(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077604
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】爆発燃焼エンジンを備える自律式農業用機械
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20240531BHJP
A01B 39/16 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
A01B69/00 302
A01B39/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023192515
(22)【出願日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】2212419
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】509003265
【氏名又は名称】エクセル インダストリーズ
【氏名又は名称原語表記】EXEL INDUSTRIES
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】ティボー バクル
(72)【発明者】
【氏名】ジョセリン ゴティエ
(72)【発明者】
【氏名】ポール ジャンテ
【テーマコード(参考)】
2B034
2B043
【Fターム(参考)】
2B034AA07
2B034BA07
2B034BB03
2B034BC03
2B034HA11
2B043AA04
2B043AB01
2B043AB15
2B043BA09
2B043BB07
2B043DA20
2B043DC03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】公知の自律式農業用機械は典型的には30馬力未満の出力の石油又は電気エンジンシステムを備えるが、一般的な問題としてはより大きな出力が必要なことから、爆発燃焼エンジンシステム及び特定の冷却システムを備える自律式農業用機械を提案する。
【解決手段】自律式農業用機械(1)は、逆U字部を有するフレーム(2)を備え、屋根を有し、エンジン(3)を備える熱エンジンシステムを備え、自律式農業用機械(1)のフレーム(2)の上部、屋根の直下に配置される空気循環ダクト(4)を有する冷却システムを備え、ダクト(4)は、外気を前記空気循環ダクト(4)に取り込む少なくとも1つの開口と、熱気を前記屋根の上へと上方に排出する上部空気口とを備え、冷却システムは、空気循環ダクト(4)内の空気の循環を確保する換気装置をさらに備え、空気循環ダクト(4)は、空気を循環させて、エンジン(3)を冷却する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの前輪(13)及び少なくとも1つの後輪(13)が接続される逆U字部を有し、軌道を画定するフレーム(2)であって、前記逆U字部の分岐部に対応する2つの側部と、前記逆U字部の基部に対応する屋根を有するフレーム(2)と、
エンジン(3)を備える燃焼エンジンシステムと、
前記フレーム(2)の上部、前記屋根の直下に配置される空気循環ダクト(4)を有する冷却システムであって、前記空気循環ダクト(4)が、外気を前記空気循環ダクト(4)に取り込む少なくとも1つの開口と、熱気を前記屋根の上へと上方に排出する上部空気口とを備える、冷却システムと、
を備える自律式農業用機械(1)であって、
前記冷却システムは、前記空気循環ダクト(4)内の空気の循環を確保する換気装置を備え、
前記空気循環ダクト(4)は、空気を循環させて、前記エンジン(3)を冷却、特に前記エンジン(3)内を循環する水流及び/又は前記自律式農業用機械(1)の油圧システムの油圧回路内を循環するオイル流を冷却するように構成される、
自律式農業用機械(1)。
【請求項2】
前記空気循環ダクト(4)は、縦方向及び横方向の通路(41)であって、通路(41)の間に少なくとも1つの容積(42)を形成するように構成された通路(41)を備え、
