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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077598
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】歯科補綴物を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 5/77 20170101AFI20240531BHJP
【FI】
A61C5/77
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183727
(22)【出願日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】22209976.4
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596032878
【氏名又は名称】イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】アティリム,エーザー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリック,ジョン
【テーマコード(参考)】
4C159
【Fターム(参考)】
4C159RR01
4C159RR15
4C159TT02
4C159TT03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歯科補綴物を製造する方法ならびに歯科補綴物を製造するための製造装置を提供する。
【解決手段】この発明は、歯科補綴物の第2の空間領域に比べて高い負荷に曝される歯科補綴物の第1の空間領域を判定するステップS101と;前記第1の空間領域内に前記第2の空間領域内とは異なった製造材料を有する歯科補綴物を製造するステップS102を有してなる、歯科補綴物を製造する方法に関する。前記第1の空間領域内に所与の数値を超える内部圧力が存在するようにして前記第1の空間領域が判定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科補綴物(100)の第2の空間領域(101-2)に比べて高い負荷に曝される歯科補綴物(100)の第1の空間領域(101-1)を判定するステップ(S101)と;
前記第1の空間領域(101-1)内に前記第2の空間領域(101-2)内とは異なった製造材料(107-1)を有する歯科補綴物(100)を製造するステップ(S102)を有してなる
歯科補綴物(100)を製造する方法。
【請求項2】
第1の空間領域(101-1)内に所与の数値を超える内部圧力が存在するようにして第1の空間領域(101-1)が判定される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
有限要素法を使用して負荷を計算する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
歯科補綴物(100)にかかる所与の応力が有限要素法のために使用される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
計算された負荷に基づいて第1および/または第2の空間領域(101-1,101-2)のための製造材料(107-1,107-2)を選択する請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
第1の空間領域(101-1)内の製造材料(107-1)に第2の空間領域(101-2)内とは異なったドーピングが行われる請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第2の空間領域内と比べて高い強度を有する製造材料(107-1)を第1の空間領域(101-1)内に使用する請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
歯科補綴物の製造(100)が三次元印刷方法を使用して実行される請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
三次元印刷方法がフリージェット式材料塗付を使用する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
歯科補綴物(100)の第2の空間領域(101-2)に比べて高い負荷に曝される歯科補綴物(100)の第1の空間領域(101-1)を判定する判定装置(103)と;
前記第1の空間領域(101-1)内に前記第2の空間領域(101-2)内とは異なった製造材料(107-1)を有する歯科補綴物(100)を製造する製造機器(105)を有してなる
歯科補綴物(100)を製造するための製造装置(200)。
【請求項11】
第1の空間領域(101-1)内に所与の数値を超える内部圧力が存在するようにして第1の空間領域(101-1)を判定するように判定装置(103)が構成される請求項10に記載の製造装置(200)。
【請求項12】
有限要素法を使用して負荷を計算するように判定装置(103)が構成される請求項11に記載の製造装置(200)。
【請求項13】
計算された負荷に基づいて第1および/または第2の空間領域(101-1,101-2)のための製造材料(107-1,107-2)を選択するように製造機器(105)が構成される請求項10ないし12のいずれかに記載の製造装置(200)。
【請求項14】
