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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077684
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240603BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20240603BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20240603BHJP
   B65H 5/36 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
G03G21/16 195
G03G15/20 505
G03G15/16
B65H5/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189771
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】石田 圭
(72)【発明者】
【氏名】池野 雄一
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
2H200
3F101
【Fターム(参考)】
2H033AA14
2H033BA08
2H033BA12
2H033BE03
2H171FA03
2H171FA15
2H171FA19
2H171FA22
2H171GA13
2H171JA19
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA42
2H171KA11
2H171KA12
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171SA10
2H171SA13
2H171SA19
2H171SA26
2H200GA23
2H200GA34
2H200GB22
2H200GB26
2H200JA02
2H200JB12
2H200JB18
2H200LA27
2H200PA12
2H200PB12
3F101FB05
3F101FB07
3F101FE02
3F101FE06
3F101LA01
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】シートがガイド部材に強く擦れてしまうことを抑制するとともに、シートがガイド部材に引っ掛かることを抑制することができる。
【解決手段】画像形成装置は、感光ドラム51と、転写ローラ53と、定着器6と、ガイド部材100とを備える。転写ローラ53は、感光ドラム51と転写ニップNP1を形成する。定着器6は、加熱回転体61と、加熱回転体61と定着ニップNP2を形成する加圧回転体62とを有する。ガイド部材100は、シートSの搬送方向において、転写ニップNP1と定着ニップNP2との間に位置し、シートSをガイドする。ガイド部材100は、第1ガイド110と、第1ガイド110の下流側に位置する第2ガイド120とを有する。第2ガイド120が有する第1連結部(第5ボス123A)は、第1位置と、転写ニップNP1および定着ニップNP2を結ぶ仮想平面VPから第1位置より離れた位置である第2位置とに移動可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、
前記感光ドラムとの間に転写ニップを形成し、前記感光ドラム上のトナーをシートに転写する転写ローラと、
シートを熱定着する定着器であって、シートを加熱する加熱回転体と、前記加熱回転体との間に定着ニップを形成する加圧回転体と、を有する定着器と、
シートの搬送方向において、前記転写ニップと前記定着ニップとの間に位置し、シートを前記転写ニップから前記定着ニップに向けてガイドするガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、第1ガイドと、前記第1ガイドより前記搬送方向の下流側に位置し、前記第1ガイドと相対移動可能に連結する第1連結部を有する第2ガイドと、を有し、
前記第1連結部は、第1位置と、前記転写ニップおよび前記定着ニップを結ぶ仮想平面から前記第1位置より離れた位置である第2位置と、に移動可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1ガイドと前記第2ガイドは、相互に回動可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1ガイドは、シートを下側からガイドする板状の部分と、前記第1ガイドの搬送方向の下流端に位置する孔と、を有し、