前記容積(42)内に、前記空気循環ダクト(4)内を循環する空気の熱を放散させる少なくとも1つのラジエータを備える、
請求項1の自律式農業用機械(1)。
【請求項3】
前記換気装置は、前記屋根の上に配置される少なくとも1つのファン(6)を備える請求項1又は2の自律式農業用機械(1)。
【請求項4】
前記空気循環ダクト(4)は、外気を前記空気循環ダクト(4)に取り込む後部開口(43)及び2つの縦開口(43)を備える請求項1又は2の自律式農業用機械(1)。
【請求項5】
前記空気循環ダクト(4)の少なくとも1つの前記開口(43)は、空気を通し、外部の異物が前記空気循環ダクト(4)に取り込まれることを防ぐように構成されるグリッドにより閉められる請求項1又は2の自律式農業用機械(1)。
【請求項6】
前記エンジンシステムは、排気装置と、空気フィルタ(33)とを備え、
前記エンジン(3)は、前記フレーム(2)の1つの側面に配置される、すなわち、前記フレーム(2)の前記U字部の前記分岐部と実質的に整列しており、
前記空気フィルタ(33)は、前記エンジン(3)の反対側に配置される、すなわち、前記フレーム(2)の前記U字部の反対の前記分岐部と実質的に整列しており、空気循環チャンネルにより前記エンジン(3)に接続される、
請求項1又は2の自律式農業用機械(1)。
【請求項7】
少なくとも1つのメイン前ポンプと、
前記メイン前ポンプのブースターポンプと、
前記自律式農業用機械(1)の軌道及びホイールベースに配置されツールホルダーゾーンと前記屋根との間に配置された容積に配置されるアクセサリポンプと、
をさらに備え、
前記メイン前ポンプは、油圧システムに油圧エネルギーを供給して前記自律式農業用機械(1)を前に移動させるように構成され、
前記アクセサリポンプは、油圧システムに油圧エネルギーを供給して前記ツールホルダーに取り付けられたツールを動作させるように構成される、
請求項1又は2の自律式農業用機械(1)。
【請求項8】
ターボと、
中間冷却器と
を備え、
前記冷却システムは、前記ターボの出口において吸気循環を冷却するようにさらに構成され、
前記ターボの出口における吸気循環は、前記中間冷却器により前記空気循環ダクト(4)を循環する空気により冷却される、
請求項1又は2の自律式農業用機械(1)。
【請求項9】
前記エンジン(3)は、50馬力超のディーゼルエンジンである請求項1又は2の自律式農業用機械(1)。
【請求項10】
前記自律式農業用機械(1)の前輪と後輪との間の各側面に実質的に配置される2つのサイドタンクを備える自律式農業用散布機械を形成し、
前記自律式農業用散布機械は、散布システムをさらに備え、
前記散布システムは、少なくとも2つのサイド収集パネルを備え、
前記サイドタンク及び前記サイド収集パネルは、前記自律式農業用散布機械(1)の各側面に、前記フレーム(2)により画定される各側面と整列しているその幅に対応する前記自律式農業用機械(1)の軌道内に配置される、
請求項1又は2の自律式農業用機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自律式農業用機械の分野に関する。具体的には、本開示は、特に機械のホイールベースにおいて前輪と後輪との間の各側面に2つのタンクが配置される自律式農業用機械、及び爆発燃焼エンジンシステムを備える当該農業用機械に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の自律式農業用機械において、作物に液体処理製品を散布する機能を有する自律式農業用機械の例が存在する。例えば、公知の自律式農業用散布機械は、ブドウの木に活性製品を散布するように構成され得る。
【0003】
そのような自律式農業用機械は、フレームと、4つの車輪と、前輪と後輪との間の各側面に配置されたツール及び/又は2つのサイドタンクとを備える。
【0004】
この分野における一般的な問題は、より大きな出力が必要なことである。公知の自律式農業用機械は、典型的には30馬力未満の出力の石油又は電気エンジンシステムを備える。