第1の空間領域(101-1)内の製造材料(107-1)に第2の空間領域(101-2)内とは異なったドーピングが行われるように製造機器(105)が構成される請求項10ないし13のいずれかに記載の製造装置(200)。
【請求項15】
製造機器(105)が三次元プリンタを含む請求項10ないし14のいずれかに記載の製造装置(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歯科補綴物を製造する方法ならびに歯科補綴物を製造するための製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クラウンおよびブリッジのデジタル加工に際してそれらのクラウンおよびブリッジに対する包括荷重ケースが推定される。それによってブリッジ構成ユニットの数が制限されるか、またはそれらの部品が壁厚の観点から超過寸法となる。それによって、使用される材料の機械的特性が実際に発生する負荷と比べて数倍になることにつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、歯科補綴物の加工を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の課題は、独立請求項の対象によって解決される。技術的に好適な実施形態が、従属請求項、発明の詳細な説明、および添付図面の対象である。
【0005】
第1の態様によれば、歯科補綴物の第2の空間領域に比べて高い負荷に曝される歯科補綴物の第1の空間領域を判定するステップと;前記第1の空間領域内に前記第2の空間領域内とは異なった製造材料を有する歯科補綴物を製造するステップを有してなる、歯科補綴物を製造する方法によって技術的な課題が解決される。この方法によれば、材料特性を最大限に活用し得るとともに、適応範囲を拡大することができる。適宜な材料調整によって歯科補綴物内の圧力ピークを吸収することができる。従って、この歯科補綴物は、より少ない材料消費で製造可能になる。
【0006】
この方法の技術的に好適な実施形態によれば、第1の空間領域内に所与の数値を超える内部圧力が存在するようにして第1の空間領域が判定される。それによって例えば、簡便な方式で第1の空間領域を確定し得るという技術的な利点が達成される。
【0007】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、有限要素法を使用して負荷を計算する。それによって例えば、歯科補綴物内部の負荷を高い精度で計算し得るという技術的な利点が達成される。
【0008】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、歯科補綴物にかかる所与の応力が有限要素法のために使用される。例えば、予期される最大の応力が歯科補綴物の最も不利な点に作用するワーストケースシナリオに基づいて演算を実行することができる。それによって例えば、高い強度(二軸強度、破壊耐久性)をもって歯科補綴物を計算し得るという技術的な利点が達成される。
【0009】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、計算された負荷に基づいて第1および/または第2の空間領域のための製造材料を選択する。それによって例えば、各空間領域に対して異なった強度を提供して負荷に適応させ得るという技術的な利点が達成される。
【0010】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、第1の空間領域内の製造材料に第2の空間領域内とは異なったドーピングが行われる。それによって例えば、焼結遅延を伴わずに焼結を実行し得るとともに、製造材料が異なった強度を有するという技術的な利点が達成される。焼結特性に加えて、機械的特性、視覚的特性、および劣化耐久性も、ドーピングによって調節することができる。
【0011】
異なったイットリウムドーピングが行われた二酸化ジルコニウムに対する適宜な強度数値(曲げ強度+破壊耐久性)として以下の数値が一般的である:
【0012】
材料 3Y-TZP 4Y-TZP 5Y-TZP
【0013】
二軸曲げ 1000±200(*) 750±100(*) 600±50(*)
強度[MPa]
【0014】
破損耐久性 5.00±0.25 3.75±0.25 2.40±0.25
[MPa√m]
【0015】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、第2の空間領域内と比べて高い強度を有する製造材料を第1の空間領域内に使用する。それによって例えば、第1の空間領域内の壁厚を削減し得るという技術的な利点が達成される。
【0016】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、歯科補綴物の製造が三次元印刷方法を使用して実行される。それによって例えば、歯科補綴物の製造を効率的に実行し得るという技術的な利点が達成される。
【0017】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、三次元印刷方法がフリージェット式材料塗付を使用する。それによって例えば、簡便な方式で製造材料を各空間領域に配分し得るという技術的な利点が達成される。
【0018】
第2の態様によれば、歯科補綴物の第2の空間領域に比べて高い負荷に曝される歯科補綴物の第1の空間領域を判定する判定装置と;前記第1の空間領域内に前記第2の空間領域内とは異なった製造材料を有する歯科補綴物を製造する製造機器を有してなる、歯科補綴物を製造するための製造装置によって技術的な課題が解決される。この製造装置によって、第1の態様に係る方法と同様の技術的な利点が達成される。
【0019】
