(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077633
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】喫煙具
(51)【国際特許分類】
A24F 13/06 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
A24F13/06 D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010873
(22)【出願日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】202223157545.2
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522310133
【氏名又は名称】大行科工(深▲セン▼)股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 金中
(72)【発明者】
【氏名】韓 徳▲ウェイ▼
(57)【要約】 (修正有)
【課題】副流煙を貯蔵して副流煙を回収しやすい喫煙具を提供する。
【解決手段】喫煙具100は、スロット内11に挿着されたタバコ200を吸引する吸引状態である場合、吸引通路13が導通し、ガス貯蔵チャンバ121及びスロット11内の圧力がいずれも吸引通路内13の圧力よりも大きく、非吸引状態である場合、吸引通路13が遮断され、スロット11内の圧力がガス貯蔵チャンバ121内の圧力よりも大きい。燃焼制御機構は、胴体に着脱可能に取り付けられたハウジング21及び、ハウジング21に摺動可能に取り付けられた燃焼制御管22を含み、燃焼制御管22は、スロット11内に挿着され、燃焼制御管22内に挿入されたタバコ200に対して摺動可能である。また、燃焼制御管22は、空気量を制御することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙具であって、胴体(10)と、燃焼制御機構(20)と、を含み、
胴体(10)は、互いに連通するスロット(11)、ガス貯蔵チャンバ(121)及び吸引通路(13)を有し、前記喫煙具は前記スロット(11)内に挿着されたタバコ(200)を吸引する吸引状態及び前記スロット(11)内に挿着されたタバコ(200)を吸引しない非吸引状態を有し、前記吸引状態である場合、前記吸引通路(13)が導通し、前記ガス貯蔵チャンバ(121)及び前記スロット(11)内の圧力がいずれも前記吸引通路(13)内の圧力よりも大きく、前記非吸引状態である場合、前記吸引通路(13)が遮断され、前記スロット(11)内の圧力が前記ガス貯蔵チャンバ(121)内の圧力よりも大きく、
燃焼制御機構(20)は、ハウジング(21)及び燃焼制御管(22)を含み、前記ハウジング(21)は前記胴体(10)に着脱可能に接続され、前記燃焼制御管(22)は前記ハウジング(21)に摺動可能に取り付けられ、前記スロット(11)内に挿着されたタバコ(200)は前記燃焼制御管(22)内に挿入可能であり、前記燃焼制御管(22)はタバコ(200)に対して摺動可能であることを特徴とする喫煙具。
【請求項2】
前記胴体(10)はさらに移行通路(17)を有し、前記スロット(11)、前記ガス貯蔵チャンバ(121)及び前記吸引通路(13)は前記移行通路(17)を介して互いに連通することを特徴とする請求項1に記載の喫煙具。
【請求項3】
前記喫煙具はさらに第1濾過部材(18)を含み、前記第1濾過部材(18)は前記胴体(10)内に設けられ、前記スロット(11)を介して前記吸引通路(13)又は前記ガス貯蔵チャンバ(121)に流れる煙を濾過するために用いられ、及び/又は
前記喫煙具はさらに第2濾過部材(150)を含み、前記第2濾過部材(150)は前記吸引通路(13)内に設けられ、前記吸引通路(13)内に入った煙を濾過するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の喫煙具。
【請求項4】
前記第1濾過部材(18)及び/又は前記第2濾過部材(150)に充填された濾過媒体は不飽和脂肪酸であることを特徴とする請求項3に記載の喫煙具。
【請求項5】