前記第2ガイドは、シートを下側からガイドする板状の部分と、前記第2ガイドの搬送方向の上流端に位置するボスと、を有し、
前記第1連結部は、前記ボスであり、前記ボスが前記孔に入り込むことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1連結部は、前記搬送方向に交差する方向に突出する突起であり、
前記第1ガイドは、前記突起が入り込む長孔を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1連結部は、長孔であり、
前記第1ガイドは、前記搬送方向に交差する方向に突出し、前記長孔に入り込む突起を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、本体筐体を備え、
前記第1ガイドの前記搬送方向の上流側の端部は、前記本体筐体に回動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2ガイドの前記搬送方向の下流側の端部は、前記定着器に回動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ガイド部材は、前記第1連結部を前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置は、
前記第1連結部を、前記1位置から前記第2位置に移動可能であり、前記第2位置から前記第1位置に移動可能な駆動部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1ガイドは、前記搬送方向の下流端に位置する第1櫛歯部を有し、
前記第2ガイドは、前記搬送方向の上流端に位置する第2櫛歯部であって、前記第1櫛歯部の隙間に入り込む第2櫛歯部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ガイド部材は、前記第2ガイドより前記搬送方向の下流側に位置し、前記第2ガイドと相対移動可能に連結する第2連結部を有する第3ガイドをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートをガイドするガイド部材を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートを定着ニップに案内するガイド部材を備える画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。この画像形成装置のガイド部材は、転写ガイド部材と定着ガイド部材を有し、それぞれのガイド部材が別々のモータによって別々に動かされることで、シートが各ガイド部材に強く擦れてしまう不具合を低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-225274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シートをガイドする場合に、従来のガイド部材は2つのガイド部材が独立して別々に動かされるため、シートが2つのガイド部材の隙間に入ったり、段差に引っ掛かってしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、シートがガイド部材に強く擦れてしまうことを抑制するとともに、シートがガイド部材に引っ掛かることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、感光ドラムと、転写ローラと、定着器と、ガイド部材と、を備える。
転写ローラは、感光ドラムとの間に転写ニップを形成する。転写ローラは、感光ドラム上のトナーをシートに転写する。定着器は、シートを熱定着する。定着器は、シートを加熱する加熱回転体と、加熱回転体との間に定着ニップを形成する加圧回転体と、を有する。ガイド部材は、シートの搬送方向において、転写ニップと定着ニップとの間に位置する。ガイド部材は、シートを転写ニップから定着ニップに向けてガイドする。ガイド部材は、第1ガイドと、第2ガイドと、を有する。第2ガイドは、第1ガイドより搬送方向の下流側に位置する。第2ガイドは、第1ガイドと相対移動可能に連結する第1連結部を有する。
第1連結部は、第1位置と、転写ニップおよび定着ニップを結ぶ仮想平面から第1位置より離れた位置である第2位置と、に移動可能である。
【0007】
ガイド部材の第1連結部は、仮想平面と近い第1位置と、仮想平面から遠い第2位置とに移動可能であるため、転写ニップと定着ニップに間に位置するシートが撓んだ場合、ガイド部材がシートの撓みに合わせて移動できる。このため、シートがガイド部材に強く擦れてしまうことを抑制するとともに、シートがガイド部材に引っ掛かることを抑制することができる。
