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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077628
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】ブリアレイン化合物及びそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 307/93 20060101AFI20240531BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240531BHJP
   C07D 493/08 20060101ALI20240531BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20240531BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240531BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240531BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20240531BHJP
   A61K 31/4525 20060101ALI20240531BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20240531BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
C07D307/93
A61P29/00 ZNA
C07D493/08 CSP
A61K31/343
A61K31/5377
A61K31/496
A61K31/4025
A61K31/4525
A61K31/443
A61K31/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023200412
(22)【出願日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】63/428,303
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505020190
【氏名又は名称】ナショナル ヘルス リサーチ インスティテューツ
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL HEALTH RESEARCH INSTITUTES
(71)【出願人】
【識別番号】507324496
【氏名又は名称】国立中山大学
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL SUN YAT-SEN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 70, Lian-Hai Road, Gu-Shan District, Kaohsiung City, Taiwan
(71)【出願人】
【識別番号】523448613
【氏名又は名称】國立海洋生物博物館
【氏名又は名称原語表記】National Museum of Marine Biology and Aquarium
【住所又は居所原語表記】No. 2, Houwan Rd., Checheng Township, Pingtung County 944, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】ルン, ケルバン・ツォウ
(72)【発明者】
【氏名】グアン,ハオ・ニウ
(72)【発明者】
【氏名】シン, パン・シーエ
(72)【発明者】
【氏名】ミンジー・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジー, ホン・ウェン
(72)【発明者】
【氏名】ピン, ジュン・サン
【テーマコード(参考)】
4C071
4C086
【Fターム(参考)】
4C071AA03
4C071AA07
4C071BB01
4C071CC12
4C071DD40
4C071EE02
4C071FF15
4C071GG01
4C071GG03
4C071GG05
4C071HH09
4C071JJ01
4C071JJ07
4C071JJ08
4C071LL01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA05
4C086CA01
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高い抗炎症力を有する化合物を提供する。
【解決手段】式(I)の化合物が開示される。

そのような化合物を含む薬学的組成物及び炎症状態を処置する方法も含まれる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物であって、
【化1】
はC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキル、ホルミル、カルボキシル、-CH=N-OR、-CH=NR又は-C(O)NH-O-Rであり、RはH、C-Cアルキル、C-Cアルキニル又はC-Cヘテロシクロアルキルであり、
はH、ヒドロキシであり又はRと結合し、RはH又はC-Cアルキルであり、R及びRが結合している場合、それらはそれに結合する2個の炭素原子とともにエポキシド環を形成し、
はN、メチルであり又はXと結合し、R及びXが結合している場合、それらはNであり、それに結合した炭素原子とともにヘテロシクロアルキル環を形成し、
はH、ハロ、オキソ、ヒドロキシル、=NR、=N-NH-C(O)R、-OC(O)R又は-O-S(O)であり、Rはヒドロキシル、C-Cアルコキシ又はC-C10ヘテロシクロアルキルであり、RはC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、フェニル又は5員若しくは6員のヘテロアリールであり、RはC-Cシクロアルキル、C-C10アルケニル、C-C10アミノアルキル、C-C10アルキニルアルキル、C-C10ヘテロシクリルアルキル又はフェニルであり、Rはアミノ又はC-Cアルキルであり、
はH又はアセチルオキシであり、
はヒドロキシル又はオキソであり、
はO又はNであり、XがNである場合、それはRと結合し、
【化2】
の各々は単結合又は二重結合であり、
アルキルは、非置換であり又はヒドロキシル、アミノ、CN、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cカルボキシレート及びC-Cヘテロシクロアルキルから選択される1以上の基で置換されており、
アミノ、アミノアルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、アルキニルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール及びフェニルの各々は、非置換であり又はヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cカルボキシレート、C-Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びアリール-アミノ-アルキル-アミノカルボニルから選択される1以上の基で置換されている、化合物。
【請求項2】
は、ホルミル、カルボキシル、-CH=N-OR、-CH=NR又は-C(O)NH-O-Rであり、RはOHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
及びRの各々は、OHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
は、オキソ、=NR、=N-NH-C(O)R、-OC(O)R又は-O-S(O)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
は、メチル、エチル、n-プロピル又はiso-プロピルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
及びRの各々は、独立して、H若しくはOHであり、又はR及びRは結合され、それらが結合する炭素原子とともにエポキシド環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
は、H、OH、N又はメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
は、アセチルオキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物は、式(I-A)、(I-B)、(I-C)、(I-D)、(I-E)、(I-F)及び(I-G)
【化3】
のうちの1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物は式(I-A)の化合物であり、Rはヒドロキシル、C-Cアルコキシ、5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル又は-NH-C(O)Rであり、RはC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、フェニル又はヘテロアリールである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
はプロピルであり、Rはアセチルオキシであり、Rはヒドロキシル、メトキシ、CH≡CCHO-、PhC(O)NH-、CHC(O)NH-、シクロプロパンカルボキシ-アミド、N-メチルピペラジン-1-イル又はモルホリノである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物は式(I-B)又は(I-C)の化合物であり、RはH、メチル、エチル、prop-2-イン-1-イル、prop-2-エン-1-イル、モルホリノ、ベンジル、-CHCN、-CHCHN(CH又は
【化4】
である、請求項9に記載の化合物。
【請求項13】
はプロピルであり、Rはアセチルオキシである、請求項9に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物は、式(I-B)の化合物である、請求項9に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物は、式(I-C)の化合物である、請求項9に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物は式(I-D)、(I-E)、(I-F)又は(I-G)の化合物であり、R及びRの各々は、独立して、メチル、but-3-イン-1-イル、t-ブチル-OC(O)-NHCH-、(CHNCH-、-NH、-CHNH、-CHCHNH、-CHCHN(CH、-CHNHC(O)CH、-CH(CHNH、-CH(CHN(CH
【化5】
である、請求項9に記載の化合物。
【請求項17】
はプロピルであり、Rはアセチルオキシである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物は式(I-E)又は(I-F)の化合物であり、RはH、メチル、エチル、prop-2-イン-1-イル、prop-2-エン-1-イル、モルホリノ、ベンジル、-CHCN、-CHCHN(CH又は
【化6】
である、請求項9に記載の化合物。
【請求項19】
前記化合物は、化合物1~72から選択されたものである、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
有効量の、請求項1に記載の化合物を、それを必要とする被検体に投与するステップを備える炎症状態を処置する方法。
【請求項21】
請求項1に記載の化合物及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年11月28日に出願された米国仮特許出願第63/428,303号の優先権の利益を主張し、その全内容は参照によって取り込まれる。