前記胴体(10)は互いに接続された座体(14)及びノズル(15)を含み、前記スロット(11)及び前記ガス貯蔵チャンバ(121)は前記座体(14)内に設けられ、前記吸引通路(13)は前記ノズル(15)内に設けられ、前記ハウジング(21)は前記座体(14)に着脱可能に接続され、
前記ノズル(15)は前記座体(14)に可動に設けられ、前記座体(14)に対して収容位置と伸長位置との間で切り替わり、前記収容位置にある場合、前記ノズル(15)は前記座体(14)内に収容され、前記伸長位置にある場合、前記ノズル(15)は前記座体(14)外に伸長して吸引するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の喫煙具。
【請求項6】
前記ハウジング(21)は互いに嵌着されたアウターハウジング(211)及びインナーハウジング(212)を含み、前記燃焼制御管(22)は前記インナーハウジング(212)内に設けられ且つ前記インナーハウジング(212)に摺動可能に接続され、前記アウターハウジング(211)は断熱材質で製造されることを特徴とする請求項1に記載の喫煙具。
【請求項7】
前記喫煙具はさらに前記吸引通路(13)内に設けられた第1バルブ(130)を含み、前記吸引状態である場合、前記第1バルブ(130)は前記吸引通路(13)の導通を許可し、前記非吸引状態である場合、前記第1バルブ(130)は前記吸引通路(13)を遮断することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の喫煙具。
【請求項8】
前記胴体(10)はチャンバを有し、前記喫煙具は摺動部材(19)及び第2バルブ(110)を含み、前記摺動部材(19)は前記チャンバ内に摺動可能に設けられ、前記チャンバを前記ガス貯蔵チャンバ(121)及び調節チャンバ(122)に分割し、前記第2バルブ(110)は前記調節チャンバ(122)内に設けられ、前記胴体(10)と共に前記調節チャンバ(122)と外部とを連通する気流通路を形成し、
前記吸引状態である場合、前記摺動部材(19)は前記チャンバ内に摺動して前記ガス貯蔵チャンバ(121)の体積を減少させ、前記非吸引状態である場合、前記摺動部材(19)は前記チャンバ内に摺動し、前記ガス貯蔵チャンバ(121)の体積を増大させ、前記スロット(11)内の圧力を前記ガス貯蔵チャンバ(121)内の圧力よりも大きくすることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の喫煙具。
【請求項9】
前記第2バルブ(110)は前記調節チャンバ(122)内に可動に設けられ、
前記喫煙具はさらに調節部材(120)を含み、前記調節部材(120)は前記胴体(10)に取り付けられ、前記第2バルブ(110)の前記胴体(10)に対する位置を調節することで、前記気流通路の流通面積を調節するために用いられることを特徴とする請求項8に記載の喫煙具。
【請求項10】
前記胴体(10)は座体(14)及びノズル(15)を含み、前記座体(14)は本体(142)及び管体(143)を含み、前記ノズル(15)は前記本体(142)に接続され、前記スロット(11)は前記本体(142)に設けられ、前記管体(143)は前記本体(142)と共に前記チャンバを画定し、前記第2バルブ(110)は前記管体(143)に設けられ、前記吸引通路(13)は前記ノズル(15)内に設けられることを特徴とする請求項8に記載の喫煙具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は喫煙具に関する。
【背景技術】
【0002】
副流煙は受動喫煙とも呼ばれ、巻きタバコ又は他のタバコ製品の燃焼端から放出された煙及び喫煙者から出された煙で形成された混合煙を指す。喫煙者から放出された煙は回収しにくいが、タバコの燃焼端で燃焼して放出された煙は回収することができる。タバコの燃焼端が燃焼して放出した煙は、喫煙者から出された煙よりも受動喫煙者の健康に対する危害がより大きく、この部分の副流煙を回収すると、周囲の人に対する危害を低減することができるだけでなく、タバコの浪費を低減することができる。
【0003】
しかし、従来技術では、対応する喫煙具がない結果、副流煙による周囲の人に対する危害が低減されず、且つタバコの浪費が低減されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づいて、副流煙を回収できないという従来技術の問題に対し、副流煙を貯蔵して副流煙を回収しやすい喫煙具を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
