(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077688
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】印刷システム、ホスト装置、印刷制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240603BHJP
B41J 5/30 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
G06F3/12 350
G06F3/12 343
G06F3/12 304
G06F3/12 380
B41J5/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189778
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】楊 冬
【テーマコード(参考)】
2C187
【Fターム(参考)】
2C187AC05
2C187AD05
2C187AG08
2C187BF42
2C187BH27
2C187CD08
2C187DB27
(57)【要約】
【課題】既存のラベルデータに基づいて新たなラベルデータを生成する際に、ユーザーの作業負荷なく、オブジェクトの配置の調整を行うことができる印刷システムを提供する。
【解決手段】サーマルヘッドを有する携帯型端末と、前記携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御するホスト装置と、を有する印刷システムにおいて、前記ホスト装置は、既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成するラベル生成部を備える、印刷システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーマルヘッドを有する携帯型端末と、前記携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御するホスト装置と、を有する印刷システムにおいて、
前記ホスト装置は、
既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成するラベル生成部を備える、
印刷システム。
【請求項2】
前記ホスト装置は、さらに、
前記既存ラベルデータに含まれる前記オブジェクトの情報を抽出する抽出部を備える、
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記ホスト装置は、さらに、
前記オブジェクトの情報をイメージへ変換するイメージ変換部を備え、
前記ラベル生成部は、前記イメージ変換部により変換された前記イメージを用いて、前記新たなラベルを生成する、
請求項1または請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記ホスト装置は、さらに、
前記新たなラベルのサイズを含む指令を入力する指令処理部を備える、
請求項1または請求項2に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、前記既存ラベルデータに含まれる2以上の前記オブジェクトの相対位置に基づいて、前記新たなラベルにおける2以上の前記オブジェクトの相対位置を調整する、
請求項1または請求項2に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、前記既存ラベルデータのラベルのサイズと前記新たなラベルのサイズとに関する所定値の比に基づいて、前記新たなラベルにおける1以上の前記オブジェクトのサイズを調整する、
請求項1または請求項2に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、前記新たなラベルにおける1以上の前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、2以上の前記オブジェクトが重ならない前記新たなラベルを生成する、
請求項1または請求項2に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、2以上の重なる前記オブジェクトのうちの1以上の前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整することで、これら2以上の前記オブジェクトの重なりを回避する、
請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、前記新たなラベルにおけるすべての前記オブジェクトについて、位置とサイズとの一方または両方を調整する、
請求項7に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、前記オブジェクトが二次元コードである場合、前記既存ラベルデータでの縦横比と前記新たなラベルでの縦横比とを同じにする、
請求項1または請求項2に記載の印刷システム。
【請求項11】
サーマルヘッドを有する携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御するホスト装置であって、
既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成するラベル生成部を備える、
ホスト装置。
【請求項12】
サーマルヘッドを有する携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御する印刷制御方法であって、
既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成する、
印刷制御方法。
【請求項13】
サーマルヘッドを有する携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御するコンピューターに、
既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報を取得する機能と、
新たなラベルのサイズを取得する機能と、
取得した前記オブジェクトに関する情報、および、取得した前記新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷システム、ホスト装置、印刷制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷システムでは、複数のオブジェクトを含むラベルデータの画像を印刷する場合がある。
当該画像では、それぞれのオブジェクトがそれぞれの位置に配置される。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された印刷装置では、過去に作成したラベルと同様なフォーマットのラベルを作成することが行われている。当該フォーマットは、文字コード情報、および、文字の書体などの属性情報である(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、過去に作成したラベルと異なるサイズのラベルを作成する場合に、ユーザー(操作者)の作業負荷が大きくなることがあった。
具体的には、過去に作成したラベルは用紙ごとに作成されているため、過去のラベルを異なるサイズのラベルの作成に利用する場合、ユーザーは、専用のラベル作成ツール(例えば、ユーザーインターフェイス)を利用して、用紙のサイズに合わせて、各オブジェクトの配置の調整が必要になることがあった。
【0006】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、既存のラベルデータに基づいて新たなラベルデータを生成する際に、ユーザーの作業負荷なく、オブジェクトの配置の調整を行うことができる印刷システム、ホスト装置、印刷制御方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、サーマルヘッドを有する携帯型端末と、前記携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御するホスト装置と、を有する印刷システムにおいて、前記ホスト装置は、既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成するラベル生成部を備える、印刷システムである。
