弧形状のように、水流を受ける向きの凹形状とされていてもよく、ストレート形状であってもよい。この凹形状は、水流を受けやすくしつつ流量を増やすのに寄与する。上記実施形態では、羽根150b、250bは、水車の軸方向に対して傾斜していない。羽根は、水車の軸方向に対して傾斜していてもよい。この場合、羽根はプロペラ形状とされてもよい。水車に当たる水流の向きが水車の軸方向である場合、羽根は軸方向に対して傾斜していてもよい。上記第1実施形態では、水流は水車150の軸方向で水車150に向かうが、羽根150bは水車の軸方向に対して傾斜していない。この点は、第3実施形態の水車350及び第4実施形態の水車450において同じである。この第1実施形態では、旋回流形成部160で螺旋流(旋回流)とされた水流が水車150に流れ込む。この点についても、第3及び第4実施形態において同じである。上記第2実施形態では、水流は水車250の径方向外側から水車250に当たっており、羽根250bは水車の軸方向に対して傾斜していない。発電効率が高まるように、水車の羽根の形態が設定される。
【0168】
図6(d)が示すように、第2実施形態の発電部232では、水車250が水流から受ける力が水車250の周方向において均等ではない。一方、
図3(c)が示すように、第1実施形態の発電部132では、水車150が水流から受ける力が水車150の周方向において略均等である。第2実施形態では回転軸254を傾斜させる力が生じるのに対して、第1実施形態では、回転軸154を傾斜させる力は生じにくい。回転軸を傾斜させる力は、回転軸の摺動抵抗を増やし、発電部の発電効率を低下させうる。また、回転軸を傾斜させる力は、回転軸の耐久性を低下させうる。これらの観点からは、第1、第3及び第4実施形態のように、水車150,350,450の軸方向外側から当たる水流により水車150,350,450が回転するように構成されているのが好ましい。一方、発電部の小型化の観点からは、第2実施形態のように、水車250の径方向外側から当たる水流により水車250が回転するように構成されているのが好ましい。
【0169】
本開示の浄水装置として、第1から第4実施形態に示す浄水機能付き水栓装置の他、浄水器が例示される。この浄水器として、水栓機能を有さず、水栓に取り付けられるものが挙げられ、例えば蛇口直結型浄水器が挙げられる。また、本開示の浄水装置は、アンダーシンク型浄水器と吐水の切替部とを含む水栓装置であってもよい。
【0170】
本願において浄水とは、以下の(1)及び(2)の生成水を含む概念である。
(1)水中の物質又はイオンなどが吸着材、ろ材又はろ過膜などで取り除かれた生成水。
(2)除菌などの機能を水に与える為に金属イオンを水に含ませるなど、水に金属イオン、電子、物質などを含ませて水に有益な機能を付与させた生成水。
【0171】
具体的には、本願における浄水は、以下の機能A及び/又は機能Bにより生成される水を含む概念である。換言すれば、本願における浄水機能部は、以下の機能A及び/又は機能Bを有する機能部を含む概念である。
【0172】
[機能A]
機能Aとは、以下のA1、A2、A3、A4及びA5からなる群から選択される1以上の機能である。
A1:活性炭などの吸着材を使用して、水中の物質を吸着して取り除く機能。
A2:ろ材を用いて水中の物質をろ過する機能。好ましくは、このろ材が逆浸透膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、ナノろ過膜、多孔質中空繊維膜などのろ過膜とされ、このろ過膜を使用して水中の物質をろ過する機能。
A3:イオン交換樹脂などを使用して、水中の金属イオンなどを取り込んで除去する機能。
A4:金属材から除菌、抗菌、殺菌、及び/又は、菌の増殖を抑止する効果を有する金属イオンを放出する機能。
A5:金属材から金属イオンを放出させると共に、この金属イオンの放出に伴って発生する電子を水中の酸素に取り込ませることによって活性酸素を生成させる機能。
【0173】
浄化の対象とする水中の物質として、塩素、揮発性有機化合物、農薬物質、かび臭物質、重金属などが例示される。塩素、揮発性有機化合物、農薬物質、かび臭物質及び重金属からなる群から選択される1以上が除去されるのが好ましい。
【0174】
なお、本願において「塩素」とは、水道水中の残留塩素を含む概念である。この残留塩素は、遊離残留塩素と結合残留塩素とを含む。遊離残留塩素として、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンとが挙げられる。結合残留塩素として、モノクロラミン、ジクロラミン及びトリクロラミンが挙げられる。水を消毒する目的で、塩素ガスを水に溶かすと、これらの残留塩素が生じうる。
【0175】