【0008】
また、第1ガイドと第2ガイドは、相互に回動可能に連結されている構成としてもよい。
【0009】
また、第1ガイドはシートを下側からガイドする板状の部分と第1ガイドの搬送方向の下流端に位置する孔とを有し、第2ガイドはシートを下側からガイドする板状の部分と第2ガイドの搬送方向の上流端に位置するボスとを有し、第1連結部はボスであり、第2ガイドのボスが第1ガイドの孔に入り込む構成としてもよい。
【0010】
また、第1連結部は、搬送方向に交差する方向に突出する突起であり、第1ガイドは、突起が入り込む長孔を有する構成としてもよい。
【0011】
また、第1連結部は、長孔であり、第1ガイドは、搬送方向に交差する方向に突出し、長孔に入り込む突起を有する構成としてもよい。
【0012】
また、画像形成装置は、本体筐体を備え、第1ガイドの搬送方向の上流側の端部は、本体筐体に回動可能に支持されている構成としてもよい。
【0013】
第1ガイドの搬送方向の上流側の端部が本体筐体に回動可能に支持されていることで、第1ガイドが回動しても第1ガイドの上流側の端部と転写ローラの位置関係が変わりにくく、転写ローラを通過したシートが第1ガイドに向かうときに安定してガイドされる。
【0014】
また、第2ガイドの搬送方向の下流側の端部は、定着器に回動可能に支持されている構成としてもよい。
【0015】
第2ガイドの搬送方向の下流側の端部が定着器に回動可能に支持されていることで、第2ガイドが回動しても第2ガイドの下流側の端部と定着器の位置関係が変わりにくく、シートは、定着器に向けてスムーズにガイドされる。
【0016】
また、ガイド部材は、第1連結部を第2位置から第1位置に向けて付勢する付勢部材をさらに有する構成としてもよい。
【0017】
また、画像形成装置は、第1連結部を、第1位置から前記第2位置に移動可能であり、第2位置から第1位置に移動可能な駆動部をさらに備える構成としてもよい。
【0018】
また、第1ガイドは、搬送方向の下流端に位置する第1櫛歯部を有し、第2ガイドは、搬送方向の上流端に位置する第2櫛歯部であって、第1櫛歯部の隙間に入り込む第2櫛歯部を有する構成としてもよい。
【0019】
第1ガイドが第1櫛歯部を有し、第2ガイドが第2櫛歯部を有することで、ガイド部材が動く前後において、第1ガイドと第2ガイドの間に段差や隙間が生じないため、シートがガイド部材に引っ掛かってしまうことを抑制できる。
【0020】
また、ガイド部材は、第2ガイドより搬送方向の下流側に位置し、第2ガイドと相対移動可能に連結する第2連結部を有する第3ガイドをさらに有する構成としてもよい。
【0021】
ガイド部材が第3ガイドをさらに有することで、3つのガイドがシートの撓みに対応して移動することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、シートがガイド部材に強く擦れてしまうことを抑制するとともに、シートがガイド部材に引っ掛かることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態における画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2】第1連結部が第1位置に位置する状態におけるガイド部材の中央断面図である。
図3】第1連結部が第2位置に位置する状態におけるガイド部材の中央断面図である。
図4】定着器と、第1連結部が第1位置に位置する状態におけるガイド部材を示す斜視図である。
図5】定着器と、第1連結部が第2位置に位置する状態におけるガイド部材を示す斜視図である。
図6】第2実施形態における第1連結部が第1位置に位置する状態のガイド部材を示す側面(a)と、第2位置に位置する状態のガイド部材を示す側面図(b)である。
図7】第2実施形態における第1連結部が第1位置に位置する状態のガイド部材を示す斜視図(a)と、第2位置に位置する状態のガイド部材を示す斜視図(b)である。
図8】第3実施形態における第1連結部が第1位置に位置する状態のガイド部材を示す側面(a)と、第2位置に位置する状態のガイド部材を示す側面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、レーザプリンタであり、シートSに画像を形成する。画像形成装置1は、本体筐体2と、供給部3と、プロセス部4と、定着器6と、排出部7と、を備える。なお、以下の説明において、シートSの搬送方向は、プロセス部4から定着器6に向かうシートSの方向をいい、単に「搬送方向」という。また、後述する感光ドラム51の軸方向を単に「軸方向」という。軸方向は、搬送方向と交差する方向である。本実施形態では、軸方向は、搬送方向と直交する方向である。
【0025】