【0005】
これは、特に、特定のツール、又は機械がより多くの機器を運搬しなければならない場合には不十分であり得る。
【0006】
この需要に応じるため、ディーゼル型の燃焼エンジンシステムの使用が検討されている。
【0007】
しかしながら、そのようなディーゼル型の燃焼エンジンシステムの統合は、排気、空気フィルタ、冷却システム等の統合を必要とする。
【0008】
そのようなエンジンシステム及びその付属品を統合するためには、機器及び付属品を長手方向にオフセットさせる、すなわち、少なくとも部分的に機械のフレームを越えて長手方向外側に延伸させる、又は機械の全高を増加させるように機器を機械の上に配置することのいずれかにより、自律式農業用機械の大きさを前もって増加させる必要がある。あるいは、農業用機械の幅を広げる必要があるが、これは、農業用機械の幅及びホイールベースが典型的にはブドウの木の列の幅である植生及びその列の間隔により制限されるため、ほとんどの場合において不可能である。機械の長さは、十分な操縦性を確保する必要性により制限される。
【0009】
従って、既知の解決方法又は事前に考えられる解決方法には欠点がある。長手方向にオフセットした要素が存在すると、サイズが大きくなり、環境と衝突する危険性が高まる。実際、自律式農業用機械の前部又は後部に配置されるツールがオフセットすると、それらのツールは完全に既知である予測可能かつ制御可能な位置及び軌道から外れてしまい、従って、自律式農業用機械の自律ナビゲーションを計画する際の危険性が高まり、安全上のリスクを誘発する。
【0010】
また、機械の全高を高くすると、機械の重心が上がり、安定性が低下して、特に坂や傾斜がある場所において機械が倒れる可能性が高まる。幅を広げることも望ましくない、あるいは不可能である。
【0011】
これらの欠点を克服するために、本開示は、爆発燃焼エンジンシステム及び特定の冷却システムを備える自律式農業用機械を提案する。
【発明の概要】
【0012】
より正確には、本開示の目的は、少なくとも1つの前輪及び少なくとも1つの後輪が接続される逆U字部を有し、軌道を画定するフレームを備え、フレームは、逆U字部の分岐部に対応する2つの側部と、逆U字部の基部に対応する屋根を有する、自律式農業用機械である。
【0013】
また、自律式農業用機械は、エンジンを備える燃焼エンジンシステムを備える。
【0014】
自律式農業用機械は、フレームの上部、屋根の直下に配置される空気循環ダクトを有する冷却システムを備え、空気循環ダクトは、外気を空気循環ダクトに取り込む少なくとも1つの開口と、熱気を屋根の上へと上方に排出する上部空気口とを備える。
【0015】
また、冷却システムは、空気循環ダクト内の空気の循環を確保する換気装置を備える。
【0016】
空気循環ダクトは、空気を循環させて、エンジンを冷却、具体的には、エンジン内を循環する水流及び/又は自律式農業用機械の油圧システムの油圧回路内を循環するオイル流を冷却するように構成される。
【0017】
1つの実施形態によれば、空気循環ダクトは、縦方向及び横方向の通路であって、通路の間に少なくとも1つの容積を形成するように構成された通路を備え、自律式農業用機械は、当該容積内に、空気循環ダクト内を循環する空気の熱を放散させる少なくとも1つのラジエータを備える。
【0018】
有利には、換気装置は、屋根の上に配置される少なくとも1つのファンを備える。
【0019】
1つの実施形態によれば、空気循環ダクトは、外気を空気循環ダクトに取り込む後部開口及び2つの縦開口を備える。
【0020】
具体的には、空気循環ダクトの少なくとも1つの開口は、空気を通し、外部の異物が空気循環ダクトに取り込まれることを防ぐように構成されるグリッドにより閉められてよい。
【0021】
また、1つの実施形態によれば、エンジンシステムは、排気装置と、空気フィルタとを備え、フレームの1つの側面に配置される、すなわち、フレームのU字部の分岐部と実質的に整列しており、空気フィルタは、エンジンの反対側に配置される、すなわち、フレームのU字部の反対の分岐部と実質的に整列しており、空気フィルタは、空気循環チャンネルによりエンジンに接続される。