前記揮発性有機化合物として、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロロホルム、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、総トリハロメタンなどが例示される。クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロロホルム、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、総トリハロメタンからなる群から選択される1以上が除去されるのが好ましい。
【0176】
前記農薬物質として、2-クロロ-4,6-ビスチルアミノ-1,3,5-トリアジンなどが例示される。2-クロロ-4,6-ビスチルアミノ-1,3,5-トリアジンが除去されるのが好ましい。
【0177】
前記かび臭物質として、2-メチルイソボルネオール、ジェオスミン、フェノール類などが例示される。2-メチルイソボルネオール、ジェオスミン及びフェノール類からなる群から選択される1以上が除去されるのが好ましい。
【0178】
前記重金属として、鉛、水銀、銅、ヒ素及びカドニウムなどが例示される。鉛、水銀、銅、ヒ素及びカドニウムからなる群から選択される1以上が除去されるのが好ましい。
【0179】
前記機能A4における金属イオンとして、亜鉛イオン及び銀イオンが例示される。亜鉛イオン及び銀イオンからなる群から選択される1以上が放出されるのが好ましい。
【0180】
前記機能A4における菌としては、大腸菌及びブドウ球菌などが挙げられ、一般細菌と定義(包括)される雑菌類も含まれる。それらの菌のうちの1以上が除菌、抗菌、殺菌、又は増殖が抑止されるのが好ましい。
【0181】
前記機能A5における活性酸素は、菌などの有機物を分解しうる。この菌として、大腸菌及びブドウ球菌などが挙げられ、一般細菌と定義(包括)される雑菌類も含まれる。それらの菌のうちの1以上が分解されるのが好ましい。
【0182】
上記実施形態のように、浄水機能部は、浄水カートリッジに含まれていてもよい。この場合、塩素や有害物質を効果的に取り除くことができると共に、浄水カートリッジの製造コストを抑えることができると言う観点から、機能A1を備える浄水カートリッジが好ましい。なお、機能A2、A3、A4及びA5から選ばれる1以上の機能と機能A1とを備える浄水カートリッジとすることもできる。
【0183】
[機能B]
機能Bは、雑貨工業品品質表示規程(改正日:平成29年3月30日/施行日:平成29年4月1日)の別表第二(第二条関連)の「六 浄水器」に定められるろ材及び/又は媒体を使用して浄水を行う機能である。言い換えると、浄水カートリッジは、雑貨工業品品質表示規程(改正日:平成29年3月30日/施行日:平成29年4月1日)の別表第二(第二条関連)の「六 浄水器」に定められるろ材及び/又は媒体を使用して浄水を行う浄水機能部を備えるのが好ましい。
【0184】
前記機能A及び/又は機能Bを有する浄水機能部は、浄水流路の一部を構成していてもよいし、浄水流路の中に配置されていてもよいし、浄水流路に流通する水溜まり部に配置されていてもよい。
【0185】
以下の付記は、本開示に含まれる発明の一部である。
[付記1]
原水が流れる原水流路と、
浄水が流れる浄水流路と、
浄水を生成する浄水機能部と、
原水及び浄水を吐出する吐水口と、
原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替部と、
前記切替部を操作する操作部と、
水流によって発電する発電部と、
前記発電部によって発電された電力を消費して人体が感知しうる現象を生じさせる報知部と、
を備えており、
前記発電部が、水流を受けて回転する水車と、前記水車の回転を電力に変換する起電部とを有しており、
前記浄水流路が、浄水のみが流れる浄水専用流路を含んでおり、
前記水車が、前記浄水専用流路を流れる水のみで回転するように配置されている浄水装置。
[付記2]
原水が流れる原水流路と、
浄水が流れる浄水流路と、
浄水を生成する浄水機能部と、
原水及び浄水を吐出する吐水口と、
原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替部と、
前記切替部を操作する操作部と、
水流によって発電する発電部と、
前記発電部によって発電された電力を消費して人体が感知しうる現象を生じさせる報知部と、
を備えており、
前記発電部が、水流を受けて回転する水車と、前記水車の回転を電力に変換する起電部とを有しており、
前記水車が、浄水吐出時に回転し、原水吐出時に回転しない浄水装置。
[付記3]
蓄電部を有しておらず、