喫煙具であって、胴体と、燃焼制御機構と、を含み、
胴体は、互いに連通するスロット、ガス貯蔵チャンバ及び吸引通路を有し、前記喫煙具は前記スロット内に挿着されたタバコを吸引する吸引状態及び前記スロット内に挿着されたタバコを吸引しない非吸引状態を有し、前記吸引状態である場合、前記吸引通路が導通し、前記ガス貯蔵チャンバ及び前記スロット内の圧力がいずれも前記吸引通路内の圧力よりも大きく、前記非吸引状態である場合、前記吸引通路が遮断され、前記スロット内の圧力が前記ガス貯蔵チャンバ内の圧力よりも大きく、
燃焼制御機構は、ハウジング及び燃焼制御管を含み、前記ハウジングは前記胴体に着脱可能に接続され、前記燃焼制御管は前記ハウジングに摺動可能に取り付けられ、前記スロット内に挿着されたタバコは前記燃焼制御管内に挿入可能であり、前記燃焼制御管はタバコに対して摺動可能である。
【0006】
上記喫煙具では、非吸引状態である場合、タバコが燃焼して生成した煙はガス貯蔵チャンバに入って貯蔵することができ、喫煙具が吸引状態である場合、ガス貯蔵チャンバに貯蔵された副流煙及びタバコが燃焼して生成した煙は吸引通路を介してユーザーの口に入って吸うために用いられ得る。このように、喫煙具はユーザーがタバコを正常に吸引することを確保した上で、副流煙を貯蔵してユーザーが次回に吸引するために用いられ、それによって、副流煙を回収するという目的を達成し、タバコの吸引による周囲の人への危害を低減させ、且つ資源の浪費を低減させる。また、燃焼制御管は、空気量を制御することができ、それによってタバコの燃焼速度を制御し、タバコの燃焼を制御する効果を達成し、タバコの燃焼が速すぎることによるタバコの浪費を回避し、タバコが自然に発生した副流煙が過剰に排出されて周囲の人の体の健康を危害することを回避する。
【0007】
一実施例では、前記胴体はさらに移行通路を有し、前記スロット、前記ガス貯蔵チャンバ及び前記吸引通路は前記移行通路を介して互いに連通する。
【0008】
一実施例では、前記喫煙具はさらに第1濾過部材を含み、前記第1濾過部材は前記胴体内に設けられ、前記スロットを介して前記吸引通路又は前記ガス貯蔵チャンバに流れる煙を濾過するために用いられ、及び/又は
前記喫煙具はさらに第2濾過部材を含み、前記第2濾過部材は前記吸引通路内に設けられ、前記吸引通路内に入った煙を濾過するために用いられる。
【0009】
一実施例では、前記第1濾過部材及び/又は前記第2濾過部材に充填された濾過媒体は不飽和脂肪酸である。
【0010】
一実施例では、前記胴体は互いに接続された座体及びノズルを含み、前記スロット及び前記ガス貯蔵チャンバは前記座体内に設けられ、前記吸引通路は前記ノズル内に設けられ、前記ハウジングは前記座体に着脱可能に接続され、
前記ノズルは前記座体に可動に設けられ、前記座体に対して収容位置と伸長位置との間で切り替わり、前記収容位置にある場合、前記ノズルは前記座体内に収容され、前記伸長位置にある場合、前記ノズルは前記座体外に伸長して吸引するために用いられる。
【0011】
一実施例では、前記ハウジングは互いに嵌着されたアウターハウジング及びインナーハウジングを含み、前記燃焼制御管は前記インナーハウジング内に設けられ且つ前記インナーハウジングに摺動可能に接続され、前記アウターハウジングは断熱材質で製造される。
【0012】
一実施例では、前記喫煙具はさらに前記吸引通路内に設けられた第1バルブを含み、前記吸引状態である場合、前記第1バルブは前記吸引通路の導通を許可し、前記非吸引状態である場合、前記第1バルブは前記吸引通路を遮断する。
【0013】
一実施例では、前記胴体はチャンバを有し、前記喫煙具は摺動部材及び第2バルブを含み、前記摺動部材は前記チャンバ内に摺動可能に設けられ、前記チャンバを前記ガス貯蔵チャンバ及び調節チャンバに分割し、前記第2バルブは前記調節チャンバ内に設けられ、前記胴体と共に前記調節チャンバと外部とを連通する気流通路を形成し、
前記吸引状態である場合、前記摺動部材は前記チャンバ内に摺動して前記ガス貯蔵チャンバの体積を減少させ、前記非吸引状態である場合、前記摺動部材は前記チャンバ内に摺動し、前記ガス貯蔵チャンバの体積を増大させ、前記スロット内の圧力を前記ガス貯蔵チャンバ内の圧力よりも大きくする。