この製造装置の技術的に好適な実施形態によれば、第1の空間領域内に所与の数値を超える内部圧力が存在するようにして第1の空間領域を判定するように判定装置が構成される。それによって例えば、簡便な方式で第1の空間領域を確定し得るという技術的な利点が達成される。
【0020】
この製造装置の技術的に好適な別の実施形態によれば、有限要素法を使用して負荷を計算するように判定装置が構成される。それによって例えば、負荷を高い精度で計算し得るという技術的な利点が達成される。
【0021】
この製造装置の技術的に好適な別の実施形態によれば、計算された負荷に基づいて第1および/または第2の空間領域のための製造材料を選択するように製造機器が構成される。それによっても例えば、歯科補綴物の製造が単純化されるという技術的な利点が達成される。
【0022】
この製造装置の技術的に好適な別の実施形態によれば、第1の空間領域内の製造材料に第2の空間領域内とは異なったドーピングが行われるように製造機器が構成される。それによっても例えば、焼結遅延を伴わずに焼結を実行し得るという技術的な利点が達成される。
【0023】
この製造装置の技術的に好適な別の実施形態によれば、製造機器が三次元プリンタを含む。それによっても例えば、歯科補綴物の製造を効率的に実行し得るという技術的な利点が達成される。
【0024】
本発明の実施例が添付図面に示されており、以下詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】歯科補綴物の製造を示した概略説明図である。
図2】歯科補綴物を製造するための製造装置を示した概略説明図である。
図3】歯科補綴物の製造方法のブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1には、歯科補綴物100の製造が概略的に示されている。歯科補綴物100は、例えばクラウン、ブリッジ、部分あるいは総義歯である。
【0027】
製造材料107-1および107-2の機械的な特性をより有効に利用するために、まずFEMソフトウェア(有限要素法ソフトウェア)によって歯科補綴物100に対する所与の荷重ケースをシミュレートする。歯科補綴物100内の脆弱箇所を判定するために、FEMソフトウェアによって、歯科補綴物100の三次元モデルに基づいて内部応力変化および圧力を計算することができる。過剰および過小負荷を有する空間領域(副容積)を簡単に認識するために、その領域を特殊な着色で特徴付けることができる。その方式によって、例えば歯科補綴物100の内部で内部圧力が所与の数値を超える空間領域101-1を判定することができる。
【0028】
そのため、歯科補綴物100の使用中に発生し得る具体的な応力によってその歯科補綴物100に負荷をかけることができる。その応力が歯科補綴物100の脆弱な点に作用する。例えば、歯科補綴物100がブリッジである場合、発生する最大の応力がそのブリッジの中央にかけられる。その場合に、ブリッジ内部にどのように圧力が分布するかをFEMソフトウェアが計算する。その方式によって、圧力が特に高い空間領域101-1を判定することができる。
【0029】
しかしながら、圧力検出マットを使用して実際の咬合状況に基づいて実際に発生する応力を測定することもできる。圧力検出マットは、歯の咬合に際して発生する応力を測定する。その後、検出された応力を、歯科補綴物100内部の圧力分布を実際の条件下で計算するために、歯科補綴物100のためのFEMソフトウェアによって使用することができる。
【0030】
加えて、利用可能である異なった製造材料107-1と107-2の機械的な特性をFEMソフトウェアが認識しているため、材料調整の提案を提供することができる。歯科補綴物100内のFEM分析によって過小および/または過剰に判断された空間領域101-1と101-2が既知になるため、適宜な修正処理を実行することができる。それによって、部品不良の発生確率を最小化し、顧客に対して負荷耐久補償を提供することができる。さらに、ソフトウェアが使用される製造材料107-1および107-2の妥当性確認を可能にする。
【0031】
図2には、歯科補綴物100を製造するための製造装置200の概要が示されている。製造装置200は、歯科補綴物100の第2の空間領域101-2に比べて高い負荷に曝される歯科補綴物100の第1の空間領域101-1を判定する判定装置103を含む。
【0032】
判定装置103は、例えばプロセッサとメモリを含み、その中でFEMソフトウェアが実行される。判定装置103は、例えばコンピュータによって構成される。
【0033】
判定装置103上で動作するFEMソフトウェアは、歯科補綴物100のデジタルモデルに従って、他の空間領域に比べて高い機械的な負荷が発生する空間領域を算定する。その方式によって、歯科補綴物100のデジタルモデルを異なった空間領域101-1および101-2に分割することができる。その場合に、異なった機械的負荷を有する3個あるいはそれ以上の空間領域を歯科補綴物100の内部に判定することもできる。それらの空間領域のそれぞれに対して固有の製造材料を使用することができる。
【0034】
その後、判定装置103は、歯科補綴物100を製造する製造機器105に制御データを送信する。判定装置103は、計算された負荷に応じて異なった空間領域101-1および101-2に対してそれぞれ使用される製造材料107-1および107-2を自動的に割り当てることができる。このことは、使用可能な製造材料を判定装置103が認識しているため実行可能になる。
【0035】
製造機器105は、第2の空間領域101-2内と異なった製造材料107-1を第1の空間領域101-1内に使用する。この製造材料107-1は、他方の製造材料107-2と比べてより高い強度を有することができる。
