(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077657
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】客席演出システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20240603BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240603BHJP
A63J 5/02 20060101ALI20240603BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240603BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B47/19
A63J5/02
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189730
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】516195432
【氏名又は名称】株式会社PIKABON
(74)【代理人】
【識別番号】100096002
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 弘之
(74)【代理人】
【識別番号】100091650
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 規之
(72)【発明者】
【氏名】李 宗遠
(72)【発明者】
【氏名】兪 好宣
【テーマコード(参考)】
3K273
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273PA07
3K273QA14
3K273QA15
3K273QA25
3K273RA02
3K273RA05
3K273RA08
3K273RA12
3K273RA17
3K273SA18
3K273SA19
3K273SA31
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA32
3K273TA41
3K273TA47
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA62
3K273TA63
3K273TA79
3K273TA80
3K273UA05
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA16
5L049CC18
5L050CC18
(57)【要約】
【課題】観客のスマホを用いたイベント会場の照明演出を実現する。
【解決手段】配信サーバ12と、ユーザ14のスマホ16を有する客席演出システム10。配信サーバ12は、イベント管理データ記憶部22と、楽曲のタイムラインに沿ってディスプレイ17の点灯状態を制御する演出データを格納する演出データ記憶部24と、スマホ16から特定イベントに係る演出データの配信リクエストを受信した場合に、対応の演出データをスマホ16に送信する演出データ配信部20を備える。スマホ16の専用アプリ26は、演出データの配信リクエストを配信サーバ12に送信する機能と、送信された演出データを記憶装置に保存する機能と、再生待機画面78をディスプレイ17に表示する機能と、「演出START」ボタン80がタッチされた場合に、演出データに従い、ディスプレイ17の点灯状態を制御する機能を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信サーバを有する客席演出システムであって、
上記配信サーバは、イベントの公演名、開催日時、演奏楽曲などのイベント管理データを格納するイベント管理データ記憶手段と、
楽曲のタイムラインに沿って携帯端末のディスプレイの点灯状態を制御する演出データを格納する演出データ記憶手段と、
ユーザの所持する携帯端末から、特定のイベントに係る演出データの配信リクエストをネットワーク経由で受信した場合に、対応の演出データをユーザの携帯端末に送信する演出データ配信手段と、
を備えたことを特徴とする客席演出システム。
【請求項2】
ユーザの所持する携帯端末を有する客席演出システムであって、
上記携帯端末は、イベントの公演名、開催日時、演奏楽曲などのイベント管理データを格納するイベント管理データ記憶手段と、楽曲のタイムラインに沿って携帯端末のディスプレイの点灯状態を制御する演出データを格納する演出データ記憶手段を備えた配信サーバに対して、特定のイベントに係る演出データの配信リクエストをネットワーク経由で送信する手段と、
配信サーバから送信された演出データを記憶装置に格納する手段と、
上記演出データの再生待機画面をディスプレイに表示する手段と、
入力手段を介して再生待機画面中の再生開始ボタンが選択された場合に、上記演出データに従い、ディスプレイの点灯状態を制御する手段と、
を備えたことを特徴とする客席演出システム。
【請求項3】
配信サーバと、ユーザの所持する携帯端末を有する客席演出システムであって、
上記配信サーバは、イベントの公演名、開催日時、演奏楽曲などのイベント管理データを格納するイベント管理データ記憶手段と、
楽曲のタイムラインに沿って携帯端末のディスプレイの点灯状態を制御する演出データを格納する演出データ記憶手段と、
