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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077603
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】自動化制御プロセス生成
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240531BHJP
   G05B 13/04 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
G06Q10/06
G05B13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】88
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023190079
(22)【出願日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】18/070,335
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520138438
【氏名又は名称】アスコン・システムズ・ホールディング・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】キリアン・グレフェン
【テーマコード(参考)】
5H004
【Fターム(参考)】
5H004GA28
5H004GB15
5H004HA07
5H004HB07
5H004KC33
5H004KC48
5H004KD62
(57)【要約】
【課題】制御プロセス生成を自動化する。
【解決手段】本発明は、サイバーフィジカルシステムの制御のための自動化制御プロセス生成の分野に関する。より詳細には、本発明は、サイバーフィジカルシステムに対する制御プロセスを指定する方法および関係する制御プロセス指定エンジンに関する。制御プロセス指定は、制御プロセスが到達すべき少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットを指定することによって達成される。次いで、本発明によれば、指定された制御プロセスに対する少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法、および関係する制御プロセス実験実行エンジンは、制御プロセス実験の実行を通じて自動化制御プロセス生成に使用される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトを含むサイバーフィジカルシステムに対する制御プロセスを指定する方法であって、前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つの機能は、前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられるパラメータ化関数によってモデリングされ、前記パラメータ化関数の各パラメータは、前記サイバーフィジカルオブジェクトの制御の自由度を表し、所定の値域を有し、前記方法は
前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに対する少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲットを前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数に関する専用パラメータ観測として指定するステップと、
少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲットを制御プロセス観測ターゲットへの割り当てのために選択することによって前記制御プロセスに対する少なくとも1つの前記制御プロセス観測ターゲットを指定するステップと、
順序を前記少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに割り当てるステップとを含む方法。
【請求項2】
少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに関する観測のタイプを関係する専用パラメータ観測のさらなる処理を必要としない直接的オブジェクト観測ターゲットとして指定するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに関する観測のタイプを関係する専用パラメータ観測に関する論理推論のステップを必要とする間接的オブジェクト観測ターゲットとして指定するステップを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
関係する専用パラメータ観測に対する論理推論の前記ステップは、少なくとも1つのさらなるオブジェクト観測ターゲットに関して観測された少なくとも1つのさらなる専用パラメータ観測を考慮して実行される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
関係する観測ドメインに従って少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲットに対する観測のタイプを指定するステップを含む請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
観測の前記タイプは、仮想環境における観測、ハードウェア環境における観測、ファームウェア環境における観測、およびコンピューティング環境における観測を含む群から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コンピューティング環境は、ジオメトリエンジン、3D運動シミュレータ、前記サイバーフィジカルシステムの少なくとも一部をモデリングするCADシステム、および運動学的依存関係を決定するための計算システムを含む群から選択される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
制御プロセス観測ターゲットに向けた制御プロセス実験の進行を定量化するための人工ポテンシャル目的関数を指定するステップを含む請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記人工ポテンシャル目的関数を指定する前記ステップは、制御プロセス観測ターゲットに向かう遷移中に満たされるべき少なくとも1つの制約条件の違反を反映することである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記人工ポテンシャル目的関数を指定する前記ステップは、所与の制御プロセス観測ターゲットに向かって同じ制御プロセスの進行を達成する異なる専用パラメータ観測シーケンスの評価のための費用関数を定義することである請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
制御プロセス実験時の少なくとも1つのパラメータ変動に起因する所与の制御プロセス観測ターゲットに向かう進行を促進するために引力ポテンシャルフィールドを前記人工ポテンシャル目的関数の一部として定義するステップを含む請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
制御プロセス実験時の少なくとも1つのパラメータ変動に起因する制約条件の違反を回避するために斥力ポテンシャルフィールドを前記人工ポテンシャル目的関数の一部として定義するステップを含む請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
制御プロセス観測ターゲットへの遷移時に満たされるべき少なくとも1つの境界条件を定義するために少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに関して少なくとも1つの制約条件を指定するステップを含む請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの制約条件の適用の領域は、
制御プロセス観測ターゲットへの遷移のために制御プロセス実験中に実行されるべき実験ステップのシーケンスにおける単一の制御プロセス実験ステップ、
制御プロセス観測ターゲットへの遷移のために制御プロセス実験中に実行されるべき制御プロセス実験ステップのシーケンス、
制御プロセス観測ターゲットに関する少なくとも1つのタイミング制約条件、および/または
少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられた少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに関係する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
制御プロセス実験の実行のための制御プロセス実験戦略を指定するステップを含む請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトは、状態および関係する状態遷移からセットアップされた挙動状態モデルを割り当てられており、前記挙動モデルのすべての状態は、前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに従って少なくとも1つの専用パラメータ観測を割り当てられており、制御プロセス実験戦略を指定する前記ステップは
前記挙動モデルにおけるソース状態からターゲット状態への状態遷移を、前記ソース状態と前記ターゲット状態との間の少なくとも1つの専用パラメータ観測の割り当ての差に従って特徴付けるステップと、
専用パラメータ観測割り当てにおける少なくとも1つの差を使用して制御プロセス実験が開始状態において前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトが優勢であるコンステレーションから開始するときに前記ソース状態から前記ターゲット状態への遷移中のパラメータ変動の数を最小にする好ましいパラメータ変動戦略を定義するステップとを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
制御プロセス実験戦略を指定する前記ステップは、制御プロセス実験の前記実行に対して適用可能な少なくとも1つのパラメータ化関数のセットを指定するステップを含む請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
制御プロセス実験戦略を指定する前記ステップは、前記サイバーフィジカルオブジェクトの制御の自由度を表す少なくとも1つのパラメータ化関数のパラメータの依存関係を分析するステップと、依存するパラメータを好ましいパラメータ変動のセットにまとめるステップとを含む請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
サイバーフィジカルシステムにおいて動作する制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトのセットに対して生成されるべき制御プロセスに対する少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法であって、
前記制御プロセスにおける少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットを実際の制御プロセス観測ターゲットとして選択するステップと、
少なくとも1つの制御プロセス実験ステップの実行によって実際の制御プロセス観測から前記実際の制御プロセス観測ターゲットへの遷移を促進するための制御プロセス実験を実施するステップであって、
サイバーフィジカルオブジェクトの制御に対する自由度を表す少なくとも1つのパラメータ化関数に関してパラメータ値変動を実行し、
前記少なくとも1つのパラメータ値変動を制御プロセステスト環境にサブミットし、前記制御プロセステスト環境から前記サブミット済みの少なくとも1つのパラメータ値変動に応答する専用パラメータ観測を受信し、
人工ポテンシャル目的関数を使用して前記実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう前記制御プロセス実験の進行に関して前記専用パラメータ観測を評価し、
前記制御プロセス実験の進行があった後に前記パラメータ値変動から少なくとも1つの制御プロセス命令を生成し、
所定の制御プロセス実験戦略に従って前記制御プロセス実験を制御する、ステップとを含む方法。
【請求項20】
サイバーフィジカルシステムにおいて動作する少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータは、活性化パターンの形式で表され、関係する少なくとも1つの専用パラメータ観測は、関係するオブザーバパターンの形式で表される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
パラメータ値変動の前記ステップは、ランダムなパラメータ値変動戦略、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの挙動モデリングを使用して前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの機能にアライメントされたパラメータ値変動を識別する挙動モデル駆動パラメータ値変動戦略、またはランダムなパラメータ値変動戦略と挙動モデル駆動パラメータ値変動戦略とのハイブリッド形態を含む群から選択される所定のパラメータ値変動戦略に従って実行される請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
生成されるべき前記制御プロセスに関与しない少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに対処するために前記制御プロセス実験の実行前にパラメータ変動空間の静的刈り込みを行うステップを含む請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの制約条件の違反に先験的に至る少なくとも1つのパラメータ値変動に対処するために前記制御プロセス実験の実行前にパラメータ変動空間の静的刈り込みを行うステップを含む請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記パラメータ変動空間の動的刈り込みで前記実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう前記制御プロセス実験の進行がないことを示す少なくとも1つのパラメータ値変動の繰り返しを除外するステップを含む請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
専用パラメータ観測を評価する前記ステップは、前記専用パラメータ観測のさらなる処理を行うことなく直接的専用パラメータ観測を使用する請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
専用パラメータ観測を評価する前記ステップは、関係する専用パラメータ観測に関する論理推論を必要とする間接的専用パラメータ観測を使用する請求項25に記載の方法。
【請求項27】
論理推論の前記ステップは、少なくとも1つのさらなるオブジェクト観測ターゲットに関して観測された少なくとも1つのさらなる専用パラメータ観測を考慮して実行される請求項26に記載の方法。
【請求項28】
専用パラメータ観測を評価する前記ステップは、直接的専用パラメータ観測と間接的専用パラメータ観測のハイブリッドを使用する請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
専用パラメータ観測を評価する前記ステップは、前記制御プロセス観測ターゲットへの遷移時に満たされるべき少なくとも1つの境界条件を定義する少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに関する少なくとも1つの制約条件に従う請求項19から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの制約条件は、
制御プロセス観測ターゲットへの遷移のために制御プロセス実験中に実行されるべき実験ステップのシーケンスにおける単一の制御プロセス実験ステップ、
制御プロセス観測ターゲットへの遷移のために制御プロセス実験中に実行されるべき制御プロセス実験ステップのシーケンス、
制御プロセス観測ターゲットに関する少なくとも1つのタイミング制約条件、および/または
少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられた少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに関係する請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記専用パラメータ観測を評価する前記ステップは、
前記人工ポテンシャル目的関数の引力ポテンシャルフィールドに従って観測依存進行値を計算し前記実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう進行を定量化するステップと、
前記人工ポテンシャル目的関数の斥力ポテンシャルフィールドに従って観測依存制約条件値を計算し前記実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう遷移中に満たされるべき少なくとも1つの制約条件の少なくとも1つの違反を定量化するステップと、
前記観測依存進行値が所定の閾値より低く、前記観測依存制約条件値が指定された制約条件を満たすときに前記制御プロセス実験の中間結果として前記専用パラメータ観測をもたらすパラメータ値変動を受け入れるステップとを含む請求項19から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記専用パラメータ観測を評価する前記ステップは、
前記専用パラメータ観測の生成に対する実験労力を少なくとも反映する前記人工ポテンシャル目的関数の費用関数部分による専用パラメータ観測に対する費用関数値を計算するステップと、
