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特開2024-77630二次電池用導電材分散液及びこれを含む二次電池電極用スラリー組成物
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  • 特開-二次電池用導電材分散液及びこれを含む二次電池電極用スラリー組成物 図1
  • 特開-二次電池用導電材分散液及びこれを含む二次電池電極用スラリー組成物 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077630
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】二次電池用導電材分散液及びこれを含む二次電池電極用スラリー組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 226/10 20060101AFI20240531BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20240531BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20240531BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20240531BHJP
   C09K 23/52 20220101ALI20240531BHJP
   H01M 4/48 20100101ALI20240531BHJP
【FI】
C08F226/10
H01M4/62 Z
H01M4/38 Z
H01M4/587
C09K23/52
H01M4/48
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023200550
(22)【出願日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0161509
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523259802
【氏名又は名称】カーボン ティーアンドシー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CARBON T&C Co. Ltd.
【住所又は居所原語表記】#517, 184, Gasan digital 2-ro, Geumcheon-gu, Seoul, 08501, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,グン ス
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ホ キョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヨン ビン
【テーマコード(参考)】
4D077
4J100
5H050
【Fターム(参考)】
4D077AA01
4D077AC05
4D077DD13Y
4D077DE04Y
4D077DE07Y
4D077DE09Y
4D077DE24Y
4J100AB02R
4J100AB04R
4J100AE09Q
4J100AJ02S
4J100AQ08P
4J100BA08Q
4J100CA06
4J100JA15
5H050AA07
5H050AA08
5H050BA15
5H050CA08
5H050CB02
5H050CB07
5H050CB29
5H050DA03
5H050DA09
5H050EA23
5H050EA25
5H050EA26
5H050EA28
5H050HA02
5H050HA10
(57)【要約】
【課題】本発明は二次電池用導電材分散液及びこれを含む二次電池用電極用スラリー組成物を提供する。
【解決手段】ビニル系分散剤を含んで既存分散剤より性能が優秀な導電材分散液を利用して二次電池電極に利用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化1を含んで、
【化1】
前記化1のR1からR4はそれぞれ独立的に水素またはメタンであり、
R5からR12は独立的に水素または不飽和基を含むか、または含まない線形(linear)、枝型(branched)、またはサイクリック(cyclic)の炭素数1~20個のヘテロ原子を含むか、または含まない脂肪族または芳香族炭化水素基、またはハロゲン元素のうちで少なくとも1個以上を含んで、
R13はヘテロ基を含む炭素数1から3のアルキルまたはエステル基を少なくとも1個以上含んで、
R14は独立的に水素またはメチルであり、
R15は水素または不飽和基を含むか、または含まない線形(linear)、枝型(branched)、またはサイクリック(cyclic)の炭素数1~20個のヘテロ原子を含むか、または含まない脂肪族または芳香族炭化水素基であり、
R16は不飽和基を含むか、または含まない線形(linear)、枝型(branched)、またはサイクリック(cyclic)の炭素数1~20個のヘテロ原子を含むか、または含まない脂肪族または芳香族炭化水素基であり、
R17は水素またはカルボン酸グループから選択される一つであり、
xは0から30以下の定数であり、
yは0から10以下の定数であり、
lは0から0.25であり、
mは0.10から0.95であり、
nは0.01から0.40であり、
oは0.01から0.10の有理数であり、
l、m、n及びoの合計は1である
分散剤。
【請求項2】
前記yは0であり、R17は水素である、請求項1に記載の分散剤。
【請求項3】
前記yは1から10の定数であり、R17はカルボン酸グループから選択される一つである、請求項1に記載の分散剤。
【請求項4】
前記分散剤の数平均分子量が3,000から50,000g/molであることを特徴とする請求項1に記載の分散剤。
【請求項5】
アミン系化合物をさらに含む、請求項1に記載の分散剤。
【請求項6】
前記アミン系化合物はメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘブチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、t-オクチルアミン、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、トリプロピルアミン、N、N-ジメチルベンジルアミン、2-メトキシエチルアミン、オレイルアミン群から選択される1または2以上である、請求項5に記載の分散剤。
【請求項7】
請求項1から請求項6のうちで何れか一項による分散剤と、導電材及び分散媒とを含む、導電材分散液。
【請求項8】
前記導電材は、カーボンナノチューブ、グラフェンオキサイド、グラフェンナノ-プレート、カーボンブラック、還元されたグラフェンオキサイドから選択されるひとつである、請求項7に記載の導電材分散液。
【請求項9】
前記分散媒は、n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、グリセロール、イソブタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-メトキシプロパノール、テトラヒドロフラン、ギ酸、アクリロニトリル、グリコールエーテル、水から選択される1または2以上である、請求項7に記載の導電材分散液。
【請求項10】
スメクタイト粘土をさらに含む、請求項7に記載の導電材分散液。
【請求項11】
セルロース系化合物をさらに含む、請求項7に記載の導電材分散液。
【請求項12】