供給部3は、供給トレイ31と、シート供給装置32とを有する。供給トレイ31は、シートSを収容するトレイである。シート供給装置32は、供給トレイ31内のシートSをプロセス部4に向けて搬送する。
【0026】
プロセス部4は、供給されたシートSにトナー像を形成する。プロセス部4は、露光装置40と、プロセスカートリッジ50と、を有する。
【0027】
露光装置40は、本体筐体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部と、回転駆動するポリゴンミラー41と、レンズ42と、反射鏡44とを有する。レーザ発光部から出射された画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)は、ポリゴンミラー41、レンズ42、反射鏡44の順に反射または通過して、感光ドラム51の表面で高速走査される。
【0028】
プロセスカートリッジ50は、露光装置40の下方に配置されている。プロセスカートリッジ50は、本体筐体2に設けられたフロントカバー23を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱することで交換可能に構成されている。プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51と、帯電器52と、転写ローラ53と、現像ローラ54と、供給ローラ55と、トナー収容部56と、を有する。
【0029】
転写ローラ53は、感光ドラム51との間に転写ニップNP1を形成する。転写ローラ53は、感光ドラム51上のトナーをシートSに転写する。
【0030】
定着器6は、シートSに転写されたトナー像を熱定着する。定着器6は、プロセス部4の搬送方向の下流側に設けられている。定着器6は、加熱回転体61と、加圧回転体62と、定着フレーム63と、を有する。
【0031】
加熱回転体61は、シートSを加熱する部材である。加熱回転体61は、無端状のベルトである。加熱回転体61は、ヒータを内側に収容しており、加圧回転体62との間でシートSを挟んだ状態で回転することで、シートSを加熱する。
【0032】
加圧回転体62は、加熱回転体61との間に定着ニップNP2を形成する部材である。加圧回転体62は、表面が非導電性の弾性体で構成されたローラである。加熱回転体61と加圧回転体62は、図示しない押圧部材によって互いに押圧されている。
【0033】
定着フレーム63は、加熱回転体61および加圧回転体62を覆うフレームである。定着フレーム63は、加熱回転体61および加圧回転体62を回転可能に支持している。
【0034】
プロセス部4では、感光ドラム51の表面が、帯電器52により一様に正極性に帯電された後、露光装置40からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光ドラム51上に静電潜像が形成される。また、トナー収容部56内のトナーは、供給ローラ55を介して現像ローラ54に供給され、現像ローラ54上に担持される。
【0035】
そして、現像ローラ54上に担持されたトナーが、感光ドラム51上の静電潜像に供給されることで、静電潜像が可視像化され、感光ドラム51上にトナー像が形成される。その後、供給部3から供給されたシートSが、感光ドラム51と転写ローラ53の間(転写ニップNP1)に搬送され、転写ローラ53に負極性の転写バイアスが印加されることで、感光ドラム51上のトナー像がシートS上に転写される。次いで、シートSが加熱回転体61と加圧回転体62の間(定着ニップNP2)に搬送されることで、シートS上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0036】
排出部7は、トナー像が熱定着されたシートSを本体筐体2の外部に向けて搬送する。排出部7は、搬送ローラ72と、排出ローラ73とを有する。排出ローラ73は、排出経路71の出口付近に設けられており、シートSを排紙トレイ22へ排出する。
【0037】
図2図3に示すように、定着器6とプロセス部4との間には、プロセス部4から送り出されたシートSを定着器6に案内するガイド部材100が配置されている。ガイド部材100は、シートSの下面側に接触して案内するように搬送経路の下側に配置されている。
【0038】
ガイド部材100は、搬送方向において、転写ニップNP1と定着ニップNP2との間に位置する。ガイド部材100は、シートSを転写ニップNP1から定着ニップNP2に向けてガイドする。ガイド部材100は、第1ガイド110と、第2ガイド120と、付勢部材の一例としてのバネSPと、を有する。
【0039】