【0008】
本開示の一態様は、サーマルヘッドを有する携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御するホスト装置であって、既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成するラベル生成部を備える、ホスト装置である。
【0009】
本開示の一態様は、サーマルヘッドを有する携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御する印刷制御方法であって、既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成する、印刷制御方法である。
【0010】
本開示の一態様は、サーマルヘッドを有する携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御するコンピューターに、既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報を取得する機能と、新たなラベルのサイズを取得する機能と、取得した前記オブジェクトに関する情報、および、取得した前記新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る印刷システム、ホスト装置、印刷制御方法およびプログラムによれば、既存のラベルデータに基づいて新たなラベルデータを生成する際に、ユーザーの作業負荷なく、オブジェクトの配置の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る印刷システムのホスト装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る印刷システムのサーマルプリンタの機能構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係るラベル情報テーブルの一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る既存ラベルデータの一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る新ラベルデータの一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る新ラベルデータの一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る新ラベルデータの一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る新ラベルデータの一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る新ラベルデータの一例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る既存ラベルデータの一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る重なりラベルデータの一例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る新ラベルデータの一例を示す図である。
【
図13】実施形態に係る新ラベルデータの一例を示す図である。
【
図14】実施形態に係るホスト装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
【0014】
[印刷システム]
図1は、実施形態に係る印刷システム1のホスト装置11の機能構成の一例を示す図である。
印刷システム1は、ホスト装置11と、サーマルプリンタ12と、を備える。
ホスト装置11とサーマルプリンタ12とは、有線または無線により、通信可能に接続される。
ここで、本実施形態では、サーマルプリンタ12は、サーマルヘッドを有する携帯型端末である。
【0015】
有線の通信としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)の通信などが用いられてもよい。
無線の通信としては、例えば、WiFiの通信、または、Bluetooth(登録商標)の通信などが用いられてもよい。
【0016】
<ホスト装置>
ホスト装置11は、例えば、ノート型コンピューター、ラップトップ型コンピューター、スマートフォン、あるいは、タブレット端末などのコンピューターである。
【0017】
図1には、ホスト装置11の機能ブロックA1の一例を示してある。
ホスト装置11は、指令処理部111と、既存ラベルデータ記憶部112と、解析処理部113と、イメージ変換部114と、プリンタコマンド取得部115と、ラベル生成部116と、印刷部117と、を備える。
【0018】
ここで、本実施形態では、ホスト装置11は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサーと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリーと、を備える。
ホスト装置11では、当該プロセッサーによって所定のプログラムを実行することで、指令処理部111、解析処理部113、イメージ変換部114、プリンタコマンド取得部115、ラベル生成部116、および、印刷部117の処理を実行する。なお、当該プログラムは、当該メモリーに記憶されてもよい。
当該プログラムは、例えば、プリンタドライバーであってもよい。
また、ホスト装置11では、当該メモリーにより、既存ラベルデータ記憶部112が構成されている。
【0019】
指令処理部111は、ラベル印字指令を入力し、その指令の処理を行う。本実施形態では、指令処理部111は、その指令をラベル生成部116に出力する。
本実施形態では、ラベル印字指令には、ラベルを識別する情報(ラベルID)が含まれている。
また、ホスト装置11では、1以上のラベルIDについて、それぞれのラベルIDとラベルのサイズとを対応付けるテーブル(ラベルサイズテーブル)を記憶している。そして、ホスト装置11では、例えば、指令処理部111によって、ラベル印字指令に含まれるラベルIDに対応するラベルのサイズを特定し、特定したラベルのサイズをラベル生成部116に出力する。
なお、指令処理部111からラベル生成部116に入力される指令には、他の項目の指令が含まれていてもよい。
【0020】
ここで、ラベル印字指令は、例えば、ユーザーの操作によってホスト装置11に入力されてもよく、あるいは、あらかじめ設定された情報に基づいて自動的にホスト装置11に入力されてもよい。
ユーザーは、例えば、任意のAPI(Application Programming Interface)を用いて、ラベル印字指令をホスト装置11に入力してもよい。
【0021】
また、本実施形態では、ラベルサイズテーブルがホスト装置11に記憶されている場合を示したが、他の例として、ラベルサイズテーブルが他の装置に記憶されていて、ホスト装置11が当該他の装置から当該ラベルサイズテーブルを取得して参照してもよい。
また、本実施形態では、ラベルサイズテーブルが用いられる場合を示したが、他の例として、ラベル印字指令に、ラベルのサイズを特定する情報が含まれていてもよく、この場合、ラベルサイズテーブルはホスト装置11に記憶されていなくてもよい。
【0022】
既存ラベルデータ記憶部112は、既存のラベルデータを記憶する。
ここで、既存のラベルデータとしては、任意のラベルデータが用いられてもよく、例えば、ユーザーによってあらかじめ作成されたラベルデータが用いられてもよい。
また、既存のラベルデータとしては、1個のラベルデータであってもよく、あるいは、複数個のラベルデータが記憶されて、その中から1個のラベルデータが選択されてもよい。
また、本実施形態では、既存ラベルデータがホスト装置11の機能ブロックA1内に保存されているが、例えば機能ブロックA1外のホスト装置11のハードディスクなどに保存されていてもよい。その場合、例えば、ユーザーが、別ツールで作成したラベルデータのファイルをホスト装置11のハードディスクの任意位置に保存する。
【0023】