前記セルロース系化合物は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースエーテル及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩でなされた群から選択される1または2以上である、請求項11に記載の導電材分散液。
【請求項13】
請求項7による分散液と、負極活物質、増粘剤、バインダー及び溶媒を含む、二次電池用負極スラリー組成物。
【請求項14】
前記負極活物質は、SiOX(0≦X≦2)及び炭素系活物質を含む、請求項13に記載の二次電池用負極スラリー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用導電材分散液及びこれを含む二次電池用電極用スラリー組成物に関する発明である。具体的に、ビニル系分散剤を含んで既存分散剤より性能が優秀な導電材分散液を利用して二次電池電極に利用することができる。
【背景技術】
【0002】
特許第6801806号明細書は導電材を分散する媒質に分散することに対する発明であるが、導電材を分散するのに最適化されない発明である。また、欧州特許出願公開第3770204号明細書は分散剤の構造が芳香族ビニル単量体単位と炭素数4以上の直鎖アルキレン構造単位を含む重合体で定義されている。但し、このような構造を有する場合表面が水酸基でなっている導電材を分散するには不適切である問題点が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6801806号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3770204号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、炭素ナノチューブ、グラフェン、カーボンブラックのような導電物質を媒質に分散を容易にする分散剤の構造を定義することで、二次電池の負極スラリー内の均一な分散を誘導して電気的連結を改善して二次電池の寿命と効率を高める導電材分散液を提供することである。また、導電材の分散特性が向上された二次電池電極用導電材線分散スラリーを具現することができる。特に、導電材の含量が比較的高いでありながらも比較的低い粘度を有して比較的簡単な工程で容易に製造されることができる二次電池電極用導電材線分散スラリーを具現することができる。前記した導電材線分散スラリーを適用して優秀な性能を有する電極を製造することができるし、前記した電極を適用した二次電池を製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例による分散剤は下記化1を含むことができる。
【0006】
【化1】
前記化1のRからRはそれぞれ独立的に水素またはメタンであることができる。
からR12は独立的に水素または不飽和基を含むか、または含まない線形(linear)、枝型(branched)、またはサイクリック(cyclic)の炭素数1~20個のヘテロ原子を含むか、または含まない脂肪族または芳香族炭化水素基、またはハロゲン元素のうちで少なくとも1個以上を含んで、
13はヘテロ基を含む炭素数1から3のアルキルまたはエステル基を少なくとも1個以上含んで、
14は独立的に水素またはメチルであり、
15は水素または不飽和基を含むか、または含まない線形(linear)、枝型(branched)、またはサイクリック(cyclic)の炭素数1~20個のヘテロ原子を含むか、または含まない脂肪族または芳香族炭化水素基であり、
16は不飽和基を含むか、または含まない線形(linear)、枝型(branched)、またはサイクリック(cyclic)の炭素数1~20個のヘテロ原子を含むか、または含まない脂肪族または芳香族炭化水素基であり、
17は水素またはカルボン酸グループから選択される一つであり、
xは0から30以下の定数であり、
yは0から10以下の定数であり、
lは0から0.25であり、
mは0.10から0.95であり、
nは0.01から0.40であり、
oは0.01から0.10の有理数であり、
l、m、n及びoの合計は1である。
【0007】
本発明の一実施例による分散剤の前記yは0であり、R17は水素であることがある。
【0008】
本発明の一実施例による分散剤の前記yは1から10の定数であり、R17はカルボン酸グループから選択される一つであることができる。
【0009】
前記分散剤の分子量が3,000から50,000g/molであることがある。
【0010】
前記分散剤はアミン系化合物をさらに含むことができる。
【0011】
前記アミン系化合物は、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘブチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、t-オクチルアミン、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、トリプロピルアミン、N、N-ジメチルベンジルアミン、2-メトキシエチルアミン、オレイルアミン群から選択される1または2以上であることができる。
【0012】
本発明の一実施例による導電材分散液は分散剤、導電材及び分散媒を含むことができる。
【0013】
前記導電材は、カーボンナノチューブ、グラフェンオキサイド、グラフェンナノ-プレート、カーボンブラック、還元されたグラフェンオキサイドから選択される一つであることができる。
【0014】
前記分散媒は、n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、グリセロール、イソブタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-メトキシプロパノール、テトラヒドロフラン、ギ酸、アクリロニトリル、グリコールエーテル、水から選択される1または2以上であることができる。
【0015】
本発明の一実施例による導電材分散液は、スメクタイト粘土をさらに含むことができる。
【0016】
本発明の一実施例による導電材分散液はセルロース系化合物をさらに含むことができる。
【0017】
前記セルロース系化合物はメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースエーテル及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩でなされた群から選択される1または2以上であることができる。
【0018】
本発明の一実施例による二次電池用負極スラリー組成物は分散液、負極活物質、増粘剤、バインダー及び溶媒を含むことができる。
【0019】
前記負極活物質は、SiOX(0≦X≦2)及び炭素系活物質を含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の目的は、炭素ナノチューブ、グラフェン、カーボンブラックのような導電物質を媒質に分散を容易にする分散剤の構造を定義することで、二次電池の負極スラリー内の均一な分散を誘導して電気的連結を改善して二次電池の寿命と効率を高める導電材分散液を提供することである。また、導電材の分散特性が向上された二次電池電極用導電材の線分散スラリーを具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例である合成例1によって製造された分散剤のH-NMR結果を示した図面である。
図2】本発明の一実施例である合成例1によって製造された分散剤のFT-IRの結果を示した図面である。
図3】本発明の一実施例である合成例1によって製造された分散剤のGPCの結果を示した図面である。
図4】本発明の一実施例である合成例2によって製造された分散剤のGPCの結果を示した図面である。