図4図5に示すように、第1ガイド110は、第1部分111と、第2部分112と、第3部分113と、を有する。第1部分111は、板状であり、シートSの搬送経路に沿って延びている。第1部分111は、シートSを下側からガイドする。第2部分112は、第1部分111の軸方向の一方側の端縁から上方に延びている。第2部分112は、シートSが軸方向の一方側にはみ出さないようにガイドする。第3部分113は、第1部分111の軸方向の他方側の端縁から上方に延びている。第3部分113は、シートSが軸方向の他方側にはみ出さないようにガイドする。
【0040】
第2部分112は、第1ボス112Aと、第1延出部112Bと、を有している。第1ボス112Aは、第2部分112の搬送方向の上流端に位置する。第1ボス112Aは、軸方向の一端側に突出する突起である。第1ボス112Aは、第1ボス孔BH1(図2図3に二点鎖線で示している。)に入り込む。第1ボス孔BH1は、本体筐体2に形成された長孔である。第1延出部112Bは、軸方向の一方側に延びた後、搬送方向の下流側に向けて延びている。第1延出部112Bの搬送方向の下流端部には第1孔112Hが形成されている。
【0041】
第3部分113は、第2ボス113Aと、第2延出部113Bと、を有している。第2ボス113Aは、第3部分113の搬送方向の上流端に位置する。第2ボス113Aは、軸方向の他端側に突出する突起である。第2ボス113Aは、第2ボス孔BH2(図2図3に二点鎖線で示している。)に入り込む。第2ボス孔BH2は、本体筐体2に形成された長孔である。第2延出部113Bは、軸方向の一方側に延びた後、搬送方向の下流側に向けて延びている。第2延出部113Bの搬送方向の下流端部には第2孔113Hが形成されている。
【0042】
第2ガイド120は、第1ガイド110より搬送方向の下流側に位置する。第2ガイド120は、第4部分121と、第5部分122と、第6部分123と、を有する。第4部分121は、板状であり、シートSの搬送方向に沿って延びている。第4部分121は、シートSを下側からガイドする。第5部分122は、第4部分121の軸方向の一方側の端縁から上方に延びている。第5部分122は、シートSが軸方向の一方側にはみ出さないようにガイドする。第6部分123は、第4部分121の軸方向の他方側の端縁から上方に延びている。第6部分123は、シートSが軸方向の他方側にはみ出さないようにガイドする。
【0043】
第5部分122は、第1連結部の一例としての第3ボス122Aと、第4ボス122Bと、を有している。第3ボス122Aは、第5部分122の搬送方向の上流端に位置する。
第3ボス122Aは、軸方向の一端側に突出する突起である。第3ボス122Aは、第1ガイド110の第1孔112Hに入り込む。
第4ボス122Bは、第5部分122の搬送方向の下流端に位置する。第4ボス122Bは、軸方向の一端側に突出する突起である。第4ボス122Bは、定着フレーム63に形成されている第3ボス孔BH3に入り込む。
【0044】
第6部分123は、第1連結部の一例としての第5ボス123Aと、第6ボス123Bと、を有している。
第5ボス123Aは、第6部分123の搬送方向の上流端に位置する。第5ボス123Aは、軸方向の他端側に突出する突起である。第5ボス123Aは、第1ガイド110の第2孔113Hに入り込む。
第6ボス123Bは、第6部分123の搬送方向の下流端に位置する。第6ボス123Bは、軸方向の他端側に突出する突起である。第6ボス123Bは、定着フレーム63に形成されている第4ボス孔BH4に入り込む。
【0045】
以上に説明したように、第1ガイド110の搬送方向の上流側の端部は本体筐体2に支持され、第2ガイド120の搬送方向の下流側の端部は、定着器6に回動可能に支持されている。
【0046】
そして、第1ガイド110と第2ガイド120は、相互に回動可能に連結されている。上述したように、第2ガイド120は、第1連結部である第3ボス122Aおよび第5ボス123Aを有しており、第3ボス122Aおよび第5ボス123Aは、第1ガイド110と相対移動可能に連結する。
【0047】
第3ボス122Aおよび第5ボス123Aは、図2に示す第1位置と、図3に示す第2位置に移動可能である。図3に示すように、第2位置は、転写ニップNP1および定着ニップNP2を結ぶ仮想平面VPから第1位置より離れた位置である。なお、図2および図3では、第3ボス122Aが図示されていないが、軸方向から見て第3ボス122Aは、第5ボス123Aと同じ位置に位置している。
【0048】
ここで、図2に示すように、第3ボス122Aおよび第5ボス123Aが第1位置に位置する状態を第1状態とする。図3に示すように、第3ボス122Aおよび第5ボス123Aが第2位置に位置する状態を第2状態とする。
【0049】
第1状態において、第1ガイド110および第2ガイド120は、略直線に並んで位置しており、ガイド部材100全体としては折れ曲がっていない。第1状態において、第1ガイド110と第2ガイド120の間に隙間は生じていない。