【0014】
一実施例では、前記第2バルブは前記調節チャンバ内に可動に設けられ、
前記喫煙具はさらに調節部材を含み、前記調節部材は前記胴体に取り付けられ、前記第2バルブの前記胴体に対する位置を調節することで、前記気流通路の流通面積を調節するために用いられる。
【0015】
一実施例では、前記胴体は座体及びノズルを含み、前記座体は本体及び管体を含み、前記ノズルは前記本体に接続され、前記スロットは前記本体に設けられ、前記管体は前記本体と共に前記チャンバを画定し、前記第2バルブは前記管体に設けられ、前記吸引通路は前記ノズル内に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願の一実施例に係る喫煙具の斜視図である。
【
図3】
図2に示す喫煙具のA―A矢視図である(
図3において第1バルブが開かれていないが、図中の矢印の向きは、第1バルブが開かれていると仮定すると喫煙具が吸引状態にあるときの矢印の向きである)。
【
図4】
図1に示す喫煙具の別の視角からの斜視図である。
【
図6】本願の別の実施例に係る喫煙具の斜視図である(
図6において喫煙具のノズルが収容位置にある)。
【
図7】
図6に示す喫煙具の別の視角からの斜視図である。
【
図10】
図6に示す喫煙具の本体の斜視図である(
図6において破線は移行通路を示す)。
【
図11】
図2に示す喫煙具のA―A矢視図である(
図11における矢印の向きは、喫煙具が非吸引状態にあるときの気流の向きを示している)。
【
図12】
図6に示す喫煙具の分解図である(
図12における喫煙具のノズルが伸長位置にある)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の上記目的、特徴及び利点をより明らかで分かりやすくするために、以下は図面を参照して本願の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本願を十分に理解するために多くの具体的な詳細を説明するが、本願はここで説明した以外の多くの方式で実施されてもよく、当業者は本願の内容に反することなく類似した改良を行うことができ、そのため、本願は以下に開示される具体的な実施例に限定されない。
【0018】
なお、本願の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語で指示された方位又は位置関係は図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、単に本願の説明を容易にしたり簡略化したりするためのものであり、係る装置又は素子が特定の方位を有したり、特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示しないため、本願を限定するものではないと理解すべきである。
【0019】
また、用語「第1」、「第2」は目的を説明するために過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示し又は指示された技術的特徴の数を暗示すると理解できない。これにより、「第1」、「第2」により限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本願の説明では、「複数」の意味は、特に具体的な限定を明確にしない限り、少なくとも2つであり、例えば2つ、3つなどである。
【0020】
本願では、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付ける」、「連結」、「接続」、「固定」等の用語は、特に限定しない限り、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、又は一体的接続であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接連結、中間媒体を介する間接的連結、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0021】