同じ観測依存進行値を有し、関係する指定された制約条件を満たした観測依存制約条件値を有する複数の専用パラメータ観測から最低費用関数値を有する専用パラメータ観測を選択するステップとを含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
制御プロセス実験のタイムアウトを識別するための制御プロセス実験の実行時間をチェックするステップを含む請求項19から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する前記ステップは、制御プロセス実験メモリ内に記憶されている少なくとも1つのパラメータ値変動から少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する請求項19から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
制御プロセス実験メモリ内に記憶されている少なくとも1つのパラメータ値変動を、前記実際の制御プロセス観測が制御プロセス観測ターゲットに対応しているときに少なくとも1つの制御プロセス命令にマッピングするステップを含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記制御プロセス実験を制御する前記ステップは、少なくとも1つの制約条件の違反があった後に前記制御プロセス実験を終了する請求項19から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記制御プロセス実験を制御する前記ステップは、タイムアウトに起因して現在の制御プロセス実験が終了するときに次の前記制御プロセス実験を開始する請求項19から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記制御プロセス実験を制御する前記ステップは、前記実際の制御プロセス観測が前記実際の制御プロセス観測ターゲットに対応するときに次の制御プロセス実験を開始する請求項19から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
先行する制御プロセス実験の制御プロセス実験結果に従って前記先行する制御プロセス実験がタイムアウトに起因して終了しないときに次の制御プロセス実験の開始条件を設定するステップを含む請求項38に記載の方法。
【請求項40】
タイムアウトに起因して前記制御プロセス実験が終了したときに追加のアクションを実行し、前記終了済み制御プロセス実験の開始時刻に前記次の制御プロセス実験を開始するステップを含む請求項19から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記制御プロセス実験を制御する前記ステップは、制御プロセス制約条件違反を回避するために制御プロセスの進行なしで中間制御プロセス段階で前記制御プロセス実験を継続する請求項19から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記制御プロセス実験を制御する前記ステップは、前記制御プロセス実験の開始時に優勢であった前記実際の制御プロセス観測から前記制御プロセス観測ターゲットへの少なくとも1つの代替的遷移を識別するために前記実際の制御プロセス観測が前記実際の制御プロセス観測ターゲットに対応するときに前記制御プロセス実験を再開する請求項19から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
制御プロセス観測開始ターゲットは、前記制御プロセス実験に対して指定され、前記制御プロセス実験は、実際の制御プロセス観測から前記制御プロセス観測開始ターゲットに向かう遷移を促進するために実施される請求項19から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記制御プロセス実験を制御する前記ステップは、前記実際の制御プロセス観測が前記最終的な制御プロセス観測ターゲットに対応するときに前記制御プロセス実験を終了する請求項19から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも1つの制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトを含むサイバーフィジカルシステムに対する制御プロセスを指定するための制御プロセス指定エンジンであって、前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つの機能は、前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられるパラメータ化関数によってモデリングされ、前記パラメータ化関数の各パラメータは、前記サイバーフィジカルオブジェクトの制御に対する自由度を表し、所定の値域を有し、前記制御プロセス指定エンジンは、
ターゲット指定ユニットであって、
前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに対する少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲットを前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数に関する専用パラメータ観測として指定し、
前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲットを制御プロセス観測ターゲットへの割り当てのために選択することによって前記制御プロセスに対する少なくとも1つの前記制御プロセス観測ターゲットを指定し、
順序を前記少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに割り当てるように適合されているターゲット指定ユニットを備える制御プロセス指定エンジン。
【請求項46】
少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに関する観測のタイプを関係する専用パラメータ観測のさらなる処理を必要としない直接的オブジェクト観測ターゲットとして指定するように適合されている観測指定ユニットを備える請求項45に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項47】
前記観測指定ユニットは、少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに関する観測のタイプを関係する専用パラメータ観測に対する論理推論を必要とする間接的オブジェクト観測ターゲットとして指定するように適合される請求項45または46に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項48】
前記観測指定ユニットは、少なくとも1つのさらなるオブジェクト観測ターゲットに関して観測された少なくとも1つのさらなる専用パラメータ観測を考慮して関係する専用パラメータ観測に対する論理推論の前記ステップの実行を指定するように適合される請求項48に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項49】
前記観測指定ユニットは、関係する観測ドメインに従って少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲットに対する観測のタイプを指定するように適合される請求項46から48のいずれか一項に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項50】
前記観測指定ユニットは、仮想環境における観測、ハードウェア環境における観測、ファームウェア環境における観測、およびコンピューティング環境における観測を含む群から観測の前記タイプを選択するように適合される請求項49に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項51】
前記観測指定ユニットは、ジオメトリエンジン、3D運動シミュレータ、前記サイバーフィジカルシステムの少なくとも一部をモデリングするCADシステム、および運動学的依存関係を決定するための計算システムを含む群から前記コンピューティング環境を選択するように適合される請求項50に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項52】
制御プロセス観測ターゲットに向けた制御プロセス実験の進行を定量化するための人工ポテンシャル目的関数を指定するように適合された人工ポテンシャル指定ユニットを備える請求項45から51のいずれか一項に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項53】
前記人工ポテンシャル指定ユニットは、制御プロセス観測ターゲットに向かう遷移中に満たされるべき少なくとも1つの制約条件の違反を反映する前記人工ポテンシャル目的関数を指定するように適合される請求項52に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項54】
前記人工ポテンシャル指定ユニットは、所与の制御プロセス観測ターゲットに向かって同じ制御プロセスの進行を達成する異なる専用パラメータ観測シーケンスの評価のための費用関数を定義する前記人工ポテンシャル目的関数を指定するように適合される請求項52または53に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項55】
前記人工ポテンシャル指定ユニットは、制御プロセス実験時の少なくとも1つのパラメータ変動に起因する所与の制御プロセス観測ターゲットに向かう進行を促進するために引力ポテンシャルフィールドを人工ポテンシャル目的関数の一部として定義するように適合される請求項52から54のいずれか一項に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項56】
前記人工ポテンシャル指定ユニットは、制御プロセス実験時の少なくとも1つのパラメータ変動に起因する制御プロセス制約条件違反を回避するために斥力ポテンシャルフィールドを前記人工ポテンシャル目的関数の一部として定義するように適合される請求項52から55のいずれか一項に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項57】
制御プロセス観測ターゲットへの遷移時に満たされるべき少なくとも1つの境界条件を定義するために少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに関して少なくとも1つの制約条件を指定するように適合される制約条件指定ユニットを備える請求項45から56のいずれか一項に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項58】
前記制約条件指定ユニットは、前記少なくとも1つの制約条件の適用の領域を
制御プロセス観測ターゲットへの遷移のために制御プロセス実験中に実行されるべき実験ステップのシーケンスにおける単一の制御プロセス実験ステップ、
制御プロセス観測ターゲットへの遷移のために制御プロセス実験中に実行されるべき制御プロセス実験ステップのシーケンス、
制御プロセス観測ターゲットに関する少なくとも1つのタイミング制約条件、および/または
少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられた少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに関係付けるように適合される請求項57に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項59】
制御プロセス実験の実行のために制御プロセス実験戦略を指定するように適合された制御プロセス実験戦略指定ユニットを備える請求項45から58のいずれか一項に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項60】
少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトは、状態および関係する状態遷移からセットアップされた挙動状態モデルを割り当てられており、前記挙動モデルのすべての状態は、前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに従って少なくとも1つの専用パラメータ観測を割り当てられており、前記制御プロセス実験戦略指定ユニットは、
前記挙動モデルにおけるソース状態からターゲット状態への状態遷移を、前記ソース状態と前記ターゲット状態との間の少なくとも1つの専用パラメータ観測の割り当ての差に従って特徴付け、
専用パラメータ観測割り当てにおける差を使用して制御プロセス実験が開始状態において前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトが優勢であるコンステレーションから開始するときに前記ソース状態から前記ターゲット状態への遷移中のパラメータ変動の数を最小にする好ましいパラメータ変動戦略を定義するように適合される請求項59に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項61】
前記制御プロセス実験戦略指定ユニットは、制御プロセス実験の前記実行に対して適用可能な少なくとも1つのパラメータ化関数のセットを指定するように適合される請求項59または60に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項62】
前記制御プロセス実験戦略指定ユニットは、前記サイバーフィジカルオブジェクトの制御の自由度を表す少なくとも1つのパラメータ化関数のパラメータの依存関係を分析するように適合され、また依存するパラメータを好ましいパラメータ変動のセットにまとめるように適合される請求項59から61のいずれか一項に記載の制御プロセス指定エンジン。
【請求項63】
サイバーフィジカルシステムにおいて動作する制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトのセットに対して生成されるべき制御プロセスに対する少なくとも1つの制御プロセス命令を生成するための制御プロセス実験実行マシンであって、前記制御プロセス実験実行マシンは、
前記制御プロセスにおける少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットを実際の制御プロセス観測ターゲットとして選択するように適合された観測ターゲット選択ユニットと、
サイバーフィジカルオブジェクトの制御に対する自由度を表す少なくとも1つのパラメータ化関数に関するパラメータ値変動を実行するように適合されたパラメータ変動ユニットと、
前記少なくとも1つのパラメータ値変動を制御プロセステスト環境にサブミットするように適合され、前記制御プロセステスト環境から前記少なくとも1つのパラメータ値変動に応答する専用パラメータ観測を受信するように適合された制御プロセステスト環境インターフェースと、
実際の制御プロセス観測から前記実際の制御プロセス観測ターゲットへの遷移を促進するために少なくとも1つの制御プロセス実験ステップを実行する制御プロセス実験を制御するように適合された実験コントローラであって、実験コントローラは、
人工ポテンシャル目的関数を使用して前記実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう前記制御プロセス実験の進行に関して前記専用パラメータ観測を評価するように適合された実験評価ユニットと、
前記制御プロセス実験の進行に際して前記パラメータ値変動から少なくとも1つの制御プロセス命令を生成するように適合された制御プロセス命令生成ユニットと、
所定の制御プロセス実験戦略に従って前記制御プロセス実験を制御するように適合された実験制御ユニットとを有する、実験コントローラとを備える制御プロセス実験実行マシン。
【請求項64】
前記パラメータ変動ユニットは、サイバーフィジカルシステムにおいて動作する少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータを活性化パターンの形式で表すように適合され、また関係する少なくとも1つの専用パラメータ観測を対応するオブザーバパターンの形式で表すように適合される請求項63に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項65】
前記パラメータ変動ユニットは、ランダムなパラメータ値変動戦略、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの挙動モデリングを使用して前記少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの機能にアライメントされたパラメータ値変動を識別する挙動モデル駆動パラメータ値変動戦略、またはランダムなパラメータ値変動戦略と挙動モデル駆動パラメータ値変動戦略とのハイブリッド形態を含む群から選択される所定のパラメータ値変動戦略に従ってパラメータ値変動を実行するように適合される請求項63または64に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項66】
前記パラメータ変動ユニットは、生成されるべき前記制御プロセスに関与しない少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに対処するために前記制御プロセス実験の実行前にパラメータ変動空間の静的刈り込みを行うように適合される請求項63から65のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項67】
前記パラメータ変動ユニットは、少なくとも1つの制御プロセス制約条件の違反に先験的に至る少なくとも1つのパラメータ値変動に対処するために前記制御プロセス実験の実行前にパラメータ変動空間の静的刈り込みを行うように適合される請求項63から66のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項68】