図5】本発明の一実施例である合成例3によって製造された分散剤のGPCの結果を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施例による分散剤は第1単量体から第4単量体を重合して製造することができる。
【0023】
前記第1単量体は、親水基である3次アミン基を有しているビニルピロリドン系単量体を含むことができる。具体的に、前記第1単量体は1-ビニル-2-ピロリドン、5-メチル-1-ビニル-2-ピロリドン、4-メチル-1-ビニル-2-ピロリドン、3-メチル-1-ビニル-2-ピロリドン、3-クロロ-1-ビニル-2-ピロリドン、4-クロロ-1-ビニル-2-ピロリドン、4-クロロ-1-ビニル-2-ピロリドン、3、4-ジメチル-1-ビニル-2-ピロリドン、4、5-ジメチル-1-ビニル-2-ピロリドン、3、4、5-トリメチル-1-ビニル-2-ピロリドン、4-クロロ-3、5-ジメチル-1-ビニル-2-ピロリドン、3-エチル-1-ビニル-2-ピロリドン、4-エチル-1-ビニル-2-ピロリドン、5-エチル-1-ビニル-2-ピロリドン群から選択される1または2以上であることができる。
【0024】
前記第2単量体は、ビニル(vinyl)または(メタ)アクリレート作用基にポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールが付加されている親水性単量体を含むことができる。具体的に、前記第2単量体はポリエチレングリコールモノーアリールエーテル、アリールオキシ(ポリエチレンオキサイド)メチルエーテル、アリールオキシ(ポリエチレンオキサイド-co-ポリプロピレンオキサイド)メチルエーテル、ポリエチレングリコールモノー(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール-co-プロピレングリコール)モノー(メタ)アクリレート、エトキシエトキシレート(メタ)アクリレート、エトキシトリグリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノーメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノーメチルエーテル(メタ)アクリレート群から選択される1または2以上であることができる。
【0025】
前記第3単量体は、カルボン酸を含むビニル系単量体を含むことができる。具体的に、前記第3単量体は(メタ)アクリル酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレートから選択されることができる。但し、これに限定されるものではなくてカルボン酸を含むビニル系単量体なら第3単量体で利用されることができる。
【0026】
前記第3単量体のカルボン酸重合体のビニルピロリドン作用基と塩形態で存在しながら導電体との結合を容易にする役割をすることができる。
【0027】
前記第4単量体は、分散時媒質の極性によってベンゼンリングを含むビニル系単量体を使って分散剤の極性を低める役割をすることができる。また、前記第4単量体は、ベンゼンリングを含むことで耐電圧特性等二次電池の信頼性を増大させる役割をすることができる。具体的に、前記第4単量体は、スタイレン、アルファスタイレン、ビニルトルエン、1-メトキシ4-ビニルベンゼン、1-エトキシ4-ビニルベンゼン、1-(t-ブチル)-4-ビニルベンゼン、1、3、5-トリメチル-2-ビニルベンゼン、1、3、5-卜リクロロ-2-ビニル群から選択される1または2以上であることができる。
【0028】
本発明の一実施例による分散剤は下記化2を含むことができる。
【0029】
【化2】
前記化2のR1からR4はそれぞれ独立的に水素またはメタンであり、
からR12は独立的に水素または不飽和基を含むか、または含まない線形(linear)、枝型(branched)、またはサイクリック(cyclic)の炭素数1~20個のヘテロ原子を含むか、または含まない脂肪族または芳香族炭化水素基、またはハロゲン元素のうちで少なくとも1個以上を含んで、
13はヘテロ基を含む炭素数1から3のアルキルまたはエステル基を少なくとも1個以上含んで、
14は独立的に水素またはメチルであり、
15は水素または不飽和基を含むか、または含まない線形(linear)、枝型(branched)、またはサイクリック(cyclic)の炭素数1~20個のヘテロ原子を含むか、または含まない脂肪族または芳香族炭化水素基であり、
16は不飽和基を含むか、または含まない線形(linear)、枝型(branched)、またはサイクリック(cyclic)の炭素数1~20個のヘテロ原子を含むか、または含まない脂肪族または芳香族炭化水素基であり、
17は水素またはカルボン酸グループから選択される一つであり、
xは0から30以下の定数であり、
yは0から10以下の定数であり、
lは0から0.25であり、
mは0.10から0.95であり、
nは0.01から0.40であり、
oは0.01から0.10の有理数であり、
l、m、n及びoの合計は1である。
【0030】
具体的に、本発明の一実施例による分散剤は、下記化3から化10で定義されるビニル系分散剤を含むことができる。
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】
【化9】
【0038】
【化10】
【0039】
ビニル系重合体は溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合など公知された製造方法を適切に選択して製造することができる。望ましくは、溶液重合方法を利用して製造することができる。
【0040】
ビニル共重合樹脂はランダム共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体で製造されることができる。望ましくは、ランダム共重合体で製造されることができる。費用的な側面及び工程的な側面からランダム共重合体で製造されることが有利なためである。
【0041】
前記溶液重合において、重合溶媒として分散媒と等しい溶媒を使用することが望ましい。具体的に、前記重合溶媒は分散媒と等しいものであり、n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、グリセロール、イソブタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-メトキシプロパノール、テトラヒドロフラン、ギ酸、アクリロニトリル、グリコールエーテル及び水から選択される1または2以上であることができる。
【0042】
本発明の一実施例による分散剤は、モル比で前記第1単量体が0.1から0.95であることがある。望ましくは、前記第1単量体はモル比で0.30から0.9であることがある。さらに望ましくは、前記第1単量体はモル比で0.4から0.8であることがある。前記第1単量体はモル比が0.4以下ならば導電材と分散性が落ちて0.8以上なら媒質と電極製造時機械的物性が低下される問題点が発生することがある。
【0043】
前記第2単量体はモル比で0.01から0.40であることがある。望ましくは、前記第2単量体はモル比で0.1から0.35であることがある。さらに望ましくは、前記第2単量体はモル比で0.15から0.3であることがある。前記第2単量体はモル比が0.15以下ならば分散媒質との相溶性が低下されて電極製造時柔軟性が悪くなる問題点が発生することがある。前記第2単量体はモル比が0.3以上なら電極製造時機械的物性が低下されるという問題点が発生することがある。
【0044】
前記第3単量体はモル比で0.01から0.10であることがある。望ましくは、前記第3単量体はモル比で0.02から0.08であることがある。前記第3単量体はモル比が0.02以下ならば塩基性化合物と塩形成が難しくて導電材との分散性が低下される問題点が発生することがある。前記第3単量体はモル比が0.08以上なら分散剤樹脂が沈澱されて分散剤として機能を喪失する問題点が発生することがある。