ここで、本実施形態では、それぞれのラベルデータは、バイナリデータであり、1個以上のオブジェクトのデータを含む。オブジェクトは、例えば、構成要素などと呼ばれてもよい。
それぞれのラベルデータは、当該ラベルデータに含まれる各オブジェクトの位置およびサイズを特定する情報を含む。
また、それぞれのラベルデータは、当該ラベルデータに含まれる各オブジェクトの種類を特定する情報を含んでもよい。
本実施形態では、それぞれのラベルデータは、規定のフォーマットで構成されている。そして、それぞれのラベルデータに基づいて、当該ラベルデータに含まれるオブジェクトの情報を抽出することが可能である。
【0024】
なお、オブジェクトごとの種類としては、例えば、文字、画像、一次元コード、二次元コードなどの種類があり得る。
また、オブジェクトごとの位置としては、例えば、座標を用いて表されてもよく、あるいは、印刷領域の上下左右などの基準を用いて表されてもよい。印刷領域の上下左右などの基準を用いて位置が表される場合、例えば、印刷領域の上下左右などに配置されるという態様、あるいは、印刷領域の上下左右などから所定の距離離隔して配置されるという態様を用いることが可能である。
また、オブジェクトごとのサイズとしては、例えば、数値を用いて表されてもよく、あるいは、オブジェクトが占める範囲を用いて表されてもよい。
【0025】
解析処理部113は、既存ラベルデータ記憶部112に記憶されているラベルデータを読み取り、読み取ったラベルデータの解析処理を行う。
ここで、解析処理部113は、例えば、1個のラベルデータを読み取る。読み取るラベルデータは、例えば、あらかじめ設定されていてもよく、あるいは、複数個のラベルデータのなかからユーザーなどによって指定されてもよい。その指定は、例えば、ラベル印字指令に含まれてもよい。
また、ラベルデータの解析処理としては、当該ラベルデータに含まれる各オブジェクトの情報を抽出する処理が行われる。解析処理部113は、当該情報を抽出する抽出部としての機能も有している。
解析処理部113は、抽出した各オブジェクトのデータをイメージ変換部114に出力する。
【0026】
イメージ変換部114は、解析処理部113から入力される各オブジェクトのデータをそれぞれのイメージに変換する。
イメージ変換部114は、変換された各オブジェクトのイメージをラベル生成部116に出力する。
【0027】
ここで、イメージ変換部114は、複数のオブジェクトが存在する場合に、例えば、これら複数のオブジェクトのすべてについてイメージに変換してもよく、あるいは、これら複数のオブジェクトのうちの一部のオブジェクトについてイメージに変換してもよい。
【0028】
プリンタコマンド取得部115は、プリンタコマンドを取得し、取得したプリンタコマンドをラベル生成部116に出力する。
ここで、プリンタコマンドは、例えば、印刷を行うためのコマンドである。
【0029】
ラベル生成部116は、指令処理部111からのラベル印字指令と、イメージ変換部114からの各オブジェクトのイメージと、プリンタコマンド取得部115からのプリンタコマンドに基づいて、ラベルデータを生成する。
ラベル生成部116は、生成したラベルデータを印刷部117に出力する。
【0030】
ここで、ラベル生成部116は、例えば、各オブジェクトの位置、サイズの調整を行って、全体として1枚のラベルデータのイメージを生成する。
なお、本実施形態では、ラベル生成部116は、イメージの変換処理に関してイメージ変換部114に指示を与えることが可能であるが、必ずしも当該指示の機能が備えられなくてもよい。
【0031】
印刷部117は、ラベル生成部116から入力されたラベルデータのイメージを印刷するための印字データをサーマルプリンタ12に出力する。
【0032】
ここで、本実施形態では、ホスト装置11の内部に既存のラベルデータが記憶される場合を示したが、他の例として、既存のラベルデータが他の装置に記憶されていて、ホスト装置11が当該他の装置から当該既存のラベルデータを取得する構成が用いられてもよい。この場合、当該既存のラベルデータは、例えば、外部ファイルに記憶されていてもよい。また、当該他の装置は、例えば、外部のサーバーであってもよい。
本実施形態では、ホスト装置11では、ラベルデータの生成において、UI(User Interface)の画面が使用されない。
【0033】
なお、
図1の例では、ホスト装置11が解析処理部113を備える構成例を示したが、他の例として、ホスト装置11が解析処理部113の機能を備えずに、外部の装置によって解析処理部113の機能を実現する構成が用いられてもよい。
また、
図1の例では、ホスト装置11がイメージ変換部114を備える構成例を示したが、他の例として、ホスト装置11がイメージ変換部114の機能を備えずに、外部の装置によってイメージ変換部114の機能を実現する構成が用いられてもよい。
また、例えば、イメージ変換部114によるイメージ変換の処理は行われなくてもよく、この場合、ホスト装置11はイメージ変換部114の機能を備えなくてもよい。
【0034】
<サーマルプリンタ>
図2は、実施形態に係る印刷システムのサーマルプリンタ12の機能構成の一例を示す図である。
図2には、サーマルプリンタ12の機能ブロックB1の一例を示してある。
サーマルプリンタ12は、データ記憶部211と、センサ検出部212と、データ計算処理部213と、プリンタ制御部214と、を備える。
【0035】
ここで、本実施形態では、サーマルプリンタ12は、CPUなどのプロセッサーと、ROMおよびRAMなどのメモリーと、を備える。
サーマルプリンタ12では、当該プロセッサーによって所定のプログラムを実行することで、センサ検出部212、データ計算処理部213、および、プリンタ制御部214の処理を実行する。なお、当該プログラムは、当該メモリーに記憶されてもよい。
また、サーマルプリンタ12では、当該メモリーにより、データ記憶部211が構成されている。
【0036】
データ記憶部211は、所定のデータを記憶する。
データ記憶部211は、当該データをデータ計算処理部213に出力する。
本実施形態では、当該データは、例えば、印字に利用されるパラメーターなどのデータであるが、必ずしもこのようなデータが用いられなくてもよい。
【0037】
センサ検出部212は、プリンタ内部のセンサによる検出値を取得し、取得した検出値をデータ計算処理部213に出力する。
当該センサとしては、例えば、用紙の有無を検出するセンサなどである。
【0038】
データ計算処理部213は、ホスト装置11から印字データを入力する。
データ計算処理部213は、ホスト装置11からの印字データと、データ記憶部211からのデータと、センサ検出部212からの検出値に基づいて、所定の計算処理を行って、当該印字データを印刷するための印刷制御信号を取得する。
データ計算処理部213は、取得した印刷制御信号をプリンタ制御部214に出力する。
【0039】
プリンタ制御部214は、データ計算処理部213から入力された印刷制御信号に基づいて、サーマルヘッド(図示を省略)およびステッピングモータ(図示を省略)を制御する。
本実施形態では、プリンタ制御部214は、サーマルヘッドに、サーマルヘッド印字制御信号を出力する。また、プリンタ制御部214は、ステッピングモータに、ステッピングモータ駆動制御信号を出力する。
【0040】
<ラベル情報テーブル>
図3は、実施形態に係るラベル情報テーブル2011の一例を示す図である。
ラベル情報テーブル2011は、ラベルデータに関する情報(ラベル情報)と、ラベルデータの構成要素情報と、を対応付けて格納する。
ここで、ラベル情報としては、例えば、ラベルIDが用いられてもよい。
また、構成要素情報としては、例えば、ラベルデータに含まれるオブジェクトの情報が用いられてもよい。
【0041】
図3の例では、ラベル情報テーブル2011において、ラベルα1に5個の構成要素β1~β5が含まれていることが格納されている。また、さらに、それぞれの構成要素β1~β5の情報が格納されていてもよい。
同様に、
図3の例では、ラベル情報テーブル2011において、ラベルα2に5個の構成要素β11~β15が含まれていること、および、ラベルα3に3個の構成要素β21~β23が含まれていることが格納されている。
【0042】
ここで、ホスト装置11では、例えば、解析処理部113によって解析処理が行われた結果をラベル情報テーブル2011によって管理してもよい。
