(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007769
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】動物飼育用建築物、動物用通路及び動物用通路設置方法
(51)【国際特許分類】
A01K 1/035 20060101AFI20240112BHJP
A01K 1/02 20060101ALI20240112BHJP
E04H 1/02 20060101ALI20240112BHJP
A01K 15/02 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A01K1/035 B
A01K1/02 Z
E04H1/02
A01K15/02 D
A01K15/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109077
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】510057006
【氏名又は名称】松田 典仁
(74)【代理人】
【識別番号】100180921
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】廣田 左希子
【テーマコード(参考)】
2B101
2E025
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101BB08
2E025AA01
2E025AA13
(57)【要約】
【課題】 本発明は、外部からの視線を遮りつつも、猫が日光浴できる空間を備える動物飼育用建築物等を提供することを目的とする。
【解決手段】 屋内の窓付近に動物の通路となる動物用通路を備える動物飼育用建築物であって、前記動物用通路は、前記動物の通路となる通路部と、前記通路部よりも下部に、前記窓の外部からの視線を遮る第1遮断部を保持する第1遮断部保持部とを有し、前記動物用通路は、前記通路部が前記窓の上枠よりも下に位置するように設置されている、動物飼育用建築物である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内の窓の付近に動物の通路となる動物用通路を備える動物飼育用建築物であって、
前記動物用通路は、
前記動物の通路となる通路部と、
前記通路部よりも下部に、前記窓の外部からの視線を遮る第1遮断部を保持する第1遮断部保持部とを有し、
前記動物用通路は、前記通路部が前記窓の上枠よりも下に位置するように設置されている、動物飼育用建築物。
【請求項2】
前記窓の前記通路部よりも上の部分である窓上部分に、前記窓の外部からの視線を遮る第2遮断部を備える、請求項1記載の動物飼育用建築物。
【請求項3】
前記第2遮断部は、前記窓上部分よりも上方向からの光を遮断する光学フィルムである、請求項2記載の動物飼育用建築物。
【請求項4】
前記通路部の上面に、前記動物が爪をとぐための爪とぎ部を備える、請求項1から3のいずれかに記載の動物飼育用建築物。
【請求項5】
屋内の窓の付近に設置される動物の通路となる動物用通路であって、
前記動物の通路となる通路部と、
前記通路部よりも下部に、前記窓の外部からの視線を遮る第1遮断部を保持する第1遮断部保持部とを備える、動物用通路。
【請求項6】
屋内の窓の付近に動物の通路となる動物用通路を設置する動物用通路設置方法であって、
前記動物用通路は、
前記動物の通路となる通路部と、
前記通路部よりも下部に、前記窓の外部からの視線を遮る第1遮断部を保持する第1遮断部保持部とを有し、
前記通路部が前記窓の上枠よりも下に位置するように、前記動物用通路を設置する通路設置ステップを含む、動物用通路設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、屋内の窓付近に動物の通路となる動物用通路を備える動物飼育用建築物等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、猫が居室間を自由に移動できるような専用の出入口、階段状の踏み板や小部屋等の休憩スペース、キャットウォーク(高所に設置した猫用の通路)等を備えた空間構成が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、猫は日光浴を好むため、日光浴ができるエリアが設けられた住宅も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-80508号公報
【特許文献2】特開2004-222603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の住宅では、猫が日光浴をできる空間を設けるためには、カーテンを開けて窓から採光する必要があり、外部からの視線を遮ることができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、外部からの視線を遮りつつも、猫等の動物が日光浴できる空間を備える動物飼育用建築物等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の観点は、屋内の窓の付近に動物の通路となる動物用通路を備える動物飼育用建築物であって、前記動物用通路は、前記動物の通路となる通路部と、前記通路部よりも下部に、前記窓の外部からの視線を遮る第1遮断部を保持する第1遮断部保持部とを有し、前記動物用通路は、前記通路部が前記窓の上枠よりも下に位置するように設置されている、動物飼育用建築物である。
【0008】
本願発明の第2の観点は、第1の観点の動物飼育用建築物であって、前記窓の前記通路部よりも上の部分である窓上部分に、前記窓の外部からの視線を遮る第2遮断部を備える。
【0009】
本願発明の第3の観点は、第2の観点の動物飼育用建築物であって、前記第2遮断部は、前記窓上部分よりも上方向からの光を遮断する光学フィルムである。
【0010】