【0045】
前記第4単量体はモル比で0から0.25であることがある。望ましくは、前記第4単量体はモル比で0.10から0.20であることがある。前記第4単量体のモル比が0.1以下ならば電極製造時機械的物性が低下される問題点が発生することがある。前記第4単量体はモル比が0.2以上なら導電材と分散性が悪くなる問題点が発生することがある。
【0046】
前記溶液重合は不活性ガス雰囲気下で重合開始剤を添加して12℃から50℃で5時間から30時間の間進行されることができる。
【0047】
前記不活性ガスはアルゴン窒素を含むことができる。但し、これに限定されるものではない。
【0048】
前記ラジカル重合に使用される重合開示剤、連鎖移動剤及び乳化剤などは広く知られた物質で適切に選択することができる。
【0049】
本発明の一実施例による分散材はビニル系分散剤樹脂であることがある。前記ビニル系分散剤樹脂の平均分子量は、重合開示剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件によって制御されることができる。また、重合開始剤及び連鎖移動剤の種類によって使用量が適切に調節されることができる。
【0050】
前記重合開始剤は、2、2’-アゾビスイソブチロニトリル、2、2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド 、2、2’-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド 、2、2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2、2’-アゾビス(N、N’-ジメチレンイソブチルアミジン)、2、2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]ハイドレートなどアゾ系開始剤群から選択される1または2以上であることができる。
【0051】
前記重合開始剤は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ--sec-ブチルペルオキシジカーボネート、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、t-ヘキシルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシピバレート、ジラウロイルペルオキシド、ジ-n-オクタノイルペルオキシド、1、1、3、3-テトラメチルブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(4-メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルオキシイソブチレート、1、1-ジ(t-ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素など過酸化物系開始剤から選択される1または2以上であることができる。
【0052】
また、前記重合開始剤は、過硫酸塩と亜黄酸水素ナトリウムの組合、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組合などの過酸化物と還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤を含むことができる。但し、これらに限定されるものではない。
【0053】
前記重合開始剤は単独で使用することができるし、2種以上混合して使用することができる。前記重合開始剤は単量体成分の全体量100重量部に対して1から15重量部であるものが望ましい。さらに望ましくは、3から10重量部のものであることがある。
【0054】
前記重合開示剤の量によって樹脂のビニル系分散剤の平均分子量(Mw)を調節することができる。前記重合開示剤の量が多くなれば、重量平均分子量が低くなって、反対に前記重合開示剤の量が減れば重量平均分子量が高くなる特性を見せる。
【0055】
本発明で効果を見せるビニル系分散剤樹脂の数平均分子量は3,000から50,000であることがある。前記数平均分子量の分散剤を製造しようとすれば、重合開示剤の量は前記範囲内で使用することが望ましい。
【0056】
前記ビニル系分散剤はアミン系化合物をさらに含むことができる。前記ビニル系分散剤とアミン系化合物を同時に使用することで分散安全性を極大化させることができる。
【0057】
前記ビニル系分散剤のカルボン酸とアミン系化合物が塩形態を形成することで表面が親水性である導電材の分散性を高めて負極電解質の分散液内に導電材の量をふやして二次電池の充電容量を高めることができる。
【0058】
前記アミン系化合物は1次アミン、2次アミン、3次アミン、芳香族アミンまたはこれらの混合物から選択されるものであることができる。但し、これに限定されるものではなくて1次アミン、2次アミン、3次アミン及び芳香族アミンの種類はこの分野で通常的に使用されるものなら問題なしに使用することができる。
【0059】
具体的に、前記アミン系化合物はメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘブチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、t-オクチルアミン、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、トリプロピルアミン、N、N-ジメチルベンジルアミン、2-メトキシ及びオレイルアミンから選択される1または2以上であることができる。
【0060】
前記アミン系化合物は前記ビニル系分散剤とあらかじめ混合して塩を作って使っても良くて分散時導電剤と共に使っても良いが、充分に塩を作ってくれるために前記ビニル系分散剤とあらかじめ混合して使用することが望ましい。
【0061】
前記アミン系は前記ビニル系分散剤の固形分基準で100重量部に対して10から60重量部、望ましくは20から50重量部であることができる。
【0062】
前記範囲以下の場合には分散性が落ちて導電材充填量が減ることがあるし、前記範囲以上の場合には二次電池の物性に悪い影響を与えることがある。
【0063】
前記アミン化合物とビニル系共重合体の分散剤混合物を固形分基準末端基分析法で測定した酸価は1から10mg KOH/gであることがあって、アミン値が2から10mg KOH/gの範囲にあり得る。
【0064】
本発明の一実施例による分散剤は単独で使用されることもできるが、スメクタイト粘土とともに使用されることができる。
【0065】
前記スメクタイト粘土はスメクタイト(smectite)は異方性が大きい二次元空間を有して、単位構造内に置き換えされた数が多くて薄ら切れ形態であるため表面電荷が高くて表面積が広い2:1珪酸塩粘土鉱物としてCEC(cation exchange capacity)が高くて層間膨張性が大きい性質を有する。
【0066】
スメクタイトの構造はSi-O四面体とAl-O八面体層が2:1の割合で構成されてアルミナはSi-O四面体に存在するシリカと一部置き換えされていてironまたはmagnesiumがAl-O八面体層内に存在するaluminumと一部置き換えされている。これにより陽イオンの少ない状態になるが、全体的に電荷を合わせるために1価陽イオンを表面に吸着するようになる。この時吸着された1価陽イオンがsodiumならsodium montmorilloniteで現われる。
【0067】