前記パラメータ変動ユニットは、前記パラメータ変動空間の動的刈り込みを行い前記実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう前記制御プロセス実験の進行がないことを示す少なくとも1つのパラメータ値変動の繰り返しを除外するように適合される請求項63から67のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項69】
前記実験評価ユニットは、前記専用パラメータ観測のさらなる処理なしで直接的専用パラメータ観測を使用して専用パラメータ観測を評価するように適合された観測評価ユニットを備える請求項63から68のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項70】
前記観測評価ユニットは、関係する専用パラメータ観測に対する論理推論を必要とする間接的専用パラメータ観測を使用して専用パラメータ観測を評価するように適合される請求項64から69のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項71】
前記観測評価ユニットは、少なくとも1つのさらなるオブジェクト観測ターゲットに関して観測された少なくとも1つのさらなる専用パラメータ観測を考慮して前記論理推論を実行するように適合される請求項70に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項72】
前記観測評価ユニットは、直接的専用パラメータ観測と間接的専用パラメータ観測のハイブリッドを使用するように適合される請求項69から71のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項73】
前記実験評価ユニットは、前記制御プロセス観測ターゲットへの遷移時に満たされるべき少なくとも1つの境界条件を定義する少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに関する少なくとも1つの制約条件に従う専用パラメータ観測を評価するように適合された制約条件評価ユニットを備える請求項63から72のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項74】
前記制約条件評価ユニットは、前記少なくとも1つの制約条件を
制御プロセス観測ターゲットへの遷移のために制御プロセス実験中に実行されるべき実験ステップのシーケンスにおける単一の制御プロセス実験ステップ、
制御プロセス観測ターゲットへの遷移のために制御プロセス実験中に実行されるべき制御プロセス実験ステップのシーケンス、
制御プロセス観測ターゲットに関する少なくとも1つのタイミング制約条件、および/または
少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられた少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに関係付けるように適合される請求項73に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項75】
前記観測評価ユニットは、前記人工ポテンシャル目的関数の引力ポテンシャルフィールドに従って観測依存進行値を計算し、前記実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう進行を定量化するように適合され、
前記制約条件評価ユニットは、前記人工ポテンシャル目的関数の斥力ポテンシャルフィールドに従って観測依存制約条件値を計算し、前記実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう遷移中に満たされるべき少なくとも1つの制約条件の少なくとも1つの違反を定量化するように適合され、
前記実験制御ユニットは、前記関係する観測依存進行値が所定の閾値より低く、前記関係する観測依存制約条件値が指定された制約条件を満たすときに前記制御プロセス実験の中間結果として専用パラメータ観測をもたらすパラメータ値変動を受け入れるように適合される請求項73または74に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項76】
前記観測評価ユニットは、前記専用パラメータ観測の生成に対する実験労力を少なくとも反映する前記人工ポテンシャル目的関数の費用関数部分による専用パラメータ観測に対する費用関数値を計算するように適合され、
前記実験制御ユニットは、同じ観測依存進行値を有し、関係する指定された制約条件を満たした観測依存制約条件値を有する複数の専用パラメータ観測から最低費用関数値を有する専用パラメータ観測を選択するように適合される請求項73から75のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項77】
前記実験評価ユニットは、前記制御プロセス実験のタイムアウトを識別するための前記制御プロセス実験の実行時間をチェックするように適合された実験クロックを備える請求項63から76のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項78】
前記制御プロセス命令生成ユニットは、前記制御プロセス実験の進行に際して制御プロセス実験メモリに記憶されている少なくとも1つのパラメータ値変動から少なくとも1つの制御プロセス命令を生成するように適合される請求項63から77のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項79】
前記制御プロセス命令生成ユニットは、前記制御プロセス実験メモリ内に記憶されている少なくとも1つのパラメータ値変動を、前記実際の制御プロセス観測が前記実際の制御プロセス観測ターゲットに対応しているときに少なくとも1つの制御プロセス命令にマッピングするように適合される請求項78に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項80】
前記実験制御ユニットは、少なくとも1つの制約条件の違反があった後に前記制御プロセス実験を終了するように適合された実験終了ユニットを備える請求項63から79のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項81】
前記実験制御ユニットは、タイムアウトに起因して前記現在の制御プロセス実験が終了するときに次の前記制御プロセス実験を開始するように適合された実験継続ユニットを備える請求項63から79のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項82】
前記実験継続ユニットは、前記実際の制御プロセス観測が前記実際の制御プロセス観測ターゲットに対応するときに次の制御プロセス実験を開始するように適合される請求項63から79のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項83】
前記実験継続ユニットは、先行する制御プロセス実験の制御プロセス実験結果に従って次の制御プロセス実験の開始条件を、前記先行する制御プロセス実験がタイムアウトに起因して終了しないときに設定するように適合される請求項63から79のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項84】
前記実験継続ユニットは、タイムアウトに起因して前記制御プロセス実験が終了したときに追加のアクションを実行し、前記終了済み制御プロセス実験の開始時刻に次の制御プロセス実験を開始するように適合される請求項63から79のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項85】
前記実験継続ユニットは、制御プロセス制約条件違反を回避するために制御プロセス進行なしで中間制御プロセス段階で前記制御プロセス実験を継続するように適合される請求項63から79のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項86】
前記実験継続ユニットは、前記制御プロセス実験の開始時に優勢であった前記実際の制御プロセス観測から前記制御プロセス観測ターゲットへの少なくとも1つの代替的遷移を識別するために前記実際の制御プロセス観測が前記実際の制御プロセス観測ターゲットに対応するときに前記制御プロセス実験を再開するように適合される請求項63から79のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項87】
制御プロセス観測開始ターゲットは、前記制御プロセス実験に対して指定され、前記実験制御ユニットは、実際の制御プロセス観測から前記制御プロセス観測開始ターゲットに向かう遷移を促進するために前記制御プロセス実験を実施するように適合される請求項63から79のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【請求項88】
前記制御プロセス終了ユニットは、前記実際の制御プロセス観測が前記最終的制御プロセス観測ターゲットに対応するときに前記制御プロセス実験を終了するように適合される請求項63から79のいずれか一項に記載の制御プロセス実験実行マシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイバーフィジカルシステム(cyber-physical system)の制御のための自動化制御プロセス生成の分野に関する。より詳細には、本発明は、サイバーフィジカルシステムに対する制御プロセスを指定する方法、指定された制御プロセスに対する少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法、制御プロセス指定エンジン(control process specification engine)、および制御プロセス実験実行マシン(control process experiment execution machine)に関する。
【背景技術】
【0002】
2次元または3次元空間における移動のために、開始コンステレーション(start constellation)からターゲットコンステレーション(target constellation)への軌道プランニング(trajectory planning)を提供するモーションプランニング(motion planning)方法が知られている。また、n次元の自由度を有する運動学において姿勢を無衝突で占有するためのプランニング方法も知られており、運動学の完全な移動空間は、位置と姿勢からなる構成、たとえば、無衝突構成、ターゲット構成、障壁構成、および有害コンステレーションに分割される。
【0003】
ここで、グローバルパスプランニングアルゴリズムは、運動学またはロボットの完全作動環境に関する予備的知識を必要とする。すべての可能な構成を評価することによって、開始構成からターゲット構成に向かう無衝突経路が、たとえば、Rapidly Exploring Random Tree RRTを使用することによって見つけられる。
【0004】
さらに、ローカルパスプランニングアルゴリズムは、実際の構成からターゲット構成に向かう軌道を見つけるために、クローズコンテキストに関する状況知識のみを使用する。これらのパスプランニングアルゴリズム、たとえば確率的ロードマップPRMは、主に2つのフェーズに分けられる。第1のフェーズは、無衝突構成に対するオプションの生成のための前処理フェーズに関するものであり、第2のフェーズは、開始構成および任意選択の無衝突構成がそれぞれ異なる経路を介して接続される問い合わせフェーズに関するものである。その後、最適経路が、最短経路アルゴリズム、たとえばダイクストラアルゴリズムを通じて識別される。
【0005】
経路プランニングのためのさらに別のアルゴリズムは、構成プランニングのために合成的に生成された引力と斥力との組合せを使用する進化的人工ポテンシャルフィールド(evolutionary artificial potential field)EAPF法である。移動ターゲットは引力を、障壁は斥力を及ぼす。しかしながら、進化的人工ポテンシャルフィールド法は、極小に陥ることがある。
【0006】
以上のことから、今日、システムの制御のための制御プロセスの自動生成は、特に、制御プロセスターゲットに到達するためにシステムが到達しなければならないターゲットコンステレーションを記述する一般的なアプローチが利用できないことに起因して、実行可能でない。もう1つの理由は、制御プロセスターゲットにアライメントされるシステムにおいて任意の開始コンステレーションからターゲットコンステレーションへの遷移を記述する一般的なアプローチが利用できないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記を考慮して、本発明の技術的目的は、制御プロセス生成の自動化を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、本発明の目的は、少なくとも1つの制御可能で、観測可能な(observable)サイバーフィジカルオブジェクトを含むサイバーフィジカルシステムの制御プロセスを指定する方法によって達成される。ここで、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つの機能は、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられるパラメータ化関数によってモデリングされ、パラメータ化関数の各パラメータは、サイバーフィジカルオブジェクトの制御の自由度を表し、所定の値域を有する。
【0009】
第1の態様によれば、制御プロセスを指定する方法は、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数に関する専用パラメータ観測として少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに対する少なくとも1つのオブジェクト観測(observation)ターゲットを指定する第1のステップと、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲットをプロセス観測ターゲットへの割り当てのために選択することによって制御プロセスの少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットを指定する第2のステップと、少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに順序を割り当てる第3のステップとを含む。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、上で概要が説明された目的は、サイバーフィジカルシステムで動作する制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトのセットに対して生成されるべき制御プロセスのための少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法によって達成される。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、制御プロセスのための少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法は、制御プロセスにおける少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットを実際の制御プロセス観測ターゲットとして選択する第1のステップと、少なくとも1つの制御プロセス実験ステップの実行によって実際の制御プロセス観測から実際の制御プロセス観測ターゲットへの遷移を促進するための制御プロセス実験を実施する第2のステップとを含む。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、制御プロセス実験を実施する第2のステップは、サイバーフィジカルオブジェクトの制御に対する自由度を表す少なくとも1つのパラメータ化関数に関してパラメータ値変動を実行する第3のステップと、少なくとも1つのパラメータ値変動を制御プロセステスト環境にサブミットし、制御プロセステスト環境からサブミット済みの少なくとも1つのパラメータ値変動に応答する専用パラメータ観測を受信する第4のステップとを含む。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、制御プロセステスト環境から実験結果を受信した後、少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法は、人工ポテンシャル目的関数を使用して実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう制御プロセス実験の進行に関して専用パラメータ観測を評価する第5のステップと、制御プロセス実験の進行があった後にパラメータ値変動から少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する第6のステップと、所定の制御プロセス実験戦略に従って制御プロセス実験を制御する第7のステップとを含む。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、上で概要が説明された目的は、少なくとも1つの制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトを含むサイバーフィジカルシステムに対する制御プロセスを指定するための制御プロセス指定エンジンによって達成される。ここで、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つの機能は、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられるパラメータ化関数によってモデリングされ、パラメータ化関数の各パラメータは、サイバーフィジカルオブジェクトの制御の自由度を表し、所定の値域を有する。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、制御プロセス指定エンジンは、ターゲット指定ユニットであって、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数に関する専用パラメータ観測として少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに対する少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲットを指定するように適合され、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲットをプロセス観測ターゲットへの割り当てのために選択することによって制御プロセスの少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットを指定するように適合され、少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに順序を割り当てるように適合されている、ターゲット指定ユニットを備える。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、上で概要が説明された目的は、サイバーフィジカルシステムで動作する制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトのセットに対して生成されるべき制御プロセスのための少なくとも1つの制御プロセス命令を生成するための制御プロセス実験実行マシンによって達成される。