なお、このようなラベル情報テーブル2011は、必ずしも使用されなくてもよい。例えば、ラベル情報テーブル2011を用いずに、ユーザーがラベルを印刷する度に、ハードディスク等に事前保存されたラベルデータのファイルを指定することで、当該ファイルのデータをベースにして新たなラベルデータが生成されて印刷される、という構成であってもよい。この場合、上記のラベル情報テーブル2011のラベルα1、α2、α3、・・・の代わりに、例えば、ラベル(1)ファイル、ラベル(2)ファイル、ラベル(3)ファイル、・・・といった1以上のファイルがホスト装置11のハードディスク等の記憶領域に保存され、ユーザーがその中の1つのファイルを指定することで、そのファイルに対する再レイアウト等が実行されて新しいラベルが生成される。
【0043】
[既存のラベルデータから新たなラベルデータを生成する例]
図4~
図13を参照して、既存のラベルデータから新たなラベルデータを生成する例を説明する。
図4~
図13には、それぞれ、説明の便宜上、二次元直交座標系であるXY直交座標系を示してある。
本実施形態では、用紙の所定の角(図示では、左上の角)に座標の原点が設定されており、一方向(図示では、右方向)にX軸が設定され、それと直交する他の方向(図示では、下方向)にY軸が設定されている。
また、
図4~
図13の例では、説明の便宜上、オブジェクトの内容を囲う仮想的な枠(四角の枠)を示すが、当該枠は実際には表示されない。
【0044】
<既存のラベルデータの一例>
図4は、実施形態に係る既存ラベルデータP1の一例を示す図である。
ここで、
図4の例では、既存ラベルデータP1のサイズは、縦54mm×横101mmである。
既存ラベルデータP1は、用紙の領域(用紙領域R1)の内側に設定された印刷領域R1sに、5個のオブジェクトC1~C5を所定の位置に配置する情報を含む。
【0045】
図4の例では、オブジェクトC1は、絵柄(画像)のオブジェクトであり、印刷領域R1sの左上の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC2は、文字(数字を含む)のオブジェクトであり、印刷領域R1sの右上の端から所定距離離隔した位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC3は、二次元コードのオブジェクトであり、印刷領域R1sの右下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC4は、文字(下線を含む)のオブジェクトであり、印刷領域R1sの左下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC5は、文字のオブジェクトであり、印刷領域R1sの中央の位置に配置されることが設定されている。
【0046】
ここで、本実施形態では、それぞれのオブジェクトC1~C5は、イメージとして扱われている。
【0047】
<新ラベルデータの例>
図5~
図9を参照して、既存ラベルデータP1に基づいて生成される新ラベルデータの例を示す。
【0048】
ラベル生成部116は、既存ラベルデータP1に含まれる5個のオブジェクトC1~C5のそれぞれについて、位置とサイズの調整を行って配置することで、全体として、新ラベルデータを生成する。
ここで、調整処理では、それぞれのオブジェクトC1~C5について、位置とサイズのうちの一方の変更が行われてもよく、または、これら両方の変更が行われてもよく、あるいは、このような変更が行われなくてもよい。
【0049】
図5は、実施形態に係る新ラベルデータQ1の一例を示す図である。
ここで、新ラベルデータQ1の用紙のサイズは、既存ラベルデータP1の用紙のサイズとは異なり、ラベル印字指令によって指定される。
図5の例では、新ラベルデータQ1のサイズは、縦57mm×横160mmである。
【0050】
図5の例に係る調整結果を説明する。
新ラベルデータQ1は、用紙の領域(用紙領域R11)の内側に設定された印刷領域R11sに、5個のオブジェクトC1a~C5aを所定の位置に配置する情報を含む。
ここで、それぞれのオブジェクトC1a~C5aは、既存ラベルデータP1におけるそれぞれのオブジェクトC1~C5に対応する。
【0051】
図5の例では、オブジェクトC1aは、印刷領域R11sの左上の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC2aは、印刷領域R11sの右上の端から所定距離離隔した位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC3aは、印刷領域R11sの右下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC4aは、印刷領域R11sの左下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC5aは、印刷領域R11sの中央の位置に配置されることが設定されている。
【0052】
図6は、実施形態に係る新ラベルデータQ2の一例を示す図である。
ここで、新ラベルデータQ2の用紙のサイズは、既存ラベルデータP1の用紙のサイズとは異なり、ラベル印字指令によって指定される。
図6の例では、新ラベルデータQ2のサイズは、縦36mm×横67mmである。
【0053】
図6の例に係る調整結果を説明する。
新ラベルデータQ2は、用紙の領域(用紙領域R12)の内側に設定された印刷領域R12sに、5個のオブジェクトC1b~C5bを所定の位置に配置する情報を含む。
ここで、それぞれのオブジェクトC1b~C5bは、既存ラベルデータP1におけるそれぞれのオブジェクトC1~C5に対応する。
【0054】
図6の例では、オブジェクトC1bは、印刷領域R12sの左上の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC2bは、印刷領域R12sの右上の端から所定距離離隔した位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC3bは、印刷領域R12sの右下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC4bは、印刷領域R12sの左下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC5bは、印刷領域R12sの中央の位置に配置されることが設定されている。
【0055】
図7は、実施形態に係る新ラベルデータQ3の一例を示す図である。
ここで、新ラベルデータQ3の用紙のサイズは、既存ラベルデータP1の用紙のサイズとは異なり、ラベル印字指令によって指定される。
図7の例では、新ラベルデータQ3のサイズは、縦54mm×横70mmである。
【0056】
図7の例に係る調整結果を説明する。
新ラベルデータQ3は、用紙の領域(用紙領域R13)の内側に設定された印刷領域R13sに、5個のオブジェクトC1c~C5cを所定の位置に配置する情報を含む。
ここで、それぞれのオブジェクトC1c~C5cは、既存ラベルデータP1におけるそれぞれのオブジェクトC1~C5に対応する。
【0057】
図7の例では、オブジェクトC1cは、印刷領域R13sの左上の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC2cは、印刷領域R13sの右上の端から所定距離離隔した位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC3cは、印刷領域R13sの右下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC4cは、印刷領域R13sの左下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC5cは、印刷領域R13sの中央の位置に配置されることが設定されている。
【0058】
図8は、実施形態に係る新ラベルデータQ4の一例を示す図である。
ここで、新ラベルデータQ4の用紙のサイズは、既存ラベルデータP1の用紙のサイズとは異なり、ラベル印字指令によって指定される。
図8の例では、新ラベルデータQ4のサイズは、縦101mm×横54mmである。
【0059】
図8の例に係る調整結果を説明する。