【0022】
有利には、自律式農業用機械は、少なくとも1つのメイン前ポンプと、メイン前ポンプのブースターポンプと、自律式農業用機械の軌道及びホイールベースに配置され、ツールホルダーゾーンと屋根との間に配置された容積に配置されるアクセサリポンプと、をさらに備え、メイン前ポンプは、油圧システムに油圧エネルギーを供給して自律式農業用機械を前に移動させるように構成され、アクセサリポンプは、油圧システムに油圧エネルギーを供給してツールホルダーに取り付けられたツールを動作させるように構成される。
【0023】
1つの実施形態によれば、自律式農業用機械は、ターボと、中間冷却器とを備え、冷却システムは、ターボの出口において吸気循環を冷却するようにさらに構成され、ターボの出口における吸気循環は、中間冷却器により空気循環ダクトを循環する空気により冷却される。
【0024】
具体的には、エンジンは、例えば50馬力超のディーゼルエンジンである。
【0025】
1つの実施形態によれば、自律式農業用機械は、自律式農業用機械の前輪と後輪との間の各側面に実質的に配置される2つのサイドタンクを備える自律式農業用散布機械を形成し、自律式農業用散布機械は、散布システムをさらに備え、散布システムは、少なくとも2つのサイド収集パネルを備え、サイドタンク及びサイド収集パネルは、自律式農業用散布機械の各側面に、フレームにより画定される各側面と整列しているその幅に対応する自律式農業用機械の軌道内に配置される。
【0026】
本開示は、単に例として示される以下の説明を読むことにより、また非限定的な例である付される図面を参照することにより、良く理解され、同一の参照番号が同様の物体に与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本開示に係る、自律式農業用機械の例の斜視図である。
【0028】
【
図2】
図2は、本開示に係る、空気循環ダクトを示す自律式農業用機械の例の斜視図である。
【0029】
【
図3】
図3は、本開示に係る、自律式農業用機械の例の側面図である。
【0030】
【0031】
図面は、本開示を実装可能にするために本開示を非限定的に詳細に説明し、適用可能な場合に本開示をより良く定義するために特に使用されることが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示は、自律式農業用機械に関する。1つの実施形態において、自律式農業用機械は、活性製品を散布可能に構成される。この場合、自律式農業用機械は、処理製品を含むサイドタンクを備える。
【0033】
例えば、自律式農業用機械は、例えばブドウの木等を処理可能な四輪自律式高クリアランス農業用機械である。この場合、サイドタンクは、具体的には、自律式農業用散布機械のホイールベースにおいて前輪と後輪との間の両側面に配置される。
【0034】
しかしながら、自律式農業用機械は、他のツールを使用する別の機能を実行するように構成されてよい。例えば、自律式農業用機械は、トリマーを備えてよい。
【0035】
図1乃至3を参照すると、本開示は、収集パネル及び処理製品タンクを備える自律式農業用機械1に適用され、自律式農業用機械は、ブドウ畑に散布を行うことが可能なように構成される。しかしながら、この例は一例である。収集パネル及びサイド処理製品タンクを統合する可能性は、有益であり、好ましい実施形態を構成する。しかしながら、自律式農業用機械は、他の機能を実行するように構成されてよい。具体的には、自律式農業用機械1は、収集パネル又は製品タンクを備えず、トリマー又は他の土壌作業ツールが取り付けられるツールホルダーを備えてよい。
【0036】
従って、自律式農業用機械は、内側に、特に機械の側面に配置されたツールを保持するために、機械の軌道及びホイールベースに配置されるツールホルダーを備える。ツールホルダーは、例えば、トリマー型のツールであってよい。また、ツールホルダー領域は、その下にサイドタンク11、12が配置されるサイド収集パネルを受けてよい。
【0037】