【0050】
第2状態において、第1ガイド110および第2ガイド120は、直線に並んでおらず、ガイド部材100全体としては折れ曲がっている。第2状態において、第1ガイド110と第2ガイド120の間に隙間が生じている。第2状態における第1部分111は、搬送方向の下流側に進むにつれて仮想平面VPから離れるように傾き、第1状態における第1部分111よりも仮想平面VPから離れた位置に位置している。第2状態における第4部分121は、搬送方向の下流側に進むにつれて仮想平面VPに近づくように傾き、第1状態における第4部分121よりも仮想平面VPから離れた位置に位置している。
【0051】
図2図3に示すように、バネSPは、第2ガイド120の搬送方向の上流端の下側に配置されている。バネSPは、圧縮バネである。バネSPは、第3ボス122Aおよび第5ボス123Aが第2位置から第1位置に位置するように付勢している。
【0052】
以上のような本実施形態の画像形成装置1によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
図2に示すように、通常、シートSは、図2の破線で示す搬送経路を通過する。このため、ガイド部材100は、第1状態でシートSをガイドする。このとき、第3ボス122Aおよび第5ボス123Aが第1位置に位置している。
しかし、転写ニップNP1におけるシートSの搬送速度は、定着ニップNP2での搬送速度よりも少し速いため、シートSの前端部が定着ニップNP2ニップされ、シートSの後端部が転写ニップNP1にニップされた状態では、転写ニップNP1と定着ニップNP2の間でシートSが余って、シートSが少し撓む。ほとんどの場合、シートSは下方に撓むので、シートSが下方に撓むと、シートSがガイド部材100を下方に押す。ガイド部材100がシートSに押されると、ガイド部材100は、図2に示す第1状態から図3に示す第2状態に変位する。この結果、ガイド部材100は、第2状態に変位して下方に撓んだシートSをガイドする。
このように、ガイド部材100の第1連結部(第3ボス122Aおよび第5ボス123A)は、第1位置と、第2位置とに移動可能であり、ガイド部材100は、シートSが撓んだ場合、撓みに合わせて移動できる。このため、シートSがガイド部材100に強く擦れてしまうことを抑制することができる。ガイド部材100は、第1ガイド110と第2ガイド120が連結された構成であるため、ガイド部材100が第2状態に変位した場合に隙間が生ずるものの、隙間が生ずるときにはシートSの前端は既に定着ニップNP2に達しているため、シートSがガイド部材100に引っ掛かることを抑制することができる。
【0053】
また、第1ガイド110の搬送方向の上流側の端部が本体筐体2の第1ボス孔BH1および第2ボス孔BH2に回動可能に支持されていることで、第1ガイド110が回動しても第1ガイド110の上流側の端部と転写ローラ53の位置関係が変わりにくく、転写ローラ53を通過したシートSが第1ガイド110に向かうときに安定してガイドされる。
【0054】
また、第2ガイド120の搬送方向の下流側の端部が定着器6に回動可能に支持されていることで、第2ガイド120が回動しても第2ガイド120の下流側の端部と定着器6の位置関係が変わりにくく、シートSは、定着器6に向けてスムーズにガイドされる。
【0055】
次に、図6(a),(b)、図7(a),(b)を参照して、第2実施形態について説明する。
図6(a)に示すように、第2実施形態のガイド部材200は、第1ガイド210と、第2ガイド220と、駆動部の一例としてのアクチュエータ230と、を有する。
【0056】
図7に示すように、第1ガイド210は、シートSの搬送経路に沿って延びている。第1ガイド210は、シートSを下側からガイドする。第1ガイド210は、第1櫛歯部211と、第1ボス212と、第1延出部213と、を有している。
【0057】
第1櫛歯部211は、第1ガイド210の搬送方向の下流端に位置する。第1櫛歯部211は、軸方向に並ぶ複数の櫛歯から構成されている。第1櫛歯部211の各櫛歯は、搬送方向の下流端から搬送方向の下流に向けて延びている。
第1ボス212は、搬送方向の上流端部に位置する。第1ボス212は、軸方向の一方側に突出している。第1ボス212は、本体筐体2の第1ボス孔BH1に入り込んでいる。
第1延出部213は、第1ガイド210の軸方向の一方側の端部に配置され、搬送方向の下流側に向けて延びている。第1延出部213は、第1櫛歯部211よりも下方に位置する。第1延出部213の搬送方向の下流端部には搬送方向に長い長孔213Hが形成されている。
【0058】