本願では、特に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるとは、第1特徴と第2特徴が直接接触してもよいし、第1特徴と第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。しかも、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」、「よりも上」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜上方にあってもよいし、単に第1特徴の水平方向の高さが第2特徴の水平方向の高さよりも高くてもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」、「よりも下」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜下方にあってもよいし、単に第1特徴の水平方向の高さが第2特徴の水平方向の高さよりも低くてもよい。
【0022】
なお、素子が別の素子に「固定」又は「設置」されることが記載された場合、該素子は別の素子に直接あるか、又は中間素子が存在してもよい。1つの素子が他方の素子に「接続」されると考えると、該素子は他方の素子に直接接続されてもよいし、中間素子が同時に存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的に過ぎず、唯一の実施形態を示すものではない。
【0023】
図1~
図3を参照し、本願の一実施例は、喫煙具100を提供し、該喫煙具100は、胴体10を含み、胴体10は互いに連通するスロット11、ガス貯蔵チャンバ121及び吸引通路13を有し、スロット11はタバコ200を挿着するために用いられ、ガス貯蔵チャンバ121はタバコ200の燃焼端が燃焼して生成した副流煙を貯蔵するために用いられ、タバコ200が生成した煙は吸引通路13を介して吸引者の口に入れることができる。一般的に、タバコ200は互いに接続された吸引端及び点火端(燃焼端)を含み、タバコ200の吸引端はスロット11に挿着される。
【0024】
さらに、喫煙具100は、スロット11に挿着されたタバコ200を吸引する吸引状態、及びスロット11に挿着されたタバコ200を吸引しない非吸引状態を有する。吸引状態である場合、吸引通路13が導通し、ガス貯蔵チャンバ121及びスロット11内の圧力が吸引通路13内の圧力よりも大きく、この場合、ガス貯蔵チャンバ121内のガス及びスロット11内に挿着されたタバコ200が発生した煙はいずれも吸引通路13内に流れ、吸引通路13を介してユーザーの口に入り、ユーザーが吸うために用いられる。非吸引状態である場合、吸引通路13が遮断され、すなわち吸引通路13が導通しなくなり、煙が吸引通路13を介して外部に流れることができなくなり、この場合、スロット11内の圧力がガス貯蔵チャンバ121内の圧力よりも大きい。非吸引状態である場合、吸引通路13が遮断され、スロット11内の圧力がガス貯蔵チャンバ121内の圧力よりも大きく、この場合、スロット11内に挿着されたタバコ200が発生した煙はガス貯蔵チャンバ121内に入って貯蔵し、ユーザーの次のパフに用いられる。
【0025】
上記構成により、喫煙具100が非吸引状態にある場合、タバコ200が燃焼して生成した煙はガス貯蔵チャンバ121に入って貯蔵することができ、喫煙具100が吸引状態にある場合、ガス貯蔵チャンバ121に貯蔵された副流煙及びタバコ200が燃焼して生成した煙は吸引通路13を介してユーザーの口に入って吸うために用いられ得る。このように、喫煙具100は、ユーザーがタバコ200を正常に吸引することを確保した上で、副流煙を貯蔵してユーザーが次回に吸引するために用いられ、副流煙を回収する目的を達成し、タバコの吸引による周囲の人への危害を低減させ、資源の浪費を減少させる。
【0026】
一実施例では、
図4及び
図5を参照し、胴体10は座体14及びノズル15を含み、スロット11及びガス貯蔵チャンバ121はいずれも座体14内に設けられ、吸引通路13はノズル15内に設けられる。胴体10は、喫煙具100を介してタバコを吸引するためのノズル15を含む。
【0027】
一実施例では、
図6及び
図7を参照し、ノズル15は座体14に可動に設けられ、座体14に対して収容位置と伸長位置との間で切り替わる。収容位置にある場合、ノズル15は座体14内に収容され、伸長位置にある場合、ノズル15は座体14外に伸長する。このように、座体14はノズル15を保護する役割を果たし、ノズル15を清潔に保ち、ノズル15の壊れを回避する。