図1乃至3に示される自律式農業用機械1は、逆U字部を有するフレーム2を備える。ここで、自律式農業用機械1は、特にブドウの木である作物を処理するための特に液体又はスラリーである処理製品を含むためのサイドタンク11及び12を備える。
【0038】
U字部は、2つの縦分岐部と、フレーム2の上部を画定する横基部とを備える。従って、フレーム2は、自律式農業用機械1の側面を画定する2つの分岐部と、機械の屋根を画定する基部とを備える。ここで、機械は、4つの車輪13、すなわち、2つの前輪及び2つの後輪を備える。前輪は回転軸を有し、後輪は回転旋回軸を有し、前後の回転軸は機械のホイールベースを画定する。左右の車輪の間の距離に対応するフレーム2の幅は、自律式農業用機械1の軌道を画定する。従って、
図1乃至3の示される自律式農業用機械1は、自律式高クリアランス散布機械1を形成する。
【0039】
ここで、自律式農業用散布機械1は、処理される植生を通過する際の処理製品の全ての液体を捕捉するように構成される収集パネルを備える。これらの収集パネルは、好ましくは、下方に配置され、回収した処理製品をサイドタンク11、12に戻す蠕動ポンプに接続される回収タンク組み合わされる。
【0040】
自律式農業用機械1は、具体的にはディーゼル型である、冷却システムを備える燃焼エンジン3に基づくエンジンシステムをさらに備える。エンジンシステムは、エンジン3に接続される排気装置を備える。エンジン3がディーゼル型であるため、好ましくは、排気装置は、排気マニホールド31の端部にパーティキュレートフィルタ32を備える。具体的には、パーティキュレートフィルタ32は、ディーゼル式の燃焼エンジンに関する欧州規則に適応している。
【0041】
自律式農業用機械1の屋根は、好ましくは、可能な限り低い重心、従って坂及び傾斜におけるさらなる安定性を確保するために、可能な限り低い。
【0042】
さらに、自律式農業用機械1が本明細書のように散布用に構成される場合、収集パネルは、好ましくは、ホイールベース及び機械の軌道に配置されるべきである。
【0043】
本開示によれば、エンジンシステムを分解すると、空気フィルタ33は、エンジン3の反対側にある。これにより、自律式農業用機械1の大きさ又は高さを増やすことなく、収集パネルをホイールベース又は軌道内に配置できる。エンジン3は、冷却システムにより冷却される。冷却システムは、エンジンシステムのエンジン3、具体的には、エンジン3内を循環する水、可能であれば自律式農業用機械1の油圧システム内を循環するオイル、あるいはエンジンシステムに備え付けられたターボの出口の吸気を冷却するように構成される。
【0044】
本開示によれば、冷却システムは、自律式農業用機械1の屋根の直下に配置される空気循環ダクト4を備える。
【0045】
空気循環ダクト4は、閉鎖壁を備える通路41と、外気をダクトに取り込む少なくとも1つの開口43とを備える。少なくとも1つの開口43は、外部の異物が入り込むことを防ぐグリッドを備えてよい。
【0046】
好ましくは、空気循環ダクト4は、自律式農業用機械1の側面に延伸する2つの横通路と、機械の後方に向かって横方向に延伸する後部通路とを備える。
【0047】
横通路及び後部通路は、それぞれ、空気取込開口43を備えてよい。
【0048】
自律式農業用機械1の上部に配置され、すなわち、機械の上部に配置され、空気取込開口43を備える空気循環ダクト4の利点は、空気循環ダクト4に入り、エンジン3を冷却する空気が、特に植生の近く等、空気取込口が低いところにあるシステムと比較して、植物残渣を含みにくいという事実である。従って、本開示の空気冷却システムは、汚れにくい。
【0049】
そのため、新鮮な外気が空気循環ダクト4に取り込まれ、エンジン3の各流体を冷却する冷気を供給する。熱気は、上方へと屋根を越えて排出される。
【0050】
例えば、ダクトを形成する通路41は、通路の間に容積を形成する縦方向及び横方向の通路を備え、当該容積42は、ダクト内を循環する空気に、エンジン3内を循環する水又は機械の油圧回路内を循環するオイル又はエンジンシステムのターボの出口の吸気との熱交換により得られた熱を伝達するように構成されるラジエータを備え、これらの要素を冷却する。従って、具体的には、3つの容積42は3つのラジエータを画定する。