第2ガイド220は、シートSの搬送経路に沿って延びている。第2ガイド220は、シートSを下側からガイドする。第2ガイド220は、第2櫛歯部221と、第2ボス222と、第3ボス223と、を有している。
【0059】
第2櫛歯部211は、第2ガイド220の搬送方向の上流端に位置する。第2櫛歯部221は、軸方向に並ぶ複数の櫛歯から構成されている。第2櫛歯部221の各櫛歯は、搬送方向の上流端から搬送方向の上流に向けて延びている。第2櫛歯部221の各櫛歯は、第1櫛歯部211の各櫛歯の間に入り込んでいる。
第2ボス222は、第2ガイド220の軸方向の一方側の端部に配置され、搬送方向の上流端部に位置する。第2ボス222は、第2櫛歯部221よりも下方に位置し、軸方向の一方側に突出している。第2ボス222は、第1ガイド210の長孔213Hに入り込んでいる。
第3ボス223は、搬送方向の下流端部に位置する。第3ボス223は、軸方向の一方側に突出している。第3ボス223は、定着フレーム6の第3ボス孔BH3に入り込んでいる。
【0060】
図6に示すように、アクチュエータ230は、第1ガイド210の搬送方向の下流端の下側に配置されている。アクチュエータ230は、リニアアクチュエータである。アクチュエータ230の先端部は、第1ガイド210と係合している。アクチュエータ230は、第1ガイド210の搬送方向の下流端部を上下に移動させることが出来、例えば、制御部(図示省略)から受けた指令によって第1ガイドを図6(a)に示す第1位置と、図6(b)に示す第2位置に移動させる。これにより、第1連結部(第2ボス222)は、図6(a)に示す1位置から図6(b)に示す第2位置に移動可能であり、かつ、第2位置から第1位置に移動可能である。第1実施形態と同様に、第2位置は、仮想平面VPから第1位置より離れた位置である。
【0061】
制御部は、シートの撓み状態に対応してアクチュエータ230を移動させる。例えば、制御部は、シートSが転写ニップNP1と定着ニップNP2の両方同時にニップされた後、所定時間後にアクチュエータ230を第1位置から第2位置に向けて動かす。そして、制御部は、シートSが転写ニップNP1と定着ニップNP2の両方同時にニップされた状態が解除された後、アクチュエータ230を第2位置から第1位置に向けて動かす。
【0062】
ここで、図6(a)に示すように、第2ボス222が第1位置に位置する状態を第1状態とする。図6(b)に示すように、第2ボス222が第2位置に位置する状態を第2状態とする。
【0063】
第1状態において、第1ガイド210および第2ガイド220は、略直線に並んで位置しており、ガイド部材200全体としては折れ曲がっていない。図7(a)に示すように、第1状態において、第1ガイド210の第1櫛歯部211と、第2ガイド220の第2櫛歯部221が互いに噛み合っているため、第1ガイド110と第2ガイド120の間に隙間は生じていない。
【0064】
また、図7(b)に示すように、第2状態において、第1ガイド210および第2ガイド220は、直線に並んでおらず、ガイド部材200全体としては折れ曲がっている。第2実施形態では、第2状態においても、第1状態と同様に、第1ガイド210の第1櫛歯部211と、第2ガイド220の第2櫛歯部221が互いに噛み合っているため、第1ガイド110と第2ガイド120の間に隙間や段差は生じていない。
【0065】
このように、第2実施形態のガイド部材200によれば、第1ガイド210が第1櫛歯部211を有し、第2ガイド220が第2櫛歯部221を有することで、ガイド部材200が動く前後において、第1ガイド210と第2ガイド220の間に段差や隙間が生じないため、シートSがガイド部材200に引っ掛かってしまうことを抑制できる。
【0066】
また、第2実施形態のガイド部材200によれば、制御部がアクチュエータ230を動かすことで、シートSの撓み状態に合わせて第1連結部(第2ボス222)を第1位置と第2位置に移動させることにより、ガイド部材200が第2状態に変位して、シートSがガイド部材200に強く擦れてしまうことを抑制できる。
【0067】
次に、図8(a),(b)を参照して、第3実施形態について説明する。
図8(a),(b)に示すように、第3実施例のガイド部材300は、第1ガイド310と、第2ガイド320と、第3ガイド330と、を有する。
【0068】
第1ガイド310は、搬送方向の下流側に延びる第1櫛歯部311と、第1ボス312と、を有する。第1ボス312は、第1ガイド310および第2ガイド320を相対移動可能に連結する第1連結部の一例である。
【0069】
第2ガイド320は、第1ガイド310より搬送方向の下流側に位置する。第2ガイド320は、第1櫛歯部311と互いに噛み合う第2櫛歯部321と、搬送方向の下流側に延びる第3櫛歯部322と、第1ボス312が入り込む第1長孔323と、第2長孔324と、を有する。