ユーザの所持する携帯端末から、特定のイベントに係る演出データの配信リクエストをネットワーク経由で受信した場合に、対応の演出データをユーザの携帯端末に送信する演出データ配信手段を備え、
上記携帯端末は、特定のイベントに係る演出データの配信リクエストを配信サーバに送信する手段と、
配信サーバから送信された演出データを記憶装置に格納する手段と、
上記演出データの再生待機画面をディスプレイに表示する手段と、
入力手段を介して再生待機画面中の再生開始ボタンが選択された場合に、上記演出データに従い、ディスプレイの点灯状態を制御する手段と、
を備えたことを特徴とする客席演出システム。
【請求項4】
上記ディスプレイの点灯状態が、ディスプレイの点灯/消灯の別、点灯時の色彩及び輝度の組み合わせよりなることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の客席演出システム。
【請求項5】
上記演出データ記憶手段には、イベント会場の各座席に対応した演出データが格納されており、
上記配信サーバは、上記携帯端末からイベント会場の座席を特定する情報が送信された場合に、対応の演出データを配信することを特徴とする請求項1または3に記載の客席演出システム。
【請求項6】
ユーザの所持する携帯端末を、
イベントの公演名、開催日時、演奏楽曲などのイベント管理データを格納するイベント管理データ記憶手段と、楽曲のタイムラインに沿って携帯端末のディスプレイの点灯状態を制御する演出データを格納する演出データ記憶手段を備えた配信サーバに対して、特定のイベントに係る演出データの配信リクエストをネットワーク経由で送信する手段、
配信サーバから送信された演出データを記憶装置に格納する手段、
上記演出データの再生待機画面をディスプレイに表示する手段、
入力手段を介して再生待機画面中の再生開始ボタンが選択された場合に、上記演出データに従い、ディスプレイの点灯状態を制御する手段、
として機能させることを特徴とする客席演出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は客席演出システム及びプログラムに係り、特に、ライブやコンサートなどのイベント会場において、観客自身をイベントの演出に参加させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
アーティストやアイドルなどのイベントにおいて、無線機能を備えたペンライトや腕時計型ライト等の照明装置を観客に配布し、これらに内蔵されたLEDライトの点灯/消灯や発光色等を近距離無線通信によって制御することにより、客席を演出する技術がすでに存在している(下記の非特許文献1を参照)。
【0003】
このように、ライブやコンサートで観客が持つLEDライトを無線で一斉に制御することにより、観客を舞台演出のなかに引き入れることが可能となり、観客と演者との一体感を醸成することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この演出を実施するためには、事前に大量のペンライトや腕時計型ライト、無線通信機を主催者側で準備する必要があり、イニシャルコストが嵩むという問題があった。ペンライトや腕時計型ライトについては観客自身に調達してもらうこともできるが、この場合には余分な費用増を観客に強いることになる。
【0005】
一方、専用の照明装置を用いる代わりに、観客個人が所持しているスマートフォン(以下「スマホ」)のディスプレイやフラッシュライトを所定のタイミングで一斉に点灯/消灯させる演出も試行されている。
例えば、下記の非特許文献2に記載されたケースでは、スタジアムに流れる音楽のデータ中に音声透かし技術を用いて特殊なトリガー信号を仕込んでおき、このトリガー信号をスマホに搭載されたアプリケーションプログラム(以下「アプリ」)が受信すると、所定のパターンでディスプレイを光らせる仕組みが採用されている。
【0006】
このように、観客のスマホを演出のツールとして利用する場合には特別な費用が発生しないという利点はあるが、事前に音楽にトリガー信号を埋め込んでおくのに手間を要するため、演出できる楽曲が限定されるという問題があった。
【0007】
【非特許文献1】日本経済新聞(2014年1月15日)/ITで輝く音楽ライブ 無線技術で会場が光の海に インターネットURL:https://www.nikkei.com/article/DGXBZO65280040U4A110C1000000/検索日:2022年11月17日
【非特許文献2】日経XTECH(2018年4月19日)/音でスマホ操り光の演出 「千葉マリーンズ流」スマートスタジアム インターネットURL:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00229/041700009/検索日:2022年11月17日
【0008】