【0036】
製造機器105は、例えば滴状の原材料が層形式で選択的に塗付される、ポリジェット造形およびマルチジェット造形等の付加方式の製造プロセスを使用する。製造機器105は、例えば第1の製造材料107-1のための第1の容器109-1と第2の製造材料107-2のための第2の容器109-2を備える。判定装置からの制御信号が、各空間領域101-1および101-2を印刷する際に自動的にそれぞれ割り当てられた製造材料107-1あるいは107-2を使用するように製造機器105を動作させる。
【0037】
製造装置200によって、歯科補綴物100内部の負荷分布の等方性を低減することができる。より強力な性能が要求されるあるいはより強度に負荷がかけられる空間領域101-1のために別の、例えばより硬質な製造材料107-1を使用することもでき、例えば5重量%の酸化イットリウムを有する酸化ジルコニウム(5YTZP)に代えて3重量%の酸化イットリウムを有する酸化ジルコニウム(3YTZP)を使用することができる。
【0038】
両方の空間領域101-1および101-2に対して同じ製造材料107が使用されるとすると、そのことによって歯科補綴物100の厚み増加が必要になり、そのことは美観的および触覚的な理由からしばしば不利になる。製造装置200は、副容積に少ない負荷がかかっている場合に良好な美観のために壁厚を削減することを可能にする。
【0039】
この材料割り当ての選択的な調節は付加方式のマルチ材料加工プロセスの枠内で実行することができ、その場合、例えばポリジェットあるいはマルチジェット造形におけるフリージェット材料塗付のように、選択的な材料塗付が三次元空間中で自由に実行される。
【0040】
三次元インクジェットプリントの場合、例えば15mPas超、好適には150mPas超、最も好適には200mPas超の粘度を有する製造材料107-1および107-2を適宜な処理温度でジェット噴射することができる。材料ジェット噴射の選択的な材料塗付によって、最小1ボクセルまでの大きさの極小の空間領域101-1を異なった製造材料107-1および107-2によって構築することができる。
【0041】
使用者によって歯科補綴物100のデザインが変更されるか、または異なった機械的特性を有する別の製造材料107-1および107-2が割り当てられた場合、その変更を使用者が目視可能にすることができる。デザインおよび製造材料107-1と107-2が適正である場合、使用者は歯科補綴物100の印刷作業を開始することができる。その歯科補綴物は、該当する空間領域101-1および101-2内に適宜な製造材料107-1および107-2を使用して自動的に構築される。
【0042】
図3には、歯科補綴物100を製造する方法のブロック線図が示されている。ステップS101において、歯科補綴物100の第2の空間領域101-2に比べて高い負荷に曝される歯科補綴物100の第1の空間領域101-1が判定される。ステップS102において、第2の空間領域101-2内と異なった製造材料107-1を第1の空間領域101-1内に使用して歯科補綴物100が製造される。この方法を、歯科補綴物100の全ての空間領域101-1および101-2に対して適用することができる。
【0043】
酸化ジルコニウムスラリの加工に際して、材料層をグリンボディ段階において選択的に異なってドーピングすることによって、空間領域中の焼成特性を局所的に変更することができる。そのことが、異なった製造材料107-1および107-2を使用した焼成プロセスにおいて最終的な歯科補綴物100中の異なった強度領域につながる。選択的なドーピングは、例えば先に塗付され乾燥した材料層に浸透液をジェット噴射することによって実行される。焼成特性に加えて、機械的特性、光学的特性、および劣化耐久性も、ドーピングによって調節することができる。
【0044】
この方法によって、高く判定されたあるいは強化すべきである、歯科補綴物100内の空間領域101を検知することができる。それに応じて、異なった機械的特性を有する別の製造材料107-1および107-2を選択的および局所的に割り当てることができる。それによって、最終的な製造材料107-1および107-2(複合材料あるいはセラミック)からなるクラウンあるいはブリッジを個々の負荷状況に適応させることができる。
【0045】
適応範囲を拡大し、また発生する負荷を定量化および可視化することができる。歯科補綴物の造形に際して、壁厚を削減可能あるいは壁厚を拡大すべき空間領域101を表示することによって、歯科技工士を支援することができる。異なった機械的特性を有する異なった製造材料107-1および107-2を該当する空間領域101に割り当てることによって、追加的に壁厚を増加させることなくピーク負荷を吸収することができる。
【0046】
本発明の個々の実施形態に関連して説明および図示した全ての特徴を、多様な組み合わせで本発明の対象とすることができ、それによって同時に有効な利点が達成される。
【0047】
全ての方法ステップは、各方法ステップを実行するために適した装置を使用して実行することができる。対象である特徴によって実行される全ての機能は、この方法における方法ステップとすることができる。
【0048】
本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって定義され、説明中に記述されたあるいは図示された特徴によって限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
100 歯科補綴物
101 空間領域
103 判定装置
105 製造機器
107 製造材料
109 容器
図1
図2
図3
【外国語明細書】