【背景技術】
【0002】
炎症反応は、ウイルス又は細菌などの外部からの侵入物によって引き起こされる感染に対する基本的な防御機構として作用する。それは、マクロファージ、好中球及びリンパ球を含む様々な免疫細胞に関与する。これらの免疫細胞の多くは、誘導性一酸化窒素合成酵素(「iNOS」)及びシクロオキシゲナーゼ(「COX-2」)を発現し、それらの双方は炎症反応を活性化する炎症誘発性メディエーターである。iNOS及びCOX-2を阻害することは、必要とする患者における炎症の処置を提供する。
【0003】
慢性炎症は、関節炎、過敏性腸症候群及び神経変性障害などの多くの自己免疫疾患に関連する。これらの疾患では、免疫系が炎症を誘発して、正常な組織をまるでそれらが感染しているかのように攻撃する。炎症状態を処置するために、数多くのコルチコステロイド及び非ステロイド性抗炎症性薬物が開発されているが、それらは、望ましくない副作用及び薬剤耐性を示すことが多い。
【0004】
天然産物は、抗炎症剤のための豊富なレパートリーを含んでいる。特に、海洋ゴルゴニアンにおいて発見されたブリアレイン型ジテルペノイドは、新しいクラスの抗炎症剤として浮上している。興味深いことに、タイワンゴルゴニアンBriareum excavatumから得られたエクスカバトリドB(「ExcB」)は、リポ多糖(LPS)チャレンジされたマウスマクロファージにおいて、誘導性一酸化窒素合成酵素(iNOS)及びシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)のmRNA発現を有意に阻害することが示されている。Berrue他、Nat.Prod.Rep.2009、26、681-710及びLin他、Mar Drugs、2015、13、2559-79を参照。
【0005】
ExcBは、低効力のため、抗炎症薬としての使用を承認されていない。さらに、ExcBは水への溶解性が低く、したがって、バイオアベイラビリティが低く、薬物開発に対する大きな課題を有している。現在、その直接的な標的が何であるかは未だ明らかでなく、有力なExcB誘導体の開発を困難としている。
【0006】
ExcB類似体から有力かつ安全な抗炎症医薬品を開発するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、特定のブリアレイン化合物が高い抗炎症力を示すという予想外の発見に基づく。
【0008】
一態様において、本発明は、式(I)の化合物に関する。
【化1】
【0009】
この式において、Rは、C-Cアルキルである。RはC-Cアルキル、ホルミル、カルボキシル、-CH=N-OR、-CH=NR又は-C(O)NH-O-Rであり、RはH、C-Cアルキル又はC-C(例えば、3~10員、4~8員及び5~6員)ヘテロシクロアルキルである。RはH、ヒドロキシであり又はRと結合し、RはH又はC-Cアルキルであり、R及びRが結合している場合、それらはそれに結合する2個の炭素原子とともにエポキシド環を形成する。RはN、メチルであり又はXと結合し、XはO又はNであり、R及びXが結合している場合、それらはNであり、それに結合した炭素原子とともにヘテロシクロアルキル環を形成する。RはH、ハロ、オキソ、ヒドロキシル、=NR、=N-NH-C(O)R、-OC(O)R又は-O-S(O)であり、Rはヒドロキシル、C-Cアルコキシ又はC-C10ヘテロシクロアルキルであり、RはC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル又はフェニルであり、RはC-Cシクロアルキル、C-C10アミノアルキル、C-C10アルキニルアルキル、C-C10ヘテロシクリルアルキル又はフェニルであり、Rはアミノ又はC-Cアルキルである。Rは、H又はアセチルオキシである。Xは、ヒドロキシル又はオキソである。XはO又はNであり、XがNである場合、それはRと結合する。
【化2】
の各々は、単結合又は二重結合である。
【0010】
アルキルは、非置換であり又はヒドロキシル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cカルボキシレート及びC-C(例えば、3~10員、4~8員及び5~6員)ヘテロシクロアルキルから選択される1以上の基で置換されている。
【0011】
アミノ、アミノアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アルキニルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール及びフェニルの各々は、非置換であり又はヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cカルボキシレート、C-C(例えば、3~10員、4~8員及び5~6員)ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールから選択される1以上の基で置換されている。
【0012】
置換基及びそれらの後に現れる置換基は、上記の化学基でさらに置換可能である。
【0013】
他の実施形態では、上式(I)において、Rは、C-Cアルキルである。RはC-Cアルキル、ホルミル、カルボキシル、-CH=N-OR、-CH=NR又は-C(O)NH-O-Rであり、RはH、C-Cアルキル、C-Cアルキニル又はC-Cヘテロシクロアルキルである。RはH、ヒドロキシであり又はRと結合し、RはH又はC-Cアルキルであり、R及びRが結合している場合、それらはそれに結合する2個の炭素原子とともにエポキシド環を形成する。RはN、メチルであり又はXと結合し、R及びXが結合している場合、それらはNであり、それに結合した炭素原子とともにヘテロシクロアルキル環を形成する。RはH、ハロ、オキソ、ヒドロキシル、=NR、=N-NH-C(O)R、-OC(O)R又は-O-S(O)であり、Rはヒドロキシル、C-Cアルコキシ又はC-C10ヘテロシクロアルキルであり、RはC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、フェニル又は5員若しくは6員のヘテロアリールであり、RはC-Cシクロアルキル、C-C10アルケニル、C-C10アミノアルキル、C-C10アルキニルアルキル、C-C10ヘテロシクリルアルキル又はフェニルであり、Rはアミノ又はC-Cアルキルである。Rは、H又はアセチルオキシである。Xは、ヒドロキシル又はオキソである。XはO又はNであり、XがNである場合、それはRと結合する。
【化3】
の各々は、単結合又は二重結合である。アルキルは、非置換であり又はヒドロキシル、アミノ、CN、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cカルボキシレート及びC-Cヘテロシクロアルキルから選択される1以上の基で置換されている。アミノ、アミノアルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、アルキニルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール及びフェニルの各々は、非置換であり又はヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cカルボキシレート、C-Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びアリール-アミノ-アルキル-アミノカルボニルから選択される1以上の基で置換されている。
【0014】
好ましくは、上記化合物は、以下の特徴の1以上を有する。
(i)Rは、ホルミル、カルボキシル、-CH=N-OR、-CH=NR又は-C(O)NH-O-Rであり、RはOHである。
(ii)X及びRの各々は、OHである。
(iii)Rは、オキソ、=NR、=N-NH-C(O)R、-OC(O)R又は-O-S(O)である。
(iv)Rは、メチル、エチル、n-プロピル又はiso-プロピルである。
(v)R及びRの各々は、独立して、H若しくはOHであり、又はR及びRは結合され、それらが結合する炭素原子とともにエポキシド環を形成する。
(vi)Rは、H、OH、N又はメチルである。
(vii)Rは、アセチルオキシである。
【0015】
式(I)の化合物のサブセットは、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-C)、(I-D)、(I-E)、(I-F)及び(I-G)によって表される。
【化4】
【0016】
上記式(I-A)又は(I-A1)において、好ましくは、Rはヒドロキシル、C-Cアルコキシ、5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル又は-NH-C(O)Rであり、RはC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、フェニル又はヘテロアリールである。より好ましくは、Rはプロピルであり、Rはアセチルオキシであり、Rはヒドロキシル、メトキシ、CH≡CCHO-、PhC(O)NH-、CHC(O)NH-、シクロプロパンカルボキシ-アミド、N-メチルピペラジン-1-イル又はモルホリノである。Phは、フェニルである。
【0017】
式(I-B)、(I-C)又は(I-C1)において、Rの例は、H、メチル、エチル、prop-2-イン-1-イル(-CH-C≡CH)、prop-2-エン-1-イル(-CH-CH=CH)、モルホリノ、ベンジル、-CHCN、-CHCHN(CH又は
【化5】
を含む。式(I-B)又は(I-C)の好適な化合物では、Rはプロピルであり、Rはアセチルオキシである。
【0018】
式(I-B)の化合物のサブセットにおいて、Rはprop-2-イン-1-イル、prop-2-イン-1-イル又はベンジルであり、Rはプロピルであり、Rはアセチルオキシ(CHCOO-)である。
【化6】
は、単結合である。
【0019】
式(I-D)、(I-E)、(I-F)又は(I-G)において、R及びRの各々はメチル、but-3-イン-1-イル、t-ブチル-OC(O)-NHCH-、(CHNCH-、-NH、-CHNH、-CHCHNH、-CHCHN(CH、-CHNHC(O)CH、-CH(CHNH、-CH(CHN(CH
【化7】
であり得る。R及びRの各々は、
【化8】
であってもよい。
【0020】
式(I-D)の化合物のサブセットにおいて、Rはプロピルであり、Rはアセチルオキシ(CHCOO-)である。Rは、
【化9】
である。
【化10】
は単結合である。
【0021】
式(I-E)又は(I-F)において、Raは、好ましくは、H、メチル、エチル、prop-2-イン-1-イル、prop-2-エン-1-イル、モルホリノ、ベンジル、-CHCN、-CHCHN(CH又は
【化11】
である。
【0022】
式(I-E)の化合物のサブセットにおいて、Rはプロピルであり、Rはアセチルオキシ(CHCOO-)である。Rはprop-2-イン-1-イルであり、R
【化12】
である。
【化13】
は単結合である。
【0023】
本発明の他の態様は、有効量の上記いずれかの化合物を、それを必要とする被検体に投与することによって炎症状態を処置する方法である。それは、炎症状態を処置するための又は炎症状態を処置するための医薬品の製造のための、そのような化合物の使用をさらに含む。
【0024】
上記いずれのかの化合物及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物も、本発明の範囲内にある。上述したように、薬学的組成物は、炎症状態の処置に特に有用である。
【0025】
以下の表は、本発明の72個の例示的化合物、すなわち、化合物1~72を示す。
【表1】
【0026】
好適な化合物は、化合物24、34、41、57、59、66、68及び71を含む。
【0027】