スメクタイト系列粘土は一般にbentoniteと呼ばれて代表的にmontmorillonite(MMT)、nontronite、saponite、hectoriteとstevensiteなどが知られていて一番代表的な場合がSodium montmorillonite(Na+-MMT)である。スメクタイト系列粘土の基本構造はシリカ四面体シートとアルミニウムや八面体シートの組合でなされていて四面体と八面体との構成比によって多様な構造がある。
【0068】
このような構造を有する粘土には代表的にKaolin-serpentine、Pyrophyllite-Talc、mica、smectite、vermiculite、chloriteなどがある。このうちでsmectite種をもう少し細分すれば、montmorillonite(MMT)、nontronite、saponite、hectoriteで分けられる。
【0069】
クレイNa+-MMTはたいてい二つのシリカ四面体シートの間に一つのアルミニウムや八面体シート層がサンドイッチのように積層された構造でなされているし、各層の厚さは約1nm程度であり、全体の大きさは数マイクロンから30nmまで多様である。これらの層と層の間にはファンデルワールス力を形成している。層内部の電荷はaluminaシートの陽イオンが他の種類の陽イオンで代替時形成されるが、例えば、Al3+イオンがMg2+やFe2+に切り替えれば、層の電荷は陰電荷を形成する。それで、全体的に電荷の平衡を合わせるためにシリケート層の間には交換可能な陽イオンと水分子を含んでいる。
【0070】
MMTはその結晶内で膨潤によって自体嵩を増加させることができるが、膨潤性の良いMMTは工業的に非常に多様に利用されている。このようにMMTは水を加えることだけでも膨潤する独特の特性を有しているので、層間架橋ナノ複合材料のホスト層で好適で物理的特性が多様な新素材として重要に取り扱いされている。
【0071】
Na+-montmorilloniteはシリケート層の間に水分子を含んでいて水による膨潤が容易であるが、その外に他の有機物の層間浸透は不可能なことで知られて来た。
【0072】
粘土は一般に親水性の性質を有するために、適当な表面処理を通じて有機化させた後高分子との複合体製造に使用されるが、このような粘土の有機化技術が高分子ナノ複合体の物性を決めるのに最も核心的な技術であると言える。
【0073】
粘土を有機化するのに一般的にたくさん利用されるmontmorilloniteの場合、水溶液上で粘土の有機化反応を制御するためには粘土の膨潤過程を理解することが有利である。
【0074】
montmorilloniteは水溶液上で濃度によってregion1、2、3段階で現われるが、region1は水系で全体結晶形態は維持したまま面間隔が1nmから2.2nmで増加する。これは粘土層間に存在する陽イオンの水和現象のためである。
【0075】
反面、Li+やNa+のような1価イオンを含んでいるmontmorilloniteの場合にはさらに多い膨潤現象の発生するが、これはregion2と言う。すなわち、粘土表面間電気二重層(electric double layer)によって反撥力の発生するが、これは粘土シート間のファンデルワールス力より大きくて粘土シートの分離が可能である。この時、粘土シートの末端と表面K間に相互作用が優勢であるためにペーストまたはゲルのような挙動を見せるようになる。region2より水の含量が増加すれば、粘土シートの末端と表面間の相互作用が除去されるが、この時の状態をregion3と言う。
【0076】
smectite粘土表面と有機物との間に作用する引力はcationic bonding、ion-dipole bonding、dipole-dipole interaction、πなどである。本発明で使用されている親水性ビニル系分散剤とイオン交換されて導電剤と分散をもう少し容易にして分散液の粘度を低めることができる効果を確認することができる。スメクタイト(smectite)粘土の量は導電剤100重量部に対して0.01から0.1重量部、望ましくは0.02から0.05重量部を入れる方が良い。前記含量以下の場合には分散液の粘度が高いことがあって、前記範囲以上の場合には二次電池物性に悪い影響を与えることがある。
【0077】
本発明の一実施例による分散剤は単独で使用されることもできるが、セルロース系化合物とともに使用されることができる。
【0078】
前記ビニル系分散剤と前記セルロース系化合物を追加して分散性を改善することができる。前記ビニル系分散剤固形分基準で100重量部に対して前記セルロース系化合物を50重量部から800重量部、望ましくは、100重量部から400重量部を投入した方が良い。前記範囲以下の場合には導電材の粒度が大きくなることがあるし、前記範囲以上の場合には導電材の分散性が落ちることがある。
【0079】
前記セルロース系化合物の重量平均分子量(weight-average molecular weight)(Mw)は50,000から450,000g/mol以下であることがある。望ましくは、120,000g/mol以下であることがある。さらに望ましくは、50,000から120,000g/molセルロース系化合物を使った方が良い。50,000g/mol以下ならば、分散性が落ちて分散物の粘度が高くなることがあるし、前記範囲以上なら電極用スラリーのコーティング性が悪くなって電極形成が難しいことがある。
【0080】
また、本発明の実施例で使用する前記セルロース系化合物のエステル化度は約0.6から1.0程度であることがある。セルロース系化合物のうちで一つであるCMC(carboxy methyl cellulose)では一つのモノマー(monomer)に3個の作用基が存在するが、セルロース系化合物のエステル化度は作用基のうちで水酸基がエステル基に置き換えされた程度(すなわち、置換度)を示す。セルロース系化合物のエステル化度は0から3範囲を有することができる。
【0081】
本発明の一実施例によるセルロース系化合物中の一つであるCMC(carboxy methyl cellulose)のエステル化度は約0.6から1.0,望ましくは、約0.7から0.9であることがある。CMCのエステル化度が大きくなるほど、CMCの親水性が増加することができる。エステル化度が0.6未満の場合、水和度(degree of hydration)がとても低くて極性分散媒とよくまじないこともあって、エステル化度が1.0を超過する場合、導電材との分散性が低下されることがある。
【0082】
具体的に、前記セルロース系化合物はメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースエーテル及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩でなされた群から選択される1または2以上であることがある。
【0083】
本発明の一実施例による導電材分散液は分散剤、導電材及び分散液を含むことができる。
【0084】
前記分散剤は前記第1単量体から第4単量体で製造されるビニル系分散剤を含むことができる。
【0085】
前記導電材はリチウムイオン二次電池の負極材料として炭素材料が利用されることができる。炭素材料はリチウムに近い低い電位であり、単位質量当たり充放電容量が大きいという長所がある。
【0086】
前記導電材はカーボンブラック、ケッチェンブラック、フラーレン、グラフェン、カーボンナノチューブ及びカーボンナノファイバーを含むことができる。望ましくは、前記導電材はカーボンナノチューブであることがある。前記カーボンナノチューブを黒煙及びシリコンを含む負極に添加することで、電極抵抗の低減、電池の負荷抵抗の改善、電極の強度の向上及び電極の膨張収縮性の向上をはかることができる。また、リチウム二次電池のサイクル寿命を向上させることができる。
【0087】