【0051】
具体的には、自律式農業用機械1は、機械の屋根に、空気循環ダクト4内に取り込まれた空気を循環させる少なくとも1つのファン6を備える。例えば、自律式農業用機械1は、この目的のために3つの電気ファン6を備える。代替的に、自律式農業用機械1は、この目的のために少なくとも1つの油圧ファンを備えてよい。
【0052】
本開示の利点は、自律式農業用機械1の上部、フレーム2の逆U字形状の基部に対応する屋根に空気循環ダクト4が配置されることを考慮すると、具体的には実質的に自律式農業用機械1の全幅及びその長手方向部分にわたって延伸する大きなサイズの空気循環ダクトを備え得る点である。従って、空気循環ダクト4内を循環する空気循環における圧力損失が低減される。そのため、冷却システムの適切な動作、すなわち、圧力損失を補償し、冷却システムにおける十分な空気循環を可能にし、エンジン内の水及び/又は機械の油圧回路内のオイル及び/又はエンジンシステムのターボの出口の吸気を含む、エンジン3の冷却を確保するためには、25A以下の電流を必要とする電気ファンで充分となる。
【0053】
冷却システムは、エンジン3に熱的に接続されており、エンジン3内を循環する水が空気循環ダクト4からの新鮮な空気により冷却される。また、冷却システムは、エンジンシステムのターボに熱的に接続されてよく、この場合、ターボの出口の吸気が空気循環ダクト4からの新鮮な空気により冷却される。さらに、冷却システムは、自律式農業用機械の油圧回路に熱的に接続されてよく、油圧回路内を循環するオイルが空気循環ダクト4からの新鮮な空気により冷却される。
【0054】
さらに、ターボを備えるエンジンシステムの場合、ターボの出口の吸気は、具体的には中間冷却器(中間クーラーとも呼称)により、空気循環ダクト4からの新鮮な空気により冷却されてよく、これにより、ターボの出口の吸気が冷却可能であり、従って、エンジン3の燃焼の性能及び品質が向上し、消費が少なくなる。
【0055】
オフセット要素を無くすことで安全性が向上する。実際、
図4に示されるように、自律式農業用機械1はゲージに収まる。ツール及び要素はゲージ100から突出せず、全てのツールがフレーム2により区切られたトンネル内に収まる。従って、フレーム2からオフセットして配置されたツールにより事故が起こることはない。これにより、自律式農業用機械1の安全管理が簡略化される。ゲージ100は、自律式農業用機械1の所望の用途により画定される。具体的には、自律式農業用機械1のゲージ100及びフレーム2により画定されるトンネルの内側の幅101は、例えば、ブドウの木の列を跨ぐように適応される。ゲージ100の外側の幅102は、例えば、自律式農業用機械1が跨いでいる列に隣接する列を循環可能なように適応される。
【0056】
ゲージの長さ103は、自律式農業用機械1の所望の用途によりさらに制限される。具体的には、長さ103は、自律式農業用機械1の操縦性が具体的にはブドウの木に対する散布において使用できるように適応される。
【0057】
従って、機械は、ホイールベースを増やすことなく、また、機械の軌道をオーバーハングすることなく、収集パネルを運搬可能である。
【0058】
また、具体的には、自律式農業用機械1は、少なくとも1つのメイン前ポンプと、メイン前ポンプのブースターポンプと、例えば収集パネルが配置されるツールホルダーゾーンと屋根との間に配置された容積に配置されるアクセサリポンプと、をさらに備える。具体的には、メイン前ポンプは、油圧システムに油圧エネルギーを供給して自律式農業用機械1を前に移動させるように構成され、アクセサリポンプは、油圧システムに油圧エネルギーを供給してツールホルダーに取り付けられたツールを動作させるように構成される。例えば、特にベルト又はチェーン駆動を実装することにより、これらのポンプをオフセットできる。
【0059】
エンジン3の出力は、具体的には50馬力超である。具体的には、エンジンは、ディーゼルエンジンである。
【外国語明細書】