【0017】
第4の態様によれば、制御プロセス実験実行マシンは、制御プロセスにおける少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットを実際の制御プロセス観測ターゲットとして選択するように適合された観測ターゲット選択ユニットと、サイバーフィジカルオブジェクトの制御に対する自由度を表す少なくとも1つのパラメータ化関数に関するパラメータ値変動を実行するように適合されたパラメータ変動ユニットとを備える。
【0018】
第4の態様によれば、制御プロセス実験実行マシンは、少なくとも1つのパラメータ値変動を制御プロセステスト環境にサブミットするように適合され、制御プロセステスト環境から少なくとも1つのパラメータ値変動に応答する専用パラメータ観測を受信するように適合された制御プロセステスト環境インターフェースと、実際の制御プロセス観測から実際の制御プロセス観測ターゲットへの遷移を促進するために少なくとも1つの制御プロセス実験ステップを実行する制御プロセス実験を制御するように適合された実験コントローラとを備える。
【0019】
第4の態様によれば、制御プロセス実験実行マシン実験コントローラは、人工ポテンシャル目的関数を使用して実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう制御プロセス実験の進行に関して専用パラメータ観測を評価するように適合された実験評価ユニットと、制御プロセス実験の進行に際してパラメータ値変動から少なくとも1つの制御プロセス命令を生成するように適合された制御プロセス命令生成ユニットと、所定の制御プロセス実験戦略に従って制御プロセス実験を制御するように適合された実験制御ユニットとを備える。
【0020】
以下では、本発明の様々な態様を例示するための例が、図面を参照しつつ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトと、プロセス入力としてサイバーフィジカルオブジェクトに供給される活性化パターンと、供給された活性化パターンに応答してサイバーフィジカルオブジェクトによって生成される観測パターンとを示す図である。
図2】本発明による制御プロセス指定エンジンを示す概略図である。
図3図2に示されている制御プロセス指定エンジンの動作のフローチャートを示す図である。
図4】本発明による制御プロセス実験指定ユニットを示す概略図である。
図5図5に示されている制御プロセス実験指定ユニットの動作のフローチャートを示す図である。
図6】サイバーフィジカルオブジェクトの挙動状態モデルと、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数の専用パラメータ観測との関係を示し、その制御のためのオプションを記述する、図である。
図7】本発明による制御プロセス実験実行エンジンを制御プロセステスト環境に組み込むことと、制御ドメイン、データフロードメイン、および観測ドメインの間の相互運用性を示す図である。
図8】本発明による自動制御プロセス生成の基礎となる基本概念、特に制御プロセス観測ターゲットに基づく形式化された制御プロセス指定、および制御プロセス実験の実行に関する概要を示す図である。
図9】本発明による制御プロセス実験実行エンジンを示す概略図である。
図10図9に示されている制御プロセス実験実行エンジンの動作のフローチャートを示す図である。
図11図9に示されている実験コントローラのさらに詳細な概略図である。
図12図11に示されている実験評価ユニットおよび実験制御ユニットの動作のフローチャートを示す図である。
図13】本発明による自動生成制御プロセスによって制御されるべきワークピース処理ステーションの一部を形成するモーションコンベアを示す図である。
図14】ワークピース処理ステーションの一部を形成するバッファモジュールを示す図である。
図15】ワークピース処理ステーションの一部を形成する処理モジュールを示す図である。
図16】本発明による自動化制御プロセス生成のためのプロセス観測ターゲットの例を示す図である。
図17】本発明による自動化制御プロセス生成の例に対して指定されているようなパラメータ化関数、制約条件、および制御プロセス観測ターゲットの状態および関係するパラメータの例を示す図である。
図18図17に示されている自動化制御プロセス生成の例に対する制御プロセス観測ターゲットに関する人工ポテンシャルの値の例を示す図である。
図19】制御プロセス実験実行中の動的パラメータ観測を動機付けする図16に示されているワークピース処理ステーションに対するパラメータの観測を時間を追って示す図である。
図20図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP1に到達するために実行される制御プロセス実験の実行を示す図である。
図21図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP1に到達するために実行される制御プロセス実験の終了を示す図である。
図22図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP2に到達するために実行される第1の制御プロセス実験の実行を示す図である。
図23図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP2に到達するために実行される第2の制御プロセス実験の実行を示す図である。
図24図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP2に到達するために実行される第3の制御プロセス実験の実行を示す図である。
図25図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP2に到達するために実行される第4の制御プロセス実験の実行を示す図である。
図26図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP2に到達するために実行される第5の制御プロセス実験の実行を示す図である。
図27図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP3に到達するために実行される第1の制御プロセス実験の実行を示す図である。
図28図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP4に到達するために実行される第1の制御プロセス実験の実行を示す図である。
図29】中間制御プロセス段階に到達し、制約条件違反を回避するために制御プロセスを進行させずに進行する制御プロセス実験の継続シナリオを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明は、図面を参照しつつ詳しく説明される。ここで、このような説明は、本発明の例にのみ関係するものであり、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲を束縛するものではないことは理解されるべきである。特定の機能ユニットが言及される限り、これは、たとえば、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組合せでの実装形態を通して、同じ機能性が達成される限り、機能ユニットは明らかに交換可能であるような機能性の例として考慮されるべきである。
【0023】
最も一般的な意味において、本発明による自動制御プロセス生成は、自動化された生成または同等のものとしてその合成に対する基礎として制御プロセスの形式化された指定に依存する。
【0024】
本発明によれば、制御プロセス中にサイバーフィジカルシステムが到達しなければならないターゲットコンステレーションは、制御プロセス観測ターゲットとして表され、それ自体機能をモデリングし、サイバーフィジカルシステムで動作する制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトの制御のためのオプションを表すパラメータ化関数のパラメータを介して指定される。
【0025】
本発明-制御プロセスターゲットの形式化された指定を使用する-によれば、次いで、任意の開始コンステレーションから制御プロセスターゲットに向かう遷移は、以下で説明されるように、制御プロセス命令のシーケンスを実験結果として生成する制御プロセス実験の実行を通じて識別される。
【0026】
本発明により以下で説明されるように、これは、サイバーフィジカルシステムおよび関係するサイバーフィジカルオブジェクトの暫定的な制御入力パラメータ活性化パターンの刺激を通して、またパラメータ活性化パターンに応答して観測される関係する観測パラメータパターンを観測することを通して、達成される。
【0027】
図1は、制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトと、プロセス入力としてサイバーフィジカルオブジェクトに供給される活性化パターンと、供給された活性化パターンに応答してサイバーフィジカルオブジェクトによって生成される観測パターンとを示している。
【0028】
図1に示されているように、制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトは、以下においてサイバーフィジカルオブジェクトと短く称され、
【0029】
【数1】
【0030】
のように少なくとも1つのパラメータ化関数F_O = [F_1,...,F_m]を割り当てられている。
【0031】
一般的に、パラメータ化関数の各パラメータは、サイバーフィジカルオブジェクトの制御に対する自由度を表し、所定の値域を有する。また、少なくとも1つのパラメータ化関数を実行することで、少なくとも1つのパラメータ化関数が割り当てられたサイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つの有形のおよび/または非有形の特徴の変化を引き起こし得る。
【0032】
図1に示されているように、本発明によれば、サイバーフィジカルシステムは、
【0033】
【数2】
【0034】
によるパラメータ活性化パターンAP_Oを入力として受け取る。
【0035】
図1に示されているように、パラメータ活性化パターンは、制御プロセスの実行に対する自由度を表すためにサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられる少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに関係している。パラメータの任意の変化は、任意の他のパラメータの変化から独立していてもよいし、またはその逆でもよく、次いで、異なるパラメータ化関数にまたがって依存パラメータのセットが得られることに留意されたい。
【0036】
さらに、パラメータ活性化の任意の入力は結果として、サイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つの有形のおよび/または非有形の特徴の変化を引き起こし、したがって、本発明による制御プロセス生成に対する基礎を形成することに留意されたい。
【0037】
図1に示されているように、サイバーフィジカルオブジェクトの少なくとも1つの有形のおよび/または非有形の特徴の任意の変化は、サイバーフィジカルオブジェクトの出力側で観測され、制御プロセスステージnにおける任意のパラメータ活性化PA_i_jが、
【0038】
【数3】
【0039】
に従って関係するパラメータ観測PO_i_jを割り当てられるようにパラメータ観測パターンOP_Oとしてモデリングされ得る。
【0040】
図1に示されているように、指定された制御プロセスターゲットに向かって制御プロセスを駆動する活性化パターンを見つけるために、一般性を損なうことなく、制御プロセスは、制御プロセス観測開始パターンと制御プロセス観測ターゲットパターンの少なくとも1つの対によって指定されると仮定してよい。
【0041】
図1に示されているように、本発明による自動化制御プロセス生成のために、パラメータ起動パターンおよびパラメータ観測パターンに関するフィードバック機構が確立されている。ここで、目的は、制御プロセスを制御プロセス観測ターゲットに向けて駆動するパラメータ活性化パターンを見つけることである。
【0042】
図1に示されているように、本発明によれば、自動化制御プロセス生成時に制御プロセスの進行を評価するための人工ポテンシャルが指定される。また、本発明によれば、制御プロセスに対するサイバーフィジカルシステムが生成されることに対する動作制約条件をモデリングするために制御プロセスに課される制約条件のセットが指定される。
【0043】
本発明によれば、制約条件は、任意の特定のサイバーフィジカルオブジェクトまたはそれの任意の特性に制限されるものではないが、制御プロセスのタイミング要件または制御プロセスシーケンスにおける1つまたは複数の制御プロセスステップの指定にも課され得ることに留意されたい。この点を考慮して、制約条件は
【0044】
【数4】
【0045】
による最も一般的な方式で表され得る。
【0046】
上記を考慮して、人工ポテンシャルは、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクト、それに割り当てられたパラメータ化関数i、および制御プロセスのステージステップn-1から制御プロセスのステップnまでのパラメータの値の変化である関係するパラメータPO_i_jに関して、デルタ値Δ_O_i_jとして定義される。また、生成されるべき制御プロセスに関わるすべてのサイバーフィジカルオブジェクトに対するデルタ値が集計される。
【0047】
また、人工ポテンシャルは、制約条件C_kの違反に対するペナルティζ_iを導入することによって制御プロセスのステップnに適用可能な制御プロセス制約条件の履行または違反を反映する役割を果たす。
【0048】
結論として、本発明によれば、人工ポテンシャルは、
【0049】
【数5】
【0050】
による制御プロセスの進行に関して、
【0051】
【数6】
【0052】
による制約条件違反に関して、また
AP=AP_progress+AP_constraints
による合計値に関して定義される。
【0053】
全体として、この定式化は、制御プロセス生成のための解空間を確立し、制御プロセスターゲットおよび制御プロセス制約条件に関するサイバーフィジカルシステムコンステレーションの評価を達成することに役立つ。これは、制御プロセス合成プロセスの自動化の基礎をなす。制御プロセス観測ターゲットに到達した後、実際のパラメータ観測とターゲットパラメータ値との間に優勢な差はなく、制約条件に違反しないので、人工ポテンシャルの値はゼロになることに留意されたい。
【0054】
以下では、サイバーフィジカルオブジェクトの状態も参照される。ここで、状態は、サイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられているパラメータ化関数のパラメータの専用表現に関係している。本発明によれば、状態は、制御プロセスの制御プロセスターゲットに到達するときのサイバーフィジカルオブジェクトの状態を表し、サイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数と1対1の関係を有する。
【0055】
図2は、本発明による制御プロセス指定エンジン10を示す概略図である。
【0056】
本発明によれば、制御プロセス指定エンジン10は、サイバーフィジカルシステムの制御プロセスの指定を達成する。
【0057】
上で概要が説明されているように、サイバーフィジカルシステムは、少なくとも1つの制御可能で観測可能なサイバーフィジカルオブジェクトを含む。少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトCPOの機能は、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトCPOに割り当てられる少なくとも1つのパラメータ化関数によってモデリングされる。パラメータ化関数の各パラメータは、サイバーフィジカルオブジェクトCPOの制御に対する自由度を表し、所定の値域を有する。
【0058】
図2に示されているように、制御プロセス指定エンジン10は、ターゲット指定ユニット12および制御プロセス実験指定ユニット14を備える。
【0059】
動作可能に、ターゲット指定ユニット12は、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトCPOに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数に関する専用パラメータ観測18として少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトCPOに対する少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲット16を指定するように適合される。
【0060】