用語「ハロ」とは、ここではフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードラジカルをいう。その例は、フルオロラジカル(F)及びブロモラジカル(Br)を含む。用語「アミノ」とは、アミンから派生したラジカルであって、非置換又はアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル若しくはヘテロアリールでモノ/ジ置換されたものをいう。用語「アミノアルキル」とは、NH-アルキル、すなわち、少なくとも1つのアミノ基で置換されたアルキルをいう。用語「アルキルアミノ」とは、アルキル-NH-をいう。アミノアルキルの例は、アミノメチル及び2-アミノエチルを含む。用語「アシルアミノ」とは、-C(O)-NH-をいう。
【0028】
用語「アルキル」とは、1~20個の炭素原子(例えば、C1-6)及び親アルカンの炭素原子から水素原子を除去して派生する一価のラジカル中心を含む直鎖又は分岐鎖の炭化水素基をいう。例示的アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル及びn-ヘキシルである。用語「アルキルカルボニル」又は「カルボニル」とは、アルキル-C(O)-をいう。用語「ハロアルキル」とは、1以上のハロ原子で置換されたアルキルをいう。その例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル(例えば、1-フルオロエチル及び2-フルオロエチル)、ジフルオロエチル(例えば、1,1-、1,2-及び2,2-ジフルオロエチル)及びトリフルオロエチル(例えば、2,2,2-トリフルオロエチル)を含む。
【0029】
用語「アルコキシ」とは、-O-アルキル基をいう。その例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びイソプロポキシである。アルコキシは、ハロアルコキシ、すなわち、1以上のハロゲンで置換されたアルコキシ、例えば、-O-CHCl及び-O-CHClCHClも含む。
【0030】
用語「ホルミル」とは、-C(O)H基をいう。用語「カルボキシル」とは、-C(O)-OH基をいう。用語「カルボキシレート」とは、-OC(O)-アルキル基をいう。用語「アセチルオキシ」とは、-OC(O)CH基をいう。用語「オキソ」とは、=O基をいう。
【0031】
用語「シクロアルキル」とは、3~12個の炭素(例えば、C3-6及びC3-10)を含む非芳香族、飽和又は不飽和の単環式、二環式、三環式又は四環式炭化水素基をいう。その例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル及びシクロオクチルである。用語「ヘテロシクロアルキル」とは、1以上のヘテロ原子(例えば、O、N、P及びS)を有する、非芳香族、飽和若しくは不飽和の3~8員の単環式、8~12員の二環式又は11~14員の三環式環系をいう。その例は、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロ-2-H-チオピラン-1,1-ジオキシジル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリジニル、アゼパニル、ジヒドロチアジアゾリル、ジオキサニル及びキヌクリジニルを含む。「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」の双方とも、縮合環系、架橋環系及びスピロ環系も含む。
【0032】
用語「アルケニル」とは、2~20個の炭素原子(例えば、C2-4、C2-6及びC2-10)及び1以上の炭素-炭素二重結合を有する、直鎖又は分岐鎖の一価不飽和脂肪族鎖をいう。その例は、エテニル(ビニルとしても知られる)、1-メチルエテニル、1-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、1-ヘキセニル、2-メチル-2-プロペニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-ブテニル及び2-ペンテニルである。用語「アルケニレン」とは、2~20個の炭素原子(例えば、C2-4、C2-6及びC2-10)及び1以上の炭素-炭素二重結合を有する、直鎖又は分岐鎖の二価不飽和脂肪族鎖をいう。用語「アルケニルアルキル」とは、アルケニル基で置換されたアルキル基をいう。
【0033】
用語「アルキニル」とは、2~20個の炭素原子(例えば、C2-4、C2-6及びC2-10)及び1以上の炭素-炭素三重結合を有する、直鎖又は分岐鎖の脂肪族鎖をいう。その例は、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニル、3-メチルブチニル及び1-ペンチニルである。用語「アルキニレン」とは、2~20個の炭素原子(例えば、C2-4、C2-6及びC2-10)及び1以上の炭素-炭素三重結合を有する、直鎖又は分岐鎖の二価不飽和脂肪族鎖をいう。用語「アルキニルアルキル」とは、アルキニル基で置換されたアルキル基をいう。
【0034】
用語「アリール」とは、炭素数6の単環式、炭素数10の二環式、炭素数14の三環式芳香環系をいい、各環は1以上の(例えば、1~10、1~5及び1~3個の)置換基を有し得る。その例は、フェニル、ビフェニル、1又は2-ナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、インデニル及びインダニルを含む。用語「アラルキル」とは、アリール基で置換されたアルキルをいう。
【0035】
用語「ヘテロアリール」とは、1以上のヘテロ原子(例えば、O、N、P及びS)を有する芳香族5~8員単環式、8~12員二環式又は11~14員三環式環系をいう。その例は、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、カルバゾリル、フリル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル及びベンゾチアゾリルを含む。用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、ヘテロシクロアルキル基又はヘテロアリール基で置換されたアルキル基をいう。
【0036】
ここでいうアルキル、アルコキシル、アルケニル、アルケニルアルキル、アルキニル、アルキニルアルキル、カルボニル、アルキルカルボニル、カルボキシレート、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アシルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル及びヘテロアリールは、特に断りがない限り、置換又は非置換部分の双方を含む。置換基の例は、ヒドロキシル(OH)、ハロ(例えば、F及びCl)、アミノ(NH)、シアノ(CN)、ニトロ(NO)、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、アシルアミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ(COOH)、アルカンスルホニル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、カルバミド、カルバミル、カルボキシル、チオウレイド、チオシアナト、スルホンアミド、アリール、アリールアミノ、アラルキル及びヘテロアリールを含む。全ての置換基は、さらに置換可能である。
【0037】
本発明の化合物に言及する場合、用語「化合物」は、その塩、溶媒和物及びプロドラッグも含む。薬学的に許容可能な塩は「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,2nd Revised Edition,P.H.Stahl and C.G.Wermuth(Eds.),Wiley-VCH,New York,(2011)」に列挙されているものを含む。薬学的に許容可能な塩に加えて、他の塩も本発明において考慮される。それらは、化合物の精製又は他の薬学的に許容可能な塩の調製における中間体として作用し得るものであり、本発明の化合物の同定、特徴付け又は精製に有用である。溶媒和物とは、活性化合物と薬学的に許容可能な溶媒との間に形成される複合体をいう。薬学的に許容可能な溶媒の例は、水、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸及びエタノールアミンを含む。プロドラッグとは、投与後に薬学的に活性な薬物に代謝される化合物をいう。プロドラッグの例は、エステル類及び他の薬学的に許容可能な誘導体を含む。
【0038】
本発明の化合物は、1以上の非芳香族二重結合又は不斉中心を含み得る。これらの各々は、ラセミ体若しくはラセミ混合物、単一のRエナンチオマー、単一のSエナンチオマー、個々のジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、シス異性体又はトランス異性体として発生する。そのような異性体形態の化合物は、本発明の範囲内である。それらは、混合物として存在し、又はキラル合成若しくはキラル分離技術を用いて単離され得る。
【0039】
本発明は、炎症状態を処置するための上記化合物のうちの1以上の使用も特徴とする。
【0040】
本発明によって処置可能な炎症状態又は他の疾患状態は、自己免疫疾患、インターフェロン異常症、癌、神経障害、B型肝炎、加齢性変性、ウイルス感染症及び心血管疾患を含む。
【0041】
用語「処置する」又は「処置」とは、治療効果を与える目的で化合物の1以上を被検体に投与して、例えば、既存の障害及び/又はその症状の進行の遅延、中断、阻止、制御又は停止することをいうが、必ずしも全ての症状の完全な解消を示すものではない。「有効量」とは、治療効果を与えるのに必要な化合物の量をいう。有効用量は、当業者に認識されるように、処置される症状の種類、投与の経路、賦形剤の使用、及び他の治療処置との併用の可能性に応じて変わる。
【0042】
用語「被検体」とは、哺乳動物など、ヒト又は非ヒトを含む動物をいう。ヒトは、好適な被検体である。
【0043】
本発明の化合物は、単独で、又は薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤を有する薬学的組成物の形態で投与され得る。そのような薬学的組成物及びそれを作製するためのプロセスは、当技術において知られている(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,A.Adejare,Editor,23rd Edition.,Academic Press,2020参照)。
【0044】
本発明の方法を実施するために、上記化合物の1以上を含む組成物又はキットが、単独で投与され、又は同時に、並行して、順次、連続して、交互に若しくは個別に少なくとも1つの他の薬理活性物質と共投与され得る。併用投与ともいわれる同時投与は、実質的に同時での投与を含む。並行投与は、同じ一般的な時間帯内に、例えば、同じ日(単数又は複数)であるが必ずしも同じ時刻ではない時間帯内に活性薬剤を投与することを含む。交互の投与は、期間中に、例えば、数日又は一週間の経過期間にわたって一方の薬剤の投与を行い、その後、後続期間中に、例えば、数日又は一週間の経過期間にわたって他方の薬剤の投与を行い、そして、1以上のサイクルにわたってそのパターンを反復することを含む。順次又は連続的な投与は、1以上の用量を用いて第1の期間中に(例えば、数日又は一週間の経過期間にわたって)一方の薬剤の投与を行い、その後、1以上の用量を用いて第2の及び/又は追加の期間中に(例えば、数日又は一週間の経過期間にわたって)他方の薬剤の投与を行うことを含む。重複するスケジュールが採用されてもよく、それは、必ずしも規則的な順序に従わずに処置期間にわたって異なる日に活性薬剤を投与することを含む。例えば、使用される薬剤及び被検体の状態に応じて、これらの一般的ガイドラインのバリエーションが採用されてもよい。
【0045】
本発明の組合せの要素が、当業者にとって慣用的な方法によって、例えば、経口、経腸、非経口、経鼻、経膣、経直腸又は局所の投与経路によって(依存的に又は独立して)投与されてもよいし、各投与経路に適切な、従来の非毒性の薬学的に許容される担体、賦形剤及び/又はビヒクルを含む適宜の投与量単位の製剤で、単独で又はともに処方されてもよい。