新ラベルデータQ4は、用紙の領域(用紙領域R14)の内側に設定された印刷領域R14sに、5個のオブジェクトC1d~C5dを所定の位置に配置する情報を含む。
ここで、それぞれのオブジェクトC1d~C5dは、既存ラベルデータP1におけるそれぞれのオブジェクトC1~C5に対応する。
【0060】
図8の例では、オブジェクトC1dは、印刷領域R14sの左上の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC2dは、印刷領域R14sの右上の端から所定距離離隔した位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC3dは、印刷領域R14sの右下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC4dは、印刷領域R14sの左下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC5dは、印刷領域R14sの中央の位置に配置されることが設定されている。
【0061】
図4~
図8の例のように、ホスト装置11では、例えば、1つの既存ラベルデータに基づいて、複数の異なる用紙サイズのラベルデータを自動レイアウトで生成することができる。
ここで、
図4~
図8の例では、オブジェクトのサイズを維持したまま、オブジェクトのレイアウト(位置)を調整する場合を示した。
また、
図4~
図8の例では、複数のオブジェクトの重なりについては考慮しない場合を示した。
【0062】
オブジェクトの配置位置を調整する手法としては、例えば、「左上に配置する」、「左下に配置する」、「右上に配置する」、「右下に配置する」、「左右について左寄せにする」、「左右について右寄せにする」、「上下について上寄せにする」、「上下について下寄せにする」、「左右の中央に配置する」、「上下の中央に配置する」、「上下左右の中央に配置する」、「所定位置を基準として所定の離隔位置に配置する」などの規則にしたがう手法が用いられてもよい。
当該規則として、例えば、既存のラベルデータの規則と同じ規則を新たなラベルデータに適用する手法が用いられてもよい。
【0063】
また、所定位置を基準として所定の離隔位置に配置する手法としては、例えば、既存のラベルデータにおける全体サイズ(例えば、印刷領域)に対する離隔位置の比(%)と、新たなラベルデータにおける全体サイズ(例えば、印刷領域)に対する離隔位置の比(%)と、を同じにする手法が用いられてもよい。
【0064】
また、オブジェクトの配置位置を調整する手法としては、例えば、既存のラベルデータにおける座標(位置情報)に基づいて、新たなラベルデータにおける座標(位置情報)を調整する手法が用いられてもよい。
【0065】
図9は、実施形態に係る新ラベルデータQ5の一例を示す図である。
ここで、新ラベルデータQ5の用紙のサイズは、既存ラベルデータP1の用紙のサイズとは異なり、ラベル印字指令によって指定される。
図9の例では、新ラベルデータQ5のサイズは、縦57mm×横150mmである。
【0066】
図9の例に係る調整結果を説明する。
新ラベルデータQ5は、用紙の領域(用紙領域R15)の内側に設定された印刷領域R15sに、5個のオブジェクトC1e~C5eを所定の位置に配置する情報を含む。
ここで、それぞれのオブジェクトC1e~C5eは、既存ラベルデータP1におけるそれぞれのオブジェクトC1~C5に対応する。
【0067】
図9の例では、オブジェクトC1eは、印刷領域R15sの左上の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC2eは、印刷領域R15sの右上の端から所定距離離隔した位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC3eは、印刷領域R15sの右下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC4eは、印刷領域R15sの左下の端の位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトC5eは、印刷領域R15sの中央の位置に配置されることが設定されている。
【0068】
図4および
図9の例のように、ホスト装置11では、例えば、既存ラベルデータに基づいて新たなラベルデータを生成する際に、新たなラベルのサイズに合わせて、オブジェクトのサイズを自動的に調整することができる。
【0069】
例えば、ホスト装置11では、既存ラベルデータの縦方向のラベルサイズに対する新たなラベルデータの縦方向のラベルサイズの比が所定値以上である場合に、縦方向についてオブジェクトのサイズの調整を行ってもよい。
また、例えば、ホスト装置11では、既存ラベルデータの横方向のラベルサイズに対する新たなラベルデータの横方向のラベルサイズの比が所定値以上である場合に、横方向についてオブジェクトのサイズの調整を行ってもよい。
また、例えば、ホスト装置11では、既存ラベルデータのラベル面積に対する新たなラベルデータのラベル面積の比が所定値以上である場合に、縦方向と横方向との一方または両方についてオブジェクトのサイズの調整を行ってもよい。
【0070】
ここで、ラベルに含まれる1以上のオブジェクトのサイズを調整する場合、例えば、すべてのオブジェクトについて同じ比率でサイズを変更してもよく、あるいは、それぞれ異なり得る比率でサイズを変更してもよい。
オブジェクトのサイズを変更する手法としては、例えば、縦横比を維持したままサイズを変更する手法が用いられてもよく、あるいは、縦横比を変えてサイズを変更する手法が用いられてもよい。
【0071】
なお、例えば、ホスト装置11により新たなラベルデータを生成する際にオブジェクトのサイズを調整するか否かをユーザーにより選択的に指定することが可能な構成が用いられてもよい。このような指定は、例えば、ラベル印字指令に含まれてもよい。
【0072】
<既存のラベルデータの他の例>
図10は、実施形態に係る既存ラベルデータP2の一例を示す図である。
ここで、
図10の例では、既存ラベルデータP2のサイズは、縦36mm×横89mmである。
既存ラベルデータP2は、用紙の領域(用紙領域R2)の内側に設定された印刷領域R2sに、3個のオブジェクトD1~D3を所定の位置に配置する情報を含む。
【0073】
図10の例では、オブジェクトD1は、絵柄(画像)のオブジェクトであり、印刷領域R2sの所定位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトD2は、文字のオブジェクトであり、印刷領域R2sの所定位置に配置されることが設定されている。
オブジェクトD3は、二次元コードのオブジェクトであり、印刷領域R2sの所定位置に配置されることが設定されている。
【0074】
ここで、本実施形態では、それぞれのオブジェクトD1~D3は、イメージとして扱われている。
【0075】
<重なりラベルデータ>
図11は、実施形態に係る重なりラベルデータQ111の一例を示す図である。
ここで、重なりラベルデータQ111の用紙のサイズは、既存ラベルデータP2の用紙のサイズとは異なり、ラベル印字指令によって指定される。
図11の例では、重なりラベルデータQ111のサイズは、縦54mm×横70mmである。
【0076】
図11の例に係る調整結果を説明する。
重なりラベルデータQ111は、用紙の領域(用紙領域R111)の内側に設定された印刷領域R111sに、3個のオブジェクトD1z~D3zを所定の位置に配置する情報を含む。
ここで、それぞれのオブジェクトD1z~D3zは、既存ラベルデータP2におけるそれぞれのオブジェクトD1~D3に対応する。
【0077】
図11の例では、オブジェクトD1zは、印刷領域R111sの所定位置に配置されることが設定されている。当該所定位置は、例えば、既存ラベルデータP2における所定位置に対して、用紙のサイズの比率の変化に応じて相対的に上下左右に比率を変化させた位置である。
オブジェクトD2zは、印刷領域R111sの所定位置に配置されることが設定されている。当該所定位置は、例えば、既存ラベルデータP2における所定位置に対して、用紙のサイズの比率の変化に応じて相対的に上下左右に比率を変化させた位置である。