この発明は、このような照明を用いた客席の演出における現状に鑑みて案出されたものであり、観客のスマホをイベントの演出ツールとして利用することで余計な負担増を抑えながらも、音楽データ側に特殊なトリガー信号を埋め込むことなく、光を用いた複雑な演出を可能とする技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載した客席演出システムは、配信サーバを有する客席演出システムであって、上記配信サーバは、イベントの公演名、開催日時、演奏楽曲などのイベント管理データを格納するイベント管理データ記憶手段と、楽曲のタイムラインに沿って携帯端末のディスプレイの点灯状態を制御する演出データを格納する演出データ記憶手段と、ユーザの所持する携帯端末から、特定のイベントに係る演出データの配信リクエストをネットワーク経由で受信した場合に、対応の演出データをユーザの携帯端末に送信する演出データ配信手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載した客席演出システムは、ユーザの所持する携帯端末を有する客席演出システムであって、上記携帯端末は、イベントの公演名、開催日時、演奏楽曲などのイベント管理データを格納するイベント管理データ記憶手段と、楽曲のタイムラインに沿って携帯端末のディスプレイの点灯状態を制御する演出データを格納する演出データ記憶手段を備えた配信サーバに対して、特定のイベントに係る演出データの配信リクエストをネットワーク経由で送信する手段と、配信サーバから送信された演出データを記憶装置に格納する手段と、上記演出データの再生待機画面をディスプレイに表示する手段と、入力手段を介して再生待機画面中の再生開始ボタンが選択された場合に、上記演出データに従い、ディスプレイの点灯状態を制御する手段とを備えたことを特徴としている。
上記「入力手段」としては、例えば携帯端末のディスプレイに設けられたタッチパネルなどが該当する(以下同様)。
【0011】
請求項3に記載した客席演出システムは、配信サーバと、ユーザの所持する携帯端末を有する客席演出システムであって、上記配信サーバは、イベントの公演名、開催日時、演奏楽曲などのイベント管理データを格納するイベント管理データ記憶手段と、楽曲のタイムラインに沿って携帯端末のディスプレイの点灯状態を制御する演出データを格納する演出データ記憶手段と、ユーザの所持する携帯端末から、特定のイベントに係る演出データの配信リクエストをネットワーク経由で受信した場合に、対応の演出データをユーザの携帯端末に送信する演出データ配信手段を備え、上記携帯端末は、特定のイベントに係る演出データの配信リクエストを配信サーバに送信する手段と、配信サーバから送信された演出データを記憶装置に格納する手段と、上記演出データの再生待機画面をディスプレイに表示する手段と、入力手段を介して再生待機画面中の再生開始ボタンが選択された場合に、上記演出データに従い、ディスプレイの点灯状態を制御する手段と を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載した客席演出システムは、請求項1~3のシステムであって、上記ディスプレイの点灯状態が、ディスプレイの点灯/消灯の別、点灯時の色彩及び輝度の組み合わせよりなることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載した客席演出システムは、請求項1または3のシステムであって、上記演出データ記憶手段には、イベント会場の各座席に対応した演出データが格納されており、上記配信サーバは、上記携帯端末からイベント会場の座席を特定する情報が送信された場合に、対応の演出データを配信することを特徴としている。
【0014】
また、請求項6に記載した客席演出プログラムは、ユーザの所持する携帯端末を、イベントの公演名、開催日時、演奏楽曲などのイベント管理データを格納するイベント管理データ記憶手段と、楽曲のタイムラインに沿って携帯端末のディスプレイの点灯状態を制御する演出データを格納する演出データ記憶手段を備えた配信サーバに対して、特定のイベントに係る演出データの配信リクエストをネットワーク経由で送信する手段、配信サーバから送信された演出データを記憶装置に格納する手段、上記演出データの再生待機画面をディスプレイに表示する手段、入力手段を介して再生待機画面中の再生開始ボタンが選択された場合に、上記演出データに従い、ディスプレイの点灯状態を制御する手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係る客席演出システム及びプログラムの場合、ユーザ(観客)の所持するスマホ等の携帯端末をイベントの客席演出ツールとして利用することを前提としているため、イニシャルコストを抑えることができる。
また、演出データは楽曲のタイムラインに沿ってディスプレイの点灯状態を制御するコードよりなるため、事前に音楽データ側に特殊なトリガー信号を埋め込む必要もなく、単にイベント会場の観客間で再生開始ボタンをタッチするタイミングを合わせるだけで、光を用いた複雑な演出を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明に係る客席演出システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】イベント管理データのデータ項目例を示す図である。
【
図4】演出データの配信に係る処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】演出データの配信に係る画面遷移例を示す図である。
【
図6】演出データの配信に係る他の画面遷移例を示す図である。
【
図7】演出データの再生に係る処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】演出データの再生に係る画面遷移例を示す図である。
【
図10】セルフ演出モードに係る画面遷移例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に示すように、この発明に係る客席演出システム10は、配信サーバ12と、複数のユーザ14の所持するスマホ16とから構成される。