さらに、動作可能に、ターゲット指定ユニット12は、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトCPOの少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲット16を制御プロセス観測ターゲット20への割り当てのために選択することによって制御プロセスに対する少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲット20を指定するように適合される。
【0061】
このことから、また、制御プロセス観測ターゲット20は、少なくとも1つの専用パラメータ観測22に関係するが、これは、単一のサイバーフィジカルオブジェクトCPOに必ずしも制限されず、複数のサイバーフィジカルオブジェクトCPOにまたがって適用可能であり得る。
【0062】
さらに、動作可能に、ターゲット指定ユニット12は、制御プロセス観測ターゲット20が複数の専用パラメータ観測22に関係するときに少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲット20に順序を割り当てるように適合される。
【0063】
さらに、また以下でより詳細に説明されるように、本発明による自動化制御プロセス生成は、制御プロセス実験の実行を通して達成される。これまで、動作可能に、制御プロセス実験指定ユニット14は、制御プロセス実験シナリオ、たとえば、以下で説明されるような制御プロセステスト環境の機能性、制御プロセス実験に使用されるリソースなどを指定するように適合されている。
【0064】
図3は、図2に示されている制御プロセス指定エンジンの動作のフローチャートを示している。
【0065】
図3に示されているように、制御プロセスを指定する方法は、ターゲット指定ユニット12によって動作可能に実行される、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトCPOに対する少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲット16を少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトCPOに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数に関する専用パラメータ観測18として指定する、ステップS10を含む。
【0066】
制御プロセスを指定するコンテキストでは、サイバーフィジカルオブジェクトに関連する専用パラメータ観測のインデックス付けは、
【0067】
【数7】
【0068】
のように適用されることに留意されたい。
【0069】
インデックスの導入は、本発明による制御プロセス観測ターゲットの数に応じて自動化制御プロセス生成がすべての制御プロセス観測ターゲットに関して複数の制御プロセス実験の実行を必要とすることを反映している。
【0070】
図3に示されているように、制御プロセスを指定する方法は、ターゲット指定ユニット12によって動作可能に実行される、制御プロセスに対する少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲット20を、制御プロセス観測ターゲット20に割り当てるための少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトCPOの少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲット16、OP_O(n)を選択することによって指定する、ステップS12を含む。
【0071】
図3に示されているように、制御プロセスを指定する方法は、ターゲット指定ユニット12によって動作可能に実行される、少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲット20上に順序を割り当てるステップS14を含む。
【0072】
図3に示されているように、制御プロセスを指定する方法は、制御プロセス指定ユニット14によって動作可能に実行される、上で概要が説明されているように制御プロセス実験シナリオを指定するステップS16を含む。
【0073】
上記を考慮して、制御プロセスP(n)は、
P_O(n) = (AP_O(n),OP_O(n))
【0074】
【数8】
【0075】
による適用可能な制約条件と組み合わせた単一のサイバーフィジカルオブジェクトに関する専用パラメータ観測に関係する、パラメータ活性化パターンのシーケンスにわたる合併として理解され得る。
【0076】
ここで、制御プロセスの指定は結果として、専用パラメータ観測およびそこから導出される制御プロセス観測ターゲットの指定を引き起こすことを理解することが重要である。以下で説明されるように、その後、指定された制御プロセス観測ターゲットに向かってサイバーフィジカルシステムを導くパラメータ活性化を識別することを可能にするのは制御プロセス実験の実行のみである。
【0077】
別の言い方をすれば、専用パラメータ観測は、制御プロセス観測ターゲットを指定する役割を果たし、パラメータ活性化は、制御プロセス観測ターゲットにアライメントされるパラメータ活性化を識別するように制御プロセス実験中に変化させられる。
【0078】
図4は、本発明による制御プロセス実験指定ユニットの概略図を示している。
【0079】
図4に示されているように、制御プロセス実験指定ユニット14は、観測指定ユニット24と、人工ポテンシャル指定ユニット26と、制約条件指定ユニット28と、制御プロセス実験戦略指定ユニット30とを備える。
【0080】
動作可能に、観測指定ユニット24は、たとえば、専用パラメータ観測および専用パラメータ観測に対する論理推論に関して、観測のタイプを指定するように適合される。
【0081】
動作可能に、人工ポテンシャル指定ユニット26は、制御プロセス観測ターゲットに向けた制御プロセス実験の進行を定量化するための人工ポテンシャル目的関数を指定するように適合される。
【0082】
動作可能に、制約条件指定ユニット28は、制御プロセス観測ターゲットへの遷移時に満たされるべき少なくとも1つの境界条件を定義するために、少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに関して少なくとも1つの制約条件を指定するように適合される。一般的に、少なくとも1つの制約条件は、
【0083】
【数9】
【0084】
により特定の制御プロセス実験nに関して指定される。
【0085】
動作可能に、制御プロセス実験戦略指定ユニット30は、制御プロセス実験の実行のための制御プロセス実験戦略を指定するように適合される。
【0086】
図5は、図5に示されている制御プロセス実験指定ユニット14の動作のフローチャートを示す図である。
【0087】
図5に示されているように、制御プロセス実験を指定する方法は、観測指定ユニット24によって動作可能に実行される、たとえば、専用パラメータ観測および専用パラメータ観測に対する論理推論に関して、観測のタイプを指定するステップS18を含む。
【0088】
本発明によれば、観測のタイプは、関係する専用パラメータ観測のさらなる処理を必要としない直接的オブジェクト観測ターゲットであってもよい。
【0089】
本発明によれば、観測の別のタイプは、関係する専用パラメータ観測の論理推論を必要とする間接的オブジェクト観測ターゲットであってもよい。関係する専用パラメータ観測に対する論理推論は、少なくとも1つのさらなるオブジェクト観測ターゲットに関して観測された少なくとも1つのさらなる専用パラメータ観測を考慮して実行され得る。
【0090】
本発明によれば、関係する観測ドメインに従って少なくとも1つのオブジェクト観測ターゲットに対して別のタイプの観測が指定され得る。
【0091】
本発明によれば、別のタイプの観測は、仮想環境における観測、ハードウェア環境における観測、ファームウェア環境における観測、およびコンピューティング環境における観測を含む群から選択され得る。
【0092】
たとえば、コンピューティング環境は、ジオメトリエンジン、3D運動シミュレータ、サイバーフィジカルシステムの少なくとも一部をモデリングするCADシステム、および運動学的依存関係を決定するための計算システムを含む群から選択され得る。
【0093】
図5に示されているように、制御プロセス実験を指定する方法は、人工ポテンシャル指定ユニット26によって動作可能に実行される、制御プロセス観測ターゲットに向けた制御プロセス実験の進行を定量化するための人工ポテンシャル目的関数を指定するステップS20を含む。
【0094】
本発明によれば、人工ポテンシャル目的関数は、また、制御プロセス観測ターゲットへの遷移中に満たされるべき少なくとも1つの制約条件の違反を反映し得る。
【0095】
本発明によれば、人工ポテンシャル目的関数は、また、所与の制御プロセス観測ターゲットに向かって同じ制御プロセスの進行を達成する異なる専用パラメータ観測シーケンスの評価のための費用関数を定義する人工ポテンシャル目的関数を指定し得る。
【0096】
本発明によれば、人工ポテンシャル目的関数は、制御プロセス実験時の少なくとも1つのパラメータ変動に起因する所与の制御プロセス観測ターゲットに向かう進行を促進するために引力ポテンシャルフィールドを人工ポテンシャル目的関数の一部として定義し得る。
【0097】
本発明によれば、人工ポテンシャル目的関数は、制御プロセス実験時の少なくとも1つのパラメータ変動に起因する制御プロセス制約条件違反を回避するために斥力ポテンシャルフィールドを人工ポテンシャル目的関数の一部として定義し得る。
【0098】
図5に示されているように、制御プロセス実験を指定する方法は、制約条件指定ユニット28によって動作可能に実行される、制御プロセス観測ターゲットへの遷移中に満たされるべき少なくとも1つの境界条件を定義するために少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットに関して少なくとも1つの制約条件を指定する、ステップS20を含む。
【0099】
本発明によれば、少なくとも1つの制約条件の適用領域は、以下に関係し得る。
・ 制御プロセス観測ターゲットへの遷移のために制御プロセス実験中に実行されるべき実験ステップのシーケンスにおける単一の制御プロセス実験ステップ、
・ 制御プロセス観測ターゲットへの遷移のために制御プロセス実験中に実行されるべき制御プロセス実験ステップのシーケンス、
・ 制御プロセス観測ターゲットに関する少なくとも1つのタイミング制約条件、および/または
・ 少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられた少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータ。
【0100】
図5に示されているように、制御プロセス実験を指定する方法は、制御プロセス実験戦略指定ユニット30によって動作可能に実行される、制御プロセス実験の実行のための制御プロセス実験戦略を指定するステップS20を含む。
【0101】
本発明によれば、制御プロセス実験戦略は、制御プロセス実験の実行に対して適用可能な少なくとも1つのパラメータ化関数のセットを指定することであってよい。
【0102】
本発明によれば、制御プロセス実験戦略は、サイバーフィジカルオブジェクトの制御の自由度を表す少なくとも1つのパラメータ化関数のパラメータの依存関係の分析の使用を指定し、次いで、依存するパラメータを好ましいパラメータ変動のセットにまとめることであるものとしてよい。
【0103】
図6は、サイバーフィジカルオブジェクトの挙動状態モデルと、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数の専用パラメータ観測との関係を示し、さらなる制御プロセス実験戦略を記述する、図である。
【0104】
図6に示されているように、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトには、状態および関係する状態遷移からセットアップされた挙動状態モデルを割り当てられている。図6に示されているように、挙動モデルのすべての状態は、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに割り当てられている少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに従って少なくとも1つの専用パラメータ観測を割り当てられている。
【0105】
次いで、本発明によれば、制御プロセス実験戦略は、挙動モデルにおけるソース状態からターゲット状態への状態遷移を、ソース状態とターゲット状態との間の少なくとも1つの専用パラメータ観測の割り当ての差異に従って特徴付け、専用パラメータ観測割り当てにおける差を使用して制御プロセス実験が開始状態において少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトが優勢であるコンステレーションから開始するときにソース状態からターゲット状態への遷移中のパラメータ変動の数を最小にする好ましいパラメータ変動戦略を定義することである。
【0106】
図7は、本発明による制御プロセス実験実行エンジン32を制御プロセステスト環境に組み込むことと、制御ドメイン、データフロードメイン、および観測ドメインの間の相互運用性を示している。
【0107】
図7に示されているように、本発明による制御プロセス実験の実行は、制御プロセス実験実行エンジン32によって制御プロセステスト環境と連携して実行される。
【0108】
図7に示されているように、制御プロセステスト環境は、制御ドメイン、データフロードメイン、および観測ドメインに構造化される。
【0109】
図7に示されているように、制御ドメインにおいて、制御プロセス実験実行エンジン32は、制御プロセス実験実行エンジン32によって生成された活性化パターンを処理するように適合された制御エンジン34と連携して動作している。
【0110】
図7に示されているように、これまで、制御プロセス実験実行エンジン32は、上で概要が説明されているように、制御プロセス観測ターゲットとの比較のための専用パラメータ観測を受け取る。このことから、観測ドメイン固有の制御命令を生成するために活性化パターンを処理する制御エンジン34に出力するための、また生成されるべき制御プロセスの実装に利用可能な制御ロジックを実行するために活性化パターンが導出される。
【0111】
図7に示されているように、ドメイン固有の制御命令は、観測ドメインにおける処理を意図されている。ここで、観測ドメインは、専用実ハードウェアを実行するだけでなく、実制御プロセスシナリオを設計し、エミュレートし、シミュレートし、かつ/またはデジタルドメインにマッピングするのに適した任意のタイプのデバイスおよびアプローチを実行する。
【0112】
したがって、本発明によれば、あるタイプの観測は、仮想環境における観測、センサーもしくはアクチュエータのようなハードウェア環境または任意のタイプの実ハードウェアにおける観測、ファームウェア環境における観測、およびコンピューティング環境における観測を含む群から選択され得る。たとえば、コンピューティング環境は、ジオメトリエンジン、3D運動シミュレータ、サイバーフィジカルシステムの少なくとも一部をモデリングするCADシステム、KIベースのコンピューティングシステム、および運動学的依存関係を決定するための計算システムを含む群から選択され得る。
【0113】
図7に示されているように、制御ドメインと観測ドメインと間のデータ交換に対して、活性化ロジック36および観測ロジック38を含むデータフロードメインが提供される。
【0114】
活性化ロジック36は、観測ドメイン内の観測ターゲットに従って制御エンジン34の制御出力を変換するように適合されている。典型的な例は、観測ドメイン内の仮想環境の適用後に制御命令をジオメトリ命令に変換すること、および/またはデジタル的に処理され得る命令データにおいて制御命令を変換することであろう。さらに別の例としては、アナログ方式で処理され得る命令における制御命令の変換、たとえば、0~10Vまたは0~100mAのD/A変換が挙げられる。
【0115】
さらに、観測ロジック38は、上で概要が説明されているようにデータ観測ロジックを実装するように適合される。ここで、専用パラメータ観測は、仮想および/またはデジタルドメインにおけるパラメータ活性化の処理から結果として生じる実ハードウェアおよび/またはデジタルデータに基づく専用パラメータ観測から実際の値に関係し得る。また、データバス40は、特に専用ハードウェアが制御プロセス実験に関与するときに、制御ドメインと観測ドメインとの間のデータ交換に対して適用可能であり得る。
【0116】
図8は、本発明による自動制御プロセス生成の基礎となる基本概念、特に制約条件の、制御プロセス観測ターゲットに基づく制御プロセス実行、および人工ポテンシャルに基づく制御プロセス実験の評価に関する概要を示している。
【0117】
図8に示されているように、制御プロセス実験の実行は、制御プロセス観測ターゲット、たとえばT1およびT2に基づいている。第1の制御プロセス観測ターゲットT1から第2の第1の制御プロセス観測ターゲットT2への制御プロセスにおける遷移を達成するために、プロセスステップS1、S2、S3、S4、S5に関連して少なくとも1つの制御実験E1.1、E1.2、E2.1、E2.2、E2.3、E3.1、E4.1、E4.2、およびE5.1が実行される。
【0118】
一般的に、すべての実行ステップS1からS5の結果は、制御プロセス実験の結果であり、第1の制御プロセス観測ターゲットT1から第2の第1の制御プロセス観測ターゲットT2への遷移を達成する活性化パターンの識別は、複数の制御プロセス実験の実行を必要とする。
【0119】
図8に示されているように、活性化パターンに応答して、制御プロセス実験は、人工ポテンシャル目的関数によって評価されるべき専用パラメータ観測を生成する。
【0120】
制御プロセス実験が成功したときに、人工ポテンシャルの値はゼロになる。E5.1および関係するAP5.1を参照。
【0121】
そうでなければ、制御プロセス実験が成功しないときに、E2.1-制約違反-またはE2.2-タイムアウト-を参照-人工ポテンシャルの値は許容値を超える。AP2.1およびAP2.2を参照。
【0122】
そうでなければ、制御プロセス実験は、また、制約条件の違反がないので許容可能な結果をもたらし得る。E1.1、E1.2、E2.3、E3.1、E4.1、E4.2および関係するAP1.1、AP1.2、AP2.3、AP3.1、AP4.1、AP4.2を参照。しかしながら、これは0より大きい人工ポテンシャルの値を有する。