【0028】
具体的には、ノズル15は座体14に回転可能に接続される。ノズル15及び座体14のうち一方に回転軸が設けられ、他方に嵌合孔が設けられ、回転軸は嵌合孔内に穿設され、ノズル15は回転軸を介して嵌合孔と嵌合することで座体14に回転可能に接続される。具体的には、座体14に第1継手16(
図12参照)が設けられ、吸引通路13は第1継手16を介してスロット11及びガス貯蔵チャンバ121に連通し、回転軸又は嵌合孔は第1継手16に設けられる。
【0029】
図8~
図10を参照し、座体14に移行通路17が開けられ、スロット11、ガス貯蔵チャンバ121及び吸引通路13は移行通路17を介して互いに連通する。なお、別の実施例では、座体14に移行通路17が設けられなくてもよい。
【0030】
喫煙具100はさらに第1濾過部材18を含み、第1濾過部材18は移行通路17のスロット11に連通する端部内に設けられ、スロット11を介して吸引通路13又はガス貯蔵チャンバ121に流れる煙を濾過するために用いられ、これにより煙における有害物質を濾過し、体の健康を守る。第1濾過部材18に充填された濾過媒体は不飽和脂肪酸であり、煙中のタール、ニコチン等を阻止することにより、発生した煙を環境にやさしくて安全なものにし、且つ、不飽和脂肪酸を濾過媒体として用いることによって、タバコ200の本来の味を確保することができる。
【0031】
理解すべきものとして、別の実施例では、第1濾過部材18に充填された濾過媒体は、タバコタールを濾過できる媒体又はタバコの喫煙感を向上させる他の媒体であってもよい。
【0032】
一実施例では、
図3及び
図9を参照し、座体14はチャンバを有し、喫煙具100は摺動部材19及び第2バルブ110を含み、摺動部材19はチャンバ内に摺動可能に設けられ、チャンバをガス貯蔵チャンバ121及び調節チャンバ122に分割し、第2バルブ110は調節チャンバ122内に設けられ、座体14と共に調節チャンバ122と外部とを連通する気流通路(図示せず)を形成する。吸引状態である場合、摺動部材19は、チャンバ内に摺動して、ガス貯蔵チャンバ121の容積を減少させることができる。すなわち、
図3を参照し、ユーザーが喫煙具100を吸引する時に、吸引力の作用で吸引通路13が導通し、この場合にガス貯蔵チャンバ121内の圧力が吸引通路13内の圧力よりも大きく、ガスはガス貯蔵チャンバ121を介して吸引通路13に入ることができ、この場合にガスは気流通路を流れて調節チャンバ122に流れ、摺動部材19はガス貯蔵チャンバ121内に摺動してガス貯蔵チャンバ121の体積を減少させる。
図11を参照し、非吸引状態である場合、吸引通路13が遮断され、摺動部材19はチャンバで摺動して、ガス貯蔵チャンバ121の体積を増大させることができ、調節チャンバ122の気流が気流通路を介して外部に流れ、ガス貯蔵チャンバ121の体積が増大すると、圧力がその分減少するため、スロット11内の圧力がガス貯蔵チャンバ121内の圧力よりも大きくなり、スロット11内の煙はガス貯蔵チャンバ121に流れて貯蔵することができる。具体的には、非吸引状態である場合、摺動部材19は自体の重力の作用でチャンバ内に摺動し、ガス貯蔵チャンバ121の容積を増大させる。
【0033】
さらに、第2バルブ110は調節チャンバ122内に可動に設けられる。喫煙具100は調節部材120を有し、調節部材120は座体14に取り付けられ、第2バルブ110の座体14に対する位置を調節することで、気流通路の流通面積を調節するために用いられる。このように、非吸引状態である場合、調節部材120によって気流通路の流通面積の大きさを調節し、摺動部材19が重力作用で下降する速度を制御することができ、ガス貯蔵チャンバ121内に多くの副流煙が吸入される。
【0034】
一実施例では、座体14に第2気孔141(
図2参照)が開けられ、気流通路は第2気孔141を介して外部と連通する。
【0035】
図4を参照し、座体14は本体142及び管体143を含み、スロット11は本体142に設けられ、ノズル15は本体142に接続され、管体143は本体142と共にチャンバを画定し、調節部材120及び第2バルブ110はいずれも管体143に設けられる。このように構成することにより、チャンバの設置や各部品の組み立てを容易にする。
【0036】
さらに、