【0070】
第3ガイド330は、第2ガイド320より搬送方向の下流側に位置する。第3ガイド330は、第3櫛歯部322と互いに噛み合う第4櫛歯部331と、第2長孔324に入り込む第2ボス332と、を有する。第2ボス332は、第2ガイド320および第3ガイド3320を相対移動可能に連結する第2連結部の一例である。
【0071】
ガイド部材300は、図8(a)に示す第1状態と、第8(b)に示す第2状態に動くことが可能である。
図8(a)に示すように、第1状態において、第1ガイド310、第2ガイド320および第3ガイド330は、略直線に並んで位置しており、ガイド部材300全体としては折れ曲がっていない。また、ガイド部材300は、第1状態において、第1ガイド310の第1櫛歯部311と、第2ガイド320の第2櫛歯部321が互いに噛み合い、第2ガイド310の第3櫛歯部322と、第3ガイド330の第4櫛歯部331が互いに噛み合っているため、第1ガイド310と第2ガイド320の間および第2ガイド320と第3ガイド330の間に隙間は生じていない。
【0072】
図8(b)に示すように、第2状態において、第1ガイド310、第2ガイド320および第3ガイド330は、直線に並んでおらず、ガイド部材300全体としては折れ曲がっている。また、ガイド部材300は、第2状態においても、第1ガイド310の第1櫛歯部311と、第2ガイド320の第2櫛歯部321が互いに噛み合い、第2ガイド310の第3櫛歯部322と、第3ガイド330の第4櫛歯部331が互いに噛み合っているため、第1ガイド310と第2ガイド320の間および第2ガイド320と第3ガイド330の間に隙間は生じていない。
ガイド部材300は、第1ガイド310および第2ガイド320に加えて、第3ガイド330をさらに有することで、シートSの撓みに柔軟に対応できる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0074】
前記実施形態においては、第1連結部は、搬送方向に交差する方向に突出する突起であり、第1ガイドは、突起が入り込む長孔を有する構成であったがこの構成に限られない。例えば、第1連結部は、孔や長孔であり、第1ガイドは、搬送方向に交差する方向に突出し、第1連結部の孔や長孔に入り込む突起を有する構成としてもよい。
【0075】
前記実施形態においては、第1ガイド110の搬送方向の上流側の端部が本体筐体2に回動可能に支持されていたが、第1ガイド110が他の部材に支持されていてもよい。
同様に、第2ガイド120の搬送方向の下流側の端部が定着器に回動可能に支持されている構成であったが、第2ガイド120が本体筐体に支持されていてもよい。
【0076】
前記実施形態においては、第1ボス112A、第2ボス113A、第3ボス122A、第4ボス122B、第5ボス123Aおよび第6ボス123Bは、搬送方向に直交する方向に突出していたが、この構成に限られず、搬送方向に斜めに交差する方向に突出する構成であってもよい。
【0077】
前記実施形態においては、付勢部材一例として圧縮バネを例示したが、付勢部材は、引っ張りバネ、板バネ、トーションバネなどであってもよい。
【0078】
前記実施形態においては、駆動部の一例としてリニアアクチュエータを例示したが、駆動部は、ステッピングモータに駆動されるカムやクランクなどであってもよいし、第1ガイドおよび第2ガイドを回動させるステッピングモータであってもよい。
【0079】
前記した第3実施形態においては、ガイド部材が3つのガイドから構成されていたが、ガイド部材は、4つ以上のガイドから構成されていてもよい。この場合、各ガイド同士が連結部により相対移動可能に連結されればよい。
【0080】
前記実施形態においては、画像形成装置がモノクロのレーザプリンタであったが、画像形成装置はカラーの画像形成装置であってもよいし、コピー機や複合機であってもよい。また、シートは、用紙に限らず、OHPシートなどであってもよい。さらに、加熱回転体は、無端状のベルトを用いるものに限らず、ローラを用いることもでき、加圧回転体は、ローラを用いるものに限らず、無端状のベルトを用いることもできる。
【0081】
また、前記した各実施形態の各要素は、任意に組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 画像形成装置
2 本体筐体
6 定着器
51 感光ドラム
53 転写ローラ
61 加熱回転体
62 加圧回転体
100 ガイド部材
110 第1ガイド
120 第2ガイド
122A 第3ボス
123A 第5ボス
NP1 転写ニップ
NP2 定着ニップ
S シート
VP 仮想平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8