【0123】
それにもかかわらず、これは、続いて起こる制御プロセス実験を継続する、たとえば、制御プロセス実験E4.1に続いて制御プロセス実験E5.1を実行し、第1の制御プロセス観測ターゲットT1から第2の第1の制御プロセス観測ターゲットT2への遷移に関して自動化制御プロセス生成に対する見通しを高め、たとえば、極小を免れる、好適な制御プロセス実験戦略であり得る。
【0124】
図9は、本発明による制御プロセス実験実行エンジンの概略図を示している。
【0125】
図9に示されているように、制御プロセスに対する少なくとも1つの制御プロセス命令を生成するための制御プロセス実験実行マシン32は、観測ターゲット選択ユニット42、パラメータ変動ユニット44、制御プロセステスト環境インターフェース46、および実験コントローラ48を備える。
【0126】
動作可能に、観測ターゲット選択ユニット42は、制御プロセスにおける少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットを実際の制御プロセス観測ターゲットとして選択するように適合される。
【0127】
動作可能に、パラメータ変動ユニット44は、サイバーフィジカルオブジェクトの制御に対する自由度を表す少なくとも1つのパラメータ化関数に関するパラメータ値変動を実行するように適合される。
【0128】
動作可能に、制御プロセステスト環境インターフェース46は、少なくとも1つのパラメータ値変動を制御プロセステスト環境にサブミットするように適合され、制御プロセステスト環境から少なくとも1つのパラメータ値変動に応答する専用パラメータ観測を受信するように適合される。
【0129】
動作可能に、実験コントローラ48は、実際の制御プロセス観測から実際の制御プロセス観測ターゲットへの遷移を促進するために少なくとも1つの制御プロセス実験ステップを実行する制御プロセス実験を制御するように適合される。
【0130】
図9に示されているように、実験コントローラ48は、実験評価ユニット50、制御プロセス命令生成ユニット52、および実験制御ユニット54を備える。
【0131】
動作可能に、実験評価ユニット50は、人工ポテンシャル目的関数APを使用して実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう制御プロセス実験の進行に関して専用パラメータ観測を評価するように適合される。
【0132】
動作可能に、制御プロセス命令生成ユニット52は、制御プロセス実験の進行に際してパラメータ値変動から少なくとも1つの制御プロセス命令を生成するように適合される。
【0133】
動作可能に、実験制御ユニット54は、所定の制御プロセス実験戦略に従って制御プロセス実験を制御するように適合される。
【0134】
図10は、図9に示されている制御プロセス実験実行エンジンが生成されるべき制御プロセスに対する少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する動作のフローチャートを示している。
【0135】
一般的に、本発明によれば、制御されるべきサイバーフィジカルシステムに関するパラメータ変動の意味を動的に探索するために、また生成されるべき制御プロセスに対して、制御プロセス実験の実行に時間の変動の概念が導入される。
【0136】
したがって、制御プロセス実験の実行時に、経時的に専用パラメータ観測を追跡するための実験クロックが動作する。ここで、実験時間分解能は、コンピューティング資源が適用されるときの制御プロセステスト環境内の処理速度、たとえば適用可能なサンプリング速度に依存する。そうでなければ、ハードウェア資源が適用されるときに、実験時間分解能は、たとえば、ハードウェアの待ち時間またはバス帯域幅によって決定され得る。
【0137】
図10に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法は、観測ターゲット選択ユニット42によって動作可能に実行される、制御プロセスにおける少なくとも1つの制御プロセス観測ターゲットを実際の制御プロセス観測ターゲットとして選択するステップS26を含む。
【0138】
図10に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法は、パラメータ変動ユニット44によって動作可能に実行される、サイバーフィジカルオブジェクトの制御に対する自由度を表す少なくとも1つのパラメータ化関数に関するパラメータ値の変動を実行するステップS28を含む。
【0139】
本発明によれば、また上で説明されているように、任意のパラメータ変動は、活性化パターンおよび関連する専用パラメータ観測を反映する関係するオブザーバ(observer)パターンの形態で表され得る。
【0140】
さらに、本発明によれば、パラメータ値変動は、所定のパラメータ値変動戦略に従って実行され得る。ここで、パラメータ値変動は、ランダムなパラメータ値変動戦略、少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの挙動モデリングを使用して少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトの機能にアライメントされたパラメータ値変動を識別する挙動モデル駆動パラメータ値変動戦略、またはランダムなパラメータ値変動戦略と挙動モデル駆動パラメータ値変動戦略とのハイブリッド形態を含む群から選択され得る。
【0141】
さらに、本発明によれば、パラメータ値変動は、生成されるべき制御プロセスに関与しない少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに対処するために制御プロセス実験の実行前にパラメータ変動空間の静的刈り込みを使用し得る。
【0142】
さらに、本発明によれば、パラメータ値変動は、少なくとも1つの制御プロセス制約条件の違反に先験的に至る少なくとも1つのパラメータ値変動に対処するために制御プロセス実験の実行前にパラメータ変動空間の静的刈り込みを使用し得る。
【0143】
さらに、本発明によれば、パラメータ値変動は、パラメータ変動空間の動的刈り込みを使用して、実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう制御プロセス実験の進行がないことを示す少なくとも1つのパラメータ値変動の繰り返しを除外し得る。
【0144】
図10に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法は、制御プロセステスト環境インターフェース46によって動作可能に実行される、少なくとも1つのパラメータ値変動を制御プロセステスト環境にサブミットする、制御プロセステスト環境から少なくとも1つのパラメータ値変動に応答する専用パラメータ観測を受信するように適合される、ステップS30を含む。
【0145】
図10に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法は、実験コントローラ48によって動作可能に実行される、実際の制御プロセス観測から実際の制御プロセス観測ターゲットへの遷移を促進するようにプロセス実験実行および関係する少なくとも1つの制御プロセス実験ステップを制御する、ステップS32を含む。
【0146】
図10に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法は、実験評価ユニット50によって動作可能に実行される、人工ポテンシャル目的関数APを使用して実際の制御プロセス観測ターゲットに向かう制御プロセス実験の進行に関して専用パラメータ観測を評価するステップ32の第1のサブステップを含む。
【0147】
図10に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法は、制御プロセス命令生成ユニット52によって動作可能に実行される、制御プロセス実験の進行に際してパラメータ値変動から少なくとも1つの制御プロセス命令を生成するステップS32の第2のサブステップを含む。
【0148】
図10に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス命令を生成する方法は、実験制御ユニット54によって動作可能に実行される、所定の制御プロセス実験戦略に従って制御プロセス実験を制御するステップS32の第3のサブステップを含む。
【0149】
図11は、図9に示されている実験コントローラ48のさらに詳細な概略図を示している。
【0150】
図11に示されているように、実験コントローラ48は、制御プロセス実験メモリ56を有する制御プロセス命令生成ユニット52と、実験評価ユニット50と、実験制御ユニット54とを備える。
【0151】
動作可能に、制御プロセス命令生成ユニット52は、制御プロセス実験の実行中に生成された少なくとも1つのパラメータ値変動、任意選択で関係付けられたパラメータ活性化、任意選択で関係付けられた専用パラメータ観測、および任意の他のタイプの実験関係データを制御プロセス実験メモリ56に記憶するように適合されている。
【0152】
さらに、制御プロセス実験メモリ56に記憶されているデータは、次いで、制御プロセス実験の進行後、たとえば、すべてのパラメータ変動の直後、または制御プロセス実験もしくは制御プロセス実験のシーケンスの終了に成功した後に、少なくとも1つの制御プロセス命令の生成のために制御プロセス命令生成ユニット52によって使用される。
【0153】
たとえば、制御プロセス命令生成ユニット52は、制御プロセス実験の進行に際して制御プロセス実験メモリに記憶されている少なくとも1つのパラメータ値変動から少なくとも1つの制御プロセス命令を生成するように適合され得る。
【0154】
さらに、図11に示されているように、実験評価ユニット50は、観測評価ユニット58、制約条件評価ユニット60、および実験クロック62を備える。
【0155】
動作可能に、観測評価ユニット58は、制御プロセス実験実行エンジン32によって処理されるべき少なくとも1つの専用パラメータ観測を評価するように適合されている。
【0156】
動作可能に、制約条件評価ユニット60は、制御プロセス実験に課される少なくとも1つの制約条件の制約条件違反を監視するように適合されている。
【0157】
動作可能に、実験クロック62は、制御プロセス実験に対するタイムアウト条件を監視するように適合される。
【0158】
さらに、図11に示されているように、実験制御ユニット54は、実験継続ユニット64および実験終了ユニット66を備える。
【0159】
動作可能に、実験継続ユニット64は、制御プロセス実験の継続に関して制御プロセス実験戦略を実装するように適合されている。
【0160】
動作可能に、実験終了ユニット66は、制御プロセス実験の継続に関して制御プロセス実験器具を実装するように適合されている。
【0161】
図12は、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復のために図11に示されている実験評価ユニット50および実験制御ユニット54によって実行される動作のフローチャートを示している。
【0162】
一般的に、本発明によれば、制御プロセス実験の反復プロセスは、制御プロセス実験に対して定義された解空間内の任意の開始点から開始すること、したがって、開始点から所定の定義済み実験開始点への開始遷移が見つけられなければならないことが仮定され得る。
【0163】
本発明によれば、開始遷移は、制御プロセス実験の反復に対して指定された制御プロセス観測開始ターゲットに向かって移動する制御プロセス実験の開始反復プロセスの実行によって達成される。実際の制御プロセス観測から制御プロセス観測開始ターゲットへの遷移を促進するために、サイバーフィジカルシステムおよびそこで動作する少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトに関する専用の知識が使用され得る。
【0164】
制御プロセス観測開始ターゲットに到達した後、少なくとも1つの制御プロセス実験に対する反復プロセスが開始する。ここで、すべての制御プロセス実験の終了時に、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復が終了するかどうかの決定が下されなければならない。この決定に応じて、反復は、次の制御プロセス実験の準備を通して継続されるか、またはたとえば、それの終了が成功した後に終了する。
【0165】
図12に示されているように、専用パラメータ観測の評価を達成するために、以下で詳細に説明されるようにステップのシーケンスが実行される。
【0166】
図12に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、実験評価ユニット50の観測評価ユニット58によって動作可能に実行される、人工ポテンシャル費用関数から人工ポテンシャルに対する値を計算する、ステップS34を含む。
【0167】
ここで、人工ポテンシャルの値の計算は、活性化パターンのサブミットに応答して制御プロセステスト環境から受信された専用パラメータ観測に関して実行される。ここで、前処理ステップ、たとえば、間接的観測に関する論理推論、または測定データの任意の変換は、制御プロセステスト環境の観測によって実行されるか、または代替的に、人工ポテンシャル計算プロセスに少なくとも一部は統合され得る。
【0168】
さらに、本発明によれば、人工ポテンシャルは、人工ポテンシャル目的関数の引力ポテンシャルフィールドから計算され、実際の制御プロセス観測ターゲットへの進行を定量化し得る。
【0169】
また、人工ポテンシャルは、専用パラメータ観測の生成に対する実験労力を少なくとも反映する専用パラメータ観測に対する費用関数値を反映し得る。費用関数値は、複数の反復オプションが利用可能であるときに制御プロセス実験の反復に関して使用され決定され得る。
【0170】
図12に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、実験評価ユニット50の観測評価ユニット58によって動作可能に実行される、人工ポテンシャルを評価し、人工ポテンシャル計算結果に応じてさらなる制御プロセス実験反復を決定する、ステップS36を含む。
【0171】
上で概要が説明されているように、人工ポテンシャルに対する値がゼロであることは、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復が次の制御プロセス実験の実行を決定するステップS38に分岐するように制御プロセス実験の終了が成功したことを意味する。そうでなければ、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、少なくとも1つの適用可能な制約条件の評価を行うステップS40に進む。
【0172】
図12に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、実験評価ユニット50の制約条件評価ユニット60によって動作可能に実行される、少なくとも1つの制約条件を評価する、ステップS40を含む。
【0173】
ここで、すべての制約条件は、制御プロセス観測ターゲットへの遷移中に満たされるべき少なくとも1つの境界条件を定義する。境界条件は、単一の制御プロセス実験ステップ、制御プロセス実験ステップのシーケンス、制御プロセス観測ターゲットに関する少なくとも1つのタイミング、および/または少なくとも1つのサイバーフィジカルオブジェクトCPOに割り当てられた少なくとも1つのパラメータ化関数の少なくとも1つのパラメータに関して指定され得る。
【0174】
本発明によれば、制約条件違反は、人工ポテンシャル目的関数の斥力ポテンシャルフィールドに従って観測依存制約条件値を計算することによって識別され得る。
【0175】
図12に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、実験評価ユニット50の制約条件評価ユニット58によって動作可能に実行される、専用パラメータ観測評価結果に応じて制御プロセス実験のさらなる反復を決定する、ステップS42を含む。
【0176】
上で概要が説明されているように、制約条件の違反は、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復が次の制御プロセス実験の実行を決定するステップS38に分岐するように制御プロセス実験の即時終了を引き起こす。そうでなければ、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、実験実行時間の評価を行うステップS44に進む。
【0177】
図12に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、実験評価ユニット50の実験クロック62によって動作可能に実行される、タイムアウトに応じて制御プロセス実験のさらなる反復を決定する、ステップS44を含む。
【0178】
より詳細には、制御プロセス実験のタイムアウトは、制御プロセス実験に対する実行時間が所定値を超えて制御プロセス実験が終了することを意味する。
【0179】
次いで、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、ステップS38に分岐し、次の制御プロセス実験の実行を決定する。そうでなければ、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、現在実行されている制御プロセス実験の継続を決定するステップS46に進む。
【0180】
上記では、専用パラメータ観測の評価が、人工ポテンシャル計算、少なくとも1つの制約条件違反の評価、およびタイムアウトの評価のシーケンスとして説明されているが、本発明によれば、他の任意の好適なシーケンスが適用可能であり得ることに留意されたい。たとえば、評価は、処理時間の無駄を避けるために最初に実行されてよい。また、少なくとも1つの制約条件の評価および時間の評価は、図12に示されているシーケンスに関して順番に尊重され得る。
【0181】
図12に示されているように、さらに専用パラメータ観測評価の評価に対して、またその結果に応じて、少なくとも1つの制御プロセスの反復は、以下で説明されるように所定の制御プロセス実験戦略に従って制御プロセス実験反復のさらなる進行を決定することにも関係する。
【0182】