前記カーボンナノチューブの平均粒径が3から20μmであることがある。前記カーボンナノチューブは単一壁炭素ナノチューブ、多重壁炭素ナノチューブを含むことができる。
【0088】
前記導電材はグラフェンを含むことができる。前記グラフェンはグラフェンオキサイド、還元されたグラフェンオキサイド及びグラフェンナノプレートを含むことができる。
【0089】
前記導電材はカーボンブラックを含むことができる。前記カーボンブラックは一般に使用されるsuper P Conductive CarbonBlack、Ketjen Black及びDenka Blackを含むことができる。
【0090】
前記分散媒は極性溶媒、非極性溶媒を含むことができる。前記極性溶媒は水を含むことができる。前記非極性溶媒の場合全固体二次電池に利用されることができる。具体的に、前記分散媒はn-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、グリセロール、イソブタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-メトキシプロパノール、テトラヒドロフラン、ギ酸、アクリロニトリル、グリコールエーテル及び水でなされた群から選択される1または2以上であることができる。
【0091】
本発明の一実施例による導電材分散液の製造方法は、予備単一壁炭素ナノチューブ、分散剤及び分散媒を混合して撹拌する段階を含むことができる。前記分散剤は前記第1単量体から第4単量体で製造されるビニル系分散剤を含むことができる。
【0092】
分散液全体100重量部を基準で分散剤は、1から30重量部、望ましくは、10から20重量部を使った方が良い。前記範囲以下ならば導電材分散が難しくなって導電材が沈澱されるか、または分散液が増粘されることがあって、前記範囲以上なら電気的な特性が低下されることがある。
【0093】
分散液全体100重量部を基準で導電材は、0.1から10重量部、望ましくは、0.5から5重量部を使った方が良い。前記以下ならば電気的な特性が低くて負極剤で使い難いし、前記範囲以上なら分散性が落ちて粘度が高くなって、導電材の凝集問題が発生して高品質の陰極材を製造し難くなる。
【0094】
分散液全体100重量部を基準で分散媒は、60から99重量部、望ましくは、70から90重量部を使った方が良い。前記範囲以下ならば分散性が落ちて粘度が高くなって導電材の凝集問題が発生して高品質の陰極材を製造し難くなって、前記範囲以上なら電気的な特性が低くて負極剤で使い難くなる。
【0095】
分散のための撹拌はミキサー(mixer)を通じたミキシング(mixing)及びミーリング(milling)のうちで少なくとも何れか一つを通じて進行されることができる。前記ミキシングはホモゲナイザー(homogenizer)、万能撹拌機、クリアミキサー(clear mixer)、フィルミキサー(fill mixer)などの鋸の刃型ミキサーを使って遂行することができる。前記ミキシングは3,500rpmから4,500rpmの回転速度で進行されることができる。
【0096】
前記ミーリングはボールミル(ballmill)、ビーズミル(beadmill)、バスケットミル(basketmill)、アトリッションミル(attrition mill)などの方法によって遂行されることができるし、望ましくは、ビーズミルを利用したミーリング方法によって遂行されることができる。前記ビーズミルによるミーリング時、ビーズミルの大きさは導電材の種類と量、そして、分散剤の種類によって適切に決まることができるし、具体的には前記ビーズミルの直径は500μmから1000μm、より具体的には、500mmから800μmであることがある。また、ビーズミーリング工程は2,000rpmから4,500rpmの速度で遂行されることができるし、より具体的には、2,000rpmから3,000rpmの速度で遂行されることができる。
【0097】
本発明の一実施例による陰極スラリーは前記製造された分散液、負極活物質、増粘剤、バインダー及び溶媒を含むことができる。
【0098】
前記負極活物質は、SiOX(0≦X≦2)及び炭素系活物質を含むことができる。前記SiOX(0≦X≦2)はSi及びSiOが含まれた形態であることがある。すなわち、前記xは前記SiOX(0≦X≦2)内に含まれたSiに対するOの個数比に該当する。前記SiOX(0≦X≦2)を含む場合、二次電池の放電容量が改善されることができる。前記SiOXの平均粒径(D50)は5μmから15μmであることがあって、具体的に、8μmから12μmであることがある。前記範囲を満足する場合、前記SiOXと電解液との間の副反応が抑制され、前記SiOXの酸化が制御されて初期効率低下が防止されることができる。
【0099】
前記SiOXが負極活物質に含まれることによって、電池の容量が大きく改善されることができる。但し、前記SiOXは黒煙などに比べて導電性が小さくて、電池の充/放電時、嵩が膨脹して負極活物質らの間の導電性経路が維持され難いという短所が存在することがある。このような問題を解決するため、本発明の一実施例では単一壁炭素ナノチューブを含む特定導電材分散液を使用する。本発明の導電材分散液を使用する時、前記単一壁炭素ナノチューブが負極活物質層内で均一に分散することができるし、前記単一壁炭素ナノチューブは通常的な多重壁炭素ナノチューブに比べて相対的に細いために前記SiOXの嵩膨張にもかかわらず負極活物質らの間に電気的連結を容易に維持させることができる。これによって、電池の寿命及び効率特性が向上されることができる。
【0100】
前記炭素系活物質は人造黒煙、天然黒煙、及び黒煙化メゾカーボンマイクロビドでなされた群から選択される少なくとも何れか一つであることがあるし、望ましくは、人造黒煙であることがある。
【0101】
前記増粘剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、澱粉、再生セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びポリビニルアルコールでなされた群から選択される1または2以上であることができる。
【0102】
前記バインダーはポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidenefluoride)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニールピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸、エチレン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ポリアクリル酸(polyacrylic acid)及びこれらの水素をLi、NaまたはCaなどで置き換えされた高分子、または多様な共重合体などの多様な種類のバインダー高分子でなされた群から選択される1または2以上であることがある。
【0103】
本発明は他の実施例によれば、二次電池正極及び負極用導電材分散液を含むことができる。正極用導電材分散液で使用される場合には導電材、分散剤、アミン化合物及び分散媒を含むことができる。望ましくは、二次電池正極用導電材分散液は、導電材でCNT、分散剤で前記第1単量体から第4単量体で製造されるビニル系分散剤、分散媒としてはNMPを含むことができる。
【0104】
二次電池負極用導電材分散液で使用される場合には導電材、分散剤及び分散媒を含むことができる。二次電池負極用導電材分散液は導電材、分散剤、セルロース化合物及び分散媒を含むことができる。また、二次電池負極用導電材分散液は導電材、分散剤、スマックタイト粘土及び分散媒を含むことができる。具体的に、導電材はCNT、分散剤は前記第1単量体から第4単量体で製造されるビニル系分散剤、分散媒としてはHOを含むことができる。