配信サーバ12は、インターネット18を介して各スマホ16と接続される。
【0018】
配信サーバ12は、演出データ配信部20と、イベント管理データ記憶部22と、演出データ記憶部24を備えている。
演出データ配信部20は、配信サーバ12のCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従って必要な処理を実行することにより実現される。
また、イベント管理データ記憶部22及び演出データ記憶部24は、配信サーバ12の記憶装置内に設けられている。
【0019】
各ユーザ14のスマホ16には、専用のアプリケーションプログラム(以下「専用アプリ26」)がセットアップされている。
この専用アプリ26は、主として以下の機能を発揮するものであり、事前にスマホのOSに対応したストアよりダウンロードされている。
(1) 演出データの配信リクエスト機能
(2) 演出データの保存機能
(3) 演出データのリストアップ機能
(4) 演出データの再生機能
【0020】
図2は、イベント管理データ記憶部22に格納されたレコードを例示するものであり、「公演名/出演者」、「開催日」、「時間帯(昼/夜)」、「セットリスト」等のデータ項目を備えている。
セットリストには、イベントにおいて演奏予定の楽曲名及び各楽曲の演奏順が格納されている。
【0021】
図3は、演出データ記憶部24に格納された演出データ28の構成例を示すものであり、各演出データ28には(1) 公演名/出演者、(2) 開催日、(3) 時間帯(昼/夜)、(4) 楽曲、(5) 会場、(6) 座席位置等を特定するためのタグ(検索用のメタデータ)が付与されている。
各演出データ28は、楽曲のタイムラインに沿ってスマホ16のディスプレイの点灯/消灯、発光色、輝度、点滅の間隔等を規定するタイムコードよりなる。
【0022】
つぎに、
図4のフローチャート及び
図5の画面遷移図に従い、演出データ配信時の処理手順を説明する。
まずユーザ14は、スマホ16上で専用アプリ26を起動し、
図5(a)のメニュー画面30において「演出データのDL(手動)」ボタン32をタッチすることにより、演出データのダウンロードをリクエストする(S10)。
【0023】
これに対し、配信サーバ12から
図5(b)のイベント検索画面34が送信され(S12)、スマホ16のディスプレイ17に表示される。
ここでユーザ14が検索条件として出演者の「中島太郎」を検索窓36に入力し、「検索」ボタン38をタッチすると(S14)、配信サーバ12から
図5(c)に示す検索結果画面40が送信される(S16)。
この検索結果画面40には、検索条件にマッチする複数のイベントの日時及びイベント名がリストアップされている。
【0024】
ここで、ユーザ14が特定のイベントをタッチして選択状態となした上で「送信」ボタン42をタッチすると(S18)、配信サーバ12から
図5(d)に示す座席情報入力画面44が送信される(S20)。
この座席情報入力画面44には、列入力欄46及び番号入力欄48が設けられており、ユーザ14は手元のチケットに記載された列と番号を入力し、「送信」ボタン50をタッチする(S22)。
【0025】
この結果、配信サーバ12から
図5(e)のダウンロード確認画面52が送信されるので(S24)、ユーザ14は記載内容(イベント及び座席)を確認した上で「確認」ボタン54をタッチする(S26)。
【0026】
これを受けた配信サーバ12は、演出データ記憶部24から該当イベントの該当座席用の演出データを抽出し(S28)、
図5(f)のダウンロード画面56をスマホ16に送信する(S30)。
このダウンロード画面56上でユーザ14が「保存」ボタン58をタッチすると(S32)、配信サーバ12から演出データが送信され(S34)、スマホ16のメモリに保存される(S36)。
【0027】
ユーザ14が指定したイベントにおいて複数の楽曲が演奏される予定の場合、予め演出データ記憶部24内には「楽曲×座席」単位の演出データが蓄積されている。
このため、配信サーバ12からスマホ16には、一つのイベントで演奏される複数の楽曲分の演出データがまとめてダウンロードされる。
【0028】
イベントのチケットにQRコード(登録商標)等の二次元コードが印刷されている場合、
図6(a)に示すように、ユーザ14はメニュー画面30において「演出データのDL(二次元コード)」ボタン60をタッチし、
図6(b)の二次元コードの読み込み画面62を表示させる。
つぎにユーザ14は、スマホ16の背面カメラでチケットの二次元コード64を読み込み、「読込」ボタン66をタッチする。
【0029】
二次元コード64には、イベント及び座席を特定する情報が含まれているため、
図6(c) に示すように、スマホ16のディスプレイ17にダイレクトにダウンロード確認画面52が表示され、ユーザ14は「確認」ボタン54をタッチするだけでダウンロード画面56を介して演出データのダウンロードを済ませることができる(
図6(d))。
すなわち、ユーザ14はイベント及び座席位置の特定に係る行程をスキップすることができる。二次元コードの代わりに、バーコードを用いることもできる。
【0030】
つぎに、
図7のフローチャート及び
図8の画面遷移図に従い、演出データ再生時の処理手順を説明する。
まずユーザ14は、イベントの当日、イベント会場に赴いて専用アプリ26を起動し、
図8(a)のメニュー画面30で「演出モード」ボタン68を選択する(S40)。