オブジェクトD3zは、印刷領域R111sの所定位置に配置されることが設定されている。当該所定位置は、例えば、既存ラベルデータP2における所定位置に対して、用紙のサイズの比率の変化に応じて相対的に上下左右に比率を変化させた位置である。
【0078】
ここで、
図11の例では、それぞれのオブジェクトD1z~D3zのサイズは、既存ラベルデータP2におけるそれぞれのオブジェクトD1~D3のサイズと同じになっている。
そして、
図11の例では、オブジェクトD3zがオブジェクトD1zと重なっている。
そこで、本実施形態では、ラベル生成部116は、これらのオブジェクトが重ならないように調整を行う。
【0079】
<新ラベルデータの例>
図12~
図13を参照して、既存ラベルデータP2に基づいて生成される新ラベルデータの例を示す。
【0080】
ラベル生成部116は、既存ラベルデータP2に含まれる3個のオブジェクトD1~D3のそれぞれについて、位置とサイズの調整を行って配置することで、全体として、新ラベルデータを生成する。
ここで、調整処理では、それぞれのオブジェクトD1~D3について、位置とサイズのうちの一方の変更が行われてもよく、または、これら両方の変更が行われてもよく、あるいは、このような変更が行われなくてもよい。
【0081】
図12は、実施形態に係る新ラベルデータQ11の一例を示す図である。
ここで、新ラベルデータQ11の用紙のサイズは、既存ラベルデータP2の用紙のサイズとは異なり、ラベル印字指令によって指定される。
図12の例では、新ラベルデータQ11のサイズは、縦54mm×横70mmである。
【0082】
図12の例に係る調整結果を説明する。
新ラベルデータQ11は、用紙の領域(用紙領域R21)の内側に設定された印刷領域R21sに、3個のオブジェクトD1a~D3aを所定の位置に配置する情報を含む。
ここで、それぞれのオブジェクトD1a~D3aは、既存ラベルデータP2におけるそれぞれのオブジェクトD1~D3に対応する。
【0083】
図12の例では、オブジェクトD1aは、印刷領域R21sの所定位置に配置されることが設定されている。当該所定位置は、例えば、既存ラベルデータP2における所定位置に対して、用紙のサイズの比率の変化に応じて相対的に上下左右に比率を変化させた位置である。
オブジェクトD2aは、印刷領域R21sの所定位置に配置されることが設定されている。当該所定位置は、例えば、既存ラベルデータP2における所定位置に対して、用紙のサイズの比率の変化に応じて相対的に上下左右に比率を変化させた位置である。
オブジェクトD3aは、印刷領域R21sの所定位置に配置されることが設定されている。当該所定位置は、例えば、既存ラベルデータP2における所定位置に対して、用紙のサイズの比率の変化に応じて相対的に上下左右に比率を変化させた位置である。また、オブジェクトD3aのサイズは、既存ラベルデータP2におけるサイズと比べて、縮小されている。
【0084】
図12の例では、
図11の例において重なったオブジェクト(
図11の例では、オブジェクトD3z)についてのみリサイズ(
図12の例では、縮小)することで、オブジェクト同士の重なりを解消している。
なお、
図12の例では、オブジェクトのサイズを調整する場合を示したが、オブジェクトのサイズとともに、または、オブジェクトのサイズに代えて、オブジェクトの位置を調整する態様が用いられてもよい。
【0085】
図13は、実施形態に係る新ラベルデータQ12の一例を示す図である。
ここで、新ラベルデータQ12の用紙のサイズは、既存ラベルデータP2の用紙のサイズとは異なり、ラベル印字指令によって指定される。
図13の例では、新ラベルデータQ12のサイズは、縦54mm×横70mmである。
【0086】
図13の例に係る調整結果を説明する。
新ラベルデータQ12は、用紙の領域(用紙領域R22)の内側に設定された印刷領域R22sに、3個のオブジェクトD1b~D3bを所定の位置に配置する情報を含む。
ここで、それぞれのオブジェクトD1b~D3bは、既存ラベルデータP2におけるそれぞれのオブジェクトD1~D3に対応する。
【0087】
図13の例では、オブジェクトD1bは、印刷領域R22sの所定位置に配置されることが設定されている。当該所定位置は、例えば、既存ラベルデータP2における所定位置に対して、用紙のサイズの比率の変化に応じて相対的に上下左右に比率を変化させた位置である。
オブジェクトD2bは、印刷領域R22sの所定位置に配置されることが設定されている。当該所定位置は、例えば、既存ラベルデータP2における所定位置に対して、用紙のサイズの比率の変化に応じて相対的に上下左右に比率を変化させた位置である。また、オブジェクトD2bのサイズは、既存ラベルデータP2におけるサイズと比べて、縮小されている。
オブジェクトD3bは、印刷領域R22sの所定位置に配置されることが設定されている。当該所定位置は、例えば、既存ラベルデータP2における所定位置に対して、用紙のサイズの比率の変化に応じて相対的に上下左右に比率を変化させた位置である。また、オブジェクトD3bのサイズは、既存ラベルデータP2におけるサイズと比べて、縮小されている。
【0088】
図13の例では、
図11の例において重なったオブジェクト(
図11の例では、オブジェクトD3z)とともに、他のオブジェクト(
図11の例では、オブジェクトD2b)について、リサイズ(
図13の例では、縮小)することで、オブジェクト同士の重なりを解消している。
なお、
図13の例では、オブジェクトのサイズを調整する場合を示したが、オブジェクトのサイズとともに、または、オブジェクトのサイズに代えて、オブジェクトの位置を調整する態様が用いられてもよい。
【0089】
図12および
図13の例のように、ホスト装置11では、例えば、既存ラベルデータに基づいて新たなラベルデータを生成する際に、2以上のオブジェクトの重なりを回避するように、オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を自動的に調整することができる。
ここで、オブジェクトの位置とサイズとの少なくとも一方を調整する手法としては、例えば、他のオブジェクトと重なるオブジェクトのみについて調整を行う手法が用いられてもよく、あるいは、ラベルに含まれるすべてのオブジェクトについて調整を行う手法が用いられてもよい。
【0090】
ホスト装置11では、例えば、ラベルに含まれる各オブジェクトの位置およびサイズの情報に基づいて、2以上のオブジェクトが重なるか否かを判定することができる。
【0091】
また、ラベルに含まれる1以上のオブジェクトのサイズを調整する場合、例えば、すべてのオブジェクトについて同じ比率でサイズを変更してもよく、あるいは、それぞれ異なり得る比率でサイズを変更してもよい。
【0092】
なお、例えば、ホスト装置11により新たなラベルデータを生成する際にオブジェクトの重なりを無くすように調整するか否かをユーザーにより選択的に指定することが可能な構成が用いられてもよい。このような指定は、例えば、ラベル印字指令に含まれてもよい。
ホスト装置11では、オブジェクトの重なりを無くす処理を実行しない設定がユーザーにより行われた場合には、例えば、
図10に示される既存ラベルデータP2に基づいて、
図11に示される重なりラベルデータQ111を新たなラベルデータとして生成してもよい。
【0093】
ホスト装置11では、例えば、文字の縦横比を不変にするという規則が用いられてもよい。
ホスト装置11では、例えば、二次元コードの縦横比を不変にするという規則が用いられてもよい。
【0094】
図14は、実施形態に係るホスト装置11において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【0095】
(ステップS1)
ホスト装置11では、解析処理部113は、既存のラベルデータから、ラベルの構成要素情報(オブジェクト情報)を取得する。
そして、ステップS2の処理へ移行する。
【0096】
(ステップS2)
ホスト装置11では、イメージ変換部114は、ラベルの構成要素(オブジェクト)ごとにイメージに変換する。
そして、ステップS3の処理へ移行する。
【0097】
(ステップS3)
ホスト装置11では、ラベル生成部116は、指令処理部111によるラベル印字指令の入力があったか否かを判定する。