【0046】
ここで使用される用語「非経口的」とは、皮下注射、皮内注射、静脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、関節内注射、動脈内注射、滑液包内注射、胸骨内注射、髄腔内注射、病巣内注射又は頭蓋内注射、その他適宜の注入技術をいう。
【0047】
経口投与のための組成物は、カプセル、錠剤、乳剤、水性懸濁液、分散液及び溶液を含む任意の経口的に許容可能な投与量形態であり得る。錠剤の場合、一般的に使用される担体は、ラクトース及びコーンスターチを含む。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も、通常は添加される。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤は、ラクトース及び乾燥コーンスターチを含む。水性懸濁液又は乳剤が経口投与される場合、有効成分は、乳化剤又は懸濁化剤と組み合わされて油相に懸濁又は溶解され得る。所望の場合には、特定の甘味料、香料又は着色料が添加され得る。
【0048】
鼻用エアロゾル又は吸入組成物は、薬学的処方の技術分野において周知の技術によって調製可能である。例えば、そのような組成物は、ベンジルアルコール若しくは他の適宜の保存料、バイオアベイラビリティを高める吸収促進剤、フルオロカーボン及び/又は他の可溶化剤若しくは分散剤を採用して、生理食塩水中の溶液として調製可能である。
【0049】
上記化合物の1以上を有する組成物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与されてもよい。
【0050】
薬学的組成物における担体は、組成物の有効成分に適合可能であり(好ましくは、有効成分を安定化させることができ)かつ処置される被検体に有害でないという意味で「許容可能」でなければならい。1以上の可溶化剤が、活性化合物の送達のための薬学的賦形剤として利用可能である。その例は、コロイド状酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、及びD&C Yellow#10を含む。
【0051】
本発明の1以上の実施形態の詳細を以下の記載において説明する。本発明の他の特徴、課題及び有利な効果はその説明及び特許請求の範囲から明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明は、以下に再現される式(I)の化合物が炎症活性の阻害及びそれに関連する障害の処置に有効であるという驚くべき発見に基づく。
【化14】
【0053】
変数R~R、X及びXは、上記で定義されている。
【0054】
式(I)は、コア構造としてビシクロ[8.4.0]テトラデカン環系を示す。参照しやすいように、環における炭素原子には、上に番号が付けられている。
【0055】
式(I)の化合物のサブセットは、以下のように式(I-A)によって表される。
【化15】
【0056】
式(I)の化合物の他のサブセットは、以下に示すように式(I-B)によって表される。
【化16】
【0057】
式(I)の化合物のもう1つのサブセットは、式(I-C)によって表される。
【化17】
【0058】
式(I)の化合物のさらに他のサブセットは、式(I-D)によって表される。
【化18】
【0059】
式(I)の化合物のさらに他のサブセットは、式(I-E)によって表される。
【化19】
【0060】
式(I)の化合物のさらなるサブセットは、式(I-F)によって表される。
【化20】
【0061】
式(I)の化合物のもう1つのサブセットは、式(I-G)によって表される。
【化21】
【0062】
上記の式(I-A)~(I-G)のいずれにおいても、変数R、R、R、R、R及びRは、上記で定義される。
【0063】
式(I)の化合物は、当技術分野で周知の合成方法によって調製され得る。例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations(3rd Ed.,John Wiley and Sons、2018);P.G.M.Wuts及びT.W.Greene,Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(4th Ed.,John Wiley and Sons、2007);L.Fieser及びM.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis(John Wiley and Sons,1994);並びにL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis(2nd ed.,John Wiley and Sons,2009)及びそれらの後続版を参照。
【0064】
以下に示すように、これらの化合物は、以下の手順A、B及びCの1つによって調製され得る。
【0065】
手順A
【化22】
【0066】
例示的手順を以下に提供する。大気雰囲気下(例えば、20℃)で、撹拌子を有する20mLのバイアルを、1モル当量の化合物SP(例えば、ExcB、182.7mg、0.307mmol)及び乾燥ジクロロメタン(2mL)で満たし、続けて、クロロクロム酸ピリジニウム(「PCC」、132.4mg、0.614mmol、2当量、MilliporeSigma、Burlington、マサチューセッツ州から市販)を添加する。得られた混合物を、室温(例えば、20℃)で3時間撹拌する。そして、それを珪藻土(Celite(登録商標)、MilliporeSigma)のショートパッドを通じてろ過し、ジクロロメタンでリンスする。ろ液を採取し、回転蒸発によって濃縮する。残渣をシリカゲルにおけるフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc:n-ヘキサンが0:1~1:1)によって精製して、通常は白色の固体として、化合物SP026を定量的収率で得ることができる。
【0067】
そして、化合物1(1当量)を、ジクロロメタン/ピリジン(0.3mL、比率14:1)中でO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(O-methylhydroxylamine hydrochloride)(3.8mg、0.0449mmol、1.5当量)と混合し、次いで、室温で0.5時間撹拌する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc:n-ヘキサンが0:1~1:1)での精製により、優れた収率(例えば、90%以上)で、多くの場合無色の油として、式(I-A)の化合物が得られる。
【0068】
手順Aを用いて以下の化合物、化合物1、4、5、40及び67を調製した。
化合物1:1H NMR (600 MHz, CDCl3, 22 oC) δ 5.78 (s, 1H), 5.35 (s, 2H), 5.31 - 5.23 (m, 2H), 5.17 (dd, J = 9.8, 4.0 Hz, 1H), 3.61 (dd, J = 15.7, 4.9 Hz, 1H), 3.25 (dd, J = 9.3, 5.7 Hz, 1H), 3.01 - 2.93 (m, 1H), 2.86 (t, J = 13.3 Hz, 1H), 2.78 (dd, J = 16.5, 4.0 Hz, 1H), 2.31 (s, 3H), 2.24 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.10 - 2.06 (m, 1H), 1.81 (s, 3H), 1.66 - 1.60 (m, 2H), 1.59 (s, 3H), 1.23 (d, J = 7.5 Hz, 3H), 1.14 (s, 3H), 0.94 (t, J = 7.4 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C30H40O12Na [M+Na]+ 615.2412, found 615.2416.
化合物4:HRMS-FAB (m/z) calculated for C30H41NO12Na [M+Na]+ 630.2521, found 630.2514.
化合物5:HRMS-ESI (m/z) calculated for C31H43NO12Na [M+Na]+ 644.2678, found 644.2669.
化合物40:MS-ESI (m/z) calculated for C33H44NO12 [M+H]+ 646.2864, found 646.3.
化合物67:HRMS-FAB (m/z) calculated for C30H41NO12Na [M+Na]+ 630.2521, found 630.2514.
【0069】
手順B
【化23】
【0070】
室温で、撹拌子を装備した4mLのバイアルを、1モル当量の化合物SP001(例えば、ExcB、182.7mg、0.307mmol)、SeO(100.9mg、0.91mmol、10当量、MilliporeSigma)及び1,4-ジオキサン(1mL、MilliporeSigma)で満たす。得られた混合物を80℃で22時間撹拌し、室温まで冷却し、そして、Celite(登録商標)のショートパッドを通じてろ過する。ろ液を減圧下で濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc:n-ヘキサンが0:1~2:3、そして1:1)によって精製して、通常は白色の固体として、化合物SP038を高収率(例えば、80%以上)で得る。
【0071】
そして、化合物SP038(1当量)を、ジクロロメタン/ピリジン(0.3mL、比率14:1)中で1.5当量のO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩と混合し、次いで、室温で0.5時間撹拌する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc:n-ヘキサンが0:1~1:1)での精製により、多くの場合無色の油として、式I-Bの化合物を高収率(例えば、80%以上)で得る。
【0072】
手順Bを用いて以下の化合物、化合物7、37、41、51及び56~60を調製した。
化合物7:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 9.69 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.88 (dd, J = 7.5, 2.1 Hz, 1H), 5.96 (dd, J = 7.4, 1.5 Hz, 1H), 5.71 (dd, J = 7.6, 2.7 Hz, 1H), 5.64 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.19 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 4.59 - 4.51 (m, 1H), 4.20 - 4.11 (m, 1H), 3.96 - 3.79 (m, 2H), 2.87 (dd, J = 10.4, 5.0 Hz, 1H), 2.57 - 2.50 (m, 1H), 2.46 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.22 - 2.05 (m, 2H), 1.99 (s, 3H), 1.89 - 1.81 (m, 1H), 1.79 - 1.71 (m, 1H), 1.55 (s, 3H), 1.54 - 1.49 (m, 2H), 1.03 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.79 (s, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C30H40O13Na [M+Na]+ 631.2361, found 631.2370.