【0105】
本発明の一実施例による分散剤の製造方法は、第1単量体から第4単量体を重合して製造されることができる。重合方法としては溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合など公知された製造方法を適切に選択して製造することができる。望ましくは、溶液重合方法を利用して製造することができる。
【0106】
前記第1単量体は、親水基の3次アミン基を有しているビニルピロリドン系単量体を含むことができる。具体的に、前記第1単量体は1-ビニル-2-ピロリドン、5-メチル-1-ビニル-2-ピロリドン、4-メチル-1-ビニル-2-ピロリドン、3-メチル-1-ビニル-2-ピロリドン、3-クロロ-1-ビニル-2-ピロリドン、4-クロロ-1-ビニル-2-ピロリドン、4-クロロ-1-ビニル-2-ピロリドン、3、4-ジメチル-1-ビニル-2-ピロリドン、4、5-ジメチル-1-ビニル-2-ピロリドン、3、4、5-トリメチル-1-ビニル-2-ピロリドン、4-クロロ-3、5-ジメチル-1-ビニル-2-ピロリドン、3-エチル-1-ビニル-2-ピロリドン、4-エチル-1-ビニル-2-ピロリドン、5-エチル-1-ビニル-2-ピロリドン群から選択される1または2以上であることができる。
【0107】
前記第2単量体は、ビニル(vinyl)または(メタ)アクリレート作用基にポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールが付加されている親水性単量体を含むことができる。具体的に、前記第2単量体はポリエチレングリコールモノーアリールエーテル、アリールオキシ(ポリエチレンオキサイド)メチルエーテル、アリールオキシ(ポリエチレンオキサイド-co-ポリプロピレンオキサイド)メチルエーテル、ポリエチレングリコールモノー(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール-co-プロピレングリコール)モノー(メタ)アクリレート、エトキシエトキシレート(メタ)アクリレート、エトキシトリグリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノーメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノーメチルエーテル(メタ)アクリレート群から選択される1または2以上であることができる。
【0108】
前記第3単量体は、カルボン酸を含むビニル系単量体を含むことができる。具体的に、前記第3単量体は(メタ)アクリル酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレートから選択されることができる。但し、これに限定されるものではなくてカルボン酸を含むビニル系単量体なら第3単量体で利用されることができる。
【0109】
前記第3単量体のカルボン酸は重合体のビニルピロリドン作用基と塩形態で存在しながら導電体との結合を容易にする役割をすることができる。
【0110】
前記第4単量体は分散時媒質の極性によってベンゼンリングを含むビニル系単量体を使って分散剤の極性を低める役割をすることができる。また、前記第4単量体はベンゼンリングを含むことで耐電圧特性等二次電池の信頼性を増大させる役割をすることができる。具体的に、前記第4単量体はスタイレン、アルファスタイレン、ビニルトルエン、1-メトキシ4-ビニルベンゼン、1-エトキシ4-ビニルベンゼン、1-(t-ブチル)-4-ビニルベンゼン、1、3、5-トリメチル-2-ビニルベンゼン、1、3、5-卜リクロロ-2-ビニルベンゼン群から選択される1または2以上であることができる。
【0111】
前記第1単量体が0.1から0.95であることがある。望ましくは、前記第1単量体はモル比で0.30から0.9であることがある。さらに望ましくは、前記第1単量体はモル比で0.4から0.8であることがある。前記第1単量体のモル比が0.4以下ならば導電材と分散性が落ちて0.8以上なら媒質と電極製造時機械的物性が低下される問題点が発生することがある。
【0112】
前記第2単量体はモル比で0.01から0.40であることがある。望ましくは、前記第2単量体はモル比で0.1から0.35であることがある。さらに望ましくは、前記第2単量体はモル比で0.15から0.3であることがある。前記第2単量体はモル比が0.15以下ならば分散媒質との相溶性が低下されて電極製造時柔軟性が悪くなる問題点が発生することがある。前記第2単量体のモル比が0.3以上なら電極製造時機械的物性が低下される問題点が発生することがある。
【0113】
前記第3単量体はモル比で0.01から0.10であることがある。望ましくは、前記第3単量体はモル比で0.02から0.08であることがある。前記第3単量体はモル比が0.02以下ならば塩基性化合物と塩形成が難しくて導電材との分散性が低下される問題点が発生することがある。前記第3単量体のモル比が0.08以上なら分散剤樹脂が沈澱されて分散剤として機能を喪失する問題点が発生することがある。
【0114】
前記第4単量体はモル比で0から0.25であることがある。望ましくは、前記第4単量体はモル比で0.10から0.20であることがある。前記第4単量体のモル比が0.1以下ならば電極製造時機械的物性が低下される問題点が発生することがある。前記第4単量体のモル比が0.2以上なら導電材と分散性の悪くなる問題点が発生することがある。
【0115】
本発明の一実施例による二次電池正極用導電材スラリー製造方法は、炭素ナノチューブをボールミル工程を通じて炭素ナノチューブの粒度を調節する段階、前記ビニル系分散剤、アミン系化合物、分散媒及び前記炭素ナノチューブを常温で撹拌して導電材分散液を製造する段階及び前記混合液を高圧分散器でダイアモンドセルを利用して高圧で2から5回進行する段階を含むことができる。
【0116】
前記ボールミル湿式ボールミルまたは乾式ボールミルを含むことができる。
【0117】
前記撹拌は常温で550RPMで2から4時間の間に進行されるものであることがある。
【0118】
前記分散媒はNMPを含むことができる。
【0119】
前記高圧は1,000Mpaの圧力であることがある。
【0120】
本発明の一実施例による二次電池負極用導電材スラリー製造方法は、炭素ナノチューブをボールミル工程を通じて炭素ナノチューブの粒度を調節する段階、ビニル系重合体、セルロース重合体、溶媒及び前記炭素ナノチューブを常温で撹拌して導電材分散液を製造する段階及び前記混合液を高圧分散器でダイアモンドセルを利用して高圧で2から5回進行する段階を含むことができる。
【0121】
前記ボールミル工程は、湿式ボールミルまたは乾式ボールミルを含むことができる。
【0122】
前記撹拌は常温で550RPMで2から4時間の間に進行されるものであることがある。
【0123】
前記分散媒は水を含むことができる。
【0124】
前記高圧は1,500Mpaの圧力であることがある。
【0125】
合成例1.ビニル系分散剤の合成。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、撹拌機を具備した反応容器にn-メチル-2-ピロリドン100重量部を投入して窒素ガスで切り替えた。反応容器内を75℃で加熱し、スタイレン3.0重量部、アクリル酸7.0重量部、1-ビニル-2-ピロリドン20重量部、ポリエチレングリコールモノーメチルエーテル(メタ)アクリレート(GEO社 Bisomer S10W)7重量部及び2、2’-アゾビス(2、4-ジメチルバレロニトリル)を2.5部を混合して製造した混合物を3時間にわたって滴下して重合反応を行った。以後、追加で75℃で1時間重合反応させた後、2、2’-アゾビス(2、4-ジメチルバレロニトリル)を0.5部再び添加し、追加で75℃で1時間重合反応を続いて分散剤を得た。この時GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)を利用して測定したポリスタイレン換算数平均分子量は25,551g/molであった。