この結果、
図8(b)に示すように、スマホ16のディスプレイに保存済みイベント一覧70が表示される(S42)。
ここでユーザが該当のイベントをタッチして反転させ、「選択」ボタン72をタッチすると(S44)、
図8(c)に示すように、セットリスト(演奏予定の楽曲を演奏順にリストアップしたもの)74が表示される(S46)。
【0031】
これに対しユーザ14が最初の「(1) 楽曲A」をタッチして反転させた後、「選択」ボタン76をタッチすると(S48)、
図8(d)に示すように、楽曲Aの再生待機画面78がスマホ16のディスプレイ17に表示される(S50)。
あとは会場のアナウンスに耳を傾け、MCの合図に従って再生待機画面78中の「演出START」ボタン(再生開始ボタン)80を一斉にタッチする(S52)。
この結果、
図8(e)に示すように、スマホ16のディスプレイ17が特定の色彩で発光し、演出データに従った演出が再生される(S54)。
ユーザ14は、このディスプレイ17をステージに向けてスマホ16を振り上げることで、客席演出に参加することができる。
【0032】
ディスプレイ17の発光状態、すなわち発光色や輝度、点灯/消灯、点滅の間隔等は、演出データのコードに従い、時間の経過とともに変化していく。
イベント会場に集っている各ユーザ14は、同一のタイミングで「演出START」ボタン80をタッチしているため、共通のタイムラインに従ってそれぞれのディスプレイ17の発光状態が変化するため、会場全体として調和のとれた演出が実現される。
各演出データは、会場の照明装置を制御するデータとも連動するように設計されている。
【0033】
上記のように、演出データは座席単位で異なったものが用意されているため、
図9に示すように、座席毎の発光色を調整することによって人文字のように特定の文字や形状、模様を客席82上で表現することもできる。
ただし、会場全体で同じ演出を行い、座席毎に異なる演出を行わない場合には、座席毎の演出データを準備する必要はなく、全席共通の演出データを準備しておけばよい。
また、所定範囲の座席エリア(座席ブロック)内で共通の演出を行う場合には、座席エリア単位で異なる演出データを準備すればよい。
【0034】
一曲目の演奏が終わると(S56/N)、スマホ16は
図8(c)の画面に戻るため(S58)、ユーザ14はセットリスト74中のつぎの楽曲Bを選択して再生待機画面78を表示させ(S60、S50)、他の観客とタイミングを合わせて「演出START」ボタン80をタッチする。
このルーティンは、予定された楽曲の演奏が終わるまで続く(S56/Y)。
【0035】
上記セットリスト74に表示される楽曲名としては、必ずしも実際の楽曲名である必要はない。
すなわち、意外性を保持するため演奏時までセットリストが非公開扱いとなるイベントにあっては、文字通り「楽曲A、楽曲B、楽曲C…」のようにダミーの楽曲名を表示させることもできる。
【0036】
一つのイベントにおいて演奏される楽曲の中、一部の楽曲について上記の客席演出を行い、残りの楽曲については観客が自由に応援できるように運用することもできる。
この際、ユーザ14は
図10(a)に示すように、メニュー画面30において「セルフ応援モード」ボタン84を選択する。
【0037】
この結果、
図10(b)に示すカラー選択画面86がスマホ16のディスプレイ17に表示される。
ユーザ14は、このカラー選択画面86で特定の発光色(例えば贔屓にしている演者のメンバーカラー)を指定した後、「START」ボタン88をタッチする。
この結果、
図10(c)に示すように、スマホ16のディスプレイ17が指定した色彩で発光し、ペンライト代わりにスマホ16を用いることができる。
【0038】
上記にあっては、ユーザ14の携帯端末としてスマホ16を例示したが、タブレット端末やモバイルPC等を用いることもできる。
また、演出データの再生場所はリアルのイベント会場に限定されるものではなく、ライブビューイングの会場となる映画館やカラオケハウス等において、イベント会場の映像とタイミングを合わせて演出データを再生することもできる。
演出データのダウンロードのタイミングについても特に限定はなく、自宅や職場等において事前にダウンロードしておくのはもちろん、イベント当日、会場においてダウンロードしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 客席演出システム
12 配信サーバ
14 ユーザ
16 スマホ
17 ディスプレイ
18 インターネット
20 演出データ配信部
22 イベント管理データ記憶部
24 演出データ記憶部
26 専用アプリ
28 演出データ
30 メニュー画面
32 「演出データのDL(手動)」ボタン
34 イベント検索画面
36 検索窓
38 「検索」ボタン
40 検索結果画面
42 「送信」ボタン
44 座席情報入力画面
46 列入力欄
48 番号入力欄
50 「送信」ボタン
52 ダウンロード確認画面
54 「確認」ボタン
56 ダウンロード画面
58 「保存」ボタン
60 「演出データのDL(二次元コード)」ボタン
62 読み込み画面
64 二次元コード
66 「読込」ボタン
68 「演出モード」ボタン
70 存済みイベント一覧
72 「選択」ボタン
74 セットリスト
76 「選択」ボタン
78 再生待機画面
80 「演出START」ボタン(再生開始ボタン)
82 客席
84 「セルフ応援モード」ボタン
86 カラー選択画面
88 「START」ボタン