化合物37:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 7.97 (s, 1H), 6.06 - 5.99 (m, 1H), 5.92 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.83 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.61 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 5.17 (s, 1H), 4.58 (s, 1H), 4.22 - 4.15 (m, 1H), 3.97 (dd, J = 15.7, 7.3 Hz, 1H), 3.91 - 3.83 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 2.98 (dd, J = 10.4, 5.0 Hz, 1H), 2.57 - 2.48 (m, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.19 - 2.08 (m, 2H), 2.05 (s, 3H), 1.91 - 1.80 (m, 1H), 1.80 - 1.73 (m, 1H), 1.58 - 1.46 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.04 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.81 (s, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C31H43NO13Na [M+Na]+ 660.2627, found 660.2634.
化合物41:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 8.04 (s, 1H), 6.09 (dd, J = 7.5, 2.0 Hz, 1H), 5.92 (dd, J = 6.6, 2.0 Hz, 1H), 5.84 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.62 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 4.65 (dd, J = 15.8, 2.5 Hz, 1H), 4.61 - 4.55 (m, 2H), 4.17 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.01 (dd, J = 15.6, 6.7 Hz, 1H), 3.91 - 3.84 (m, 1H), 3.26 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 2.96 (dd, J = 10.4, 5.1 Hz, 1H), 2.58 - 2.49 (m, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.17 - 2.05 (m, 2H), 2.05 (s, 3H), 1.90 - 1.80 (m, 1H), 1.79 - 1.72 (m, 1H), 1.58 - 1.48 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.04 (d, J = 7.3 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 6.0 Hz, 3H), 0.81 (s, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C33H43NO13Na [M+Na]+ 684.2627, found 684.2620.
化合物51:MS-ESI (m/z) calcd for C34H49N2O13 [M+H]+ 693.3235, found 693.3.
化合物56:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 10.81 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 5.98 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.91 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 5.83 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.60 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 5.21 (br s, 1H), 4.56 (br s, 1H), 4.19 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 3.92 (dd, J = 15.4, 7.2 Hz, 1H), 3.89 - 3.84 (m, 1H), 3.03 (dd, J = 10.4, 5.0 Hz, 1H), 2.57 - 2.49 (m, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.14 - 2.05 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 2.03 - 1.93 (m, 1H), 1.89 - 1.80 (m, 1H), 1.79 - 1.73 (m, 1H), 1.52 (s, 3H), 1.51 - 1.40 (m, 2H), 1.03 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.84 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.80 (s, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C30H41NO13Na [M+Na]+ 646.2470, found 646.2461.
化合物57:MS-ESI (m/z) calculated for C30H41NO13Na [M+Na]+ 646.2470, found 646.2461.
化合物58:MS-ESI (m/z) calculated for C32H46NO13 [M+H]+ 652.2969, found 652.3.
化合物59:MS-ESI (m/z) calculated for C33H46NO13 [M+H]+ 664.2969, found 664.3.
化合物60:MS-ESI (m/z) calculated for C32H42N2O13Na [M+Na]+ 685.2585, found 685.2.
【0073】
手順C
【化24】
【0074】
上記のスキームIII、IV及びVは、式(I-D)、(I-E)及び(I-F)のうちの1つの化合物の調製を示す。室温で、1モル当量の化合物SP001又は式(I-B)若しくは(I-C)の化合物を、カルボン酸RCOOH(2当量、MilliporeSigma)、ジメチルアミノ-ピリジン(dimethylamino-pyridine)(「DMAP」、0.3当量、MilliporeSigma)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジ-イミド(1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodi-imide)(「EDCI」、3当量、MilliporeSigma)及び乾燥CHCl(0.5mL)又は乾燥ジメチル-ホルムアミド(0.5mL、MilliporeSigma)と混合する。得られた混合物を室温で18時間撹拌し、CHClで希釈し、そして水で洗浄する。有機層を採取し、無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応する式(I-D)、(I-E)又は(I-F)の化合物を得る。
【0075】
手順Cを用いて以下の化合物、化合物8、15、16、17、21~27、29~36、42、44、45、47、48、52、55、64、65、66及び68を調製した。
化合物8:MS-ESI (m/z) calculated for C35H46O10Na [M+Na]+ 697.2836, found 697.2.
化合物15:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 6.75 (X part of ABX system, J = 6.3 Hz, 1H), 5.85 (dd, J = 6.9, 1.8 Hz, 1H), 5.67 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.36 (dt, J = 7.4, 1.9 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.01 (ddd, J = 12.5, 5.0, 3.6 Hz, 1H), 4.74 - 4.66 (m, 1H), 4.01 (dd, J = 15.8, 7.3 Hz, 1H), 3.81, 3.78 (AB part of ABX system, JAB = 18.0 Hz, JAX = 6.6 Hz, JBX = 6.6 Hz, 2H), 3.17 (dd, J = 10.4, 5.1 Hz, 1H), 2.68 - 2.60 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.23 (s, 6H), 2.22 - 2.06 (m, 4H), 1.95 (s, 3H), 1.90 - 1.85 (m, 1H), 1.55 - 1.46 (m, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.37 (s, 9H), 1.10 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.86 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.4 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C37H53NO15Na [M+Na]+ 774.3307, found 774.3311.
化合物16:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.85 (dd, J = 6.9, 1.7 Hz, 1H), 5.67 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.52 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.40 - 5.33 (m, 1H), 5.16 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.03 (ddd, J = 12.4, 5.0, 3.6 Hz, 1H), 4.74 - 4.67 (m, 1H), 4.01 (dd, J = 15.8, 7.3 Hz, 1H), 3.27, 3.24 (ABq, J = 16.9 Hz, 2H), 3.16 (dd, J = 10.4, 5.1 Hz, 1H), 2.67 - 2.60 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.30 (s, 6H), 2.23 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.22 - 2.07 (m, 4H), 1.95 (s, 3H), 1.91 - 1.85 (m, 1H), 1.55 - 1.46 (m, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.09 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.86 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.4 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C34H50NO13 [M+H]+ 680.3277, found 680.3279.
化合物17:HRMS-ESI (m/z) calculated for C32H46NO13 [M+H]+ 652.2964, found 652.2966.
化合物21:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.88 - 5.82 (m, 1H), 5.67 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.52 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.37 (dt, J = 7.4, 1.8 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.02 (ddd, J = 12.5, 5.0, 3.6 Hz, 1H), 4.70 (dd, J = 4.1, 2.1 Hz, 1H), 4.01 (dd, J = 15.8, 7.3 Hz, 1H), 3.79 - 3.40 (m, 4H), 3.24, 3.21 (ABq, J = 17.0 Hz, 2H), 3.16 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1H), 2.79 - 2.59 (m, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.38 - 2.26 (m, 2H), 2.23 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.21 - 2.06 (m, 4H), 1.95 (s, 3H), 1.90 - 1.85 (m, 1H), 1.56 - 1.46 (m, 2H), 1.51 (s, 3H), 1.09 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.86 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.4 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C36H52NO14 [M+H]+ 722.3382, found 722.3388.
化合物22:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.85 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.67 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.52 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.36 (dd, J = 7.3, 2.0 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.07 - 4.98 (m, 1H), 4.70 (br s, 1H), 4.01 (dd, J = 15.8, 7.3 Hz, 1H), 3.21, 3.18 (ABq, J = 16.9 Hz, 2H), 3.17 (dd, J = 10.6, 5.2 Hz, 1H), 2.77 - 2.66 (m, 2H), 2.68 - 2.58 (m, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.30 - 2.15 (m, 3H), 2.23 (s, 6H), 2.14 - 2.01 (m, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.99 - 1.91 (m, 2H) 1.95 (s, 3H), 1.91 - 1.84 (m, 1H), 1.53 - 1.47 (m, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.09 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.86 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.3 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C37H55N2O13 [M+H]+ 735.3699, found 735.3694.
化合物23:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.88 - 5.82 (m, 1H), 5.67 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.99 (ddd, J = 12.4, 5.0, 3.6 Hz, 1H), 4.72 - 4.68 (m, 1H), 4.01 (dd, J = 15.8, 7.2 Hz, 1H), 3.15 (dd, J = 10.3, 5.1 Hz, 1H), 2.71 - 2.58 (m, 3H), 2.55 - 2.41 (m, 6H), 2.41 (s, 3H), 2.23 (s, 6H), 2.21 - 2.07 (m, 3H), 2.04 - 2.00 (m, 1H), 1.95 (s, 3H), 1.89 - 1.84 (m, 1H), 1.71 - 1.63 (m, 4H), 1.57 - 1.46 (m, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.10 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.86 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.3 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C37H54NO13 [M+H]+ 720.3590, found 720.3598.