図5及び
図12を参照し、管体143は円筒部1431及び底蓋1432を含み、円筒部1431、底蓋1432及び本体142の三者はチャンバを画定し、摺動部材19は、円筒部1431の軸方向に沿って円筒部1431内に摺動可能に設けられ、調節部材120及び第2バルブ110はいずれも底蓋1432に設けられる。
【0037】
図3を参照し、第2バルブ110は傘状バルブであり、互いに接続された傘状部1101及び穿設部1102を含み、穿設部1102は底蓋1432に穿設され、傘状部1101は調節チャンバ122内に位置し、第2気孔141は底蓋1432に開けられる。調節部材120は調節ボルトであり、調節部材120は底蓋1432に穿設され、第2バルブ110の傘状部1101に当接し、傘状部1101と底蓋1432との間に気流通路が形成される。気流通路の流通面積を調節する必要がある場合、調節ボルトを回して、傘状部1101の底蓋1432に対する位置を変更すればよい。
【0038】
別の実施例では、チャンバには、吸気口が気流通路に連通する風船が設けられてもよい。吸引状態である場合、吸引力の作用で、ガス貯蔵チャンバ121内の気体が吸い出されて風船が膨張して、ガス貯蔵チャンバ121の容積が変更される。非吸引状態である場合、吸引通路13が遮断され、風船内の気流が気流通路を介して徐々に外部に流れ、風船が徐々に縮小し、ガス貯蔵チャンバ121が徐々に大きくなり、この場合にスロット11とガス貯蔵チャンバ121に圧力差が発生し、ガス貯蔵チャンバ121内に吸引力を発生させ、タバコ200が発生した副流煙をガス貯蔵チャンバ121内に吸入する。
【0039】
一実施例では、
図12を参照し、吸引通路13内に第1バルブ130が設けられる。具体的には、ノズル15は、着脱可能に接続される接続部151及び吸引部152を備え、接続部151及び吸引部152は共に吸引通路13を形成する。ノズル15を着脱可能な2つの部分とすることによって、第1バルブ130の取り付けを容易にする。さらに、喫煙具100はさらに固定蓋160を含み、接続部151は固定蓋160を介して座体14に固定して接続される。
【0040】
吸引状態である場合、第1バルブ130は吸引通路13の導通を許可し、吸引状態である場合、第1バルブ130は吸引通路13を遮断する。具体的には、吸引通路13内に第2継手140が設けられ、第2継手140に第1気孔1401(
図3参照)が設けられ、第2バルブ110は、第1気孔1401を開閉することにより、吸引通路13を導通又は遮断する。具体的には、第1バルブ130も傘状バルブである。
【0041】
さらに、吸引通路13内に第2濾過部材150が設けられ、第2濾過部材150は吸引通路13内に入った煙を濾過するために用いられる。1つの具体的な実施形態では、第2濾過部材150は濾過綿布である。別の具体的な実施形態では、第2濾過部材150に充填された濾過媒体は不飽和脂肪酸であることにより、第1濾過部材18によって濾過された煙におけるタール、ニコチン等を再び阻止し、発生した煙をより体にやさしくする。
【0042】
理解すべきものとして、別の実施例では、第2濾過部材150に充填された濾過媒体は、タバコタールを濾過できる媒体又はタバコの吸引感を向上させる他の媒体であってもよい。
【0043】
一実施例では、
図1及び
図3を参照し、喫煙具100はさらに燃焼制御機構20を含み、燃焼制御機構20はハウジング21及び燃焼制御管22を含み、ハウジング21は本体142に着脱可能に接続され、燃焼制御管22はハウジング21に摺動可能に取り付けられ、スロット11内に挿着されたタバコ200は燃焼制御管22内に挿入可能であり、燃焼制御管22はタバコ200に対して摺動可能である。このように、喫煙具100を用いてタバコ200を吸引する必要がある場合、燃焼制御機構20を本体142から取り外し、タバコ200をスロット11内に挿入し、その後、燃焼制御機構20を本体142に取り付け、この場合に燃焼制御管22がタバコ200に嵌着される。又は、まずタバコ200を燃焼制御管22内に挿入し、次に燃焼制御機構20を本体142に取り付け、この場合にタバコ200はスロット11内に挿着される。
【0044】