この判定の結果、ラベル生成部116は、指令処理部111によるラベル印字指令の入力があったと判定した場合(ステップS3:YES)、ステップS4の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、ラベル生成部116は、指令処理部111によるラベル印字指令の入力がないと判定した場合(ステップS3:NO)、ステップS3の処理を繰り返して行う。
【0098】
(ステップS4)
ホスト装置11では、ラベル生成部116は、指令処理部111によるラベル印字指令に基づいて、ラベル用紙サイズの変更があるか否かを判定する。
この判定の結果、ラベル生成部116は、ラベル用紙サイズの変更があると判定した場合(ステップS4:YES)、ステップS7の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、ラベル生成部116は、ラベル用紙サイズの変更がないと判定した場合(ステップS4:NO)、ステップS5の処理へ移行する。
【0099】
ここで、ステップS4の処理からステップS5の処理へ移行する場合には、既存のラベルデータと新ラベルデータとで用紙のサイズが同じであるため、ラベル生成部116は、例えば、既存のラベルデータと同じラベルデータを新ラベルデータとして生成する。
【0100】
(ステップS5)
ホスト装置11では、ラベル生成部116は、ラベルデータを生成する。
そして、ステップS6の処理へ移行する。
【0101】
(ステップS6)
ホスト装置11では、印刷部117は、生成されたラベルデータの印刷を行う。
そして、本フローの処理が終了する。
【0102】
(ステップS7)
ホスト装置11では、ラベル生成部116は、指定ラベルサイズ(新ラベルデータの用紙のサイズ)に合わせて、各オブジェクトの再レイアウト(例えば、位置)の計算処理を行う。
そして、ステップS8の処理へ移行する。
【0103】
(ステップS8)
ホスト装置11では、ラベル生成部116は、印字内容のサイズ最適化指令があるか否かを判定する。
この判定の結果、ラベル生成部116は、印字内容のサイズ最適化指令があると判定した場合(ステップS8:YES)、ステップS9の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、ラベル生成部116は、印字内容のサイズ最適化指令がないと判定した場合(ステップS8:NO)、ステップS5の処理へ移行する。
【0104】
ここで、本フローの例では、ユーザーによって、印字内容のサイズ最適化指令の有無を設定することが可能である。
印字内容のサイズ最適化指令は、例えば、ラベル印字指令に含まれていてもよく、あるいは、ホスト装置11に設定されていてもよい。
【0105】
(ステップS9)
ホスト装置11では、ラベル生成部116は、ラベル構成要素(オブジェクト)のイメージをリサイズする処理を行う。
そして、ステップS5の処理へ移行する。
【0106】
ここで、ステップS1の処理およびステップS2の処理は、例えば、ステップS3以降の処理が行われるよりも事前に(不連続なタイミングで)行われていてもよく、あるいは、ステップS3以降の処理が行われるときにステップS1の処理から
図14に示される一連の処理が(連続的なタイミングで)行われてもよい。
【0107】
以上のように、本実施形態に係る印刷システム1では、ホスト装置11は、サーマルプリンタ12によって行われるラベル印刷を制御するに際して、既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、新たなラベルにおけるオブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、新たなラベルを生成する。
したがって、本実施形態に係る印刷システム1では、ホスト装置11において、既存のラベルデータに基づいて新たなラベルデータを生成する際に、ユーザーの作業負荷なく、オブジェクトの配置の調整を行うことができる。
【0108】
このように、本実施形態に係るホスト装置11では、既存ラベルと新ラベルとで縦方向と横方向との少なくとも一方のサイズが異なる場合に、ラベルサイズを変更するにあたって、印字レイアウト(印字の位置)と印字サイズとの一方または両方を自動的に調整すること(例えば、最適に調整すること)ができる。
【0109】
本実施形態では、例えば、既存ラベルに対して新ラベルにおける全体的な見た目を同じ(または、似たもの)にすることが可能である。
一例として、既存ラベルにおける2以上のオブジェクトの相対位置に対して新ラベルにおける2以上のオブジェクトの相対位置を同じ(または、似たもの)とすることで、全体的な見た目を同じ(または、似たもの)とすることが可能である。
このように、ホスト装置11では、既存ラベルデータに含まれる2以上のオブジェクトの相対位置に基づいて、新たなラベルにおける2以上のオブジェクトの相対位置を調整することが可能である。
【0110】
本実施形態に係るホスト装置11では、プログラムにより自動的に、既存のラベルデータから、ラベルを構成するオブジェクトの情報を抽出し、当該情報に基づいて新たなラベルデータを生成する。
【0111】
ホスト装置11では、例えば、抽出したオブジェクトの位置情報に基づいて、印刷領域(印字領域)の内部におけるオブジェクトの相対位置を算出し、その算出結果に基づいて、指定された新ラベル用紙に合わせて、新レイアウト(位置)を計算してオブジェクトを配置することができる。
このように、ホスト装置11では、既存ラベルの構成内容を新たに指定された用紙に合わせて自動的に再レイアウトすることができる。
【0112】
ホスト装置11では、例えば、抽出した印刷領域(印字領域)と各オブジェクトのサイズ情報に基づいて、指定された新ラベル用紙の印刷領域の内部における最適な印字サイズを算出してオブジェクトを配置することができる。
このように、ホスト装置11では、既存ラベルの構成内容を新たに指定された用紙に合わせて自動的にリサイズすることができる。
【0113】
ホスト装置11では、例えば、抽出した各オブジェクトの位置情報とサイズ情報に基づいて、新ラベル用紙の印刷領域において各オブジェクトが重ならない位置を算出し、オブジェクトのリサイズを行って、オブジェクトを配置することができる。
このように、ホスト装置11では、既存ラベルから新ラベルを生成する際に、ラベル内容のオブジェクトが一部重なる場合に、重なるオブジェクトの位置またはサイズを自動的に調整して、2以上のオブジェクトの重なりを回避することができる。
この場合、ホスト装置11では、例えば、他のオブジェクトに重なるオブジェクトのみについて配置の調整を行ってもよく、あるいは、すべてのオブジェクトについて配置の調整を行ってもよい。
【0114】
ホスト装置11では、例えば、既存ラベルデータのラベルのサイズと新たなラベルのサイズとに関する所定値(例えば、縦方向のラベルサイズ、横方向のラベルサイズ、または、面積など)の比に基づいて、新たなラベルにおける1以上のオブジェクトのサイズを調整することができる。
【0115】
ホスト装置11では、例えば、オブジェクトが二次元コードである場合、既存ラベルデータでの縦横比と新たなラベルでの縦横比とを同じにすることができる。
これにより、例えば、新たなラベルにおいても、二次元コードの読み取りを容易に可能とすることができる。
【0116】
本実施形態に係るホスト装置11では、例えば、ユーザーが専用ラベル生成ツールを利用しなくとも、既存ラベルデータからラベルの内容(例えば、文字、画像、一次元コード、二次元コードなど)を抽出し、新たなラベルを生成することが可能である。
このように、本実施形態では、ユーザーにとって専用ラベル作成ツールの操作が不要であり、既存ラベルデータを有効に活用することができ、自動的に、新たなラベルにおけるオブジェクトの配置を複数のサイズの用紙に合わせることができる。これにより、本実施形態では、既存のラベルデータを有効活用することができ、ユーザーによって指定される用紙などに合わせて、オブジェクトの位置およびサイズの最適化を自動的に行うことができる。
【0117】
ここで、本実施形態に係る印刷システム1は、サーマルヘッドで印字するラベル発行装置(例えば、サーマルプリンタ12)の印刷制御に関する。当該ラベル発行装置では、例えば、チケットの発券などが行われてもよい。
この種のラベル発行装置では、小型で簡素な構成が要求される。このため、このようなラベル発行装置は、コピー機、複合機、あるいは、家庭用プリンタなどであり、複雑な印刷制御を実現するための回路部品等を搭載する余裕がなかった。