化合物24:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.88 - 5.82 (m, 1H), 5.67 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.38 - 5.34 (m, 1H), 5.00 (dt, J = 12.4, 4.3 Hz, 1H), 4.70 (dd, J = 3.9, 2.1 Hz, 1H), 4.73 - 4.67 (m, 1H), 4.01 (dd, J = 15.8, 7.2 Hz, 1H), 3.14 (dd, J = 10.3, 5.1 Hz, 1H), 2.94 - 2.80 (m, 2H), 2.69 - 2.61 (m, 1H), 2.57 - 2.42 (m, 4H), 2.41 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.22 - 2.00 (m, 5H), 1.95 (s, 3H), 1.90 - 1.83 (m, 1H), 1.81 - 1.74 (m, 2H), 1.66 - 1.35 (m, 7H), 1.50 (s, 3H), 1.04 - 1.17 (m, 1H), 1.10 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.86 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.4 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C38H56NO13 [M+H]+ 734.3746, found 734.3741.
化合物25:MS-ESI (m/z) calcd for C34H48NO14[M+H]+ 694.3075, found 694.3.
化合物26:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 8.52 - 8.46 (m, 1H), 7.77 (td, J = 7.7, 1.8 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.28 (ddd, J = 7.6, 4.9, 1.1 Hz, 1H), 5.84 (dd, J = 6.9, 1.8 Hz, 1H), 5.66 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.52 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.39 - 5.33 (m, 1H), 5.16 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.02 (ddd, J = 12.4, 5.0, 3.6 Hz, 1H), 4.72 - 4.67 (m, 1H), 4.00 (dd, J = 15.8, 7.3 Hz, 1H), 3.87, 3.84 (ABq, J = 16.0 Hz, 2H), 3.16 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1H), 2.68 - 2.60 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 2.19 - 2.06 (m, 2H), 2.03 - 1.99 (m, 1H), 1.94 (s, 3H), 1.91 - 1.86 (m, 1H), 1.55 - 1.46 (m, 2H), 1.51 (s, 3H) 1.06 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.85 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.5 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calcd for C37H47NO13Na [M+Na]+ 736.2940, found 736.2942.
化合物27:MS-ESI (m/z) calcd for C40H54NO13[M+H]+ 756.3595, found 756.3.
化合物29:HRMS-ESI (m/z) calcd for C36H54NO13 [M+H]+ 708.3590, found 708.3594.
化合物30:MS-ESI (m/z) calcd for C38H58NO13[M+H]+ 736.3980, found 736.4.
化合物31:HRMS-ESI (m/z) calcd for C33H48NO13 [M+H]+ 666.3120, found 666.3117.
化合物32:MS-ESI (m/z) calcd for C35H52NO13[M+H]+ 694.3439, found 694.3.
化合物33:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.85 (dd, J = 7.2, 1.4 Hz, 1H), 5.67 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 5.41 - 5.34 (m, 1H), 5.16 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.01 (ddd, J = 12.5, 5.0, 3.6 Hz, 1H), 4.70 (dd, J = 4.0, 2.1 Hz, 1H), 4.01 (dd, J = 15.9, 7.2 Hz, 1H), 3.68 (br s, 2H), 3.36 (br s, 2H), 3.15 (dd, J = 10.4, 5.1 Hz, 1H), 2.74 - 2.61 (m, 3H), 2.56 - 2.51 (m, 2H), 2.51 - 2.44 (m, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.23 (s, 6H), 2.21 - 2.02 (m, 4H), 2.02 - 1.98 (m, 1H), 1.96 (s, 3H), 1.90 - 1.84 (m, 1H), 1.56 - 1.45 (m, 2H), 1.51 (s, 3H), 1.10 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.86 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.4 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calcd for C37H54NO14 [M+H]+ 736.3539, found 736.3545.
化合物34:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.85 (dd, J = 7.3, 1.3 Hz, 1H), 5.67 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 5.37 (dt, J = 7.4, 1.7 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.00 (ddd, J = 12.4, 5.0, 3.6 Hz, 1H), 4.70 (dd, J = 4.0, 2.1 Hz, 1H), 4.02 (dd, J = 15.9, 7.2 Hz, 1H), 3.14 (dd, J = 10.4, 5.1 Hz, 1H), 2.77 - 2.70 (m, 2H), 2.69 - 2.59 (m, 3H), 2.57 - 2.42 (m, 4H), 2.41 (s, 3H), 2.23 (s, 6H), 2.21 - 2.06 (m, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.03 - 1.89 (m, 5H), 1.95 (s, 3H), 1.89 - 1.82 (m, 1H), 1.56 - 1.46 (m, 2H), 1.51 (s, 3H), 1.10 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.86 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.4 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calcd for C38H57N2O13 [M+H]+ 749.3855, found 749.3864.
化合物35:HRMS-ESI (m/z) calcd for C36H52NO13 [M+H]+ 706.3433, found 706.3433.
化合物36:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.88 - 5.82 (m, 1H), 5.67 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.52 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.40 - 5.32 (m, 1H), 5.16 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 4.98 (dt, J = 12.4, 4.3 Hz, 1H), 4.70 (dd, J = 4.0, 2.1 Hz, 1H), 4.01 (dd, J = 15.8, 7.2 Hz, 1H), 3.15 (dd, J = 10.4, 5.1 Hz, 1H), 2.69 - 2.57 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.30 (td, J = 7.6, 4.7 Hz, 2H), 2.23 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.20 - 1.99 (m, 4H), 1.95 (s, 3H), 1.89 - 1.82 (m, 1H), 1.73 - 1.57 (m, 6H), 1.57 - 1.45 (m, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.45 - 1.37 (m, 2H), 1.21 - 1.06 (m, 3H), 1.09 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.90 - 0.77 (m, 2H), 0.86 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.5 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calcd for C39H56O13Na [M+H]+ 755.3613, found 755.3621.
化合物42:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.87 (dd, J = 7.6, 2.6 Hz, 1H), 5.68 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.54 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 5.42 - 5.35 (m, 1H), 5.18 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.04 (dt, J = 12.5, 4.3 Hz, 1H), 4.72 (dd, J = 4.0, 2.1 Hz, 1H), 4.03 (dd, J = 15.8, 7.3 Hz, 1H), 3.29 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 3.26, 3.20 (ABq, J = 17.0 Hz, 2H), 3.18 (dd, J = 17.2, 4.9 Hz, 1H), 2.99 - 2.93 (m, 1H), 2.86 - 2.75 (m, 2H), 2.73 - 2.60 (m, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.37 - 2.27 (m, 4H), 2.24 (s, 6H), 2.22 - 2.08 (m, 4H), 1.97 (s, 3H), 1.92 - 1.86 (m, 1H), 1.58 - 1.47 (m, 2H), 1.52 (s, 3H), 1.11 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.87 (s, 3H), 0.87 (t, J = 7.4 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calcd for C39H55N2O13 [M+H]+ 759.3699, found 759.3701.
化合物44:HRMS-ESI (m/z) calcd for C38H56NO13 [M+H]+ 734.3746, found 734.3741.
化合物45:H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.88 - 5.80 (m, 1H), 5.67 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 5.41 - 5.33 (m, 1H), 5.16 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.00 (ddd, J = 12.5, 5.1, 3.7 Hz, 1H), 4.75 - 4.65 (m, 1H), 4.01 (dd, J = 15.8, 7.2 Hz, 1H), 3.15 (dd, J = 10.4, 5.1 Hz, 1H), 2.72 (br s, 2H), 2.66 (td, J = 7.0, 5.2 Hz, 1H), 2.57 (br s, 4H), 2.44 (br s, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.21 - 2.02 (m, 4H), 1.95 (s, 3H), 1.92 - 1.84 (m, 1H), 1.61 - 1.45 (m, 10H), 1.50 (s, 3H), 1.11 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.86 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.3 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calcd for C39H58NO13 [M+H]+ 748.3903, found 748.3900.
化合物47:HRMS-ESI (m/z) calcd for C39H58NO13 [M+H]+ 748.3903, found 748.3897.
化合物48:HRMS-ESI (m/z) calcd for C40H60NO13 [M+H]+ 762.4059, found 762.4049.
化合物52:MS-ESI (m/z) calcd for C38H54NO14 [M+H]+ 748.3544, found 748.3.
化合物55:MS-ESI (m/z) calcd for C39H57N2O14 [M+H]+ ,777.3810 found 777.4.
化合物64:MS-ESI (m/z) calcd for C38H56NO13 [M+H]+ 734.3752, found 734.4.
化合物65:MS-ESI (m/z) calculated for C39H57N2O15 [M+H]+ 793.3759, found 793.4.