【0126】
合成例2.ビニル系分散剤の合成
2、2’-アゾビス(2、4-ジメチルバレロニトリル)を6重量部を使ったこと以外に合成例1と等しい方法で合成を進行した。この時GPCを利用して測定したポリスタイレン換算数平均分子量は3.671g/molであった。
【0127】
合成例3.ビニル系分散剤の合成
ビニルトルエン4.0部、アクリル酸5.0部、1-ビニル-2-ピロリドン15重量部、ポリエチレングリコールモノーアリールエーテル(クライアント社、Polyglykol A500)10重量部及び2、2’-アゾビス(2、4-ジメチルバレロニトリル)を4重量部を使ったこと以外に合成例1と等しく分散剤を合成した。この時GPCを利用して測定したポリスタイレン換算数平均分子量は12,268g/molであった。
【0128】
実施例1.二次電池正極用導電材スラリー製造
炭素ナノチューブの粒度を湿式ボールミルを利用して調節した。湿式ボールミルは3パイジルコニアボールを使ってNMP94g溶媒にビニル系重合体(1)+アミン系重合体である分散剤1gを投入した後先に溶解させた。以後、炭素ナノチューブ5gを入れて常温で550RPMで3時間を回して炭素ナノチューブの線分散液を製造した。製造された線分散液でジルコニアボールを除去し、これを高圧分散器で200μmダイアモンドセルを利用して1,000Mpaの圧力で2~5回進行して二次電池正極用導電材スラリーを製造した。
【0129】
実施例2.二次電池負極用導電材スラリー製造
炭素ナノチューブの粒度を湿式ボールミルを利用して調節した。湿式ボールミルを利用したし、3パイジルコニアボールを使って溶媒である水92.5gとビニル系重合体+セルロース重合体である分散剤4.5gを先に溶解させた後、炭素ナノチューブ3gを入れて常温で550RPMで3時間を回して炭素ナノチューブの線分散液を製造した。製造された線分散液でジルコニアボールを除去してこれを高圧分散器で100μmダイアモンドセルを利用して1,500Mpaの圧力で2~5回進行して二次電池負極用導電材スラリーを製造した。
【0130】
実施例3.標準正極の製作
バインダーであるPVDFを溶媒であるNMPを自転・公転ミキサーを利用して混合物を製造した。以後、前記混合物と二次電池正極用導電材分散液を自転・公転ミキサーを利用して混合した。以後、正極活物質(ユミコア(Umicore)、NCM622)を添加して自転・公転ミキサーを利用して混合して正極スラリーを製造した。前記正極スラリーの固形分は60重量%であった。前記正極スラリー内で正極活物質、導電材、バインダーの重量比は94:3:3であった。次に、集電体になる厚さ20μmアルミニウムホイルにブレザーを使って極板を形成した。続いて、真空オーブンを利用して120℃で10時間の間乾燥したし、ロ-ルプレスを使って圧延処理を行って合材層の密度が2.8g/ccになる標準正極を製作した。
【0131】
実施例4.標準負極製作
二次電池負極用導電材分散液、カーボンブラック、シリコン系活物質であるSiOxを自転・公転ミキサーを利用して混合した。以後、前記混合物と人造黒煙を添加して自転・公転ミキサーを利用して混合した。以後、前記混合物と溶媒である水と増粘剤であるCMCを混合してバインダーであるスチレンブタジエンを自転・公転ミキサーを利用して混合して負極スラリーを製作した。前記負極スラリー内で活物質(人造黒煙:SiOx=86.4:9.6)、導電材(カーボンブラック:単一壁炭素ナノ-チューブ=0.94:0.06重量比)、増粘剤、バインダーの重量比は96:1:1.7:1.3であった。次に、集電体になる厚さ10μm銅ホイルにブレザーを使って極板を形成した。続いて、真空オーブンを利用して120℃で10時間の間乾燥したし、ロ-ルプレスを使って圧延処理を行って合材層の密度が1.6g/ccになる標準陰極を製作した。
【0132】
実験例1.分散剤の分子量測定
前記合成例によって製造されたビニル系分散剤の分子量を測定するためにゲルクロマトグラフィー(GPC)法を利用して下記の条件で測定した。
装置:HLC-8120GPC(東ソー社)
コラム:TSK-GELG4000HXL+TSK-GELG2000HXL直列連結
コラム温度:40℃
移動相溶剤:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/分
検出器:R.Iデテクター
測定試料濃度:0.6wt% in THF
校正用標準物質:TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40,F-4、F-1、A-2500,A-500(東ソー社製造)
【0133】
実験例2.二次電池正極用導電材分散液の物性、安全性及びセルテスト評価
前記合成例1から3によって製造されたビニル系重合体、カーボンナノチューブ及び溶媒を重合して製造した導電材分散液の物性及び安全性を評価した。前記導電材分散液はカーボンナノチューブの含量、分散剤の種類及び含量の条件を異にして進行された。
【0134】
1)二次電池導電材分散液の粒度分布測定
二次電池導電材分散液を25℃の恒温恒湿器に30分以上静置した後、二次電池導電材分散液10%重量部正極用溶媒であるNMP、負極溶媒であるH2O 90%重量部で充分に撹拌及び希釈した。粒度分析機(マイクロトラック、Model S3500)を利用して、二次電池導電材分散液の累積粒径 D50を測定した。ローディングインデックスの数値が0.002~0.004の範囲になるように希釈して行った。
【0135】
2)二次電池導電材分散液の粘度測定
二次電池導電材分散液を25℃の恒温槽に30分以上静置した後、充分に撹拌してから粘度系(Brookfield、Model DV2T)を利用して行った。50 Torqueの条件に合うように回転速度RPMを調節してSpindle No.4で測定を行った。
【0136】
3)二次電池導電材分散液の安全性評価
二次電池導電材分散液を25℃恒温恒湿器に90日間放置した後、充分に撹拌してから粘度系を使って50 Torqueの条件に合うように回転速度RPMを調節してSpindle No.4で測定を行った。
【0137】
4)二次電池導電材分散液のセルテスト
2032コインセル型リチウムイオンハーフセルを製作した。標準正極と標準負極はそれぞれ相対電極でリチウムを使ったし、Glove box(高麗機研)で製造された。リチウムイオンハーフセルは25℃恒温恒湿器内に設置して充放電装置(ウォンアテック、WBCS3000)を利用して充放電測定を行った。0.1C充電/0.1C放電3回繰り返した後0.5C充電/0.5C放電を実施し、充放電特性を評価した。
【0138】
<セルテスト評価表>
○(良好):サイクル特性が85%以上
△(普通):サイクル特性が75%以上85%未満
×(不良):サイクル特性が75%未満
下記表1は二次電池正極用導電材分散液の粒度、粘度、安全性及びセルテストを評価した表を示した図面である。
【0139】
【表1】
【0140】
実験例3.二次電池負極用導電材分散液の物性、安全性及びセルテスト評価
前記合成例1から3によって製造されたビニル系重合体、カーボンナノチューブ及び溶媒を重合して製造した導電材分散液の物性及び安全性を評価した。評価方法は前記実験例2と等しく進行された。前記導電材分散液はカーボンナノチューブの含量、分散剤の種類及び含量の条件を異にして進行された。下記表2~4は二次電池負極用導電材分散液の粒度、粘度、安全性及びセルテストを評価した表を示した図面である。
【0141】
【表2】
【0142】
【表3】
【0143】
【表4】
図1
図2
図3
図4
図5