図12に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、実験制御ユニット54の実験継続ユニット64によって動作可能に実行される、現在実行されている制御プロセス実験の継続を決定する、ステップS46を含む。
【0183】
ステップS46における決定が肯定的である場合、制御プロセス実験の反復は、次の専用パラメータ観測に対する人工ポテンシャルを計算するステップS34で再開する。
【0184】
ここで、ステップS46の実行の結果は、関係する観測依存進行値が所定の閾値より低く、関係する観測依存制約条件値が指定された制約条件を満たすときに制御プロセス実験の中間結果として考察中の専用パラメータ観測をもたらすパラメータ値変動を受け入れることであってもよい。
【0185】
さらに、ステップS46の実行の結果は、関連する制約条件に違反することなく、同じ人工ポテンシャル、したがって同じ観測依存進行値を有する複数の専用パラメータ観測から最低費用関数値を有する専用パラメータ観測の選択であってよい。
【0186】
さらに、ステップS46の実行の結果は、現在の制御プロセス実験がタイムアウトにより終了したときに次の制御プロセス実験を開始することによって反復プロセスを継続することであってもよい。
【0187】
さらに、ステップS46の実行の結果は、制御プロセス制約条件違反を回避するために制御プロセス進行なしで中間制御プロセス段階で制御プロセス実験を継続することであってもよい。
【0188】
ここまでの理由は、極小を免れること、または予見可能な制約条件違反を回避することであり得る。たとえば、ターゲット位置から遠ざかる方向に移動方向を変更することによって直線的移動の際に衝突を引き起こすコンステレーションを回避するために人工ポテンシャル増大を受け入れることが有用な場合もあり得るが、移動オブジェクトとポテンシャル障壁との間に衝突はない。
【0189】
さらに、ステップS46の実行の結果は、現在の制御プロセス実験を継続しないことであり、次いで、制御プロセス実験の反復はステップS38に進み、反復プロセスの継続を決定する。
【0190】
図12に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、実験制御ユニット54の実験継続ユニット64によって動作可能に実行される、次の制御プロセス実験の開始を通しての反復プロセスの継続、または反復プロセスの終了を決定する、ステップS38を含む。
【0191】
ステップS38における決定が肯定的である場合、制御プロセス実験の反復は、ステップS48に進み、次の制御プロセス実験を準備し、開始する。そうでなければ、制御プロセス実験の反復は、反復プロセスの終了のためにステップS50に進む。
【0192】
図12に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、実験制御ユニット54の実験継続ユニット64によって動作可能に実行される、反復プロセスの継続のために次の制御プロセス実験を準備し開始する、ステップS48を含む。
【0193】
典型的には、次の制御プロセス実行実験を開始するステップS48は、実際の専用パラメータ観測が実際の制御プロセス観測ターゲットに対応するときに実行される。
【0194】
さらに、ステップS48は、先行する制御プロセス実験の制御プロセス実験結果に従って次の制御プロセス実験の開始条件を設定するために、たとえば、先行する制御プロセス実験がタイムアウトにより終了しないときに実行され得る。
【0195】
さらに、ステップS48は、専用パラメータ観測が実際の制御プロセス観測ターゲットに対応するときに制御プロセス実験を再開するために実行され、考察中の制御プロセス実験の開始時に優勢であった実際の制御プロセス観測から実際の制御プロセス観測ターゲットへの少なくとも1つの代替的遷移を識別するものとしてよい。
【0196】
図12に示されているように、少なくとも1つの制御プロセス実験の反復は、実験制御ユニット54の実験終了ユニット64によって動作可能に実行される、反復プロセスの終了を実行する、ステップS50を含む。
【0197】
ここで、反復プロセスの終了は、最終制御プロセス観測ターゲットに到達していないとき、または最終制御プロセス観測ターゲットに到達したときに生じる。
【0198】
さらに、最終制御プロセス観測ターゲットに到達したときに、ステップS50は、少なくとも1つの制御プロセス実験に対する反復プロセスを後処理するために、たとえば、制御プロセス命令生成ユニット52の制御プロセス実験メモリ56に記憶されている基礎データに基づき少なくとも1つの制御プロセス命令を生成するために実行され得る。
【0199】
上では、本発明は一般的に説明されているが、以下では、本発明による自動化制御プロセス生成をモーションコンベア、バッファモジュール、および処理モジュールからセットアップされたワークステーションの制御に適用する一例が説明される。したがって、ワークステーションは、サイバーフィジカルシステムの一例であり、モーションコンベア、バッファモジュール、および処理モジュールの例はサイバーフィジカルオブジェクトに関係する。
【0200】
図13は、本発明による自動生成制御プロセスによって制御されるべきワークピース処理ステーションの一部を形成するモーションコンベア68を示している。
【0201】
動作可能に、モーションコンベア68は、ワークピースを搬送するために使用されるワークピースキャリアを移動させる役割を果たす。
【0202】
モーションコンベア68は、モーションコンベアを後退、停止、または前進モードで動作させることによってモーションコンベア68を制御するための第1の自由度を表す1つのパラメータP1を有する1つのパラメータ化関数F6(P1)を割り当てられている。モーションコンベア68に関して、モーションコンベアの動きを観測する1つのオブザーバC8が動作する。
【0203】
したがって、モーションコンベア68に割り当てられたパラメータ化関数は、F6(P1):=
【0204】
【数10】
【0205】
により定義される。
【0206】
結論として、モーションコンベア68は、1つのパラメータ化関数F6(P1)を割り当てられており、パラメータP1によって表されるようなその制御のための1つの自由度を有する。
【0207】
さらに、パラメータ化関数F6(P1)の定義から、オブザーバC8の出力は、モーションコンベア68の動作モードに応じて異なる値C8A、C8B、C8Cを有することになる。
【0208】
したがって、モーションコンベア68に関連する制御プロセス実験の実行中に、パラメータP1は、変化させられてもよい。パラメータP1の変動は、次いで、オブザーバC8による関係する専用パラメータ観測C8A、C8B、またはC8Cの生成のために制御プロセステスト環境にサブミットされる。
【0209】
図6に関して上で説明されているように、モーションコンベア68は、また、パラメータP1の専用の式によって定義される状態S_conveyor_1、S_conveyor_2、S_conveyor_3を有する挙動モデルを割り当てられていてもよい。より詳細には、このような状態は、以下による専用パラメータ観測C8A、C8B、またはC8Cと組み合わせたパラメータP1の専用の式の対として記述され得る。
S_conveyor_1
{P1=前進}<-->{C8A}
S_conveyor_2
{P1=後退}<-->{C8B}
S_conveyor_3
{P1=停止}<-->{C8C}
【0210】
モーションコンベアに関して上で導入された体系論は、以下においてワークピース処理ステーションのさらなる構成モジュールに関しても一貫して適用される。
【0211】
図14は、ワークピース処理ステーションの一部を形成するバッファモジュール70を示している。
【0212】
図14に示されているように、バッファモジュール70は、バッファストッパー72およびバッファ近接センサー74を備える。
【0213】
動作可能に、バッファストッパー72は、バッファモジュール70内のワークピースキャリア76上に位置決めされたワークピース78を搬送するワークピースキャリア76を保持するように伸長されるか、またはワークピースキャリア76をバッファモジュール70に通すように引っ込められ得る。
【0214】
さらに、動作可能にバッファ近接センサー74は、バッファストッパー72の状態に応じてバッファモジュール70の占有または撤去のいずれかを示し得る。
【0215】
バッファモジュール70は、バッファストッパー72を動作させることによりバッファモジュール70を制御するための第1の自由度を表す1つのパラメータP2を有する第1のパラメータ化関数F5(P2)を割り当てられている。バッファモジュール70に関して、バッファストッパー72の伸長または引き込みを観測するために第1のオブザーバC6が動作する。
【0216】
したがって、バッファモジュール70に割り当てられた第1のパラメータ化関数は、F5(P2):=
【0217】
【数11】
【0218】
により定義される。
【0219】
さらに、バッファモジュール70は、バッファ近接センサー74の出力を観測することによる制御に対する第2の自由度を表す1つのパラメータP3を有する第2のパラメータ化関数F7(P3)を割り当てられている。バッファモジュール70に関して、バッファ近接センサー74の占有または撤去を観測するための第2のオブザーバC7が動作する。
【0220】
したがって、バッファモジュール70に割り当てられた第2のパラメータ化関数は、F7(P3):=
【0221】
【数12】
【0222】
により定義される。
【0223】
結論として、バッファモジュール70は、2つのパラメータ化関数F5(P2)、F7(P3)を割り当てられており、パラメータP2、P3によって表されるようなその制御のための2つの自由度を有する。このことから、バッファモジュール70の関連する状態は、次のように要約される。
S_buffer_1
【0224】
【数13】
【0225】
S_buffer_2
【0226】
【数14】
【0227】
S_buffer_3
【0228】
【数15】
【0229】
S_buffer_4
【0230】
【数16】
【0231】
図15は、ワークピース処理ステーションの一部を形成する処理モジュール80を示している。
【0232】
図15に示されているように、処理モジュール80は、RFIDリーダー82、処理モジュールPM近接センサー84、処理モジュールPMストッパー86、および処理モジュールPM位置決めモジュール88を備える。
【0233】
動作可能に、PMストッパー86は、伸長されるか、または引っ込められ得る。また、PM位置決めモジュール88は、伸長されるか、または引っ込められ得る。
【0234】
さらに、処理モジュール80内へのワークピースキャリア76の移動は、RFIDリーダー82またはPM近接センサー84によって検出され得る。
【0235】
さらに、動作可能に処理モジュール80内へのワークピースキャリア76の移動が検出された後、PMストッパー86が伸長されて、処理モジュール80内にワークピースキャリア76を保持する。次いで、PM位置決めモジュール88は、ワークピースキャリア76によって運ばれるワークピース78を作業位置に位置決めする。
【0236】
処理モジュール80は、PMストッパー86を動作させることにより処理ステーションを制御するための第1の自由度を表す1つのパラメータP4を有する第1のパラメータ化関数F1(P4)を割り当てられている。PMストッパー86に関して、PMストッパー86の伸長または引き込みを観測するために第1のオブザーバC1が動作する。
【0237】
したがって、処理モジュール80に割り当てられた第1のパラメータ化関数は、F1(P4):=
【0238】
【数17】
【0239】
により定義される。
【0240】
さらに、処理モジュール80は、PM位置決めモジュール88を動作させることによって処理モジュール80を制御するための第2の自由度を表す1つのパラメータP5を有する第2のパラメータ化関数F2(P5)を割り当てられている。PM位置決めモジュール88に関して、PM位置決めモジュール88の伸長または引き込みを観測するために第2のオブザーバC2が動作する。
【0241】
したがって、処理モジュール80に割り当てられた第2のパラメータ化関数は、F2(P5):=
【0242】
【数18】
【0243】
により定義される。
【0244】
さらに、処理モジュール80は、PM近接センサー84の出力を観測することによって処理モジュール80を制御するための第3の自由度を表す1つのパラメータP6を有する第3のパラメータ化関数F3(P6)を割り当てられている。PM近接センサー84に関して、PM近接センサー84の占有または撤去を観測するために第3のオブザーバC3が動作する。
【0245】
したがって、処理モジュール80に割り当てられた第3のパラメータ化関数F3(P6)は、F3(P6):
【0246】
【数19】
【0247】
により定義される。
【0248】
さらに、処理モジュール80は、RFIDセンサー82の出力を観測することによる制御に対する第4の自由度を表す1つのパラメータP7を有する第4のパラメータ化関数F4(P7)を割り当てられている。RFIDセンサー82に関して、RFIDセンサー82の出力を観測するために第4のオブザーバC4が動作する。
【0249】
したがって、処理モジュール80に割り当てられた第3のパラメータ化関数F3(P6)は、F4(P7):=
【0250】
【数20】
【0251】
により定義される。
【0252】
結論として、処理モジュール80は、4つのパラメータ化関数F1(P4)、F2(P5)、F3(P6)、F4(P7)を割り当てられており、パラメータP4、P5、P6、およびP7によって表されるようなその制御のための4つの自由度を有する。このことから、バッファモジュールの関連する状態は、次のように要約される。
S_PM_1
【0253】
【数21】
【0254】
S_PM_2
【0255】
【数22】
【0256】
S_PM_5
【0257】
【数23】
【0258】
S_PM_6
【0259】
【数24】
【0260】
S_PM_7
【0261】
【数25】
【0262】
S_PM_8
【0263】
【数26】
【0264】
S_PM_9
【0265】
【数27】
【0266】
S_PM_10
【0267】
【数28】
【0268】
S_PM_11
【0269】
【数29】
【0270】
S_PM_17
【0271】
【数30】
【0272】
S_PM_18
【0273】
【数31】
【0274】
S_PM_19
【0275】
【数32】
【0276】
S_PM_25
【0277】
【数33】
【0278】
S_PM_26
【0279】
【数34】
【0280】
S_PM_27
【0281】
【数35】
【0282】
S_PM_29
【0283】
【数36】
【0284】
S_PM_30
【0285】
【数37】
【0286】
S_PM_31
【0287】
【数38】
【0288】
S_PM_32
【0289】
【数39】
【0290】
図16は、本発明による自動化制御プロセス生成のためのプロセス観測ターゲットの例を示している。
【0291】
図16に示されているターゲットは、ワークピースに関する実際の作業プロセスの観点から指定されており、したがって生産現場における動作条件を反映している。
【0292】
図16に示されているように、本発明による自動化制御プロセス生成のための第1のプロセス観測ターゲットに対応する第1のターゲットT1は、動作可能にバッファモジュール70がワークピースキャリア76で占有され、ワークピース78が処理モジュール80への進入を待機していることである。
【0293】
図16に示されているように、本発明による自動化制御プロセス生成のための第2のプロセス観測ターゲットに対応する第2のターゲットT2は、ワークピースキャリア76が処理ステーション80に入ったこと、およびワークピース76上のIDタグが読み取り可能であることである。
【0294】
図16に示されているように、本発明による自動化制御プロセス生成のための第3のプロセス観測ターゲットに対応する第3のターゲットT3は、ワークピースキャリア76が位置決めモジュール88によって処理ステーション80内でワークピース76を処理するための処理位置に移動されていることである。
【0295】
図16に示されているように、本発明による自動化制御プロセス生成のための第3のプロセス観測ターゲットに対応する第4のターゲットT4は、ワークピースキャリア76上の処理が終了し、ワークピース76が処理ステーション80から出ることである。
【0296】
図17は、本発明による自動化制御プロセス生成の例に対して指定されているようなパラメータ化関数、制約条件、および制御プロセス観測ターゲットの状態および関係するパラメータの例を示している。
【0297】
図17に示されているように、本発明によれば、図16に関して上で説明されている異なるターゲットT1、T2、T3、T4は、制御プロセス観測ターゲットの形式的表現TP1、TP2、TP3、TP4に変換される。
【0298】
図17に示されているように、本発明によれば、生成されるべき制御プロセスは、到達すべき、また観測を通して検証されるべき制御プロセスターゲット観測TP1、TP2、TP3、TP4のシーケンスとして指定される。自動化制御プロセス生成は、制御プロセス実験の結果の検証のための観測のみに依存するので、制御されるべきサイバーフィジカルシステムの挙動モデリングは必要ない。
【0299】
図17に示されているように、本発明によれば、生成されるべき制御プロセスは、サイバーフィジカルシステムの制御のためにその生成後の生成済み制御プロセスを実行するときに満たさなければならない制約条件に関して指定され得る。
【0300】
ここで、制約条件違反は、実行時にのみ識別され、したがって実行制御プロセス実験を必要とし得ることに留意されたい。言い方を変えると、制約条件は静的方式で指定され得るが、制約条件に違反しているかどうかの答えは、上で概要が説明されているように自動化制御プロセス生成に時間の変化の態様を導入することによってのみ与えられ得る。
【0301】
図17に示されているように、本発明による制御プロセス観測ターゲットの指定は、以下ではターゲットパターンとも称される関係する制御プロセス観測ターゲットパターンTP1、TP2、TP3、TP4の指定を通して達成され得る。ターゲットパターンは、サイバーフィジカルオブジェクト、ここでは、モーションコンベア68、バッファモジュール70、および処理ステーション80の少なくとも1つの状態または部分的状態を定義する。