化合物66:MS-ESI (m/z) calcd for C41H57N2O14 [M+H]+ 801.3810, found 801.4.
化合物68:MS-ESI (m/z) calcd for C41H57N3O14 [M+H]+ 816.3919, found 816.4.
【0076】
手順D
式(I-C1)の化合物は、以下のスキームVIに示す手順に従って調製され得る。
【化25】
【0077】
化合物7(100mg、0.164mmol)をt-ブタノール(0.8mL)、THF(0.8mL)及び2-メチル-2-ブテン(0.3mL、3.28mmol)に溶解する。そして、NaClO(81.5mg、0.902mmol)及びNaHPO(127.7mg、1.07mmol)の水(0.3mL)中の混合物を化合物7の溶液に添加する。室温で20時間撹拌した後、反応混合物を1NのHCl(2mL)でクエンチングする。酢酸エチルを添加する。有機層を採取する。水性層を酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせ、無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して化合物28を得る。
【0078】
室温で、化合物28(1当量)を、アミン(1.1当量、MilliporeSigma)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(1-[Bis(dimethylamino)methylene]-1H-1,2,3-triazolo[4,5-b]pyridinium 3-oxid hexafluorophosphate)(「HATU」、1.5当量、MilliporeSigma)、ジイソプロピルエチルアミン(3当量)及び乾燥DMF(0.5mL)又は乾燥ジクロロメタン(0.5mL、MilliporeSigma)と混合する。得られた混合物を室温で20時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄する。有機層を採取し、無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して式(I-C1)の化合物を得る。
【0079】
手順Dを用いて以下の化合物、化合物28及び61~63を調製した。
化合物28:HRMS-ESI (m/z) calcd for C30H40O14Na [M+Na]+ 647.2310, found 647.2311.
化合物61:MS-ESI (m/z) calcd for C34H51N2O14 [M+H]+ 711.3340, found 711.4.
化合物62:MS-ESI (m/z) calcd for C31H44NO14 [M+H]+ 654.2762, found 654.3.
化合物63:MS-ESI (m/z) calcd for C33H44NO14 [M+H]+ 678.2762, found 678.3.
【0080】
手順E
式(I-A1)の化合物は、以下のスキームVIIに示す手順に従って調製され得る。
【化26】
【0081】
室温で、化合物1(1モル当量)をヒドラジン(1.5当量、MilliporeSigma)、AcOH(2滴)及びトルエン(0.3mL)と混合する。得られた混合物を還流で20時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄する。有機層を採取し、無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して式(I-A1)の化合物を得る。
【0082】
手順Eを用いて以下の化合物、化合物9~12及び18~20を調製した。
化合物9:MS-ESI (m/z) calcd for C32H45O20 [M+H]+ 617.3407, found 617.3.
化合物10:MS-ESI (m/z) calcd for C33H48O39 [M+H]+ 630.3391, found 630.3.
化合物11:MS-ESI (m/z) calcd for C32H43O20 [M+H]+ 615.2918, found 615.3.
化合物12:MS-ESI (m/z) calcd for C32H43O20 [M+H]+ 615.2918, found 615.3.
化合物18:MS-ESI (m/z) calcd for C30H41O20 [M+H]+ 589.2761, found 589.3.
化合物19:MS-ESI (m/z) calcd for C30H41O20 [M+H]+ 589.2761, found 589.3.
化合物20:MS-ESI (m/z) calcd for C35H43O20 [M+H]+ 651.2918, found 651.3.
【0083】
手順F
以下のスキームVIIIは、本発明の式(I-H)の化合物の例示的調製を示す。
【化27】
【0084】
室温で、SP001又はSP040(1モル当量)をアジ化ナトリウム(4当量、MilliporeSigma)、DMF(0.3mL)と混合する。得られた混合物を80℃で16時間撹拌し、水でクエンチングし、そして酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層を無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して式の化合物を得る。
【0085】
手順Fを用いて以下の化合物、化合物2、38及び43を調製した。
化合物2:HRMS-ESI (m/z) calculated for C30H41N3O11Na [M+Na]+ 642.2633, found 642.2633.
化合物38:HRMS-FAB (m/z) calculated for C30H44N3O12 [M+H]+ 638.2925, found 638.2921.
化合物43:MS-ESI (m/z) calculated for C40H55N4O13 [M+H]+ 799.3766, found 799.4.
【0086】
手順G
以下のスキームIXは、本発明の式(I-I)の化合物を調製する方法を示す。
【化28】
【0087】
窒素雰囲気下のEtOH(0.6mL)中のジフェニルジセレニド(1.5当量)の撹拌溶液に、室温でNaBH(3当量)を添加した。水素の発生が止まった後、淡黄色の溶液を0℃まで冷却し、続けて、酢酸(1.5当量)を添加し、混合物を0℃で50分間さらに撹拌した。そして、得られた無色の溶液を、EtOH(0.6mL)中のSP001(1当量)の溶液に室温で添加した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、酸素を5分間溶液に通過させた。反応混合物をHOで洗浄した。有機層を採取し、MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、回転蒸発によって濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して式の化合物を得た。
【0088】
手順Gを用いて以下の化合物、化合物54を調製した。
化合物54:HRMS-ESI (m/z) calculated for C30H44NO12Na [M+Na]+ 619.2725, found 619.2735.
【0089】
手順H
以下のスキームXは、本発明の化合物3及びその類似体を調製する例示的方法を示す。
【化29】
【0090】
室温で、SP001(1当量)をCBr(3.0当量、MilliporeSigma)、PPh(3.0当量、MilliporeSigma)及び乾燥THF(4mL)と混合する。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、反応混合物をCeliteのショートパッドを通じてろ過してトリフェニルホスフィンオキシドを除去し、エーテルでリンスした。ろ液を濃縮し、分取HPLC(C18)によって精製して式の化合物を得た。
【0091】
化合物3を、手順Hを用いて調製した。HRMS-FAB (m/z) calculated for C30H42 79BrO11 [M+H]+ 657.1910, found 657.1911; C30H42 81BrO11 [M+H]+ 659.1890, found 659.1880.
【0092】
SP040を、手順Hを用いて調製した。HRMS-ESI (m/z) calculated for C30H40O11Na[M+Na]+ 599.2463, found 599.2465.
【0093】
手順I
以下のスキームXIは、本発明の式(I-J)の化合物を調製する方法を示す。
【化30】
【0094】
室温で、SP001又は化合物7(1モル当量)を水素化ホウ素ナトリウム(2当量、MilliporeSigma)及びメタノール(0.3mL)と混合する。得られた混合物を0℃で3時間撹拌し、水でクエンチングし、そして酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層を無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して式の化合物を得た。
【0095】
手順Iを用いて以下の化合物、化合物39及び46を調製した。
化合物39:MS-ESI (m/z) calculated for C30H44NaO13 [M+Na]+ 635.2680, found 635.3.
化合物46:HRMS-ESI (m/z) calculated for C30H44O12Na [M+Na]+ 619.2725, found 619.2734.
【0096】
手順J
以下のスキームXIIは、本発明の式(I-G)の化合物の調製を示す。
【化31】
【0097】
室温で、SP001をRSOCl(2当量)、トリエチルアミン(3当量、MilliporeSigma)及び乾燥DCM(0.4mL)と混合する。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、水でクエンチングし、そしてDCMで抽出する。合わせた有機層を無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して式の化合物を得た。
【0098】
手順Jを用いて以下の化合物、化合物13、14及び49を調製した。
化合物13:MS-ESI (m/z) calculated for C30H43NO20SNa[M+Na]+ 696.2302, found 696.2.
化合物14:MS-ESI (m/z) calculated for C31H45O14S[M+H]+ 673.2530, found 673.2.
化合物49:1H NMR (600 MHz, acetone-d6, -40 oC) δ 5.80 (dd, J = 7.3, 1.7 Hz, 1H), 5.66 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.55 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 5.32 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 4.94 (dt, J = 12.6, 4.1 Hz, 1H), 4.76 - 4.72 (m, 1H), 4.00 (dd, J = 15.9, 7.0 Hz, 1H), 3.45 - 3.33 (m, 2H), 3.18 (dd, J = 10.2, 5.1 Hz, 1H), 2.96 - 2.76 (m, 3H), 2.65 (hept, J = 7.1, 6.4 Hz, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.34 - 2.28 (m, 1H), 2.25 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.22 - 2.06 (m, 4H), 1.97 - 1.84 (m, 2H), 1.91 (s, 3H), 1.61 - 1.39 (m, 11H), 1.15 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.87 (s, 3H), 0.85 (t, J = 7.4 Hz, 3H). HRMS-ESI (m/z) calculated for C37H56NO14S [M+H]+ 770.3416, found 770.3410.