本願発明の第4の観点は、第1から第3のいずれかの観点の動物飼育用建築物であって、前記通路部の上面に、前記動物が爪をとぐための爪とぎ部を備える。
【0011】
屋内の窓の付近に設置される動物の通路となる動物用通路であって、前記動物の通路となる通路部と、前記通路部よりも下部に、前記窓の外部からの視線を遮る第1遮断部を保持する第1遮断部保持部とを備える、動物用通路である。
【0012】
屋内の窓の付近に動物の通路となる動物用通路を設置する動物用通路設置方法であって、前記動物用通路は、前記動物の通路となる通路部と、前記通路部よりも下部に、前記窓の外部からの視線を遮る第1遮断部を保持する第1遮断部保持部とを有し、前記通路部が前記窓の上枠よりも下に位置するように、前記動物用通路を設置する通路設置ステップを含む、動物用通路設置方法である。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の各観点によれば、第1遮断部により外部からの視線を遮りつつも、動物用通路上に動物が日光浴できる空間を備える動物飼育用建築物等を提供することが可能になる。
【0014】
本願発明の第2の観点によれば、窓上部分からの視線を遮ることも可能になる。
【0015】
本願発明の第3の観点によれば、窓上部分よりも上方向からの視線を遮断しつつも、猫等の動物が動物用通路上から外を眺めることが可能になる。
【0016】
本願発明の第4の観点によれば、動物用通路の上で動物が爪とぎをすることができ、動物用通路上を動物にとってさらに快適な空間にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例に係る動物飼育用建築物の概要を示す図である。
【
図2】本発明の実施例に係る動物飼育用建築物1の一例の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本願発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本願発明の実施例は、以下に記載する内容に限定されるものではない。
【実施例0019】
図1は、本発明の実施例に係る動物飼育用建築物1(本願請求項記載の「動物飼育用建築物」の一例)の概要を示す図である。以下、
図1の動物飼育用建築物1の概要を説明する。
【0020】
図1を参照して、動物飼育用建築物1は、窓3と、動物の通路となる動物用通路5(本願請求項記載の「動物用通路」の一例)と、第2遮断部7(本願請求項記載の「第2遮断部」の一例)とを備える。
【0021】
動物用通路5は、通路部9(本願請求項記載の「通路部」の一例)と、第1遮断部保持部11(本願請求項記載の「第1遮断部保持部」の一例)と、爪とぎ部12(本願請求項記載の「爪とぎ部」の一例)とを備える。動物用通路5は、屋内の窓3付近に設けられ、ビスで壁又は窓枠に固定されている。
【0022】
通路部9は、その上を動物が通行する動物用の通路である。通路部9上は、動物が日光浴をして過ごす空間にもなり得る。
【0023】
第1遮断部保持部11は、通路部9の下部に設けられ、第1遮断部13(本願請求項記載の「第1遮断部」の一例)を保持するものである。
【0024】
第1遮断部13は、通路部9よりも下の窓3の外部からの視線を遮断するものである。第1遮断部13には、例えば、カーテン又はブラインドを用いる。
【0025】
動物用通路5は、通路部9が窓の上枠15よりも下に位置するように設置されている。そのため、第1遮断部13により通路部9よりも下の窓3の外部からの視線を遮りつつ、通路部9よりも上の窓3の外部から採光することができ、動物用通路5上に動物が日光浴できる空間を備える動物飼育用建築物1を提供することが可能になる。なお、通路部9と窓の上枠15とは、飼育する動物の体高又は座高以上離れていることが望ましい。
【0026】
第2遮断部7は、窓3の通路部9よりも上の部分である窓上部分17に設けられる。第2遮断部7には、例えば、窓上部分17よりも上方向からの光を遮断する光学フィルムを用いる。窓上部分17に、上方向からの光を遮断する光学フィルムを貼ることにより、窓上部分17よりも上方向からの視線を遮断しつつも、動物が動物用通路5上から外を眺めることが可能になる。
【0027】
図2は、本発明の実施例に係る動物飼育用建築物1の一例の写真である。第1遮断部保持部11としてカーテンレール、第1遮断部13としてカーテンを用いている。
図2のようにカーテンを閉めた状態であれば、外部からの視線を遮りつつも、動物用通路5上に動物が日光浴できる空間を設けることが可能になる。
【0028】
通路部9の上面の爪とぎ部12(本願請求項記載の「爪とぎ部」の一例)は、例えば、段ボール製爪とぎ、又は、サイザル麻製爪とぎを用いる。段ボール製爪とぎは、複数の段ボールを重ね合わせたものであり、波状の中芯が見える断面で爪をとぐことができるものである。サイザル麻製爪とぎは、サイザル麻繊維を織り込んだマット状の爪とぎである。通路部9の上面に、爪とぎ部12を設けることにより、動物用通路5の上で動物が爪とぎをすることができ、動物用通路5上を動物にとってさらに快適な空間にすることが可能になる。
【0029】
爪とぎ部12は、通路部9の上面の一部に設けられてもよいし、通路部9の上面の全体に設けられてもよい。通路部9の上面の全体に爪とぎ部12を設けた方が、動物用通路5の上のどこでも動物が爪とぎをすることができるため望ましい。
【0030】
なお、爪とぎ部12は、劣化したら交換できるように、通路部9の上面に、例えば面ファスナーなどで着脱可能に設置されているとよい。また、面ファスナーは、爪とぎ部12の下面の一部に設けられていてもよいが、爪とぎ部12の下面の全面に設けられていた方が、動物が爪とぎ時に引っ張ってもずれにくよう強固に設置することができるため望ましい。あるいは、爪とぎ部12の下面の外周に沿って面ファスナーが設けられてもよい。
【0031】
また、一般に、段ボール製爪とぎよりもサイザル麻製爪とぎの方が高強度で屑がでにくいので望ましい。
1;動物飼育用建築物、3;窓、5;動物用通路、7;第2遮断部、9;通路部、11;第1遮断部保持部、12;爪とぎ部、13;第1遮断部、15;上枠、17;窓上部分