上記構成により、喫煙具100を用いてタバコ200を吸引する際には、燃焼制御管22はタバコ200の外に嵌着され、タバコ200は燃焼制御管22を支持し、燃焼制御管22内に位置するタバコ200が燃焼した後、燃焼端が灰になるため、この場合に支持力が不十分であり、燃焼制御管22は、重力の作用で、タバコ200がその重力を支持する位置まで、ハウジング21に対して下へ摺動する。タバコ200が燃焼制御管22内に位置するため、燃焼制御管22とタバコ200との間に嵌合隙間(嵌合隙間は一般的に0.15mm~0.25mmである)がある。
【0045】
さらに、
図6を参照し、燃焼制御機構20が座体14に取り付けられる場合、両者は握りやすい直方体状構造を形成し、ノズル15は座体14の燃焼制御機構20から離れた側に設けられる。且つ、ノズル15は吸引部152を有する棒状構造であり、座体14に収容溝が設けられ、ノズル15は収容溝内に収容され得、又は、ノズル15は収容溝内から伸長し得る。
図12及び
図13を参照し、ハウジング21は、互いに嵌着されたアウターハウジング211及びインナーハウジング212を含み、燃焼制御管22はインナーハウジング212内に設けられ且つインナーハウジング212に摺動可能に接続される。アウターハウジング211は断熱材料で製造され、タバコ200が発生した熱がハウジング21を介して伝達されてユーザーが火傷することが回避される。
【0046】
別の実施例では、
図4を参照し、座体14は握りやすい柱状構造に構成されてもよく、燃焼制御機構20は座体14の上部に設けられ、使用時に、ユーザーは座体14を直接握ればよく、それによって、燃焼制御機構20と接触しにくく、この場合、燃焼制御機構20のハウジング21はアウターハウジング211を含まず、インナーハウジング212のみを含むものとしてもよく、また、インナーハウジング212の材質は限定されない。
【0047】
一実施例では、
図6を参照し、燃焼制御管22のスロット11から離れた端部に切断部材23が設けられ、燃焼制御管22が重力作用で下へ移動すると、切断部材23を駆動して下へ移動させ、灰を切断する。切断部材23の形状は、灰を切断する目的を達成できれば、特に限定されない。
【0048】
さらに、
図13を参照し、切断部材23は燃焼制御管22の径方向に対向して設けられた2つの切断部231を含み、2つの切断部231はそれぞれ径方向の両側から灰を切断することができ、それによって、切断効果を確保することができる。
【0049】
好ましくは、燃焼制御機構20はフェルール24を含み、フェルール24は燃焼制御管22の外に嵌着され、燃焼制御管22はフェルール24を介してハウジング21に摺動可能に接続され、切断部材23はフェルール24に接続される。
【0050】
具体的には、切断部231と燃焼制御管22の端面との間の間隔は0.5mm~6mmであることにより、タバコ200の燃焼に必要な燃焼高さを制御し、切断された灰が多すぎることによるタバコ200の消火を回避する。
【0051】
上述した実施例の各技術的特徴は任意の組み合わせを行うことができ、説明を簡潔にするため、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについて説明せず、しかしながら、これらの技術的特徴の組み合わせは、矛盾が存在しない限り、本明細書に記載の範囲にあると考えられるべきである。
【0052】
上述した実施例は本願のいくつかの実施形態のみを表現し、その説明は具体的で詳細であるが、それによって発明特許の範囲を限定するものと理解することはできない。なお、当業者であれば、本願の概念から逸脱することなく、いくつかの変形及び改良を行うことができ、これらはいずれも本願の保護範囲に属する。したがって、本願の特許の保護範囲は添付の特許請求の範囲に準じる。
【符号の説明】
【0053】
100 喫煙具
10 胴体
11 スロット
121 ガス貯蔵チャンバ
122 調節チャンバ
13 吸引通路
14 座体
141 第2気孔
142 本体
143 管体
1431 円筒部
1432 底蓋
15 ノズル
151 接続部
152 吸引部
16 第1継手
17 移行通路
18 第1濾過部材
19 摺動部材
110 第2バルブ
1101 傘状部
1102 穿設部
120 調節部材
130 第1バルブ
140 第2継手
1401 第1気孔
150 第2濾過部材
160 固定蓋
20 燃焼制御機構
21 ハウジング
211 アウターハウジング
212 インナーハウジング
22 燃焼制御管
23 切断部材
231 切断部
24 フェルール
200 タバコ