また、印字対象は、例えば、ロール状の台紙上に等間隔に配置された紙幅が2インチないし3インチの感熱ラベル、または、表面に剥離層が塗布された感熱ラベルが直接巻回された台紙無しラベルであるが、ラベルの種類およびユーザーの要望によって、感熱ラベルの長さ(巻回方向の長さ)および紙幅が異なるため、それに応じた適切な印刷態様の調整機能が要求されていた。
これに対して、本実施形態では、このような問題を解消することができる。
【0118】
ここで、本実施形態では、ホスト装置11において、既存ラベルデータに含まれるオブジェクトの内容(ここでは、位置およびサイズを除く)をそのまま新ラベルデータで使用する場合を示したが、他の例として、既存ラベルデータに含まれるオブジェクトの内容を他の内容に差し替えて新ラベルデータを生成することが行われてもよい。これにより、本実施形態に係るホスト装置11では、例えば、ユーザーが専用ラベル生成ツールを利用しなくとも、既存ラベルデータに含まれるオブジェクトの内容(例えば、文字、画像、一次元コード、二次元コードなど)を他の内容に差し替えて新ラベルデータを生成することができる。
具体例として、「No.123」という文字を「No.456」に差し替えることなどが可能である。このような差し替えの指示は、例えば、ラベル印字指令に含まれてもよい。
【0119】
なお、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)であってもよい。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0120】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0121】
また、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0122】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0123】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0124】
[付記]
(構成例1)~(構成例13)を示す。
【0125】
(構成例1)
サーマルヘッドを有する携帯型端末と、前記携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御するホスト装置と、を有する印刷システムにおいて、
前記ホスト装置は、
既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成するラベル生成部を備える、
印刷システム。
【0126】
(構成例2)
前記ホスト装置は、さらに、
前記既存ラベルデータに含まれる前記オブジェクトの情報を抽出する抽出部を備える、
(構成例1)に記載の印刷システム。
【0127】
(構成例3)
前記ホスト装置は、さらに、
前記オブジェクトの情報をイメージへ変換するイメージ変換部を備え、
前記ラベル生成部は、前記イメージ変換部により変換された前記イメージを用いて、前記新たなラベルを生成する、
(構成例1)または(構成例2)に記載の印刷システム。
【0128】
(構成例4)
前記ホスト装置は、さらに、
前記新たなラベルのサイズを含む指令を入力する指令処理部を備える、
(構成例1)から(構成例3)のいずれか1項に記載の印刷システム。
【0129】
(構成例5)
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、前記既存ラベルデータに含まれる2以上の前記オブジェクトの相対位置に基づいて、前記新たなラベルにおける2以上の前記オブジェクトの相対位置を調整する、
(構成例1)から(構成例4)のいずれか1項に記載の印刷システム。
【0130】
(構成例6)
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、前記既存ラベルデータのラベルのサイズと前記新たなラベルのサイズとに関する所定値の比に基づいて、前記新たなラベルにおける1以上の前記オブジェクトのサイズを調整する、
(構成例1)から(構成例5)のいずれか1項に記載の印刷システム。
【0131】
(構成例7)
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、前記新たなラベルにおける1以上の前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、2以上の前記オブジェクトが重ならない前記新たなラベルを生成する、
(構成例1)から(構成例6)のいずれか1項に記載の印刷システム。
【0132】
(構成例8)
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、2以上の重なる前記オブジェクトのうちの1以上の前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整することで、これら2以上の前記オブジェクトの重なりを回避する、
(構成例7)に記載の印刷システム。
【0133】
(構成例9)
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、前記新たなラベルにおけるすべての前記オブジェクトについて、位置とサイズとの一方または両方を調整する、
(構成例7)に記載の印刷システム。
【0134】
(構成例10)
前記ホスト装置の前記ラベル生成部は、前記オブジェクトが二次元コードである場合、前記既存ラベルデータでの縦横比と前記新たなラベルでの縦横比とを同じにする、
(構成例1)から(構成例9)のいずれか1項に記載の印刷システム。
【0135】
本開示では、以上と同様な機能を有するホスト装置を提供することも可能である。
(構成例11)
サーマルヘッドを有する携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御するホスト装置であって、
既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成するラベル生成部を備える、
ホスト装置。
【0136】
本開示では、以上と同様な制御を行う印刷制御方法を提供することも可能である。
(構成例12)
サーマルヘッドを有する携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御する印刷制御方法であって、
既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報、および、新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成する、
印刷制御方法。
【0137】
本開示では、以上と同様な機能をコンピューターに実現させるプログラムを提供することも可能である。
(構成例13)
サーマルヘッドを有する携帯型端末によって行われるラベル印刷を制御するコンピューターに、
既存ラベルデータに含まれるオブジェクトに関する情報を取得する機能と、
新たなラベルのサイズを取得する機能と、
取得した前記オブジェクトに関する情報、および、取得した前記新たなラベルのサイズに基づいて、前記新たなラベルにおける前記オブジェクトの位置とサイズとの一方または両方を調整して、前記新たなラベルを生成する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0138】
1…印刷システム、11…ホスト装置、12…サーマルプリンタ、111…指令処理部、112…既存ラベルデータ記憶部、113…解析処理部、114…イメージ変換部、115…プリンタコマンド取得部、116…ラベル生成部、117…印刷部、211…データ記憶部、212…センサ検出部、213…データ計算処理部、214…プリンタ制御部、2011…ラベル情報テーブル、A1、B1…機能ブロック、C1~C5、C1a~C5a、C1b~C5b、C1c~C5c、C1d~C5d、C1e~C5e、D1~D3、D1a~D3a、D1b~D3b、D1z~D3z…オブジェクト、P1~P2…既存ラベルデータ、Q1~Q5、Q11~Q12、Q111…新ラベルデータ、R1、R2、R11~R15、R21~R22、R111…用紙領域、R1s、R2s、R11s~R15s、R21s~R22s、R111s…印刷領域