【0099】
手順K
以下のスキームXIIIは、本発明の化合物6及びその類似体を調製する方法を示す。
【化32】
【0100】
室温で、化合物38(1当量)をPPh(4当量)及びTHF/HO(40:1、1.2mL)と混合した。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、水でクエンチングし、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して化合物6を得た。
MS-ESI (m/z) calculated for C30H42NO10[M+H]+ 576.2809, found 576.3.
【0101】
手順L
以下のスキームXIVは、本発明の化合物50及びその類似体を調製する方法を示す。
【化33】
【0102】
室温で、SP001(1当量)をPd/C及びメタノール(1.5mL)と混合した。得られた混合物をH(バルーン)下で、室温で16時間撹拌し、Celiteのパッドを通じてろ過し、そして酢酸エチルでリンスした。ろ液を濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して化合物50:MS-ESI (m/z) calculated for C30H45O12 [M+H]+ 597.2911, found 597.3.を得た。
【0103】
手順M
化合物53を、以下のスキームXVに示す方法に従って調製した。
【化34】
【0104】
室温で、化合物41(1当量)をS1(1当量)、CuSO5HO(0.2当量)、アスコルビン酸ナトリウム(2当量)及びMeOH(0.6mL)と混合した。得られた混合物を室温で20分間撹拌し、Celiteのショートパッドを通じてろ過し、酢酸エチルでリンスした。ろ液を採取し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して化合物53を得た。
MS-ESI (m/z) calculated for C56H72N7O22 [M+H]+ 1194.4730, found 1194.5.
【0105】
化合物69を、以下のスキームXVIに示す方法に従って調製した。
【化35】
【0106】
室温で、化合物SP001(1当量)を(E)-4-(tert-ブトキシ)-4-オキソブト-2-エン酸((E)-4-(tert-butoxy)-4-oxobut-2-enoic acid)(1.2当量)、ジメチルアミノ-ピリジン(「DMAP」、0.3当量、MilliporeSigma、St.Louis、ミズーリ州から市販)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジ-イミド(「EDCI」、3当量、MilliporeSigma)及び乾燥CHCl(0.1M)と混合した。得られた混合物を18時間撹拌し、CHClで希釈し、そして水で洗浄した。有機層を採取し、無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、中間体として次のステップで直接用いる無色の油としてエステル化合物を得た。
【0107】
室温で、上記の中間体(1当量)をTFA(2.5当量)及びCHCl(0.2M)と混合した。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、そして真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製してカルボン酸化合物を得た。
【0108】
室温で、上記のカルボン酸化合物(1当量)をHATU(1.2当量)、DIPEA(4当量)及び化合物S2(1当量)と混合した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、CHClで希釈し、そして水で洗浄した。有機層を採取し、無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それを分取HPLC(C18)によって精製して、化合物69:MS-ESI (m/z) calcd for C53H67N4O18 [M+H]+ 1047.4450, found 1047.4.を得た。
【0109】
化合物70、71及び72は、以下のスキームXVIIに示す方法に従って調製した。
【化36】
【0110】
室温で、化合物SP001、化合物7又は化合物42(1当量)を無水コハク酸(3当量)、ジメチルアミノ-ピリジン(「DMAP」、1.3当量、MilliporeSigma)、DIPEA(3当量)及び乾燥CHCl(0.1M)と混合した。得られた混合物を40℃で18時間撹拌し、CHClで希釈し、そして1NのHCl(aq.)で酸性化した。水性層をCHClで3回抽出した。有機層を採取し、無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の油としてカルボン酸中間体を得た。
【0111】
室温で、上記の中間体(1当量)をHATU(1.2当量)、DIPEA(4当量)及び化合物S2(1当量)と混合した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、CHClで希釈し、そして水で洗浄した。有機層を採取し、無水MgSOにおいて乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得て、それを分取HPLC(C18)によって精製して化合物70、71及び72のうちの1つを得た。
化合物70:MS-ESI (m/z) calcd for C53H69N4O18 [M+H]+ 1049.4607, found 1049.5.
化合物71:MS-ESI (m/z) calcd for C53H67N4O19 [M+H]+ 1063.4400, found 1063.4.
化合物72:MS-ESI (m/z) calcd for C56H70N5O19 [M+H]+ 1116.4665, found 1117.5.
【0112】
結果として調製された化合物は、結晶化、蒸留/減圧蒸留、シリカにおけるフラッシュクロマトグラフィー及び分取液体クロマトグラフィーなどの従来の方法に従ってさらに精製され得る。
【0113】
最初に、本発明の化合物の有効性は、以下の実施例にすべて記載されている、それらの抗炎症性活性を同定するin vitroの方法を用いて決定され得る。選択された化合物は、それらのin vivoでの有効性、薬物動態プロファイル及び毒性を確認するために、例えば、動物にそれを投与することによってさらに試験され得る。結果に基づいて、適切な投与量範囲及び投与経路が決定され得る。
【0114】
好ましくは、本発明の化合物は、薬学的担体を含む薬学的組成物に処方される。そして、薬学的組成物は、炎症を阻害し、したがって、それに関連する障害を処置するように、それを必要とする被検体に与えられる。
【0115】
更なる詳述なしに、当業者であれば、上記説明に基づいて、本発明をその最大限に利用し得ると考えられる。以下の具体例は、単なる例示として解釈されるべきであり、いずれの態様においても開示の残りを限定するものではない。
【0116】
ここに引用されるすべての刊行物は、その全体において参照によってここに取り込まれる。
【0117】
本発明の化合物の調製及び有効性評価を示す実施例を、以下に説明する。
【0118】
iNOSmRNAについてのリアルタイムPCR分析
リアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を、Livak他及びDe Gois他によって記載された方法により、修正を加えて実行した。Livak他、Methods 2001、25、402~408及びDe Gois他、J.Neurosci.2005、25、7121~33を参照。
【0119】
8時間後、細胞ペレットを遠心分離された試験管から採取した。トータルRNAを、TRIzol(登録商標)RNA単離試薬(Life Technologies、Carlsbad、カリフォルニア州)を用いて、製造者の指示に従って単離した。3000rpmで8分間の4℃での遠心分離の後、トータルRNAを得て、iScript(商標)cDNA合成キット(Bio-Rad、Hercules、カリフォルニア州)を用いて転写した。反応は、50μLの全量中0.5μLの各プライマー(最終濃度0.2μM)、25μLのiQ SYBR Green Supermix(商標)(Bio-Rad、100mMのKCl、40mMのTris-HCl、pH8.4、0.4mMの各dNTP、50ユニット/mLのiTaq DNAポリメラーゼ、6mMのMgCl、SYBR Green(商標)I、20nMのフルオレセイン及び安定剤)及び2.5μLのテンプレートで、2重に行った。PCRサイクル条件を、95℃で10分間、そして95℃で15秒間及び60℃で1分間の40サイクルとした。各実験の最後に融解曲線分析を行い、プライマー対ごとの単一生成物が増幅されたことを確認した。増幅及び分析を、CFX96 Touch(商標)Real-time PCR Detection System(Bio-Rad)を用いて行った。結果を、相対的サイクル閾値(CT)法を用いて比較した。2-ΔΔCTを用いたハウスキーピング遺伝子(GAPDH)に対する正規化の後、ブランクコントロールに対する倍数増減を決定した。遺伝子型決定に用いたリアルタイムPCRオリゴヌクレオチドプライマーは以下の、iNOS(順方向)、5´-GCTGTTAGAGACACTTCTGAG-3´、iNOS(逆方向)、5´-CACTTTGGTAGGATTTGACTTTG-3´である。
【0120】
iNOS阻害(%)を、LPS刺激によるiNOS遺伝子発現を100%としたものに対するiNOS遺伝子発現の割合減少として算出した。高いiNOS阻害は、化合物が80%を超えるLPS刺激iNOS遺伝子発現の減少を発揮し得ることを示す。
【0121】
化合物1~67を上記のアッセイで評価した。各化合物は、最大97%のiNOS遺伝子発現の阻害を示した。中でも、化合物24、34、37、41、55及び66は、非常に有力であり、50%~97%のiNOS遺伝子発現の阻害を有した。
【0122】
他の実施形態
本明細書に開示されるすべての特徴は、任意の組合せにおいて組み合わされ得る。本明細書に開示される各特徴は、同一、同等又は類似の目的を果たす代替的な特徴によって置換され得る。したがって、特に断りのない限り、開示される各特徴は、同等又は類似の特徴の一般的な一連の例に過ぎない。
【0123】
上記の説明から、当業者は本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更及び修飾を行って、それを種々の用途及び条件に適合させ得る。例えば、本発明の化合物に構造的に類似した化合物が合成されてもよく、SOS1に関連する状態の処置におけるそれらの有効性についてスクリーニングされ得る。したがって、他の実施形態も特許請求の範囲内である。
【配列表】
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【外国語明細書】