前記報知部が、前記発電部によって発電された電力を直接消費している付記1又は2に記載の浄水装置。
[付記4]
前記現象が発光であり、
前記報知部が発光部である付記1から3のいずれか1項に記載の浄水装置。
[付記5]
前記吐水口が1箇所のみに設けられており、
原水及び浄水が共通の前記吐水口から吐出される付記1から4のいずれか1項に記載の浄水装置。
[付記6]
前記浄水機能部を含み、交換可能に構成された浄水カートリッジが設けられている付記1から5のいずれか1項に記載の浄水装置。
[付記7]
前記浄水カートリッジが配置されていないときには前記水車の回転を停止させ、前記浄水カートリッジが配置されているときには前記水車の回転を許容する回転制御機構を更に有している付記6に記載の浄水装置。
[付記8]
前記浄水カートリッジを収容する導水部と、
前記導水部の端部に取り外し可能に取り付けられており、前記切替部、前記操作部及び前記吐水口を含むヘッド部とを備えており、
前記ヘッド部を前記導水部から取り外すことで、前記浄水カートリッジの交換が可能とされており、
前記発電部の全体及び前記報知部の全体が、前記ヘッド部に設けられている付記6又は7に記載の浄水装置。
[付記9]
原水が流れる原水流路と、
浄水が流れる浄水流路と、
浄水を生成する浄水機能部と、
原水及び浄水を吐出する吐水口と、
原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替部と、
前記切替部を操作する操作部と、
水流によって発電する発電部と、
前記発電部によって発電された電力を消費して人体が感知しうる現象を生じさせる報知部と、
を備えており、
前記発電部が、水流を受けて回転する水車と、前記水車の回転を電力に変換する起電部とを有しており、
浄水吐出時には前記水車の回転に起因して前記現象が生じ、原水吐出時には前記現象が生じない浄水装置。
[付記10]
前記浄水機能部を含み着脱可能に配置された浄水カートリッジが設けられており、
前記浄水カートリッジが、浄水出口を有しており、
前記浄水カートリッジが配置されているときには、前記浄水出口から出た浄水により、前記現象を生じさせる程度に前記水車が回転し、
前記浄水カートリッジが配置されていないときには、前記浄水カートリッジの配置部から流れてきた原水の少なくとも一部が前記水車を通過しない回避流路に流れ、前記現象を生じさせる程度に前記水車が回転しない付記1から9のいずれか1項に記載の浄水装置。
[付記11]
前記浄水カートリッジが、旋回流を排出する旋回流形成部を有しており、
前記浄水出口が、前記旋回流形成部の出口を構成しており、
前記浄水カートリッジが配置されることで、前記現象を生じさせる程度に前記旋回流が前記水車を回転させる付記10に記載の浄水装置。
[付記12]
前記浄水カートリッジが、前記浄水出口よりも下流側に延び前記浄水カートリッジの先端部を構成する先端延在部を有しており、
前記浄水カートリッジが配置されることで、前記先端延在部が、前記原水流路と前記浄水流路とを仕切る仕切壁を構成し、
前記仕切壁により、浄水が前記水車を通過する浄水専用流路が形成されている付記10又は11に記載の浄水装置。
【0186】
本願には、請求項(独立形式請求項を含む)に係る発明に含まれない他の発明も開示されている。本願の請求項及び実施形態に記載されたそれぞれの形態、部材、構成及びそれらの組み合わせは、それぞれが有する作用効果に基づく発明として認識される。
【0187】
前記各実施形態で示されたそれぞれの形態、部材、構成等は、これら実施形態の全ての形態、部材又は構成をそなえなくても、個々に、本願請求項に係る発明をはじめとした、本願記載の全発明に適用されうる。
【符号の説明】
【0188】
100、200、300、400・・・浄水装置
106、206、306、406・・・浄水器部
114、214、314、414・・・導水部
116、216、316、416・・・ヘッド部
120、220、320、420・・・操作部
122、222、322、422・・・切替部
128、228、328、428・・・吐水口
130、230、330、430・・・報知部(発光部)
132、232、332、432・・・発電部
140、240、340、440・・・浄水機能部
150、250、350、450・・・水車
152、252、352、452・・・起電部
152a、252a、352a、452a・・・マグネット
152b、252b、352b・・・コイル
270・・・水車
274・・・回転阻止部
282・・・水流制御部
292・・・弁体
GW・・・原水流路
GW1・・・原水専用流路
JW・・・浄水流路
JW1・・・浄水専用流路
GJ・・・原浄水流路
PC1、PC2、PC3・・・浄水カートリッジ
k1・・・回避流路