【0302】
図17に示されているように、サイバーフィジカルオブジェクトのいくつかの状態または部分的状態が、自動化制御プロセス生成に関連しないときに、ターゲットパターン内の関連するエントリは、「何でも良い」としてオープンなままであるので、自動化制御プロセス生成のための自由度および解空間を増やす。
【0303】
上の説明から、考察されている例に対する制御プロセス観測ターゲットの指定は以下の通りである。
【0304】
ターゲットT1:バッファ占有済み、ワークピースは進入を待つ
ターゲット状態T1:
S_buffer_1
【0305】
【数40】
【0306】
前提条件パターンT1:
S_conveyor_1
{P1=前進}<-->{C8A}
ターゲットパターンTP1:
【0307】
【数41】
【0308】
ターゲットT2:ステーション内のキャリア、IDタグ読み取り可能
ターゲット状態T2:
S_PM_32
【0309】
【数42】
【0310】
前提条件パターンT2:
S_conveyor_1
{P1=前進}<-->{C8A}
RFID読み取りに対する制約条件
・ キャリアは動いていない
・ キャリア1は無衝突
・ t_hold > t_read_min
ターゲットパターンTP2:
【0311】
【数43】
【0312】
ターゲットT3:ワークピースは処理位置にある
ターゲット状態T3:
S_PM_17
【0313】
【数44】
【0314】
前提条件パターンT3:
S_conveyor_1
{P1=前進}<-->{C8A}
ターゲットパターンTP3:
【0315】
【数45】
【0316】
ターゲットT4:プロセスは終了、キャリアはステーションを出た
ターゲット状態T4:
S_PM_1
【0317】
【数46】
【0318】
前提条件パターンT4:
S_conveyor_1
{P1=前進}<-->{C8A}
制約条件T4:
・ キャリア1が移動している
・ キャリア1は無衝突
ターゲットパターンT4:
【0319】
【数47】
【0320】
図18は、図17に示されている自動化制御プロセス生成の例に対する制御プロセス観測ターゲットに関する人工ポテンシャルの値の例を示している。
【0321】
図18に示されているように、人工ポテンシャルの値は、制御プロセスターゲット観測から制御プロセスターゲット観測へと変化し、最後の制御プロセスターゲット観測TP4に対して最後にゼロの値を有するだけである。
【0322】
さらに、以下で示されるように、少なくとも1つの制約条件に違反した後、自動化制御プロセス生成時に関係する制御プロセス実験を終了するために人工ポテンシャルの値にペナルティ値が加えられる。
【0323】
結論として、本発明による自動化制御プロセス生成は、制御プロセステスト環境から受信された専用パラメータ観測を評価しながらターゲットパターンおよび制約条件で動作することを意味する。専用パラメータ観測は、遷移制御プロセス観測ターゲットを見つけるために使用される試行パラメータ変動に対する制御プロセステスト環境の応答である。
【0324】
図19は、制御プロセス実験実行時に時間の経過とともに動的パラメータを動機付けする図16に示されているワークピース処理ステーションに対するパラメータの観測を時間を追って示している。
【0325】
上で概要が説明されているように、本発明では、制御されるべきサイバーフィジカルシステムに関するパラメータ変動の意味を動的に探索するために、また生成されるべき制御プロセスに対して、制御プロセス実験の実行に時間の変動の概念を導入している。
【0326】
図19に示されているように、制御プロセス実験の実行時に、経時的に専用パラメータ観測を追跡するための実験クロックが動作する。ここで、実験時間分解能は、コンピューティング資源が適用されるときの制御プロセステスト環境内の処理速度、たとえば適用可能なサンプリング速度に依存する。そうでなければ、ハードウェア資源が適用されるときに、実験時間分解能は、たとえば、ハードウェアの待ち時間によって決定される。
【0327】
図19に示されているように、パラメータP1がP1=conveyor stopに設定され、時間t1においてモーションコンベア68が動いていない場合、ワークピースキャリア76も動かない。このことから、バッファ近接センサー74およびPM近接センサー84から、動いているワークピースキャリアは見えず、関係する観測パターンは一定のままである。
【0328】
図19に示されているように、モーションコンベア68が動いていないときに、その結果、キャリアは時間t1で動いているべきであるという制約条件C1の違反である。これは、人工ポテンシャルに対して値が100であることに起因して最初の実行ステップの後に制御プロセス実験の終了をもたらす。
【0329】
図19に示されているように、制御プロセスターゲットパターンの概念を専用制御パラメータ観測にアライメントされるために、すべての専用パラメータ観測パターンフォーマットの結果も表現することが示唆される。たとえば、パラメータ活性化パターン[P1 = stop, P2 = ---, P3 = ---, P4 = ---, P5 = ---, P6 = ---, P7 = ---]Tは、観測パターンOP = [C8C, C6B, C7B, C1B, C2B, C3D, C4D]Tをもたらす。
【0330】
そうでなければ、観測は、観測変化に対応する前縁および後縁を有するパルス関数によって図19によるスキームにおいて表され得るように時間とともに変化し得る。上で概要が説明されているように、これのみが制御プロセス実験実行中に制約条件違反を調査することを可能にする。
【0331】
図20は、図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP1に到達するために実行される制御プロセス実験の実行を示している。
【0332】
図20に示されているように、3つの制御プロセス実験E1、E2、E3が実行されている。
【0333】
実験E2、E3は、それぞれ、キャリアが移動すべきであることを要求する制約条件C1の違反を引き起こす。理由は、モーションコンベア70の移動に対するパラメータP1が、制御プロセス実験E1に対して停止に設定されるか、または制御プロセス実験E2に対して後退に設定されていることである。したがって、制約条件違反を反映する人工ポテンシャルAPの部分APcは、100の値を有し、制御プロセス実験進行を反映する人工ポテンシャルの部分APxを支配する。
【0334】
図20に示されているように、制御プロセス実験E3は、モーションコンベア70の移動のためのパラメータP1が前進に設定されているときに成功する。したがって、人工ポテンシャルAPは0の値を有する。
【0335】
図21は、図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP1に到達するために実行される制御プロセス実験の終了を示している。
【0336】
図21に示されているように、すべての制御プロセス実験の結果は、少なくとも1つの実行ステップ、ここでは単一の実行ステップES_1および関係するパラメータ活性化パターンのシーケンスである。すべての実行ステップは、制御プロセス実験の終了に成功したことに寄与した活性化パラメータ活性化に関係する。
【0337】
図21に示されているように、すべての制御実験プロセスの結果は、さらに、実行ステップのシーケンス内の実行ステップに対応するパラメータ活性化パターンが適用され得る時間を指定する少なくとも1つの時間間隔のシーケンスである。
【0338】
図21に示されているように、すべての制御プロセス実験の結果は、さらに、制御プロセス実験の開始時刻の指示および終了時刻の指示である。
【0339】
上で概要が説明されているように、一般的に、次の制御プロセス実験の開始時刻は、成功した現在の制御プロセス実験の終了時刻、または現在の制御プロセス実験が変化したパラメータ活性化パターンで繰り返されるときの現在の制御プロセス実験の開始時刻である。
【0340】
さらに、制御プロセス実験の終了時刻は、制御プロセス実験に対して指定された最大時間t_max、または制御プロセス実験が正常に終了したときの制御プロセス実行時間のいずれかである。
【0341】
以下では、図17に示されているように最終制御プロセス観測ターゲットTP4に向けた制御プロセス実験のシーケンスが説明される。これによって、制御プロセスターゲット観測TP1に到達するように実行される第1の制御プロセス実験に関して説明されているような制御プロセス実行の一般的な態様は、繰り返される続く制御プロセス実験にも適用される。
【0342】
図22は、図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP2に到達するために実行される第1の制御プロセス実験の実行を示している。
【0343】
図22に示されているように、第1のプロセスシーケンスS1-ES1[t_start,t1]の識別の後に、制御プロセス実験の反復は、ワークピースキャリア76が処理ステーション80内にあり、ワークピース76のIDタグが読み取り可能であることを指定する後続の制御プロセス観測ターゲットTP2を続ける。
【0344】
したがって、本発明によれば、生成された自動化制御プロセスに対する反復プロセスは、すべての指定された制御プロセス観測ターゲットに関してシーケンス毎に動作する。さらに、各シーケンスにより、反復プロセスは、制御プロセス実験毎に動作し、実際の制御プロセス観測ターゲットを読み取る活性化パラメータシーケンスを識別する。
【0345】
図22に示されているように、第1の制御プロセス実験S2-ES_x[t1,t3]は、前の制御プロセス実験の最後のパラメータ活性化パターンを続ける。しかしながら、単純にモーションコンベア70の移動を継続することは、IDタグ読み取り中にワークピースキャリア76が移動すべきでないという条件C2、および最小読み取り時間thold>tread_minを必要とする制約条件C4が成立しないので失敗する。これは、人工制約条件に対して200の値をもたらす。
【0346】
図22および以下に示されているように、成功したパラメータ活性化パターンは、点線の下線を引かれ、制約条件違反または0より大きい人工ポテンシャル値につながるパラメータ活性化パターンは太線の下線を引かれている。
【0347】
図23は、図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP2に到達するために実行される第2の制御プロセス実験の実行を示している。
【0348】
図23に示されているように、TP2に到達するための第2の制御プロセス実験は、バッファモジュール70のバッファストッパー72を伸長することである。ここで、制約条件に違反していないけれども、制御プロセス実験は、ワークピースキャリア76が処理ステーション80に到達しないという理由によりタイムアウトすることで失敗する。
【0349】
図24は、図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP2に到達するために実行される第3の制御プロセス実験の実行を示している。
【0350】
図24に示されているように、到達するための第3の制御プロセス実験は、処理モジュール80のPMストッパー86を引っ込めた状態に維持することである。しかしながら、この制御プロセス実験は、ワークピース76が単に処理ステーション80を通って移動するときに満たされないthold>tread_minを必要とする制約条件C4の違反に起因して失敗する。
【0351】
図25は、図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP2に到達するために実行される第4の制御プロセス実験の実行を示している。
【0352】
図25に示されているように、TP2に到達するための第4の制御プロセス実験は、処理モジュール80のPMストッパー86を伸長することである。ここで、制約条件違反はないが、制御プロセス実験は、処理ステーション80のPM RFID82に関して未定義のパラメータP7に起因するタイムアウトにより終了する。時刻tstart、t2、およびt3でのOP1におけるC4Dを参照されたい。
【0353】
図26は、図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP2に到達するために実行される第5の制御プロセス実験の実行を示している。
【0354】
図26に示されているように、TP2に到達するための第5の制御プロセス実験では、第4の実験のパラメータ活性化パターンを、読み取るべきPM RFID82に関するパラメータP7を設定することによって修正する。したがって、第5の制御プロセス実験は、PM RFID82の活性化に起因して時間期間ΔT=tread_minにわたって実行された後に成功する。
【0355】
TP2に到達するための第5の制御プロセス実験が成功したので、プロセス反復は、処理モジュール80内のワークピースを位置決めするために新しい制御プロセス観測ターゲットTP3を続ける。
【0356】
図27は、図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP3に到達するために実行される第1の制御プロセス実験の実行を示している。
【0357】
図27に示されているように、TP3に到達するための第1の制御プロセス実験は、TP2に到達するための前の制御プロセスの最終パラメータ活性化から開始し、伸長するように位置決めモジュールに関するパラメータP5を修正する。これは直接的に、TP3に到達するための第1の制御プロセス実験の終了の成功をもたらし、それにより反復プロセスは次の制御プロセス観測ターゲットTP4を続ける。
【0358】
上記を考慮して、制御プロセス実験に対する反復プロセスは--制約条件の違反がないという条件の下で--中間制御プロセス実験が0より大きい人工ポテンシャルの値で終了したとしてもシーケンスが継続され得るコンステレーションもカバーすることは理解されるべきである。これは、また、極小を免れ、潜在的な制約条件違反を回避することを可能にする。
【0359】
図28は、図17に示されている制御プロセスターゲット観測TP4に到達するために実行された第1の制御プロセス実験の実行、プロセスが終了したこと、ワークピースキャリアが処理モジュールを出たことを示している。
【0360】
図28に示されているように、TP4に到達するための第1の制御プロセス実験は--先行する制御プロセス実験においてPM RFID読み取りの成功に対する観測C4Aの後に--すべてのプロセスステーション関係パラメータP4、P5、P7をデフォルトにリセットする。TP4に到達する第1の制御プロセス実験は、複数のパラメータも制御プロセス実験の単一の実行ステップで変化させられ得ることを示している。
【0361】
図28に示されているように、TP4に到達するための第1の制御プロセス実験は直接的に、TP3に到達するための第1の制御プロセス実験の終了の成功をもたらす。さらなる制御プロセスターゲット観測は指定されないので、制御プロセス実験に対する反復プロセスは、正常に終了する。
【0362】
図29は、中間制御プロセス段階に到達し、制約条件違反を回避するために制御プロセスを進行させずに進行する制御プロセス実験の継続シナリオを示している。
【0363】
図29に示されているように、継続シナリオの基礎となるプロセス構成では、ワークピースが水平線形ユニットおよび垂直線形ユニットによって位置決めされる。
【0364】
図29の左側に示されているように、ワークピースは処理位置に位置決めされ、ワークピース上のプロセスが終了したと仮定すると、水平線形ユニットの開始位置に直接的に戻る移動は、望ましくない場合もある処理位置からワークピースを取り除くことになる。
【0365】
図29の真ん中および右側に示されているように、この問題を解決する適切な方法は、ワークピースからグリップを解放し、上方に移動し右に進んで次のワークピースを処理するための処理サイクル開始位置に戻ることである。これは、最短経路からの逸脱を意味するが、それにもかかわらず、全体的な制御プロセスの正常な終了をもたらす。
【0366】
本発明は図面を参照しつつ説明されているが、明らかに本発明は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者に明らかであり、容易になされ得る変更および修正を使用して実装され得ることにも留意されたい。たとえば、上で説明されている機能性はソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組合せで実現され得る。
【0367】
したがって、本明細書に付属する特許請求の範囲は、本明細書において述べられたような説明に限定されず、むしろ特許請求の範囲は、本発明が関連する技術分野の当業者によってこれと同等に扱われるであろうすべての特徴を含む、本発明の中心的な位置を占める提示可能な新規性のすべての特徴を包含するものとして解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0368】
10 制御プロセス指定エンジン
12 ターゲット指定ユニット
14 制御プロセス実験指定ユニット
16 オブジェクト観測ターゲット
18 専用パラメータ観測
20 制御プロセス観測ターゲット
22 専用パラメータ観測
24 観測指定ユニット
26 人工ポテンシャル指定ユニット
28 制約条件指定ユニット
30 制御プロセス実験戦略指定ユニット
32 制御プロセス実験実行エンジン
34 制御エンジン
36 活性化ロジック
38 観測ロジック
40 データバス
42 観測ターゲット選択ユニット
44 パラメータ変動ユニット
46 制御プロセステスト環境インターフェース
48 実験コントローラ
50 実験評価ユニット
52 制御プロセス命令生成ユニット
54 実験制御ユニット
56 制御プロセス実験メモリ
58 観測評価ユニット
60 制約条件評価ユニット
62 実験クロック
64 実験継続ユニット
66 実験終了ユニット
68 モーションコンベア
70 バッファモジュール
72 バッファストッパー
74 バッファ近接センサー
76 ワークピースキャリア
78 ワークピース
80 処理モジュール
82 RFIDリーダー
84 処理モジュールPM近接センサー
86 処理モジュールPMストッパー
88 処理モジュールPM位置決めモジュール
図1
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【外国語明細書】